JPH0953281A - 目地のシール方法 - Google Patents

目地のシール方法

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JPH0953281A
JPH0953281A JP20711995A JP20711995A JPH0953281A JP H0953281 A JPH0953281 A JP H0953281A JP 20711995 A JP20711995 A JP 20711995A JP 20711995 A JP20711995 A JP 20711995A JP H0953281 A JPH0953281 A JP H0953281A
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JP
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light
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JP20711995A
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English (en)
Inventor
Shuichi Sugita
修一 杉田
Hideki Sendai
英毅 千代
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シール部層が厚く、かつシール部分が目立た
ないようにシール剤を基材と同じ色に着色しているた
め、従来の紫外線硬化では光が深部まで届かず、したが
ってシール部の形成は困難である。 【解決手段】 重合性官能基を有するモノマー及び/ま
たはオリゴマーと顔料及び/または充填剤との配合物
に、可視光及び/または近赤外光を照射してラジカルま
たはイオンを発生させて硬化作用を行うことのできる光
硬化剤を配合し、この組成物を用いて施工した後、可視
光及び/または近赤外光を照射して硬化せしめ、シール
部を形成する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、短時間かつ低温で
硬化が可能な、目地のシール方法に関する。更に詳しく
は、シール部が目立たないようにシール剤に被シール材
の色と同じ着色を施し、光照射することによって短時間
かつ低温で硬化せしめる目地のシール方法に関する。
【0002】
【従来の技術】窯業建材、金属建材、プラスチック建
材、木質建材等を用いて壁、天井、床、住設機器表面な
どを施工するとき、多くは工場生産による一定寸法の建
材を継ぎ合わせ、その目地はシール剤によってシールさ
れる。このシール剤は一般に半固体の高分子材料であ
り、油性、ウレタン系、ポリサルファイド系、ブチル
系、シリコーン系、変性シリコーン系、アクリル系など
に分類されているが、いずれも施工後化学反応または溶
剤、水などの揮発分の蒸発などにより硬化し、弾性のあ
るポリマーを生成して密着性、耐振動性、耐候性のある
シールの役目をするものである。これらのシール剤は硬
化に時間がかかるのが普通であり、特に建物、大型建造
物を加熱するなどの方法で硬化を早めることは困難であ
った。
【0003】一方、室温で迅速に硬化させるためには光
硬化を採用することが有効であるが、一般にシール部層
が厚く、かつシール部分が目立たないようにシール剤を
基材と同じ色に着色しているため、従来の紫外線硬化で
は光が深部まで届かず、したがって光硬化によるシール
方法は困難である。そのため室温、短時間で硬化し、優
れた物性を有する目地のシール方法が求められてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、着色したシ
ール剤に深く浸透できる長波長の光線を照射して、深部
まで短時間で硬化せしめ、施工後、雨雪が降ったりする
屋外施工、施工後直ちに移送される基材のシールへの適
用等に、優れた効果を発揮する目地のシール方法を提供
することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は基材と同じ色に
着色したシール剤を施工後、可視光線及び/または近赤
外光を照射して短時間かつ低温で硬化せしめる目地のシ
ール方法である。すなわち、重合性官能基を有するモノ
マー及び/またはオリゴマーと顔料及び/または充填剤
との配合物に、可視光及び/または近赤外光を照射して
ラジカルまたはイオンを発生させて硬化作用を行うこと
のできる光硬化剤を配合し、この組成物を用いて施工し
た後、可視光及び/または近赤外光を照射して硬化させ
る目地のシール方法である。
【0006】従来から紫外光照射によって室温で短時間
にモノマー及び/またはオリゴマーを硬化する技術は知
られており、広く利用されてきたが、紫外光は短波長の
ため材料深部へ届きにくく、ことに顔料、充填剤を加え
た組成物の硬化は極く表面(10μ程度)にとどまり、
深部は硬化しないことが常識とされてきた。
【0007】一方、一般にシール剤は厚塗り(一般に数
mm)されるため、紫外光で硬化させることは実用的で
なかった。また紫外光は皮膚ガンの原因になったり、眼
に炎症を起こしたり、更にはオゾンを発生したりするの
で防護設備が必要、といった問題点をも有していた。
【0008】また、特に屋外用建材においては、自然界
の紫外線による材料の劣化が懸念されるため、紫外線吸
収剤などの劣化防止剤を添加することが行われている
が、シールの形成を紫外線硬化でおこなう場合、硬化に
必要な紫外線が吸収剤により遮断され、充分な硬化反応
を阻害するという問題もあった。
【0009】本発明者らは、上記問題点を解決すべく検
討を重ねた結果、従来光硬化に用いられていた紫外光よ
りも長波長で透過性にすぐれ、しかも安全かつ安価な光
源から得られる可視光及び/または近赤外光を用いて顔
料、充填材を配合したシール剤を光硬化することにより
上記課題が解決可能なことを見い出し、本発明を完成す
るに至った。
【0010】本発明での可視光とは390nm〜740
nmの波長の光をさし、近赤外光とは740nm〜20
00nmの波長の光をさす。本発明で用いる光源として
は、水銀灯、メタルハライドランプも使用できるが、人
体に有害な紫外線の発生量が少ないという観点から白熱
灯、ハロゲンランプなどの使用が好ましい。工場生産で
シール部を形成するときには、本発明の工程によりシー
ル剤を充填した後、ランプの下を連続的に通すことが一
般的には行われるが、建造物に施工する場合は、シール
剤を充填した後、ランプを移動させて光を均等に照射し
シール部を形成することが好ましい。
【0011】また、可視光から赤外光まで広範囲に分光
があり、かつ安全、安価な光源として太陽光も使用し得
る。天候などにより光強度が左右される難点はあるもの
の、好天時の野外施工の場合など、本発明のシール剤を
充填し放置することで、太陽光による光反応が生起し、
シール部を形成することも可能である。その際、光反応
の効率を上げるために、先に述べた各種ランプを太陽光
と併用することももちろん可能である。
【0012】本発明のシール部を形成するために、光反
応が効率よく生起する、一定量以上の強度を有する光の
照射をすることが望ましい。望ましい光の強度は、開始
剤の感光性、重合化合物の硬化性、充填剤の種類、量、
シール部の厚さなどにより異なるが、一般に100mJ
/cm2 以上、より望ましくは500mJ/cm2 以上
である。
【0013】光強度が低すぎると光反応が十分に進行せ
ず、シール剤全体の硬化反応が不十分であったり、深さ
方向の硬化が不均一になったり、あるいは全く硬化が起
こらない場合もある。また、光強度が高すぎると、電力
コストの上昇、光エネルギーによる基材あるいは充填し
たシール剤の温度上昇に伴う基材、シール剤などの物性
低下などが起こり得るので、必要以上の光強度での照射
は好ましくない。一般には、20J/cm2 以下、好ま
しくは10J/cm2 以下の光強度での照射が行われ
る。
【0014】本発明のシール方法の一般的な処方として
は、本発明の組成物を良く混合し、必要に応じて溶剤な
どを加えて作業性の良い粘度に調整して、被シール部に
各種コーター等を用いて充填し、必要に応じて余分な組
成物をリバースロールコーター等を用いて掻き取った
後、上記の光源などによる照射を行い光硬化を達成させ
る。硬化表面は、必要に応じて表面を平滑にするために
研磨してもよい。さらにその上に必要に応じて塗装が施
されることもある。
【0015】本発明のシール部の形成方法は、従来の方
法と比べて短時間かつ低温でシール部分の硬化が達成さ
れるので、硬化後の研磨あるいは塗装を含めて作業の待
ち時間が著しく短縮され、効率的に作業を行うことが可
能になる。また、光硬化中あるいは光硬化後に、硬化反
応を促進ないしは完結させるために、加熱を行うことも
できる。加熱方法は、シールする基材の形状に応じて適
宜選択される。
【0016】硬化可能な厚みは、使用するモノマー、オ
リゴマー、顔料、添加剤の種類、配合量、光硬化剤の種
類と量、光源の機種、光強度などによって異なるが、シ
ールとしての必要な厚さ、例えば10mm以上の硬化が
可能である。
【0017】本発明で用いるシール剤は、一般にはモノ
マー及び/またはオリゴマーと顔料、充填剤を練合した
後、光硬化剤を配合して製造される。ここでいうオリゴ
マーとは、例えば化学大辞典(昭和44年 共立出版社
発行)の「オリゴマー」の項に記載されているものを指
す。モノマー、オリゴマーとしては以下の3系統の化合
物が用いられる。
【0018】(a)重合性不飽和基を有するモノマー、
オリゴマー。ビニル基、(メタ)アクリル基を有する化
合物から選ばれたもので、単独、または混合して用いら
れる。具体的には、モノマーとしては酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニ
ル、バーサチック酸ビニル等のビニル化合物、(メタ)
アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メ
タ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2エチル
ヘキシル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミ
ド、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)ア
クリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリ
シジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、エチレング
リコール(メタ)アクリル酸エステル、プロピレングリ
コール(メタ)アクリル酸エステル、ポリエチレングリ
コール(メタ)アクリル酸エステル、トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリス
リトールトリ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエ
リスリトールヘキサ(メタ)アクリル酸エステル等の
(メタ)アクリル酸系化合物、スチレン、α−メチルス
チレン等のスチレン系化合物が挙げられる。
【0019】オリゴマーとしては分子中にビニル基また
は(メタ)アクリル基を有するもので、例えばエポキシ
(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレー
ト、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル
(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレー
ト等が挙げられる。
【0020】モノマーとオリゴマーの配合比は、シール
部に要求される物性、塗布装置の種類などによって相違
するが、原則的にはモノマー単独でもオリゴマー単独で
も使用可能である。しかし一般には物性、作業性などを
考慮してモノマー/オリゴマーは重量比で9/1〜1/
9の割合で使用される。モノマー量が多すぎるとシール
部の抗張力、耐熱性が低下し、またシール剤の粘度が低
下して作業性が悪くなる。またモノマー量が少なすぎる
と、逆に粘度が高すぎて作業性が低下する。
【0021】(b)炭素−炭素二重結合を2以上有する
化合物と、メルカプト基を2以上有する化合物との組み
合わせ。炭素−炭素二重結合を2以上有する化合物とし
ては、ビニル基、(メタ)アクリル基、アリル基を2以
上有するモノマー、オリゴマーが挙げられる。具体的に
はコハク酸ジビニル、アジピン酸ジビニル、上記(a)
で挙げた(メタ)アクリル基を2以上有する(メタ)ア
クリル酸エステル化合物、ジアリルフタレート、ジアリ
ルマレート、ジアリリデンペンタエリスリトール等のア
リル化合物、2以上の(メタ)アクリル基を有するエポ
キシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレ
ート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテ
ル(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレ
ート等のオリゴマーが挙げられる。
【0022】これらの化合物と混合し、反応せしめるメ
ルカプト基を2以上有する化合物としては、ジメルカプ
トエタン、ジメルカプトプロパン、ジメルカプトブタ
ン、エチレングリコールジチオグリコール酸エステル、
プロピレングリコールジチオグリコール酸エステル、ポ
リエチレングリコールジチオグリコール酸エステル、ポ
リプロピレングリコールジチオグリコール酸エステル、
トリメチロールプロパントリチオグリコール酸エステ
ル、ペンタエリスリトールトリチオグリコール酸エステ
ル、ジペンタエリスリトールヘキサチオグリコール酸エ
ステル、及び2以上のメルカプト基を末端または側鎖に
有するエポキシ、ウレタン、シリコーン等のオリゴマー
が挙げられる。
【0023】炭素−炭素二重結合を2以上有する化合物
とメルカプト基を2以上有する化合物との配合比は、炭
素−炭素二重結合1当量に対してメルカプト基1当量が
好ましいが、±10%程度の増減は差し支えない。
【0024】(c)エポキシ基を有する化合物、あるい
はビニルエーテル化合物。エポキシ基を有する化合物を
例示すると、ビスフェノールA−ジグリシジルエーテ
ル、ビスフェノールA−ジ−β−メチルグリシジルエー
テル、ビスフェノールF−ジグリシジルエーテル、テト
ラヒドロキシフェニルメタンテトラグリシジルエーテ
ル、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、
ダイマー酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジ
ルエステル、グリシジルアニリン、ビニルシクロヘキセ
ンジエポキサイド、3,4−エポキシ−6−メチルシク
ロヘキサンカルボキシレート、ジシクロペンタジエンジ
オキサイド、リモネンジオキサイド等が挙げられる。ま
たビニルエーテル化合物の例としては、メチルビニルエ
ーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエー
テル、2−エチルヘキシルビニルエーテルなどが挙げら
れる。これらのイオン重合性化合物の例は、「UV・E
B硬化技術の応用と市場」シーエムシー社1989年発
行、58頁〜62頁に詳細な記載がある。
【0025】シール部を建材の色と同様の色にするため
に顔料が添加され、また強度と隠ぺい力向上のために充
填剤が添加される。顔料は建材と色を合わせるために種
々のものが用いられるが、例えば白色ではチタン白、亜
鉛華、黒色はカーボンブラック、鉄黒、黄色は黄土、ハ
ンザイエロー、赤色はベンガラ、パーマネントレッド、
青色は紺青、フタロシアニンブルー、緑色は酸化クロ
ム、フタロシアニングリーン、メタリック調はアルミ粉
などで、適当量を混合して所定の色とする。また、充填
剤としては、炭酸カルシウム、クレー、タルク、シリカ
等が用いられる。
【0026】これら顔料及び/または充填剤の配合量は
モノマーとオリゴマーの合計量の50〜200重量%の
範囲が好ましい。顔料及び/または充填剤の量が少なす
ぎる場合はシール部の隠ぺい力が乏しく、また強度が不
十分になるおそれがある。また多すぎると硬化物の伸度
が小さくなり、脆くなるので好ましくない。
【0027】更に必要に応じて各種添加剤が配合され
る。例えば可塑剤、安定剤、防黴剤、紫外線吸収剤、消
泡剤、溶剤、チクソ剤などを添加してもよい。可塑剤と
してはジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、塩
素化パラフィン等、安定剤としてはヒンダードフェノー
ル系化合物、アミン系化合物等、防黴剤としてはスズ
系、銅系、塩素系、アミン系化合物等、紫外線吸収剤と
してはベンゾトリアゾール系、サリチル酸エステル系、
ヒドロキシベンゾフェノン系等、消泡剤としてはフッ素
系、シリコン系等、溶剤としては酢酸エステル、グリコ
ールエーテルアセテート系等、チクソ剤としては酸化ケ
イ素微粉末等が例示される。
【0028】先に述べたように、従来の紫外光硬化にお
いては添加に問題があった紫外線吸収剤等を、何等問題
なく添加出来ることも本発明の特徴である。本発明で用
いるシール剤の光硬化剤としては、可視光及び/または
近赤外光の照射によってラジカルまたはイオンを発生
し、重合硬化してシール部として好適な物性を与え、か
つ暗所保存時に暗反応が起こって硬化したり変質したり
しないものが選ばれる。例えば以下に示す光硬化剤が挙
げられる。
【0029】前述(a)(b)のモノマー、オリゴマー
を硬化するための開始剤は光照射によってラジカルを発
生させ得る化合物であり、カンフォロキノン、ベンジ
ル、ジメトキシベンジル、クロロチオキサントン等が挙
げられるが、特に以下に示す一般式(1)(2)の化合
物の組み合わせが好適である。
【0030】一般式(1); D+ ・A- (式中、D+ は可視光から近赤外光までの任意の波長領
域に吸収をもつ陽イオンであり、A- は、各種陰イオン
を示す) 一般式(2);
【化2】 (式中、Z+ は任意の陽イオンを示し、R1 、R2 、R
3 及びR4 はそれぞれ独立してアルキル基、アリール
基、アリル基,アラルキル基、アルケニル基、アルキニ
ル基、シリル基、複素環基、ハロゲン原子、置換アルキ
ル基、置換アリール基、置換アリル基、置換アラルキル
基、置換アルケニル基、置換アルキニル基または置換シ
リル基を示す)
【0031】本発明の一般式(1)の陽イオン色素は、
可視光から近赤外光までの波長領域に吸収をもつ陽イオ
ン色素で、具体的には390nmから2000nmの範
囲に任意の吸収領域に吸収があればよい。その中でも光
の透過性、設備の安全性、開始剤の光安定性、操作性な
どを勘案すると、近赤外光領域に吸収を持つ陽イオン色
素が特に好ましい。
【0032】ここでいう近赤外光領域に吸収を持つ陽イ
オンとは、740nmから2000nmの波長領域に吸
収をもつ陽イオンであり、更に好ましくは780nmか
ら1500nmの範囲である。近赤外光は従来一般に用
いられている紫外光に比べ波長が長く、光の透過性に優
れているため、従来の紫外光では困難だった光隠ぺい性
の高い材料、あるいは厚みのある材料等に対しても良好
な光硬化を行うことが出来る。
【0033】本発明の陽イオン(D+ )として好ましい
ものとしては、例えばメチン、ポリメチン、シアニン、
キサンテン、オキサジン、チアジン、ジアリルメタン、
トリアリルメタン、ピリリウム系陽イオン染料の陽イオ
ンなどがあげられる。かかる陽イオン染料の代表例とし
ては、例えば表1に示すような近赤外光吸収色素、表2
に示す可視光吸収色素等が挙げられる。
【0034】
【表1】
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】また対イオンであるA は任意の陰イオン
であるが、下記一般式(3)に示す4配位ホウ素アニオ
ンが特に好ましい。
【0038】一般式(3);
【化3】 (式中、R5 、R6 、R7 及びR8 はそれぞれ独立して
アルキル基、アリール基、アリル基,アラルキル基、ア
ルケニル基、アルキニル基、シリル基、複素環基、置換
アルキル基、置換アリール基、置換アリル基、置換アラ
ルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基、ハロ
ゲン原子または置換シリル基を示す)
【0039】R5 、R6 、R7 及びR8 の具体例として
は、フェニル基、アニシル基、n−ブチル基、n−ペン
チル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチ
ル基、n−ドデシル基、シクロヘキシル基、シクロヘキ
セニル基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エト
キシフェニル基、トルイル基、t−ブチルフェニル基、
フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ジエチルアミ
ノフェニル基、ビニル基、アリル基、トリフェニルシリ
ル基、ジメチルフェニルシリル基、ジブチルフェニルシ
リル基、トリメチルシリル基、ピペリジル基、チエニル
基、フリル基、ハロゲン原子などがあげられ、陰イオン
の具体例としては、n−ブチルトリフェニルホウ素イオ
ン、n−ドデシルトリフェニルホウ素イオン、n−ブチ
ルトリアニシルホウ素イオン、n−オクチルトリアニシ
ルホウ素イオン、ジ−n−ブチルジフェニルホウ素イオ
ン、ジ−n−ドデシルジフェニルホウ素イオン、ジ−n
−ブチルジアニシルホウ素イオン、ジ−n−ドデシルジ
アニシルホウ素イオン、テトラフェニルホウ素イオン、
テトラアニシルホウ素イオン、トリフェニルナフチルホ
ウ素イオン、テトラブチルホウ素イオン、トリ−n−ブ
チル(トリフェニルシリル)ホウ素イオン、トリ−n−
ブチル(ジメチルフェニルシリル)ホウ素イオン、ジメ
チルフェニル(トリメチルシリル)ホウ素イオン、テト
ラフルオロホウ素イオンなどが挙げられる。
【0040】また、本発明におけるホウ素系触媒は一般
式(2)で表わされるが、式中に記載の四級ホウ素陰イ
オンの置換基R1 〜R4 は、先に記載した一般式(3)
の四級ホウ素塩の置換基R5 〜R8 と同様である。また
陽イオン(Z+ )は一般式(4)
【0041】一般式(4);
【化4】 (式中、R9 ,R10、R11、及びR12はそれぞれ独立し
て水素原子、アルキル基、アリール基、アリル基、アラ
ルキル基、アルケニル基、アルキニル基、複素環基、置
換アルキル基、置換アリール基、置換アリル基、置換ア
ラルキル基、置換アルケニル基または置換アルキニル基
を示す)で表わされる4級アンモニウム陽イオンまたは
4級ピリジニウム陽イオン、4級キノリニウム陽イオ
ン、ホスホニウム陽イオン、ナトリウム、カリウム、リ
チウム、マグネシウム、カルシウム等の金属陽イオン等
があげられる。
【0042】ホウ素系化合物の具体的な例としては、テ
トラブチルアンモニウム−n−ブチルトリフェニルホウ
素、テトラメチルアンモニウム−n−オクチルトリフェ
ニルホウ素、テトラメチルアンモニウム−n−ドデシル
トリフェニルホウ素等が挙げられ、これらの化合物の詳
細な例は特開平6−75374号に記載がある。これら
陽イオン染料および触媒は単独または2種以上を混合し
て用いることもできる。
【0043】本発明を構成する一般式(1)の陽イオン
色素と一般式(2)のホウ素系触媒を併用することで、
光によつて分解が起こり陽イオン色素の色が消色すると
ともに重合が開始され、可視光及び/または近赤外光の
高い透過性のために従来の紫外光硬化では困難であっ
た、隠ぺい性の高い組成物を硬化することができる。陽
イオン色素の消色反応は不可逆反応であり、陽イオン色
素の色が硬化物の色相を損なうことがない。
【0044】本発明における一般式(1)で表される陽
イオン染料、一般式(2)で表される増感剤は、各々硬
化系配合物の0.001重量%以上用いることにより本
発明の目的を達成することが出来る。それ以下だと重合
が充分に行われず、硬化が不十分に終わるおそれがあ
る。好ましくは、0.01〜10重量%の範囲である。
大量に用いすぎることは、経済的観点上、好ましくな
い。2種あるいはそれ以上の陽イオン色素、ホウ素系触
媒を併用することも可能である。また、陽イオン色素と
ホウ素系触媒の比率は任意であるが、10:1〜1:5
0(モル比)の範囲が好ましい。硬化反応及び色素の消
色反応を効率的に行わせるために特に好ましくは1:1
〜1:50(モル比)の範囲である。
【0045】なお、硬化促進剤として、各種アミン、ホ
スフィン、ホスファイト、ヒンダードアミン、チオー
ル、チオケトン、ビスイミダゾール、オニウム化合物な
どを添加することもできる。光硬化剤の添加量は一般に
モノマー、オリゴマーの合計量の0.05〜10重量%
であり、硬化促進剤は硬化剤の0.5〜200重量%が
用いられる。
【0046】(c)のエポキシ化合物、ビニルエーテル
化合物の光硬化には硬化剤としてルイス酸のオニウム塩
が用いられる。例えばヘキサフルオロホスフィン、ヘキ
サフルオロ砒素、ヘキサフルオロアンチモン、テトラフ
ルオロボロン等のホスフォニウム塩、ジアゾニウム塩、
オキソニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩等が
挙げられ、具体的にはトリフェニルホスホニウムヘキサ
フルオロホスフィン、トリフェニルスルホニウムヘキサ
フルオロアンチモン、ジメチルフェニル酢酸スルホニウ
ムヘキサフルオロ砒素、ニトロフェニルジアゾニウムヘ
キサフルオロフォスフィン、ニトロフェニルジフェニル
スルホニウムヘキサフルオロアンチモン等である。
【0047】これらの化合物は、可視光及び近赤外光の
感光性を向上させるために増感剤を併用することが出来
る。例えばアクリジンオレンジ、アクリジンイエロー、
フォスフィンR、ベンゾフラビン等が増感剤として用い
られる。増感剤の添加量は、通常光硬化剤に対して0.
01〜10重量%である。
【0048】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明する。実
施例中に記載の「部」は全て重量部である。 (実施例1)2−エチルヘキシルアクリレート40部、
ジプロピレングリコールジアクリレート30部、ウレタ
ンアクリレート(共栄社化学(株)AT−600)30
部を均一に混合し、これに炭酸カルシウム粉末(平均粒
径 0.5μm)70部、シリカ粉末(平均粒径0.3
μm)50部、チタン白10部、ベンガラ5部を加えて
よく混合し、均一なペーストとした。更に可塑剤として
ジブチルフタレート10部、溶剤としてジプロピレング
リコールエチルエーテルアセテート5部、可視光硬化剤
としてカンフォロキノン3部を加え、混和し、シール剤
を製造した。これをカートリッジガンに入れ、赤褐色に
着色した厚さ13mmのセメント建材の継ぎ目に充填し
た。20cmの距離から500Wの白熱灯により2分間
光照射した。シール部分は表面から厚さ13mmの深部
まで均一に硬化し、表3に示す物性のシール部が得られ
た。
【0049】(比較例1)光硬化剤として紫外光重合開
始剤であるベンゾインイソプロピルエーテル3部を用い
る以外は実施例1と全く同様にシール剤を製造した。カ
ートリッジガンに充填し、実施例1と同じ建材の継ぎ目
に充填し、同様に白熱灯により2分間光照射したが、全
く硬化しなかった。照射時間を10分に延長したが、わ
ずかに表面が硬化したのみであった。次に比較例1のシ
ール剤を同様に充填した目地部分を水銀灯により紫外光
を5分間照射した。表面は硬化したものの、硬化部分は
表面から1mm程度であり、それより深部は全く硬化せ
ず、シール部としては全く役に立たないものであった。
すなわち、紫外光開始剤であるベンゾインイソプロピル
エーテルを光硬化剤に用いると、白熱灯では硬化せず、
水銀灯で紫外光を照射しても表面のみしか硬化しない。
【0050】(実施例2)トリプロピレングリコールジ
アクリレート40部、ジエチレングリコールエチルエー
テルアクリレート30部、ポリジメチルシロキサンジア
クリレート(分子量910)30部を均一に混合し、こ
れに炭酸カルシウム粉末(平均粒径 0.5μm)50
部、タルク粉末(平均粒径0.8μm)40部、チタン
白10部、フタロシアニンブルー1部を加えてよく混合
し、均一なペーストとした。更に可塑剤としてジエチル
グリコールアジペート15部、近赤外光硬化剤として表
1−3の色素(対イオンはn−ブチルトリフェニルホウ
素アニオン)0.1部、テトラブチルアンモニウム・n
−ブチルトリフェニルホウ素0.5部をよく混和してシ
ール剤を製造した。これをカートリッジガンに入れ、青
色のカラーアルミプレコートメタル板で施工した屋根の
継ぎ目を充填し、20cmの距離から1500Wのハロ
ゲンランプにより5分間光照射した。10mmの深部ま
でよく硬化し、表3に示す物性のシール部が得られた。
【0051】(実施例3)分子中にメルカプト基を2個
含有するポリジメチルシロキサン(分子量860)15
20g(2モル)、ジプロピレングリコールジアクリレ
ート436g(2モル)を均一に混合し、これに炭酸カ
ルシウム粉末(平均粒径 0.5μm)550g、クレ
ー粉末720g、チタン白110gを加えてよく混合
し、均一なペーストとした。更に可塑剤としてジオクチ
ルフタレート150g、シリコン系消泡剤0.5g、近
赤外光硬化剤として表1番号1の色素(対イオンはn−
ブチルトリフェニルホウ素アニオン)2g、テトラブチ
ルアンモニウム・n−ブチルトリフェニルホウ素10g
をよく混和してシール剤を製造した。これをカートリッ
ジガンに入れ、白色の厚さ10mmのセメント建材の継
ぎ目に施工した。20cmの距離から1500Wのハロ
ゲンランプにより5分間光照射した。シール部分は表面
から10mmの深部まで均一に硬化し、表3に示す物性
のシール部が得られた。
【0052】(実施例4)ビスフェノールA−ジグリシ
ジルエーテル(エポキシ当量210)20部、ビニルシ
クロヘキセンジエポキサイド40部、炭酸カルシウム粉
末(平均粒径0.5μm)50部、タルク粉末(平均粒
径0.8μm)40部、チタン白10部、ベンガラ2部
をよく混合し、均一なペーストとした。更に可塑剤とし
てジブチルフタレート25部、光硬化剤として、ジメチ
ルジフェニルヨードニウムのヘキサフルオロフォスフォ
ニウム塩5部、増感剤としてアクリジンオレンジ0.2
部をよく混和してシール剤を製造した。これをカートリ
ッジガンに入れ、ベージュ色の厚さ10mmのセメント
建材の継ぎ目に施工した。20cmの距離から750W
の白熱灯により15分間光照射した。シール部分は表面
から10mmの深部まで均一に硬化し、表3に示す物性
のシール部が得られた。
【0053】
【表3】
【0054】
【発明の効果】本発明により低温かつ短時間で、光透過
性が低く従来実施が困難であったシール剤の光硬化によ
るシール部の形成方法が提供された。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モノマー及び/またはオリゴマー、顔料
    及び/または充填剤、光硬化剤を必須成分とする組成物
    によって目地を仕上げた後、可視光及び/または近赤外
    光を照射することで、硬化せしめることを特徴とする目
    地のシール方法。
  2. 【請求項2】 光硬化剤が、一般式(1)で表わされる
    陽イオン染料、一般式(2)で表わされるホウ素系触媒
    の組み合わせである、請求項1のシール方法。 一般式(1); D+ ・A- (式中、D+ は可視光から近赤外光までの任意の波長領
    域に吸収をもつ陽イオンであり、A- は、各種陰イオン
    を示す) 一般式(2); 【化1】 (式中、Z+ は任意の陽イオンを示し、R1 、R2 、R
    3 及びR4 はそれぞれ独立してアルキル基、アリール
    基、アリル基,アラルキル基、アルケニル基、アルキニ
    ル基、シリル基、複素環基、ハロゲン原子、置換アルキ
    ル基、置換アリール基、置換アリル基、置換アラルキル
    基、置換アルケニル基、置換アルキニル基または置換シ
    リル基を示す)
  3. 【請求項3】 光硬化剤が、ルイス酸のオニウム塩であ
    ることを特徴とする、請求項1のシール方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007023593A (ja) * 2005-07-15 2007-02-01 Nobuaki Akamine 墓石材及び墓石材陰刻部充填方法
JPWO2019235063A1 (ja) * 2018-06-05 2021-07-08 昭和電工株式会社 ラジカル重合性パテ状樹脂組成物、シール剤、およびひび割れ修復方法
CN113710481A (zh) * 2019-02-11 2021-11-26 Ppg工业俄亥俄公司 多层系统和制造多层系统的方法
CN114941256A (zh) * 2022-06-14 2022-08-26 连云港森永达新材料科技有限公司 一种耐高温离型剂和离型纸及其生产方法

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