JP2002047119A - 化粧料 - Google Patents

化粧料

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JP2002047119A JP2000235323A JP2000235323A JP2002047119A JP 2002047119 A JP2002047119 A JP 2002047119A JP 2000235323 A JP2000235323 A JP 2000235323A JP 2000235323 A JP2000235323 A JP 2000235323A JP 2002047119 A JP2002047119 A JP 2002047119A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】皮膚の保湿性能及びバリヤ−機能を回復させる
化粧料を提供する。 【解決手段】化粧料は、Mg2+及びCa2+が、少なくと
も、K+ 、Na+ 及びCl- と共存として含むものにな
っている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、皮膚の保湿性能及
びバリヤ−機能の回復を可能にする化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】角質層の保湿性能(水分保有力若しくは
水分保有機能等とも称される)及びバリヤ−機能の低下
が皮膚の形態及び機能の劣化(代表的には、肌荒れ及び
乾燥肌)に密接に関連することから、多くの化粧料が保
湿剤を含む組成に調製されている。なお、肌荒れは、そ
の代表的現象がドライスキンであるところから、ドライ
スキン(乾燥肌)の同義語として使用されることがあ
る。本明細書においては、「肌荒れ」をドライスキンを
含む皮膚(肌)の形態及び機能の低下等を意味する広義
の意味で使用する。
【0003】角質層の保湿性能は、角質層に含まれる天
然保湿因子(natural moisturizin
g factor、以下において、NMFという)と、
皮脂(皮脂線由来の脂肪)及び角質層細胞間脂質等とに
大きく影響されると今日的には理解されている。ただ
し、角質層の保湿機能低下の原因は多岐にわたり、その
回復改善のメカニズムも著しく複雑であって、そのメカ
ニズムには多くの未知の領域が存在する。表1は角質層
のNMFの組成を示している(「機能性化粧品II」シ
−エムシ−発行、1996、p28等を参照)。表2
は、角質層細胞間脂質の組成を示している。
【0004】
【表1】
【0005】
【表2】
【0006】MF由来の保湿性能は、ピロリドンカルボ
ン酸(強吸湿性のNa塩として存在し、ピログルタミン
酸とも称される)、尿素(タンパク質代謝物)及び乳酸
塩等が有する強吸湿性によって肯定されて、角質層細胞
間脂質由来の保湿性能は、その水分子を層状に含むラメ
ラ結晶構造の保水能力によって肯定されている。従来の
化粧料においては、皮膚の保湿性能の補足の目的に次の
ような保湿剤が配合されている。
【0007】(i)グリセリン、プロピレングリコ−
ル、1,3−ブチレングリコ−ル、ポリエチレングリコ
−ル、3−メチル−1,3−ブタンジオ−ル、ソルビト
−ル若しくはポリオキシエチレンメチルグルコシドから
なる多価アルコ−ル、(ii)トレハロ−ス、硫酸化ト
レハロ−ス若しくはマルト−スからなる多糖類、(ii
i)ヒアルロン酸ナトリウム若しくはコンドロイチン硫
酸ナトリウムからなるムコ多糖類、(iv)キチン・キ
トサンに代表されるムコ多糖類、(v)水溶性コラ−ゲ
ン、低分子化コラ−ゲン、ペプシン処理コラ−ゲン、コ
ハク酸処理コラ−ゲン、エステル化コラ−ゲン若しくは
エラスチンからなるタンパク質、(vi)卵殻分解物か
らなる水溶性タンパク質、(vii)アミノ酸、(vi
ii)乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナ
トリウム若しくは乳酸菌培養液からなるNMF成分相当
物、(ix)細胞間脂質の同等物質若しくは類似物質で
ある。
【0008】多価アルコ−ルは、吸湿性が大きく皮膚に
対する刺激が少ない等の理由により、糖類は、吸湿性が
大きく類似化合物が天然に存在する等の理由により、ム
コ多糖類は、真皮等に存在する化合物であって吸湿性が
大きい等の理由により使用されている。コラ−ゲンタン
パク質は、真皮その他の生体内に存在する化合物であっ
て、吸湿性を有して脂質等とも親和性がある等の理由で
使用されている。
【0009】ただし、NMF成分と同等物質を化粧料の
保湿剤として使用しても、皮膚の保湿性能の回復に有効
に働くものと、そうでないものとがあって、皮膚の保湿
メカニズムに対してNMF全体及び個別成分が与える影
響については未知の領域が多いのが実情である。そのこ
とは、細胞間脂質と皮膚の保湿メカニズムとの関係につ
いても同様である。また、従来の化粧料においては、皮
膚の肌荒れ防止用として前述の保湿剤が主として用いら
れている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来のNMF成分を化
粧料に利用するについての検討は、NMF成分の同等物
質に該当する試薬を化粧料に添加してその効果を調べる
という方法により行われている。それは、NMF成分の
Ca2+及びMg2+についても同様である。
【0011】かかる状況下において、皮膚の保湿メカニ
ズム(特に、保湿性能の回復)に影響するMg2+及びC
2+を含むイオン群について本発明者により実験主体に
詳細に検討されて、Mg2+及びCa2+が他のイオンと共
存する場合に皮膚の保湿メカニズムに良い影響を与える
得るという事実が見いだされて、その事実を基礎として
本発明が得られた。
【0012】ここにおいて、本発明は、皮膚の保湿性能
及びバリヤ−機能を回復させることを可能にする化粧料
を提供すること、を目的とする。本発明は、他の保湿剤
が共存する場合には、その保湿剤の効果を有効に発揮さ
せて、かつ、本発明のイオン群由来の効果を発揮させる
ことを可能にする化粧料を提供すること、をも目的とす
る。本発明は、化粧料の原材料の性能に制約されること
なく、皮膚の保湿性能及びバリヤ−機能を回復させるこ
とを可能にする化粧料を提供すること、をも目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明による化粧料は、
Mg2+及びCa2+が、少なくとも、K+ 、Na+ 及び塩
素Cl- と共存として含まれて、かつ、Mg2+及びCa
2+が、皮膚の保湿性能の回復に有効な比率で含まれてい
ること、を特徴とする。
【0014】
【発明の具体的説明】本発明の化粧料は、前述の発明の
構成からなるもので、その内容を以下に具体的に説明す
る。
【0015】〔化粧料の特徴〕本発明は、第一〜第三の
特徴として挙げられるイオン群が化粧料に含まれること
によって、化粧料をして皮膚の保湿性能及びバリヤ−機
能の回復効果を発現するものにされている。
【0016】第一の特徴は、Mg2+及びCa2+が、K
+ 、Na+ 及びCl- 等の共存イオンと共に化粧料に含
まれていることである。すなわち、化粧料は、Mg2+
びCa2+が、特定の共存イオンと共存することによって
皮膚の保湿性能及びバリヤ−機能の回復効果を発現す
る。
【0017】本発明の第二の特徴は、Mg2+及びCa2+
が、皮膚の保湿性能及びバリヤ−機能を回復させるの有
効な比率で化粧料に含まれていることである。Mg2+
Ca2+のモル比率は、例えば、0.05〜4.0、好ま
しくは0.2〜3.6、特に好ましくは0.5〜3.
0、であると、皮膚の保湿性能及びバリヤ−機能の回復
の効果が大きくなり、モル比率が0.5〜3.0(特に
好ましい範囲)であると本発明の効果が顕著になる。ま
た、Mg2+及びCa2+は、皮膚の保湿性能及びバリヤ−
機能の回復に有効な量で配合されるのが適している。M
2+及びCa2+は、合計量が、例えば、0.052〜
4.2モル/化粧料100リットル、好ましくは0.2
〜3.8モル/化粧料100リットル、特に好ましくは
0.5〜3.0モル/化粧料100リットル、である
と、本発明の効果の享受が容易である。
【0018】本発明の第三の特徴は、共存イオンとし
て、K+ 、Na+ 及びCl- が共存していれば、それ以
外のイオンが本発明の効果に寄与するならば共存可能で
あって、本発明の「少なくとも、K+ 、Na+ 及びCl
- と共存する」は、そのことを意味している。共存イオ
ンは、皮膚の保湿性能及びバリヤ−機能を回復させるの
に有効な量で含まれていることが望ましい。K+ 、Na
+ の共存イオンは、例えば、約0.05〜0.20モル
/Mg2+(1モル基準)で含まれていれば、皮膚の保湿
性能及びバリヤ−機能の回復に有効である。
【0019】K+ 、Na+ 及びCl- 以外の共存イオン
は、生態系に密接に関連する自然系に含まれるイオン
(例えば、海水、若しくは海水を原材料とする生産物若
しくはその生産物の副産物等に含まれるイオン)が適し
ている。例えば、にがりを化粧料に加えて、K+ 、Na
+ 及びCl-とそれ以外のイオンが共存することになっ
ても皮膚の保湿性能及びバリヤ−機能の回復が可能であ
ることが本発明で見いだされている。にがりは、海水若
しくはかん水を濃縮して食塩を晶出させた後の母液(残
液))である。
【0020】K+ 、Na+ 及びCl- 以外の共存イオン
としては、例えば、海水溶存イオンである、SO4 2-
CO3 2- 、Br- 、BO3 -及びF- 等が挙げられる。本
発明の化粧料は、第一〜第三の特徴を備えることによっ
て種々の具体的効果の享受が可能であって、例えば、イ
オン群の存在のみによって回復の効果を生じさせて、他
の保湿剤を含む場合には、それの保湿効果を引き出すこ
とが可能であって、化粧料の原材料の種類に制約を受け
ることなく回復の効果を生じさせること等が可能であ
る。
【0021】〈化粧料の調製〉化粧料は、本発明の第一
〜第三の特徴を備える限りにおいては、その調製方法に
おいて任意である。ただし、にがりを配合して本発明の
第一〜第三の特徴を備える化粧料に調製される場合に
は、皮膚の保湿性能及びバリヤ−機能の回復が大きい化
粧料が得られる。
【0022】にがりの組成は、製塩法(イオン交換膜
法、天日法、塩田法若しくは蒸発法)の相違、食塩晶出
時の温度、食塩晶出時の食塩濃度及び圧力その他の条件
によって変わってくる。表3及び表4は製塩法が相違す
るにがりの組成の一例を示している(「無機工業概論」
(株)培風館、1995発行、p38〜39及びその他
を参照)。なお、表3及び表4の数値の単位はg/10
0gである。また、イオン交換膜法によるにがりについ
てみれば、イオン交換膜の特性等によっても変わってく
る。
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】にがりは、量的主体のMg塩がMgCl2
であるので、MgCl2 /CaCl2 のモル比率を基準
にしてにがりを選択して、それを化粧料に配合すること
によって化粧料をして本発明の第一〜第三の特徴を備え
るものにすることが可能である。
【0026】にがりとしては、例えば、MgCl2 /C
aCl2 のモル比率が1.5〜3.0の範囲にあるもの
を使用すると、化粧料中のMg2+/Ca2+のモル比率の
調整が容易であって、必要な共存イオンを化粧料に含ま
せることが容易である。にがり(特に、MgCl2 /C
aCl2のモル比率が1.5〜3.0の範囲にあるにが
り)の添加により調製の化粧料は、皮膚の保湿性能及び
バリヤ−機能の回復の効果においても優れれている(後
記実施例を参照)。
【0027】にがりは、それの配合によって本発明の第
一〜第三の特徴を備える化粧料に調製可能であれば、に
がりの製造法に制約されることがない。ただし、にがり
は、共存イオンとしてSO4 2-を含まない場合には、皮
膚の保湿性能及びバリヤ−機能の回復が大きくなる傾向
がある。また、蒸発法のにがりを配合の化粧料が、本発
明による効果を容易かつ最大に享受可能になる。蒸発法
のにがりが、他の製造法のにがりと併用される場合も本
発明による効果の向上が得られる。
【0028】また、化粧料は、にがりと海水関連物質
(例えば、海水、海水濃縮液若しくはかん水)を併用し
て化粧料をして本発明の第一〜第三の特徴を備えるもの
にすることも可能である。
【0029】〈化粧料〉化粧料は、本発明の特徴として
挙げられるイオン群が溶存可能な形態(すなわち、水分
を含む形態)であることが必要である。化粧料は、代表
的には、水溶液であるが、イオン群が溶存可能であれ
ば、水溶液以外の形態(例えば、ジエル状)であること
ができる。
【0030】化粧料は、その用途において特に制約がな
く、基礎化粧料(例えば、洗顔料、化粧水、乳液、クリ
−ム、ジェル、美容液、パック及びひげそり用化粧料
等)、メ−キャップ化粧料(例えば、水系ファンデ−シ
ョン等)、毛髪化粧料(例えば、洗髪用化粧料、育毛
剤、毛髪仕上げ用化粧料、パ−マネントウエ−ブ用剤及
びヘア−ブリ−チ等)、芳香化粧料(例えば、女性用香
水、男性用香水、女性用コロン、男性用コロン等)、ボ
ディ化粧料(例えば、液体ボディ洗浄料、サンケア料、
ハンドケア料、防臭化粧料及び浴用剤等)及び特殊化粧
料(例えば、パック、男性用香水、男性用コロン等)等
であることが可能である。
【0031】本発明の化粧料は、原材料につい特に制約
を受けることなく本発明の効果を享受可能である。従っ
て、原材料として、例えば、(1)水、アルコ−ル及び
エ−テル等の水性基剤、(2)油脂、ロウ類、炭化水
素、高級脂肪酸(例えば、天然高級脂肪酸、合成高級脂
肪酸)、高級アルコ−ル、糖類、エステル類及びシリコ
−ン油等の油性材料、(3)アニオン界面活性剤、カチ
オン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤
及び高分子界面活性剤等の界面活性剤、(4)保湿剤
(例えば、前述の(i)〜(iv)のもの)、(5)増
粘剤及び皮膜剤等の高分子剤、(6)酸化防止剤、キレ
−ト剤、安定化剤及び金属イオン封止剤等の添加剤等が
用いられる。
【0032】更には、細胞賦活剤が化粧料に添加さてい
ても本発明の効果を生じさせることが可能であって、細
胞賦活剤と相乗的に作用させることも可能である。胞賦
活剤としては、例えば、1.ビタミンA、ビタミンE、コ
ラ−ゲン、エラスチン及びアラントイン等の直接的作用
物質、2.プラセンタエキス、牛乳タンパク質分解物、牛
脾臓抽出物、牛血液分解物、仔牛胸腺抽出物及び幼牛血
液の透析物等の動物抽出分解物、3.酵母エキス、乳酸菌
エキス、発酵乳抽出液等の有用微生物代謝物、4.和漢薬
に使用される植物エキス等がある。
【0033】なお、本発明においては、本発明と合目的
であって、本発明の効果を特に害さない限りにおいて
は、本発明の改変あるいは部分的な変更及び付加は任意
であっていずれも本発明の範囲である。次に本発明を実
施例に基づいて具体的に説明するが、実施例は例示であ
って本発明を拘束するものではない。
【0034】
【実施例】〈実施例1〉フェイスロ−ション 表5に示す基礎処方のフェイスロ−ション(基礎化粧
料)について、塩化マグネシウム6水和物(特級試薬:
関東化学(株)製)及び塩化カルシウム(特級試薬:関
東化学(株)製)の添加量を調整して、ロ−ション中の
MgCl2 /CaCl2 のモル比が相違する6種類のフ
ェイスロ−ション(表6の1a〜1f)を調製した。に
がり成分は、Mg2+及びCa2+の合計量が0.2〜3.
8モル/化粧料100リットルになるように添加した
(表5では所定量として表示)。表6は、フェイスロ−
ション1a〜1fに含まれるMgCl2 /CaCl2
モル比を示している。表7は、フェイスロ−ションの基
礎処方に使用したにがりの組成を示している。
【0035】
【表5】
【0036】
【表6】
【0037】
【表7】
【0038】フェイスロ−ション1a〜1fは、25名
のパネラ−による官能試験によって皮膚の保湿効果及び
角質層内のNMFと脂質分のバランスによる整肌効果が
評価された。官能試験は、パネラ−の個人差の影響を減
少させるために、25名の被験者を1グル−プとして、
複数グル−プの被験者について試験した。なお、25名
のパネラ−は、20〜30才の女性が12名で、30〜
50才の女性が13名であった。
【0039】官能試験は、人体の試験部位として比較的
安定化している前腕内側面表皮を試験対象部位として、
その部位のアセトン処理によって表皮脂質を除いて人為
的に肌荒れを生じさせて、一定量のフェイスロ−ション
1a〜1fをガ−ゼにより塗布してから約10時間経過
後に乾いたガ−ゼにより試験対象部位を拭き取った。そ
の後で試験対象部位の皮膚をル−ペ等を通じて視認し
て、かつ、手による接触感を認識した。
【0040】また、表5のにがり成分に代えて精製水を
増量した比較用フェイスロ−ション(にがり成分無含有
のフェイスロ−ション)を調製して、それについても、
フェイスロ−ション1a〜1fと同様の官能試験を行っ
た。
【0041】表8は、官能試験の結果を示している。表
8において、評価基準の「A−1」が、保湿効果及び整
肌効果の改善効果が非常に優れている、評価基準の「B
−1」が、保湿効果及び整肌効果の改善効果が認められ
る、評価基準の「C−1」が、保湿効果及び整肌効果に
ついて特に変化がない、評価基準の「D−1」が、保湿
効果及び整肌効果が認められずむしろ悪くなったことを
意味している。それらの評価基準は、被験者に対して、
フェイスロ−ション1a〜1fと比較用フェイスロ−シ
ョンを試験して、その結果の対比から感得された結果で
ある。なお、表8中の数字は、パネラ−の人数を示して
いる。
【0042】
【表8】
【0043】官能試験の結果からは、MgCl2 /Ca
Cl2 のモル比が、0.05から保湿効果及び整肌効果
の改善が認められて、1.0〜3.0の範囲では、保湿
効果及び整肌効果の改善が著しいことが明らかになっ
た。
【0044】また、動植物を対象とする自然的現象は、
その多くがいくつかの分布関数(例えば、Maxwel
l、Maxwell−Boltzmannの分布等)に
近似する状態になることが経験則的に知られている。従
って、モル比が3.0を越える領域でも、保湿効果及び
整肌効果の改善が顕著に認められることが明瞭である。
【0045】図1は、官能試験で得られた詳細デ−タを
示す線図である(横軸の一部が省略されている)。図1
の有効レベルは、官能試験において保湿効果及び整肌効
果の改善効果が明らかに認められる最小レベルの保湿性
能の回復率を示している。図1の斜線領域は、フェイス
ロ−ション1a〜1fにより得られた保湿性能の回復率
を示している。
【0046】〈実施例2〉ボディロ−ション 表9の基礎処方からなるボディロ−ション(ボディ化粧
品)を実施例1と同様にして6種類(表10の2a〜2
f)を調製した。表9のにがり成分の所定量も、Mg2+
及びCa2+の合計量が0.2〜3.8モル/化粧料10
0リットルになるようにした。ボディロ−ションに含ま
れるMgCl2 /CaCl2 のモル比は、ボディロ−シ
ョン2a、2b、2c、2d、2e及び2fのモル比
が、実施例1の同じアルファベット記号のフェイスロ−
ション(表6を参照)のモル比と同一である(例えば、
ボディロ−ション2aと実施例1のフェイスロ−ション
1aのモル比が同一である)。
【0047】また、表9のにがり成分に代えて精製水を
増量した比較用ボディ化粧品(にがり成分無含有のボデ
ィ化粧品)を調製しておいた。ボディ化粧品2a〜2f
及び比較用ボディ化粧品についても実施例1と同様の同
様の官能試験を行った。表10は、ボディ化粧品2a〜
2fの官能試験の結果を示している。
【0048】
【表9】
【0049】
【表10】
【0050】ボディ化粧品の官能試験の結果からは、M
gCl2 /CaCl2 のモル比が0.05から保湿効果
及び整肌効果の改善が認められて、モル比が2.0〜
3.0の領域では、保湿効果及び整肌効果の改善が著し
いことが認めらた。また、モル比が3.0を越える領域
でも、実施例1と同様の理由から保湿効果及び整肌効果
の改善がが認められることが明瞭である。
【0051】図2は、官能試験の結果を示す線図である
(横軸の一部が省略されている)。なお、図2の有効レ
ベルは、図1と同様であって、斜線領域がフェイスロ−
ション1a〜1fにより得られた保湿性能の回復率を示
している。
【0052】〈実施例3〉水性ファンデ−ション 表11の基礎処方からなる水性ファンデ−ションを調製
した。それを実施例1と同様に官能試験を行ったが、そ
の試験結果は、実施例1とほぼ同様であった。
【0053】
【表11】
【0054】〈比較例1〉表5の処方からにがり成分を
除いたロ−ションにMg2+及びCa2+を添加して、K
+ 、Na+ 及びCl- が共存しないフェイスロ−ション
を調製して、それについても実施例1と同様の官能試験
を行った。その結果を線図にしたのが図3でである。図
3において、上側の斜線領域30が実施例1の結果の一
部を示していて、下側の斜線領域31が比較例1の結果
を示している。
【0055】
【発明の効果】本発明の化粧料によれば、下記(a)〜
(e)に代表される種々の効果が得られる。 (a)本発明の化粧料の使用によって、皮膚の保湿性能
及びバリヤ−機能の回復効果が大きくなって、かつ、そ
れらの回復速度も早くなる。 (b)本発明の化粧料は、にがりの使用等によって容易
に調製可能である。 (c)使用される原材料に制約されることなく、化粧料
が皮膚の保湿性能及びバリヤ−機能の回復性能を有する
ことになる。 (d)他の保湿剤との併用使用が可能であって、他の保
湿剤と相乗的に皮膚の保湿性能及びバリヤ−機能を回復
させることも可能にする。 (e)本発明の第一〜第三の特徴は、微調整が容易であ
るとこから、皮膚の荒れ等に応じて保湿性能及びバリヤ
−機能を最適に回復させる化粧料に調製することが容易
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の官能試験の結果を示す線図である。
【図2】実施例2の官能試験の結果を示す線図であ
る。。
【図3】実施例1と比較例1との対比を示す線図であ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 7/48 A61K 7/48 Fターム(参考) 4C083 AB232 AB332 AB342 AB432 AC022 AC102 AC122 AC132 AC302 AC482 AC612 AC682 AC842 AD042 AD212 CC02 CC03 CC04 CC11 CC12 CC31 DD23 DD27 EE12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Mg2+及びCa2+が、少なくとも、K+
    Na+ 及びCl- と共存として含まれて、かつ、Mg2+
    及びCa2+が皮膚の保湿性能の回復に有効な比率で含ま
    れていること、を特徴とする化粧料。
  2. 【請求項2】Mg2+及びCa2+が、モル比率(Mg2+
    Ca2+として計算)0.05〜4.00で含まれている
    ことを、を特徴とする請求項1に記載の化粧料。
  3. 【請求項3】Mg2+及びCa2+が、5.0〜25.5モ
    ル/100リットル(化粧料基準)の合計量で含まれて
    いること、を特徴とする請求項1若しくは2に記載の化
    粧料。
  4. 【請求項4】MgCl2 及びCaCl2 をモル比率(M
    gCl2 /CaCl2 として計算)1.0〜3.8で含
    むにがりが、配合されて、Mg2+及びCa2+と、少なく
    とも、K+ 、Na+ 及びCl- とを含む化粧料に調製さ
    れていること、を特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載の化粧料。
  5. 【請求項5】化粧料が、基礎化粧料、メ−キャップ化粧
    料、毛髪化粧料、毛髪仕上げ用化粧料、芳香化粧料若し
    くはボディ化粧料であること、を特徴とする請求項1〜
    4のいずれかに記載の化粧料。
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