JPH0971835A - 高耐摩耗性および耐食性超硬合金 - Google Patents
高耐摩耗性および耐食性超硬合金Info
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- JPH0971835A JPH0971835A JP24857595A JP24857595A JPH0971835A JP H0971835 A JPH0971835 A JP H0971835A JP 24857595 A JP24857595 A JP 24857595A JP 24857595 A JP24857595 A JP 24857595A JP H0971835 A JPH0971835 A JP H0971835A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 板状晶WC含有した従来の超硬合金およびC
o主成分−(Ni−Cr/Cr3C2)系結合相でなる従
来の超硬合金は、腐食性の強いソリ−ブルタイプの加工
液中で使用すれば、結合相、特にCoを主成分とする結
合相の優先腐食に伴うWC粒子の脱落による耐摩耗性の
低下、または硬さの低下による耐アブレ−ジョン摩耗性
の低下という課題の解決。 【解決手段】 Niを主成分とする結合相を3〜30重
量%と、残りが炭化タングステンの硬質相と不可避不純
物からなる組成を有する超硬合金において、該結合相
は、該結合相に対してCrおよび/または炭化クロムを
5〜15重量%、またはCrおよび/または炭化クロム
を5〜15重量%とNiに固溶し得るその他の金属を1
0重量%以下とを含有するNi合金でなり、該炭化タン
グステンは、該炭化タングステンの全体量に対して、ア
スペクト比が3〜20の板状晶炭化タングステンを30
体積%以上含有していることを特徴とする高耐摩耗性お
よび耐食性超硬合金。
o主成分−(Ni−Cr/Cr3C2)系結合相でなる従
来の超硬合金は、腐食性の強いソリ−ブルタイプの加工
液中で使用すれば、結合相、特にCoを主成分とする結
合相の優先腐食に伴うWC粒子の脱落による耐摩耗性の
低下、または硬さの低下による耐アブレ−ジョン摩耗性
の低下という課題の解決。 【解決手段】 Niを主成分とする結合相を3〜30重
量%と、残りが炭化タングステンの硬質相と不可避不純
物からなる組成を有する超硬合金において、該結合相
は、該結合相に対してCrおよび/または炭化クロムを
5〜15重量%、またはCrおよび/または炭化クロム
を5〜15重量%とNiに固溶し得るその他の金属を1
0重量%以下とを含有するNi合金でなり、該炭化タン
グステンは、該炭化タングステンの全体量に対して、ア
スペクト比が3〜20の板状晶炭化タングステンを30
体積%以上含有していることを特徴とする高耐摩耗性お
よび耐食性超硬合金。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、板状晶炭化タング
ステン(以下、板状晶WCと記す)を多量に含有させ
た、高硬度で耐摩耗性に優れた耐食性超硬合金に関し、
特に湿式粉体処理装置の部品(ロ−ラ−、インペラ−、
スラリ−ポンプ)、水溶性加工液を使用した塑性加工工
具(アルミ缶成形型、ステンレス絞り型)に代表される
ような耐摩耗性および耐食性を要求される機械部品また
は塑性加工工具に最適な高耐摩耗性および耐食性超硬合
金に関するものである。
ステン(以下、板状晶WCと記す)を多量に含有させ
た、高硬度で耐摩耗性に優れた耐食性超硬合金に関し、
特に湿式粉体処理装置の部品(ロ−ラ−、インペラ−、
スラリ−ポンプ)、水溶性加工液を使用した塑性加工工
具(アルミ缶成形型、ステンレス絞り型)に代表される
ような耐摩耗性および耐食性を要求される機械部品また
は塑性加工工具に最適な高耐摩耗性および耐食性超硬合
金に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、WC−(Ni−Cr/Cr
3C2)系に代表される超硬合金は、WC−Co系に代表
される超硬合金に比べて、耐食性に優れることにより、
腐食環境下での耐摩耗性に優れる。しかし、両者の合金
特性を比較すると、前者は、後者よりも硬さ、強度、靱
性とも低いため、アブレ−ジョン摩耗やチッピング摩耗
を起こし易く、その改善が求められている。従来、超硬
合金の硬さと耐アブレ−ジョン摩耗性を向上させるに
は、硬質相WC粒子を微細にする方法、または結合相量
を減少させる方法が取られている。これらの両方法で
は、超硬合金の強度と靱性が低下し、破損やチッピング
による異常摩耗を引き起こすという問題がある。
3C2)系に代表される超硬合金は、WC−Co系に代表
される超硬合金に比べて、耐食性に優れることにより、
腐食環境下での耐摩耗性に優れる。しかし、両者の合金
特性を比較すると、前者は、後者よりも硬さ、強度、靱
性とも低いため、アブレ−ジョン摩耗やチッピング摩耗
を起こし易く、その改善が求められている。従来、超硬
合金の硬さと耐アブレ−ジョン摩耗性を向上させるに
は、硬質相WC粒子を微細にする方法、または結合相量
を減少させる方法が取られている。これらの両方法で
は、超硬合金の強度と靱性が低下し、破損やチッピング
による異常摩耗を引き起こすという問題がある。
【0003】この問題を改善しようとして提案されてい
る代表的なもののうち、塑性加工工具用超硬合金または
耐食性工具用超硬合金として開示されているものに、特
公昭45−13212号公報,特開平1−8245号公
報,特開平1−247552号公報,特開平2−976
40号公報およびMetal Powder Repo
rt(1987年)第512頁がある。一方、板状晶W
Cに関連するものとしては、特公昭47−23049号
公報,特公昭47−23050号公報,特開昭57−3
4008号公報,特開平2−47239号公報,特開平
2−51408号公報,特開平2−138434号公
報,特開平2−274827号公報および特開平5−3
39659号公報がある。
る代表的なもののうち、塑性加工工具用超硬合金または
耐食性工具用超硬合金として開示されているものに、特
公昭45−13212号公報,特開平1−8245号公
報,特開平1−247552号公報,特開平2−976
40号公報およびMetal Powder Repo
rt(1987年)第512頁がある。一方、板状晶W
Cに関連するものとしては、特公昭47−23049号
公報,特公昭47−23050号公報,特開昭57−3
4008号公報,特開平2−47239号公報,特開平
2−51408号公報,特開平2−138434号公
報,特開平2−274827号公報および特開平5−3
39659号公報がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】塑性加工工具用超硬合
金または耐食性工具用超硬合金として開示されている先
行技術のうち、特公昭45−13212号公報,特開平
1−8245号公報および特開平1−247552号公
報には、サブミクロンの微粒炭化タングステンでなる硬
質相とNiの結合相にCrが添加されてなる超硬合金に
ついて記載されており、これらの超硬合金が耐食性を有
し、フエライト用金型として適することが記載されてい
る。また、特開平2−97640号公報には、サブミク
ロンの微粒炭化タングステンでなる硬質相とNiの結合
相に炭化クロムの含有した精密金型用超硬合金について
記載されており、この超硬合金がガラスやプラスチック
を成形するための金型として適することが記載されてい
る。さらに、Metal Powder Report
(1987年)第512頁の表1には、サブミクロンの
微粒炭化タングステンでなる硬質相に、CoとNiとの
結合相、炭化クロムの添加物とを含有した超硬合金につ
いて記載されている。
金または耐食性工具用超硬合金として開示されている先
行技術のうち、特公昭45−13212号公報,特開平
1−8245号公報および特開平1−247552号公
報には、サブミクロンの微粒炭化タングステンでなる硬
質相とNiの結合相にCrが添加されてなる超硬合金に
ついて記載されており、これらの超硬合金が耐食性を有
し、フエライト用金型として適することが記載されてい
る。また、特開平2−97640号公報には、サブミク
ロンの微粒炭化タングステンでなる硬質相とNiの結合
相に炭化クロムの含有した精密金型用超硬合金について
記載されており、この超硬合金がガラスやプラスチック
を成形するための金型として適することが記載されてい
る。さらに、Metal Powder Report
(1987年)第512頁の表1には、サブミクロンの
微粒炭化タングステンでなる硬質相に、CoとNiとの
結合相、炭化クロムの添加物とを含有した超硬合金につ
いて記載されている。
【0005】以上に明示した各先行技術として記載され
ている塑性加工工具用超硬合金または耐食性工具用超硬
合金は、エマルジョンタイプの加工液中で使用すれば、
優れた耐摩耗性を発揮するものの、腐食性の強いソリ−
ブルタイプの加工液中で使用すれば、結合相、特にCo
を主成分とする結合相の優先腐食に伴うWC粒子の脱落
による耐摩耗性の低下、または硬さの低下による耐アブ
レ−ジョン摩耗性の低下という問題がある。
ている塑性加工工具用超硬合金または耐食性工具用超硬
合金は、エマルジョンタイプの加工液中で使用すれば、
優れた耐摩耗性を発揮するものの、腐食性の強いソリ−
ブルタイプの加工液中で使用すれば、結合相、特にCo
を主成分とする結合相の優先腐食に伴うWC粒子の脱落
による耐摩耗性の低下、または硬さの低下による耐アブ
レ−ジョン摩耗性の低下という問題がある。
【0006】一方、板状晶WCに関する先行技術として
の、特公昭47−23049号公報,特公昭47−23
050号公報,特開昭57−34008号公報,特開平
2−47239号公報,特開平2−51408号公報,
特開平2−138434号公報,特開平2−27482
7号公報および特開平5−339659号公報には、板
状晶WCの製造方法、板状晶WCを含有した超硬合金お
よびその製造方法が開示されている。これらの公報に記
載の方法では、板状晶WCの生成割合が少なく、かつ板
状晶WCのみを抽出することも困難であること、また、
このらの公報に記載の板状晶WCを含有した超硬合金
は、硬さと耐摩耗性の改善が非常に少ないこと、特にW
C−(Ni−Cr/Cr3C2)系超硬合金の製造が困難
であるという問題がある。
の、特公昭47−23049号公報,特公昭47−23
050号公報,特開昭57−34008号公報,特開平
2−47239号公報,特開平2−51408号公報,
特開平2−138434号公報,特開平2−27482
7号公報および特開平5−339659号公報には、板
状晶WCの製造方法、板状晶WCを含有した超硬合金お
よびその製造方法が開示されている。これらの公報に記
載の方法では、板状晶WCの生成割合が少なく、かつ板
状晶WCのみを抽出することも困難であること、また、
このらの公報に記載の板状晶WCを含有した超硬合金
は、硬さと耐摩耗性の改善が非常に少ないこと、特にW
C−(Ni−Cr/Cr3C2)系超硬合金の製造が困難
であるという問題がある。
【0007】本発明は、上記のような問題点を解決した
もので、具体的には、板状晶WCを多量に含有させて、
かつ結合相を調整することにより、WC−(Ni−Cr
/Cr3C2)系超硬合金の硬さを大幅に向上させると共
に、靱性も改善させ、結果として腐食環境下での耐アブ
レージョン摩耗性に優れた耐食性超硬合金の提供を目的
とするものである。
もので、具体的には、板状晶WCを多量に含有させて、
かつ結合相を調整することにより、WC−(Ni−Cr
/Cr3C2)系超硬合金の硬さを大幅に向上させると共
に、靱性も改善させ、結果として腐食環境下での耐アブ
レージョン摩耗性に優れた耐食性超硬合金の提供を目的
とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】最近、エコロジ−に関連
する問題からフロンが廃止され、その影響として加工液
が油性から水溶性に変更されてきたことにより、工具と
しての超硬合金が短寿命となる傾向にある。そこで、長
年に亘り超硬合金の改良に携わってきた本発明者らは、
加工液に影響されないような工具寿命の延長を検討して
いた所、板状晶WCを多量に含有させて、かつNiを主
成分とする結合相の組成成分およびその含有量を調整す
るとその目的が達成されるという知見を得て、本発明を
完成するに至ったものである。
する問題からフロンが廃止され、その影響として加工液
が油性から水溶性に変更されてきたことにより、工具と
しての超硬合金が短寿命となる傾向にある。そこで、長
年に亘り超硬合金の改良に携わってきた本発明者らは、
加工液に影響されないような工具寿命の延長を検討して
いた所、板状晶WCを多量に含有させて、かつNiを主
成分とする結合相の組成成分およびその含有量を調整す
るとその目的が達成されるという知見を得て、本発明を
完成するに至ったものである。
【0009】本発明の高耐摩耗性および耐食性超硬合金
は、Niを主成分とする結合相を3〜30重量%と、残
りが炭化タングステンの硬質相と不可避不純物からなる
組成を有する超硬合金において、該結合相が該結合相に
対してCrおよび/または炭化クロムを5〜15重量
%、またはCrおよび/または炭化クロムを5〜15重
量%とNiに固溶し得るその他の金属を10重量%以下
とを含有するNi合金でなり、該炭化タングステンが該
炭化タングステンの全体量に対して、アスペクト比が3
〜20の板状晶WCを30体積%以上含有していること
を特徴とするものである。
は、Niを主成分とする結合相を3〜30重量%と、残
りが炭化タングステンの硬質相と不可避不純物からなる
組成を有する超硬合金において、該結合相が該結合相に
対してCrおよび/または炭化クロムを5〜15重量
%、またはCrおよび/または炭化クロムを5〜15重
量%とNiに固溶し得るその他の金属を10重量%以下
とを含有するNi合金でなり、該炭化タングステンが該
炭化タングステンの全体量に対して、アスペクト比が3
〜20の板状晶WCを30体積%以上含有していること
を特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の超硬合金における結合相
は、結合相に対してCrおよび/または炭化クロムが5
〜15重量%固溶したNi合金でなる場合、具体的に
は、例えばNi−Cr,Ni−Cr3C2,Ni−Cr−
Cr3C2を挙げることができる。また、この結合相は、
結合相に対してCrおよび/または炭化クロムを5〜1
5重量%とNiに固溶し得るその他の金属を10重量%
以下とを含有するNi合金からなる場合、具体的には、
例えばNi−Cr−Mo,Ni−Cr−W,Ni−Cr
3C2−Mo,Ni−Cr3C2−W,Ni−Cr−V,N
i−Cr3C2−V,Ni−Cr−Co,Ni−Cr3C2
−Coを挙げることができる。
は、結合相に対してCrおよび/または炭化クロムが5
〜15重量%固溶したNi合金でなる場合、具体的に
は、例えばNi−Cr,Ni−Cr3C2,Ni−Cr−
Cr3C2を挙げることができる。また、この結合相は、
結合相に対してCrおよび/または炭化クロムを5〜1
5重量%とNiに固溶し得るその他の金属を10重量%
以下とを含有するNi合金からなる場合、具体的には、
例えばNi−Cr−Mo,Ni−Cr−W,Ni−Cr
3C2−Mo,Ni−Cr3C2−W,Ni−Cr−V,N
i−Cr3C2−V,Ni−Cr−Co,Ni−Cr3C2
−Coを挙げることができる。
【0011】この結合相中のCrおよび/または炭化ク
ロムが5重量%未満では結合相の優先腐食による異常摩
耗が発生し、逆に15重量%を超えると合金組織中にC
r炭化物粒子が析出して硬さと強度が低下するために、
5〜15重量%と定めたものである。特に、Crおよび
/または炭化クロムの他にW,Moを固溶したNi合金
でなる結合相の場合には、耐食性や耐摩耗性を向上させ
るので、用途によっては好ましい場合がある。このよう
な結合相の含有量は、超硬合金全体に対して3重量%未
満になると靱性が低下し、また焼結困難となって巣孔が
発生するために硬さ,強度が低下してチッピング摩耗や
破損を引起こし、逆に30重量%を超えて多くなると硬
さが低下して耐摩耗性が劣化するために、3〜30重量
%と定めたものである。
ロムが5重量%未満では結合相の優先腐食による異常摩
耗が発生し、逆に15重量%を超えると合金組織中にC
r炭化物粒子が析出して硬さと強度が低下するために、
5〜15重量%と定めたものである。特に、Crおよび
/または炭化クロムの他にW,Moを固溶したNi合金
でなる結合相の場合には、耐食性や耐摩耗性を向上させ
るので、用途によっては好ましい場合がある。このよう
な結合相の含有量は、超硬合金全体に対して3重量%未
満になると靱性が低下し、また焼結困難となって巣孔が
発生するために硬さ,強度が低下してチッピング摩耗や
破損を引起こし、逆に30重量%を超えて多くなると硬
さが低下して耐摩耗性が劣化するために、3〜30重量
%と定めたものである。
【0012】本発明の超硬合金における硬質相は、炭化
タングステンのみでなる硬質相の場合、または超硬合金
に対して、W元素と周期律表の4a,5a属元素の中の
少なくとも1種との炭化物,炭窒化物の中の1種以上で
なる立方晶系化合物を30重量%以下と炭化タングステ
ンとからなる硬質相の場合がある。このうち立方晶系化
合物の硬質相は、具体的には、例えば(WTa)C,
(WNb)C,(WV)C,(WTi)C,(WTiT
a)C,(WTi)(CN)(WTiTaV)(CN)
などを挙げることができる。この立方晶系化合物は、硬
さや耐溶着性を向上させる効果を有するため、用途によ
つては摩耗を低減させるが、30重量%を超えて多くな
ると靱性が低下してチッピング摩耗が増大するため、3
0重量%以下と定めたものである。
タングステンのみでなる硬質相の場合、または超硬合金
に対して、W元素と周期律表の4a,5a属元素の中の
少なくとも1種との炭化物,炭窒化物の中の1種以上で
なる立方晶系化合物を30重量%以下と炭化タングステ
ンとからなる硬質相の場合がある。このうち立方晶系化
合物の硬質相は、具体的には、例えば(WTa)C,
(WNb)C,(WV)C,(WTi)C,(WTiT
a)C,(WTi)(CN)(WTiTaV)(CN)
などを挙げることができる。この立方晶系化合物は、硬
さや耐溶着性を向上させる効果を有するため、用途によ
つては摩耗を低減させるが、30重量%を超えて多くな
ると靱性が低下してチッピング摩耗が増大するため、3
0重量%以下と定めたものである。
【0013】これらの硬質相のうち、硬質相または超硬
合金の主成分として存在する炭化タングステンは、その
ほとんどが板状晶結晶を呈するもので、具体的には、断
面組織における炭化タングステンのアスペクト比(1つ
の結晶の最大長さ/最小長さ)が3〜20でなる板状晶
WC結晶を含有し、板状晶WC結晶が炭化タングステン
全体の30体積%以上である。このアスペクト比が3未
満または20を超えると靱性向上効果が低く、一方、板
状晶WC結晶の割合が30体積%未満では、硬さおよび
靱性の改善効果が少ない。好ましくは、アスペクト比が
4〜8、板状晶WC結晶の割合が50体積%以上であ
る。
合金の主成分として存在する炭化タングステンは、その
ほとんどが板状晶結晶を呈するもので、具体的には、断
面組織における炭化タングステンのアスペクト比(1つ
の結晶の最大長さ/最小長さ)が3〜20でなる板状晶
WC結晶を含有し、板状晶WC結晶が炭化タングステン
全体の30体積%以上である。このアスペクト比が3未
満または20を超えると靱性向上効果が低く、一方、板
状晶WC結晶の割合が30体積%未満では、硬さおよび
靱性の改善効果が少ない。好ましくは、アスペクト比が
4〜8、板状晶WC結晶の割合が50体積%以上であ
る。
【0014】本発明の超硬合金における上記炭化タング
ステンは、Cu−Kα線によるX線回折における(10
1)結晶面のピークをh(101)と表わし、(00
1)結晶面のピークをh(001)と表わしたとき、h
(001)/h(101)≧0.5である。h(00
1)/h(101)が0.5未満では、(001)面の
成長が不十分であるため、得られる超硬合金の硬さおよ
び靱性の向上が少ない。この結晶面の比は、0.6以上
であることが好ましい。
ステンは、Cu−Kα線によるX線回折における(10
1)結晶面のピークをh(101)と表わし、(00
1)結晶面のピークをh(001)と表わしたとき、h
(001)/h(101)≧0.5である。h(00
1)/h(101)が0.5未満では、(001)面の
成長が不十分であるため、得られる超硬合金の硬さおよ
び靱性の向上が少ない。この結晶面の比は、0.6以上
であることが好ましい。
【0015】本発明の超硬合金は、以下の製造方法によ
り超硬合金中に板状晶WCを多量晶出し、かつ一定方向
に配向させるようにする以外は従来から行われている超
硬合金の製法である粉末冶金法により作製することがで
きる。本発明の超硬合金の製造方法を具体的詳述する
と、例えば、まずW,Ni,W−Ni合金,WとNiを
含む合金,W−Ni−Cの複合固溶体炭化物,WとNi
とCとを含む複合固溶体炭化物の中から選ばれた少なく
とも1種の出発物質とカ−ボン,黒鉛,加熱により炭素
に変換する物質の中の少なくとも1種の炭素源物質とか
らなる混合物質を粉末成形体工程,加熱によるWとNi
とCとを含む複合固溶体炭化物の生成工程(これらの中
でWは、Wの一部を周期律表の4a,5a,6a族元素
の中の1種以上と置換すること、Niは,Niの一部を
Co,V,Cr,Feの中の1種以上と置換することも
好ましい)焼結工程を経て作製することである。このと
き、混合物質には、周期律表の4a,5a,6a族元素
の炭化物,窒化物,酸化物およびこれらの相互固溶体の
中の少なくとも1種の粉末を所定量添加すること、およ
び/またはNi,Cr,V,W,Moなどの少なくとも
1種の粉末を所定量添加し、目的の超硬合金の組成成分
を得るための成分調整とすることも好ましいことであ
る。すなわち、本発明の超硬合金を作製するための最大
の特徴は、出発物質中または焼結までの加熱工程中にお
いて、WとNiとCとでなる複合固溶体炭化物を存在さ
せるようにすることである。
り超硬合金中に板状晶WCを多量晶出し、かつ一定方向
に配向させるようにする以外は従来から行われている超
硬合金の製法である粉末冶金法により作製することがで
きる。本発明の超硬合金の製造方法を具体的詳述する
と、例えば、まずW,Ni,W−Ni合金,WとNiを
含む合金,W−Ni−Cの複合固溶体炭化物,WとNi
とCとを含む複合固溶体炭化物の中から選ばれた少なく
とも1種の出発物質とカ−ボン,黒鉛,加熱により炭素
に変換する物質の中の少なくとも1種の炭素源物質とか
らなる混合物質を粉末成形体工程,加熱によるWとNi
とCとを含む複合固溶体炭化物の生成工程(これらの中
でWは、Wの一部を周期律表の4a,5a,6a族元素
の中の1種以上と置換すること、Niは,Niの一部を
Co,V,Cr,Feの中の1種以上と置換することも
好ましい)焼結工程を経て作製することである。このと
き、混合物質には、周期律表の4a,5a,6a族元素
の炭化物,窒化物,酸化物およびこれらの相互固溶体の
中の少なくとも1種の粉末を所定量添加すること、およ
び/またはNi,Cr,V,W,Moなどの少なくとも
1種の粉末を所定量添加し、目的の超硬合金の組成成分
を得るための成分調整とすることも好ましいことであ
る。すなわち、本発明の超硬合金を作製するための最大
の特徴は、出発物質中または焼結までの加熱工程中にお
いて、WとNiとCとでなる複合固溶体炭化物を存在さ
せるようにすることである。
【0016】
【作用】本発明の高耐摩耗性および耐食性超硬合金は、
多量に含有されている板状晶WCが硬さ,靱性,強度を
高める作用をし、特に硬さを大幅に向上させて耐アブレ
−ジョン摩耗性を顕著に改善する作用をし、この配向さ
れた板状晶WCと選定された結合相とのシナジ−効果で
もって耐食性を高める作用をしているものである。
多量に含有されている板状晶WCが硬さ,靱性,強度を
高める作用をし、特に硬さを大幅に向上させて耐アブレ
−ジョン摩耗性を顕著に改善する作用をし、この配向さ
れた板状晶WCと選定された結合相とのシナジ−効果で
もって耐食性を高める作用をしているものである。
【0017】
【実施例1】まず、市販されている平均粒子径が2.0
μmのW,1.5μmのNi,0.02μmのカ−ボン
(表中、「C」と略す),1.7μmのCr3C2,の各
粉末を用い、表1に示す配合組成に秤量し、ステンレス
製ポットにアセトン溶媒と超硬合金製ボールと共に挿入
して24時間混合粉砕後、乾燥して得た混合粉末を黒鉛
製ルツボに挿入し、真空中で1200℃×1時間保持に
て加熱処理を施して、複合炭化物粉末A〜Cを得た。得
られた粉末をX線回折により求めたところ、複合炭化物
粉末Aの平均粒子径が1.8μm,複合炭化物粉末Bの
平均粒子径が2.0μm,複合炭化物粉末Cの平均粒子
径が2.1μmであり、それぞれの複合炭化物粉末の組
成,含有炭素量を表1に併記した。
μmのW,1.5μmのNi,0.02μmのカ−ボン
(表中、「C」と略す),1.7μmのCr3C2,の各
粉末を用い、表1に示す配合組成に秤量し、ステンレス
製ポットにアセトン溶媒と超硬合金製ボールと共に挿入
して24時間混合粉砕後、乾燥して得た混合粉末を黒鉛
製ルツボに挿入し、真空中で1200℃×1時間保持に
て加熱処理を施して、複合炭化物粉末A〜Cを得た。得
られた粉末をX線回折により求めたところ、複合炭化物
粉末Aの平均粒子径が1.8μm,複合炭化物粉末Bの
平均粒子径が2.0μm,複合炭化物粉末Cの平均粒子
径が2.1μmであり、それぞれの複合炭化物粉末の組
成,含有炭素量を表1に併記した。
【0018】次に、上記W,Ni,C,Cr3C2,複合
炭化物A〜Cおよび市販されている平均粒子径が1.0
μmのWC(表中、「WC/F」と記す),2.0μm
のWC(表中、「WC/M」と記す),4.5μmの黒
鉛(表中、「G」と記す),1.0μmの(WTi)C
の複合炭化物(重量比でWC/TiC=70/30),
1.0μmのTaC,1.2μmのMoの各粉末を用い
て、表2に示す配合組成に秤量し、ステンレス製ポット
にアセトン溶媒と超硬合金製ボ−ルと共に挿入し、表2
に併記した混合時間で粉砕後、乾燥して混合粉末を得
た。これらの混合粉末を金型に充填し、2ton/cm
2の圧力でもって約5.5×9.5×29mmの圧粉成
形体を作製し、アルミナとカ−ボン繊維からなるシ−ト
上に設置し、雰囲気圧力10Paの真空中で、本発明品
3,4,5および比較品4を1420℃,本発明品2お
よび比較品2を1440℃,本発明品1および比較品
1,3,5を1480℃の温度でもって1時間加熱保持
して、本発明品1〜5および比較品1〜5を得た。
炭化物A〜Cおよび市販されている平均粒子径が1.0
μmのWC(表中、「WC/F」と記す),2.0μm
のWC(表中、「WC/M」と記す),4.5μmの黒
鉛(表中、「G」と記す),1.0μmの(WTi)C
の複合炭化物(重量比でWC/TiC=70/30),
1.0μmのTaC,1.2μmのMoの各粉末を用い
て、表2に示す配合組成に秤量し、ステンレス製ポット
にアセトン溶媒と超硬合金製ボ−ルと共に挿入し、表2
に併記した混合時間で粉砕後、乾燥して混合粉末を得
た。これらの混合粉末を金型に充填し、2ton/cm
2の圧力でもって約5.5×9.5×29mmの圧粉成
形体を作製し、アルミナとカ−ボン繊維からなるシ−ト
上に設置し、雰囲気圧力10Paの真空中で、本発明品
3,4,5および比較品4を1420℃,本発明品2お
よび比較品2を1440℃,本発明品1および比較品
1,3,5を1480℃の温度でもって1時間加熱保持
して、本発明品1〜5および比較品1〜5を得た。
【0019】こうして得た本発明品1〜5および比較品
1〜5の超硬合金を#230のダイヤモンド砥石で湿式
研削加工し、3.0×8.0×25mmの形状に作製
し、JIS法による抗折力を測定して、その結果を表3
に示した。また、同試料の1面を1μmのダイヤモンド
ペ−ストでラップ加工した後、ビッカ−ス圧子を用いた
荷重:196Nでの硬さおよび破壊靱性値K1C(IM
法)を測定し、その結果を表3に併記した。次に、各試
料のラップ面について電子顕微鏡にて組織写真を撮り、
画像処理装置にて、結合相,立方晶系化合物,全WCの
重量割合を求め、その結果を表3に併記した。
1〜5の超硬合金を#230のダイヤモンド砥石で湿式
研削加工し、3.0×8.0×25mmの形状に作製
し、JIS法による抗折力を測定して、その結果を表3
に示した。また、同試料の1面を1μmのダイヤモンド
ペ−ストでラップ加工した後、ビッカ−ス圧子を用いた
荷重:196Nでの硬さおよび破壊靱性値K1C(IM
法)を測定し、その結果を表3に併記した。次に、各試
料のラップ面について電子顕微鏡にて組織写真を撮り、
画像処理装置にて、結合相,立方晶系化合物,全WCの
重量割合を求め、その結果を表3に併記した。
【0020】さらに、画像処理装置にてWCの平均粒
径,全WCに対する板状WC結晶(アスペクト比が3〜
20)の割合を測定し、その結果を表4に示す。また、
各試料について、Cuターゲット、Niフィルターを用
いたX線回折法により、WCの(001)結晶面と(1
01)結晶面のピーク強度を測定し、そのピーク強度比
h(001)/h(101)を計算し、その結果を表4
に併記した。
径,全WCに対する板状WC結晶(アスペクト比が3〜
20)の割合を測定し、その結果を表4に示す。また、
各試料について、Cuターゲット、Niフィルターを用
いたX線回折法により、WCの(001)結晶面と(1
01)結晶面のピーク強度を測定し、そのピーク強度比
h(001)/h(101)を計算し、その結果を表4
に併記した。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】
【実施例2】実施例1で得た本発明品2,5および比較
品2,5の混合粉末を用い、静水圧プレス装置にて2t
on/cm2の圧力でもって、外径:約80×内径:約
59×高さ:約242mmの圧粉成形体を作製し、実施
例1と同様の方法、条件で加熱焼結した。得られた円筒
状の超硬合金素材を、湿式研削加工と外周面のラツプ仕
上げにより、外径:63.0×内径:48.0×高さ:
190.0mmの製缶用パンチスリ−ブを製作した。
品2,5の混合粉末を用い、静水圧プレス装置にて2t
on/cm2の圧力でもって、外径:約80×内径:約
59×高さ:約242mmの圧粉成形体を作製し、実施
例1と同様の方法、条件で加熱焼結した。得られた円筒
状の超硬合金素材を、湿式研削加工と外周面のラツプ仕
上げにより、外径:63.0×内径:48.0×高さ:
190.0mmの製缶用パンチスリ−ブを製作した。
【0026】また、金型にて2ton/cm2の圧力で
もって、外径:約95×内径:約80×高さ:約25m
mの圧粉成形体を作製し、同様の方法、条件で加熱焼結
して得られたリング状の超硬合金素材を、外径:75.
0×内径:66.0×高さ:19.0mmに湿式研削加
工し、外径が150mmの鋼製台金に嵌合した後、内径
面のラツプ仕上げを行って、製缶用アイアニングダイを
製作した。
もって、外径:約95×内径:約80×高さ:約25m
mの圧粉成形体を作製し、同様の方法、条件で加熱焼結
して得られたリング状の超硬合金素材を、外径:75.
0×内径:66.0×高さ:19.0mmに湿式研削加
工し、外径が150mmの鋼製台金に嵌合した後、内径
面のラツプ仕上げを行って、製缶用アイアニングダイを
製作した。
【0027】こうして製作した本発明品2および比較品
2のパンチスリ−ブとアイアニングダイを同種の組合わ
せで、水溶性加工液を使用したアルミ缶の深絞り加工を
行ない、加工缶の表面にスジ・キズが発生して不良とな
るまでのショット数(寿命)を測定した。その結果、本
発明品2のアルミ缶加工寿命が100万缶に対し、比較
品2のアルミ缶加工寿命が60万缶であった。また、本
発明品5および比較品5のパンチスリ−ブとアイアニン
グダイについても同様に、スチ−ル缶の深絞り加工を行
ない、同様に測定した結果、本発明品5のスチ−ル缶加
工寿命が70万缶に対し、比較品5のスチ−ル缶加工寿
命が30万缶であった。
2のパンチスリ−ブとアイアニングダイを同種の組合わ
せで、水溶性加工液を使用したアルミ缶の深絞り加工を
行ない、加工缶の表面にスジ・キズが発生して不良とな
るまでのショット数(寿命)を測定した。その結果、本
発明品2のアルミ缶加工寿命が100万缶に対し、比較
品2のアルミ缶加工寿命が60万缶であった。また、本
発明品5および比較品5のパンチスリ−ブとアイアニン
グダイについても同様に、スチ−ル缶の深絞り加工を行
ない、同様に測定した結果、本発明品5のスチ−ル缶加
工寿命が70万缶に対し、比較品5のスチ−ル缶加工寿
命が30万缶であった。
【0028】実施例1で得た本発明品3および比較品3
の混合粉末を用いて、ステンレス製ポットに水溶媒,硬
化性樹脂,分散剤および超硬合金製ボ−ルと共に挿入
し、24時間混合して鋳込み用スリップを得た。これら
のスリップをポリウレタン製鋳型に流し込み、硬化,乾
燥後、実施例1と同様の方法、条件で加熱焼結して、外
径:250mm,羽根数:16枚のスラリ−撹拌用のイ
ンペラ−を作製した。こうして作製したインペラ−を4
枚組込んだ撹拌装置を使用して、石炭粉末,水溶媒,分
散剤からなるスラリ−を製造し、インペラ−の羽根部分
の摩滅により撹拌効果が低下するまでの寿命時間を測定
した。その結果、本発明品3の寿命が7000時間であ
ったのに対し、比較品3の寿命時間が4500時間であ
った。
の混合粉末を用いて、ステンレス製ポットに水溶媒,硬
化性樹脂,分散剤および超硬合金製ボ−ルと共に挿入
し、24時間混合して鋳込み用スリップを得た。これら
のスリップをポリウレタン製鋳型に流し込み、硬化,乾
燥後、実施例1と同様の方法、条件で加熱焼結して、外
径:250mm,羽根数:16枚のスラリ−撹拌用のイ
ンペラ−を作製した。こうして作製したインペラ−を4
枚組込んだ撹拌装置を使用して、石炭粉末,水溶媒,分
散剤からなるスラリ−を製造し、インペラ−の羽根部分
の摩滅により撹拌効果が低下するまでの寿命時間を測定
した。その結果、本発明品3の寿命が7000時間であ
ったのに対し、比較品3の寿命時間が4500時間であ
った。
【0029】
【発明の効果】本発明の超硬合金は、板状晶WCを含有
してない従来の超硬合金または板状晶WC含有量の少な
い従来の超硬合金に対比して、抗折力,硬さ,破壊靭性
値が高い傾向を示し、特に、水溶性加工液を用いた絞り
加工および腐食性スラリーの撹拌という用途において顕
著に長寿命を達成できるという優れた効果を有してい
る。
してない従来の超硬合金または板状晶WC含有量の少な
い従来の超硬合金に対比して、抗折力,硬さ,破壊靭性
値が高い傾向を示し、特に、水溶性加工液を用いた絞り
加工および腐食性スラリーの撹拌という用途において顕
著に長寿命を達成できるという優れた効果を有してい
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 Niを主成分とする結合相を3〜30重
量%と、残りが炭化タングステンの硬質相と不可避不純
物からなる組成を有する超硬合金において、該結合相
は、該結合相に対してCrおよび/または炭化クロムを
5〜15重量%、またはCrおよび/または炭化クロム
を5〜15重量%とNiに固溶し得るその他の金属を1
0重量%以下とを含有するNi合金でなり、該炭化タン
グステンは、該炭化タングステンの全体量に対して、ア
スペクト比が3〜20の板状晶炭化タングステンを30
体積%以上含有していることを特徴とする高耐摩耗性お
よび耐食性超硬合金。 - 【請求項2】 Niを主成分とする結合相を3〜30重
量%と、W元素と周期律表の4a,5a属元素の中の少
なくとも1種との炭化物,炭窒化物の中の1種以上でな
る立方晶系化合物を30重量%以下と、残りが炭化タン
グステンの硬質相と不可避不純物からなる組成を有する
超硬合金において、該結合相は、該結合相に対してCr
および/または炭化クロムを5〜15重量%、またはC
rおよび/または炭化クロムを5〜15重量%とNiに
固溶し得るその他の金属を10重量%以下とを含有する
Ni合金でなり、該炭化タングステンは、該炭化タング
ステンの全体量に対して、アスペクト比が3〜20の板
状晶炭化タングステンを30体積%以上含有しているこ
とを特徴とする高耐摩耗性および耐食性超硬合金。 - 【請求項3】 上記Niに固溶し得るその他の金属は、
Wおよび/またはMoからなることを特徴とする請求項
1または2記載の高耐摩耗性および耐食性超硬合金。 - 【請求項4】上記超硬合金は、Cu−Kα線によるX線
回折における炭化タングステンの(101)結晶面のピ
ークをh(101)と表わし、(001)結晶面のピー
クをh(001)と表わしたとき、h(001)/h
(101)≧0.5であることを特徴とする請求項1,
2または3記載の高耐摩耗性および耐食性超硬合金。 - 【請求項5】上記超硬合金は、塑性加工用型工具として
用いられることを特徴とする請求項1,2,3または4
記載の高耐摩耗性および耐食性超硬合金。 - 【請求項6】 上記超硬合金は、湿式粉体処理装置用部
品として用いられることを特徴とする請求項1,2,3
または4記載の高耐摩耗性および耐食性超硬合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24857595A JPH0971835A (ja) | 1995-09-01 | 1995-09-01 | 高耐摩耗性および耐食性超硬合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24857595A JPH0971835A (ja) | 1995-09-01 | 1995-09-01 | 高耐摩耗性および耐食性超硬合金 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0971835A true JPH0971835A (ja) | 1997-03-18 |
Family
ID=17180181
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24857595A Withdrawn JPH0971835A (ja) | 1995-09-01 | 1995-09-01 | 高耐摩耗性および耐食性超硬合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0971835A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10298698A (ja) * | 1997-04-25 | 1998-11-10 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 超硬合金 |
JPH10298699A (ja) * | 1997-04-25 | 1998-11-10 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 超硬合金 |
JP2002155336A (ja) * | 2000-11-15 | 2002-05-31 | Fuji Dies Kk | 伝熱管製造用帯状板への溝加工用ロール |
CN102011041A (zh) * | 2010-12-24 | 2011-04-13 | 重庆市科学技术研究院 | Yt15硬质合金渗氮烧结工艺 |
CN102061418A (zh) * | 2010-12-20 | 2011-05-18 | 中南大学 | 一种用于输油泵阀座的硬质合金材料及其制备方法 |
CN102061420A (zh) * | 2011-02-10 | 2011-05-18 | 株洲长江硬质合金工具有限公司 | 低比重合金及其制备方法 |
-
1995
- 1995-09-01 JP JP24857595A patent/JPH0971835A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10298698A (ja) * | 1997-04-25 | 1998-11-10 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 超硬合金 |
JPH10298699A (ja) * | 1997-04-25 | 1998-11-10 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 超硬合金 |
JP2002155336A (ja) * | 2000-11-15 | 2002-05-31 | Fuji Dies Kk | 伝熱管製造用帯状板への溝加工用ロール |
CN102061418A (zh) * | 2010-12-20 | 2011-05-18 | 中南大学 | 一种用于输油泵阀座的硬质合金材料及其制备方法 |
CN102011041A (zh) * | 2010-12-24 | 2011-04-13 | 重庆市科学技术研究院 | Yt15硬质合金渗氮烧结工艺 |
CN102061420A (zh) * | 2011-02-10 | 2011-05-18 | 株洲长江硬质合金工具有限公司 | 低比重合金及其制备方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20021105 |