JP2000171667A - 光コネクタフェルール成形用金型及び光コネクタフェルール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ファイバ孔成形ピンの近傍では上金型から下
金型への流れが起こり難い構造の金型とし、その金型で
成形した光コネクタフェルールのファイバ孔及びガイド
ピン孔の整列性を良くする。 【解決手段】 互いに平行にして固定した複数本のファ
イバ孔成形ピン１とその両側に該ファイバ孔成形ピン１
と平行にして固定した２本のガイドピン孔成形ピン３と
を備えた中子５と、該中子５を挟んでその両側に配置さ
れた上金型７及び下金型６とからなり、該上金型７又は
下金型６のいずれか一方に接着剤注入孔成形用突起部８
を設けた光コネクタフェルール成形用金型であって、前
記接着剤注入孔成形用突起部８が設けられていない側の
上金型７又は下金型６のキャビテイ１４の内壁面におけ
る前記ファイバ孔成形ピン１の先端付近に樹脂流阻止用
突起部９を固定して設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、光コネクタフェル
ール成形用金型及びそれによって成形された光コネクタ
フェルールに関する。

【０００２】

【従来の技術】図５は、広く使用されている４心の光フ
ァイバ心線に取付けて使用される光コネクタフェルール
の一例を示す図で、図５（Ａ）は光コネクタフェルール
の斜視図、図５（Ｂ）はＭ方向断面図、図５（Ｃ）はＮ
方向断面図である。図５において、１８は光コネクタフ
ェルール、１９はファイバ孔、２０はガイドピン孔、２
１は接着剤注入孔、２２は光ファイバ心線挿入部、２３
は鍔部である。

【０００３】テープ状の４心の光ファイバ心線の端末に
おいて被覆を除去して露出させたガラスファイバ及び光
ファイバ心線の被覆部の一部を光コネクタフェルール１
８の光ファイバ心線挿入部２２からファイバ孔１９に挿
入し、接着剤注入孔２１から接着剤を注入して固定し、
光コネクタフェルール１８の先端面とガラスファイバの
先端面を揃えて研磨する。なお、ファイバ孔１９は、ガ
ラスファイバの挿入を容易にするため、光ファイバ心線
挿入部２２に近い側の一部の内径が先端部よりも大きく
なっている。

【０００４】そして、同じく光ファイバ心線に取付けて
用意した別の光コネクタフェルールと先端面を対向さ
せ、２つのガイドピン孔に挿入したガイドピンによって
対向する２つの光コネクタフェルールの位置合わせをし
ながら、突き合わせてガラスファイバ同志を結合させ
る。

【０００５】この光コネクタフェルールではガイドピン
で位置決めするので、ガラスファイバの先端面同志が正
確に光軸を一致させて対向するためには、ガイドピン孔
２０とファイバ孔１９との相対位置の正確さが要求さ
れ、ファイバ孔及びガイドピン孔の整列性が極めて重要
である。なお、鍔部２３は光コネクタフェルールを外側
から覆うハウジング等へ収容する時に使用するものであ
って、本発明においては必須のものではなく、鍔部が無
い場合もある。

【０００６】この光コネクタフェルールは、主としてエ
ポキシ樹脂等の合成樹脂によって成形された樹脂製のも
のが使用されている。従来は熱硬化性樹脂を使うトラン
スファー成形が多かったが、最近は生産性の向上等を目
指して熱可塑性樹脂を使って射出成形して製造すること
も行われている。

【０００７】図６は、図５に示す形態の光コネクタフェ
ルールの成形に使用する金型の一例を示す図であって、
図６（Ａ）は上金型の斜視図、図６（Ｂ）は下金型の斜
視図、図６（Ｃ）は中子の斜視図である。図６におい
て、１はファイバ孔成形ピン、１ａは太径部、２は光フ
ァイバ心線挿入部成形用部材、３はガイドピン孔成形ピ
ン、４は中子基体、５は中子、６は下金型、７は上金
型、８は接着剤注入孔成形用突起部、１３は成形樹脂用
ゲート、１４はキャビテイ、１５はガイドピン孔成形ピ
ン用Ｖ溝、１５ａは角溝、１６はファイバ孔成形ピン用
Ｖ溝、１７は光ファイバ心線挿入部成形用部材挿入溝で
ある。

【０００８】中子５は、中子基体４に光ファイバ心線挿
入部成形部材２と２本ガイドピン孔成形ピン３が平行に
して固定され、光ファイバ心線挿入部成形部材２の先端
側には、ガイドピン孔成形ピン３と平行に配置された複
数本のファイバ孔成形ピン１が固定されたものである。
また、中子５はファイバ孔成形ピン１の長手方向にスラ
イド移動が可能であって、下金型６と上金型７との間に
入ったり出たりする。樹脂成形を行なう時には、上金型
７と下金型６とで中子５を挟んで上下から締結する。

【０００９】その時、ガイドピン孔成形ピン３は下金型
６の４箇所のガイドピン孔成形ピン用Ｖ溝１５に挿入さ
れ、上金型７の角溝１５ａによって押圧固定される。ま
た、ファイバ孔成形ピン１の先端の一部はファイバ孔成
形ピン用Ｖ溝１６に挿入され、上金型７で押圧固定され
る。更に、光ファイバ心線挿入部成形用部材２の一部は
光ファイバ心線挿入部成形用部材挿入溝１７に挿入さ
れ、上金型７で押圧固定される。

【００１０】これによって、上下金型７、６と中子５の
ファイバ孔成形ピン等の部材との間にキャビテイ１４が
作られるので、キャビテイ１４内に成形樹脂用ゲート１
３から成形樹脂を注入充填して冷却し硬化させて成形を
行なう。なお、成形樹脂の充填に伴いキャビテイ１４内
の空気は、ガイドピン孔成形ピン３の先端部とガイドピ
ン孔成形ピン用Ｖ溝１５との間隙に連通して形成された
図示しない空気抜き孔を通して抜き去る。その後、上下
金型を開放し、中子をスライドさせて引抜くことによっ
て成形体を取出す。

【００１１】この成形作業の結果、ファイバ孔成形ピン
１によってファイバ孔１９が、ガイドピン孔成形ピン３
によってガイドピン孔２０が、光ファイバ心線挿入部成
形部材２によって光ファイバ心線挿入部２２が、接着剤
注入孔成形用突起部８によって接着剤注入孔２１がそれ
ぞれ形成され、図５の光コネクタフェルール１８が成形
体として得られる。なお、図６では下金型に接着剤注入
孔成形用突起部８等を設けた例を示したが、上金型、下
金型が上下逆に構成される場合、また上下でなく左右の
金型として構成される場合もある。

【００１２】

【発明が解決しようとする課題】図７は中子の上下から
上下金型を締結して成形樹脂用ゲートから成形樹脂を注
入しているところを示す図であって、図７（Ａ）はＸ方
向断面図、図７（Ｂ）はＹ方向断面図、図７（Ｃ）はＺ
方向断面図である。図７において図６と同じ符号は同じ
ものを示す。キャビテイ１４の後端部付近に設けた成形
樹脂用ゲート１３から注入された成形樹脂は中子の上下
のキャビテイ１４内の空間を矢印方向に通って先端方向
に進み、キャビテイ１４内のファイバ孔成形ピン１の周
辺に達する。

【００１３】この時、中子５の光ファイバ心線挿入部成
形部材２の下方には接着剤注入孔成形用突起部８が接し
て設けられているため、成形樹脂の流れは下金型の中間
部分を通ることは出来ず、下金型６では成形樹脂はガイ
ドピン孔成形ピン３の周辺を通って先端部に達する。一
方、上金型７には接着剤注入孔成形用突起部のような突
起部はないため、上金型の中間部分を通ることも可能
で、上金型６では成形樹脂はガイドピン孔成形ピン３と
下金型６との間及び上金型６と光ファイバ心線挿入部成
形部材２との間を通って先端部に達する。

【００１４】従って、上金型と下金型では成形樹脂の先
端部への到達に時間差が生じ、先端部のファイバ孔成形
ピン１の周辺では上金型７を通って来た成形樹脂は、図
７（Ｂ）に矢印で示すようにファイバ孔成形ピン１とガ
イドピン孔成形ピン３との間、あるいはファイバ孔成形
ピン１同志の間を通って上金型７側から下金型６側へ流
れ込もうとする。

【００１５】射出成形の場合、成形樹脂には寸法精度を
確保するための等方性のフィラーと共に強度を確保する
ためのアスペクト比の大きな針状のフィラーが混合され
ることが多いが、その場合上金型側から下金型側への樹
脂の流れによって上下対称でない方向に針状のフィラー
の配向が発生する。フィラーの配向性が大きいと、フィ
ラーの長手方向と垂直方向の収縮が大きくなり異方性収
縮の原因になる。そして、収縮によって成形品である光
コネクタフェルールのファイバ孔及びガイドピン孔の整
列性が乱れるということが起こる。

【００１６】本発明は、ファイバ孔成形ピンの近傍では
上金型から下金型への流れが起こり難い構造にして成形
で得られる光コネクタフェルールのファイバ孔及びガイ
ドピン孔の整列性を良好にすることが出来る光コネクタ
フェルール成形用金型及びそれを使って成形した光コネ
クタフェルールを提供するものである。

【００１７】

【課題を解決するための手段】本発明の光コネクタフェ
ルール成形用金型は、互いに平行にして固定した複数本
のファイバ孔成形ピンとその両側に該ファイバ孔成形ピ
ンと平行にして固定した２本のガイドピン孔成形ピンと
を備えた中子と、該中子を挟んでその両側に配置された
上金型及び下金型とからなり、該上金型又は下金型のい
ずれか一方に接着剤注入孔成形用突起部を設けた光コネ
クタフェルール成形用金型であって、前記接着剤注入孔
成形用突起部が設けられていない側の上金型又は下金型
の前記ファイバ孔成形ピンの先端付近に位置する部分の
内側面に樹脂流阻止用突起部を固定することによって、
接着剤注入孔成形用突起部が設けられていない側の上金
型又は下金型の方の成形樹脂の流れを一部阻止して、上
下金型での成形樹脂の流れのバランスをとるようにし、
ファイバ孔成形ピンの先端付近での上下金型間での成形
樹脂の流れを少なくしたものである。

【００１８】また、中子のファイバ孔成形ピンとガイド
ピン孔成形ピンとの間に平行して樹脂流抑制ピン状部材
を配設することによって、ファイバ孔成形ピンとガイド
ピン孔成形ピンとの間を通って流れる成形樹脂の流れを
抑制し、ファイバ孔成形ピンの近くでフィラーの配向が
起こらないようにすることによって、光コネクタフェル
ールのファイバ孔の整列性を良くすることが出来る。

【００１９】また、樹脂流抑制ピン状部材の長さをファ
イバ孔成形ピンの長さよりも短くし、樹脂流抑制ピン状
部材で形成された長孔を、成形体である光コネクタフェ
ルールの先端面には露出しない先端が閉鎖された長孔と
することによって、光コネクタフェルールとしての外観
を損なわない形状とすることが出来る。

【００２０】

【発明の実施の形態】図１は、本発明の光コネクタフェ
ルール成形用金型の実施形態を示す図であって、図１
（Ａ）はＸ方向断面図、図１（Ｂ）はＹ方向断面図、図
１（Ｃ）はＺ方向断面図である。図１において図６と同
じ符号は同じものを示す。また、９は樹脂流阻止用突起
部である。図１の本発明の光コネクタフェルール成形用
金型では、図６又は図７に示す従来技術による光コネク
タフェルール成形用金型と異なり、上金型７の内側面に
樹脂流阻止用突起部９が設けられている。なお、樹脂流
阻止用突起部９はファイバ孔成形ピン１の長手方向に垂
直な方向に長い直方体状の突起で、上金型７のキャビテ
イ１４の先端面から０．３〜１ｍｍ程度引込んだ位置の
上金型内側面に設けられる。

【００２１】この光コネクタフェルール成形用金型の場
合、成形樹脂用ゲート１３から注入された成形樹脂は上
金型７の中では光ファイバ心線挿入部成形部材２と上金
型７の間を通ってキャビテイ１４の先端方向に流れる
が、樹脂流阻止用突起部９によって、ファイバ孔成形ピ
ン１の先端付近への流れが阻止されるため、先端ではフ
ァイバ孔成形ピン１とガイドピン孔成形ピン３との間、
あるいはファイバ孔成形ピン１同志の間を通って上金型
７から下金型６へ流れる成形樹脂の流れが少なくなる。
従って、ファイバ孔成形ピン１の先端周辺でのフィラー
の配向も少なくなり、ファイバ孔の整列性も良好にな
る。なお、この光コネクタフェルール成形用金型で成形
された光コネクタフェルールは、接着剤注入孔を有する
側面の反対側側面の先端面近くに細長い溝状の凹部を有
するが接続等の作業で特に問題となることはない。

【００２２】また、図２は本発明の光コネクタフェルー
ル成形用金型の他の実施形態を示す図であって、図２
（Ａ）はＸ方向断面図、図２（Ｂ）はＹ方向断面図、図
２（Ｃ）はＺ方向断面図である。図２において図１と同
じ符号は同じものを示す。また、１０は樹脂流阻止用突
起部である。図２の光コネクタフェルール成形用金型と
図１の光コネクタフェルール成形用金型とでは、樹脂流
阻止用突起部の形状が異なる。図２の光コネクタフェル
ール成形用金型では、樹脂流阻止用突起部１０はファイ
バ孔成形ピン１とガイド孔成形ピン３との間に位置し、
上金型７のキャビテイ１４の先端面から０．３〜１ｍｍ
程度引込んだ位置の上金型内側面に設けられる２つの突
起で立方体又は直方体の形状をしたものである。

【００２３】この図２に示す光コネクタフェルール成形
用金型の場合、成形樹脂用ゲート１３から注入された成
形樹脂は上金型７の中では光ファイバ心線挿入部成形部
材２と上金型７の間を通ってキャビテイ１４の先端方向
に流れるが、樹脂流阻止用突起部１０によって、ファイ
バ孔成形ピン１とガイドピン孔成形ピン２間を通って先
端へ流れる成形樹脂の流れが阻止されるため、先端では
ファイバ孔成形ピンとガイドピン孔成形ピンとの間を通
って上金型から下金型へ流れる成形樹脂の流れが少なく
なる。従って、ファイバ孔成形ピンとガイドピン孔成形
ピンとの間の周辺でのフィラーの配向も少なくなり、フ
ァイバ孔とガイドピン孔との整列性も良好になる。な
お、この光コネクタフェルール成形用金型で成形された
光コネクタフェルールは、接着剤注入孔を有する側面の
反対側側面の先端面近くに２つの角状の凹部を有するが
接続等の作業で特に問題となることはない。

【００２４】図１、図２では２種類の樹脂流阻止用突起
部の例を示したが、樹脂流阻止用突起部はキャビテイ先
端部近くの上金型の内側面に設けられるものであって、
上金型を後方から先端側に向かって流れて来た成形樹脂
の流れを一部阻止してファイバ孔成形ピンの先端近くで
の上金型から下金型への成形樹脂の流れを少なくするも
のであれば、形状は図１、図２の形状に限るものではな
い。円柱状の突起、三角柱状の突起でも良い。

【００２５】また、図３は本発明の光コネクタフェルー
ル成形用金型の他の実施形態を示す図であって、図３
（Ａ）はＸ方向断面図、図３（Ｂ）はＹ方向断面図、図
３（Ｃ）はＺ方向断面図である。図３において図６と同
じ符号は同じものを示す。また、１１は樹脂流抑制ピン
状部材である。図３の本発明の光コネクタフェルール成
形用金型は、図６又は図７の従来技術による光コネクタ
フェルール成形用金型と異なり、中子５の光ファイバ心
線挿入部成形部材２の先端側に樹脂流抑制ピン状部材１
１が固定して設けられている。なお、樹脂流抑制ピン状
部材１１としては、図３に示したような細長い板状部材
のほか、円柱状、角柱状のもの等も使用することが出来
る。

【００２６】また、樹脂流抑制ピン状部材１１は２箇所
のファイバ孔成形ピン１とガイドピン孔成形ピン３との
間に平行して設けるものとし、その突き出し長はファイ
バ孔成形ピンよりも短くして、上金型のキャビテイの先
端壁面には達しない長さとし、キャビテイ１４の先端壁
面から０．２ｍｍ以上離す。このような樹脂流抑制ピン
状部材１１を配設することによって、ファイバ孔成形ピ
ン１とガイドピン孔成形ピン３との間を通って上金型側
から下金型側へ流れる成形樹脂の流れを抑制することが
出来る。この成形樹脂の流れの抑制によって、ファイバ
孔成形ピンとガイドピン孔成形ピンの間におけるフィラ
ーの配向が少なくなるので、ファイバ孔及びガイドピン
孔の整列性も良好になる。また、樹脂流抑制ピン状部材
１１の先端はキャビテイ１４の先端面から離れているの
で、成形された光コネクタフェルールの先端面には樹脂
流抑制ピン状部材１１による長孔は露出しない。従っ
て、光コネクタフェルールの外観を損なうことがない。

【００２７】また、図４は本発明の光コネクタフェルー
ル成形用金型の他の実施形態を示す図であって、図４
（Ａ）はＸ方向断面図、図４（Ｂ）はＹ方向断面図、図
４（Ｃ）はＺ方向断面図である。図４において図３と同
じ符号は同じものを示す。また、１２は樹脂流抑制ピン
状部材である。図４の光コネクタフェルール成形用金型
と図３の光コネクタフェルール成形用金型とでは、樹脂
流抑制ピン状部材の形状が異なる。

【００２８】図３の金型では板状の樹脂流抑制ピン状部
材１１が光ファイバ心線挿入部成形部材２に固定して設
けられているが、図４の金型ではファイバ孔成形ピンと
同様な形状の樹脂流抑制ピン状部材１２が、ファイバ孔
成形ピン１とガイドピン孔成形ピン３との間にそれぞれ
２本ずつ光ファイバ心線挿入部成形部材２に固定して設
けられている。但し、樹脂流抑制ピン状部材１２はファ
イバ孔成形ピン１と異なり、先端が切断され短くなって
おり、樹脂流抑制ピン状部材１２の先端はキャビテイ１
４の先端壁面から０．２ｍｍ以上離れている。

【００２９】このような樹脂流抑制ピン状部材１２を配
設することによって、ファイバ孔成形ピン１とガイドピ
ン孔成形ピン３との間を通って上金型側から下金型側へ
流れる成形樹脂の流れを抑制することが出来る。この成
形樹脂の流れの抑制によって、ファイバ孔成形ピンとガ
イドピン孔成形ピンの間におけるフィラーの配向が少な
くなるので、ファイバ孔及びガイドピン孔の整列性も良
好になる。また、樹脂流抑制ピン状部材１２の先端はキ
ャビテイ１４の壁面から離れているので、成形された光
コネクタフェルールの先端面には樹脂流抑制ピン状部材
１２による長孔は露出しないので、光コネクタフェルー
ルの外観を損なうことがない。

【００３０】また、樹脂流抑制ピン状部材１２の場合、
ファイバ孔成形ピン１と同じ形状であるので、特別な設
計をすることなくファイバ孔成形ピンと同様に製作が可
能である。また、光ファイバ心線挿入部成形部材２への
固定もファイバ孔成形ピンと同じ方法で行なうことが出
来るので、金型製作が従来技術によるものと殆ど変わら
ず行なうことが出来る。

【００３１】図１〜図４の光コネクタフェルール成形用
金型に注入充填される成形樹脂としては、射出成形の場
合ポリフェニレンサルファイド樹脂にフィラーを混合し
たものが使用されるが、それ以外の樹脂も使用すること
が出来る。また、本発明の金型をトランスファー成形に
使用することも可能である。また、図１〜図４では、下
金型６に接着剤注入孔成形用突起部８を設けた例を示し
たが、上下金型が逆になるものでも良い。また、左右の
金型とすることも出来る。また、ファイバ孔成形ピンの
本数は４本の例を示したが、８本、１２本、１６本等種
々の複数本とすることも出来る。

【００３２】

【発明の効果】本発明の光コネクタフェルール成形用金
型は、複数本のファイバ孔成形ピンと２本のガイドピン
孔成形ピンとを備えた中子と、該中子を挟んでその両側
に配置された上金型及び下金型とからなり、該上金型又
は下金型のいずれか一方に接着剤注入孔成形用突起部を
設けた光コネクタフェルール成形用金型であって、前記
接着剤注入孔成形用突起部が設けられていない側の上金
型又は下金型の内側面に樹脂流阻止用突起部を固定する
ことによって、接着剤注入孔成形用突起部が設けられて
いない側の上下金型の方の成形樹脂の流れを一部阻止す
ることとしたので、ファイバ孔成形ピンの近くでフィラ
ーの配向が起こり難くなり、光コネクタフェルールのフ
ァイバ孔の整列性を良くすることが出来る。

【００３３】また、中子のファイバ孔成形ピンとガイド
ピン孔成形ピンとの間に平行して樹脂流抑制ピン状部材
を配設することによって、ファイバ孔成形ピンとガイド
ピン孔成形ピンとの間を通って流れる成形樹脂の流れを
抑制することが出来るので、ファイバ孔成形ピンの近く
でフィラーの配向が起こり難くなり、光コネクタフェル
ールのファイバ孔の整列性を良くすることが出来る。

【００３４】また、樹脂流抑制ピン状部材の長さをファ
イバ孔成形ピンの長さよりも短くし、樹脂流抑制ピン状
部材で形成された長孔を、成形体である光コネクタフェ
ルールの先端面には露出しない先端が閉鎖された長孔と
することによって、光コネクタフェルールとしての外観
を損なわない形状とすることが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の光コネクタフェルール成形用金型の実
施形態を示す図であって、（Ａ）はＸ方向断面図、
（Ｂ）はＹ方向断面図、（Ｃ）はＺ方向断面図である。

【図２】本発明の光コネクタフェルール成形用金型の他
の実施形態を示す図であって、（Ａ）はＸ方向断面図、
（Ｂ）はＹ方向断面図、（Ｃ）はＺ方向断面図である。

【図３】本発明の光コネクタフェルール成形用金型の他
の実施形態を示す図であって、（Ａ）はＸ方向断面図、
（Ｂ）はＹ方向断面図、（Ｃ）はＺ方向断面図である。

【図４】本発明の光コネクタフェルール成形用金型の他
の実施形態を示す図であって、（Ａ）はＸ方向断面図、
（Ｂ）はＹ方向断面図、（Ｃ）はＺ方向断面図である。

【図５】従来技術による光コネクタフェルールの一例を
示す図であって、（Ａ）は光コネクタフェルールの斜視
図、（Ｂ）はＭ方向断面図、（Ｃ）はＮ方向断面図であ
る。

【図６】従来技術による光コネクタフェルールの成形に
使用する金型の一例を示す図であって、（Ａ）は上金
型、（Ｂ）は下金型、（Ｃ）は中子を示すそれぞれの斜
視図である。

【図７】従来技術による光コネクタフェルール成形用金
型を使って成形樹脂を注入しているところを示す図であ
って、（Ａ）はＸ方向断面図、（Ｂ）はＹ方向断面図、
（Ｃ）はＺ方向断面図である。

【符号の説明】

１：ファイバ孔成形ピン １ａ：太径部 ２：光ファイバ心線挿入部成形用部材 ３：ガイドピン孔成形ピン ４：中子基体 ５：中子 ６：下金型 ７：上金型 ８：接着剤注入孔成形用突起部 ９、１０：樹脂流阻止用突起部 １１、１２：樹脂流抑制ピン状部材 １３：成形樹脂用ゲート １４：キャビテイ １５：ガイドピン孔成形ピン用Ｖ溝 １５ａ：角溝 １６：ファイバ孔成形ピン用Ｖ溝 １７：光ファイバ心線挿入部成形用部材挿入溝 １８：光コネクタフェルール １９：ファイバ孔 ２０：ガイドピン孔 ２１：接着剤注入孔 ２２：光ファイバ心線挿入部 ２３：鍔部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柿井 俊昭 神奈川県横浜市栄区田谷町１番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 Ｆターム(参考） 2H036 JA02 QA12 QA18 QA20 QA49

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 互いに平行にして固定した複数本のファ
   イバ孔成形ピンとその両側に該ファイバ孔成形ピンと平
   行にして固定した２本のガイドピン孔成形ピンとを備え
   た中子と、該中子を挟んでその両側に配置された上金型
   及び下金型とからなり、該上金型又は下金型のいずれか
   一方に接着剤注入孔成形用突起部を設けた光コネクタフ
   ェルール成形用金型において、前記接着剤注入孔成形用
   突起部が設けられていない上金型又は下金型の前記ファ
   イバ孔成形ピンの先端付近に位置する部分の内側面に樹
   脂流阻止用突起部を固定したことを特徴とする光コネク
   タフェルール成形用金型。
2. 【請求項２】 互いに平行にして固定した複数本のファ
   イバ孔成形ピンとその両側に該ファイバ孔成形ピンと平
   行にして固定した２本のガイドピン孔成形ピンとを備え
   た中子と、該中子を挟んでその両側に配置された上金型
   及び下金型とからなり、該上金型又は下金型のいずれか
   一方に接着剤注入孔成形用突起部を設けた光コネクタフ
   ェルール成形用金型において、前記中子のファイバ孔成
   形ピンとガイドピン孔成形ピンとの間にファイバ孔成形
   ピンと平行して樹脂流抑制ピン状部材を配設したことを
   特徴とする光コネクタフェルール成形用金型。
3. 【請求項３】 前記樹脂流抑制ピン状部材は、先端部が
   切除されたファイバ孔成形ピンと同一形状のものである
   ことを特徴とする請求項２に記載の光コネクタフェルー
   ル成形用金型。
4. 【請求項４】 互いに平行にして形成された複数本のフ
   ァイバ孔とその両側に該ファイバ孔と平行にして形成さ
   れた２本のガイドピン孔と、前記ファイバ孔に連通する
   接着剤注入孔を１つの側面に設けた光コネクタフェルー
   ルにおいて、前記接着剤注入孔を設けた側面の反対側面
   のファイバ孔先端付近に凹部を有することを特徴とする
   光コネクタフェルール。
5. 【請求項５】 互いに平行にして形成された複数本のフ
   ァイバ孔とその両側に該ファイバ孔に平行にして形成さ
   れた２本のガイドピン孔と、前記ファイバ孔に連通する
   接着剤注入孔を１つの側面に設けた光コネクタフェルー
   ルにおいて、前記ファイバ孔とガイドピン孔の間にファ
   イバ孔と平行でかつ先端が閉鎖された長孔を有すること
   を特徴とする光コネクタフェルール。