JP2004051596A - 表皮トランスグルタミナーゼ生合成促進剤及び活性促進剤 - Google Patents

表皮トランスグルタミナーゼ生合成促進剤及び活性促進剤 Download PDF

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Kosuke Torii
鳥居 宏右
Akira Hatani
葉谷 彰
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Abstract

【課題】表皮におけるトランスグルタミナーゼの生合成及び活性を促進することにより、表皮角質細胞を正常化し、乾燥肌やアトピー性皮膚炎症状の軽減、及び肌荒れの改善に有効な、表皮トランスグルタミナーゼ生合成及び活性促進剤及び、これを含有して成る皮膚外用剤を提供する。
【解決手段】ニガリ若しくはその構成成分である塩化カルシウムを有効成分とする、表皮トランスグルタミナーゼ生合成及び活性促進剤。また、ニガリ若しくはその構成成分である塩化カルシウムを配合することにより、表皮角質細胞を正常化し、乾燥肌やアトピー性皮膚炎症状の軽減し、肌荒れの改善に有効な皮膚外用剤が得られた。
【選択図】     なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表皮におけるトランスグルタミナーゼの生合成及び活性を促進することにより、表皮角質細胞を正常化し、乾燥肌やアトピー性皮膚炎症状の軽減、及び肌荒れの改善に有効な、表皮トランスグルタミナーゼ生合成促進剤,活性促進剤、及びこれを含有して成る皮膚外用剤に関する。さらに詳しくは、ニガリ若しくはその構成成分である塩化カルシウムを有効成分とする、表皮トランスグルタミナーゼ生合成促進剤,活性促進剤、及びこれを含有して成る皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
皮膚は、外部刺激を緩和し、水分等の体内成分の逸失を制御する働きをしており、その最前線にあたるのが、表皮である。表皮は、基底層,有棘層,顆粒層及び角質層から構成されている。基底層で分裂,増殖した細胞は、有棘層、顆粒層を通過しながら分化し、強固な架橋結合をもったケラチン蛋白線維で構成された角質層になり、最終的には落屑する、というターンオーバーを繰り返している。
【0003】
特に、顆粒層では、細胞膜が肥厚して肥厚細胞膜を形成すると共に、トランスグルタミナーゼの作用により、蛋白分子間がグルタミル−リジン架橋され、強靭なケラチン蛋白線維が形成される。さらに、その一部にセラミド等が共有結合し、疎水的な構造をとることで、細胞間脂質のラメラ構造の土台を供給し、角質バリアー機能の基礎を形成する。
【0004】
このような、表皮のターンオーバーのサイクルは、正常な皮膚では約4週間と言われており、一般に年齢と共に衰えて長くなる傾向にはある。しかし、一方では、年齢に関係なく、擦る,掻く等の外部からの軽度な反復刺激によっても、さらには住環境の高温高湿化によるダニの多発、食生活の変化による食品添加物の過剰摂取、窒素酸化物等による大気汚染等の要因による反復刺激によっても、角化機能が亢進され、角質層が肥厚する場合も多い。この現象は、表皮の防御機能の現れではあるが、肥厚化が早すぎると角質層バリアー機能の基礎となるグルタミル−リジン架橋が十分に行われないため、角質層組織が粗膨化し、かえって感作性物質や有害微生物の侵入を許す結果となる。掻痒を伴う乾皮症やアトピー性皮膚炎は、表皮組織でこのような悪循環を繰り返していると言える。
【0005】
このような問題を解決するために、対症療法的に皮膚の乾燥を防ぎ、保湿機能を高める目的で、水溶性ポリマー,多価アルコール類,ヒアルロン酸等のムコ多糖類等の保湿剤、セラミドなどのラメラ構造を形成する油脂類等を配合した外用剤が市販されている。しかしながら、これらの保湿剤の効果は、一時的なもので、肌状態の根本的な解決にならないことが多く、またセラミドのみの利用では効果が不十分なことが報告されている。
【0006】
また、トランスグルタミナーゼの活性を促進する効果を有する成分の皮膚外用剤への配合も試みられており、エピダーマルトランスグルタミナーゼの活性促進効果を有するパントテインスルホン酸カルシウム,パントテン酸カルシウム,グルコン酸カルシウム及びグリセロリン酸カルシウムよりなる群から選ばれる1種以上を含有する皮膚外用剤についても、開示されている(特開平11−100320)が、さらなるトランスグルタミナーゼ活性促進成分の開発が求められてきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明においては、表皮におけるトランスグルタミナーゼの生合成及び活性を促進することにより、表皮角質細胞を正常化し、乾燥肌やアトピー性皮膚炎症状の軽減、及び肌荒れの改善に有効な、表皮トランスグルタミナーゼ生合成及び活性促進剤及び、これを含有して成る皮膚外用剤を得ることを目的とした。
【0008】
【課題を解決するための手段】
先に述べた課題を解決するべく種々検討したところ、本発明者らは、ニガリ若しくはその構成成分である塩化カルシウムが、高い表皮トランスグルタミナーゼ生合成及び活性を促進すること、及びかかる成分を含有する皮膚外用剤が、表皮におけるトランスグルタミナーゼの生合成及び活性を促進することにより、表皮角質細胞を正常化し、乾燥肌やアトピー性皮膚炎症状の軽減し、肌荒れの改善に有効であることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を説明する。
【0010】
本発明のトランスグルタミナーゼ賦活剤は、ニガリ若しくはその構成成分である塩化カルシウムを有効成分とする。ニガリは、海水から食塩を製造するにあたり食塩を晶出させた後の液若しくはその乾燥物である。ニガリの組成は、製塩法(イオン交換膜法、天日法、塩田法若しくは蒸発法)の相違、食塩晶出時の温度、食塩晶出時の食塩濃度及び圧力その他の条件によって変わってくる。表1に製塩法が相違するニガリの組成の一例を示す(「無機工業概論」(株)培風館、1995発行、p38〜39及びその他を参照)。なお、表1の数値の単位はg/100gである。また、イオン交換膜法によるニガリについてみれば、イオン交換膜の特性等によっても変わってくる。本発明においては、トランスグルタミナーゼ賦活効果の点から、イオン交換膜法若しくは蒸発法により調製したニガリを用いることが好ましい。
【0011】
【表1】
Figure 2004051596
【0012】
なお、ニガリを皮膚外用剤に配合する試みは古くから成されており、最近では、ニガリを有効成分として含有する養毛剤(特開平11−1414)、マグネシウムイオンとカルシウムイオンを特定の比率で含有する化粧料の皮膚の保護能,バリヤ機能回復効果(特開2002−47119)といった特定の効果に関する発明や、尿素,グリセリン,ミョウバンと併用した皮膚用保湿,保護剤(特開2000−109421)、魚皮エラスチンと併用した保湿及び皮膚保護効果に優れた皮膚外用剤(特開2001−39826)、フィトンチッド,キトサンと併用した皮膚状態改善作用を有する組成物(特開2001−131018)等が開示されている。
【0013】
しかしながら、ニガリ若しくはその構成成分である塩化カルシウムが表皮トランスグルタミナーゼの生合成及びその活性を促進することは、これまで知られていなかった。
【0014】
本発明において、皮膚外用剤へのニガリ若しくはその構成成分である塩化カルシウムの配合量は、皮膚外用剤の種類や目的等によって調整することができるが、好適な配合量は、細胞賦活剤全量に対して、0.0001〜10重量%である。
【0015】
本発明に係る皮膚外用剤は、ローション剤,乳剤,ゲル剤,クリーム剤,軟膏剤,粉末剤,顆粒剤等、種々の剤型で提供することができる。
【0016】
なお、本発明に係る皮膚外用剤には、ニガリ及びその構成成分である塩化カルシウムの他に、油性成分,界面活性剤,保湿剤,顔料,紫外線吸収剤,抗酸化剤,香料,防菌防黴剤等の一般的な医薬品及び化粧料用原料や、生理活性成分を含有させることができる。
【0017】
【実施例】
まず、ニガリ及びその構成成分である塩化カルシウムの表皮トランスグルタミナーゼ生合成及び活性促進作用を示す。
【0018】
[トランスグルタミナーゼ生合成促進作用]
正常ヒト表皮角化細胞を1ウェル当たり2.0×10個となるように96穴マイクロプレートに播種した。播種培地には、市販のクラボウ社製Humedia−KG2を用いた。37℃で24時間培養後、牛胎仔血清等を添加した分化誘導培地に交換し、ニガリ,塩化カルシウムを所定の濃度添加し、さらに37℃で24時間培養した。その際、ニガリ,塩化カルシウムを添加せずに培養したサンプルをブランクとした。培養した細胞を掻き取り、8Mの尿素,0.1mMのジチオスレイトール,2mMのエチレンジアミン三ナトリウムを添加したトリス塩酸緩衝液(pH7.5)を加えて、超音波処理を施してタンパク質を分散させて、粗酵素画分とした。粗酵素画分のタンパク質量は、ビオチンコニネート法(BCA法)を用いて定量した。タンパク質量が10μgになるように粗酵素画分を分取し、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分離し、さらにグリシン含有20容量%エタノール水溶液(pH10.0)雰囲気下で、0.2μmのポリフッ化ビニリデン膜に転写した。0.1重量%モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.),1容量%牛胎仔血清を含有する100mM,トリス塩酸、150mM,塩化ナトリウム緩衝液(以下TBSTと略す)(pH7.5)を用いて室温で90分ブロッキングを行った。抗ヒト表皮トランスグルタミナーゼ1,マウスIgG2aモノクローナル抗体を添加した0.5容量%牛胎仔血清含有TBSTにて、37℃で90分間反応させ、さらにTBSTにて3回ゲルを洗浄した。次いで、ホースラディッシュペルオキシダーゼ標識ラット抗マウスIgG1モノクローナル抗体を添加した0.5容量%牛胎仔血清含有TBSTにて、室温で60分間反応させ、さらにTBSTにて3回ゲルを洗浄した。0.3mg/mL2,2’−アジノビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸)ジアンモニウム塩,0.003容量%過酸化水素含有リン酸−クエン酸緩衝液(pH4.0)にて37℃30分間反応させた後、405nmの吸光度を測定することにより定量した。結果をニガリ若しくは塩化カルシウムを無添加の場合のトランスグルタミナーゼ蛋白質量を100とした場合の相対値で表2に示した。
【0019】
【表2】
Figure 2004051596
【0020】
表2に示した、ニガリ若しくは塩化カルシウムを添加して表皮角化細胞を培養することにより、トランスグルタミナーゼ生合成が有意に活性化された。
【0021】
[トランスグルタミナーゼ活性促進作用]
正常ヒト表皮角化細胞を1ウェル当たり2.0×10個となるように96穴マイクロプレートに播種した。播種培地には、市販のクラボウ社製Humedia−KG2を用いた。37℃で24時間培養後、ニガリ若しくは塩化カルシウムを所定の濃度添加し、さらに37℃で24時間培養した。その際、ニガリ,塩化カルシウムを添加せずに培養したサンプルをブランクとした。2mM5ー(ビオチンアミド)ペンチルアミンを添加して37℃で1時間培養することによりラベリングし、200μLのPBSTにて3回洗浄した。冷メタノールを添加し2分後に200μLのPBSTにて洗浄することにより細胞を固定した。次いで5容量%牛胎仔血清含有PBSTを添加して37℃で2時間培養した後PBSTで洗浄することによりブロッキングを行った。ホースラディッシュペルオキシダーゼ標識ストレプトアビジンを添加した、0.3牛胎仔血清含有PBST溶液にて室温で1時間反応させた後、PBSTにて3回洗浄した。0.3mg/mL2,2’−アジノビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸)ジアンモニウム塩,0.003容量%過酸化水素含有リン酸−クエン酸緩衝液(pH4.0)にて37℃で30分間反応させた後、405nmの吸光度を測定することにより定量した。結果をニガリ若しくは塩化カルシウムを無添加の場合のトランスグルタミナーゼ活性を100とした場合の相対値で表3に示した。
【0022】
【表3】
Figure 2004051596
【0023】
表3に示したとおり、ニガリ若しくは塩化カルシウムを添加して表皮角化細胞を培養することにより、トランスグルタミナーゼ活性が有意に上昇した。
【0024】
続いて、本発明に係る皮膚外用剤についての実施例の処方を示す。
【0025】
[実施例1]乳剤
(1)ベヘニルアルコール                1.00(重量%)
(2)モノステアリン酸ソルビタン            3.00
(3)ポリオキシエチレン(20EO)モノステアリン酸ソルビタン2.00
(4)流動パラフィン                 10.00
(5)1,2−ペンタンジオール               5.00
(6)ニガリ                      0.50
(7)ヒドロキシエチルセルロース            0.20
(8)精製水                     78.30
製法:(1)〜(4)の油相及び(5)〜(8)の水相をそれぞれ均一に溶解して70℃に加熱する。水相を油相に添加してホモミキサーで乳化後、冷却する。
【0026】
[実施例2]乳液
(1)セチルアルコール                 0.50(重量%)
(2)モノステアリン酸ソルビタン            3.00
(3)ポリオキシエチレン(20EO)モノステアリン酸ソルビタン2.00
(4)イソステアリン酸セチル             25.00
(5)1,2−ペンタンジオール               8.00
(6)塩化カルシウム                  0.50
(7)精製水                     61.00
製法:(1)〜(4)の油相及び(5)〜(7)の水相をそれぞれ均一に溶解して70℃に加熱する。油相を水相に添加してホモミキサーで乳化後、冷却する。
【0027】
[実施例3]エモリエントクリーム
(1)セタノール                    1.00(重量%)
(2)ミツロウ                     5.00
(3)ポリオキシエチレン(20EO)モノステアリン酸ソルビタン2.00
(4)モノステアリン酸ソルビタン            3.00
(5)スクワラン                   20.00
(6)1,2−ペンタンジオール               8.00
(7)キサンタンガム                  0.20
(8)塩化カルシウム                  0.50
(9)精製水                     60.30
製法:(1)〜(5)の油相及び(6)〜(9)の水相をそれぞれ均一に溶解して70℃に加熱する。油相を水相に添加してホモミキサーで乳化後、冷却する。
【0028】
[実施例4]乳液状ファンデーション
(1)精製水                     53.90(重量%)
(2)1,2−ペンタンジオール               5.00
(3)ヒドロキシプロピルセルロース           0.10
(4)ニガリ                      0.50
(5)酸化チタン                   10.00
(6)タルク                      3.50
(7)黄酸化鉄                     1.30
(8)ベンガラ                     0.50
(9)黒酸化鉄                     0.20
(10)ポリオキシエチレン(15EO)モノステアリン酸グリセリル3.50
(11)モノステアリン酸グリセリル            1.50
(12)オクタン酸グリセリル              20.00
製法:(1)〜(9)の成分を混合し、80℃に加熱してホモミキサーで予備分散させる。(10)〜(12)の成分を80℃に加熱して添加して乳化後、冷却する。
【0029】
[実施例5] 皮膚用ローション
(1)エタノール                    10.0(重量%)
(2)ヒドロキシエチルセルロース             1.0
(3)塩化カルシウム                   0.5
(4)パラオキシ安息香酸メチル              0.1
(5)グリセリン                    10.0
(6)1,3−ブチレングリコール              10.0
(7)精製水                      68.4
製法:(1)〜(7)を混合し、均一とする。
【0030】
[実施例6] 油中水乳化型エモリエントクリーム
(1)流動パラフィン                  30.0(重量%)
(2)マイクロクリスタリンワックス            2.0
(3)ワセリン                      5.0
(4)ジグリセリンオレイン酸エステル           5.0
(5)L−グルタミン酸ナトリウム              1.6
(6)L−セリン                      0.4
(7)プロピレングリコール                3.0
(8)1,3−ブチレングリコール               5.0
(9)パラオキシ安息香酸メチル              0.1
(10)ニガリ                       3.0
(11)精製水                      44.8
(12)香料                        0.1
製法:(5),(6)を(11)の一部に溶解して50℃とし、50℃に加熱した(4)に撹拌しながら徐々に添加する。これをあらかじめ混合し、70℃に加熱溶解した(1)〜(3)に均質に分散し、これに(7)〜(10)を(11)の残部に溶解して70℃に加熱したものを撹拌しながら添加し、ホモミキサーにて乳化する。冷却後、40℃にて(12)の成分を添加,混合する。
【0031】
[実施例7] ヘアートニック
(1)エタノール                    50.0(重量%)
(2)精製水                      49.0
(3)塩化カルシウム                   0.9
(4)香料                        0.1
製法:(1)〜(4)の成分を混合,均一化する。
【0032】
[実施例8] クレンジングジェル
(1)精製水                       4.9(重量%)
(2)アシルメチルタウリン                5.0
(3)ソルビトール                   10.0
(4)ポリエチレングリコール(平均分子量400)      5.0
(5)塩化カルシウム                   3.0
(6)流動パラフィン                  12.0
(7)グリセロールトリ−2−エチルヘキサン酸エステル    50.0
(8)ポリオキシエチレン(10EO)オクチルドデシルエーテル 10.0
(9)香料                        0.1
製法:(1)〜(3)の水相成分、(4)〜(8)の油相成分をそれぞれ70℃に加熱溶解する。油相成分に水相成分を添加してホモミキサーで均質に乳化した後。冷却を行い、40℃で(9)の成分を添加して、混合する。
【0033】
[実施例9] 保湿ジェル
(1)精製水                      00.0(重量%)
(2)カルボキシビニルポリマー              0.4
(3)メチルセルロース                  0.2
(4)ポリエチレングリコール(平均分子量1500)     8.0
(5)ニガリ                       0.5
(6)ジプロピレングリコール               7.0
(7)ポリオキシエチレン(15EO)オレイルエーテル      1.0
(8)パラオキシ安息香酸メチル              0.1
(9)香料                        0.1
(10)水酸化カリウム(10重量%水溶液)          1.0
製法:(1)〜(5)の水相成分、及び(6)〜(9)の多価アルコール相成分をそれぞれ均一に溶解する。水相成分に多価アルコール相成分を添加して、混合,均一化した後、(10)を添加して中和し、十分に撹拌する。
【0034】
本発明の実施例1〜実施例9について使用試験を行った。同時に実施例1〜実施例9に配合しているニガリ,若しくは塩化カルシウムを精製水に代替した皮膚外用剤を調製し、比較例1〜比較例9として、同様に使用試験を行った。
【0035】
使用試験は、20才〜50才の乾燥肌若しくはアトピー性皮膚炎症状を呈する女性パネラー20名を一群として、ブラインドにて、1日1回2ヶ月間、実施例若しくは比較例を使用させた。評価は、使用試験前後の角質層の状態評価、及び乾燥肌,アトピー性皮膚炎症状、肌荒れの改善状況の聞き取り調査により行った。なお、角質層の状態は次に示す方法により評価した。聞き取り調査は、「改善した〜どちらかといえば改善した」若しくは「変化無し〜悪化した」の2段階で聞き取りを行い、「改善した〜どちらかといえば改善した」と評価したパネラーの数にて結果を示した。
【0036】
[角質層の状態評価]
洗顔後の油分の少ない状態で、市販のセロファンテープを被験者の頬に貼り付け、しばらく抑えた後、これを剥がし、予め固着剤を塗布したスライドガラスに貼り付ける。次いで、このスライドガラスを1時間キシレンに浸漬し、テープを静かに剥がした後再度、キシレンに1時間浸漬する。その後、スライドガラスを取り出し、風乾させた後、10分間1%ゲンチアナバイオレットB水溶液に浸漬する。次いでスライドガラスを取り出し、水洗,乾燥後バルサム封入して角質層標本を得る。得られた角質層標本を顕微鏡を用いて目視で観察し、角質細胞の形状,剥離密度,有核細胞数について、それぞれ表3〜表5に示した基準にてスコア化した。また、角質の剥離多重度については、得られた角質層の画像をコンピュータに取り込み、画像解析ソフトを用いて、以下のようにスコア化した。使用試験前後のスコアを比較し、スコアが1.5以上パネラーの数にて、結果を示した。なお、実施例7は使用部位が頭皮であるため、角質層の状態評価は行わなかった。
【0037】
[角質の剥離多重度]
画像として取り込んだ角質細胞の占める部分の面積S、及びn枚の角層の重なっている部分の面積Snを、画像解析ソフトを用いて求める。この値により下記式(1)を用いて角質剥離多重度を算出し、得られた角質剥離多重度の値を表6に示す基準でスコア化した。
角質剥離多重度=Σn・Sn/s   (1)
【0038】
【表4】
Figure 2004051596
【0039】
【表5】
Figure 2004051596
【0040】
【表6】
Figure 2004051596
【0041】
【表7】
Figure 2004051596
【0042】
【表8】
Figure 2004051596
【0043】
表8に示したとおり、本発明の実施例は、ニガリ若しくは塩化カルシウムを含有していない比較例に比べ、高い、表皮角質細胞を正常化効果、乾燥肌やアトピー性皮膚炎症状の軽減、肌荒れの改善効果を示した。
【0044】
【発明の効果】
以上詳述したように、表皮におけるトランスグルタミナーゼの生合成及び活性を促進することにより、表皮角質細胞を正常化し、乾燥肌やアトピー性皮膚炎症状の軽減、及び肌荒れの改善に有効な、表皮トランスグルタミナーゼ生合成促進剤,活性促進剤、及びこれを含有して成る皮膚外用剤を得ることができた。

Claims (3)

  1. ニガリ若しくはその構成成分である塩化カルシウムを有効成分とする、表皮トランスグルタミナーゼ生合成促進剤。
  2. ニガリ若しくはその構成成分である塩化カルシウムを有効成分とする、表皮トランスグルタミナーゼ活性促進剤。
  3. ニガリ若しくはその構成成分である塩化カルシウムを、トランスグルタミナーゼ生合成促進剤若しくは活性促進剤として含有する、皮膚外用剤。
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