JPH0954225A - 多心光コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ＭＴコネクタやＭＰＯコネクタ等の多心光コ
ネクタのフェルールはエポキシ樹脂等の成形により製造
されるが、成形後のフェルール本体１０に左右方向の反
り（窓１２のある方が凸になる）ができることがある。
反りができると、低損失接続ができなくなる。この課題
を解決する。 【解決手段】 フェルール本体１０の下面１０２に、窓
１２とほぼ同じ大きさの凹部３０を設ける。あるいは下
面１０２に、窓１２とほぼ同じ大きさの硬質部材４０を
埋め込んでもよい。これにより、反りは無くなる。 【効果】

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、ＭＴコネクタや
接続面を斜め研磨してファイバを多少突出させたＭＰＯ
コネクタ等の多心光コネクタに関し、特にそのフェルー
ルの部分に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】以下、主としてＭＴコネクタの場合に付
いて説明する。図３にフェルールの一例を示す。（ａ）
は斜視図で、そのＢ，Ｃ断面をそれぞれ（ｂ）（ｃ）に
示す。１０はフェルールの本体、１２は窓（接着剤注入
用）で、上面１００に開口し心線挿入穴１４に通ずる
（窓１２から見られるフェルール本体の内部には、ファ
イバのガイド溝などが形成されているが、これらの説明
は省略する）。１６は光ファイバ挿入穴、１８は位置決
め用のガイドピンが挿入去るガイドピン穴である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】フェルール本体１０は
熱硬化型プラスチック、たとえばエポキシ樹脂等の成形
により製造される。製造したフェルール本体１０のＢ断
面は、図３（ｂ）のようになるべきであるが、それが、
図４のように、左右方向に反る（窓１２のある方が凸）
ことがあり、問題になっている。

【０００４】フェルール本体１０が左右方向に反ると、
ガイドピン穴１８の中心を基準とする光ファイバ挿入穴
１６の位置に狂いが生じ、このようなフェルールを用い
ると、接続損失が大きくなる。

【０００５】上記のような反りの生ずるのは、窓１２が
原因と考えられる。すなわち、図３（ｂ）のように、上
下の中心を通る仮想面２０の上側と下側の樹脂量を比べ
ると、上側は窓１２の分だけ少なく、下側の方が多い。
そのため、成形の最終段階の硬化時で樹脂が収縮すると
き、下側の収縮量が大きく、その結果上側に凸になるよ
うに反るという訳である。なお、左右方向のみならず、
長手方向（光ファイバ方向）の反りも多少存在すること
は言うまでもない。

【０００６】

【課題を解決するための手段】図１に例示するように、
フェルール本体１０の下面１０２に、凹部を設ける、好
ましくは窓１２とほぼ同じ大きさあるいは容積の凹部３
０を設け、光ファイバ本体１０の全体としての樹脂量を
上下でバランスさせる。

【０００７】あるいは図２に例示するように、フェルー
ル本体１０の下面１０２に、硬質部材４０を埋め込む、
好ましくは窓１２とほぼ同じ大きさあるいは容積の硬質
部材４０を埋め込む。

【０００８】

【発明の実施の態様】図１の凹部３０の形状は、角穴、
丸穴、その他何でもよい。要は、仮想面２０の上側と下
側の樹脂量が、平均した場合に、実質的にほぼ同じにな
ればよい。また凹部３０は、仮想面２０について窓１２
と対称になる位置に設ける。

【０００９】このようにすると、仮想面２０の上側と下
側で、収縮条件が同じになるため、反りが無くなる。

【００１０】図２の硬質部材４０には、体積変化率の少
ない材質、たとえばフェルール本体１０と同じ材料（エ
ポキシ樹脂等）あるいは同程度の線膨張係数を持つ材料
で、窓１２と同寸法に予め成形した板状の物を用いる。
フェルール本体１０と同じ材料の場合には、既に熱硬化
した部材とする。硬質部材４０は成形時の熱で溶融する
ものであってはならない。硬質部材４０は、仮想面２０
について窓１２の対称位置に埋設する。

【００１１】硬質部材４０は、金型内に予め配置してお
くインサート成形により、フェルール本体１０内に埋設
する。

【００１２】［硬質部材４０の作用］硬質部材４０の膨
張係数がフェルール本体１０よりも少とすると、フェル
ール本体１０は硬質部材４０と関わりなく収縮するが、
硬質部材４０は収縮しないか、例え収縮しても僅かであ
るから、フェルール本体１０の反りは、硬質部材４０の
存在によって抑制される。

【００１３】以上は全てＭＴコネクタに付いて説明して
きたが、ＭＰＯコネクタについても、同様に適用するこ
とができる。

【００１４】凹部３０は、１個の凹部ではなく、複数個
の凹部であっても良い。同様に、硬質部材は、１個では
なく複数個に分割して埋め込まれても良い。

【００１５】

【発明の効果】左右方向の反りが無いので、ガイドピン
穴１８の中心を基準とする光ファイバ挿入穴１６の位置
に狂いが無く、低損失の接続が可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１の説明図。

【図２】本発明の実施例２の説明図。

【図３】従来技術の説明図。

【図４】発明の解決する課題の説明図。

【符号の説明】

１０ フェルール本体 １００ 上面 １０２ 下面 １２ 窓 １４ 心線挿入穴 １６ 光ファイバ挿入穴 １８ ガイドピン穴 ２０ 仮想面 ３０ 凹部 ４０ 硬質部材

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 本体の上面に開口する窓を有するフェル
   ールにおいて、前記本体の下面に凹部が設けられてお
   り、当該凹部の存在により前記フェルール本体の左右方
   向の反りが防止されていることを特徴とする、多心光コ
   ネクタ。
2. 【請求項２】 本体の上面に開口する窓を有するフェル
   ールにおいて、前記本体の下面に硬質部材が埋め込まれ
   ており、当該硬質部材の存在により前記フェルール本体
   の左右方向の反りが防止されていることを特徴とする、
   多心光コネクタ。