JPH0952478A - 再剥離型情報担持シート - Google Patents

再剥離型情報担持シート

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JPH0952478A
JPH0952478A JP22457195A JP22457195A JPH0952478A JP H0952478 A JPH0952478 A JP H0952478A JP 22457195 A JP22457195 A JP 22457195A JP 22457195 A JP22457195 A JP 22457195A JP H0952478 A JPH0952478 A JP H0952478A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一時的に接合した面から剥離することで記載
された情報を視認できるダイレクトメール等の葉書用紙
等において、記載面の殆どの領域にカラー印刷等の画像
情報があっても、安定した再剥離性の接合を低コストで
実現する。 【解決手段】 基材の再剥離する接着予定面に、接着前
及び剥離後は通常の状態では接着しない再剥離型粘着層
が塗布形成されている情報担持シートにおいて、基材と
再剥離型粘着層との間に、プロセスカラーで印刷したフ
ルカラーの写真調の画像情報等の可視情報を形成した構
成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、親展葉書、ダイレ
クトメール、通知書、パンフレット、クジ等に使用さ
れ、一時的に接合した接合面を剥離することで情報記載
面に記録された情報を見ることができる様にした情報担
持シートに関する。特に、接合面全面に相当する情報記
載面に写真調の情報が印刷されていても、接合の接着強
度が低下しない情報担持シートに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、剥がして開くと内部に記載された
情報を見ることができる、親展葉書やダイレクトメール
等が、その情報のセキュリティ性や、記載できる情報量
の多さの点で普及している。これらは、いずれも剥離可
能な接合面を有し、該接合面で積層されたシート同士を
剥離することで内部に記載された情報を目視できる様に
したものである。
【0003】例えば、二枚の透明熱可塑性樹脂フィルム
を剥離可能に接着し両面に感圧粘着層を施した接着シー
トを用意し、葉書の二倍大の葉書用紙を情報が記載され
た面を内側にして二つ折りにする際に、前記接着シート
をその中に挟み込んで積層することで、一枚の葉書の形
態として使用し、これを受取人は前記接着シートの透明
熱可塑性樹脂フィルム同士の接合面で剥離して、樹脂フ
ィルムを透して記載された情報を見るというものであ
る。この接着シートを用いる方法は、葉書の形態とする
のにその挟み込みが必要で工程が煩雑になる上、フィル
ムを用いることからコスト的にも高価である。また、挟
み込みの前に予め情報を記録しておく必要があることか
ら、印刷による固定的な情報でも構わない用途である、
ダイレクトメール等で使われることが多い。
【0004】一方、特に利用明細等のセキュリティ性を
目的とする場合は、情報は可変情報である場合が多く、
この場合、再剥離可能な接合面を予め設けたシートとし
てその接合面の上に可変情報を印字記録できることが製
造上好ましい。ところが、上記再剥離する樹脂フィルム
ではその接合面に印字適性は無く、印字適性の有る接合
面を有する再剥離可能なものが望まれた。そこで、可変
情報の記録手段はかつては(記録に熱が不要の)ドット
インパクトプリンタが主流であった為に、印字適性が有
り且つ再剥離可能な接合面を提供するものとして、感熱
接着剤による再剥離型感熱接着層を形成したものがあっ
た。しかし、現在の可変情報の記録手段は電子写真方式
が主流となりトナーを熱ロール或いはフラッシュランプ
で熱定着させるノンインパクトプリンタ(NIP)とな
っている。この為、記録時の熱で接着が活性化されNI
P内部を汚染する等の問題を起こすので、現在は感圧接
着剤を利用して、接合面の印字適性があり、加圧又は必
要に応じて熱との併用により接合する感圧タイプの再剥
離可能な再剥離型粘着層を塗布形成することが主流とな
っている。この再剥離型粘着層は、一般に天然ゴムラテ
ックス等の再剥離不能な通常の感圧性接着剤、即ち非剥
離性感圧粘着剤に、シリカ、澱粉等の充填剤を添加した
ものである。充填剤は接合前の粘着性を低下させ、しか
も接合後は再剥離を可能にし、また、接合面への印刷適
性と印刷時の耐ブロッキング性等も付与させる為のもの
である。そして、再剥離型粘着層は、前記した樹脂シー
トによりもコスト的にも優れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、接合面の再
剥離性を利用する、例えば、葉書の分野では、プライバ
シー保護の為に情報を隠蔽する目的の他に、ダイレクト
メール等では一枚の葉書の実質的な面積を拡大し多くの
情報を伝達できることは重要な要素である。また、ダイ
レクトメールでは伝達する情報の訴求効果も重要であ
り、例えば商品のカラー写真をプロセスカラーで印刷し
ようとすると(印刷手段にはグラビア印刷、シルクスク
リーン印刷等があるが通常はオフセット印刷で行う)、
網点により濃度階調を表現し、且つ3色又は通常はブラ
ックインクも含めた4色による階調画像を形成するため
に、印刷による画像情報の領域部分はプリンタで文字等
を印刷記録した領域に比較して、インク付着面積が極め
て広くなる。従って、上記再剥離型粘着層の上に写真調
の画像情報を印刷形成すると、剥離層として作用するイ
ンクの層の影響が無視できなくなる。
【0006】そこで、このような画像情報を掲載すると
きは、その領域の接着性は期待できないので、接合面の
周縁部は避けて形成する。周縁部では再剥離のきっかけ
となるからである。また、周縁部を避けた中央部であっ
ても、対面する接合面にもインクが形成されていれば、
インク同士が対面する部分は殆ど接着性を期待できな
い。文字等からなる可変情報では略同じ位置であって
も、文字を形成する線画が微妙にずれるので問題はない
が、特に、網点からなる写真調の画像情報の印刷領域が
対面すると、インク付着部同士の対面部分が多いから接
着性低下の問題は大きい。したがって、網点、或いは全
ベタでインクを接合面に形成する時は、その対面する接
合面には同様な網点や全ベタの模様(画像情報)が来な
い様に形成する。すなわち、図5の如く、従来の再剥離
型情報担持シートである二つ折り葉書用紙20は、その
第1シート11及び第2シート12に写真調の画像情報
がそれぞれ可視情報3c及び3dとして形成されている
が、折込線5cで折り重ねたときに可視情報3c及び3
d同士が対面しない位置にレイアウトしてある。なお、
図6は図5のB−B線での断面図であり、再剥離型粘着
層2cの外面、すなわち接合面P3に可視情報3dが形
成されていることを示す。
【0007】以上の様に、従来の再剥離型粘着層の層構
成によるものは、種々の利点を持つ反面、写真調の画像
情報等のインク付着面積が広い情報を形成するときは、
その画像情報の領域の面積、及びレイアウト上の制約が
あるということが最大の欠点であり、プロセス印刷を用
いたダイレクトメール用途では実用上使用できなかっ
た。このため、従来、ダイレクトメール等の写真調の画
像情報を印刷する用途では、コスト高となっても、印刷
面積に制約もなく、また、接合面の接着性へ影響しな
い、前記した再剥離する接着シートを用いることが多
い。
【0008】そこで、本発明の課題は、ダイレクトメー
ルや親展葉書等の様に、一時的に接合した面を再度剥離
することによって情報を見ることができる再剥離型情報
担持シートについて、安価な塗布タイプである再剥離型
粘着層による構成で、特に情報記載面の殆どの面にカラ
ー印刷等による画像情報が印刷形成されていても接合の
接着力が低下しない情報担持シートを提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで本発明の再剥離型
情報担持シートは、少なくとも基材の再剥離する接着予
定面に、接着前及び剥離後は通常の状態では接着しない
再剥離型粘着層が塗布形成されている情報担持シートに
おいて、基材と再剥離型粘着層との間に可視情報が形成
されている構成とする。また、上記再剥離型情報担持シ
ートにおいて、可視情報が固定情報である構成とするも
のでもある。また、上記各再剥離型情報担持シートにお
いて、再剥離型粘着層の外面に可変情報が形成されてい
る構成とするものでもある。
【0010】また、上記各再剥離型情報担持シートにお
いて、可視情報が画像情報である構成とするものでもあ
る。また、上記再剥離型情報担持シートにおいて、画像
情報が単色又は多色による印刷で形成されている構成と
するものでもある。また、上記再剥離型情報担持シート
において、画像情報がプロセスカラーによる印刷で形成
されている構成とするものでもある。また、上記再剥離
型情報担持シートにおいて、画像情報がカラー原稿をプ
ロセスカラーに色分解して得た色分解画像情報を用いた
プロセスカラーによる印刷で形成された、カラー画像情
報である構成とするものでもある。また、上記再剥離型
情報担持シートにおいて、画像情報が写真調画像情報で
ある構成とするものでもある。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の再剥離型情報担持シートについて詳述する。
【0012】先ず、図1は、本発明の再剥離型情報担持
シートの一実施例を示す部分断面図である。同図に示す
本発明の再剥離型情報担持シート10は、基材1と塗布
形成された再剥離型粘着層2との間に可視情報3を有
し、さらに再剥離型粘着層2の外面に可変情報4を有す
る構成である。基材1と再剥離型粘着層2との界面(実
際には基材1の表面)が可視情報が形成される第1の情
報記載面P1であり、再剥離型粘着層2の外面(表面)
が可変情報が形成される第2の情報記載面P2であり、
且つ他のものとの接合面P3、すなわち接着予定面でも
ある。また、図2は再剥離型情報担持シートの一実施例
としてダイレクトメール用のZ折りタイプの葉書用シー
ト10aの表面図を示し、図3は図2の葉書用シート1
0aのA−A線での断面図を示し、図4はこの葉書用シ
ート10aをZ折りし接着予定面同士を再剥離型粘着層
で接合して得られた一枚の葉書を示す断面図である。
【0013】図2の葉書用シート10aは、三つ折りタ
イプの一種であるZ折りタイプのものであり、何方も葉
書大のサイズの第1シート11、第2シート12及び第
3シート13とに区画され、それらは折り込み線5a及
び5bを介して連接している。そして、第2シート12
及び第3シート13には、その周縁部を僅かに残して中
央全面に且つ接合時に略対面する位置に可視情報3a及
び3bとして、それぞれにフルカラーの写真調の画像情
報がオフセット印刷により形成されている。なお、周縁
部を残してあるのは、図面上でシート12及び13に形
成された可視情報3を該シートに対して区別して見やす
くするためで、可視情報はシート12及び13の全面に
わたって形成されていてもかまわない。そして、これら
の可視情報3a及び3bを覆うように各シート11、1
2及び13の全面に再剥離型粘着層が塗工形成してあ
る。このうち、第2シート12及び第3シート13の表
側が接着予定面となる。さらに、第1シート11の再剥
離型粘着層2aの外面(表面)には宛て名等の可変情報
がプリンタによって印字形成されている。
【0014】以上を図2のA−A線での断面図である図
3で、さらに説明すれば、第1シート11、第2シート
12及び第3シート13の表面側には、全面に再剥離型
粘着層2aが形成されており、また各シートの裏面側に
も全面に表面側と同じ組成の再剥離型粘着層2bが形成
されている。なお、裏面側の再剥離型粘着層2bは同一
組成とせず、永久接着の粘着層或いは接着層でもよい。
また、接着予定面とならない、第1シート11の表面側
の再剥離型粘着層2a、及び第3シート13の裏面側の
再剥離型粘着層2bは、省略することもできる。そし
て、図3は、このような再剥離型情報担持シート10a
をZ折りして一枚の葉書とした場合の断面図を示す。こ
の葉書を接合面P3で剥離すれば、可視情報3a及び3
bを視認できる。
【0015】なお、上記実施例はZ折りタイプの葉書用
紙であったが、本発明の再剥離型情報担持シートを葉書
用シートとして使用する場合は、Z折りタイプ以外のそ
の他の三つ折りタイプ、四つ折りタイプ、或いは二つ折
りタイプ、或いは図7の如く葉書大のサイズの第1シー
ト14と葉書大よりも小なるサイズの第2シート15と
が連接した葉書用紙10bを、折込線5で折り返して一
枚の葉書とする半折りタイプ等の従来各種の形態に適用
できる。また、折込線も葉書の縦方向に限らず横方向で
も良い。また、一枚の用紙を折らずに、複数枚の用紙を
積層するタイプでも良い。また、多数のマージナル孔が
連設されたマージナル部を有し且つ一単位の用紙が複数
連続した連続帳票でも良いし、カット紙プリンタ専用の
枚葉のシートでも良い。また、用途は、ダイレクトメー
ル、親展葉書等の葉書用シートに限らず、パンフレッ
ト、通知書、クジ等の各種用途のシートに使用できるも
のである。
【0016】本発明の再剥離型情報担持シートで使用で
きる基材1としては、固定情報等の可視情報を印刷等の
手段により形成でき、また再剥離時に再剥離型粘着層が
基材側に残り再剥離型粘着層と他面との界面(接合面)
で剥離する様な基材面を提供できるものであればよく、
従来公知のものが使用できる。具体的にはNIP(ノン
インパクトプリンタ)用紙等の紙類の他、合成紙、ポリ
プロピレン樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹
脂、塩化ビニル系樹脂等の樹脂フィルム類、不織布類、
及びこれらの複合体等でもよい。また、樹脂フィルムの
場合は、印刷適性、接着性等を好適とするためにコロナ
処理やマット処理等の表面処理を施しておいても良い。
【0017】可視情報3は、基材自身に感熱記録紙やジ
アゾ記録紙等を用いるインクの付着によらない記録方式
で形成しても良いが、通常は基材にインクを印刷するこ
とで形成する。特に本発明では、印刷手法としてプリン
タ等のみならず、オフセット印刷等のよる通常のカラー
印刷も使用できる点が最大の特徴である。印刷手法とし
ては、この他、グラビア印刷、活版印刷、フレキソ印
刷、シルクスクリーン印刷、電子写真印刷、インクジェ
ット印刷等でも良い。また、印刷のインクとしては、オ
フセットインク、グラビアインク、紫外線硬化型のオフ
セット用等のインクでも良い。なお、紫外線硬化型のオ
フセットインクは、通常の酸化重合型のオフセットイン
クに対して高価だが、硬化度合いを一定に管理し易い。
但し、紫外線硬化型インクは、耐摩性、耐熱性付与の為
に、ポリエチレンワックスやシリコーンが含まれている
ものが上市されているが、濡れが悪く、接着剤の接着性
が劣るため、ワックス成分やシリコーン成分を含まない
インクが良い。一方、酸化重合型は放置時間で硬化度合
いが異なるので、その上に再剥離型粘着層を塗工形成し
て接着させるのに、品質管理上、制御しにくいという難
がある。但しこれらインクは用途により使い分ければ良
い。
【0018】また、可視情報としては、単なる黒色の文
字や記号等以外に、単色や多色のカラー印刷でもよく、
また黒白や二色或いはフルカラーの写真調の画像情報で
もよい。特に、カラー原稿を、イエロー、マゼンタ、シ
アン、それに必要に応じてブラックも加えたプロセスカ
ラー成分に色分解して得た色分解画像情報を用いて、該
プロセスカラーでオフセット印刷等で印刷形成したカラ
ー画像情報でも良いことは、本発明の再剥離型情報担持
シートの大きな利点である。なお、カラー原稿とは、印
刷製版に於ける従来公知の原稿であり、カラーフィルム
やカラー印画紙等の他に、コンピュータで人工的に創成
した無形又は有形の原稿等も含む。また、色分解して得
た色分解画像情報とは、オフセット印刷であれば各プロ
セスカラー毎の印刷版という有形のものであるが、イン
クジェット印刷や電子写真印刷等であれば適宜メモリ等
に蓄積される電気的な信号という無形のものである。
【0019】また、可視情報3は、再剥離型粘着層を形
成する前に形成する必要があることから、葉書の宛名等
の可変情報でも良いが、商品説明等の固定情報の方が適
している。なお、可変情報とは、一単位の再剥離型情報
担持シート毎に異なる情報、一単位の再剥離型情報担持
シートの或る複数単位を一群として、該一群の中で異な
る情報である。具体的には、葉書用シートであれば、宛
名、利用明細内容等である。また、固定情報とは、一単
位の再剥離型情報担持シート間で共通する情報、一単位
の再剥離型情報担持シートの或る複数単位を一群とし
て、該一群の中で共通する情報である。具体的には、葉
書用シートであれば、商品説明、差出人の情報、可変情
報の記入枠等である。
【0020】再剥離型粘着層2としては、接着前及び剥
離後は粘着性がなくて通常の状態では他のものと接着せ
ず、圧力、また必要に応じて熱を併用することにより他
のものと接着し、剥離時は再剥離型粘着層は基材側に残
り再剥離型粘着層と他のものとの界面(接合面)で剥離
するものであればよい。このことは、再剥離型粘着層の
下に可視情報が形成されていても、剥離時に可視情報を
構成するインクとの界面で再剥離型粘着層が剥離しない
特性を有することでもある。また、再剥離型粘着層の外
面に可変情報を形成する場合は、接合後の接合面の剥離
時に元の再剥離型粘着層側に該可変情報が残存する特性
も有するものであればよい。
【0021】このような特性を有する再剥離型粘着層を
構成する材料としては、ほどほどの性能で満足するので
あれば、また付着するインクが散在的であれば、従来公
知の接合面(再剥離型粘着層の表面)に文字等を印字で
きるタイプの再剥離型粘着剤を使用すれば良い。但し、
以下の述べる点からより優れた性能を期待するには、後
述する材料を用いた再剥離型粘着剤を使用するのが好ま
しい。
【0022】すなわち、従来公知の再剥離型粘着層に使
用される再剥離型粘着剤は、各種ゴム等の非剥離性感圧
粘着剤を粘着主剤としてこれに充填剤等を添加したもの
である。非剥離性感圧粘着剤は、ゴムラテックスとして
主として天然ゴム(NR)にメタクリル酸メチルをグラ
フト重合(PMMA)したアクリル変性天然ゴム(以
下、PMMA−NRという)を使用する。PMMAによ
る変性は、NR自身は自着性が強く優れた感圧接着性を
示すが、基材への接着性が低いためにこれを向上させる
為である。そして、これに、再剥離できる接着性、印刷
適性、耐ブロッキング性等の為にシリカ及び澱粉等の充
填剤を添加する。但し、粘着主剤としてPMMA−NR
はインクへの接着性が低く、印刷領域では充分なインク
層と再剥離型粘着層の接着力を得にくい。したがって、
再剥離型粘着層の塗工形成時、或いは塗工後に可変情報
の印字形成時、そして一枚の葉書の形態に整える時など
の再剥離型情報担持シートの接合工程中に再剥離型粘着
層が剥がれ落ちたり、或いは接合後に再剥離するとき
に、接合面で剥離せずにインク層と再剥離型粘着層との
間で剥離するなど剥離面が安定せず、美観を損ねるとい
う危険性がある。
【0023】そこで、粘着主剤をPMMA−NRに代わ
るラテックスとして、ソープフリー乳化重合で得られ
る、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)やアクリロニ
トリル−ブタジエンゴム(NBR)のゴムラテックス、
或いはポリアクリル酸エステル等のアクリル系樹脂ラテ
ックス等を主成分とて用いると、優れた感圧接着性を示
しながら、印刷インクへの接着力が強い等の優れた性能
を与える。また、これらのラテックスは水系のエマルシ
ョンとして供給される。特に、ソープフリー乳化重合法
によって得たこれらのラテックスは、特殊なオリゴマー
タイプの乳化剤を使用し低分子量の乳化剤を含有しない
ために、そのガラス転移温度Tgのわりには最低造膜温
度が低く、ドライタック(べたつき感)が少ない点で好
ましい。その上、上記エマルションはイソプロピルアル
コール(IPA)との混和性に優れているために、IP
Aを消泡剤として使用でき、ブリード(接着界面に移行
した消泡剤で接着力の経時安定性が低下する)の原因と
なる通常の消泡剤が不要であり、また塗工時の固型分調
整も任意の割合に出来るという利点がある。例えば、I
PAはエマルション原液100重量部に対して300重
量部程度まで使用できる。従って、塗液の発泡や版詰り
等を発生しにくく出来、グラビア塗工適性に優れてい
る。また、上記エマルションのラテックスは、NRベー
スのラテックスに付きまとう自然劣化によるベトツキや
接着力の変化等の経時安定性の問題がなく品質安定化に
寄与する利点もある。また、これらのエマルションで
は、可視情報としてオフセット印刷によるカラー印刷の
他に、面積階調表現でなく濃度階調表現であり、インク
の付着面積的により厳しいグラビア印刷によるカラー印
刷等に対しても接着性が優れている、再剥離型粘着層を
与えることができる。また、これらソープフリー乳化重
合によるラテックスに、低分子量の乳化剤を用いた通常
の乳化重合によるラテックスとして、スチレン−ブタジ
エンゴム(SBR)、カルボキシ変性SBR(XSB
R)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、
或いは、アクリル変性天然ゴム(PMMA−NR)、ポ
リアクリル酸エステル等のアクリル樹脂系ラテックスの
粘着剤等も、種々の特性向上の為に併用することもでき
る。なお、前記IPA以外の希釈剤として水、通常の消
泡剤等の従来公知の添加剤を、グラビア塗工適性、経時
的特性等を妨げない範囲で適宜用いてもよい。例えば、
上記ポリアクリル酸エステル系ラテックス、PMMA−
NR系ラテックスの粘着剤を使用する時は、IPAの添
加はゲル化を起こす等の問題があるため、水と通常の消
泡剤を用いる。
【0024】以上、特に、ソープフリー乳化重合から得
られるエマルションのラテックス等のみでも、ある程度
の性能は得られるが、従来同様に接着力の抑制成分とし
て充填剤を加えると、より接着力の調整がし易くなる。
充填剤としては、従来公知のシリカ及び澱粉等を用いる
こともできる。シリカは平均粒子径がnmオーダの一次
粒子が凝集して平均粒子径が1〜5μm程度の二次粒子
を構成した多孔質の粒子であり、この多孔質性が電子写
真印刷方式のプリンタの熱ロール部分で使用されるシリ
コーンオイルの吸収作用等も持つ。澱粉は平均粒子径が
およそ20μm程度とシリカに比較して大きく、この大
サイズが耐ブロッキング性、筆記適性等に寄与する。ま
た、これ以外にも、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシ
ウム、カオリン、クレー、タルク、ガラス粉末等も下に
ある可視情報の視認を妨げない範囲で使用できる。ま
た、充填剤はポリスチレン等からなる樹脂粒子であって
もよい。例えば、平均粒子径が0.1〜20μm程度の
ポリスチレン樹脂粒子が使用できる。ポリスチレン粒子
は前記したソープフリー乳化重合で得られるラテックス
と組み合わせることで、良好なる調整された接着力の再
剥離型粘着層を与える。樹脂粒子と、シリカ等の無機粒
子、或いは澱粉等の有機粒子を併用してもよい。これら
と併用すれば、再剥離型粘着層の表面を粗面化して、シ
リコーンオイル吸収性、印刷適性、スタンプ適性等を良
好にできる。
【0025】充填剤の配合量は、例えば、シリカ等の小
粒径のものであれば、粘着主剤100重量部(固形分基
準)当たり1〜100重量部、澱粉等の大粒径のもので
あれば、同じく100重量部当たり1〜100重量部、
また、ポリスチレン等の樹脂粒子であれば、同じく10
0重量部当たり1〜100重量部である。なお、配合量
は、用いる粘着主剤のドライタック及び目的とする物性
により適宜調整するものである。
【0026】そして、再剥離型粘着層は、通常、粘着主
剤がエマルションで供給されるから、これに所望の充填
剤やその他の添加剤を適宜加えた塗液を、グラビアコー
ト、エアナイフコート等の従来公知の塗工手段で、基材
に塗工して形成する。
【0027】なお、本発明の再剥離型情報担持シート
は、基本的には以上の基材、再剥離型粘着層、及び可視
情報からなるが、再剥離型粘着層の上に例えば文字等の
別の可視情報も印字形成できるものである。また、再剥
離型粘着層にシリカ等の充填剤を含有させて表面を荒ら
せば、印刷インクの印刷適性やスタンプ適性等も持たせ
ることもできる。
【0028】なお、本発明の再剥離型情報担持シート
は、従来公知の方法によって、周縁部の一部等の再剥離
型粘着層の外面にインク等による剥離層を設けたり、重
ね合わせるシートの角をカットしたりして、再剥離時の
剥離のきっかけを作っておいてもよい。また、再剥離す
る接合面は、対面する面に互いに再剥離型粘着層を形成
することを前提とするが、例えば、接合時等の圧力の調
整によっては、或いは合成紙等でその表面物性の点から
接着性が比較的安定しておれば、片面のみの再剥離型粘
着層による接合でも再剥離性の接合面を与えることが出
来る。
【0029】
【実施例】以下、本発明の再剥離型情報担持シートにつ
いて、実施例を挙げて具体的に説明する。
【0030】基材として、フォーム用グロスコート紙
(日本製紙(株)製、MC−G<90>)を用い、この
用紙をZ折りした時に対面する両接着予定面を三等分し
た領域にし、その一つはインクによる可視情報の領域が
対面する様に、次の一つには可視領域と基材とが対面す
る様に、最後の一つには基材と基材とが対面する様にし
て、UV硬化型インクでベタ柄をオフセット印刷した
後、紫外線照射しインクを硬化させて、可視情報のイン
ク層を形成した。次いで、印刷領域を含む用紙の全面
に、表1及び表2に示す粘着主剤及び充填剤を原料とし
て、表3−1及び表3−2に示す配合で再剥離型粘着層
を塗工成形した。塗工は線数150線、版深50μmの
コンベンショナルグラビア版を使用したグラビアコータ
により、乾燥塗布重量を3g/m2 とした。さらに、再
剥離型粘着層の上に、フラッシュ定着式連続帳票用のノ
ンインパクトプリンタ(昭和情報機器(株)製、SX−
6300III )で文字を印字形成した。
【0031】以上に様にして得られた、再剥離型粘着層
上に文字がプリントされている、実施例1〜実施例3の
再剥離型情報担持シートをZ折りして、メールシーラー
(大日本印刷(株)製、MS−9000)で圧力を加え
て(ローラギャップ170μm)、対面する再剥離型粘
着層同士を接合した直後に接合面を剥離することで、各
種性能を評価した。
【0032】※再剥離型粘着層の構成原料 表1及び表2に、表3中の材料記号の内容を示す。ま
た、表3中の粘着主剤及び充填剤の配合量は重量基準
で、固型分量の記載のあるものは固形分以外の溶媒分も
含んだ重量を示す。また、所望の塗工量になる様に、粘
着主剤と充填剤とに適量のIPAを添加希釈した液を塗
工液として使用した。なお、表1中の記号Cのアクリル
系樹脂(Acr)は、IPAではなく水で希釈し消泡剤
を用いた。
【0033】
【表1】 A、B、Cはそれぞれソープフリー乳化重合によるラテックス
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】※性能評価結果 実施例1の再剥離型情報担持シートでは、用紙への接着
性(再剥離型粘着層と用紙間の接着力を接合前の状態で
セロハンテープ剥離により行う)、及び、インクへの接
着性(再剥離型粘着層と印刷インク層間の接着力を接合
前の状態でセロハンテープ剥離により行う)はともに優
れていた。また、感圧接着性(接合直後の再剥離型粘着
層同士の間の接着力を測定)も適度と優れ、再剥離性
(剥離時に再剥離型粘着層の転移、再剥離型粘着層上に
プリントしたトナーの転移、再剥離型粘着層の下のイン
クの転移、再剥離型粘着層の脱落のいずれもがないこ
と)は接着直後及び一日後ともに優れていた。また、ド
ライタック(触感評価)、耐ブロッキング性(再剥離型
粘着層同士が対向する様に重ね合わせて、重りにより2
0g/cm2 の圧力を加えて常温常湿下が1週間放置)
も実質的な接着力を示さず優れ、グラビア塗工適性とし
てインク化適性(発泡がないこと)や機上安定性(塗布
面の均一性及び凝集異物発生がないこと)も優れてい
た。
【0037】実施例2の再剥離型情報担持シートでは、
上記実施例1で評価した性能のうち、感圧接着性はやや
強すぎるが問題はなく、再剥離性は接着直後は優れるが
一日後では、接着力が上昇してトナー転移やインク転移
が若干認められやや劣るが問題なく、その他は実施例1
同様に優れていた。実施例3の再剥離型情報担持シート
では、上記実施例1で評価した性能のうち、インクへの
接着性及びインク化適性がやや劣る程度であった。
【0038】
【発明の効果】本発明の再剥離型情報担持シートによれ
ば、情報記載面を基材と再剥離型粘着層との間に設ける
ので、フルカラーの写真調の印刷を施しても、再剥離す
る接合面の良好な接着性が維持できる。従って、情報記
載面の全領域に対して自由なサイズで印刷が可能であ
る。また、接合時に対面する情報記載面に同様な印刷領
域があっても接着性に影響しないから、印刷領域を自由
にレイアウトできる。さらに、第2の情報記載面とし
て、再剥離型粘着層の外面にも文字等をプリントできる
ので、宛て名等の公開情報や明細等の隠蔽情報等で個々
のシートで異なる可変情報にも対応できる。しかも、再
剥離する接着シートによる場合に比べ安価でありコスト
低減が図れる。特にダイレクトメールでフルカラー印刷
による高意匠性を安価に実現できる効果は絶大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の再剥離型情報担持シートの一実施例の
層構成を示す部分断面図。
【図2】本発明の再剥離型情報担持シートの一実施例で
あるZ折りタイプの葉書用シートを示す表面図。
【図3】図2の葉書用シートのA−A線での断面図。
【図4】図2の葉書用シートをZ折りして得られる一枚
の葉書の断面図。
【図5】従来の材料構成による写真調印刷の可視情報の
形成領域を示す平面図。
【図6】図5のB−B線での断面図。
【図7】本発明の再剥離型情報担持シートの他の実施例
である半折りタイプを示す断面図。
【符号の説明】
1 基材 2,2a,2b 再剥離型粘着層 3,3a,3b 可視情報 4 可変情報 5,5a〜5c 折込線 10、10a,10b 再剥離型情報担持シート 11,14 第1シート 12,15 第2シート 13 第3シート 20 従来の再剥離型情報担持シート P1 第1の情報記載面(写真調の印刷が可能) P2 第2の情報記載面(可変情報のプリントが可能) P3 接合面

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも基材の再剥離する接着予定面
    に、接着前及び剥離後は通常の状態では接着しない再剥
    離型粘着層が塗布形成されている情報担持シートにおい
    て、基材と再剥離型粘着層との間に可視情報が形成され
    ていることを特徴とする再剥離型情報担持シート。
  2. 【請求項2】 可視情報が固定情報であることを特徴と
    する請求項1記載の再剥離型情報担持シート。
  3. 【請求項3】 再剥離型粘着層の外面に可変情報が形成
    されていることを特徴とする請求項1又は2記載の再剥
    離型情報担持シート。
  4. 【請求項4】 可視情報が、画像情報であることを特徴
    とする請求項1,2又は3記載の再剥離型情報担持シー
    ト。
  5. 【請求項5】 画像情報が、単色又は多色による印刷で
    形成されていることを特徴とする請求項4記載の再剥離
    型情報担持シート。
  6. 【請求項6】 画像情報が、プロセスカラーによる印刷
    で形成されていることを特徴とする請求項5記載の再剥
    離型情報担持シート。
  7. 【請求項7】 画像情報が、カラー原稿をプロセスカラ
    ーに色分解して得た色分解画像情報を用いたプロセスカ
    ラーによる印刷で形成された、カラー画像情報であるこ
    とを特徴とする請求項6記載の再剥離型情報担持シー
    ト。
  8. 【請求項8】 画像情報が写真調画像情報であることを
    特徴とする請求項4,5,6又は7記載の再剥離型情報
    担持シート。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007007719A1 (ja) * 2005-07-12 2007-01-18 Uchida Paper Industry Corporation 膜付着体、情報表示体及び教材ドリル
JP2016190445A (ja) * 2015-03-31 2016-11-10 トッパン・フォームズ株式会社 圧着シート
JP2019073643A (ja) * 2017-10-17 2019-05-16 リンテック株式会社 粘着シート

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