JPH0975388A - インキ状ないしクリーム状の発熱組成物及びこれを用いた発熱体並びにこの発熱体の製造方法 - Google Patents

インキ状ないしクリーム状の発熱組成物及びこれを用いた発熱体並びにこの発熱体の製造方法

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JPH0975388A
JPH0975388A JP17740496A JP17740496A JPH0975388A JP H0975388 A JPH0975388 A JP H0975388A JP 17740496 A JP17740496 A JP 17740496A JP 17740496 A JP17740496 A JP 17740496A JP H0975388 A JPH0975388 A JP H0975388A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 発熱体製造時の粉塵の発生を防止し、又、発
熱組成物の発熱反応を抑制して、製造時の発熱反応によ
るロス、発熱組成物の品質低下や凝固を防止するのであ
り、更に、発熱組成物を、吸水性の発泡フィルム・シー
ト、不織布、織布又は多孔質フィルム・シート、或いは
これらの上に形成された吸水層上に転写することによっ
て、発熱組成物を袋材に均等に分布、固定させて、発熱
組成物の移動、片寄りを防止することのできる発熱体の
製造方法を提供する。 【解決手段】 発熱物質と、吸水性ポリマー及び/又は
増粘剤と、炭素成分及び/又は金属の塩化物と水を必須
成分とし、全体としてインキ状ないしクリーム状に形成
されているものであり、このインキ状ないしクリーム状
の発熱組成物を用いた発熱体及びその製造方法を構成と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発熱組成物をインキ状
ないしクリーム状に形成し、このインキ状ないしクリー
ム状の発熱組成物を包材に高速で転写することによって
超薄型の発熱体を製造できる上、発熱組成物を袋体内に
均等な厚さに分布させることができるのであり、又、発
熱組成物の一部又は全部を袋体内に固定してその移動を
防止し、薄く、柔軟で使用感が著しく優れたインキ状な
いしクリーム状の発熱組成物及びこれを用いた発熱体並
びにこの発熱体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、いわゆる、使い捨て型かいろとし
て、通気性又は気密性を有するフィルム状ないしシート
状の基材と、通気性を有するフィルム状ないしシート状
の被覆材とからなる偏平な袋体内に発熱組成物を封入し
た発熱体が広く利用されている。
【0003】又、この袋体の片面に粘着剤層を形成し
て、下着や生体表面に直接に貼りつけることができるよ
うにした発熱体も利用されており、更に、この粘着剤層
に湿布剤を含有又は担持させて温湿布に利用したり、経
皮吸収性薬物を含有又は担持させて、いわゆる薬物の経
皮吸収剤として利用することも提案されている(特開平
2−149272号公報参照)。
【0004】この発熱体の製造方法としては、一般に、
基材の所定領域に発熱組成物を投下した後、通気性を有
する被覆材を被せ、更にこの後、基材と被覆材の周縁部
とを全周にわたってヒートシール、ホットメルト系接着
剤などによって封着する方法が採用されている。
【0005】そして、このようにして製造された発熱体
は使用時までの発熱反応を抑止するために、気密性の外
袋内に密封され、保存されたり、流通に供される。
【0006】従来の発熱組成物としては、発熱反応に必
須である金属粉及び水の他に発熱を促進するためのカー
ボンや活性炭などの炭素成分、金属粉の表面の酸化膜を
破壊し発熱反応を連続的に発生させる金属の塩化物更に
木粉などの保水剤などを配合した粉末状のものが用いら
れている。
【0007】この粉末状の発熱組成物を投下する方法と
しては、基材を間欠的に移動させ、基材の停止中に粉末
状の発熱組成物を投下する方法と、基材を一定速度で移
動させると共に、粉末状の発熱組成物を投下する投下口
を基材と同速度で移動させながら基材上に粉末状の発熱
組成物を投下する方法とがあるが、製造の高速化を図る
上では後者の方が優れている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来のように、発熱組
成物が粉末状に形成されている場合、粉末状の発熱組成
物は、発熱反応、つまり酸化反応が発生し易い最適の状
態で配合されており、しかも粉末状で多孔質体で、表面
積が広く、空気との接触が極めて良好である上、空気と
接触すると直ちに酸化反応が生じるのである。
【0009】従って、発熱組成物を適正な配合比で配合
している間、及び発熱組成物を製造し、これを基材上に
投下し被覆材で被覆して発熱体を製造するまでの間に空
気との酸化反応、つまり発熱反応が起こり、発熱組成物
の発熱反応によるロスが生じると共に発熱組成物の品質
が低下する上、発熱反応によって生成した生成物が凝固
して種々の弊害が発生する。具体的には、例えば、凝固
物除去による歩留りの低下、取り扱いの困難性、製造装
置のメンテナンスの煩雑性、製造装置の稼働時間ないし
作業者の就業時間に対する制約、凝固物処理の困難性な
どの弊害を招来する。
【0010】又、発熱組成物が粉末状であると、前述の
ように、発熱体を製造し、得られた発熱体を気密性の外
袋内に密封するまでの間に空気との酸化反応が発生し、
発熱体の品質低下、その信頼性が低くなるなどの致命的
な欠陥が発生する。
【0011】このような発熱組成物の酸化反応を防ぐた
めに、混合装置を気密性とし、しかも混合装置内の空気
を窒素置換してから発熱組成物の成分が均一に混合され
るがこれでは混合装置が複雑で高価になるだけでなく、
発熱組成物や発熱体が高価になるなどの問題がある。
【0012】更に、発熱体を製造するにあたり、基材を
間欠的に移動させ、基材の停止中に発熱組成物を投下す
る方法では、基材の停止、起動を頻繁に繰り返すので、
製造速度が遅くなるという問題がある。
【0013】一方、基材を一定速度で移動させると共
に、発熱組成物を投下する投下口を基材と同速度で移動
させながら基材上に発熱組成物を投下する方法では、基
材の停止、起動がほとんど繰り返されないので、製造速
度を高めることができる。
【0014】しかしながら、この場合、発熱組成物を投
下する投下口を基材と同速度で移動させるために複雑な
機構が必要になる上、発熱組成物には水分の添加によっ
て湿潤性が与えられており、しかも粉末状で、流動性に
乏しいものであるから、その機構を移動させる速度に大
きな限界が生じたり、発熱組成物の充填性に欠ける上、
発熱組成物の充填量がばらついたり、発熱組成物が包材
内で偏る結果、信頼性に欠けるなどの問題がある。
【0015】又、発熱組成物は水分によって湿潤性が与
えられているが、水分の配合率が発熱反応に好適な程度
と低いので、粉末状で流動性に乏しく、これを単に投下
するだけでは基材上の所定範囲内に均等に分布させるこ
とが著しく困難であるという問題もある。
【0016】このため、被覆材を被せてシールをする際
に、ローラなどによって発熱組成物の分布をある程度、
均等化させているが、この方法では袋材の送り元方向に
発熱組成物の分布が偏る傾向があり、袋材の送り先方向
の発熱組成物の分布量を増やすためには、発熱体を厚く
し、例えば使用時に手で振ることにより分布量の片寄り
を無くすことが必要になる。
【0017】このため、発熱体全体が数mm程度と分厚
くなり、触感がゴワゴワして風合いが悪い上、柔軟性が
低下して体表面の複雑な凹凸や曲率が小さい曲面になじ
み難くなり、又、伸長性又は伸縮性が低下して身体の動
作に伴って変形したり、移動したりする体表面への追従
性が悪く、突っ張り感や違和感が生じるなどの問題があ
る。
【0018】ところで、靴の中に発熱体を入れて採暖す
るためには発熱体の薄肉化を図ることが必須のこととな
るが、数mm程度の分厚い従来の発熱体では大きな不満
が存在する。
【0019】特に、従来の使い捨て型カイロは、発熱組
成物を粉末充填しているため発熱体内部で発熱組成物が
移動により厚みが一定せず、身体に固定して使用する場
合、発熱温度分布が一定しないため同じところに固定し
て使用するとやけどの原因となる。
【0020】近年、多孔質膜による発熱時の減圧を利用
し発熱組成物の片寄りを防止した製品が普及してきた
が、製造工程、輸送段階、使用段階において完全に片寄
り防止は出来ていないのが現状である。
【0021】又、使用前、外袋(保存袋)内に収納され
た状態では、発熱体内部は減圧状態にならず輸送段階で
は発熱組成物が発熱体内で移動することができるのであ
り、又、安全性を維持するためには厚みの均一性を保ち
発熱時の温度分布を一定にすることが重要で、発熱組成
物が片寄ったものは不良品として流通段階で返品にされ
たり、消費者からの交換に応じているのが現状であり、
この結果、輸送段階で発熱組成物の厚みの均一性を確保
することが極めて重要である。
【0022】そこで、特開昭62−347号公報におい
て、発熱組成物を接着剤で固定する方法が提案されてい
るが、実際の製造においては、粉体の発熱組成物を発熱
体袋の内側に接着することは不可能に近く、例えできた
としても接着強度は弱く完全な固定が不可能で使用中に
剥離を生じたり、柔軟性に乏しい板状のものになるため
使用感が悪くなったり、加えて、接着剤の混在によっ
て、発熱組成物と空気との接触が悪くなる結果、温度ム
ラや温度のバラツキの原因となり、実用性に欠ける。
【0023】そこで、本発明者は、前記技術的課題を解
決するために、発熱組成物の発熱反応を抑制して、製造
時の発熱反応による発熱組成物のロス、発熱組成物の品
質低下及び発熱組成物の凝固に伴う種々の弊害を防止
し、高速で超薄形の発熱体を製造でき、しかも発熱組成
物を袋体内に均等に分布、固定させることによって当該
発熱組成物の移動、片寄りを防止する上、発熱組成物の
過剰な発熱反応を極力避ける発熱体につき鋭意検討を重
ねて来た。
【0024】その結果、使い捨てカイロ等の発熱原理
は、金属粉が酸化される時の発熱を利用するものであ
り、この酸化反応、つまり発熱反応は、特に水分量が、
その速度に大きく影響することが判明した。
【0025】即ち、この酸化反応を促進するためには、
水分が多すぎても少なすぎても反応は著しく遅く、適度
な湿り気が有ることが重要である。この適度の湿り気が
ある状態が、水分と、金属粉への空気(酸素)の供給の
バランスがとれ酸化反応、つまり発熱反応の速度が最大
になる。
【0026】水分が少過ぎると、空気は十分であるが反
応に必要な水分が不足し、一方、水分が多過ぎると、こ
の水分がバリヤー層となって金属粉への空気の供給量が
減少するため反応は遅くなる。
【0027】そこで、本発明者は、発熱組成物を粘稠化
させてインキ状ないしクリーム状にすると、スクリーン
印刷やコーティング等による積層が至極容易で、且つ高
速で超薄型の発熱体を製造できるのであり、しかも発熱
組成物を袋材に均等に分布させることができる上、イン
キ状ないしクリーム状の発熱組成物を、発泡フィルム・
シート、テッシュペーパーやタオル用紙などの家庭用薄
葉紙等の紙更にダンボール紙やダンボール中芯等の厚紙
(以下、紙類という。)、不織布、織布又は多孔質フィル
ム・シートの上に積層すると、このインキ状ないしクリ
ーム状の発熱組成物は侵入・投錨性が高く、これらのフ
ィルムないしシートの細孔に食い込み、その移動や偏り
が阻止されるとの知見を得た。
【0028】この場合、特にこれらのフィルムないしシ
ートが吸水性を有し、このフィルムないしシートの上に
インキ状ないしクリーム状の発熱組成物を積層するか、
或いは前記のフィルムないしシートの上に更に吸水層を
形成し、この吸水層上に、インキ状ないしクリーム状の
発熱組成物を積層すると、当該発熱組成物の全部或いは
一部がこの発泡フィルム・シート、紙類、不織布、織布
又は多孔質フィルム・シート、或いはこれらの上に形成
された吸水層に一層固定され易くなる結果、その移動、
偏りが防止されるとの知見も得た。
【0029】加えて、本発明者は、発熱組成物をインキ
状ないしクリーム状に形成すると、粉末状の発熱組成物
に比較して、表面積が著しく小さくなり、空気との接触
が至極制限されて空気との酸化反応が著しく抑制される
との知見を得た。
【0030】又、本発明者は、インキ状ないしクリーム
状の発熱組成物においては、過剰の水或いは遊離水及び
/又は水分を含んだゲルが、金属粉を包み空気遮断層と
しての機能を発揮するからこの点からも空気中で至極安
定するとの知見を得た。
【0031】この場合において、発熱組成物中に水分が
過剰に配合されていると、つまりインキ状の発熱組成物
のように水分が過剰に配合されていると、この過剰水分
がバリヤー層としての機能を発現し、一層、空気との発
熱反応(酸化反応)が抑制され、一層安定性が向上する
ものである。
【0032】一方、インキ状ないしクリーム状の発熱組
成物は必ずしも水分が過剰に配合されている必要はな
く、クリーム状の発熱組成物のように比較的水分が少な
くても良く、この場合には遊離水及び/又は水分を含ん
だゲル(含水ゲル)が金属粉を包み空気遮断層(バリヤー
層)としての機能を発揮するから空気中で安定するので
ある。
【0033】そして、インキ状の脱酸素剤のように、過
剰の水分が配合されている場合にはその過剰水分を、支
持体、被覆材或いはインキ状ないしクリーム状の発熱組
成物の片面又は両面に当てがわれた吸水材などのうち少
なくとも1種に吸収させたり、又、クリーム状の発熱組
成物においても遊離水及び/又は含水ゲル中の水分の一
部を、支持体、被覆材或いはインキ状ないしクリーム状
の発熱組成物の片面又は両面に当てがわれた吸水材など
のうち少なくとも1種に吸収させることにより、バリヤ
ー層が喪失し、発熱組成物が多孔質になって、空気との
接触が良好で、発熱反応が円滑に行われるとの知見も得
た。
【0034】従って、発熱組成物を配合している間、及
びインキ状ないしクリーム状の発熱組成物を製造し、こ
れを基材上に印刷やコーティング等によって積層した
後、被覆材で被覆して発熱体を製造するまでの間に空気
との酸化反応、つまり発熱反応が殆ど発生することがな
く、発熱組成物の発熱反応に伴うロスや発熱組成物の品
質低下が防止される上、発熱組成物の凝固が防止され
る。このため、歩留りや取扱性が向上し、製造装置のメ
ンテナンスが容易で、しかも製造装置の稼働時間ないし
作業者の就業時間に対する制約が無くなるとの知見を得
た。
【0035】又、発熱組成物がインキ状ないしクリーム
状であると、前述のように、発熱体を製造し、得られた
発熱体を気密性の外袋内に密封するまでの間に空気との
酸化反応が殆ど無く、従って、発熱体の品質が安定し、
その信頼性が高くなるなどの利点が発生するとの知見を
得た。
【0036】更に、本発明者は、このようにインキ状な
いしクリーム状の発熱組成物は空気中で安定しているか
ら、混合装置を気密性にする必要が無く、しかも混合装
置内の空気を窒素置換する必要もないので、簡便な混合
装置で良く、従って、発熱組成物や発熱体が廉価に製造
できるとの知見を得た。
【0037】又、本発明者は、前述のように、インキ状
ないしクリーム状の発熱組成物を用いると、スクリーン
印刷やコーティング等による転写、積層が至極容易で、
且つ高速で超薄型の発熱体を製造できるのであり、しか
も発熱組成物を袋材に均等に分布させることができる
上、使用中や取扱中に発熱組成物の移動、偏りが阻止さ
れるとの知見も得た。
【0038】更に、本発明者は、スクリーン印刷等の印
刷やコーティングなどによる積層法によると、この発熱
体を至極薄くすることができるのであり、又、発熱体が
薄いと、単位時間当たりの発熱反応量が低下する結果、
発熱組成物の過剰な発熱反応が阻止されるとの知見も得
た。
【0039】加えて、本発明者は、吸水剤の粘性水溶液
を、発泡フィルム・シート、紙、不織布、織布又は多孔
質フィルム・シートなどの包材に、含浸、吹き付け、練
り込み、印刷又はコーティング等の塗工などによって積
層、乾燥したり、吸水剤を圧着や練り込み等によって含
有、担持させて包材に吸水性を付与した後、その上にイ
ンキ状ないしクリーム状の発熱組成物をスクリーン印刷
やコーティング等で転写、積層すれば粉体の投入工程が
なくなり将来の医療用具や医薬品製造におけるGMP基
準を満たす工場管理が簡単に可能になるとの知見も得
た。
【0040】ところで、本発明者は、過剰水分や遊離水
或いは含水ゲル中の水分の一部を基材、被覆材或いはイ
ンキ状ないしクリーム状の発熱組成物の片面又は両面に
当てがわれた吸水材などのうち少なくとも1種に吸収さ
せると、バリヤー層が喪失し、使用の際には、多孔質の
発熱組成物になって空気との接触が良好になる結果、優
れた発熱特性が得られるとの知見も得た。
【0041】本発明は、前記技術的知見に基づき完成さ
れたものであって、発熱体製造時の粉塵の発生を防止
し、又、発熱組成物の発熱反応を抑制して、製造時の発
熱反応によるロス、発熱組成物の品質低下及び発熱組成
物の凝固を防止するのであり、またスクリーン印刷やコ
ーティングなどの印刷、転写法を採用しているから、発
熱組成物の均等な分布を可能にし、しかも発熱組成物の
厚さや分布の精度が高く製品の品質の向上を図る上、高
速で超薄形の発熱体を簡便に製造できるのであり、更
に、発熱組成物を、吸水性の基材や被覆材、或いはこれ
らの上に形成された吸水層上に転写、積層することによ
って、発熱組成物を袋材に均等に分布、固定させること
ができる結果、発熱組成物の移動、片寄りを防止するの
であり、加えて、発熱体の薄型化によって発熱組成物の
過剰な発熱反応を極力避けるインキ状ないしクリーム状
の発熱組成物及びこれを用いた発熱体並びにこの発熱体
の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0042】また本発明は、吸水剤の粘性水溶液を包材
に、含浸、吹き付け、練り込み、印刷又はコーティング
等の塗工などによって積層、乾燥したり、吸水剤を圧着
や練り込み等によって含有、担持させた、つまり包材に
吸水性を付与した後、その上にインキ状ないしクリーム
状の発熱組成物をスクリーン印刷やコーティング等で転
写、積層すれば粉体の転写工程がなくなり将来の医療用
具や医薬品製造におけるGMP基準を満たす工場管理が
簡単に可能になるインキ状ないしクリーム状の発熱組成
物及びこれを用いた発熱体並びにこの発熱体の製造方法
を提供することを目的とするものである。
【0043】
【課題を解決するための手段】本発明に係るインキ状な
いしクリーム状の発熱組成物(以下、本発明物とい
う。)は、前記の目的を達成するため、発熱物質と、吸
水性ポリマー及び/又は増粘剤と、炭素成分及び/又は
金属の塩化物と水を必須成分とし、全体としてインキ状
ないしクリーム状に形成されていることを特徴とする。
【0044】本発明に係る発熱体(以下、本発明発熱体
という。)は、前記の目的を達成するため、本発明物が
シート状包材内に積層、封入されてなり、この包材の少
なくとも一部が通気性を有するものであり、しかも前記
本発明物の水分の一部を前記シート状包材に吸収させて
なることを特徴とする。
【0045】本発明に係る第1の発熱体の製造方法(以
下、本発明第1方法という。)は、前記目的を達成する
ため、本発明物を形成し、この本発明物を、フィルム状
ないしシート状の基材上面における少なくとも一箇所の
所定領域に積層した後、この本発明物を覆うようにフィ
ルム状ないしシート状の被覆材を被せ、しかも前記の基
材と被覆材のうち少なくとも一方或いは一部が通気性を
有するものであることを特徴とする。
【0046】本発明に係る第2の発熱体の製造方法(以
下、本発明第2方法という。)は、前記目的を達成する
ため、本発明物を形成し、この本発明物を、フィルム状
ないしシート状の基材上面における少なくとも1箇所の
所定領域に積層した後、この本発明物上面に鉄粉、炭素
成分又は吸水剤から選ばれた少なくとも1種を積層或い
は散布し、次いで、この本発明物及び鉄粉、炭素成分又
は吸水剤から選ばれた少なくとも1種を覆うようにフィ
ルム状ないしシート状の被覆材を被せ、しかも前記の基
材と被覆材のうち少なくとも一方或いは一部が通気性を
有するものであることを特徴とする。
【0047】本発明に係る第3の発熱体の製造方法(以
下、本発明第3方法という。)は、前記目的を達成する
ため、フィルム状ないしシート状の基材上に本発明物を
積層し、次いで、その上からフィルム状ないしシート状
の被覆材を被せて、前記本発明物の粘性により、前記の
基材と被覆材とを貼り合わせ、次いで、得られた積層体
を任意の形状に打ち抜き、しかも前記の基材又は被覆材
のうち少なくとも一方或いは一部が通気性を有するもの
であることを特徴とする。
【0048】以下、本発明物及び発熱体並びに本発明第
1〜3方法について詳細に説明する。
【0049】本発明物においては、従来のように粉末状
のものではなく、インキ状ないしクリーム状に粘稠化さ
せた発熱組成物、つまり本発明物を用いる点に特徴を有
するものである。
【0050】そして、この本発明物としては、空気中の
酸素と反応して発熱反応を起こす成分からなり、しかも
外力を加えると流動する性質を有するものであれば特に
限定されるものではない。
【0051】具体的には、例えば本発明物を構成する各
成分において、水分や吸水性ポリマー及び/又は増粘剤
と、他の成分との配合割合を調整することによって得ら
れる。
【0052】本発明物は、インキ状ないしクリーム状に
形成されているから、以下に述べる種々のメリットが発
生するのである。
【0053】即ち、本発明物は、インキ状ないしクリー
ム状であるから、例えば厚塗印刷、グラビア印刷、オフ
セット印刷、スクリーン印刷、吹き付けなどの公知の印
刷技術を用いて印刷したり、ヘッドコーター、ローラ
ー、アプリケーター等により塗工やコーティングによっ
て、至極容易に転写、積層できる上、高速で超薄型の発
熱体を製造できるのであり、しかも本発明物を袋材に均
等に分布させることができる。
【0054】又、本発明物を、発泡フィルム・シート、
紙、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートの上に転
写、積層すると、この本発明物は、インキ状ないしクリ
ーム状であるから、浸透・投錨性が高く、これらのフィ
ルムないしシートの細孔に食い込み、その移動、偏りが
阻止されるのであり、しかも空気との接触面積が著しく
小さく、空気の供給量が減少して酸化反応が殆ど生じな
いのである。
【0055】この場合、特にこれらのフィルムないしシ
ートが吸水性を有し、このフィルムないしシートの上に
本発明物を積層するか、或いは前記のフィルムないしシ
ートの上に更に吸水層を形成し、この吸水層上に、本発
明物を積層すると、当該発熱組成物の全部或いは一部が
この発泡フィルム・シート、紙、不織布、織布又は多孔
質フィルム・シート、或いはこれらの上に形成された吸
水層に一層固定され易くなる結果、その移動、偏りが一
層防止される。
【0056】又、スクリーン印刷やコーティングなどに
よる積層法によると、この発熱体を至極薄くすることが
できるのであり、又、発熱体が薄いと、単位時間当たり
の発熱反応量が低下する結果、発熱組成物の過剰な発熱
反応が阻止されるが、本発明物がインキ状ないしクリー
ム状で、しかも層厚が薄いから、発熱組成物の移動、偏
りが阻止される。
【0057】加えて、吸水剤の粘性水溶液を、発泡フィ
ルム・シート、紙、不織布、織布又は多孔質フィルム・
シートなどのシート状包材に、含浸、吹き付け、印刷又
はコーティング等の塗工などによって積層、乾燥した
り、吸水剤を圧着や練り込み等によって含有、担持させ
た、つまりシート状包材に吸水性を付与した後、その上
に本発明物をスクリーン印刷やコーティング等で転写、
積層すれば粉体の投入工程がなくなり将来の医療用具や
医薬品製造におけるGMP基準を満たす工場管理が簡単
に可能になるのである。また、上記吸水剤としては、主
として、後述する吸水性ポリマーや増粘剤が用いられ
る。
【0058】又、本発明物は、発熱組成物中の水分の配
合率、更に吸水性ポリマー及び/又は増粘剤を配合、調
整してインキ状ないしクリーム状に粘稠化されているか
ら、印刷やコーティングなどによる転写、積層が至極容
易で、且つ高速で超薄形の発熱体を製造できるのであ
り、しかも余剰水分がバリヤー層となるので、空気の供
給量が減少して発熱反応を実質的に停止する結果、一層
空気中で安定し、製造時の発熱反応によるロス、発熱組
成物の品質低下及び発熱組成物の凝固が一層防止される
ので望ましい。
【0059】即ち、従来の粉末状発熱組成物において
は、前述の種々の重大な弊害が発生するが、本発明物の
ように、発熱組成物をインキ状ないしクリーム状に粘稠
化させると、スクリーン印刷やコーティング等による転
写、積層が容易で、且つ高速で超薄形の発熱体を製造で
きるのであり、しかもこの余剰水分、或いは遊離水ない
し含水ゲルがバリヤー層となるので、空気の供給量が減
少して発熱反応が殆ど生じないのである。
【0060】この場合において、余剰水分或いは遊離
水、又は含水ゲル中の水分の一部を基材及び/又は被覆
材などの袋材に吸収させると、バリヤー層が喪失し、し
かも水分が包材に吸収されることによって本発明物が多
孔質になる結果、空気との接触が良好になり、発熱特性
が良好な本発明発熱体が得られるのである。
【0061】本発明物においては、発熱物質と、吸水性
ポリマー及び/又は増粘剤と、炭素成分及び/又は金属
の塩化物と水を必須成分とし、全体としてインキ状ない
しクリーム状に形成されたものが挙げられるのであり、
その配合割合は発熱物質100重量部に対し、吸水性ポ
リマー0.1〜7.5重量部及び/又は増粘剤0.1〜
10重量部と、炭素成分1.5〜20重量部及び/又は
金属の塩化物1〜10重量部とを必須成分とし、且つ水
が配合されて、全体としてインキ状ないしクリーム状に
形成されたものが挙げられる。
【0062】この場合、本発明物を製造するにあたり、
まず、その固形成分のみを混合装置に投入し、これらの
成分を均一に混合した後、これに水或いは金属の塩化物
の水溶液ないし分散液を加えてインキ状ないしクリーム
状に形成しても良く、或いは発熱組成物の全成分を混合
装置に投入し、これらの成分を混合してインキ状ないし
クリーム状に形成しても良いのである。
【0063】これらの成分の混合装置としては、水分が
過剰な場合、特にインキ状の発熱組成物の場合には均一
に混合できる装置であれば特に限定されるものではない
が、水分が比較的少ないクリーム状の発熱組成物の場合
には、ニーダーやミキサー等の混練装置が発熱組成物を
クリーム状に形成し易く、しかも発熱物質の表面を遊離
水や含水ゲルが覆い易いので望ましい。
【0064】そして、本発明物は、前述のように、イン
キ状ないしクリーム状に形成されるが、その粘度(温度
20℃)が、以下の方法で、一般に、1,000〜7,
500,000cpsの範囲とするのが望ましく、発熱
組成物の粘度が1,000cps未満と低すぎると、発
熱組成物の印刷やコーティングなどによる転写性が悪く
なったり、水分が至極過剰になり過ぎて他の成分の転写
量が不足し、発熱時間が短くなったり、発熱組成物が基
材上の所定の領域外に滲み出たり、転写後に水分を多量
に基材等に吸収させる必要があり、特殊な構造の基材等
を用いたり、発熱体の構造を複雑にする必要があるので
好ましくなく、一方、7,500,000cpsを超え
ると転写性が悪くなって転写量にバラツキが生じたり、
表面で発熱反応が生じる恐れがあるから好ましくない。
従って、これらの理由から、10,000〜6,50
0,000cpsの範囲、特に好ましくは50,000
〜5,500,000cpsの範囲とするのが望まし
い。
【0065】この粘度とは、2,000,000cps
未満の場合には、TOKIMECINC.製(VISC
OMETER BH型粘度計)で、しかも#7のロータ
ーを用い、回転数2rpmとし、ビーカー内径(85φ
mm)のビーカーを用いて測定温度20℃で測定した値
であり、又、2,000,000cpsを超える場合に
は、東機産業(株)社製(R110型粘度計、RE11
0Uシステム、検出ヘッドRE100U、コントローラ
RC100A)で、しかもSPPローターを用い、回転
数0.2rpm(D=0.4(1/S))とし、測定温
度20℃で測定した値である。尚、この粘度は転写、積
層時の値である。
【0066】本発明物の成分としては、水分や吸水性ポ
リマー及び/又は増粘剤と、他の成分、つまり発熱反応
に必須である発熱物質の他に、発熱を促進するためのカ
ーボンや活性炭などの炭素成分、及び/又は、金属粉の
表面の酸化皮膜を破壊し、発熱反応を連続的に発生させ
る金属の塩化物を必須成分とするものであり、所望によ
り、無機系或いは有機系の保水剤、pH調整剤、分散性
を高める界面活性剤、消泡剤などが配合され、全体とし
てインキ状ないしクリーム状に形成されたものでる。
【0067】本発明物の配合割合としては、用いられる
吸水性ポリマーや増粘剤の種類、発熱物質更に炭素成分
の種類、金属の塩化物の種類等によっても異なるが、一
般に、発熱物質100重量部に対し、吸水性ポリマー
0.1〜7.5重量部、増粘剤0.1〜10重量部、炭
素成分1.5〜20重量部及び金属の塩化物1〜10重
量部の範囲とするのが好ましく、特に、この混合物には
水を加えて、全体としてインキ状ないしクリーム状に形
成される。この場合において、金属の塩化物の所定量を
水に溶解ないし分散し、これを吸水性ポリマー及び/又
は増粘剤と炭素成分及び/又は金属の塩化物からなる混
合物に加えて、全体としてインキ状ないしクリーム状に
形成しても良いのである。
【0068】この場合、このように固形成分のみを均一
に混合した後、水或いは金属の塩化物の水溶液ないし分
散液を配合するのに代えて、前記固形成分に適量の水を
加え、この全成分を均一に混合して本発明物を得ても良
いのである。
【0069】そして、この場合においても、前記の場合
と同様に、この本発明物は、その粘度(温度20℃)
が、前記の方法で、一般に、1,000〜7,500,
000cpsの範囲とするのが望ましい。
【0070】又、本発明物においては、前述のように、
水分や吸水性ポリマー及び/又は増粘剤と、他の成分、
つまり発熱物質や炭素成分更に金属の塩化物からなるも
のでも所望の発熱特性が得られるが、加えて、温度の安
定生を一層向上し、且つ発熱時間の一層の向上を図るた
めに、更に、所望により、無機系或いは有機系の保水
剤、pH調整剤、分散性を高める界面活性剤、消泡剤な
どが配合され、全体としてインキ状ないしクリーム状に
形成されたものも有益である。
【0071】即ち、発熱物質100重量部に対し、吸水
性ポリマー0.1〜7.5重量部、増粘剤0.1〜10
重量部、炭素成分1.5〜20重量部及び金属の塩化物
1〜10重量部からなり、この発熱組成物には、更に発
熱物質100重量部に対し、無機系或いは有機系の保水
剤0.5〜10重量部、pH調整剤0.1〜5重量部、
分散性を高める界面活性剤0.1〜5重量部及び消泡剤
0.1〜5重量部から選ばれた少なくとも1種が配合さ
れ、本発明物においては、特に、この混合物には水を加
えて、全体としてインキ状ないしクリーム状に形成され
る。この場合において、金属の塩化物の所定量を水に溶
解ないし分散し、これを前記混合物に加えて、全体とし
てインキ状ないしクリーム状に形成したものが特に優れ
た発熱特性が得られるので望ましい。ところで、このよ
うに固形成分のみを均一に混合した後、水或いは金属の
塩化物の水溶液ないし分散液を配合するのに代えて、前
記固形成分に適量の水を加え、この全成分を均一に混合
して本発明物を得ても良いのである。
【0072】そして、この場合においても、前記の場合
と同様に、本発明物は、その粘度(温度20℃)が、前
記の方法で、一般に、1,000〜7,500,000
cpsの範囲とするのが望ましい。
【0073】本発明物において、吸水性ポリマーとして
は、主として、水や金属の塩化物水溶液を円滑、且つ大
量に吸収する高分子材料が挙げられるのであり、具体的
には、例えば特公昭49−43395号公報に開示され
ている澱粉−ポリアクリロニトリル共重合体、特公昭5
1−39672号公報に開示されている架橋ポリアルキ
レンオキシド、特公昭53−13495号公報に開示さ
れているビニルエステル−エチレン系不飽和カルボン酸
共重合体ケン化物、特公昭54−30710号公報に開
示されている逆相懸濁重合法によって得られる自己架橋
ポリアクリル酸塩、特開昭54−20093号公報に開
示されているポリビニルアルコール系重合体と環状無水
物との反応生成物、特開昭59−84305号公報に開
示されているポリアクリル酸塩架橋物、N−ビニルアセ
トアミド架橋体(吸水剤)(昭和電工株式会社製 商品
名NA−010)等から選ばれた1種又は2種以上の混
合物が挙げられるのであり、更に、これらを界面活性剤
で処理したり、これらにと界面活性剤を組み合せて親水
性を向上しても良いのである。これらの吸水性ポリマー
の中には水や金属の塩化物水溶液を吸収して増粘性を付
与するものがあるが、主として、水や金属の塩化物水溶
液を円滑、且つ大量に吸収する機能を有するものであ
る。
【0074】この吸水性ポリマーとしては、市販のもの
を用いればよく、例えば三洋化成社製のサンウェットI
M−300、サンウェットIM−300MPS、サンウ
ェットIM−1000、サンウェットIM−1000M
PS、サンウェットIM−5000、サンウェットIM
−5000MPS、製鉄化学社製のアクアキープ4Sや
アクアキープ4SH、住友化学社製のスミカゲルNP−
1020、スミカゲルNP−1040、スミカゲルSP
−520、スミカゲルN−1040、クラレ社製のKI
ゲル201−K、KIゲル201K−F2、日本触媒社
製のアクアクリックCS−6、アクアクリックCS−
7、荒川化学社製のアラソープ800、アラソープ80
0Fなどがその例として挙げられる。
【0075】これら市販の吸水性ポリマーの中では、水
や金属の塩化物水溶液を迅速に吸収し、しかもそれらの
吸収量が高い、三洋化成社製のサンウェットIM−30
0MPS、サンウェットIM−1000MPS、サンウ
ェットIM−5000MPS、住友化学社製のスミカゲ
ルNP−1020、スミカゲルNP−1040、クラレ
社製のKIゲル201−K、KIゲル201−F2、荒
川化学社製のアラソープ800Fなどが特に好ましい。
【0076】本発明物において、増粘剤としては、主と
して、水や金属の塩化物水溶液を吸収し、稠度を増大さ
せるか、チキソトロピー性を付与する物質が挙げられる
のであり、ベントナイト、ステアリン酸塩、ポリアクリ
ル酸ソーダ等のポリアクリル酸塩、ゼラチン、ポリエチ
レンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピ
ロリドン、アラビアゴム、トラガカントゴム、ローカス
トビーンガム、グアーガム、アラビアガム、アルギン酸
ソーダ等のアルギン酸塩、ペクチン、カルボキシビニル
ボリマー、デキストリン、α化澱粉、加工用澱粉などの
澱粉系吸水剤、カラギーナン、寒天などの多糖類系増粘
剤、CMC、酢酸エチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース、メチルセルロース又はヒドロキシプロピル
セルロースなどのセルロース誘導体系増粘剤、アクリル
スルホン酸系高分子物質(例えば、日本触媒株式会社
製、商品名:CS−6HS)、水溶性セルロースエーテ
ル又はポリーN−ビニルアセトアミド等から選ばれた1
種又は2種以上の混合物が挙げられるのであり、更に、
これらを界面活性剤で処理したり、これらにと界面活性
剤を組み合せて親水性を向上しても良いのである。これ
らの増粘剤は、主として、水や金属の塩化物水溶液を吸
収し、稠度を増大させるか、チキソトロピー性を付与す
る機能を有するものである。
【0077】前記水溶性セルロースエーテルとしては、
具体的には、例えばセルローズをメトキシル基でエーテ
ル化したメチルセルロース(信越化学工業株式会社製、
商品名:メトローズSM15、メトローズSM25、メ
トローズSM400、メトローズSM4000など)、
セルローズをヒドロキシプロポキシル基でエーテル化し
たヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学工業
株式会社製、商品名:メトローズ60SH−50、メト
ローズ60SH−4000、メトローズ90SH−40
00、メトローズ90SH−30000、メトローズ9
0SH−100000など)、セルローズをヒドロキシ
エトキシル基でエーテル化したヒドロキシエチルメチル
セルロースなどの水溶性セルロースエーテル(信越化学
工業株式会社製、商品名:メトローズ60SH−50、
メトローズ60SH−4000、メトローズ90SH−
4000、メトローズ90SH−30000、メトロー
ズ90SH−100000など)、第一工業製薬製のセ
ロゲンEP、セロゲンBSH−12、セスカMC、セス
カMHEC、セスカMHPCなどの水溶性セルロースエ
ーテルが挙げられる。
【0078】この水溶性セルロースエーテルの水溶液を
加熱すると、例えば所定温度(増粘開始温度)までは粘
度が低下するが、更にこの温度以上に加熱すると、吸着
水分を放出して粘度が高まってゲル化し(以下、この現
象を熱ゲル化現象と呼ぶ。)、この遊離水分がバリヤー
層となって発熱反応を減少させ、一方、このゲルを冷却
すると、水分を吸着して元の状態に戻るという性質を有
している。
【0079】水溶性セルロースエーテルの増粘開始温度
は、エーテル化剤の種類、置換率、セルロース分子量、
溶液として添加する場合にはその濃度、他の添加物を添
加した場合にはその添加剤の種類や添加量(濃度)等の
他、昇温速度や冷却速度の影響を受ける。従って、増粘
剤として水溶性セルロースエーテルを用いる場合には、
エーテル化剤の種類、置換率、セルロース分子量、溶液
の濃度、他の添加物の種類や添加量(濃度)などを適宜
選択したり、発熱体組成物の組成、使用量などを適宜選
択して昇温速度や冷却速度を制御することにより、最高
発熱温度を適宜、決定できるのである。
【0080】例えば、前記水溶性セルロースエーテル
(例えば、信越化学工業株式会社製、商品名:メトロー
ズSM4000)の2重量%水溶液では、添加物がない
場合、増粘開始温度は55℃であるが、塩化ナトリウム
(NaCl)、或いは炭酸ナトリウム(Na2CO3・1
0H2O)を5重量%添加した場合などには増粘開始温
度は40℃となり、人体に直接適用する場合には、メト
ローズSM4000は、安全温度(43℃)以下で、吸
着水分を放出して発熱反応を抑制する。
【0081】このメトローズSM4000の増粘開始温
度はAl2(SO43・18H2Oを5重量%添加した場
合にも45℃となり、この温度で、メトローズSM40
00は吸着水分を金属粉の周囲に放出して発熱反応を抑
制する。
【0082】又、例えば水溶性セルロースエーテル(例
えば、信越化学工業株式会社製、商品名:メトローズ6
0SHー4000)の2重量%水溶液では、添加物がな
い場合、増粘開始温度は75℃であるが、塩化ナトリウ
ム(NaCl)を5重量%添加した場合などには増粘開
始温度は70℃となり、炭酸ナトリウム(Na2CO3
10H2O)を5重量%添加した場合などには増粘開始
温度は45℃となり、これらの温度で、メトローズ60
SHー4000は吸着水分を周囲に放出して発熱反応を
抑制する。
【0083】更に、メトローズ60SH−4000の増
粘開始温度はAl2(SO43・18H2Oを5重量%添
加した場合にも50℃となり、この温度で、メトローズ
60SH−4000が吸着水分を放出し、金属粉周囲の
遊離水分量を増大させて発熱反応を抑制する。
【0084】前記増粘剤の増粘開始温度を調整する添加
物としては、前記の塩化ナトリウムや炭酸ナトリウム更
に硫酸アルミニウム等の無機物や水和物、エタノール等
の低級アルコール、ポリエチレングリコールやグリセリ
ン等の多価アルコール、前記の吸水性ポリマーや増粘剤
などをその例として挙げることができる。
【0085】前記ポリーN−ビニルアセトアミドとして
は、N−ビニルアセトアミドをラジカル重合させて得ら
れるものであり、水に可溶性の直鎖構造のものと、水に
不溶性の架橋構造を有するものとがあり、この不溶性の
ポリーN−ビニルアセトアミドには、その架橋密度の差
により、ゲル化剤として作用するミクロゲルが挙げられ
るのであり、具体的には、例えばN−ビニルアセトアミ
ドーアクリル酸ナトリウム共重合体(昭和電工株式会社
製 商品名GE−167)、N−ビニルアセトアミドホ
モポリマー(昭和電工株式会社製 商品名GE−19
1)又はN−ビニルアセトアミド架橋体(ミクロゲル)
(昭和電工株式会社製 商品名GX−205)などから
選ばれた1種又は2種以上の混合物が挙げられるのであ
り、更に、これらを界面活性剤で処理したり、これらに
と界面活性剤を組み合せて親水性を向上しても良いので
ある。これらの増粘剤は、主として、水や金属の塩化物
水溶液を吸収し、稠度を増大させるか、チキソトロピー
性を付与する機能を有するものである。
【0086】本発明物では発熱物質として、有機物を用
いることも可能であるが、反応に伴って異臭が発生しな
い鉄粉、亜鉛粉、アルミニウム粉又はマグネシウム粉或
いはこれらの2種以上の金属からなる合金の粉末、更
に、これらのうちの2種以上を混合した混合金属粉など
が用いられるが、特に、これらの金属粉の中では、安全
性、取扱性、コスト、保存性及び安定性などの観点を総
合して最も優れている鉄粉をもいることが望ましい。
【0087】炭素成分としてはカーボンブラック、黒鉛
又は活性炭などがその例として挙げられるのであり、金
属の塩化物としては塩化ナトリウム、塩化カリウムなど
のアルカリ金属の塩化物、塩化カルシウム、塩化マグネ
シウムなどのアルカリ土金属の塩化物などをその例とし
て挙げることができる。
【0088】前記無機系或いは有機系の保水剤として
は、水を保水し、発熱組成物中の水分が不足し、発熱反
応が鈍化すると水を放出するだけでなく、発熱組成物中
の空隙率を向上させて空気と発熱組成物との接触を良好
にするものである。
【0089】具体的には、例えばパーライト、クリスト
バライト、バーミキュライト、シリカ系多孔質物質、ケ
イ酸カルシウム等のケイ酸塩、ケイ石、ケイソウ土、ア
ルミナ等の礬土、マイカ粉やクレー等の礬土ケイ酸質、
タルク等の苦土ケイ酸質、シリカ粉又は木粉やパルプ粉
等が挙げられる。
【0090】又、前記pH調整剤や界面活性剤更に消泡
剤としてはポリリン酸ナトリウム等の通常のpH調整剤
の他、この分野で用いられるものが用いられる。
【0091】本発明物においては、水分の一部を基材及
び/又は被覆材等に吸収させ、これによって、使用の際
には空気との接触が良くなるようにすれば良いのであ
る。
【0092】次に、本発明発熱体について詳細に説明す
る。本発明発熱体の特徴は、本発明物を少なくとも一部
が通気性を有するシート状包材内に積層、封入されてな
る点に有る。
【0093】そして、この本発明物としては前述のもの
が挙げられるのであり、しかも前記本発明物の水分の一
部を前記シート状包材に吸収させるように構成してい
る。
【0094】本発明発熱体において、シート状包材が、
フィルム状又はシート状の基材とフィルム状又はシート
状の被覆材とからなり、この基材と被覆材のうち少なく
とも一方或いは一部が、通気性を有すると共に、吸水性
を有するものが望ましい。
【0095】本発明発熱体においては、印刷やコーティ
ング等によって、超薄形の発熱体が形成されるが、発熱
体が薄く形成されると、袋体内における発熱組成物によ
る空気中の酸素の消費に基づく減圧のみでは、発熱体の
さらなる薄型化(厚み1mm程度以下)、軽量化を図る
と、単位時間当たりの発熱反応量が低下する結果、発熱
組成物の移動、片寄りを防止しうる程度の減圧状態を維
持できない場合がある。
【0096】このような場合には、基材及び/又は被覆
材などに発熱組成物の全部又は一部を固定させてその移
動、片寄りを防ぐのが好ましい。
【0097】具体的には、例えば基材及び/又は被覆材
における少なくとも本発明物との接触箇所においてその
表面に物理的に凹凸を形成したり、または、基材及び/
又は被覆材が吸水性を有するフィルム状ないしシート状
の吸水材で形成されており、これによって、基材及び/
又は被覆材における本発明物との接触箇所に凹凸を形成
することにより、本発明物からの吸水に伴う密着性とこ
れらの凹凸によって本発明物との結合性を高めてその移
動、片寄りを防止するのが望ましい。
【0098】又、本発明発熱体においては、基材及び/
又は被覆材が、非通気性或いは通気性のフィルム又はシ
ートの片面或いは両面に、吸水性を有する吸水材を積層
し、これによって、基材及び/又は被覆材における本発
明物との接触箇所に凹凸を形成することにより、本発明
物からの吸水に伴う密着性とこれらの凹凸によって本発
明物との結合性を高めてその移動、片寄りを防止するの
が望ましい。
【0099】即ち、基材及び/又は被覆材としては吸水
性を有する吸水材で形成されたものが望ましいが、この
吸水材としては、吸水性を有するフィルム状ないしシー
ト状のものであれば特に限定されるものではない。
【0100】この吸水材としては、その素材自体が吸水
性を有するか否かを問わず、結果として吸水性を有する
ものであれば特に限定されるものではない。
【0101】具体的には、例えば吸水性を有する発泡フ
ィルム・シート(吸水性発泡ポリウレタン等の発泡体)や
紙類、吸水性を有する繊維で形成された不織布や織布、
或いは吸水性を有する繊維を含む不織布や織布、又は吸
水性の多孔質フィルム・シートなどの吸水材の他、吸水
性の有無を問わず、発泡フィルム・シート、不織布、織
布又は多孔質フィルム・シートに、吸水剤を含有、含
浸、練り込み、転写又は担持させて吸水性を付与ないし
増大させたり、吸水性の有無を問わず、発泡フィルム・
シート、紙類、不織布、織布又は多孔質フィルム・シー
トに、本発明物の平面形状に切断した吸水性の発泡フィ
ルム・シート、紙類、不織布、織布又は多孔質フィルム
・シート等の吸水性素材を本発明物の片面又は両面に当
てがって吸水性が付与されたものが挙げられる。
【0102】本発明発熱体においては、特に、基材及び
/又は被覆材における少なくとも本発明物との接触箇所
には吸水層が形成されているものが望ましい。この場
合、基材及び/又は被覆材における本発明物との接触箇
所には吸水層が形成されているものが、本発明物の周縁
部において、基材と被覆材とを粘着又は熱接着或いは熱
融着し易くなるので望ましい。
【0103】本発明発熱体においては、基材及び/又は
被覆材の表面の凹凸及び/又は吸水層に本発明物の全部
又は一部を埋設ないし接合し、これによって、本発明物
の移動、片寄りを一層防止するのが望ましい。
【0104】このように本発明物が袋体内で移動するこ
とが防止されるので、発熱組成物が偏って発熱温度がば
らついたり異常に高い温度に発熱することを阻止でき
る。
【0105】ところで、前記吸水層としては前述の吸水
性ポリマー及び/又は増粘剤で形成された層、或いは前
述のフィルム状ないしシート状の吸水材が挙げられる。
【0106】又、基材及び/又は被覆材の表面は、平滑
面であってもよいが、本発明物との結合を確実にするた
めに、少なくとも38ダイン以上、好ましくは40ダイ
ン以上の濡れ指数を有することが好ましい。従って、基
材及び/又は被覆材が、表面が平滑なフィルム又はシー
トで構成される場合には、その表面をコロナ処理等の物
理的処理によって粗荒化(凹凸化)し、これによって濡
れ指数を高めることが好ましい。
【0107】なお、基材及び/又は被覆材における本発
明物の接触箇所に吸水層を形成している場合には、該発
熱組成物の水分を吸収する力によって該発熱組成物にお
ける水分以外の他の成分が基材及び/又は被覆材に引き
寄せられ、その一部分が吸水層に浸潤して強力なアンカ
ー効果を生じるので、特別に表面を粗荒化する処理は不
要である。
【0108】前述のように、本発明発熱体で用いられる
基材及び/又は被覆材は、空気との接触により発熱する
発熱組成物を熱源としている結果、基材と被覆材で形成
された包材の少なくとも一方或いは一部が通気性を有す
るものであることを要するが、この基材及び/又は被覆
材としては、単一層のものと、厚み方向に複数層を積層
したものとが含まれる。
【0109】この場合において、積層とはヒートセッ
ト、接着、粘着、ラミネーションなどによって層どうし
が全面的に或いは部分的に接合されていたり、或いは各
層が単に重ね合わされ、例えば周縁部や中央部などの局
部で層どうしがヒートシール、ホットメルト系接着剤或
は粘着剤などで接合されていることをいう。
【0110】本発明物においては、インキ状ないしクリ
ーム状に形成されているので、発熱組成物を高速の印刷
やコーティング等によって積層できるのであり、基材上
に転写、印刷、離型処理した版の深いグラビア印刷、吹
き付け又はコーティング等によって積層することによっ
て、例えば、基材の送り速度が毎分160〜200m/
分程度という高速で、少なくとも1箇所の所定領域に例
えば0.02〜1.5mm程度の薄い膜厚に、しかも、
厚みを均一にして積層させることが可能になる。
【0111】この場合、本発明物を基材上における少な
くとも1箇所の所定領域に高精度に且つ均一に積層し
て、しかも、全体にわたって均一に膜厚を例えば0.0
2〜1.5mm程度、好ましくは0.1〜0.5mm程
度に薄くして積層させることができる結果、全体とし
て、0.5〜2mm程度の超薄形の発熱体を製造するこ
とができる。
【0112】この場合において、処理の高速化、付着領
域制御の高精度化、薄肉化及び膜厚の均一化を図るため
に、ロールフィルム状又はロールシート状の基材を一定
速度、例えば毎分160〜200m/分程度の高速で送
りながら、その基材上に本発明物を積層し、更にその上
からロールフィルム状又はロールシート状被覆材を被せ
れば良いのである。この際、本発明物が接着剤と同様の
役割を果し、基材と被覆材を接合するから、必ずしも、
発熱組成物の物の周囲を封着するのが望ましい。
【0113】本発明発熱体は、このようにフィルム状又
はシート状の基材上面における少なくとも1箇所の所定
領域に膜厚の薄い本発明物を積層させた後、この発熱組
成物を覆うようにフィルム状又はシート状の被覆材を被
せ、基材と被覆材とを本発明物を介して張り合わせる。
つまり本発明物が粘着剤と同様の役割を果すのである。
勿論、品質及び信頼性を一層向上するために、基材と被
覆材とを、本発明物の周囲部において、粘着、熱接着又
は熱融着によって封着するのが望ましい。
【0114】基材及び/又は被覆材が、単一層(単一の
フィルム又はシート)の場合には、前述のように、本発
明物の移動、片寄りを防ぐために、表面平滑性のフィル
ム・シートではその表面を粗面(凹凸面)にしたり、発
泡フィルム・シート、紙、不織布、織布又は多孔質フィ
ルム・シートを用いるのが好ましく、これらが吸水性を
有する素材、例えば吸水性の繊維で形成されているとき
にはそのまま用いたり、これらが吸水性を有しない素材
で形成されているときには、これらに吸水剤を含有、含
浸、転写又は担持させて吸水性を発現させても良いので
ある。この場合において、スポンジ等の発泡フィルム・
シート、紙、不織布又は織布などを用いると、後述する
粘着剤層との密着性が良好になる。又、基材が複数層、
つまり2種以上のフィルム又はシートを積層したものと
しては前述のものが挙げられる。
【0115】加えて、本発明物を基材と被覆材の間に介
装するにあたり、基材上面に積層された本発明物上に鉄
粉、炭素成分又は吸水剤から選ばれた少なくとも1種を
積層或いは散布し、使用時の発熱温度の立ち上がりを速
やかにしたり、使用時の温度特性を変化させても良いの
であり、この場合、その積層或いは散布量は、温度特性
を悪化させない範囲であれば特に限定されるものではな
いが、具体的には、一般に1〜250g/m2の範囲と
するのが望ましい。この吸水剤としては前記の吸水性ポ
リマーや増粘剤が挙げられる。
【0116】又、本発明発熱体においては、本発明物上
面に炭素成分でコーティングした鉄粉、或いは鉄粉
(A)と炭素成分(B)とこの(A)と(B)の合計量
に対し5重量%以下の水を加えた混合物が積層されて、
これによって、積層時の粉塵の飛散を防止したり、使用
時の発熱温度の立ち上がりを速やかにしたり、使用時の
温度特性を変化させても良いのである。
【0117】この場合において、炭素成分で鉄粉をコー
ティングする方法としては、押圧型の混合機、例えばホ
ソカワミクロン社製 AM−15Fを用い、一般に、鉄
粉100重量部に対し、炭素成分0.1〜10重量部の
割合とし、回転数500〜1500rpmで、しかも1
0〜80分混練して得られる。
【0118】又、鉄粉(A)と炭素成分(B)とこの
(A)と(B)の合計量に対し5重量%以下の水を加え
た混合物を得る方法としては、ホソカワミクロン社製
AM−15Fを用い、一般に、鉄粉100重量部に対
し、炭素成分0.1〜10重量部、水0.3〜5重量
部、特に水0.5〜3重量部の割合とし、回転数500
〜1500rpmで、しかも10〜80分混練して得ら
れる。このように微量の水を添加することによって、粉
塵の飛散を一層防止できるのである。
【0119】又、本発明発熱体においては、基材上に本
発明物を積層し、更にこの本発明物を被覆材で被覆する
たあたり、フィルム状ないしシート状の吸水材を本発明
物の積層形状に切断したもの、特に吸取紙やティシュペ
ーパーなどの家庭用薄葉紙等、吸水性の高いフィルム又
はシートを本発明物の積層形状に切断したものを用い、
これを前記本発明物の片面に載置したり、或いはこれで
本発明物の両面を挟み、次いで、被覆材で封着しても良
いのである。
【0120】ところで、本発明において、フィルム又は
シートに吸水剤を担持させる方法としては、フィルム又
はシートに吸水剤の溶液を含侵させ、溶媒を蒸布させた
り、或いはフィルム又はシートに吸水剤を吹き付け、塗
着、練り込み、圧着、積層又は配合等によって付着させ
たり、吸水性の繊維を不織布や織布に織り込んだり、混
合すること等が挙げられる。
【0121】前記基材及び/又は被覆材は引っ張り強度
などの必要な機械的強度を有することが必要であり、し
かも、体表面へのなじみ性を高めるために、全体として
柔軟であることが好ましい。
【0122】即ち、本発明発熱体においては、人体にお
ける湾曲部や伸縮部更に屈伸部に一層好適に適用され、
しかもこの伸縮部更に屈伸部に一層追従し易くするため
に、基材及び被覆材が、つまり発熱体の包材が、伸長性
のフィルム或いはシート、特に、伸縮性のフィルム或い
はシートで形成されたものが望ましい。
【0123】即ち、シート状包材が伸長性の素材、特に
伸縮性の素材で形成されたものが、至極伸縮し易く、肘
や膝等の関節部更に肩や腕等の人体における湾曲部や伸
縮部更に屈伸部に一層追従して優れた密着性を有し、し
かも使用中に突っ張り感や違和感がないので、一層使用
感が良好である上、使用中の剥離が確実に防止されるの
で、一層優れた温熱効果を発現させるので最も望まし
い。
【0124】この伸長性の基材及び被覆材としては、例
えば伸長性の高いポリエチレンやポリプロピレン等の合
成樹脂で形成されたものが挙げられる。
【0125】又、伸縮性の基材及び被覆材、つまり伸縮
性のフィルム或いはシートとしては、伸縮性の素材で形
成されたものであれば特に限定されるものではないが、
特に、伸縮性であって、且つ本発明物との結合性が高
い、伸縮性の発泡フィルム・シート、不織布、織布又は
多孔質フィルム・シート等が挙げられるのであり、これ
ら自体が吸水性を有するか、或いは吸水性の有無を問わ
ず、これら自体に、吸水剤を含有、含浸、付着、練り込
み、転写、積層又は担持させて吸水性を付与ないし向上
させたものが、本発明物中の水分を吸収してバリヤー層
を除去し、本発明物が多孔質で、空気との接触が好適な
状態にするのが望ましい。
【0126】伸縮性のフィルム或いはシートの素材とし
ては、例えば天然ゴム、合成ゴムまたは熱可塑性エラス
トマーが挙げられるが、伸縮性が大で取り扱い易く、し
かも熱可塑性エラストマーは熱融着性を有するので、本
発明発熱体の製造がしごく容易なので望ましい。
【0127】勿論、本発明発熱体において、基材と被覆
材が粘着性、熱融着性或いは熱接着性を有するか否かは
問うものではないが、品質と信頼性の一層の向上を図る
ために、基材と被覆材とを発熱組成物の周囲部にわたっ
て粘着、熱接着或いは熱融着により封着するのが望まし
い。
【0128】前記合成ゴムとしては、具体的には、例え
ばブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジ
エンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロ
プレンゴム、イソブチレン−イソプレンゴム、ポリアル
キレン・スルフィド、シリコーンゴム、ポリ(クロル・
トリフルオロエチレン)、フッ化ビニリデン−6フッ化
プロピレン・コポリマー、ウレタンゴム、プロピレンオ
キシドゴム、エピクロルヒトリンゴム、アクリル酸エス
テル−アクリロニトリル・コポリマー又はアクリル酸エ
ステル−2−クロルエチルビニルエーテル・コポリマー
等が挙げられる。
【0129】又、前記熱可塑性エラストマーとしては、
具体的には、例えばオレフィン系エラストマー、ポリウ
レタン系エラストマー又はポリエステル系エラストマー
等が挙げられる。
【0130】前記オレフィン系エラストマーとしては、
具体的には、例えばエチレン−プロピレン・コポリマ
ー、エチレン−プロピレン−ジエン・ターポリマー、ク
ロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン又は
エチレン−酢酸ビニル・コポリマー等が挙げられる。
【0131】又、前記の基材及び被覆材の厚さとして
は、用途によって大きく異なり、特に限定されるもので
はない。具体的には、足用の場合、10〜5000μ
m、人体に直接張り付けて使用する場合、10〜500
μm程度、特に12〜250μmとすることが更に好ま
しく、一般には、10〜2500μm、特に、12〜1
000μmとするのが望ましい。
【0132】基材及び被覆材の膜厚が10μm未満の場
合には、必要な機械的強度を得られなくなる上、膜厚を
均一にすることが困難になる虞れがあるので好ましくな
い。
【0133】一方、基材の膜厚が5000μmを超える
場合にはスポンジ等の発泡体であっても柔軟性が低下し
て体表面へのなじみ性が著しく低下すると共に、体表面
の変形や移動に対する追従性が低下する上、ごわごわし
て風合が悪くなり、又、発熱体全体の厚さが厚くなるの
で好ましくない。
【0134】従って、特に基材の厚さを10〜2500
μmの範囲、特に12〜1000μmの範囲とすれば、
所要の機械的強度が得られると共に、所要の柔軟性が得
られるので望ましい。
【0135】基材及び/又は被覆材としては、高分子材
料からなる発泡或いは非発泡のフィルム又はシートが挙
げられるが、発泡されたフィルム又はシートに本発明物
を食い込ませてその移動、片寄りを一層防止できる。
【0136】この高分子材料としては、例えばポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、ポ
リスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合けん化物又は
エチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。
【0137】積層型の基材や被覆材を構成する場合には
その一部を通気性を有するフィルム又はシートで構成す
ることができる。この通気性を有するフィルム又はシー
トとしては、発泡又は非発泡のフィルム又はシート、紙
類、不織布、織布又は多孔質フィルム・シート、布など
が用いられ、布としては、織布、編布、不織布などを用
いることができる。
【0138】前記非発泡の高分子材料からなるフィルム
又はシートに通気性を与える方法としては、フィルム又
はシートを形成する時に延伸させて通気孔を形成する方
法、更にこのフィルム又はシートから特定成分を抽出し
て通気孔を形成する方法の他、フィルムに形成した後に
パンチングや細針などによる穿孔により機械的に通気孔
を形成する方法等が挙げられるのであり、これによっ
て、多孔質のフィルム又はシートが得られる。
【0139】又、高分子材料からなる発泡させたフィル
ム又はシートは、発泡により表裏両面に開かれた独立気
泡又は連続気泡が形成され、又、発泡後にフィルム又は
シートを圧迫してその内部に形成された独立気泡又は連
続気泡を破裂させて表裏両面に連通させことにより通気
性が与えられたものと、発泡によっても、通気性を有し
ない気密性のものとが挙げられる。
【0140】紙類、織布、編布或いは不織布などの布は
組織上、表裏両面に連通する通気孔ないし通気路が形成
されているので、通気性を有する。布を構成する繊維と
しては天然繊維、ビスコース繊維などの天然素材を用い
た再生繊維、半合成繊維、合成繊維及びこれらのうちの
2種以上の混合物などを用いることができる。
【0141】天然繊維としては、綿、麻などの植物性繊
維、絹、獣毛などの動物性繊維が挙げられるのであり、
又、合成繊維を構成する高分子材料としては、例えばポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステ
ル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタ
ン、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合けん化
物又はエチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
【0142】本発明発熱体においては、包材において、
その側方或いは基材と被覆材のうち少なくとも一方又は
一部が通気性を有することが必要である。
【0143】基材と被覆材のうち少なくとも一方或いは
一部が通気性を有する場合において、その通気性は、発
熱組成物の反応速度ないし発熱温度の制御に大きな影響
を与えるので、効果的な温熱効果を得ると共に、低温火
傷を防止して安全性を確保するために、通気性を管理す
ることが好ましい。又、この通気性を高精度に管理する
ためには透湿度でフィルム又はシートの通気性を管理す
ることが好ましく、具体的には、透湿度がリッシー法
(Lyssy法 L80−4000H型)で50〜10,
000g/m2 ・24hrの範囲内にすべきであり、特
に200〜6,000g/m2 ・24hrの範囲内にす
ることが好ましい。
【0144】又、基材及び/又は被覆材が複数層の通気
性フィルムからなる場合には、全体としての透湿度をリ
ッシー法(Lyssy法)で50〜10,000g/m2
・24hrの範囲にすることが好ましい。
【0145】この透湿度が、50g/m2 ・24hr未
満では発熱量が少なくなり、十分な温熱効果が得られな
いので好ましくなく、一方、10,000g/m2 ・2
4hrを超えると発熱温度が高くなって安全性に問題が
生じたり、発熱時間が短くなる虞れが生じるので好まし
くない。従って、通気性フィルムの透湿度を100〜
1,000g/m2 ・24hrの範囲にすることによっ
て、安全で十分な温熱効果を長時間にわたって得られる
ので、特に好ましい。
【0146】ところで、リッシー法(Lyssy法)とは
世界各国の工業規格に準拠した方法であり、例えばJI
S Z0208では、温度40℃、相対湿度差90%R
Hに保つように定められているので、本装置では、10
0%相対湿度の状態にある下部チャンバーと、高感度の
湿度センサーを設置した上部チャンバーの境界面に測定
サンプルが挿入され、湿度センサーのある上部チャンバ
ーの相対湿度を10%RH(100%−90%)に保つ
ようにし、これを中心にして、約±1%の幅(△RH)
即ち約9%から約11%に湿度が増加するのに必要な時
間(数秒)を測定し、予め透過度既知の標準サンプルを
用いて同じ条件で行ったキャリブレーションの結果と比
較することにより透過度を求める方式である。
【0147】本発明発熱体においては、気密性の外袋材
に封入するまでの任意の時点で、基材又は被覆材におい
て、そのいずれか一方の露出面の少なくとも一部に粘着
剤層が形成されているのが好ましく、この場合、そのい
ずれか他方が通気性を有するものが、直接に体表面や着
衣に該発熱体を貼着、固定できるので望ましい。
【0148】この粘着剤層としては外皮に粘着可能な層
であれば特に限定されるものではなく、具体的には、例
えば湿布剤又は粘着剤で形成された層が挙げられる。
【0149】前記粘着剤層としては、溶剤型粘着剤、エ
マルジョン型粘着剤又はホットメルト型粘着剤で形成さ
れた層が挙げられる。
【0150】粘着剤層としては、具体的には、例えばゴ
ム系粘着剤、酢酸ビニル系粘着剤、エチレンー酢酸ビニ
ル系粘着剤、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニ
ルアセタール系粘着剤、塩化ビニル系粘着剤、アクリル
系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ポリエチレン系粘着
剤、セルロース系粘着剤、ポリサルファイド粘着剤又は
ホットメルト型高分子物質を含有する粘着剤で形成され
た層が挙げられるが、これらのうち、皮膚貼着性が良好
で、しかも皮膚刺激が少ない上、温熱を与えても粘着力
の低下が少ない等の理由より、ゴム系粘着剤、アクリル
系粘着剤又はホットメルト型高分子物質を含有する粘着
剤で形成された層が望ましく、特に、ホットメルト型高
分子物質を含有する粘着剤の層は、初期タック力が強
く、加温時の粘着性が非常に優れる。
【0151】この粘着剤層の厚さとしては特に限定され
るものではないが、5〜1000μm、特に、10〜5
00μm、更に好ましくは15〜250μmとするのが
好ましく、粘着剤層の厚さが、5μm未満になると所要
の粘着力が得られない場合があり、一方、1000μm
を超えると嵩張って使用感が悪くなるだけでなく、経済
性が悪くなるので好ましくない。
【0152】本発明発熱体で用いられるホットメルト型
高分子物質としては、具体的には、例えばA−B−A型
ブロック共重合体、飽和ポリエステル系高分子物質、ポ
リアミド系高分子物質、アクリル系高分子物質、ウレタ
ン系高分子物質、ポリオレフィン系高分子物質又はポリ
オレフィン系共重合体或いはこれらの変性体、若しくは
これらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0153】この変性体とは、ホットメルト型高分子物
質の成分の一部を他の成分に置き換えてホットメルト型
高分子物質の性質、例えばホットメルト型高分子物質の
粘着性の改善や安定性等を変えたものをいう。
【0154】前記A−B−A型ブロック共重合体におい
て、Aブロックはスチレン、メチルスチレン等のモノビ
ニル置換芳香族化合物Aで、非弾性重合体ブロックであ
り、Bブロックはブタジエン、イソプレン等の共役ジエ
ンの弾性重合体ブロックであり、具体的には、例えばス
チレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチ
レン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等が挙げ
られるのであり、また、これらを混合して用いても良い
のである。
【0155】A−B−A型ブロック共重合体の市販品の
例としては、具体的にはカリフレックスTR−110
1、カリフレックスTR−1107、カリフレックスT
R−1111(シェル化学製)、或いはフィリップペト
ロリアム製のソルプレン418等が挙げられる。
【0156】ところで、この粘着剤には、所望により、
他の成分、例えば他の粘着剤、粘着剤賦与剤、老化防止
剤、充填剤、粘着調整剤、粘着改良剤、着色剤、消泡
剤、増粘剤、改質剤、防カビ剤、抗菌剤、殺菌剤、消臭
剤又は脱臭剤等が適宜適量配合されても良いのである。
【0157】この粘着剤層は、直接に基材又は被覆材の
いずれか一方の露出面に粘着剤層を形成させることがで
きるが、この場合には粘着剤層の基材又は被覆材への結
合力を高めるために、基材又は被覆材の露出面を粗荒化
したり、基材又は被覆材の露出面を紙、織布、編布、不
織布、発泡フィルムなどの表面が粗荒なフィルム又はシ
ートで構成するのが好ましい。
【0158】本発明発熱体においては、基材及び/又は
被覆材の露出面における粘着剤層が、湿布剤を含有する
湿布層、或いは経皮吸収性薬物を含有又は担持している
薬物含有層であるものが、温熱効果に加えて、湿布効果
や薬物による治療ないし薬理効果が得られるので望まし
い。
【0159】本発明発熱体においては、粘着剤層に経皮
吸収性の薬物を配合することにより、局所治療効果を向
上させたり、全身治療効果を向上させたり、温熱効果に
よって循環が活発になった血液などに薬物を吸収させて
一層効果的に生体内の各部に薬物を循環させることがで
きるので、各部位の投与効果を一層高める上で至極好ま
しい。
【0160】前記経皮吸収性薬物としては、経皮吸収性
のものであれば特に限定されるものではないが、具体的
には、例えば皮膚刺激剤、鎮痛消炎剤、中枢神経作用剤
(睡眠鎮静剤、抗てんかん剤、精神神経用剤)、利尿
剤、血圧降下剤、冠血管拡張剤、鎮咳去痰剤、抗ヒスタ
ミン剤、不整脈用剤、強心剤、副腎皮質ホルモン剤、局
所麻酔剤等が挙げられる。これら薬物は、一種又は必要
に応じて二種以上配合されて用いられる。
【0161】この薬物の含有量としては薬効を期待でき
る範囲であれば特に限定されるものではないが、薬理効
果や経済性更に粘着力等の観点より、経皮吸収性の薬物
の含有量が粘着剤100重量部に対し0.01〜25重
量部、特に0.5〜15重量部の範囲で適宜決定され
る。
【0162】本発明発熱体においては、所望により、遠
赤外線効果を発現させるうえで、発熱組成物中及び/又
は発熱体における粘着剤層側に、遠赤外線を放射するセ
ラミックスの粉末或いは成形体を設けるのが望ましい。
【0163】即ち、本発明発熱体組成物と共に、或いは
これに代えて遠赤外線を放射するセラミックスを用いる
ことができ、このセラミックスは該発熱組成物と共に袋
材に封入したり、本発明物と同様にして担持体に担持さ
せたりすることができ、更にこのセラミックスは粘着層
に担持させることもできる。
【0164】本発明発熱体の製造において、経皮吸収性
薬物を用いる場合には、上述した発熱体、或いは遠赤外
線を放射するセラミックスなどを併用し、温熱効果によ
り血行などの全身作用を高めることにより、薬物の経皮
吸収性を高め全身治療効果や局所治療効果を一層高める
ことができる。
【0165】このようにして得られた発熱体は、冬期に
おいて、単に、人体に温熱を供給して寒さを凌ぎ、快適
に過ごすことができるだけでなく、局所のこり、疼痛及
び冷え等を伴う症状、例えば肩こり、筋肉痛、筋肉のこ
り、腰痛、手足の冷え、神経痛、リューマチ、打ち身、
捻挫等の疾患に使用され、温熱による治療効果を充分に
期待できるのである。
【0166】本発明に係る発熱体においては、基材及び
/又は被覆材が、非通気性或いは通気性のフィルム又は
シートの片面或いは両面に積層された発泡フィルム・シ
ート、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートで形成
されていると、片面にインキ状ないしクリーム状の発熱
組成物を積層し、発熱組成物の移動、片寄りを防止でき
るから望ましいのであり、特にこの場合において、他面
に不織布や織布を用いると、風合いが良くなって使用感
が良好になるので特に望ましい。
【0167】次に、本発明第1方法について詳細に説明
する。本発明第1方法においては、まず、インキ状ない
しクリーム状に粘稠化させた発熱組成物、つまり本発明
物を製造する工程(A)を実施する。
【0168】本発明物としては前述のものと同様のもの
が挙げられる。ところで、本発明物を製造するにあた
り、前記全成分を、混合機に投入し、次いで、均一に混
合しても良く、或いはこれに代えて、前記全成分のうち
固形成分のみを混合機に投入した後、この混合機でこれ
らの成分を均一に混合し、次いで、これに水、或いは金
属の塩化物の水溶液又は分散液を投入して混合し、これ
によって、前述の本発明物を得ても良いのである。この
場合、前記各固形成分を、混合機に投入し、次いで、こ
れを均一に混合した後、これに水を投入、混合して、得
られた本発明物の品質が安定するので望ましい。
【0169】本発明第1方法で用いられる混合機として
は本発明物を構成する成分を均一に混合するものであれ
ば特に限定されるものではないが、具体的には、例えば
リボンミキサー、スパルタンミキサー、スクリューブレ
ンダー、ロールミキサー、バンバリーミキサー又はニー
ダー等が挙げられる。
【0170】ところで、本発明物を製造するにあたり、
水分が余剰の場合、例えばインキ状の発熱組成物のとき
にはどのような混合装置を用いても良い。一方、クリー
ム状の発熱組成物のときには、水分の割合が比較的少な
く、従って、ミキサーやニーダー等のように、成分を加
圧しつつ練り込むような装置が、発熱組成物をクリーム
状にし易く、しかも絞り出された水分が遊離水となった
り、クリーム状の発熱組成物を製造後、この遊離水を発
熱物質周辺のゲルが吸収する結果、この遊離水或いは含
水ゲルがバリヤー層(空気遮断層)としての役割を果し、
発熱組成物が安定化するので望ましい。
【0171】本発明においては、工程(A)で得られた本
発明物を、フィルム状又はシート状の基材上面における
少なくとも一箇所の所定領域に転写、積層する工程(B)
を実施する。
【0172】ここで用いられる基材としては本発明発熱
体で説明したものと同様であるから、重複説明を避ける
ために省略する。
【0173】又、この工程(B)においては、基材上面に
スクリーン印刷等の印刷やコーティングによって本発明
物が任意の形状で転写、積層されるが、この本発明物
は、基材上面における幅方向において一箇所或いは二箇
所以上積層したり、基材の長手方向において千鳥足状に
積層しても良いのである。
【0174】本発明においては、本発明物を覆うように
フィルム状又はシート状の被覆材を被せる工程(C)を実
施する。
【0175】ここで用いられる被覆材としては本発明発
熱体で説明したものと同様であるから、重複説明を避け
るために省略する。
【0176】この場合、基材と被覆材とを本発明物を介
して張り合わせる。つまり本発明物が粘着剤と同様の役
割を果すから、必ずしも基材と被覆材とを、本発明物の
周囲部において、封着する必要はないが、品質や信頼性
を一層向上するために、基材と被覆材とを、本発明物の
周囲部において、粘着、熱接着又は熱融着によって封着
するのが望ましい。
【0177】そして、本発明第1方法においては、空気
との接触によって発熱する本発明発熱体を得るものであ
るから、前記の基材と被覆材のうち少なくとも一方或い
は一部が通気性を有するのである。
【0178】本発明第2方法においては、本発明物の片
面或いは両面にフィルム状又はシート状の吸水材を当て
がい、この吸水材に本発明物の水分の一部を吸収させて
も良いのである。この吸水材としては上述のものが挙げ
られる。
【0179】本発明第1方法においては、インキ状ない
しクリーム状で形成されているから、以下に述べる種々
のメリットが発生するのである。
【0180】即ち、このように、本発明第1方法におい
ては、インキ状ないしクリーム状の発熱組成物、つまり
本発明物を用いると、スクリーン印刷等の印刷やコーテ
ィング等による積層が至極容易で、且つ高速で超薄型の
発熱体を製造できるのであり、しかも発熱組成物を袋材
に均等に分布させることができる上、本発明物を、発泡
フィルム・シート、紙類、不織布、織布又は多孔質フィ
ルム・シートで形成された基材や被覆材で挟着すると、
この本発明物は侵入・投錨性が高く、これらの基材や被
覆材の細孔に食い込み、その移動、偏りが阻止される。
【0181】この場合、特に基材及び/又は被覆材が吸
水性を有し、この基材上に本発明物を積層するか、或い
は前記基材上に更に吸水層を積層し、この吸水層上に、
本発明物を積層し、被覆材で被覆すると、当該発熱組成
物の全部或いは一部が吸水性の基材及び/又は被覆材、
或いはこれらの上に形成された吸水層に一層固定され易
くなる結果、その移動、偏りが防止される。
【0182】又、印刷やコーティングなどによる積層法
によると、この発熱体を至極薄くすることができるので
あり、又、発熱体が薄いと、単位時間当たりの発熱反応
量が低下する結果、発熱組成物の過剰な発熱反応が阻止
される上、柔軟で外皮の伸縮に追従し易く、使用感が良
好になる。
【0183】加えて、本発明第1方法においては、吸水
剤の粘性水溶液を、発泡フィルム・シート、紙、不織
布、織布又は多孔質フィルム・シートなどのシート状包
材に、含浸、吹き付け、練り込み、印刷又はコーティン
グ等の塗工などによって積層、乾燥したり、吸水剤を圧
着や練り込み等によって含有、担持させた、つまりシー
ト状包材に吸水性を付与した後、その上に本発明物をス
クリーン印刷やコーティング等で転写、積層すれば粉体
の投入工程がなくなり将来の医療用具や医薬品製造にお
けるGMP基準を満たす工場管理が簡単に可能になるの
である。ここで用いられる吸水剤としては、前述の吸水
性ポリマーや増粘剤が挙げられる。
【0184】又、本発明第1方法においては、本発明物
はインキ状ないしクリーム状に形成されているから、前
述のような種々のメリットがあるが、特に、本発明物
は、印刷やコーティングなどによる転写、積層が至極容
易で、且つ高速で超薄形の発熱体を製造できるだけでな
く、粉末状の発熱組成物と比較して、表面積が著しく小
さく、空気の供給量が減少して発熱反応を実質的に停止
する結果、製造時の発熱反応によるロス、発熱組成物の
品質低下及び発熱組成物の凝固が防止されるのである。
【0185】ところで、本発明第1方法において、余剰
水分や遊離水更に含水ゲル中の水分の一部を基材及び/
又は被覆材などの袋材に吸収させると、バリヤー層が喪
失し、発熱組成物が多孔質となって空気との接触が良好
になる結果、使用時の温度特性は良好になるのである。
【0186】次に、本発明第2方法について詳細に説明
する。本発明第2方法は、本発明物を形成し、この本発
明物を、フィルム状又はシート状の基材上面における少
なくとも1箇所の所定領域に積層した後、この本発明物
上面に鉄粉、炭素成分又は吸水剤から選ばれた少なくと
も1種を積層或いは散布し、次いで、この発熱組成物、
及び鉄粉、炭素成分又は吸水剤から選ばれた少なくとも
1種を覆うようにフィルム状又はシート状の被覆材を被
せ、しかも前記の基材と被覆材のうち少なくとも一方或
いは一部が通気性を有するものであることを特徴とする
ものである。
【0187】本発明第2方法においては、本発明物の片
面或いは両面にフィルム状又はシート状の吸水材を当て
がい、この吸水材に本発明物の水分の一部を吸収させて
も良いのである。この吸水材としては上述のものが挙げ
られる。この場合、本発明物の片面或いは両面とは、本
発明物上面に鉄粉、炭素成分又は吸水剤から選ばれた少
なくとも1種を積層或いは散布した状態でその片面或い
は両面のことをいう。
【0188】従って、被覆材が、本発明物、鉄粉、炭素
成分又は吸水剤から選ばれた少なくとも1種及び吸水材
を覆うように被せられる。
【0189】本発明第2方法においては、空気との接触
によって発熱する本発明発熱体を得るものであるから、
前記の基材と被覆材からなる包材の少なくとも一部が通
気性を有するのであり、又、基材及び被覆材としては本
発明発熱体で説明したものと同様であるから、重複説明
を避けるために省略する。
【0190】即ち、本発明第2方法は、本発明第1方法
において、本発明物上面に鉄粉、炭素成分又は吸水剤か
ら選ばれた少なくとも1種を積層或いは散布し、次い
で、この発熱組成物、及び鉄粉、炭素成分又は吸水剤か
ら選ばれた少なくとも1種を覆うようにフィルム状又は
シート状の被覆材を被せる点に特徴を有するものであ
り、その他の点は本発明第1方法と同様なので、重複説
明を避けるために省略する。
【0191】次に、本発明第3方法について詳細に説明
する。本発明第3方法においては、まず、フィルム状又
はシート状の基材上に本発明物を積層し、次いで、その
上からフィルム状又はシート状の被覆材を被せて、前記
本発明物の粘性により、前記の基材と被覆材とを張り合
わせて積層体を得る。この場合、本発明物の片面又は両
面にフィルム状ないしシート状の吸水材を当てがっても
良いのである。
【0192】本発明第3方法において、用いられる本発
明物としては、前述のものと同様のものが挙げられるの
で、重複説明を避けるためその詳細な説明を省略する。
【0193】本発明第3方法においても、前述の場合と
同様に、本発明物の水分の一部が吸水性の基材及び/又
は被覆材に吸収されるまでは、空気と接触しても本発明
物の酸化反応、つまり発熱反応が抑制されるため、製造
時の発熱反応による発熱組成物のロス、発熱組成物の品
質低下及び発熱組成物の凝固が確実に防止される上、本
発明物がインキ状ないしクリーム状に形成されているの
で均一な厚さに積層できるのであり、しかも本発明物が
粘性が有り、包材との接着もあるので発熱組成物の移
動、片寄りを防止し、且つ発熱組成物の過剰な発熱反応
を極力避けることができる。
【0194】本発明第3方法において、基材上に本発明
物を積層する方法としては特に限定されるものではない
が、具体的には、例えばヘッドコーター等のコーター、
ローラー、アプリケーター等による塗工やコーティング
等が挙げられる。
【0195】本発明第3方法においては、空気との接触
によって発熱する本発明発熱体を得るものであるから、
前記の基材と被覆材のうち少なくとも一方又は一部が通
気性を有するものであり、又、基材及び被覆材としては
本発明発熱体で説明したものと同様であるから、重複説
明を避けるために省略する。
【0196】本発明第3方法においては、次いで、得ら
れた積層体を任意の形状に打ち抜いて発熱体が得られる
のである。従って、基材と被覆材はその打ち抜きが容易
なものが好ましく、この観点より、基材及び被覆材とし
ては紙類で形成されているものが望ましい。
【0197】前記積層体を所定の形状に打ち抜く工程
は、当該積層体を静止させて行ってもよく、この場合に
は同時に積層体の送り方向及びこれに直角の幅方向に並
ぶ複数の積層体を同時に打ち抜くことにより一度に多量
の発熱体を形成することができる結果、コストダウンを
図ることができる。
【0198】しかしながら、この方法では、前述のよう
に、例えばロールフィルム状又はロールシート状の基材
を例えば毎分160〜200m/分で送りながら、その
上に本発明物を積層させた後、ロールフィルム状又はロ
ールシート状の被覆材をロールでその上に案内するとい
う方法で被覆材を本発明物に被せ、これによって、積層
体を得る場合には、打ち抜き工程において積層体を静止
させるために、一旦、積層体をロール状に巻取り、この
ロールを間欠的に繰り出しながら打ち抜く必要があり、
製造工程が複雑になると共に、製造時間が長くなる上、
打ち抜き作業が間欠的に行われるため、作業効率を高め
る上での限界が生じる。
【0199】従って、本発明第3方法においては、製造
工程を簡単にすると共に、製造時間を短縮するために、
積層体をその製造時の送り速度、例えば毎分160〜2
00m/分で送りながら、ロールプレスを用いて任意の
形状に打ち抜き、これによって、本発明発熱体を得るの
が好ましい。
【0200】このように、ロールプレスを用いる場合に
は、連続して積層体の打ち抜きができる上、積層体の製
造と打ち抜きとを一貫して連続操業できるので、短時間
に多量の発熱体を完成させることができる結果、積層体
を静止させて打ち抜く方法に比べると非常に大幅なコス
トダウンを図ることができる。
【0201】又、この場合には、積層体において幅方向
に1箇所或いは2箇所以上連続して打ち抜いたり、積層
体において長手方向に千鳥足状に複数連続して打ち抜く
ことにより、短時間に一層多量の本発明発熱体を製造し
て、一層大幅なコストダウンを図ることができる。
【0202】この積層材の打ち抜き形状については、得
られた発熱体の用途に応じて、任意部位を覆う形状に打
ち抜かれる。即ち、本発明第3方法において、得られた
積層体が所望の任意の形状に打ち抜かれるが、この打ち
抜かれて得られた本発明発熱体は、例えば足用、肩用、
腰用等、特に限定されるものではなく、任意の形状のも
のが挙げられる。
【0203】ところで、本発明第3方法においては、本
発明物の粘性によって、基材と被覆材が張り合わせられ
るが、この張り合わせ後、水分の一部が基材と被覆材に
吸収され、しかもこの発熱体は非通気性の外包材に封入
されて流通に供される結果、このままでも商品として販
売されても良い。
【0204】しかしながら、この打ち抜かれた本発明発
熱体を2枚のフィルム又はシートの間に介在し、この介
在と同時に、又は、この介在後に、2枚のフィルム又は
シートを当該本発明発熱体以上の大形に打ち抜き、打ち
抜きと同時に、若しくは打ち抜き後に、前記本発明発熱
体の周縁部において、前記2枚のフィルム又はシートを
封着したものが望ましい。
【0205】この場合、前記2枚のフィルム又はシート
のうち少なくとも一方又は一部が通気性を有するものが
用いられるのであり、かくして一層信頼性の高い本発明
発熱体が得られる。
【0206】即ち、この工程によって任意形状の本発明
発熱体が得られるが、その内部の発熱組成物に供給され
る空気量がこの2枚のフィルムの通気性によって制御さ
れるのであり、このため、本発明物への通気性管理は本
発明発熱体における基材及び/又は被覆材の通気管理と
同様に透湿性を基準にして管理されるのであり、又、そ
の透湿度、つまり2枚のフィルムのうち1枚のフィルム
と基材又は被覆材との積層フィルムないしシートの透湿
度は本発明物及び本発明発熱体の場合と同様なので、重
複説明を避けるためその詳細な説明を省略する。
【0207】前記2枚のフィルム又はシートは非通気性
のものと通気性のものが挙げられるのであり、しかも、
これは、粘着性を有するもののほか、熱接着性ないし熱
融着性のものが挙げられる。
【0208】前記粘着性を有するフィルム又はシートと
しては、ベースフィルム又はベースシートにおいて、そ
の全面にホットメルト系の粘着剤で通気性の粘着層を形
成したり、或いはその全面にわたって部分的に通気性或
いは非通気性の粘着層を形成したものが挙げられるので
あり、このベースフィルム又はベースシートとしてはそ
れ自体が熱接着性ないし熱融着性を有するか否かは問う
ものではない。
【0209】本発明第3方法においては、この長尺状の
発熱体の形成時以後であれば、当該長尺状の発熱体の打
ち抜きの前に、又は長尺状の発熱体の打ち抜きと同時
に、若しくは長尺状の発熱体の打ち抜き後に2枚のフィ
ルム又はシートを発熱体の周縁部で封着される。
【0210】ここにおいて、発熱体以上の大形に打ち抜
くとは、当該発熱体の大きさ以上であれば特に限定され
るものではないが、特に、発熱体の形状と相似型或いは
ほぼ相似型であって、その形状より数mm〜20mm幅
程度全周囲にわたって延出された大形に形成することが
好ましい。
【0211】そして、本発明第3方法においては、この
延出部分を封着、つまり発熱体の周縁部において、前記
2枚のフィルム又はシートを、粘着、熱接着又は熱融着
によって封着されるのである。
【0212】ところで、前記本発明第1〜3方法におい
て、本発明発熱体のいずれか一方の露出面の全面又は一
部に粘着剤層が形成されており、且つそのいずれか他方
の少なくとも一部が通気性を有するものが望ましい。
【0213】この粘着剤層としては湿布剤を含有する湿
布層、或いは経皮吸収性薬物を含有又は担持させた薬物
含有層でも良いが、これらは本発明発熱体の場合と同様
なので重複説明を避けるために省略する。
【0214】この粘着剤層には、遠赤外線放射体或いは
磁気体のうちの少なくとも1種が含有又は担持されても
良い。
【0215】又、前記本発明第1〜3方法において、得
られた発熱体はその製造から使用されるまでの間に本発
明物中の水分の一部が基材及び/又は被覆材或いは本発
明物の片面又は両面に当てがわれた吸水材に吸収させた
り、本発明物中の遊離水或いは含水ゲル中の水分の一部
がが基材及び/又は被覆材或いは本発明物の片面又は両
面に当てがわれた吸水材に吸収される結果、多孔質で空
気との接触が良好で、しかも空気と接触すると速やかに
発熱反応が生じる発熱体が得られるのである。
【0216】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体
的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0217】本発明の第1実施例に係る本発明発熱体
は、図1の断面模式図に示すように、縦130mm、横
95mmの長方形の偏平な袋体(包材)1内にインキ状
ないしクリーム状の発熱組成物、つまり本発明物2を封
入したものであり、前記袋体1は、この場合、非通気性
を有する基材3と、通気性を有する被覆材4とからな
り、しかも、前記基材3の露出面には厚さ100μmの
粘着剤層5が形成されている。
【0218】前記基材3は、十分な柔軟性が得られるよ
うに、厚さ40μmの非通気性ポリエチレンフィルム3
bにおいて、その片面に、吸水性ポリマー含有ポリエス
テル不織布(厚さ210μm 三洋化成社製サンウェッ
トIM−5000MPS 10g/m2)3aを、又、そ
の他面に、レーヨン繊維含有量60重量%のレーヨン・
ポリエステル混合不織布(厚さ140μm)3cを用い
た。
【0219】又、前記被覆材4は機械的強度を高めると
共に十分な柔軟性が得られるようにするため、例えば厚
さ100μmのポリエチレン製多孔質フィルム4aの片
面に厚さ150μmのナイロン製不織布4bを積層した
ものを用いている。なお、この被覆材4の透湿度は透湿
量がリッシー法で400g/m2 ・24hrとなるよう
に調整してある。
【0220】更に、前記粘着剤層5は外皮に貼着するた
めのものであり、この粘着剤層5はスチレンーイソプレ
ンースチレンブロック共重合体系の粘着剤で形成されて
いる。
【0221】前記本発明物2は、以下の方法で製造した
ものである。即ち、有効成分である鉄粉(同和鉄粉社製
DKP)70重量部に対し、炭素成分としての活性炭(ノ
リット社製 GL−50)10重量部、金属の塩化物とし
て食塩(塩化ナトリウム)2重量部、増粘剤として(信越
化学社製 商品名 メトローズ 60SH−4000)0.
7重量部、界面活性剤(花王株式会社製 商品名デモール
EP)0.2重量部及びpH調整剤としてトリポリリン
酸ナトリウム0.1重量部を混合し、この配合物に水を
加えて、温度20℃での粘度が250,000cps程
度になるように調製している。
【0222】つまり、活性炭、増粘剤、界面活性剤、P
H調整剤、食塩及び鉄粉の順で、しかも前記配合割合で
混合機(特殊機化工業株式会社製 T.K.ハイビスミ
ックス 2P−100型 容量 100リットル)に投
入、5分間撹拌した後、更に撹拌しながら水を投入し、
15分間混練を行う。
【0223】その後、ブレード、容器内の付着物を清掃
し、再度、20分間混練を行い、粘度測定及び比重測定
を行う。粘度が下記方法で25万cps前後になるよう
に水分調整を行う。水分量は鉄粉(同和鉄粉社製 DK
P)100重量部に対し、40重量部であった。得られ
た本発明物は粘度が23万cpsであった。尚、ブレー
ドの回転数はスタートから終了まで10rpmで行っ
た。
【0224】この本発明物を10℃で1時間保存したと
ころ粘度が上昇するが、再度、混練すると、粘度が下記
方法で25万cpsであり、これを基材3上にスクリー
ン印刷によって積層した。この場合もブレードの回転数
はスタートから終了まで10rpmで行った。
【0225】又、前記粘度は、TOKIMEC IN
C.製(VISCOMETER BH型粘度計)で、し
かも#7のローターを用い、回転数2rpmとし、ビー
カー内径(85φmm)のビーカーを用いて測定温度20
℃で測定した値である。
【0226】この本発明物2はインキ状ないしクリーム
状で表面積が小さく、空気との接触面積が制限される
上、遊離水ないし水分を含有しているゲルが鉄粉と空気
との接触を抑制することによって、単位時間当たりの酸
化量が著しく制限される結果、その上にフイルム状或い
はシート状の被覆材で積層され、発熱体が得られるまで
の間の酸化反応が殆ど阻止されるのである。
【0227】このように本発明物2はインキ状ないしク
リーム状の粘稠体であり、この本発明物2はスクリーン
印刷によって基材3における吸水性ポリマー含有ポリエ
ステル不織布3a上面に積層させることが可能になり、
積層領域の制御を高精度に行えると共に、膜厚を非常に
薄く、しかも均一に制御できるようになり、しかも、基
材3における吸水性ポリマー含有ポリエステル混合不織
布3aと本発明物2との結合力によって本発明物2が袋
体1内で移動することが防止されるようになる。又、こ
のように本発明物2の膜厚を薄くすることにより、発熱
体を超薄形にできる。
【0228】この実施例では、幅130mmのロールフ
ィルム状の基材3を毎分180mの速度で水平に送りな
がら、その上面に本発明物2を膜厚約0.5mmにして
スクリーン印刷し、このスクリーン印刷の直後に被覆材
4を被せ、引き続いてその印刷領域の周囲をヒートシー
ルによって封着し、幅方向のヒートシール領域の中央で
次々に裁断することにより、各発熱体の周囲のシール幅
Lが7mmで、しかも超薄形の本発明発熱体を製造し
た。
【0229】なお、裁断されるた各本発明発熱体は、引
き続いて包装工程に送り込まれ、図示しない気密性を有
する外袋内に封入される。
【0230】本発明物2は、基材3上面にスクリーン印
刷された後、その水分の一部が徐々に基材3に吸収され
るのであり、又、その上から被覆材4が被覆される。し
かしながら、本発明物2が基材3にスクリーン印刷され
てから外袋に封入されるまでの時間は極短時間であり、
この間に発熱反応が可能になる程度に本発明物2の水分
が基材3に吸収されることは殆どない。
【0231】従って、製造工程における本発明物2の発
熱が起こる恐れは殆どなく、発熱反応によるロスや、発
熱組成物の品質低下が生じる恐れは全くない。又、本発
明物2の配合から基材3へのスクリーン印刷までの工程
において本発明物が凝固する恐れも殆どなくなり、凝固
による歩留り低下、操業の中断、操業時間に対する制
約、製造装置の洗浄の困難性及び危険性、製造装置の洗
浄の頻繁性、凝固物処理の困難性などの種々の弊害を防
止できる。
【0232】又、外袋に封入した後、24時間経過して
から外袋を破って人の体表面に粘着させ、通常の使用し
たところ、1〜2分程度で発熱温度が約38℃まで昇温
し、以後38〜41℃で9時間以上にわたって発熱し
た。この使用中、本発明物2は全く袋体1内で移動する
ことはなく、全面にわたって平均した発熱が認められ
た。
【0233】本発明の第2実施例に係る本発明発熱体
は、図2の断面模式図に示すように、縦130mm、横
95mmの長方形の偏平な袋体(包材)1内に本発明物
2を封入したものであり、前記袋体1は、非通気性を有
する基材3と、通気性を有する被覆材4とからなり、こ
の場合、前記基材3の露出面には厚さ100μmのスチ
レンーイソプレンースチレンブロック共重合体系の粘着
剤層5が形成されている。
【0234】前記基材3は、十分な柔軟性が得られるよ
うに、厚さ40μmのポリエチレンフィルム3bの両面
に、厚さ140μmで、且つレーヨン繊維含有量60重
量%のレーヨン・ポリエステル混合不織布3a・3cを
ラミネートしたものである。
【0235】又、前記被覆材4、前記本発明物2及び前
記粘着剤層5としては前記第1実施例と同様のものを用
いた。
【0236】そして、本発明物2をスクリーン印刷で基
材3上面に積層させ、その後、本発明物2上面に、手作
業で吸水剤(日本触媒製 高吸水性樹脂アクアクリック
CS−6HS)を散布して吸水層(目付け量20g/m
2)6を形成し、その後、被覆材4を被せて周囲をヒー
トシール周囲をヒートシールによって封着することによ
り、各発熱体の周囲のシール幅Lが7mmで、しかも超
薄形の本発明発熱体を製造した。
【0237】要するに、この第2実施例においては、本
発明物2の水分の一部が吸水層6にも吸収されることを
除けば、この本発明発熱体及びその製造方法やその他の
構成は、前記第1実施例及び前例のそれらと同様であ
り、従って、それらの作用ないし効果も前記第1実施例
と同様であるので、重複を避けるためこれらの説明は省
略する。
【0238】本発明の第3実施例に係る本発明発熱体
は、図3の断面模式図に示すように、吸水層6と本発明
物2との上下関係が逆になっている点を除けば前例と同
様に構成されている。
【0239】つまり、この本発明発熱体は、基材3上
に、以下の方法で、坪量20g/m2の吸水層6を形成
した。即ち、吸水剤(日本触媒製 高吸水性樹脂アクア
クリックCS−6HS)を用い、その4重量%の水溶液
をスクリーン印刷で厚さ500μmに印刷し、これを乾
燥して坪量20g/m2の吸水層6を形成した。
【0240】そして、第3実施例に係る本発明発熱体
は、前記基材3における吸水層6の表面に前記本発明物
2をスクリーン印刷して製造されることを除けば前例と
同様の方法で製造される。
【0241】要するに、この本発明発熱体及びその製造
方法やその他の構成は、前記第1実施例及び前例のそれ
らと同様であり、従って、それらの作用ないし効果は前
例と同様であるので、重複を避けるためこれらの説明は
省略する。
【0242】次に、本発明に係る第4実施例としての肩
部を加温するための本発明発熱体を製造する方法とこの
方法により製造された肩温用の本発明発熱体の1例であ
り、図4にこの肩温用の本発明発熱体の斜視図を示して
いる。
【0243】この発熱体は、吸水性を有する基材3を繰
り出しながら、この基材3上に本発明物2を平面視瓢箪
形状にスクリーン印刷し、次いで、この本発明物2の周
囲の露出面に接着剤を塗布し、この上に被覆材4をロー
ラで案内、積層し、これによって、基材3と被覆材4と
を前記発熱組成物2をサンドして接着した後、前記基材
1の露出面に厚さ50μmの粘着剤層5を形成し、かく
して得られた長尺状の発熱体をロールプレスで本発明物
2から7mm程度の大きさだけ拡げ、しかも肩の所望部
分を覆う形状に、この実施例では、平面視瓢箪形状に打
ち抜くという手順で製造されたものである。
【0244】このように構成すると、基材3と被覆材4
とは本発明物2によって張り合わせられる。
【0245】図5の要部断面図に示すように前記基材3
としては、目付量80g/m2程度の吸水性のレーヨン
不織布3aと非通気性を有する厚さ50μmm程度のポ
リエチレンシート3bとをラミネートし、この基材3に
おいて、そのレーヨン不織布3a上に本発明物2が直接
接触するように印刷されている。
【0246】又、前記被覆材4は目付量80g/m2
度の吸水性のレーヨン不織布4a上に通気性を有する厚
さ50μm程度のポリエチレンシート4bをラミネート
したものであってその透湿度は300g/m2 ・24h
rのものであり、この被覆材4において、そのレーヨン
不織布4a上に本発明物2が直接接触するように当該被
覆材4が積層されている。
【0247】前記粘着剤層5には、スチレンーイソプレ
ンースチレンブロック共重合体系のが使用され、この粘
着剤層5の基材3への粘着性を高めるために、予め、前
記基材3のポリエチレンシート3bの露出面をコロナ処
理により40ダイン以上の濡れ指数を有する程度に粗荒
化してある。
【0248】前記本発明物2は、発熱物質である鉄粉
(同和鉄粉社製 DKP)100重量部に対し、吸水性ポ
リマーとして(三洋化成社製 商品名 サンウエット IM
−5000MPS)0.21重量部、増粘剤として(第一
工業製薬社製 商品名セロゲンEP)1.4重量部、活性
炭(ノリット社製 SAーSUPER)4.21重量部、
金属の塩化物として塩化ナトリウム4.87重量部及び
pH調整剤としてトリポリリン酸ナトリウム0.25重
量部を混合し、この配合物に水を加えて、温度20℃で
の粘度が300万cps程度になるように調製してい
る。
【0249】つまり、活性炭、増粘剤、吸水性ポリマ
ー、PH調整剤、食塩及び鉄粉の順で、しかも前記配合
割合で混合機(特殊機化工業株式会社製 T.K.ハイ
ビスミックス 2P−100型 容量 100リットル)
に投入、5分間撹拌した後、更に撹拌しながら水を投入
し、15分間混練を行う。
【0250】その後、ブレード、容器内の付着物を清掃
し、再度、20分間混練を行い、粘度測定及び比重測定
を行う。粘度が下記方法で300万cps前後になるよ
うに水分調整を行う。この場合、水分量は鉄粉(同和鉄
粉社製 DKP)100重量部に対し、29.79重量部
であった。得られた本発明物は粘度が303万cpsで
あった。尚、ブレードの回転数はスタートから終了まで
10rpmで行った。
【0251】この本発明物を10℃で1時間保存したと
ころ粘度が上昇するが、再度、混練すると、粘度が下記
方法で305万cpsであり、これを基材3上にスクリ
ーン印刷によって積層した。この場合もブレードの回転
数はスタートから終了まで10rpmで行った。
【0252】又、この粘度は、東機産業(株)社製(R
110型粘度計、RE110Uシステム、検出ヘッドR
E100U、コントローラRC100A)で、しかもS
PPローターを用い、回転数0.2rpm(D=0.4
(1/S))とし、測定温度20℃で測定した値であ
る。
【0253】従って、この本発明物2は遊離水ないし水
分を含むゲルが鉄粉と空気との接触を妨げるバリアー層
として機能し、その結果、発熱反応が殆ど生じないこと
が認められた。
【0254】基材3上に前記本発明物2を、厚さ820
μmになるように、スクリーン印刷すると、この本発明
物中の遊離水ないし水分を含むゲル中の水分が、基材3
における吸水性のレーヨン不織布3aに吸収されはじ
め、又、被覆材4を被せた後には、この被覆材4におけ
るレーヨン不織布4aに吸収され、やがて、発熱組成物
2の水分の配合率が設定された発熱温度を生じるに最適
の状態になる。
【0255】しかしながら、前記遊離水ないし水分を含
むゲル中の水分が、基材3及び被覆材4に吸収されて、
所定の配合率に達するまでにはそれ相当の時間がかかる
のに対し、得られた本発明発熱体が非通気性袋に封入さ
れるまでの時間は極めて短時間であって、その間に本発
明物2の水分配合率が所定の発熱温度を生じるに最適の
配合率になることはない。
【0256】このように、この本発明発熱体を非通気性
袋に封入するまでに本発明物2が発熱することはなく、
発熱反応の生成物が凝固して種々の弊害、例えば歩留り
の低下、取扱いの困難性、製造装置のメンテナンスの煩
雑性、製造装置の稼働時間ないし作業者の就業時間に対
する制約、凝固物処理の困難性などの弊害が生じるおそ
れもない。
【0257】ところで、この本発明発熱体が非通気性袋
に封入され、流通を経てユーザーの手に届くまでには、
本発明物2中の余剰水分が基材3における吸水性のレー
ヨン不織布3aと被覆材4における吸水性のレーヨン不
織布4aに吸収されて、所定の発熱温度を得るに適した
水分配合率になっているので、非通気性袋が破られて空
気に触れるまでに発熱組成物2の品質が低下することが
なく、発熱組成物2の品質を高品質に保持できる上、非
通気性袋を破ってこの本発明発熱体を取り出すと直ちに
発熱反応が開始され、速やかに所定の発熱温度まで昇温
する。
【0258】しかも、本発明物2は、流動性が高いか
ら、印刷やコーティングという技術によって基材3上に
積層できる結果、流動性がない従来の粉末状発熱組成物
を単に基材3上に投下する場合に比べて、正確に且つ高
速で所定の範囲に、しかも均一な厚さに積層することが
できる。
【0259】前記本発明発熱体を非通気性袋に封入し、
これを10日間放置後、非通気性袋を破ってこの本発明
発熱体を取り出し、次いで、これを粘着剤層5を用い
て、肩部に直接粘着させて使用したところ、6時間以上
にわたって優れた温熱効果が得られた。
【0260】前記本発明発熱体の適用に際し、この発熱
体が超薄型に形成されているので、全体として柔軟にな
る結果、肩への感触が柔和になったり、肩の湾曲部に容
易に沿わせて変形させたり、肩の動きに非常に良く追従
して変形したり、適用部位に対する密着性が良好であ
り、又、本発明発熱体が使用中に適用部位から剥がれる
ことがなく、優れた採暖効果が得られ、効果的に肩部温
めることが認められた。
【0261】更に、この使用に際し、発熱組成物2の移
動がなく、本発明発熱体の発熱温度分布が均一で、低温
火傷もなく、安全性が高くなる。
【0262】次に、図示しないが、本発明に係る第5実
施例としての背部を加温するための本発明発熱体を第4
実施例と同様にして製造した。
【0263】前記本発明物2は、発熱物質である鉄粉
(同和鉄粉社製 DKP)100重量部に対し、活性炭(ノ
リット社製 SAーSUPER)7.0重量部、保水剤と
して珪藻土(オブライト)2.0重量部、増粘剤として
(第一工業製薬社製 商品名セロゲンEP)1.4重量
部、吸水性ポリマーとして(三洋化成社製 商品名 サン
ウエット IM−5000MPS)0.3重量部、金属の
塩化物として塩化ナトリウム5.0重量部及びpH調整
剤としてトリポリリン酸ナトリウム0.3重量部を混合
し、この配合物に水を加えて、温度20℃での粘度が2
50万cps程度になるように調製した。
【0264】つまり、活性炭、珪藻土、増粘剤、吸水性
ポリマー、PH調整剤及び塩化ナトリウムの順で、しか
も前記配合割合で混合機(特殊機化工業株式会社製
T.K.ハイビスミックス 2P−100型 容量 1
00リットル)に投入し、密封状態に蓋をした後、回転
数10rpmで撹拌しながら投入口から鉄粉を投入して
3分間撹拌し、更に撹拌しながら水を投入し、回転数を
15rpmに上昇して5分間混合した後、一旦停止す
る。
【0265】次いで、混合機のブレード、ケーシングへ
の付着物を清掃後、再度、回転数1rpmで5分間混合
し、粘度測定及び比重測定を行う。粘度が下記方法で2
50万cps前後になるように水分調整を行う。この場
合、水分量は鉄粉(同和鉄粉社製 DKP)100重量部
に対し、42.0重量部であった。得られた本発明物の
比重は2.428g/mlであり、粘度は252万cp
sであった。
【0266】この本発明物を10℃で1時間保存したと
ころ粘度が上昇するが、再度、混練すると、粘度が下記
方法で255万cpsであり、これを基材3上にスクリ
ーン印刷によって積層した。この場合、ブレードの回転
数は10rpmで行った。
【0267】又、この粘度は、東機産業(株)社製(R
110型粘度計、RE110Uシステム、検出ヘッドR
E100U、コントローラRC100A)で、しかもS
PPローターを用い、回転数0.2rpm(D=0.4
(1/S))とし、測定温度20℃で測定した値であ
る。
【0268】従って、この本発明物2は遊離水ないし水
分を含むゲルが鉄粉と空気との接触を妨げるバリアー層
として機能し、その結果、発熱反応が殆ど生じないこと
が認められた。
【0269】得られた本発明発熱体を非通気性袋に封入
し、これを10日間放置後、非通気性袋を破ってこの本
発明発熱体を取り出し、次いで、これを粘着剤層5を用
いて、背部に直接粘着させて使用したところ、6時間以
上にわたって優れた温熱効果が得られた。
【0270】前記本発明発熱体の適用に際し、この発熱
体が超薄型に形成されているので、全体として柔軟にな
る結果、背への感触が柔和になったり、背の動きに非常
に良く追従して変形したり、適用部位に対する密着性が
良好であり、又、本発明発熱体が使用中に適用部位から
剥がれることがなく、優れた採暖効果が得られ、効果的
に肩部温めることが認められた。
【0271】更に、この使用に際し、発熱組成物2の移
動がなく、本発明発熱体の発熱温度分布が均一で、低温
火傷もなく、安全性が高いことが認められた。
【0272】次に、以下の方法で発熱実験を行った。鉄
粉(同和鉄粉製DKP)70重量部、炭素成分としての
活性炭(ノリット製活性炭GL−50)10重量部、金
属の塩化物としての塩化ナトリウム2重量部、増粘剤
(信越化学製メトローズ60SH−4000)0.7重
量部、界面活性剤(花王株式会社製、商品名:デモール
EP)0.2重量部及びPH調整剤(トリポリリン酸ソ
ーダ)0.1重量部に、水を過剰に加えて、温度20℃
で、粘度が1万cpsと680万cpsのインク状ない
しクリーム状の粘液体を調製した。
【0273】粘度が1万cpsの本発明物と、粘度が6
80万cpsの本発明物を用い、図6に示すように、そ
の発熱組成物を200mlのビーカー10に入れ、その
表面と中央における表面から10mm下の位置Dに温度
センサー11をそれぞれ挿入し、その温度変化を測定し
た。
【0274】その結果、粘度が1万cpsの発熱組成物
は、表面及び中央共に、20分程度では全く温度上昇が
認められなかったが、粘度が680万cpsの発熱組成
物では、表面では5分程度で温度上昇が認められるが、
中央では5分程度では殆ど温度上昇が認められなかっ
た。
【0275】一方、比較例として鉄粉60重量部、10
重量%の食塩水25重量部、活性炭13重量部及び木粉
14重量部からなる発熱組成物を用いた。鉄粉、食塩及
び活性炭は前記実施例と同様のものを用いた。このもは
粘度の測定が不可能であった。
【0276】この発熱組成物を用い、前記と同様の発熱
実験を行ったところ、このものは表面及び中央共に直ち
に温度上昇が認められ、2分程度で60℃を超えること
が認められた。
【0277】本発明においては、前記実施例1〜3を組
み合わせても良く、又、本発明物の片面又は両面にフィ
ルム状ないしシート状の吸水材特に吸水性の高い紙類を
当てがい、本発明物の水分の一部を吸収すると共に本発
明物をこの紙類に一層強固に固定しても良いのである。
【0278】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明に係る発
熱組成物は、インキ状ないしクリーム状に粘稠化されて
いるので、この発熱組成物を印刷やコーティングなどに
よって基材に積層させることができるのであり、しかも
積層領域を高精度に制御し、又、非常に薄い膜厚で、且
つ均一に本発明物を基材に積層できる結果、高速で超薄
形の本発明発熱体を製造できる効果が得られる。
【0279】また、本発明物は基材上面に積層され、そ
の上から被覆材で被覆された後、基材及び/又は被覆材
更に吸水層などに過剰水分或いは遊離水又は含水ゲル中
の水分を吸収させるので、製造時において、本発明物の
発熱反応が殆ど無く、製造時の発熱反応によるロス、本
発明物の品質低下や本発明物の凝固を防止できる上、使
用時までには、本発明物中の水分の一部が基材及び/又
は被覆材更に吸水層などに吸収される結果、使用時にお
ける本発明物の水分の配合率が発熱反応に適した状態に
なって、空気との接触が良好になり、所望の発熱温度が
得られる効果を有する。
【0280】しかも、上述したように、本発明物は印刷
やコーティングにより基材に積層されるのであり、本発
明物は粘着性が有るから、当該本発明物が基材や被覆材
或いは吸水層などに接着、固定されるのであり、従っ
て、この本発明物の袋体内での移動が確実に防止される
結果、発熱組成物の温度のバラツキを無くしたり、袋体
内で発熱組成物が片寄って高温箇所が発生することを確
実に防止して、低温火傷の発生を確実に防止し、安全性
が高められる効果も得られる。
【0281】また本発明発熱体においては、インキ状な
いしクリーム状に粘稠化させた発熱組成物、つまり本発
明物を用いているので、印刷やコーティング等によって
当該発熱組成物を超薄型で、しかも均一に積層できるの
であり、その結果、発熱体が超薄型で、柔軟性が高く、
肩等の湾曲部や屈曲部への追従性が極めて良好であり、
使用感が優れる効果を有するのである。
【0282】また、本発明発熱体においては、インキ状
ないしクリーム状に粘稠化させた発熱組成物を用いてい
るから、過剰水分或いは遊離水ないし含水ゲルがバリヤ
ー層となって、製造時に本発明物が発熱反応を生じるの
が著しく少なくなり、製造時の発熱反応によるロス、発
熱組成物の品質低下や凝固が防止される一方、使用時ま
でに発熱組成物中の前記水分が包材に吸収されて、使用
時の発熱組成物の水分の配合率が発熱反応に適した状態
になり、その結果、使用時に所望の発熱温度を得ること
ができる等、品質がしごく高く、信頼性が著しく高い効
果を有する。
【0283】しかも、本発明発熱体においては、包材と
本発明物との結合力によって当該発熱組成物の袋材内で
の移動を確実に防止できるから、温度のバラツキを無く
したり、袋材内で発熱組成物が片寄って部分的に高温の
発熱箇所が発生することを確実に防止できるのであり、
その結果、低温火傷の発生を確実に防止し、安全性が高
められる効果も得られる。
【0284】特に、本発明発熱体において、本発明物が
直接接触する箇所が吸水性を有するものであるから、本
発明物中の余剰水分或いは遊離水ないし含水ゲル中の水
分を吸収することに伴って当該発熱組成物が基材及び/
又は被覆材或いは吸水層に引き寄せられ、本発明物の一
部が基材及び/又は被覆材或いは吸水材に食い込んでア
ンカー効果を生じ、このアンカー効果により本発明物を
基材及び/又は被覆材或いは吸水層に固定できる効果が
得られる。
【0285】この場合において、基材及び/又は被覆材
と本発明物との接触箇所が、吸水性の発泡フィルム・シ
ート、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートで形成
されていると、本発明物との結合性が一層良好で、本発
明物の移動、片寄りが一層確実に防止され、本発明物の
片寄りに伴う種々の弊害が一層確実に防止される効果を
有するのである。
【0286】本発明発熱体において、基材及び被覆材が
伸長性、特に伸縮性を有する場合には、任意の部位の複
雑な凸凹形状に発熱体を訓染ませるのが一層容易になる
上、動作による凸凹形状の変化に対する追従性が高めら
れ、発熱体の剥離ないし適用部位からの浮き上がりが確
実に防止され、生体との密着性が良好になるから、優れ
た採暖効果や血行促進効果が得られる効果を有するので
ある。
【0287】本発明発熱体において、基材及び/又は被
覆材或いは吸水層が吸水性を有する場合には、使用時ま
でに本発明物中の水分の一部を吸収して、本発明物中の
水分配合率を発熱に適した配合率に調整することができ
る結果、使用に際して気密性袋を破ることにより直ちに
発熱が開始されるようにすることができ、速やかに所要
の発熱温度が得られるようになると共に、発熱反応の進
行に伴い発熱組成物から蒸散した水分を基材及び/又は
被覆材からの放水により補充でき、長時間にわたって所
要の発熱温度を保持できるようになる、という効果が得
られる。
【0288】本発明発熱体において、本発明物の片面又
は両面にフィルム状ないしシート状の吸水材特に吸水性
の高い紙類を当てがうと、本発明物の水分の一部を吸収
すると共に本発明物をこの紙類に一層強固に固定できる
のである。
【0289】本発明発熱体において、粘着剤層に遠赤外
線放射体、磁気体又は経皮吸収性薬物のうちの少なくと
も1種が含有又は担持させていると、遠赤外線加熱効
果、遠赤外線治療効果、磁気治療効果、薬物による治療
効果などが得られることはもとより、これらの効果が発
熱体の発熱による血行促進などの全身作用や局部作用と
相乗的に促進して一層その効果が高められる、という効
果が得られる。
【0290】本発明第1方法においては、本発明物を形
成し、この発熱組成物を転写や印刷などによって基材に
積層させることができるのであり、積層領域を高精度に
制御し、又、非常に薄い膜厚で、且つ均一に発熱組成物
を基材に積層できる結果、高速で超薄形の本発明発熱体
を製造できる効果が得られる。
【0291】また、本発明第1方法においては、本発明
物の水分の配合率を高くしてインク状ないしクリーム状
に粘液化させて基材に積層させ、この後、基材及び/又
は被覆材或いは吸水層に水分を吸収させるので、製造時
に本発明物の発熱反応が殆ど無く、製造時の発熱反応に
よるロス、発熱組成物の品質低下や凝固が防止できる
上、使用時までに本発明物中の水分の一部を基材及び/
又は被覆材或いは吸水層に吸収させることによって水分
の配合率が発熱反応に適した状態になり、信頼性の高い
本発明発熱体が得られる効果を有する。
【0292】又、本発明第1方法においては、用いられ
る本発明物がインキ状ないしクリーム状に形成され、基
材上における所定の範囲に無駄なく正確に積層できるか
ら、加温が必要な任意の部位を効果的に加温する本発明
発熱体が得られるのであり、その結果、優れた採暖効果
や血行促進が効果的に得られる上、従来のように周囲へ
の発熱組成物の粉塵の放散がなく、将来の医療用具や医
薬品製造におけるGNP基準を完全に満たす工場管理が
できる、という格別顕著な効果が得られる。
【0293】又、本発明第1方法においては、基材上に
インキ状ないしクリーム状の発熱組成物を印刷やコーテ
ィングによって積層し、その上から被覆材を被せて本発
明発熱体を形成し、更に、この発熱体を包装するまでの
工程を一貫して極短時間内に行うことができるので、製
造工程において発熱組成物が発熱可能な条件になること
がなく、製造工程中に本発明物が発熱することが防止さ
れる。
【0294】この結果、発熱体の製造中に本発明物の品
質低下や凝固などを完全に防止できる結果、歩留りの低
下、取り扱いの困難性、製造装置のメンテナンスの煩雑
性、製造装置の稼働時間ないし作業者の就業時間に対す
る制約、凝固物処理の困難性などの種々の弊害を無くす
ることができ、高品質で信頼性の高い本発明発熱体を一
層安価に得られる、という効果が得られる。
【0295】本発明第2方法においては、本発明物、つ
まり水分の配合率を高くしてインク状ないしクリーム状
に粘液化させた発熱組成物を形成し、この本発明物を、
フィルム状又はシート状の基材上面における少なくとも
1箇所の所定領域に積層させた後、この本発明物上面に
鉄粉、炭素成分又は吸水剤から選ばれた少なくとも1種
を積層或いは散布し、次いで、これらを覆うように、フ
ィルム状又はシート状の被覆材を被せた後、基材と被覆
材とを本発明物で接着し、しかも前記本発明物の水分の
一部を基材や被覆材又は吸水剤等に吸収させるようにし
たものであり、積層領域を高精度に制御し、又、非常に
薄い膜厚で、且つ均一に本発明物を基材に積層したり、
高速で超薄形の本発明発熱体を製造できる上、鉄粉等の
積層或いは散布によって、使用初期の立ち上がりを良好
にしたり、温度特性を良好にするなどの効果が得られ
る。
【0296】また、本発明第2方法においては、本発明
物中の発熱物質が余剰水分或いは遊離水ないし含水ゲル
によって被覆され、空気中の酸素との接触が過剰水分な
どによって抑制されている結果、発熱組成物の発熱反応
が防止され、製造時の発熱反応によるロス、本発明物の
品質低下及び凝固が防止される一方、発熱体を製造した
後は、本発明物中の前記水分が積層或いは散布された吸
水剤や基材更に被覆材に吸収されるのであり、従って、
発熱体の製造後、使用時までの間に発熱組成物中の水分
の配合率が発熱反応に適した状態の発熱体を製造できる
効果を有する。
【0297】又、本発明第2方法においては、基材上に
インキ状ないしクリーム状の発熱組成物を印刷やコーテ
ィングによって積層し、その上から被覆材を被せて発熱
体を形成し、更に、この発熱体を包装するまでの工程を
一貫して極短時間内に行うことができるので、製造工程
において発熱組成物が発熱可能な条件になることがな
く、製造工程中に本発明物が発熱することが防止され
る。
【0298】この結果、発熱体の製造中に本発明物の品
質低下や凝固などを完全に防止できる結果、歩留りの低
下、取り扱いの困難性、製造装置のメンテナンスの煩雑
性、製造装置の稼働時間ないし作業者の就業時間に対す
る制約、凝固物処理の困難性などの種々の弊害を無くす
ことができ、高品質で信頼性の高い本発明発熱体を一層
安価に得られる、という効果が得られる。
【0299】また、本発明第3方法においては、フィル
ム状又はシート状の基材上に、本発明物、つまりインキ
状ないしクリーム状の発熱組成物を積層し、次いで、そ
の上からフィルム状又はシート状の被覆材を被せて、前
記本発明物の粘性により、前記の基材と被覆材とを張り
合わせ、次いで、得られた積層体を任意の形状に打ち抜
き、しかも前記の基材又は被覆材のうち少なくとも一方
又は一部が通気性を有するものである。
【0300】従って、超薄形の発熱体を製造できるので
あり、しかも本発明物、つまりインキ状ないしクリーム
状の発熱組成物を用いているので、余剰水分などによる
バリヤー層の形成により、発熱反応を抑制して、製造時
の発熱ロス、本発明物の品質低下及び本発明物の凝固に
伴う種々の弊害を防止し得る上、本発明物を袋体内に均
等に分布、固定させることによって当該発熱組成物の移
動、片寄りを防止し、この結果、発熱組成物の過剰な発
熱反応を極力避けて低温火傷を防止し、安全に使用し得
る本発明発熱体を製造できる効果を奏でるのである。
【0301】本発明第1〜3方法において、本発明物の
片面又は両面にフィルム状ないしシート状の吸水材特に
吸水性の高い紙類を当てがうと、本発明物の水分の一部
を吸収すると共に本発明物をこの紙類に一層強固に固定
できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1実施例に係る発熱体の断
面模式図である。
【図2】図2は、本発明の第2実施例に係る発熱体の断
面模式図である。
【図3】図3は、本発明の第3実施例に係る発熱体の断
面模式図である。
【図4】図4は、本発明の第4実施例に係る発熱体の斜
視図である。
【図5】図5は、本発明の第4実施例に係る発熱体の要
部断面図である。
【図6】図6は、発熱組成物の安定性を調査する試験方
法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 袋材 2 本発明物(インキ状ないしクリーム状の発熱組成
物) 3 基材 3a PET製湿式不織布 3b ポリエチレンラミネートフィルム 3c PET製湿式不織布 4 被覆材 4a ポリエチレン製多孔質フィルム 4b ナイロン製不織布 5 粘着剤層 10 ビーカー 11 温度センサー L シール幅

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発熱物質と、吸水性ポリマー及び/又は
    増粘剤と、炭素成分及び/又は金属の塩化物と水を必須
    成分とし、全体としてインキ状ないしクリーム状に形成
    されていることを特徴とするインキ状ないしクリーム状
    の発熱組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の発熱組成物には、無機
    系或いは有機系の保水剤、pH調整剤、界面活性剤及び
    消泡剤から選ばれた少なくとも1種が配合されて、全体
    としてインキ状ないしクリーム状に形成されているイン
    キ状ないしクリーム状の発熱組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のインキ状ないし
    クリーム状の発熱組成物はその粘度(温度20℃)が1,
    000〜7,500,000cpsであるインキ状ない
    しクリーム状の発熱組成物。
  4. 【請求項4】 インキ状ないしクリーム状の発熱組成物
    がシート状包材内に積層、封入されてなり、この包材の
    少なくとも一部が通気性を有するものであり、しかも前
    記インキ状ないしクリーム状の発熱組成物の水分の一部
    を前記シート状包材に吸収させてなることを特徴とする
    発熱体。
  5. 【請求項5】 シート状包材が、フィルム状ないしシー
    ト状の基材とフィルム状ないしシート状の被覆材とから
    なり、この基材と被覆材のうち少なくとも一方或いは一
    部が、通気性を有すると共に、吸水性を有する請求項4
    に記載の発熱体。
  6. 【請求項6】 インキ状ないしクリーム状の発熱組成物
    上面に鉄粉、炭素成分又は吸水剤から選ばれた少なくと
    も1種が積層或いは散布されている請求項4又は5に記
    載の発熱体。
  7. 【請求項7】 インキ状ないしクリーム状の発熱組成物
    上面に炭素成分でコーティングした鉄粉、或いは鉄粉
    (A)と炭素成分(B)とこの(A)と(B)の合計量に対し5
    重量%以下の水を加えた混合物が積層されている請求項
    4又は5に記載の発熱体。
  8. 【請求項8】 インキ状ないしクリーム状の発熱組成物
    の周囲部において、基材と被覆材とが全周或いは部分的
    に粘着又は熱接着若しくは熱融着によって封着されてい
    る請求項4ないし7のいずれか1項に記載の発熱体。
  9. 【請求項9】 基材及び/又は被覆材が吸水性を有する
    フィルム状ないしシート状の吸水材で形成されている請
    求項4ないし8のいずれか1項に記載の発熱体。
  10. 【請求項10】 基材及び/又は被覆材における少なく
    ともインキ状ないしクリーム状の発熱組成物との接触箇
    所には吸水層が積層されている請求項4ないし9のいず
    れか1項に記載の発熱体。
  11. 【請求項11】 吸水層がフィルム状ないしシート状の
    吸水材で形成されている請求項10に記載の発熱体。
  12. 【請求項12】 基材及び/又は被覆材が、非通気性或
    いは通気性のフィルム又はシートの内面或いは両面に、
    フィルム状ないしシート状の吸水材を積層している請求
    項4ないし11のいずれか1項に記載の発熱体。
  13. 【請求項13】 吸水材が、吸水性を有する発泡フィル
    ム・シート、紙類、不織布、織布又は多孔質フィルム・
    シートである請求項9、11又は12に記載の発熱体。
  14. 【請求項14】 吸水材が、発泡フィルム・シート、紙
    類、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートに、吸水
    剤を含有、含浸、練り込み、積層、転写又は担持させて
    吸水性が付与或いは増大されたものである請求項13に
    記載の発熱体。
  15. 【請求項15】 基材及び被覆材が伸長性の素材で形成
    されている請求項4ないし14のいずれか1項に記載の
    発熱体。
  16. 【請求項16】 包材において、その側方、或いは基材
    と被覆材のうち少なくとも一方又は一部が通気性を有す
    るものである請求項4ないし15のいずれか1項に記載
    の発熱体。
  17. 【請求項17】 基材又は被覆材において、そのいずれ
    か一方の露出面の少なくとも一部に粘着剤層が積層され
    ている請求項4ないし16のいずれか1項に記載の発熱
    体。
  18. 【請求項18】 粘着剤層が、湿布剤を含有する湿布
    層、或いは経皮吸収性薬物を含有又は担持している薬物
    含有層である請求項17に記載の発熱体。
  19. 【請求項19】 インキ状ないしクリーム状に粘稠化さ
    せた発熱組成物を形成し、このインキ状ないしクリーム
    状の発熱組成物を、フィルム状ないしシート状の基材上
    面における少なくとも一箇所の所定領域に積層した後、
    このインキ状ないしクリーム状の発熱組成物を覆うよう
    にフィルム状ないしシート状の被覆材を被せ、しかも前
    記の基材と被覆材のうち少なくとも一方或いは一部が通
    気性を有するものであることを特徴とする発熱体の製造
    方法。
  20. 【請求項20】 インキ状ないしクリーム状に粘稠化さ
    せた発熱組成物を形成し、このインキ状ないしクリーム
    状の発熱組成物を、フィルム状ないしシート状の基材上
    面における少なくとも1箇所の所定領域に積層した後、
    このインキ状ないしクリーム状の発熱組成物上面に鉄
    粉、炭素成分又は吸水剤から選ばれた少なくとも1種を
    積層或いは散布し、次いで、この発熱組成物、及び鉄
    粉、炭素成分又は吸水剤から選ばれた少なくとも1種を
    覆うようにフィルム状ないしシート状の被覆材を被せ、
    しかも前記の基材と被覆材のうち少なくとも一方或いは
    一部が通気性を有するものであることを特徴とする発熱
    体の製造方法。
  21. 【請求項21】 フィルム状ないしシート状の基材上に
    インキ状ないしクリーム状の発熱組成物を積層し、次い
    で、その上からフィルム状ないしシート状の被覆材を被
    せて、前記インキ状ないしクリーム状の発熱組成物の粘
    性により、前記の基材と被覆材とを貼り合わせ、次い
    で、得られた積層体を任意の形状に打ち抜き、しかも前
    記の基材又は被覆材のうち少なくとも一方或いは一部が
    通気性を有するものであることを特徴とする発熱体の製
    造方法。
  22. 【請求項22】 請求項21で得られた発熱体を2枚の
    フィルム又はシートの間に介在させ、この介在と同時
    に、又は、この介在後に、2枚のフィルム又はシートを
    発熱体以上の大形に打ち抜き、こと打ち抜きと同時に、
    若しくは打ち抜き後に、前記発熱体の周縁部において、
    前記2枚のフィルム又はシートを封着する発熱体の製造
    方法。
  23. 【請求項23】 インキ状ないしクリーム状の発熱組成
    物の片面或いは両面にはフィルム状ないしシート状の吸
    水材が当てがわれている請求項19ないし22のいずれ
    か1項に記載の発熱体の製造方法。
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