JP2007229001A - 乾燥機能付き洗濯機 - Google Patents

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Abstract

【課題】温風の洗濯兼脱水槽への吹き込み態様に柔軟性を備えることにより、状況に応じて洗濯物の乾燥効率のなお一層の向上を図ることができる乾燥機能を備えた洗濯機を提供する。
【解決手段】洗濯兼脱水槽30は、洗濯物が収容され且つ縦軸の回り回転可能であり、洗濯兼脱水槽30からの排水は排水経路に導かれる。送風機92が送る空気はヒータ94によって加温して温風とされ、温風は、分岐部98に設けられた切替え弁99の位置によって、洗濯兼脱水槽30の上部と下部とのいずれか一方又は両方から吹き込まれる。温風の洗濯兼脱水槽30への吹き込み態様として、上部からのみ、下部からのみ、或いは上部と下部との両方からという柔軟性のある態様が得られ、温風の吹き込みについて選択の幅が広がる。したがって、洗濯機1において、洗濯物の状況に応じた使い勝手のよい乾燥機能が得られる。
【選択図】図1

Description

この発明は、縦型の全自動脱水乾燥式洗濯機のような、乾燥機能を備えた洗濯機に関する。
従来、縦型の全自動脱水乾燥式洗濯機として、縦軸の回りに回転可能に配置されるとともに内部に洗濯物を収容する脱水槽と、脱水槽を収容する水槽と、選択可能な異なる速度で脱水槽を回転駆動するモータと、洗濯水や衣類の加熱手段としてのヒータと、洗濯物を洗い且つ乾燥時に洗濯物をほぐす手段としてのパルセータとを備えているものが提供されている。特に乾燥機能については、送風機によって送風される空気がヒータに通されることで温められ、そうして得られた温風が洗濯兼脱水槽内へ吹き込まれる。この際に、パルセータを回転させることで、温風が当たる洗濯物が随時入れ替わるようにして、洗濯物の水分が取り除かれる。この水分を含んだ温風を、熱交換部を通し除湿して再び送風機に戻して循環させながら、乾燥工程を進行させていく形式のものが知られている。
洗濯乾燥機の一例として、乾燥工程時に衣類に温風を万遍なく当てるようにして乾燥効率を向上させるもの提案されている(特許文献1参照)。この提案によれば、洗濯乾燥機は、筐体と、この筐体に弾性的に支持した外槽と、この外槽内に回転自在に支持され衣類を収容する内槽と、この内槽を駆動するモータと、内槽内に温風を送風する温風送風手段とを備えており、温風送風手段からの温風を、内槽の下方より送風する構造が採用されている。下方より上方へ温風を送風することにより、特に少量の衣類を乾燥するとき、暖かい空気が上昇することを利用しながら衣類に万遍なく温風を当てることができ、乾燥効率を向上させることを図っている。
また、別の提案として、構成をシンプルにするとともに、空冷式熱交換部の熱交換性能を向上させた、全自動洗濯乾燥機が提案されている(特許文献2参照)。この提案によれば、全自動洗濯乾燥機は、筐体と、この筐体に内包され、かつ、略垂直軸を中心に水平方向に回転する略円筒状の洗濯兼脱水槽と、洗濯兼脱水槽を内包し洗濯兼脱水槽と同心の略円筒状の受け筒と、受け筒を筐体から懸垂支持するサスペンションと、受け筒の下部に固定したモータと、ヒータで加熱された温風を洗濯兼脱水槽へ送風する乾燥用送風機と、洗濯兼脱水槽へ供給された温風を熱交換部で冷却除湿し熱交換部で冷えた乾燥空気をヒータにより加熱して洗濯兼脱水槽へ循環させる循環通路と、外部の空気を筐体の内部に送り込む冷却用送風機とを具備している。更に、熱交換部を筐体内に設置するとともに、冷却用送風機を筐体の側面に取り付け、冷却用送風機により受け筒と熱交換部を外気で冷却することにより、熱交換部での熱交換性能を向上させて、シンプルな構成の全自動洗濯乾燥機を実現することを図っている。
更に、別の提案として、洗濯物と熱交換された温風を再循環させて、熱効率を増大させた洗濯機が提案されている(特許文献3参照)。この提案によれば、洗濯機は、乾燥行程時には前記洗濯槽に温風を供給し、給水行程時には前記水槽に高温の洗濯水を供給する温風/温水供給手段と、乾燥行程時、前記洗濯槽内の洗濯物と接触して、水分を多量に含有した温風を、前記温風/温水供給手段にて再循環させる温風誘導手段と、前記温風誘導手段により再循環される温風より、水分を除去させる水分除去手段と、水槽の上側内周縁を円環にて囲んで形成された、温風逆流遮断手段にて構成された温風/温水供給装置とを備えている。温風/温水供給装置は、簡単な構成で洗濯機に温水を供給するようになるので、洗剤の溶解力は勿論、洗浄力とすすぎ性の向上を図っている。
特開2003−164694号公報(段落[0031]〜[0033]、図1) 特許第3430956号公報(段落[0011]〜[0013]、図1) 特許第2763265号公報(段落[0033]〜[0047]、図2、図3)
この種の乾燥機能を備えた洗濯機については、乾燥工程時の適切な時期に衣類に温風を万遍なく当てるため、温風の洗濯兼脱水槽への吹き込み態様に一層の柔軟性を持たせる点で解決すべき課題がある。
この発明の目的は、温風の洗濯兼脱水槽への吹き込み態様に柔軟性を備えることにより、状況に応じて洗濯物の乾燥効率のなお一層の向上を図ることができる乾燥機能を備えた洗濯機を提供することである。
上記の課題を解決するため、この発明による乾燥機能付き洗濯機は、洗濯物が収容され且つ縦軸の回り回転可能な洗濯兼脱水槽と、当該洗濯兼脱水槽からの排水を導く排水経路と、前記洗濯兼脱水槽内に空気を送り込む送風機と、送り込まれる空気を加温して温風とするヒータとを備え、前記送風機から前記洗濯兼脱水槽への送風経路に、前記洗濯兼脱水槽への前記空気の吹き込みを、前記洗濯兼脱水槽の上部と下部とのいずれか一方又は両方からの吹き込み態様の間で選択的に切替え可能な分岐部を有していることを特徴としている。
この乾燥機能付き洗濯機によれば、送風機によって送り込まれた空気は、ヒータによって加温されて温風となり、洗濯兼脱水槽への吹き込み態様として、上部からのみ、下部からのみ、或いは上部と下部との両方からというように、温風の吹き込みの態様に柔軟性が備わり洗濯の幅が広がる。したがって、洗濯機において、洗濯物の状況に応じた使い勝手のよい乾燥機能が得られる。
前記送風機から前記洗濯兼脱水槽への送風経路には、吹き込み態様を選択的に切替え可能な分岐部が備えられている。即ち、前記送風機から洗濯兼脱水槽への送風経路に、送風を前記上部、前記下部、又は前記上部と下部の両方に送る各態様に選択的に切替え制御可能な分岐部が備えられている。分岐部を備えることによって、送風機の台数は共通のものとして一台を備えればよく、分岐部の切替え制御によって上記した温風の洗濯兼脱水槽への吹き込み態様をいずれかに切り替えることができる。上部と下部の両方に送る態様の場合でも、送風割合を任意の値に制御可能とすることができる。
上記の乾燥機能付き洗濯機において、前記温風の前記下部からの吹き込みのため、前記洗濯兼脱水槽からの排水を導く排水経路を前記送風経路の一部とすることができる。下部からの吹き込みは既存の排水経路を通じて行われるので、専用の送風経路を設ける必要がない。その結果、洗濯機の構造に大きな変更を要せず、コスト上昇を抑制することができる。温風が排水経路を洗濯機からの排出方向に流れないように、排水経路には、排水を洗濯機外に排出する排水工程では開弁し、乾燥工程においては温風が洗濯兼脱水槽へ流れるように閉弁する排水弁が設けられる。
上記の乾燥機能付き洗濯機において、前記温風の前記下部からの吹き込みのため、前記送風経路の一部を構成しており且つ前記分岐部と前記排水経路とを接続する下部用送風経路を断熱処理することができる。前記下部用送風経路の断熱処理としては、下部用送風経路を断熱材で形成するか、又は断熱材で覆うことが挙げられる。送風機の配置位置としては、通常、スペースや洗濯機の小型化等の観点から洗濯機の上部とされる。ヒータについても送風機と合わせて洗濯機の上部に配置する場合には、送風機から排水経路までの距離が長くなるので、両者は具体的には配管からなる下部用送風経路によって接続される。下部用送風経路が長くなると、内部を流れる温風が下部用送風経路周囲の比較的低温の空気によって冷やされて洗濯兼脱水槽内の洗濯物の乾燥効率が低下するので、下部用送風経路を断熱処理することで、下部用送風経路を流れる温風の温度低下を抑えることができる。
上記の乾燥機能付き洗濯機において、前記下部用送風経路部の下端部には、前記下部から吹き込まれる空気の加温用の前記ヒータとして、下部用ヒータを設けることができる。洗濯兼脱水槽の下部へ送り込まれる空気を加温するヒータが洗濯機の上部に配置される場合には、温風が下部用送風経路を通じて下部まで供給される間に熱が失われ易い。そこで、当該ヒータについては水槽の下部に追加的に設けることで、当該下部に吹き込む直前に空気を加温することができ、その結果、ヒータの加熱が有効に利用され、乾燥効率を維持し向上することができる。
この乾燥機能付き洗濯機において、前記洗濯物の乾燥工程の最後では、前記温風を前記下部のみから吹き込むことができる。温風を洗濯兼脱水槽の上部又は下部から選択的に吹き込むことができるので、温風の洗濯兼脱水槽への吹き込み形態は、適宜時期に適宜の方向から行うことができるが、洗濯兼脱水槽の下に置かれている洗濯物ほど乾燥が遅いという一般的な傾向がある。そのため、乾燥工程の最後で温風を下部のみから行うことで、洗濯物に乾燥むらが生じるのを防止することができる。
この発明による乾燥機能付き洗濯機は、上記のように構成されているので、温風の洗濯兼脱水槽への吹き込み態様に柔軟性が備わり、状況に応じて洗濯物を乾燥するための温風の吹き込み形態を変更できるので、全体としての乾燥効率のなお一層の向上を図ることができる。
以下、添付した図面に基づいて、この発明による乾燥機能付き洗濯機の実施例を説明する。図1はこの発明による乾燥機能付き洗濯機の一実施例を示す縦断面図、図2は図1に示す乾燥機能付き洗濯機の下部構造を示す断面図である。
図1には、乾燥機能付き洗濯機(以下、単に、「洗濯機」という)1の全体構成が縦断面図として示されており、左側が洗濯機1の正面、右側が背面とする。洗濯機1は、全自動型のものであり、金属又は合成樹脂製の外箱10を備えている。外箱10は、直方体形状に成形され、その上面及び底面は開口部となっている。外箱10の上面開口部には、操作パネル等が設けられた合成樹脂製の上面板11がネジで固定されている。
洗濯機1の背面側に位置する上面板11の上面には、合成樹脂製のバックパネル12が外箱10又は上面板11にネジで固定されている。外箱10の底面開口部には、合成樹脂製のベース13がネジで固定されている。なお、図1では、これまでに述べてきたいずれのネジの図示をも省略している。ベース13の四隅には、外箱10を床の上に支えるための脚部14a・14bが設けられている。正面側の脚部14aは、レベル出しのために高さ可変とし、背面側の脚部14bはベース13に一体成型した固定脚である。
上面板11には、洗濯機1内に洗濯物を投入するための洗濯物投入口15が形設されている。上蓋16は、上面板11にヒンジ部17で結合され、垂直面内で回動すると共に、洗濯物投入口15を上から覆うことができる。外箱10の内部には、外箱10に対してサスペンション部材(図示せず)によって水平面内で揺動可能に吊り下げ支持されている外側の水槽20と、水槽20の内側において水槽20と同心状に配設された脱水槽を兼ねる洗濯槽、即ち、洗濯兼脱水槽30とが配置されている。水槽20及び洗濯兼脱水槽30は、両者とも上面が開口した円筒形のカップの形状を呈しており、各々の軸線が鉛直方向となっている。
洗濯兼脱水槽30は、上方に向かうにつれて緩やかに広がるテーパー形状の周壁を有している。この周壁には、その最上部に環状に配置した複数個の脱水孔(図示せず)を除き、液体を通すための開口部は形成されておらず、洗濯兼脱水槽30は、いわゆる「孔無し」タイプである。洗濯兼脱水槽30の上部開口部の縁には、環状のバランサ32が装着されている。バランサ32は、洗濯物の脱水のため、洗濯兼脱水槽30を高速回転させたときに、その振動を抑制する働きをする。洗濯槽30の内部底面には、槽内で洗濯水あるいはすすぎ水の流動を生じさせるためのパルセータ33が配置されている。
水槽20の下面には、駆動ユニット40が装着されている。駆動ユニット40は、モータ41、モータ41の出力回転を伝動するベルト伝動機構42及びクラッチ・ブレーキ機構43を含んでおり、その中心部から脱水軸44とパルセータ軸45とが上向きに突出している。脱水軸44とパルセータ軸45とは、脱水軸44が外側に配置され、パルセータ軸45が内側に配置された二重軸構造となっている。脱水軸44は、下方から上方に向かって水槽20の中に入り込んだ後、洗濯兼脱水槽30に連結し、これを支えている。パルセータ軸45は、下方から上方に向かって水槽20を貫いて更に洗濯兼脱水槽30の中に入り込み、パルセータ33に連結し、これを支えている。パルセータ33は、55〜300rpmの回転を行い、洗濯又は濯ぎを行う。脱水時には洗濯兼脱水槽30と一緒に0〜1000rpmで回転し、脱水を行う。脱水軸44と水槽20との間、及び脱水軸44とパルセータ軸45の間には、各々、水漏れを防ぐためのシール部材が配置されている。
バックパネル12の下の空間には、電磁的に開閉する給水弁(図示せず)が配置されている。給水弁に接続され且つバックパネル12を貫通して上方に突きだす接続管51には、水道水などの上水を供給する給水ホース(図示せず)が接続されている。また、給水弁は、洗濯兼脱水槽30の内部に臨む位置に配置された容器状の給水口に接続されている。
図2に示されている洗濯機1の下部構造を合わせて参照すると、水槽20の底部には、水槽20及び洗濯兼脱水槽30の中の水を外箱10の外に排水する排水ホース60が取り付けられている。排水ホース60には、排水口61から水が流れ込む。脱水時に洗濯兼脱水槽30の外側へ出た水は、図示しない排水管を通じて排水ホース60に流される。
洗濯兼脱水槽30の下部には補強のためのディスク状の脱水フランジ62が取り付けられている。洗濯兼脱水槽30と脱水フランジ62の間にはフランジパッキン62aが挟み込まれ、中心部からの水漏れを防止している。脱水フランジ62の下部中心部には、円盤の外周を折り曲げたリング状のシールリング65が取り付けられている。水槽20の底中心部にはシールホルダ63が取り付けられ、水槽20との間で排水口61までを含めて排水経路が形成されている。シールホルダ63と水槽20の間は、シールパッキン63aによって水密される。洗濯兼脱水槽30、脱水フランジ62及びシールリング65には連通した排水孔67が円周上に4箇所設けられ、排水孔67は洗濯兼脱水槽30内部の水を排水口61から電磁的に開閉する排水弁68に導く。シールホルダ63には内側においてオイルシール64が圧入されており、オイルシール64がシールリング65の外周面に接触している。このシール構造によって、シールリング65とオイルシール64は回転自在で且つ水密構造となり、水槽20と洗濯兼脱水槽30との間に独立した排水空間66が形成されている。排水空間66は、洗濯兼脱水槽30の底部に形設した排水孔67を通じて洗濯兼脱水槽30の内部に連通している。排水口61、排水空間66及び排水孔678を含む排水経路は、後述するように、洗濯物を乾燥させるための温風が下部から送り込まれる送風経路の一部を構成している。
上記した構造によって、パルセータ33が回る洗濯時には、洗濯兼脱水槽30内の水は排水弁68で止水され、洗濯兼脱水槽30内には水が貯められる。脱水を行うときは排水弁68が開かれ、洗濯兼脱水槽30内の水は外部に排水される。シャフト44,45と洗濯兼脱水槽30がモータ41で回転するが、オイルシール64によりシールリング65とシールホルダ63は回転自在で且つ水密構造をとり続けることができる。
外箱10の正面側には、制御部80が配置されている。制御部80は、上面板11の下に置かれており、上面板11の上面に設けられた操作/表示部(図示せず)を通じて使用者からの操作指令を受け、駆動ユニット40、給水弁および排水弁68に動作指令を発する。また、制御部80は、操作/表示部に表示指令を発する。
水槽20の上端部に設けられるフランジ部81には、内蓋82がヒンジ83によって回動可能に取り付けられている。内蓋82は、洗擢・濯ぎ・脱水時には、洗濯物や水が洗濯兼脱水槽30から外に飛び出すのを防止している。
洗濯物の乾燥を行うため、図1に示すような温風吹き込み手段90が設けられている。温風吹き込み手段90は、送風箱91内に配設されモータ(図示せず)で駆動される送風機92と、送風機92の出口側に設けられて送風機92から送られてくる空気を加熱するヒータ94とを備えている。送風機92によって送り出された空気は、ヒータ94を通る際に加熱されて80℃程度の温風になる。送風箱91において、一方の吸込み口95側は下方に開口しており、乾燥工程中に洗濯機1の温度上昇した部分に触れて温まった空気が洗濯機1内のスペースを上昇してくるのを取り込み易くしている。他方の吹出し口96側には送風経路が接続されており、送風経路の最初には分岐部98が設けられている。図1に示す実施形態においては、ヒータ94は送風機92の出口側で且つ分岐部98の上流側に配置されているので、分岐部98は、送風機から吹き出された空気をヒータ94が温めて得られた温風を分岐させる。分岐部98には送風機からの空気(この場合、温風)を洗濯兼脱水槽30の上部から吹き込むか、又は下部から吹き込むかの送風経路を切り替える切替え弁99が配設されている。
切替え弁99は、例えば、下端部をヒンジ構造にした回動可能な弁体を備えており、弁体をいずれかに回動させることで、温風の流れを二股の分岐管110,111に分岐することができる。分岐管110,111には、それぞれ蛇腹管112,113が接続されており、蛇腹管112,113は、洗濯機1の運転時に振動等の出入り口間の相対変位を吸収することができる。蛇腹管112は、水槽20のフランジ81を貫通し且つ支持されて洗濯兼脱水槽30内の空間31に開口しており、上部用送風経路として機能している。また、蛇腹管113は下部用送風経路114に接続されており、下部用送風経路114の下端部は上記の排水経路に接続されている。切替え弁99を切り替えて図1に示す位置を取らせた場合には、送風箱91から送られてくる温風は、すべて分岐管110に流れ、蛇腹管112を通じて上部から洗濯兼脱水槽30内に吹き込まれる。この場合には、下部から洗濯兼脱水槽30内に吹き込まれる温風はない。
図3及び図4には、図1に示す洗濯機において切替え弁99の切替え位置を変更した部分図が示されている。切替え弁99を図3に示す位置に切り替えた場合には、弁体は分岐管110側を閉鎖し、分岐管111を全開としている。したがって、送風箱91から送られる温風は、すべて蛇腹管113から下部用送風経路114に流れ、更に排水口61、排水空間66等の排水経路及び排水孔67を通じて洗濯兼脱水槽30内にはその下部から吹き込まれる。切替え弁99を図4に示す位置に切り替えた場合には、弁体は分岐管110側と分岐管111側との丁度中間位置を占め、それぞれ半開としている。したがって、送風箱91から送られる温風は、その半分が蛇腹管112を通じて、洗濯兼脱水槽30内にはその上部から吹き込まれ、残る半分が蛇腹管113から下部用送風経路114に流れて、洗濯兼脱水槽30内にはその下部から吹き込まれる。
このように、分岐部98を備えることによって、送風機の台数は共通のものとして一台で済み、分岐部98の選択的な切替え制御によって温風の洗濯兼脱水槽30への吹き込み態様を上部から、下部から、及び両方からというように、いずれかに選択的に切り替えることができる。上部と下部との両方に送る態様の場合でも、送風割合を任意の値に制御可能である。吹き込まれた温風は洗濯物に対して乾燥作用を及ぼして水分を取り、その後、洗濯兼脱水槽30の外に出て、洗濯機1内のスペースを流れ、一部は吸込み口95から送風機に吸い込まれて、送風箱91内に戻り熱の再利用が図られ、残る部分は適宜の隙間から洗濯機1の外部に排気される。
ここで、洗濯兼脱水槽30は孔無しであるので、脱水孔が形成されている場合のように温風が洗濯物の乾燥に寄与しないで洗濯兼脱水槽30の外側に発散的に漏れ出ることが少なくなる。温風が通る経路がより単純・限定的になるとともに密閉度が上がって排水孔67から排気されるまで洗濯物に触れて乾燥を促すので、乾燥の効率がよい。乾燥工程時に、パルセータ33を低速回転させることにより、洗濯物はほぐされて温風とよく触れて乾燥が促進される。乾燥工程が進行するにつれ排熱によって洗濯機1内も温められており、その熱量を受けて温まった外気が吸込み口95から吸い込まれて利用されるので、熱効率も上がる。乾燥終了は、洗濯物の乾燥時のヒータ94の出口温度と洗濯物を通過した後の水蒸気を含む空気温度を温度センサでセンシングして乾燥終了を検知することができる。また、ユーザが設定したタイマで時間制御することも可能である。
送風機やヒータの配置位置としては、通常、スペースや洗濯機1の小型化等の観点から、図1について説明したように、洗濯機1の上部とされる。このような場合には、送風機から排水経路までの距離が長くなるので、下部用送風経路114が、上端部115を蛇腹管113に接続し下端部116を排水経路に接続することで設けられている。下部用送風経路114が長くなると、内部を流れる温風が下部用送風経路114を通じて供給される間に周囲の比較的低温の空気によって冷却され易く、その結果、乾燥効率が低下する。そこで、下部用送風経路114はそれ自体が断熱材で形成されている。或いは、配管として構成されている下部用送風経路114の周囲をガラス繊維材等の材料から成り市場で入手可能な断熱材で巻くなどして覆うことができる。下部用送風経路114についての構造をこのように構成することにより、下部用送風経路114を流れる温風の温度低下を抑え、乾燥効率の低下を抑制することができる。
図5には、この発明による乾燥機能付き洗濯機の別の実施例が、図1と同様の断面図として示されている。図5に示す実施例においては、送風機92の出口側に設けられたヒータ94に加えて、洗濯兼脱水槽30の下部へ送り込まれる空気を再度加温するため、下部ヒータ120が水槽の下部に設けられている。具体的には、下部用送風経路114の下端部115に下部ヒータ120が配設されており、ヒータ120の更に下流側に止水弁121が配設されている。その他の構造については、図1に示す実施例と変わりはないので、同じ構成要素には同じ符号を用いることで再度の説明を省略する。下部ヒータ120を下部用送風経路114の下端部115に設けることで、洗濯兼脱水槽30の下部に吹き込まれる空気は、下部用送風経路114を下る間に冷却されことがあるが、その直前で下部ヒータ120によって再度加温されるので、下部ヒータ120の加熱が有効に利用され、乾燥効率を維持し向上することができる。止水弁121は、洗濯時には閉弁されて洗濯兼脱水槽30内の水が下部ヒータ120に侵入するのを阻止し、乾燥時には開弁されて、送風機によって送られ下部ヒータ120によって温められた空気が洗濯兼脱水槽30内に吹き込まれるのを許容する。
洗濯兼脱水槽30については孔無し槽として説明したがこれに限定する必要もない。孔無し槽であれば密閉度が上がるということであり、脱水孔を有するものであっても構わない。更に、縦型の洗濯機として説明をしたが、傾斜角度が比較的小さければ、本発明を傾斜型の洗濯機に適用することも可能である。更に、ヒータについては、分岐後、即ち、切替え弁99の下流側に設けることもできる。この場合、ヒータを追加的に設けるのではなく、上部からの吹き込み、或いは下部からの吹き込みについては、それぞれ専用のヒータとすることもできる。
この発明による乾燥機能付き洗濯機の一実施例を示す縦断面図である。 図1に示す乾燥機能付き洗濯機の下部構造を示す断面図である。 図1に示す乾燥機能付き洗濯機の一送風形態を示す部分図である。 図1に示す乾燥機能付き洗濯機の別の送風形態を示す部分図である。 この発明による乾燥機能付き洗濯機の別の実施例を示す縦断面図である。
符号の説明
1 乾燥機能付き洗濯機
10 外箱 11 上面板
12 バックパネル 13 ベース
14a・14b 脚部 15 洗濯物投入口
16 上蓋 17 ヒンジ部
20 水槽
30 洗濯兼脱水槽 31 空間
32 バランサ 33 パルセータ
40 駆動ユニット 41 モータ
42 ベルト伝動機構 43 クラッチ・ブレーキ機構
44 脱水軸 45 パルセータ軸
51 接続管 60 排水ホース
61 排水口 62 脱水フランジ
62a フランジパッキン
63 シールホルダ 63a シールパッキン
64 オイルシール 65 シールリング
66 排水空間 67 排水孔
68 排水弁 80 制御部
81 フランジ部 82 内蓋
83 ヒンジ
90 温風吹き込み手段 91 送風箱
92 送風機 94 ヒータ
95 吸込み口 96 吹出し口
98 分岐部 99 切替え弁
100 循環径路 101 下端部
102 上端部 103 接続管
110,111 分岐管 112,113 蛇腹管
114 下部用送風経路
115 上端部 116 下端部
120 下部ヒータ 121 止水弁

Claims (5)

  1. 洗濯物が収容され且つ縦軸の回り回転可能な洗濯兼脱水槽と、前記洗濯兼脱水槽内に空気を送り込む送風機と、送り込まれる空気を加温して温風とするヒータとを備え、
    前記送風機から前記洗濯兼脱水槽への送風経路に、前記洗濯兼脱水槽への前記空気の吹き込みを、前記洗濯兼脱水槽の上部と下部とのいずれか一方又は両方からの吹き込み態様の間で選択的に切替え可能な分岐部を有していることを特徴とする乾燥機能付き洗濯機。
  2. 前記温風の前記下部からの吹き込みのため、前記洗濯兼脱水槽からの排水を導く排水経路が前記送風経路の一部とされていることを特徴とする請求項1に記載の乾燥機能付き洗濯機。
  3. 前記温風の前記下部からの吹き込みのため、前記送風経路の一部を構成しており且つ前記分岐部と前記排水経路とを接続する下部用送風経路が、断熱処理されていることを特徴とする請求項2に記載の乾燥機能付き洗濯機。
  4. 前記下部用送風経路部の下端部には、前記下部から吹き込まれる空気の加温用の前記ヒータとして、下部用ヒータが設けられていることを特徴とする請求項3に記載の乾燥機能付き洗濯機。
  5. 前記洗濯物の乾燥工程の最後において、前記温風は前記下部のみから吹き込まれることを特徴とする請求項1に記載の乾燥機能付き洗濯機。
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