JPH0952068A - 塗膜の硬化方法 - Google Patents

塗膜の硬化方法

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JPH0952068A
JPH0952068A JP20712095A JP20712095A JPH0952068A JP H0952068 A JPH0952068 A JP H0952068A JP 20712095 A JP20712095 A JP 20712095A JP 20712095 A JP20712095 A JP 20712095A JP H0952068 A JPH0952068 A JP H0952068A
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JP20712095A
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Shuichi Sugita
修一 杉田
Hideki Sendai
英毅 千代
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Resonac Holdings Corp
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Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、紫外線硬化方式を採用しても不可能で
あった、光反応を利用して2層の塗膜を同時あるいは連
続して短時間かつ低温で硬化せしめる塗膜の硬化方法を
提供する。 【解決手段】 第一層の塗膜の硬化に可視光線及び/ま
たは近赤外光に感光性を有する光硬化剤を使用し、その
硬化剤から発生したラジカルあるいはイオンによって重
合するモノマー及び/またはオリゴマーを配合すること
により塗膜の深部まで光が透過し、その結果深部まで光
硬化することが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、短時間かつ低温で
硬化が可能な、塗膜の硬化方法に関する。更に詳しく
は、光反応を利用して2層の塗膜を同時、あるいは連続
して短時間かつ低温で硬化せしめる塗膜の硬化方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】塗料を用いて基材に塗装する場合、多く
の場合は何回も塗装を繰り返している。例えば、基材へ
の密着性を良くするためにプライマーやウオッシュプラ
イマー、サンディングシーラー等を塗装し、その上に顔
料を加えたソリッドカラーを塗装し、更にその上に他の
顔料を加えた塗料またはクリアー塗料を塗装する方法が
ある。
【0003】従来、ソリッドカラーを塗装した後、加熱
硬化させて着色塗膜を形成せしめ、その上にクリアー塗
料などの上塗り塗料を塗装し、再度加熱硬化することが
行なわれてきたが、近年、工程の省略のためソリッドカ
ラーを塗装し、加熱硬化せずにソリッドカラーの上に上
塗塗料を塗装しその後加熱する、いわゆる2コート1ベ
ーク方式が行われるようになった。
【0004】しかし、短時間かつ低温で硬化反応を行い
得る光硬化反応を利用した、2コート1キュアーという
べき方式は光の透過性等の問題があり、採用されたこと
はなかった。
【0005】2コート1ベーク方式を光硬化に適用して
2コート1キュアー方式を実現するためには、従来の紫
外線硬化方式を採用しても不可能である。すなわちソリ
ッドカラーは多くの顔料を含有しているために紫外線が
深部まで透過せず、したがって硬化が不完全であること
に加え、その上にトップコートをした場合、トップコー
ト塗料の中に紫外線遮断性の顔料を含有していることも
あるし、また顔料を含有していなくても耐候性を高める
ために紫外線吸収剤などの耐候性向上剤を含有している
ため、紫外線が吸収されて塗膜下層には紫外線がより届
きにくくなる。
【0006】したがってソリッドカラー塗膜(第一層)
上にトップコート塗膜(第二層)を光硬化によって形成
するときには、第一層を光硬化技術のみで硬化させるの
は困難であり、ましてその上に第二層を塗装し、2つの
層を一度に光硬化させることは不可能であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは従来、光
透過性の優れた近赤外光を用いた光重合開始剤の検討を
行ってきており、それらの技術を応用して、例えば近赤
外光重合開始剤と紫外光開始剤とを組み合わせた光重合
性材料等の開発を行ってきた(例えば特開平6−753
74号)。本発明者らはそれらの技術を、塗料業界で広
く求められている効率的な2コート1ベーク方式に応用
する方策を鋭意検討した結果、本発明を完成するに至っ
た。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の方式は、第一層
の塗膜の硬化に可視光線及び/または近赤外光に感光性
を有する光硬化剤を使用し、その硬化剤から発生したラ
ジカルあるいはイオンによって重合するモノマー及び/
またはオリゴマーを配合することにより塗膜の深部まで
光が透過し、その結果深部まで光硬化することが出来
る、文字通り、「2コート1キュアー」を可能にするも
のである。
【0009】本発明の実施にあたっては、モノマー及び
/またはオリゴマーをビヒクルとし、これに顔料、光硬
化剤、必要に応じて充填剤を加えたソリッドカラーを基
材に塗装した第一層の上に、モノマー及び/またはオリ
ゴマーに光硬化剤を加えたトップコート塗料を塗装して
第二層を形成し、これに光照射して第一層と第二層を同
時にあるいは連続的に硬化せしめるものである。
【0010】ソリッドカラーを塗装する前の基材の処理
は、従来行っている方法と同一でよい。たとえば金属塗
装の場合にはウオッシュプライマー、錆止めペイント、
サーフェーサー等を施した上に、第一層、第二層を塗装
する。自動車用外装塗料の場合には、下塗り、中塗りの
上にソリッドカラーを塗装するのが一般的である。また
ポリオレフィンの塗装の場合には、塩素化ポリオレフィ
ンによるプライマーを施した上に、第一層、第二層を塗
装する。木工塗装の場合にはパテ、サーフェーサーを施
した上に第一層、第二層を塗装する。
【0011】本発明は、従来の紫外線に比べて長波長の
可視光及び/または近赤外光を照射することにより、顔
料を加えかつ上に第二層を塗装したソリッドカラー塗膜
を硬化することが出来る。その際、ソリッドカラーの上
に塗装する第二層は、第一層と同じ光で硬化可能な光硬
化剤を用いることが好ましいが、分光分布の広い光源を
用いたり、あるいは2種類の光源を同時に、または別個
に照射して2つの層を同時あるいは連続的に光硬化させ
ることもできる。したがって、ソリッドカラー層は光透
過性の優れる可視光及び/または近赤外光で硬化させる
必要があるが、第二層は必ずしも可視光及び/または近
赤外光硬化性組成物である必要はなく、従来用いられて
きた紫外線硬化性組成物であってもよい。
【0012】一般にラジカル硬化を行う場合、空気中の
酸素による重合阻害が起こることがあるが、本発明の硬
化方法によると第一層の硬化については第二層の存在に
より酸素による硬化阻害の問題が解消される。第二層の
硬化については、ラジカル硬化の場合は酸素の悪影響を
避けるために、酸素濃度を低下させた条件で光硬化反応
を行わせることが好ましい。酸素濃度を低下させる方法
としては、例えば窒素などの不活性ガス雰囲気条件で光
硬化する方法、あるいは不活性ガスを塗膜表面にブロー
する方法などが挙げられる。また第二層の硬化反応を、
比較的酸素阻害の影響を受けにくい紫外光ラジカル硬化
や酸素による重合阻害を受けない光カチオン硬化で行う
ことも好ましい。
【0013】通常のソリッドカラー(第一層)の膜厚は
5〜300μm、第二層の厚さは2〜100μmである
が、本発明の方法によって一度の照射あるいは連続的な
照射により第一層、第二層を同時あるいは連続的に硬化
し、低温かつ短時間での優れた塗装が可能になった。
【0014】また本発明の硬化方法の応用として、第一
層を塗膜ではなく成形体等として、本発明の硬化方法を
適用することも可能である。その際には、第一層には、
遮蔽性顔料よりも、ガラスファイバー等の繊維類、タル
ク、炭酸カルシウム、水酸化アルミ、シリカ等の体質顔
料などを添加することが一般的である。
【0015】本発明で用いる光源は、使用する光硬化剤
の感光波長領域を勘案して決められる。水銀灯、メタル
ハライドランプも使用できるが、人体に有害な紫外線の
発生量が少ないという観点からは白熱灯、ハロゲンラン
プなどの使用が好ましい。第一層と第二層の光硬化剤が
同一あるいは別であっても感光波長が類似であれば使用
する光源は一種でよく、また例えば第一層の光硬化剤が
近赤外光吸収性であり第二層の光硬化剤が紫外光吸収性
である場合など、2種の光源を用いる方が好ましい場合
もある。2種以上の光硬化剤に対して、場合によっては
キセノンランプ等の広い分光分布を有する光源を用いる
こともできる。
【0016】本発明の第一層及び第二層の塗装方法は、
通常の方法と同じく、スプレーコート、ローラーコー
ト、カーテンウオールコート、刷毛塗り等が用いられ
る。第一層を塗装した後、第一層の塗料が溶剤を含有し
ている場合は60〜100℃程度に加熱して溶剤を蒸発
させて第二層の塗料を塗装し、第二層の塗料が溶剤を含
有している場合は60〜100℃程度に加熱して溶剤を
蒸発させた後、光を照射して塗膜を硬化させる。
【0017】光の照射はランプの下に塗装基材を連続的
に移動させる方法が好ましく、移動速度は塗料の配合処
方やランプの出力、ランプからの距離によって変わる
が、一般には1〜100m/分である。
【0018】本発明に用いられる光硬化性組成物は、一
般にはモノマー及び/またはオリゴマーと顔料、場合に
より充填剤を混合した後、光硬化剤を配合して製造され
る。ここでいうオリゴマーとは、例えば化学大辞典(昭
和44年 共立出版社発行)の「オリゴマー」の項に記
載されているものを指す。
【0019】モノマー、オリゴマーの具体例としては、
以下の3系統の化合物が用いられる。
【0020】(a)重合性不飽和基を有するモノマー、
オリゴマー。ビニル基、(メタ)アクリル基を有する化
合物から選ばれたもので、単独、または混合して用いら
れる。具体的には、モノマーとしては酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニ
ル、バーサチック酸ビニル等のビニル化合物、(メタ)
アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メ
タ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチ
ルヘキシル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルア
ミド、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)
アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グ
リシジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、エチレン
グリコール(メタ)アクリル酸エステル、プロピレング
リコール(メタ)アクリル酸エステル、ポリエチレング
リコール(メタ)アクリル酸エステル、トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリ
スリトールトリ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタ
エリスリトールヘキサ(メタ)アクリル酸エステル等の
(メタ)アクリル酸系化合物、スチレン、α−メチルス
チレン等のスチレン系化合物が挙げられる。
【0021】オリゴマーとしては分子中にビニル基また
は(メタ)アクリル基を有するもので、例えばエポキシ
(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレー
ト、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル
(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレー
ト等が挙げられる。
【0022】モノマーとオリゴマーの配合比は、塗膜に
要求される物性、塗布装置の種類などによっても相違す
るが、原則的にはモノマー単独でもオリゴマー単独でも
使用可能である。しかし一般には物性、作業性などを考
慮してモノマー/オリゴマーは重量比で9/1〜1/9
の割合で使用される。モノマー量が多すぎると塗膜の抗
張力、耐熱性が低下し、また粘度が低下して作業性が悪
くなる。またモノマー量が少なすぎると、逆に粘度が高
すぎて作業性が低下する。
【0023】(b)炭素−炭素二重結合を複数個有する
化合物と、複数個のメルカプト基を有する化合物との組
み合わせ。炭素−炭素二重結合を複数個有する化合物と
しては、ビニル基、(メタ)アクリル基、アリル基を2
個以上有するモノマー、オリゴマーが挙げられる。具体
的にはコハク酸ジビニル、アジピン酸ジビニル、上記
(a)で挙げた(メタ)アクリル基を複数個有する(メ
タ)アクリル酸エステル化合物、ジアリルフタレート、
ジアリルマレート、ジアリリデンペンタエリスリトール
等のアリル化合物、複数個の(メタ)アクリル基を有す
るエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)ア
クリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリ
エーテル(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)ア
クリレート等のオリゴマーが挙げられる。
【0024】これらの化合物と混合し、反応せしめる複
数個のメルカプト基を有する化合物としては、ジメルカ
プトエタン、ジメルカプトプロパン、ジメルカプトブタ
ン、エチレングリコールジチオグリコール酸エステル、
プロピレングリコールジチオグリコール酸エステル、ポ
リエチレングリコールジチオグリコール酸エステル、ポ
リプロピレングリコールジチオグリコール酸エステル、
トリメチロールプロパントリチオグリコール酸エステ
ル、ペンタエリスリトールトリチオグリコール酸エステ
ル、ジペンタエリスリトールヘキサチオグリコール酸エ
ステル、及び複数個のメルカプト基を末端または側鎖に
有するエポキシ、ウレタン、シリコーン等のオリゴマー
が挙げられる。
【0025】炭素−炭素二重結合を複数個有する化合物
とメルカプト化合物との配合比は、炭素−炭素二重結合
1当量に対してメルカプト基1当量が好ましいが、±1
0%程度の増減は差し支えない。
【0026】(c)エポキシ基を有する化合物、あるい
はビニルエーテル化合物。エポキシ基を有する化合物を
例示すると、ビスフェノールA−ジグリシジルエーテ
ル、ビスフェノールA−ジ−β−メチルグリシジルエー
テル、ビスフェノールF−ジグリシジルエーテル、テト
ラヒドロキシフェニルメタンテトラグリシジルエーテ
ル、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、
ダイマー酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジ
ルエステル、グリシジルアニリン、ビニルシクロヘキセ
ンジエポキサイド、3,4−エポキシ−6−メチルシク
ロヘキサンカルボキシレート、ジシクロペンタジエンジ
オキサイド、リモネンジオキサイド等が挙げられる。ま
たビニルエーテル化合物の例としては、メチルビニルエ
ーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエー
テル、2−エチルヘキシルビニルエーテルなどが挙げら
れる。
【0027】これらのイオン重合性化合物の例は、「U
V・EB硬化技術の応用と市場」シーエムシー社198
9年発行、58頁〜62頁に詳細な記載がある。
【0028】第一層の塗装に用いる塗料は、モノマー及
び/またはオリゴマーに顔料、充填剤、顔料分散剤、消
泡剤などを混合した通常のソリッドカラー配合処方に光
硬化剤を添加して得られる。第二層の塗装に用いる塗料
は、モノマー及び/またはオリゴマー、光硬化剤に、必
要に応じて顔料、充填剤などを添加するが、紫外線吸収
剤、光安定剤、酸化防止剤を配合することが望ましい。
その他必要に応じて可塑剤、溶剤などを添加することも
出来る。
【0029】第一層の顔料及び/または充填剤の配合量
はモノマー、オリゴマーの合計量の5〜200重量%、
好ましくは30〜150重量%である。顔料は一般塗料
に用いられているものが使用可能であり、チタン白、亜
鉛華、カーボンブラック、鉄黒、黄土、ハンザエロー、
ベンガラ、パーマネントレッド、紺青、フタロシアニン
ブルー、酸化クロム、フタロシアニングリーン等が挙げ
られる。この他、メタリック調、パール調を出すための
顔料も添加可能である。例えばアルミ粉、チタン粉、マ
イカ、干渉マイカ、マイカ状酸化鉄等が挙げられる。
【0030】充填剤としては、炭酸カルシウム、クレ
ー、タルク、シリカ、水酸化アルミ等が挙げられる。顔
料分散剤としてはアクリル系、ウレタン系、ポリエーテ
ル系などが用いられる。消泡剤としてはシリコーン系、
フッ素系等が用いられる。第二層の塗料処方はモノマー
及び/またはオリゴマーのみのクリア系の場合もある
が、これに顔料、充填剤も加えられる。
【0031】塗膜の耐候性を向上させるために紫外線吸
収剤、光安定剤、酸化防止剤などを添加することも出来
る。紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール系、サリ
チル酸エステル系、ヒドロキシベンゾフェノン系など
が、光安定剤としてはヒンダードアミン系などが、酸化
防止剤としてはヒンダードフェノール系、アミン系など
が、モノマー、オリゴマーの合計量に対して0.1〜1
0重量%程度用いられる。また、可塑剤は塗膜の柔軟化
のために用いることが出来、フタル酸系、アジピン酸
系、塩素化パラフィン系などが挙げられる。
【0032】また、作業性を良くするために溶剤、反応
性希釈剤を加えることも出来る。溶剤としては一般の塗
料用に用いられる溶剤類が使用でき、具体的には酢酸エ
チル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、トルエン、キ
シレン、グリコール系エーテル化合物類、アリルグリシ
ジルエーテル等が挙げられる。
【0033】本発明で用いる光硬化剤は、第一層、第二
層に使用される塗料の両方に添加される。光硬化剤は紫
外光、可視光、近赤外光の照射によってラジカルあるい
はカチオンが発生して塗料中の硬化性モノマー及び/ま
たはオリゴマーを重合せしめ、塗料ビヒクルとして好適
な物性を持つポリマーを生成し、かつ暗所に貯蔵したと
き暗反応によって硬化、ゲル化を起こさない硬化剤が選
ばれる。例えば以下に示す光硬化剤が挙げられる。
【0034】前述(a)(b)のモノマー、オリゴマー
を硬化するための開始剤は光照射によってラジカルを発
生させ得る化合物であり、可視光、近赤外光硬化剤とし
てはカンフォロキノン、ベンジル、ジメトキシベンジ
ル、クロロチオキサントン等が挙げられるが、特に以下
に示す一般式(1)(2)の化合物の組み合わせが好適
である。
【0035】一般式(1); D+ ・A- (式中、D+ は可視光から近赤外光までの任意の波長領
域に吸収をもつ陽イオンであり、A- は、各種陰イオン
を示す) 一般式(2);
【化2】 (式中、Z+ は任意の陽イオンを示し、R1 、R2 、R
3 及びR4 はそれぞれ独立してアルキル基、アリール
基、アリル基,アラルキル基、アルケニル基、アルキニ
ル基、シリル基、複素環基、ハロゲン原子、置換アルキ
ル基、置換アリール基、置換アリル基、置換アラルキル
基、置換アルケニル基、置換アルキニル基または置換シ
リル基を示す)
【0036】本発明の一般式(1)の陽イオン色素は、
可視光から近赤外光までの波長領域に吸収をもつ陽イオ
ン色素で、具体的には390nmから2000nmの範
囲に任意の吸収領域に吸収があればよい。ここでいう可
視光とは390nmから740nmの波長領域、近赤外
光とは、740nmから2000nmの波長領域であ
る。その中でも光の透過性、設備の安全性、開始剤の光
安定性、操作性などを勘案すると、近赤外光領域に吸収
を持つ陽イオン色素が特に好ましく、更に好ましくは7
80nmから1500nmの範囲に吸収を持つ陽イオン
色素である。
【0037】近赤外光は、従来一般に用いられている紫
外光に比べ波長が長く、光の透過性に優れているため、
従来の紫外光では困難だった光隠ぺい性の高い材料ある
いは厚みのある材料等に対しても良好な光硬化を行うこ
とが出来る。
【0038】本発明の陽イオン(D+ )として好ましい
ものとしては、例えばメチン、ポリメチン、シアニン、
キサンテン、オキサジン、チアジン、ジアリルメタン、
トリアリルメタン、ピリリウム系陽イオン染料の陽イオ
ンなどがあげられる。かかる陽イオン染料の代表例とし
ては、例えば表1に示すような近赤外光吸収色素、表2
に示す可視光吸収色素等が挙げられる。
【0039】
【表1】
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】また対イオンであるA- は任意の陰イオン
であるが、下記一般式(3)に示す4配位ホウ素アニオ
ンが特に好ましい。
【0043】一般式(3);
【化3】 (式中、R5 、R6 、R7 及びR8 はそれぞれ独立して
アルキル基、アリール基、アリル基,アラルキル基、ア
ルケニル基、アルキニル基、シリル基、複素環基、置換
アルキル基、置換アリール基、置換アリル基、置換アラ
ルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基、ハロ
ゲン原子または置換シリル基を示す)
【0044】R5 、R6 、R7 及びR8 の具体例として
は、フェニル基、アニシル基、n−ブチル基、n−ペン
チル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチ
ル基、n−ドデシル基、シクロヘキシル基、シクロヘキ
セニル基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エト
キシフェニル基、トルイル基、t−ブチルフェニル基、
フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ジエチルアミ
ノフェニル基、ビニル基、アリル基、トリフェニルシリ
ル基、ジメチルフェニルシリル基、ジブチルフェニルシ
リル基、トリメチルシリル基、ピペリジル基、チエニル
基、フリル基、ハロゲン原子などがあげられ、陰イオン
の具体例としては、n−ブチルトリフェニルホウ素イオ
ン、n−ドデシルトリフェニルホウ素イオン、n−ブチ
ルトリアニシルホウ素イオン、n−オクチルトリアニシ
ルホウ素イオン、ジ−n−ブチルジフェニルホウ素イオ
ン、ジ−n−ドデシルジフェニルホウ素イオン、ジ−n
−ブチルジアニシルホウ素イオン、ジ−n−ドデシルジ
アニシルホウ素イオン、テトラフェニルホウ素イオン、
テトラアニシルホウ素イオン、トリフェニルナフチルホ
ウ素イオン、テトラブチルホウ素イオン、トリ−n−ブ
チル(トリフェニルシリル)ホウ素イオン、トリ−n−
ブチル(ジメチルフェニルシリル)ホウ素イオン、ジメ
チルフェニル(トリメチルシリル)ホウ素イオン、テト
ラフルオロホウ素イオンなどが挙げられる。
【0045】また、本発明におけるホウ素系触媒は一般
式(2)で表わされるが、式中に記載の四級ホウ素陰イ
オンの置換基R1 〜R4 は、先に記載した一般式(3)
の四級ホウ素塩の置換基R5 〜R8 と同様である。
【0046】また陽イオン(Z+ )は一般式(4) 一般式(4);
【化4】 (式中、R9 ,R10、R11、及びR12はそれぞれ独立し
て水素原子、アルキル基、アリール基、アリル基、アラ
ルキル基、アルケニル基、アルキニル基、複素環基、置
換アルキル基、置換アリール基、置換アリル基、置換ア
ラルキル基、置換アルケニル基または置換アルキニル基
を示す)で表わされる4級アンモニウム陽イオンまたは
4級ピリジニウム陽イオン、4級キノリニウム陽イオ
ン、ホスホニウム陽イオン、ナトリウム、カリウム、リ
チウム、マグネシウム、カルシウム等の金属陽イオン等
があげられる。
【0047】ホウ素系化合物の具体的な例としては、テ
トラブチルアンモニウム−n−ブチルトリフェニルホウ
素、テトラメチルアンモニウム−n−オクチルトリフェ
ニルホウ素、テトラメチルアンモニウム−n−ドデシル
トリフェニルホウ素等が挙げられ、これらの化合物の詳
細な例は特開平6−75374号に記載がある。
【0048】これら陽イオン染料および触媒は、単独ま
たは2種以上を混合して用いることもできる。
【0049】本発明を構成する一般式(1)の陽イオン
色素と一般式(2)のホウ素系触媒を併用することで、
光によつて分解が起こり陽イオン色素の色が消色すると
ともに重合が開始され、可視光及び/または近赤外光の
高い透過性のために、従来の紫外光硬化では困難であっ
た隠ぺい性の高組成物を硬化することができる。陽イオ
ン色素の消色反応は不可逆反応であり、陽イオン色素の
色が硬化物の色相を損なうことがない。
【0050】本発明における一般式(1)で表される陽
イオン染料、一般式(2)で表される増感剤は、各々硬
化系配合物の0.001重量%以上用いることにより本
発明の目的を達成することが出来る。それ以下だと重合
が充分に行われず、硬化が不十分に終わるおそれがあ
る。好ましくは、0.01〜10重量%の範囲である。
大量に用いすぎることは、経済的観点上、好ましくな
い。2種あるいはそれ以上の陽イオン色素、ホウ素系触
媒を併用することも可能である。また、陽イオン色素と
ホウ素系触媒の比率は任意であるが、10:1〜1:5
0(モル比)の範囲が好ましい。硬化反応及び色素の消
色反応を効率的に行わせるために特に好ましくは1:1
〜1:50(モル比)の範囲である。
【0051】また、従来知られている紫外光重合開始剤
を本発明の第二層の光硬化剤として用いることができ
る。但し第二層が光遮蔽性顔料あるいは紫外線吸収剤な
どを大量に含有している場合などには、波長が短く光透
過性の低い紫外光開始剤を用いることは好ましくない。
本発明で使用し得る紫外光開始剤の例としてはベンジ
ル、ベンゾインアルキルエーテル、2,2−ジアルコキ
シアセトフェノンをはじめとする通常紫外光重合開始剤
として知られている化合物が挙げられる。具体例の詳細
は特開平6−75374号公報に記載がある。
【0052】なお、硬化促進剤として、各種アミン、ホ
スフィン、ホスファイト、ヒンダードアミン、チオー
ル、チオケトン、ビスイミダゾール、オニウム化合物な
どを添加することもできる。光硬化剤の添加量は一般に
モノマー、オリゴマーの合計量の0.05〜10重量%
であり、硬化促進剤は硬化剤の0.5〜200重量%が
用いられる。
【0053】(c)のエポキシ化合物、ビニルエーテル
化合物の光硬化には硬化剤としてルイス酸のオニウム塩
が用いられる。例えばヘキサフルオロホスフィン、ヘキ
サフルオロ砒素、ヘキサフルオロアンチモン、テトラフ
ルオロボロン等のホスフォニウム塩、ジアゾニウム塩、
オキソニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩等が
挙げられ、具体的にはトリフェニルホスホニウムヘキサ
フルオロホスフィン、トリフェニルスルホニウムヘキサ
フルオロアンチモン、ジメチルフェニル酢酸スルホニウ
ムヘキサフルオロ砒素、ニトロフェニルジアゾニウムヘ
キサフルオロフォスフィン、ニトロフェニルジフェニル
スルホニウムヘキサフルオロアンチモン等である。
【0054】これらの化合物は、照射光の感光性を向上
させるために増感剤を併用することが出来る。例えばア
クリジンオレンジ、アクリジンイエロー、フォスフィン
R、ベンゾフラビン等が増感剤として用いられる。増感
剤の添加量は、通常光硬化剤に対して0.01〜10重
量%である。これらの光硬化剤は上記のラジカル重合開
始剤とは異なり酸素による重合阻害を受けないので、本
発明の2コート1キュアー方式の、空気と接する第二層
の硬化に好適である。
【0055】本発明の方法は、第一層を塗装した後、硬
化せずにその上に第二層を塗装するのであるから、第二
層の塗装に際して第一層の未硬化表面が溶解したり、収
縮しないことが必要である。そのためには第二層を塗装
する際に第一層の塗装面が第二層の塗料で汚染されない
ように第一層の粘度を高めたり、セルロースアセテート
ブチレート等のポリマーを配合してもよい。第二層を塗
装して長時間放置しておくと、第二層の塗料で第一層が
汚染されるので、第二層を塗装後は速やかに光硬化させ
ることが好ましい。
【0056】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明する。実
施例中に記載の「部」は全て重量部である。 (実施例1) 第一層塗料組成 2−エチルヘキシルアクリレート 10部(重量部) エチレングリコールジメタクリレート 20部 トリメチロールプロパンジメタクリレート 30部 エポキシアクリレート(昭和高分子(株)SP−1509)40部 チタン白 40部 フタロシアニングリーン 5部 酢酸エチル 20部 カンフォロキノン 3部 第二層塗料組成 ポリプロピレングリコールジメタクリレート 20部(重量部) トリメチロールプロパンジメタクリレート 30部 エポキシアクリレート(昭和高分子(株)SP−1509)50部 ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 (TINUVIN234 チバガイギー社製) 3部 ヒンダードフェノール系酸化防止剤 (IRGANOX 1010 チバガイギー社製) 2部 カンフォロキノン 2部
【0057】シーラー及びサーフェーサーを塗布したセ
メント建材に第一層の塗料を膜厚200μmになるよう
にスプレーコートし、60℃で15分乾燥し、溶剤であ
る酢酸エチルを蒸発させた後、室温に冷却し、第二層の
塗料を膜厚20μmになるようにスプレーコートした。
直ちに500W白熱灯の下部20cmを15m/分の速
度で通過せしめた。塗装板をJIS−K5400により
試験した結果を表3に示した。
【0058】(比較例1)実施例1の第一、二層塗料組
成において、光硬化剤であるカンフォロキノンに変えて
紫外光重合開始剤であるベンゾインイソプロピルエーテ
ルを同量を用いる以外は実施例1と同様に第一層、第二
層の塗料を作製した。実施例1と同じ基板の上に実施例
1と同様、第一層、第二層を塗装した。実施例1の白熱
灯に変えて300Wメタルハライドランプによって紫外
光を5分間照射した。表面は硬化したものの、下層の第
一層は全く硬化せず、したがって基板との密着性は碁盤
目剥離試験で0/100であったので、他の評価試験は
行わなかった。
【0059】(実施例2) 第一層塗料組成 イソボルニルアクリレート 30部(重量部) ペンタエリスリトールトリメタクリレート 30部 ウレタンアクリレート(共栄社化学(株)UA306H) 40部 チタン白 40部 フタロシアニンブルー 10部 近赤外光吸収色素(表1−3、対イオンはn−ブチルトリフェニルホウ素) 0.1部 ホウ素系触媒 テトラブチルアンモニウム・n−ブチルトリフェニルホウ素 0.5部 第二層塗料組成 イソボルニルアクリレート 30部(重量部) トリメチロールプロパンジメタクリレート 35部 ウレタンアクリレート(共栄社化学(株)UA306H) 35部 紫外線吸収剤(TINUVIN234 チバガイギー社製) 3部 酸化防止剤(IRGANOX 1010 チバガイギー社製)2部 近赤外光吸収色素(表1−3、対イオンはn−ブチルトリフェニルホウ素) 0.1部 ホウ素系触媒 テトラブチルアンモニウム・n−ブチルトリフェニルホウ素 0.5部
【0060】実施例1と同じ処理をしたセメント建材
に、第一層の塗料をローラーコートし(膜厚200μ
m)、続いて第二層をローラーコートした後(膜厚20
μm)、塗膜表面を窒素でブローしながら直ちに150
0Wのハロゲンランプを2分間照射した。塗装板をJI
S−K5400により試験した結果を表3に示した。
【0061】(実施例3) 第一層塗料組成 ジアリルフタレート 252g(1.0モル) エチレングリコールジアクリレート 68g(0.4モル) トリメチロールプロパンジチオグリコレート 394g(1.4モル) チタン白 100g タルク 510g ベンガラ 20g 近赤外光吸収色素(表1−1、対イオンはn−ブチルトリトルイルホウ素) 0.1部 ホウ素系触媒 テトラブチルアンモニウム・n−ブチルトリトルイルホウ素 0.5部 第二層塗料組成 ジアリリデンペンタエリスリット 212g(1.0モル) トリメチロールプロパンジアクリレート 242g(1.0モル) ペンタエリスリトールジチオグリコレート 568g(2.0モル) 紫外線吸収剤(TINUVIN234 チバガイギー社製) 3部 酸化防止剤(IRGANOX 1010 チバガイギー社製)2部 可視光吸収色素(表2−8、対イオンはn−ブチルトリフェニルホウ素) 0.1部 ホウ素系触媒 テトラブチルアンモニウム・n−ブチルトリフェニルホウ素 0.5部
【0062】ウオッシュプライマーをかけ、その上にサ
ンディングシーラーをかけた炭素鋼板に、第一層の塗料
をローラーコートし(膜厚200μm)、続いて第二層
をローラーコートした後(膜厚20μm)、塗膜表面を
窒素でブローしながら直ちに1500Wのハロゲンラン
プを2分間照射した。塗装板をJIS−K5400によ
り試験した結果を表3に示した。
【0063】(実施例4)実施例3の塗料組成におい
て、上層である第二層の近赤外光吸収色素及びホウ素系
触媒に変えてベンゾインイソプロピルエーテルを3部加
え、他は実施例3と同様に塗料を作製した。実施例3と
同じ基材の上に第一層を塗装し、続いて第二層を塗装
し、300Wのメタルハライドランプによって紫外光を
5分間照射し、更に実施例3のハロゲンランプを2分間
照射した。硬化塗膜の物性評価試験結果を表3に示し
た。
【0064】(実施例5)実施例3の塗料組成におい
て、上層である第二層の近赤外光吸収色素及びホウ素系
触媒に変えて光カチオン重合開始剤であるジフェニルヨ
ードニウムのヘキサフルオロホスホニウム塩を3部加
え、他は実施例3と同様に塗料を作製した。実施例3と
同じ基材の上に第一層を塗装し、続いて第二層を塗装
し、300Wのメタルハライドランプによって紫外光を
5分間照射し、更に実施例3のハロゲンランプを2分間
照射した。硬化塗膜の物性評価試験結果を表3に示し
た。
【0065】(比較例2)実施例3の塗料組成におい
て、近赤外光吸収色素及びホウ素系触媒に変えて第一
層、第二層共にベンゾインイプロピルエーテルを3部加
え、他は実施例3と同様に塗料を作製した。実施例3と
同じ基材の上に第一層を塗装し、続いて第二層を塗装
し、実施例3のハロゲンランプの代わりに300Wのメ
タルハライドランプによって紫外光を5分間照射した。
表面は硬化したが、下層は硬化せず、密着性は0/10
0であったので他の試験は行わなかった。
【0066】
【表3】
【0067】(実施例6) 第一層塗料組成 イソボルニルアクリレート 30部(重量部) ポリエチレングリコールジアリレート 30部 ウレタンアクリレート(共栄社化学(株)UA306H) 40部 アルミペースト(昭和アルミパウダー(株)561PS) 15部 近赤外光吸収色素(表1−3、対イオンはn−ブチルトリフェニルホウ素) 0.1部 ホウ素系触媒 テトラブチルアンモニウム・n−ブチルトリフェニルホウ素 0.5部 第二層塗料組成 イソボルニルアクリレート 30部(重量部) トリメチロールプロパンジメタクリレート 35部 ウレタンアクリレート(共栄社化学(株)UA306H) 35部 紫外線吸収剤(TINUVIN234 チバガイギー社製) 3部 酸化防止剤(IRGANOX 1010 チバガイギー社製)2部 近赤外光吸収色素(表1−3、対イオンはn−ブチルトリフェニルホウ素) 0.1部 ホウ素系触媒 テトラブチルアンモニウム・n−ブチルトリフェニルホウ素 0.5部
【0068】アルミ基板に第一層の塗料をスプレー塗装
し(膜厚50μm)、続いた第二層をスプレー塗装した
後(膜厚20μm)、塗膜表面を窒素でブローしながら
直ちに1500Wのハロゲンランプを2分間照射した。
硬化塗膜を剥がし、塗膜表面及び裏面をキシレンラビン
グしたが、いずれも塗膜に変化は見られず、完全に硬化
していることが確認された。
【0069】(比較例3)実施例6の塗料組成におい
て、近赤外吸収色素及びホウ素系触媒に変えて、第一
層、第二層共にベンゾインイソプロピルエーテルを3部
加え、他は実施例6と同様に塗料を作製した。実施例6
と同じ基材の上に第一層を塗装し、続いて第二層を塗装
し、実施例6のハロゲンランプの代わりに300Wの高
圧水銀ランプによって紫外光を5分間照射した。第二層
は硬化したが、下層である第一層は硬化しなかった。
【0070】
【発明の効果】本発明により、従来知られていなかった
低温かつ短時間で2層の同時あるいは連続硬化が可能
な、光反応による2コート1ベーク方式(2コート1キ
ュアー方式)による塗膜の硬化方法が提供された。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モノマー及び/またはオリゴマー、顔
    料、光硬化剤を必須成分とする組成物を塗装して第一層
    を形成し、次いで、その上にモノマー及び/またはオリ
    ゴマー、光硬化剤を必須成分とする組成物を塗装して第
    二層を形成した後、可視光及び/または近赤外光を照射
    することで塗膜を硬化する方法。
  2. 【請求項2】 光硬化剤が、一般式(1)で表わされる
    陽イオン染料、一般式(2)で表わされるホウ素系触媒
    の組み合わせである、請求項1の硬化方法。 一般式(1); D+ ・A- (式中、D+ は可視光から近赤外光までの任意の波長領
    域に吸収をもつ陽イオンであり、A- は、各種陰イオン
    を示す) 一般式(2); 【化1】 (式中、Z+ は任意の陽イオンを示し、R1 、R2 、R
    3 及びR4 はそれぞれ独立してアルキル基、アリール
    基、アリル基,アラルキル基、アルケニル基、アルキニ
    ル基、シリル基、複素環基、ハロゲン原子、置換アルキ
    ル基、置換アリール基、置換アリル基、置換アラルキル
    基、置換アルケニル基、置換アルキニル基または置換シ
    リル基を示す)
  3. 【請求項3】 光硬化剤が、ルイス酸のオニウム塩であ
    ることを特徴とする、請求項1の硬化方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009511703A (ja) * 2005-10-10 2009-03-19 エスエスシーピー・カンパニー・リミテッド 低粘度の多官能ウレタンアクリレートオリゴマーを含むuv硬化性ハイソリッド塗料組成物
JP2010285606A (ja) * 2009-05-14 2010-12-24 Denki Kagaku Kogyo Kk 硬化方法
JP5716871B2 (ja) * 2012-11-28 2015-05-13 味の素株式会社 樹脂硬化剤および一液性エポキシ樹脂組成物
JP2019065245A (ja) * 2017-10-05 2019-04-25 中国塗料株式会社 光硬化性樹脂組成物、被膜付基材およびその製造方法

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