JP3534934B2 - 皮膚化粧料 - Google Patents
皮膚化粧料Info
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Description
し、更に詳しくは、優れた老化防止効果(荒れ肌改善効
果、角質改善効果、ターンオーバー速度を早くする効
果)、美肌効果等を発現、付与し得るとともに、使用感
に優れた皮膚化粧料に関する。 【0002】 【従来の技術】老化した皮膚は、乾燥して滑らかさのな
い荒れ肌となり、角質細胞剥離現象が認められる。そし
て老化皮膚は、ターンオーバー速度が遅く、皮膚に老化
防止効果が発現、付与されると、皮膚のターンオーバー
速度が早くなると言われている。従来、皮膚表面に適度
な湿潤感及び柔軟性を与える化粧料は種々提案され、例
えば特開平4−99707号では、R−(−)メバロン
酸を含有する皮膚化粧料が提案されている。しかし、こ
れらの皮膚化粧料は、皮膚組織の表皮へ作用するが、表
皮の下の組織である真皮にも作用することは少なく、皮
膚の老化防止に十分な効果を有するものはなかった。ま
た、 ムコ多糖は生体の実質細胞の間を満たす結合組織
中に存在して細胞外液の容量調節、電解質の移動、組織
内のカルシウムの平衡と沈着等、組織の維持やその強
度、柔軟性等に関係する重要な役割を果しておる物質で
ある。従来、皮膚化粧料においては、保湿剤としてムコ
多糖を使用することが提案されているが、皮膚の老化防
止に十分な効果を有するものではなく、また特に低分子
化ムコ多糖を配合した皮膚化粧料を肌に塗布した場合、
ベトツキ感を有し、使用感が劣る欠点があった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、老化
防止効果(荒れ肌改善効果、角質改善効果、ターンオー
バー速度を早くする効果)、及び美肌効果を発現、付与
し得るとともに、使用感(ベトツキ感の無い)に優れた
皮膚化粧料を提供することにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記の目的は、(a)メ
バロン酸、メバロン酸ラクトンから選ばれる一種以上を
0.001〜10重量%と、(b)分子量が1千〜10
万の低分子化ヒアルロン酸から選ばれるムコ多糖及びそ
の塩から選ばれる一種以上を0.001〜3.0重量%
とを配合する皮膚化粧料によって達成される。 【0005】 【発明の実施の形態】本発明で(a)成分として使用す
るメバロン酸は火落酸(分子式:C6 H12O4 )とも言
い、清酒中に混入した真性火落菌(Lactobaci
llus homohiochi及びL.hetero
hiochi)の不可欠生育因子、及び乳酸菌(L.a
cidophillus)の生育促進因子として発見さ
れた物質であり、ステロール等のイソプレノイド系化合
物の生合成前駆体、または各種光学活性物質の化学的も
しくは酵素的合成原料に利用される。そしてメバロン酸
には、2種類の異性体〔R(−)−メバロン酸、S
(+)−メバロン酸〕があり、天然に存在するのはR
(−)−メバロン酸であるが、本発明には、その何れも
使用できるが、入手が容易なR(−)−メバロン酸が好
ましい。R(−)−メバロン酸は、例えば、特開昭63
−216484号、特開昭63−216485号、特開
昭63−216486号、特開昭63−216487等
に記載された微生物発酵方法によって製造できる。また
は、化学的合成方法によってラセミ体(異性体混合物)
としても得られ、しかも各異性体を分離して得ることも
も可能である。また、本発明で他の(a)成分として使
用するメバロン酸の誘導体であるメバロン酸ラクトン
(分子式:C6 H10O3 )は、加水分解によって容易に
メバロン酸に変化する性質を有する化合物である。 【0006】一方、本発明で(b)成分として使用する
ムコ多糖とは、低分子化ヒアルロン酸(分子量1千〜1
0万)である。また、その塩類としては、例えばこれら
ムコ多糖のカリウム塩、ナトリウム塩等が挙げられる。
これらのムコ多糖及びその塩の2種以上を本発明の皮膚
化粧料に配合させてもよい。 【0007】本発明の皮膚化粧料に含有させるムコ多糖
及びその塩は、皮膚化粧料に配合するのに適当な品質の
ものであればよく、特別のものは必要としない。ムコ多
糖を動物組織から調製して使用する場合は、ムコ多糖を
含む動物組織(例えばカニやエビの殻、鶏冠、サメの
皮、動物軟骨、動物の臓器等)を、脱脂処理後、水で抽
出し、抽出液に脱塩、除蛋白、除核酸等の処理を施して
から、エタノール沈殿法等により精製する。必要なら
ば、更にゲル濾過法や、イオン交換セルロース、イオン
交換セファデックス等を用いる精製を施して使用する。 【0008】そして、本発明の皮膚化粧料は、(a)メ
バロン酸、メバロン酸ラクトンから選ばれる一種以上を
0.001〜10重量%と、(b)分子量が1千〜10
万の低分子化ヒアルロン酸から選ばれるムコ多糖及びそ
の塩から選ばれる一種以上を0.001〜3.0重量%
とを併用することによって、それらの相乗作用によっ
て、優れた皮膚老化防止効果が発現される。また、ムコ
多糖のみを配合した皮膚化粧料を肌に塗布した場合、ベ
トツク欠点があるが、本発明の如く、ムコ多糖とメバロ
ン酸、メバロン酸ラクトンととを併用することによっ
て、ベトツキ感が改善されて使用感に優れた皮膚化粧料
が得られるのである。 【0009】本発明の皮膚化粧料における(a)成分の
メバロン酸、メバロン酸ラクトンのの一種以上の配合量
は、その皮膚化粧料の総量を基準として、0.001〜
10重量%(以下wt%と略記する。)であり、特に好
ましくは、0.01〜2.0wt%である。また、
(b)成分の分子量が1千〜10万の低分子化ヒアルロ
ン酸から選ばれるムコ多糖及びその塩の一種以上の配合
量は、0.001〜3.0wt%であり、特に好ましく
は0.01〜1.0wt%である。さらに、ムコ多糖及
びその塩は、メバロン酸、メバロン酸ラクトンに対し
て、0.1〜10倍量(重量)になるように配合するこ
とが望ましい。 【0010】本発明の皮膚化粧料の剤型としては、特に
限定されるものでなく、クリーム状、乳液状、ローショ
ン状、軟膏状、パウダー状等々の通常の皮膚化粧料の剤
型を適用することができる。本発明の皮膚化粧料は、他
の成分として、乳化剤、油性物質、保湿剤、増粘剤、香
料、防腐剤、抗酸化剤、着色剤等を本発明の目的を達成
する範囲内で適宜配合し得る。 【0011】 【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を
詳細に説明する。尚、実施例に記載の(1)角質層のタ
ーンオーバー速度測定方法、(2)荒れ肌改善効果の測
定方法、(3)角質改善効果の測定方法、(4)官能テ
ストは下記の通りである。 【0012】(1)角質層のターンオーバー速度測定方
法 蛍光色素のダンシルクロリドを白色ワセリン中に5wt
%配合した軟膏を作り、被験者20名の前腕部の皮膚に
24時間閉塞塗布し、角質層にダンシルクロリドを浸透
結合させた。その後、同じ部位に1日2回(朝、夕)被
験試料を塗布し、毎日ダンシルクロリドの蛍光を調べ、
その蛍光が消滅するまでの日数を皮膚角質層のターンオ
ーバー速度とした。測定結果は各被験者の日数の平均値
で示した。尚、通常の皮膚角質層のターンオーバーは1
4〜16日であるが、老化した皮膚においては18日前
後に延びる。それに対して老化防止効果が現れると12
日前後にまで短縮される。 【0013】(2)荒れ肌改善効果の測定方法 下脚に荒れ肌を有する中高年被験者20名を対象として
4週間連続塗布効果を調べた。すなわち、被験者の左側
下脚試験部位に1日2回(朝、夕)被験試料を塗布し、
試験開始前および終了後の皮膚の状態を下記表1の判定
基準により判定した。尚、右側下脚は被験試料を塗布せ
ず対照とした。 【0014】 【表1】 【0015】そして試験前後の試験部位と対照部位の判
定結果を比較し、皮膚乾燥度が2段階以上改善された場
合(例えば:+→−、++→±)を「有効」、1段階改
善された場合を「やや有効」、変化がなかった場合を
「無効」とした。試験結果は「有効」、「やや有効」と
なった被験者の人数で示した。 【0016】(3)角質改善(角質細胞の抗剥離性増
大)効果の測定方法 前記の荒れ肌改善測定試験開始前後及び終了後の被験部
皮膚にスコッチテープ(ニチバン社メンディングテー
プ)を接着し、これを剥離したときテープに付着した角
質細胞の状態を走査型電子顕微鏡によって詳細に調べ、
下記表2の判定基準によって皮膚角質層細胞剥離性を分
類し、角質改善効果を求めた。 【0017】 【表2】 【0018】判定は4週間連続塗布後の試験部位の評価
点と対照部位のそれとの差が2点以上の場合を「有
効」、1点以上の場合を「やや有効」、0点の場合を
「無効」とした。試験結果は「有効」、「やや有効」と
なった被験者の人数で示した。 【0019】(4)官能テスト(美肌効果と使用感試
験) 荒れ肌、小じわ、乾燥肌等を訴える女子被験者(35〜
55才)20人に被験試料を1日2回(朝、夕)連続3
ケ月間塗布して、1、2、3ケ月後の効果を評価した。
試験結果は、皮膚の湿潤性、平滑性、弾力性の各項目に
対して、「皮膚に潤いが生じた」、「皮膚が滑らかにな
った」、「皮膚に張りが生じた」、「塗布後のベトツキ
感が無い」と回答した人数で示した。 【0020】実施例1〜4、比較例1〜7(スキンクリ
ーム) (a)成分のメバロン酸、メバロン酸ラクトンから選ば
れる一種以上と、(b)成分のムコ多糖及びその塩から
選ばれる一種とを表4に記載の通りに配合し、表3の組
成で各々のスキンクリームを調製し、前記の諸実験を実
施した。 【0021】(1)組成 【表3】【0022】(2)調製方法 上記(A)、(B)成分を各々均一に加熱溶解して温度
を80℃にした後、(B)成分中に(A)成分を注入攪
拌混合する。次いで、攪拌しながら温度を30℃迄冷却
しスキンクリームを調製した。尚、上記スキンクリーム
に配合したR(−)−メバロン酸ラクトンは加水分解に
よりR(−)−メバロン酸と共存していると考えられ
る。 【0023】(3)特性 各スキンクリームの諸試験を実施した結果を表4、5に
示す。 【0024】 【表4】 【0025】 【表5】 【0026】表4、5に示す如く、比較例1〜7の
(a)成分のメバロン酸、メバロン酸ラクトン、または
(b)成分のヒアルロン酸、キトサンを無配合、あるい
は単独配合したスキンクリームは諸特性において充分な
る効果が得られないが、本発明の実施例1〜4の(a)
メバロン酸、メバロン酸ラクトンと、(b)成分のヒア
ルロン酸、キトサンとを併用したスキンクリームは、荒
れ肌改善効果、角質改善効果、ターンオーバー速度を早
くする効果、すなわち、皮膚の老化防止効果において顕
著な効果が認められ、また、官能テストでも塗布後2ケ
月で、湿潤性以外に平滑性、弾力性が得られるととも
に、使用感としてベトツキ感が無い結果が得られた。 【0027】実施例5、比較例8〜10(スキンローシ
ョン) 下記表6の組成により、各々のスキンローションを調製
して諸試験を実施した。 【0028】(1)組成 【表6】 【0029】(2)調製方法 上記表6の成分を撹拌し均一に溶解してスキンローショ
ンを調製した。 【0030】(3)特性 各スキンローションについて官能テストを実施した結果
を表7に示す。 【0031】 【表7】【0032】上記表7から明らかな様に実施例5のスキ
ンローションは塗布2ケ月後で良好な美肌効果が得られ
た。また、皮膚老化防止効果(荒れ肌改善効果、角質改
善効果、ターンオーバー速度を速くする効果)も確認で
きた。さらに、実施例5は比較例10に比べベトツキ感
が無く、使用感にも優れていた。 【0033】実施例6(スキンクリーム) 下記表8の組成にてスキンクリームを調製した。 【表8】 【0034】(2)調製方法 表8に記載の(A)成分及び(B)成分を均一に加熱溶
解して温度を80℃にした。次いで、(A)A成分中
に、(B)成分を注入乳化した後、撹拌しながら30℃
まで冷却した。 【0035】実施例7(メイクアップベース) 下記表9の組成にてメイクアップベースを調製した。 (1)組成 【表9】【0036】(2)調製方法 表9に記載の(A)成分、及び(B)成分を均一に加熱
溶解して温度を80℃にした。次いで、(B)成分をホ
モミキサーにて撹拌しながら、(A)成分を注入乳化し
た後、30℃まで冷却した。 【0037】実施例8(スキンミルク) 下記表10の組成にてスキンミルクを調製した。 (1)組成 【表10】【0038】(2)調製方法 表10に記載の(A)成分、及び(B)成分を均一に加
熱溶解して温度を80℃にした。次いで、(A)成分中
に、(B)成分を注入乳化した後、撹拌しながら30℃
まで冷却した。 【0039】上記実施例6〜8は、優れた美肌効果と皮
膚老化防止効果(荒れ肌改善効果、角質改善効果、ター
ンオーバー速度を早くする効果)、使用感(ベトツキ感
の無い)を示した。 【0040】 【発明の効果】以上記載の如く、本発明が、皮膚老化防
止効果(荒れ肌改善効果、角質改善効果、ターンオーバ
ー速度を速くする効果)、美肌効果、使用感(ベトツキ
感の無い)に優れた有用な皮膚化粧料を提供することは
明らかである。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 (a)メバロン酸、メバロン酸ラクトン
から選ばれる一種以上を0.001〜10重量%と、
(b)分子量が1千〜10万の低分子化ヒアルロン酸か
ら選ばれるムコ多糖及びその塩から選ばれる一種以上を
0.001〜3.0重量%とを配合することを特徴とす
る皮膚化粧料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04054096A JP3534934B2 (ja) | 1996-02-02 | 1996-02-02 | 皮膚化粧料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04054096A JP3534934B2 (ja) | 1996-02-02 | 1996-02-02 | 皮膚化粧料 |
Publications (2)
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JPH09208420A JPH09208420A (ja) | 1997-08-12 |
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Family
ID=12583291
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04054096A Expired - Lifetime JP3534934B2 (ja) | 1996-02-02 | 1996-02-02 | 皮膚化粧料 |
Country Status (1)
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Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP4576583B2 (ja) * | 2005-03-22 | 2010-11-10 | キユーピー株式会社 | ヒアルロン酸またはその塩、およびその製造方法、ならびにこれを含有する化粧料および食品組成物 |
US8367818B2 (en) | 2006-02-24 | 2013-02-05 | Q.P. Corporation | Low molecular weight hyaluronic acid and/or salt thereof, and cosmetic preparation, pharmaceutical composition, and food composition each using same |
CN114728185A (zh) * | 2019-08-28 | 2022-07-08 | 丹尼斯科美国公司 | 包含甲羟戊酸内酯的皮肤护理组合物 |
-
1996
- 1996-02-02 JP JP04054096A patent/JP3534934B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
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