JPH0971602A - 低分子量アセチル化ヒアルロン酸及び皮膚柔軟化剤 - Google Patents
低分子量アセチル化ヒアルロン酸及び皮膚柔軟化剤Info
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Abstract
アセチル化ヒアルロン酸及びそれを主成分とする皮膚柔
軟化剤。 極限粘度:50〜200cm3/g アセチル基置換数:2.6〜3.6個(だだし、N−ア
セチル基は含まず) 【効果】 ヒアルロン酸の有する曳糸性を適度に抑制し
つつ、優れた皮膚柔軟効果、保湿効果を発揮することが
できる。
Description
ルロン酸及び皮膚柔軟化剤、特にヒアルロン酸のアルコ
ール性水酸基にアセチル基を高率で結合させたアセチル
化ヒアルロン酸の改良に関する。
あり、高い増粘性、粘弾性、曳糸性等の特異的な物性を
有しており、しかも生体適合性が高いことから各種分野
での応用が期待されている。特にヒアルロン酸の極めて
高い保湿性は特筆すべき物性であり、各種皮膚外用剤な
どに保湿剤として用いられている。
たようにヒアルロン酸は高い曳糸性を有しており、この
ためヒアルロン酸の大量の添加は製品の使用性を著しく
害する場合があった。また、ヒアルロン酸は強水溶性で
あり、このため有機溶媒系あるいは油性基剤中での保湿
剤としては使用できないものであった。本発明は前記従
来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的はヒ
アルロン酸の有する曳糸性などの欠点を改善しつつ、優
れた皮膚柔軟化効果を発揮し得る低分子量アセチル化ヒ
アルロン酸を提供することにある。
に本発明者が鋭意検討した結果、特定の極限粘度及びア
セチル基置換数、即ち、特定の分子量及び疎水性を有す
るアセチル化ヒアルロン酸が、曳糸性の点で大幅に改善
され、しかも高度の皮膚柔軟化効果を発揮し得ることを
見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、本出
願にかかる低分子量アセチル化ヒアルロン酸は、下記特
性を有することを特徴とする。 極限粘度:50〜200cm3/g アセチル基置換数:2.6〜3.6個(ただし、N−ア
セチル基は含まず)
剤は、低分子量アセチル化ヒアルロン酸を主成分とす
る。以下、本発明の構成についてさらに詳細に説明す
る。本発明にかかる低分子量アセチル化ヒアルロン酸
は、下記化1に示すような構造を有する。
柔軟化剤として用いる場合、分子量を極限粘度で示す
と、前述したとおり50〜200cm3/gであることが必
要である。なお、アセチル化ヒアルロン酸の分子量を直
接明示することは困難であるので、本願明細書において
は温度25℃において、0.2Mリン酸緩衝液(pH=
7.3)中で測定した極限粘度の測定値を用いている。
チル化ヒアルロン酸による皮膚柔軟化作用が得られにく
くなる。また、200cm3/g以上であると、アセチル化
によっても曳糸性などの好ましくない物性を十分に抑制
することができない。また、アセチル化の程度を、アセ
チル基置換数で示すと、2.6個以上3.6個以下であ
ることが好ましい。なお、ヒアルロン酸には前記化1に
示す通り繰り返し単位中4個のアルコール性水酸基が存
在するが、これらのうち何個がアセチル基で置換された
かをアセチル基置換数をここでは用いている。
疎水性の付与が不十分となる傾向にある。また、3.6
個を越えると、親水性の低下、使用性の悪化などが生じ
ることがある。なお、たとえば特開平3−143540
号公報には、ヒアルロン酸の繰り返し単位にアセチル化
などのアシル基を導入した乳化安定剤が示されている。
しかしながら、このヒアルロン酸誘導体は修飾率がきわ
めて低く、アシル基/N−アセチル基の比率が数分の1
以下である。すなわち、数個ないし数十個の繰り返し単
位に一つのアシル基が導入されているのみであり、本発
明の効果を奏することはできない。
ル化ヒアルロン酸が開示されているが、これはむしろ高
分子量のアセチル化ヒアルロン酸を指向するものであ
り、本発明のように低分子量アセチル化ヒアルロン酸に
高い皮膚柔軟化作用などが存在することを示唆するもの
ではない。この低分子量アセチル化ヒアルロン酸は、下
記のように製造されることが好適である。すなわち、粉
末状ヒアルロン酸を無水酢酸溶媒に懸濁し、さらに濃硫
酸を加えてアセチル化する。
れ、酢酸:無水酢酸の混合比は1:4〜1:1であるこ
とが好適である。この場合、アセチル化率の高い低分子
量アセチル化ヒアルロン酸が得られる。また、酢酸:無
水酢酸の混合比が2:1〜4:1である場合には、アセ
チル基置換度を微妙に調節することができる。また、溶
媒に対して濃硫酸は2〜7容量%添加することが好適で
ある。
ヒアルロン酸を精製するためには、粗アセチル化ヒアル
ロン酸をアセトン水溶液に添加し、乳酸ナトリウムを加
えて溶解させ、さらにアセトンを加えることにより、高
純度アセチル化ヒアルロン酸を得ることができる。な
お、前記乳酸ナトリウムはアセトン水溶液に対し、1〜
3重量%添加することが好適である。本発明において、
ヒアルロン酸とは、ヒアルロン酸及びヒアルロン酸塩を
意味し、各種分子量のものを用いることができる。
酸の製造方法において、ヒアルロニダーゼ等の酵素処理
により、分子量の調節が可能であり、又エステル化反応
時間を変えることにより修飾化率を変更することができ
る。また、本発明にかかるヒアルロン酸の精製方法にお
いて、乳酸ナトリウムはその塩析効果によりアセチル化
ヒアルロン酸を析出させる目的で添加される。即ち、例
えばアセチル化ヒアルロン酸の溶解可能な80%アセト
ン水溶液に予め乳酸ナトリウムを溶解させておく。さら
にアセトンを添加してアセトンを92%まで上昇させる
と、前記アセチル化ヒアルロン酸がゲル状沈殿として析
出する。この塩析に利用する塩類に関して、酢酸ナトリ
ウム、クエン酸3ナトリウム、グルタミン酸ナトリウ
ム、塩化ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウ
ム、酒石酸ナトリウム、グリシン、硫酸マグネシウム、
塩化カリウムを検討した結果、酢酸ナトリウムには多少
の塩析効果が認められたが、他の物にはほとんど効果が
認められず、一方で乳酸ナトリウムには極めて良好な効
果が認められた。
で製造したアセチル化ヒアルロン酸独自の溶媒溶解性を
利用したものであり、特に本発明にかかる製造方法及び
精製方法を組合せることにより、高純度のアセチル化ヒ
アルロン酸を収率よく得ることができる。乳酸ナトリウ
ムの添加量に関しては、増量によりアセチル化ヒアルロ
ン酸の回収率は向上するが、その後の工程であるエタノ
ールによる乳酸ナトリウムの除去が困難となる場合があ
る。このため、アセトン濃度の上昇によりアセチル化ヒ
アルロン酸をゲル状沈殿として析出させる際のアセトン
の添加量をコントロールして、アセチル化ヒアルロン酸
の回収率が高く且つ乳酸ナトリウムの残存率が低くなる
ような必要最小限の乳酸ナトリウムの添加量を検討した
結果、アセトン水溶液に対し1〜3重量%添加すること
を決定したのである。
の他に必要に応じ、一般的に皮膚外用剤に配合される、
各種成分を配合することができる。それらの成分として
は、流動パラフィン、スクワラン、ラノリン誘導体、高
級アルコール、各種エステル油、シリコーン油、ポリア
ルキレングリコールポリエーテル及びその他カルボン
酸、オリゴエステル化合物、テルペン系炭化水素油等の
油分、界面活性剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、アク
リル系樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルピロリドン等
の樹脂類、大豆タンパク、ゼラチン、コラーゲン、絹フ
ィブロイン、エラスチン等のタンパク又はタンパク分解
物、エチルパラベン、ブチルパラベン等の防腐剤、ビオ
チン、パントテン酸誘導体等の賦活剤、エタノール、イ
ソプロパノール、テトラクロジフルオロエタントルエン
等の希釈剤、カルボキシビニルポリマー等の増粘剤、キ
レート剤、酸化防止剤、保湿剤、薬剤、香料、色剤等が
挙げられる。
尚、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。製造例1 アセチル化ヒアルロン酸の製造方法 300ml容のガラス製三角コルベンに20mlの市販の特
級酢酸及び80mlの無水酢酸を入れ、6gのバイオヒア
ロ12(分子量約1200kdのヒアルロン酸,資生堂
(株)製)の微細粉末を攪拌しながら少しずつ加える。
続いて、4mlの濃硫酸をゆっくり加え、室温で1時間攪
拌してアセチル化反応を行わせる。反応液は粘稠な白色
液体となる。ここで得られたアセチル化ヒアルロン酸の
置換度を測定した結果、3置換体であることが判明し、
これを基に収率を計算した結果、88.8%であった。
方法 31容のガラス製ビーカーに、あらかじめ2lの精製水
を入れておき、攪拌しながら上記反応液を糸状になるよ
うにゆっくり加える。生じたアセチル化ヒアルロン酸の
沈殿を分取し、沈殿はさらに2lの精製水で2回同様に
洗浄する。上記沈殿を1l容のガラス製ビーカーに移
し、80%(v/v)アセトン水溶液250ml及び 50%乳
酸ナトリウム水溶液9gを加え、攪拌しながら沈殿を完
全に溶解させる。続いて、アセトン400mlをゆっくり
加え、アセチル化ヒアルロン酸のゲル状沈殿を再沈殿さ
せる。上記沈殿を分取した後、ホモジナイザーを併用し
エタノール100mlを用いて10000rpmの速度で1
0分間の洗浄を2回行なう。次に、 減圧濾過により沈
殿を分取した後、減圧乾燥し、アセチル化ヒアルロン酸
の白色粉末を得る。この結果、アセチル化ヒアルロン酸
が6.5g(収率82.5%)得られ、乳酸は0.2%
残存するものの、酢酸、硫酸は検出されなかった。ま
た、このものは90%エタノールに可溶であった。
で、前記酢酸と無水酢酸の比を変化させた場合のアセチ
ル化反応時間と、、生成したアセチル化ヒアルロン酸の
極限粘度、アセチル基置換数の関係を調べた。極限粘度
との関係を図1に、またアセチル基置換数との関係を図
2に示す。同図より明らかなように、アセチル基置換数
は反応開始数時間、特に1時間以内で急激に上昇する。
一方、粘度は反応開始後5〜10時間程度まで急激に低
下する。従って、高粘度のアセチル化ヒアルロン酸を得
たい場合には反応時間を1時間ないしそれ以下とし、ま
た低粘度のアセチル化ヒアルロン酸を得たい場合には反
応時間を5〜10時間の範囲で長くする事が好適であ
る。
のみの場合よりも、酢酸を多少混合した方がアセチル化
の進行が向上し、特に酢酸:無水酢酸が1:4程度では
アセチル化がより効率的に進行し、酢酸:無水酢酸が
1:1程度でもほぼ無水酢酸単独の場合と同じ程度のア
セチル化進行、低粘度化が認められる。従って、アセチ
ル化を効率的に進行させる場合の酢酸と無水酢酸の溶媒
比は、1:4〜1:1が特に好ましい。なお、アセチル
基置換数を低く調節する場合には、むしろ酢酸:無水酢
酸を1:2〜4:1程度とすることで、時間の経過によ
るアセチル基置換数の変動が小さくなり、調節が容易と
なる。
るが、この反応触媒量も生成アセチル化ヒアルロン酸の
極限粘度、及びアセチル基置換数に影響を与える。前記
実施例1と同条件において、硫酸量を変化させた場合の
極限粘度との関係(図3)及びアセチル基置換数(図
4)との関係を調べた。同図より明らかなように、硫酸
量を増加させるとアセチル基置換度は上昇するが、対し
て粘度低下もほぼこれに一致することが理解される。以
上のようにして得られたアセチル化ヒアルロン酸によ
り、以下の有用性試験即ち使用性に関しては曳糸性試験
を、保湿性に関しては水分蒸発度試験を、皮膚柔軟性に
関しては皮膚柔軟効果測定試験を行った。
0ml容のガラス製ビーカに入れた2%濃度の試験液中
に、予め径約7mmのガラス棒を1cm浸漬しておき、ビー
カーを5cm/minの速度で降下させたときの曳糸長を測定
した。
いた。濾紙(No.2)に1%濃度の試験液0.5mlを
均一に浸透させ、一夜室温で減圧乾燥した。次に、該濾
紙を5mlの水を入れたプラスチックシャーレの開口部に
接着し、恒温恒湿室(温度25℃,相対湿度50%)に
て重量変化を経時的に測定した。試料溶液の重量は、一
定時間放置すると時間に比例して減少する。そこで、放
置時間に対して試験試料に対して試験試料の重量をプロ
ットし、その近似直線の傾きを水分蒸発速度定数k(mg
/min)と定義し、kからオクルージョン効果を評価し
た。即ち、kの値が小さいほどオクルージョン効果は高
いということになる。
ら加熱−トリプシン処理により採取した角質層を2×3
0mmの切片とした。これを連続的動的粘弾性測定装置
(東洋精機、資生堂共社製)にセットし、弾性率をを3
分毎に経時で3回測定し、その平均を試験液塗布前の弾
性率の測定値とした。次いで試験液2μlを角質上に塗
布し3〜4mm幅に広げ、同様にして経時で2時間測定
し、試験液塗布前の弾性率に対する比で角質柔軟効果を
評価した。即ち、弾性率比の値が小さいほど角質柔軟効
果が高いということになる。
前述の通りに曳糸性試験を行った。 被検液1:分子量120万のヒアルロン酸ナトリウム
(HA)0.2%水溶液 被験液2:極限粘度170cm3/g、アセチル基置換数
2.7個の低分子量アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム
0.2%水溶液 被験液3:極限粘度160cm3/g、アセチル基置換数
2.8個の低分子量アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム
0.2%水溶液 被験液4:極限粘度140cm3/g、アセチル基置換数
2.9個の低分子量アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム
0.2%水溶液 被験液5:極限粘度120cm3/g、アセチル基置換数
3.0個の低分子量アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム
0.2%水溶液 被験液6:極限粘度110cm3/g、アセチル基置換数
3.1個の低分子量アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム
0.2%水溶液 被験液7:極限粘度100cm3/g、アセチル基置換数
3.2個の低分子量アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム
0.2%水溶液
に、ヒアルロン酸ナトリウム水溶液では2.0cm程度の
曳糸長を有している。これに対して、アセチル化ヒアル
ロン酸ナトリウム水溶液では、その長さはいずれも0.
1〜0.4cmの範囲に収まっており、ヒアルロン酸ナト
リウム水溶液に比較して優位に短い。これらの結果か
ら、明らかに曳糸性が改善されたことが理解できる。以
上の結果をもとに、曳糸性の評価は曳糸長で比較するこ
とにした。
用い、前述の通りにオクルージョン効果測定試験を行っ
た。 被験液1:イオン交換水 被験液2:極限粘度200cm3/g、アセチル基置換数
2.6個の低分子量アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム
0.2%水溶液 被験液3:極限粘度170cm3/g、アセチル基置換数
2.7個の低分子量アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム
0.2%水溶液 被験液4:極限粘度160cm3/g、アセチル基置換数
2.8個の低分子量アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム
0.2%水溶液 被験液5:極限粘度120cm3/g、アセチル基置換数
3.0個の低分子量アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム
0.2%水溶液 被験液6:極限粘度100cm3/g、アセチル基置換数
3.2個の低分子量アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム
0.2%水溶液 被験液7:極限粘度90cm3/g、アセチル基置換数3.
4個の低分子量アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム0.
2%水溶液 被験液8:分子量90万ヒアルロン酸ナトリウム(H
A)0.2%水溶液 被験液9:1%プロピレングリコール(PG)水溶液
ように、イオン交換水に比較して、代表的な保湿剤であ
るヒアルロン酸ナトリウム、プロピレングリコールを添
加した場合には保湿効果が高いが、アセチル化ヒアルロ
ン酸ナトリウムを用いた場合には、前記ヒアルロン酸ナ
トリウム、プロピレングリコールと比較しても更に優位
な保湿効果を有することが認められる。
い、前述の通りに皮膚柔軟効果試験を行った。 被験液1:イオン交換水 被験液2:極限粘度120cm3/g、アセチル基置換数
3.0個の低分子量アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム
0.2%水溶液 被験液3:極限粘度110cm3/g、アセチル基置換数
3.1個の低分子量アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム
0.2%水溶液 被験液4:極限粘度100cm3/g、アセチル基置換数
3.2個の低分子量アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム
0.2%水溶液 被験液5:分子量90万ヒアルロン酸ナトリウム(H
A)0.2%水溶液 被験液6:5%グリセリン(DG)水溶液
ように、イオン交換水塗布区では、塗布後20分まで角
質層への水分浸透に起因した弾性率比の低下が生じ、角
質層の柔軟性が上昇する。次に、水分蒸発に起因した弾
性化により30分程度経過すると塗布前の値まで回復
し、さらに水分蒸発のリバウンドで若干1を越えた値と
なる。また、ヒアルロン酸ナトリウム水溶液塗布区で
は、柔軟性の回復値はイオン交換水塗布区よりもやや低
く若干効果があるものの、50分程度で0.9程度まで
回復してしまい、角質柔軟効果は低いことが理解され
る。これに対して、グリセリン水溶液塗布区は、イオン
交換水塗布区、ヒアルロン酸塗布区と異なり0.7程度
の値で維持しており柔軟持続作用が比較的に高い。
トリウム水溶液塗布区では、120分経過時にあっても
弾性率化が0.3程度で持続しており、極めて高い角質
柔軟効果を有することが理解される。以上の試験結果を
もとに、皮膚柔軟性の評価は、角質層の柔軟性の持続効
果を考慮して、塗布後60分以降の弾性率比の平均値で
行うこととした。以上の各予備試験から、アセチル化ヒ
アルロン酸がヒアルロン酸等と比較し、曳糸性、保湿効
果、皮膚柔軟効果などで大きく優れていることが理解さ
れる。
方法の各パラメータを変更し、各種極限粘度(分子量)
及びアセチル基置換数のアセチル化ヒアルロン酸を調製
し、前記効果について検証を行った。結果を次に示す。
まず、表1には極限粘度を約120cm3/gとして、各種
アセチル基置換数のアセチル化ヒアルロン酸を調製し、
前記各効果について検証を行った。結果を次の表1に示
す。
120cm3/g程度であると、アセチル基置換数が2.6
個以上で曳糸性、皮膚柔軟効果、保湿効果に著しい改善
が認められた。しかしながら、アセチル基置換数が3.
6個となると、保湿性、皮膚柔軟効果が低下する傾向に
あり、皮膚外用剤として用いるには難がある。次に、本
発明者らはアセチル基置換数が3.0程度のもので各種
極限粘度のアセチル化ヒアルロン酸を調製し、その効果
について検証を行った。
0個程度であると、極限粘度が200cm3/gを越えると
アセチル化によっても曳糸性の改善が不十分となる。一
方、極限粘度が50cm3/gを割ると、保湿効果、皮膚柔
軟効果などが不十分となる傾向にある。以下、本発明に
かかる化粧料のより具体的な例について説明する。
なじみの良さ、しっとりさともに良好であった。
結果は、なじみの良さ、しっとりさともに良好であっ
た。
る評価結果は、なじみの良さ、しっとりさともに良好で
あった。
及び(11)を加熱溶解し、70℃に保つ。(14)に
(5)を溶解し、前記調製物を攪拌しつつ添加する。中
和反応を十分に行った後、(9)及び(10)を添加し、
続いて(12)及び(13)を添加する。脱気後冷却して、
クレンジングフォームを得た。パネルによる評価結果
は、なじみの良さ、しっとりさともに良好であった。
効果は、ぬめりが無くなじみが良くさっぱりとした使用
感であった。
果は、ぬめりが無くなじみが良くさっぱりとした使用感
であった。
子量アセチル化ヒアルロン酸は、特定の分子量及びアセ
チル基置換数を有するため、ヒアルロン酸の有する曳糸
性を適度に抑制しつつ、優れた皮膚柔軟効果、保湿効果
を発揮することができる。
方法において、酢酸と無水酢酸の溶媒比を変更した場合
のアセチル化反応時間と、極限粘度との関係を示した説
明図である。
方法において、酢酸と無水酢酸の溶媒比を変更した場合
のアセチル化反応時間を、アセチル基置換度との関係を
示した説明図である。
方法において、反応触媒量(濃硫酸)を変更した場合の
アセチル化反応時間と、極限粘度との関係を示した説明
図である。
方法において、反応触媒量(濃硫酸)を変更した場合の
アセチル化反応時間と、アセチル基置換度との関係を示
した説明図である。
曳糸長を示す説明図である。
水分蒸発速度を示す説明図である。
角質柔軟効果を示す説明図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 下記特性を有することを特徴とする低分
子量アセチル化ヒアルロン酸。 極限粘度:50〜200cm3/g アセチル基の置換数:2.6〜3.6個(ただし、N−
アセチル基は含まず) - 【請求項2】 請求項1記載低分子量アセチル化ヒアル
ロン酸を主成分とする皮膚柔軟化剤。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13940596A JP3557044B2 (ja) | 1995-06-29 | 1996-05-08 | 皮膚柔軟化剤 |
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---|---|---|---|
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JP7-186156 | 1995-06-29 | ||
JP13940596A JP3557044B2 (ja) | 1995-06-29 | 1996-05-08 | 皮膚柔軟化剤 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH0971602A true JPH0971602A (ja) | 1997-03-18 |
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JP (1) | JP3557044B2 (ja) |
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