JPH09512702A - Dnaミスマッチ修復遺伝子に関する組成物および方法 - Google Patents

Dnaミスマッチ修復遺伝子に関する組成物および方法

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Abstract

(57)【要約】 ヒトのミスマッチ修復遺伝子のゲノム配列、並びにこれらの遺伝子の変異および/または多型性を検出する方法について記載したものである。また、患者におけるガンの罹りやすさの診断方法、ミスマッチ修復不完全腫瘍の同定および分類方法についても記載する。特に、ヒトmutL同族体、hMLH1およびhPMS1遺伝子に係る配列および方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 DNAミスマッチ修復遺伝子に関する組成物および方法 本発明は、[the National Institute of Health in the General Sciences D ivision]によって授与された認証番号GM32741および認証番号HG00 395/GM50006の基で、政府の支持を得てなされたものである。政府は 、本発明において一部の権利を有する。 本願は、1994年3月8日に出願された出願米国特許出願第08/2095 21号、名称:ほ乳類DNAミスマッチ修復遺伝子PMS1およびMLH1(MAM MALIAN DNA MISMATCH REPAIR GENES PMS1 AND MLH1)の一部継続出願であって、 この出願は、1993年12月17日に出願された米国特許出願第08/168 887号の一部継続出願である。上述の全ての特許出願を参照として取り込む。 発明の分野 本発明は、DNAミスマッチ修復遺伝子に関連する。特に、本発明は、DNA ミスマッチ修復遺伝子における変異および多型性の検出、DNAミスマッチ修復 不完全腫瘍(mismatch-repair-defective-tumors)の同定および特徴付け、並びに ガンの遺伝的な罹りやすさ(susceptibility)の検出に関連する。 背景 近年、ポリメラーゼチェーン反応(PCR)等の強力なクローニングおよび増 幅技術の進展に伴い、多数のヒト遺伝子とマーカーの構造および局在箇所に係る 情報の急速な蓄積と組み合わせて、高頻度である種の遺伝的疾患を示すと同定さ れたファミリーのメンバーである個人のDNAまたはRNAのサンプルを回収し 分析することが実用かつ利用できるようになってきた。例えば、スクリーニング 工程は、鎌状赤血球貧血、嚢胞性繊維症、ぜい弱xクロモソーム症候群および多 発性硬化症を含む遺伝子のスクリーニングに決まって使用される。ある種の疾患 では、早期の診断により、例えば、積極的な診断方法の採用および/または、予 期された問題の予防または準備に適切であればライフスタイルを変えることによ って、ヒトの長期の予後を大幅に改良することができる。 ある特定のヒト遺伝子変異が同定され、ある病気と関連づけられれば、危険性 の高い個人を同定するスクリーニング工程の改良は比較的直ぐになされる。例え ば、変異遺伝子の構造および正常でない表現型の役割がわかった後で、試験のた めに個人から遺伝子の増幅量を得るための、PCR用プライマーを設計すること ができる。しかしながら、変異遺伝子の最初の発見、すなわちその構造、局在箇 所および既知の遺伝的な健康上の問題との結合は、実質的な実験の努力を必要と し、調査手段を生じる。 ある疾患を引き起こす変異遺伝子の役割を発見する一つの試みは、高頻度にそ の疾患を示すファミリーの個人に係る診療研究から始まる。これらの研究では、 疾患誘発座(locus)の適切な位置は、その座で隔離しがちなクロモソームを調査 することによって間接的に決定される。この試みの原理的な制限は、その遺伝子 の適切な遺伝子位置を決めることはできるが、一般的にその遺伝子を実際に単離 または配列決定できないことである。例えば、Lindblomら3は、高い発 生率の遺伝的非ポリポシス大腸ガン(HNPCC)を示すことが知られているフ ァミリーの個人におけるSSLP(単純配列長さ多型性(simple sequence lengt h polymorphism))マーカーを用いて行われた結合分析研究の結果を報告してい る。Lindblomらは、ヒトクロモソーム3(3p21−23)の短い腕の 多型性マーカーと、大腸ガンを進展する個人の危険性を増加する原因となるであ ろう疾患座との間の“堅固な結合”を見出した。3p21−23は、全体的な遺 伝子に対してかなり特異的な位置ではあるが、問題の大きさの変異遺伝子に対す る巨大なDNA領域を示す。この変異遺伝子は、多数の塩基で、その座を同定す るマーカーから分けることができる。ある人の危険性を予測するために、遺伝的 分析は、そのファミリーにおける多数の関連した個人にしっかり結合した遺伝マ ーカーで行われなければならないため、このような結合研究は、せいぜいスクリ ーニング目的に利用性を限定してしまう。特に病気に冒されたファミリーのメン バーが死亡してしまう場合には、このような情報を得ることは多くの場合不可能 である。また、情報マーカーは、分析下でファミリーに存在しないかもしれない 。遺伝 子構造を知ることなくして、サンプリング、増幅、配列決定および個人が変異遺 伝子を有するか否かを直接的に決定することは不可能である。 疾患誘発変異遺伝子を見出す別の試みは、疾患に係る既知の情報、例えば病状 のメカニズムの理論、関連するタンパクの構造および機能、ヒトまたは他の種に おける可能な類似遺伝子等に基づいて、PCRプライマーを設計することおよび 試みることから始まる。その目的は、個人に疾患の傾向を与える変異体に起こる と信じられている候補の正常遺伝子を単離および配列決定することである。この 試みは、その疾患について分子レベルでどれくらい多くのことが知られているか 、並びに候補の遺伝子を見出す戦術および方法を組み立てるための研究者の力量 に高度に依存する。候補の遺伝子の変異と疾患との関係は、疾患の高い発生率を 示すファミリーのメンバーにおける試験を行うことによって究極的に調べられな ければならない。ファミリーの研究におけるそのような結合を確かめる最も直接 的かつ決定的な方法は、そのファミリーのメンバーから回収されたサンプルの候 補となる遺伝子の部分を増幅するように設計されたPCRプライマーを用いるこ とである。次いで、変異を探して特徴付けるために、増幅遺伝子産物を配列決定 し、正常な遺伝子構造と比較する。所定の変異は、病気にかかっていない個人は それを持っていないが、病気にかかった個人はそれを有していることを示すこと によって、並びに、その変異が、簡単な多重性ではないタンパク機能における変 化を引き起こすことを示すことによって、最終的に関係付けられる。 候補の遺伝子変異と疾患との間の結合の高い見込みを示す別の方法は、遺伝子 のクロモソームの位置を決定し、次いで遺伝子地図の位置をLindblomら によって同定されたもの等の疾患関連座の既知の領域と比較することによる。以 前に同定された疾患関連座の領域の候補遺伝子の完全に一致するマップ位置は、 候補遺伝子における変異と疾患との間の関係を強力に関連づけるであろう。 遺伝子候補における変異が疾患に係るかもしれないことを示す別の方法がある 。例えば、人工的に産生された遺伝子の変異形態を動物に導入することができる 。次いで、変異遺伝子を有する動物における疾患の発生率を、正常な遺伝子型を 有する動物と比較することができる。野生型の遺伝子を備えた動物と比べて、変 異遺伝子型を有する動物において疾患の発生率が顕著に高められたことは、候補 の遺伝子内の変異が、時に疾患の発生の原因であるという理論を支持しうる。 疾患関連遺伝子変異により最近多くの注目を集めたある種の疾患は、遺伝的非 ポリポシス大腸ガン(Hereditary Nonpolyposis Colon Cancer)(HNPCC)1, 2 である。また、HNPCCファミリーのメンバーは、子宮内膜、卵巣、胃およ び胸を含む別のガンへの罹りやすさを増加することも示す。大腸ガンの約10% は、HNPCCであると信じられている。HNPCC患者の腫瘍は、ヒトクロモ ソームDNA(“ミクロサテライトDNA”)に見られるジヌクレオチド(二つ のヌクレオチド)の繰り返し配列のような、短い、繰り返しDNA配列が不安定 と思われる、異常な遺伝的欠陥を示す。この短い、繰り返しDNA配列の遺伝子 の不安定性は、“RER+”発現型と称されることがあるが、多くの種類の散在 性の腫瘍にかなりの割合で観察され、多くの散在性の腫瘍がHNPCCにおける 遺伝した変異に類似(または同一)の変異を得ることが仮定される。 遺伝的結合の研究は、90%程度のHNPCCを説明すると考えられる二つの HNPCC座を同定した。この座は、ヒトクロモソーム2p15−16(2p2 1)および3p21−23に位置づけられる。後の研究により、ヒトDNAミス マッチ修復遺伝子hMSH2が、クロモソーム2p21上の遺伝子であることを 同定し、変異がHNPCCガンの重要な画分であることを説明した1,2,12。hM SH2は、その正常な機能は、クロモソーム複製の各段階に流れるミスペアを含 むDNAのミスペアを同定して正すいくつかの遺伝子の一つである。 最もよく調べられたミスマッチ修復経路は、mutH、mutL、mutSお よびmutU(uvrD)遺伝子産物に依存したロングパッチ(約3Kb)切除 修復反応を起こすE.coliのMutHLs経路である。このMutHLS経 路は、E.coliにおける最も活性の高いミスマッチ修復経路と考えられてお り、DNA複製の正確さを増加し、ミスペアの塩基を含む中間物の組換えに作用 することが知られている。このソステムはin vitroで再構築され、DNAポリメ ラーゼIIIホロ酵素、DNAリガーゼ、一本鎖DNA結合タンパク(SSB)お よびExo I、Exo VIIまたはRecJ等の一本鎖DNAエキソヌクレアー ゼの一つと一緒に、mutH、mutL、mutSおよびuvrD(ヘリカーゼ II)タンパクを必要とする。hMSH2は、細菌性mutS遺伝子に相同である 。イ ーストにおける類似経路は、イーストMSH2遺伝子およびPMS1およびML H1と称される二つのmutL様遺伝子を含む。 ヒトmutS型遺伝子(hMSH2)の変異が時にガンを引き起こすという知 識、およびHNPCC腫瘍がミクロサテライトDNAの不安定性を表すという発 見に基づいて、他のDNAミスマッチ修復遺伝子および遺伝子産物における関心 、およびHNPCCおよび/または他のガンにおけるその可能な役割がいっそう 強烈になった。200人中1人が、hMSH2遺伝子または同じDNAミスマッ チ修復経路における別のタンパクをコードする他の関連遺伝子に変異を起こすと 概算される。 我々の研究の重要な目的は、ガンを引き起こす危険性の高い個人をスクリーニ ングおよび同定するのに使用できるヒト遺伝子を同定することである。他の目的 は:このような遺伝子のエキソンおよび隣接するイントロンの構造の配列を決定 すること;ガンの罹りやすさを与える遺伝子産物の欠損または欠陥をもたらす変 異を見出し特徴付ける目的の試験方法を設計するために構造的な情報使用するこ と;このような変異を“無害な”多型性の種類と区別することである。他の目的 は、腫瘍のタイプを診断し適切な治療を処方するために、ガン関連遺伝子のエキ ソンおよび隣接するイントロン配列に係る構造情報を用いることである。他の目 的は、研究用の他の関連候補ヒト遺伝子を同定するために、ガン関連遺伝子に係 る構造情報を用いることである。 発明の要旨 ミスマッチ修復遺伝子の保存を含む細菌およびイーストにおけるDNAミスマ ッチ修復メカニズムに関する我々の知識に基づいて、ヒトDNAミスマッチ修復 同族体が存在すべきであること、およびタンパク機能に影響するこのような同族 体における変異が、ことによるとヒトのガンのある形態を引き起こす危険性を増 す遺伝学的な不安定性を引き起こすであろうことを理由付けた。 それぞれDNAミスマッチ修復に係る一つのタンパクをコードする二つのヒト 遺伝子、hPMS1およびhMLH1を単離して配列決定した。hPMS1およ びhMLH1は、E.coliで見出されたmutL遺伝子に相同である。我々 の研究は、DNAミスマッチ修復遺伝子における変異とHNPCCへの罹りやす さとの間の関係を強力に支持する。しかして、本発明のDNAミスマッチ修復遺 伝子配列情報、すなわちhMLH1とhPMS1に係るcDNAおよび遺伝子構 造は、ガンの危険性の決定および診断に関連する多数の使用可能な方法を可能に する。また、本発明は、このような方法に使用できる多数のヌクレオチドおよび タンパクの構造を含む。 我々は、hMLH1の位置をヒトクロモソーム3p21−23にマップした。 これは、ファミリーの研究に基づいた、個人をHNPCCに罹りやすくする座を 保有するヒトゲノムの領域である。さらに、我々は、スウェーデンのファミリー のHNPCCに冒された個人におけるhMLH1 cDNAの保存された領域に 変異を見出した。この変異は、同じファミリーの病気に罹っていない個人からは 見出されず、単なる多型性ではなかった。また、イーストにおける相同な変異が 、欠陥のあるDNAミスマッチ修復タンパク質をもたらすことを見出した。また 、英国のファミリーの病気に冒された個人のhMLH1にフレームシフト変異を 見出した。hMLH1のガン関連変異の我々の発見は、以前に同定されたHNP CC関連座と完全に一致する遺伝子マップの位置、さらにはhMLH1遺伝子の 変異防止における役割を組み合わせて、hMLH1遺伝子を共通に遺伝したヒト のガンの一つの形態の基礎となる主な候補、および癌の発生の危険の高い個人を スクリーニングして同定するための主な候補とする。 hMLH1は、19のエキソンと18のイントロンを備えている。我々は、そ れぞれの18のイントロンの位置を、hMLH1 cDNAに対して決定した。 hMLH1のイントロン/エキソン境界領域の構造も決定した。イントロン/エ キソン境界領域の構造の知識は、遺伝子産物の構造および機能を負に影響する変 異を突き止める効率的なスクリーニングを可能にする。さらに、周りを取り囲む イントロンの境界構造と共に、個人の完全なエキソンを増幅するためのPCRに 使用することができる完全なセットのオリゴヌクレオチドプライマーのペアを設 計した。 我々は、hPMS1の位置をヒトクロモソーム7にマップした。他者39による 後の研究は、この遺伝子における変異がHNPCCに関連するという我々の予想 を確かめた。 最も直接的な本発明の使用は、例えばHNPCCのような非常に高頻度の早期 開始ガンを示すファミリーのメンバーのヒト個人におけるスクリーニング試験で ある。従って、本発明の一つの態様は、患者の組織のミスマッチ修復遺伝子また は遺伝子産物における変異を検出することにより、患者のガンへの罹りやすさの 診断方法を含み、ここでは変異が患者のガンへの罹りやすさの指標である。本発 明の好ましい態様では、検出工程は、ヒトmutL同族体遺伝子、例えばhML H1またはhPMS1における変異を検出することを含む。 診断方法は、好ましくは以下の工程を含む:1)ミスマッチ修復遺伝子のセグ メントまたは単離された核酸から遺伝子産物を増幅する;2)増幅されたセグメ ントと、ミスマッチ修復遺伝子の野生型対立遺伝子の類似セグメントまたは遺伝 子産物とを比較する;および3)増幅セグメントと類似セグメントとの間の差異 を検出する、この差異は、ミスマッチ修復遺伝子における変異、あるいはガンへ の罹りやすさを与える遺伝子産物の指標である。 本発明の別の態様は、増幅されたセグメントと類似の野生型セグメントとの間 の差異が病気に冒された表現型を引き起こすか否か、すなわち、配列の変化がD NAミスペアを修復する個人の能力に影響するか否かを決定する方法を提供する 。 診断方法は以下の工程を含んでもよい:1)DNAミスマッチ修復遺伝子のR NAコピーの全部または一部を逆転写する;および2)逆転写によって産生され たDNAのセグメントを増幅する。本発明の増幅段階は、ミスマッチ修復遺伝子 の反対の鎖に、反対の方向でハイブリダイズし得る一対のオリゴヌクレオチドプ ライマーを選択すること、並びに、プライマー間に介入しているミスマッチ修復 鎖の核酸が増幅されて増幅セグメントとなるようなオリゴヌクレオチドプライマ ーを利用したポリメラーゼチェーン反応を行うことを含んでもよい。 上述の方法の好ましい実施態様において、DNAミスマッチ修復遺伝子は、h MLH1またはhPMS1である。DNAのセグメントは、SEQ ID NOS :6−24からなる群から選択されたヌクレオチド配列の独特の部位に対応する 。SEQ ID NOS:44−82からなる群から選択された“第一段階の”オ リゴヌクレオチドプライマーは、DNAセグメントを増幅するPCRで用いられ る。また、本発明は、鋳型DNAのより特異的な増幅および保存のために第一段 階のプライマーと使用するための、“第二段階の”ネスティドプライマー(neste d primers)(SEQ ID NOS:83−122)を用いる方法を提供する。 本発明の他の態様は、ミスマッチ修復遺伝子または遺伝子産物、好ましくはm utL同族体(hMLH1またはhPMS1)における変異を腫瘍中に検出する ことを含むDNAミスマッチ修復欠陥腫瘍を同定および分類する方法を提供する ものであり、この変異は、腫瘍のミスマッチ修復システムにおける欠陥の指標で ある。 また、本発明は、使用できるヌクレオチドおよびタンパク組成物を提供する。 このような組成物の一つは、好ましくはhMLH1またはhPMS1のいずれか から誘導された、ヒトmutL同族体遺伝子または遺伝子産物の独特の部分に続 いて対応するセグメントを含む、単離されたヌクレオチドまたはタンパク質構造 である。 本発明の他の組成物の態様は、ヒトmutL同族体遺伝子、好ましくはhML H1またはhPMS1の独特のセグメントを特異的に増幅するポリメラーゼチェ ーン反応において共に用いられるオリゴヌクレオチドプライマーを含む。 本発明の他の態様は、ヒトmutL同族体遺伝子の一部の相補的な塩基に対す るワトソン/クリック対形成によって特異的に結合しうるヌクレオチド配列;並 びにこの配列に取り付けられたラベル分子を含むプローブを提供するものであっ て、ここでラベル分子は、蛍光、放射活性および化学発光からなる群から選択さ れた特徴を備えている。 また、マウスのMLH1(mMLH1)およびPMS1(mPMS1)遺伝子 を単離および配列決定した。マウスミスマッチ修復遺伝子に関する我々の知識を 用いて、ガン研究用の動物モデルを作製した。このモデルは、さらなるガン遺伝 子の同定、および変異誘発に対する環境の影響を研究するのに使用できる。 mPMS1 cDNAによってコードされたタンパクの一部に向けられたポリ クローナル抗体を産生した。また、この抗体はhPMS1タンパクと反応し、正 常のhPMS1遺伝子によってコードされたタンパクの存在を検出するのに使用 で きる。また、hMLH1とhPMS1に向けられたモノクローナル抗体を生成し ている。 遺伝子の診断および治療の使用に加えて、hMLH1とhPMS1に関する我 々の知識は、ヒトのガンのある形態において役割を演じるための候補である関連 した機能の他の遺伝子を調査するために用いることができる。 図の説明 図1は、ヒトおよびマウスのPMS1およびMLH1遺伝子を単離、特徴決定 および使用するために使用した実験工程の順序の概要を示すフローチャートであ る。 図2は、さらなるmutL同族体を単離するための縮重(degenerate)PCRオ リゴヌクレオチドを作製するために用いた二つの高度に保存された領域(下線が 引かれている)を示すmutL同族体のタンパク配列の並び(SEQ ID NO S:1−3)である。 図3は、ヒトMLH1遺伝子の完全なcDNAヌクレオチド配列(SEQ I D NO:4)、およびヒトMLH1タンパクの対応する推測されるアミノ酸配 列(SEQ ID NO:5)を示す。下線が引かれたDNA配列は、MLH1遺 伝子の一部を増幅するために独創的に用いられた縮重PCRプライマーに対応す るcDNAの領域である(ヌクレオチド118−135および343−359) 。 図4Aは、完全なhMLH1 cDNA構造に集団で対応する19のエキソン のヌクレオチド配列を示す。このエキソンは、イントロン境界構造が隣接してい る。プライマー部位には、下線が引かれている。隣接するイントロン構造を伴っ たエキソンは、SEQ ID NOS:6−24に対応する。下線が引かれていな い小文字で表されたエキソンは、SEQ ID NOS:25−43に対応する。 図4Bは、個々のエキソンを増幅するためにPCRで用いられたプライマーペ アのヌクレオチド配列を示す。“第二段階”増幅プライマー(SEQ ID NO S:83−122)は、対応する“第一段階”増幅プライマー(SEQ ID N OS:44−82)で得られた増幅産物の標的エキソンを増幅するために用いら れる“ネスティド”プライマーである。図4Bにおける構造は、表2および3に おける構造に対応する。 図5は、ヒトおよびイースト(それぞれ、SEQ ID NOS:5および12 3)MLH1タンパクの推測されたアミノ酸配列の並びである。 図6は、mutL関連タンパクの系統樹である。 図7は、二つの写真である。最初のパネル(A)は、クロモソーム3のhML H1遺伝子のハイブリダイゼーションを示す中期拡散(metaphase spread)である 。第二のパネル(B)は、ヒトクロモソーム3表意文字と並べられた多重中期拡 散のクロモソーム3の構成物である。 図8は、hMLH1タンパクの44位で非保存的アミノ酸置換を生じるCから Tへの転写変異の同定を示す、病気に冒された個人と病気に罹っていない個人か らの配列クロマトグラムの比較である。 図9は、推測されるアミノ酸置換の部位を囲むタンパクのMLHファミリーの 高度に保存された領域のアミノ酸配列の並び(SEQ ID NOS:124−1 31)である。太文字は、病気に冒された個人におけるセリンからフェニルアラ ニンへのアミノ酸置換の位置を示す。また、強調されているのは、MutL様タ ンパクのこの位置において保存されたセリンまたはアラニン残基である。点は、 高度のアミノ酸の保存の位置を示す。MLH1タンパクでは、点は、配列が得ら れていないことを示す。配列は、図6の系統樹を参照して、下に記載されるよう に並べられた。 図10は、hPMS1の完全なヌクレオチド配列を示す(SEQ ID NO: 132)。 図11は、ヒトおよびイーストPMS1タンパク(それぞれ、SEQ ID N OS:133および134)の推測されたアミノ酸配列の並びである。アミノ酸 の同一は囲みで示され、ギャップはダッシュで示されている。 図12は、マウスMLH1(mMLH1)cDNA(SEQ ID NO:13 5)の一部のヌクレオチド配列である。 図13は、mMLH1とhMLH1タンパク(それぞれ、SEQ ID NOS :136および5)の推測されたアミノ酸配列の比較である。 図14は、マウスPMS1(mPMS1)(SEQ ID NO:137)のc DNAヌクレオチド配列を示す。 図15は、mPMS1およびhPMS1タンパク(それぞれ、SEQ ID N OS:138および133)の推測されたアミノ酸配列の比較である。 定義 遺伝子 − “遺伝子”完全なコード配列を含むヌクレオチド配列を意味する 。一般的に、“遺伝子”は、コードされたポリペプチドの発現に影響するコード 配列の上流(例えば、プロモーター配列、エンハンサー等)または下流(例えば 、転写終結シグナル、ポリアデニレーション等)に見られるヌクレオチド配列を も含む。 遺伝子産物 − “遺伝子産物”は、遺伝子の一部のDNAまたはRNA(m RNA)コピーのいずれか、あるいは、mRNAから翻訳された対応するアミノ 酸配列である。 野生型 − “野生型”という用語は、本発明の核酸およびタンパクに適用さ れた場合には、天然に生じる、正常な核酸またはタンパク(すなわち、野生型の 活性を備えた核酸またはタンパク)から区別できないように機能する核酸または タンパクの形式を意味する。例えば、ミスマッチ修復遺伝子の“野生型”対立遺 伝子は、細胞におけるミスマッチ修復を検出可能に変えることなく、宿主細胞内 で同一の遺伝子の正常な内因性コピーを機能的に置換することができる。同じ核 酸またはタンパクの別の野生型は、構造的に互いに違っても違わなくてもよい。 非野生型 − “非野生型”という用語は、本発明の核酸およびタンパクに適 用された場合には、天然に生じる、正常な核酸またはタンパクから区別できるよ うに機能する核酸またはタンパクの形式を意味する。本発明の核酸の非野生型対 立遺伝子は、コードされたポリペプチドのアミノ酸配列における差異および/ま たはポリペプチド産物のコードされたヌクレオチドの転写の発現レベルでの差異 に限定されないが、これらを含む種々の点で同じ核酸の野生型対立遺伝子から構 造的に区別できる。 例えば、本発明の核酸の非野生型対立遺伝子のヌクレオチド配列は、例えば、 ヌクレオチドの付加、欠失、置換および/または転移によって、野生型対立遺伝 子のヌクレオチド配列と異なってもよい。同様に、非野生型ミスマッチ修復タン パクのアミノ酸配列は、例えば、アミノ酸の付加、置換および/または転移によ って野生型ミスマッチ修復タンパクのアミノ酸配列と異なってもよい。 正常な宿主細胞に導入された場合に、内因性ミスマッチ修復経路を妨げる特定 の非野生型の核酸またはタンパクは、“優性陰性(dominant negative)”核酸ま たはタンパクと称する。 相同 − “相同”という用語は、ヌクレオチドまたはアミノ酸配列のレベルで 高度に関連する核酸またはポリペプチドを指す。互いに相同である核酸またはポ リペプチドは、“同族体”と称する。 “相同”という用語は、必須的に二つの配列間の比較を指す。本発明によれば 、二つのヌクレオチド配列は、コードするポリペプチドが、少なくとも20アミ ノ酸の一続きに対して、少なくとも約50−60%同一、好ましくは約70%同 一であれば相同であると見なされる。また好ましくは、相同なヌクレオチド配列 は、少なくとも4−5の独特に指定されたアミノ酸の一続きをコードする能力に よって特徴付けられる。お互いにこれらのアミノ酸の同一性およびおよその間隔 (the approximate spacing)は、ヌクレオチド配列が相同であると見なされるよ うに考えられる必要がある。長さにして60ヌクレオチドより短いヌクレオチド 配列では、相同性は、少なくとも4−5の独特に指定されたアミノ酸の一続きを コードする能力によって決定される。 上流/下流 − “上流”および“下流”という用語は、ヌクレオチド配列の 部位の位置を指す技術用語である。“上流”は、参照部位より5’側の部位を意 味する。“下流”は、参照部位より3’側の部位を示す。 イントロン/エキソン − “エキソン”および“イントロン”という用語は 、ゲノム遺伝子配列の種々の部位を指す技術用語である。“エキソン”は、タン パクをコードするゲノム遺伝子配列の部位である。“イントロン”は、ゲノム遺 伝子配列のエキソン間に見られるヌクレオチドの配列である。 病気に冒された − “病気に冒された”という用語は、ここで用いられるよ うに、特有のガン(例えば、HNPCC血統における大腸ガン)が発生した、お よび/または、例えば遺伝学的研究に基づいて、癌にかかりやすくなる遺伝した 変異を有することが予告された血縁のメンバーを指す。 独特の − 遺伝子またはタンパクの“独特の”セグメント、フラグメントま たは部位は、個々のゲノムの他の遺伝子またはタンパクのセグメントと連続して 異なる遺伝子またはタンパクの一部を意味する。実際には、遺伝子の独特のセグ メントまたはフラグメントは、典型的には、長さにして少なくとも約13塩基の ヌクレオチドであろうし、オリゴヌクレオチドプライマーが選択的かつ特異的に セグメントを増幅するように設計および使用されるべく、他の遺伝子セグメント とは十分に異なるであろう。タンパクの独特のセグメントは、典型的に、遺伝子 の独特のセグメントから翻訳されうるアミノ酸配列である。 参考文献 以下の刊行物は、本出願の文章に番号で示される。各刊行物は、参照としてこ こに取り込まれる。 発明の説明 我々は、DNAミスマッチ修復に係る哺乳類の遺伝子を見出した。その遺伝子 の一つhPMS1は、イーストDNAミスマッチ修復タンパクPMS1に相同で あるタンパクをコードしている。hPMS1の位置をヒトクロモソーム7にマッ プし、マウスPMS1遺伝子をマウスクロモソーム5、バンドGにマップした。 他の遺伝子、hMLH1(ut omolog(MutL同族体))は、 イーストDNAミスマッチ修復タンパクmlH1に相同なタンパクをコードする 。我々は、hMLH1の位置をヒトクロモソーム3p21.3−23およびマウ スクロモソーム9、バンドEにマップした。 研究1,2は、HNPCCのクロモソーム2pのヒトDNAミスマッチ修復遺伝 子同族体の関係を証明した。結合データに基づいて、第二のHNPCC座は、ク ロモソーム3p21−233に割り当てられた。クロモソーム3関連血族の腫瘍 DNAの調査が、他のHNPCCファミリー6に観察されるものおよび数種の散 発性の腫瘍7-10と似たジヌクレオチド繰り返し不安定性を示した。ジヌクレオチ ド繰り返し不安定性は、DNAミスマッチ修復における欠陥の特徴であるため5, 11,12 、クロモソーム3p21−23に関連したHNPCCが、第二のDNAミ スマッチ修復遺伝子における変異から来るものであると推論した。 大腸菌(Escherichia coli)におけるミスマッチしたDNAの修復は、mut S、mutLおよびmutHを含むいくつかの遺伝子を必要とし、そのいずれか における欠陥は、自発的な変異速度を上昇させる13。イースト サッカロミセス ・セレビシア(Saccharomyces cerevisiae)における遺伝的研究により、3つの DNAミスマッチ修復遺伝子:mutS同族体、MSH214、および二つのmu tL同族体、PMS116とMLH14が同定された。これら3つの遺伝子はいず れも、ジヌクレオチドの繰り返しの安定化を含む正確なDNA複製という点にお いて不可欠な役割を演じる5。 hMLH1遺伝子産物とイーストDNAミスマッチ修復タンパク、MLH1と の類似性4、hMLH1遺伝子とクロモソーム3のHNPCC座が同一場所にあ ること、およびクロモソーム3関連HNPCCファミリーの病気に冒された個人 に見出されたミスセンス変異に基づいて、hMLH1が、以前にクロモソーム3 pに関連付けされたHNPCC遺伝子であると信じた。 ヒトおよびマウスのMLH1およびPMS1遺伝子構造に関する我々の知識は 、多くの重要な使用を備えている。遺伝子配列情報は、ガンの危険性について個 人をスクリーニングするために使用することができる。遺伝子構造の知識は、正 常な配列との比較およびガンの危険性の分析のために、hMLH1とhPMS1 遺伝子の部位を選択的に増幅するのに用いられるPCRプライマーを容易に設計 することを可能にする。また、この種の試験は、ガンのスクリーニングに関する 労力を特異的な遺伝子座に最後に集中するために、hMLH1およびhPMS1 ガン関連変異を調査および特徴付けることも可能にする。hMLH1およびhP MS1におけるガン関連変異の特異的な特徴付けは、特異的な遺伝子の変異が存 在するか否かを決定するスクリーニング試験に用いられる対立遺伝子特異的プロ ーブ等の、別の価値ある診断の道具を作製することを可能にする。 さらに、hMLH1および/またはhPMS1の遺伝子配列情報は、例えば、 ガンに関連する候補である関連した機能を有する別の遺伝子を調査するために、 二つのハイブリッドシステムで使用することもできる。 hMLH1およびhPMS1遺伝子構造は、特定の部位または完全なhMLH 1およびhPMS1タンパクに向けられた抗体を生成するのに使用されるタンパ クを調製するのに使用できる。このような抗体は、調査および診断の目的で、対 応するタンパクおよび関連しうるタンパクを単離するために用いられる。 マウスMLH1およびPMS1遺伝子配列は、それぞれの遺伝子に変異を備え たマウスを作製するのに使用できる。変異マウスは、遺伝子の機能、特にそれと ガンとの関係を研究するのに使用できる。 哺乳類MLH1およびPMS1遺伝子の単離および特徴付けの方法 4つの哺乳類の遺伝子、すなわちヒトMLH1(hMLH1)、ヒトPMS1 (hPMS1)、マウスMLH1(mPMS1)およびマウスPMS1(mPM S1)を単離および特徴付けした。これらの遺伝子間の構造の類似性により、単 離および特徴付けに用いた方法は、一般的に同じである。図1は、広い意味で、 4つの遺伝子を単離および特徴付けるために用いた実験の試みを示す。以下の議 論は、図1に示された段階的な工程を示す。 段階1 PCR用の縮重オリゴヌクレオチドプールの設計 初期のレポートは、3つのMutL様タンパクの部位、すなわち細菌から二つ 、MutLおよびHexB、およびイーストから一つ、PMS1は、高度に保存 されていることを示唆した16,18,19。図2に示すように、HexB、MutLお よびPMS1タンパクのアミノ酸配列の調査後、MutL様タンパクの二つの高 度に保存された領域、KELVENおよびGFRGEAに対応する縮重オリゴヌ クレオチドペアのプールを設計した。4つの遺伝子を単離するのに使用した縮重 オリゴヌクレオチドの配列(それぞれ、SEQ ID NOS:139および14 0)は、以下に示すものである。 プライマー内の下線を引いた配列は、それぞれXbaIおよびSacI制限エ ンドヌクレアーゼ部位である。これらは、PCR増幅フラグメントのクローニン グを容易にするために導入された。オリゴヌクレオチドの設計において、所定の アミノ酸は一つ以上のDNAトリプレット(コドン)によってコードされること を考慮した。これらの配列内の縮重は、()内の複数のヌクレオチドによって、 もしくはその位置にどの塩基が存在してもよいものとしてNで示されている。 段階2 ヒトの細胞から単離されたポリA+選択mRNAの逆転写およびPCR 培養したヒトの細胞からメッセンジャー(ポリA+に富んだ)RNAを単離し 、そのmRNAから二重鎖cDNAを合成し、縮重オリゴヌクレオチドでPCR を行った4。アニーリング温度を調製するなどして、いくつかの異なるPCR条 件を試した後、MutL様タンパクに予想される大きさのDNA(〜210bp )を増幅することに成功した。 段階3 PCR生成フラグメントのクローニングおよび配列決定;ヒトPMS1 およびMLH1を表す二つの遺伝子フラグメントの単離 アガロースゲルからPCR増幅物(〜210bp)を単離し、これをプラスミ ド(pUC19)にクローン化した。いくつかの異なるクローンのDNA配列を 決定した。二つのクローンのDNA配列から推量されるアミノ酸配列は、他の既 知のMutL様タンパクに強い類似性を示した4,16,18,19。クローンの一つに予 想されるアミノ酸配列は、イーストのPMS1タンパクに非常に類似していた。 それゆえ、それにヒトPMS1、hPMS1という名前を付けた。第二のクロー ンは、イーストのMLH1タンパクに非常に近接に類似したポリペプチドをコー ドすることがわかり、ヒトMLH1、hMLH1という名前を付けた。 段階4 プローブとしてPCRフラグメントを用いた完全なヒトおよびマウスP MS1およびMLH1のcDNAクローンの単離 ヒトおよびマウスcDNAライブラリー(Stratagene社、あるいは参考文献3 0の記載による)の両方をスクリーニングするためのプローブとして、hMLH 1およびhPMS1のcDNAの210pbのPCR生成フラグメントを使用し た。これらの二つの遺伝子に対応するいくつかのcDNAを単離した。このcD NAの多くは、5’末端で切りつめられていた。必要であれば、cDNAライブ ラリーのさらなるスクリーニングに加えて、PCR技術31を遺伝子の5’末端を 得るために用いる。完全な構造のcDNA配列を、ヒトおよびマウスのアミノ酸 配列、mlH1およびPMS1タンパクの推測に用いた。 段階5 ヒトおよびマウス、PMS1およびmlH1ゲノムクローンの単離 ヒトMLH1およびPMS1遺伝子のゲノムおよびcDNA構造の情報は、ガ ンの傾向のあるファミリーで変異を完全にスクリーニングするのに必要である。 ヒトPMS1およびMLH1のゲノム配列を単離するプローブとしてヒトcDN A配列を用いた。全てではないが、ほとんどのcDNA(エキソン)配列を含有 すると思われる、hPMS1の4つのコスミドと二つのP1クローンを単離した 。hMLH1に関して、5’-MLH1ゲノム配列を含有する4つのオーバーラ ップするλファージクローンと4つのP1クローン(二つの完全な長さのクロー ンとプロモーター領域の5’コード末端プラス部位を含む二つ)P1クローンを 単離した。hMLH1のcDNAの5’および3’末端に特異的なオリゴヌクレ オチドの組を用いたPCR分析は、P1クローンが完全なhMLH1のcDNA の情報を含むことをはっきりと示した。同様に、マウスPMS1およびMLH1 遺伝子のゲノムクローンが、(段階8に記載するようにして)単離および部分的 に特徴付けされた。 段階6 蛍光in situハイブリダイゼーションによる、ヒトおよびマウス、PM S1およびMLH1遺伝子のクロモソーム位置マッピング 蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)20,21によって、クロモソー ムの位置決めをするためにヒトおよびマウスのPMS1およびMLH1から単離 したゲノムクローンを用いた。ヒトのMLH1遺伝子を、以下により詳細に記載 するようにして、図7に示されたクロモソーム3p21.3−23にマップした 。マウスMLH1遺伝子をクロモソーム9バンドEにマップし、この領域は、マ ウスとヒトの間のシンテニー(synteny)である22。FISH技術に加えて、げっ 歯類/ヒト体細胞ハイブリッドマッピングパネル(Coriell Institute for Medi cal Research,Camden,N.J.)からのDNAを分析するために、一対のhMLH 1特異的オリゴヌクレオチドを用いたPCRを行った。このパネルを用いたPC Rの結果は、hMLH1がクロモソーム3に位置することを明確に示唆する。h MLH1 3p21.3−23の位置は、関連データに基づいたHNPCCの第 二座を保有することが知られている領域と一致する。 図12に示すように、hPMS1遺伝子をクロモソーム7の長い腕(q)(そ れぞれ7q11または7q22)、マウスPMS1をクロモソーム5バンドGに マップした。これら二つの領域は、ヒトとマウスの間のシンテニーである22。h PMS1に特異的なオリゴヌクレオチドを用いて、げっ歯類/ヒト細胞パネルの DNAにPCRを行った。FISHのデータと一致して、hPMS1の位置は、 クロモソーム7上にあることが確認された。これらの観察は、hPMS1がクロ モソーム7に位置するという我々のヒトのマップ位置が正しいことを確信させる ものであった。hPMS1の物理的な位置は、潜在的にhPMS1にガンに関連 した変異を有するファミリーを同定する目的に使用できる。 段階7 HNPCCファミリーのhPMS1およびhMLH1遺伝子における変 異を同定するためのゲノムおよびcDNA配列の利用 hPMS1またはhMLH1遺伝子における変異を同定する目的のためにHN PCCファミリーの個人から回収したサンプルを分析した。我々の試みは、既知 の正常な配列と比較することができるエキソン/イントロンセグメントを得るた めに、遺伝子構造に関する我々の知識に基づいてPCRプライマーを設計するこ とである。この試みを“エキソン-スクリーニング”と称する。 cDNA配列情報を用いて、ゲノム配列内のエキソン/イントロンの境界を描 写するためにhPMS1およびhMLH1特異的オリゴヌクレオチドを設計し、 現在も続けている。hPMS1およびhMLH1特異的オリゴヌクレオチドは、 その配列を含むエキソンの存在についてゲノムクローンを調べるために用いられ た。ハイブリダイズしたオリゴヌクレオチドは、ゲノムクローンからDNAの配 列決定のためのプライマーとして用いられた。エキソン-イントロン接合は、ゲ ノム配列とcDNA配列を比較することによって同定された。 PCRによるゲノムDNAの特異的エキソンの増幅およびその産物の配列決定 は、変異についてHNPCCファミリーをスクリーニングする一つの方法である1,2 。hMLH1のcDNA情報を含むゲノムクローンを同定し、hMCH1の 19のエキソンが隣接する全てのイントロン/エキソン境界領域の構造を決定し た。 クロモソーム3に関連を示すHNPCCファミリーの個人のMLH1遺伝子を 調べるためにエキソン−スクリーニング手段を用いた3。以下により詳細に記載 するように、CをTに置換することからなる、このようなファミリーの一つのM LH1遺伝子に変異を同定した。CをTに置換することが、このタンパクの高度 に保存された領域において、セリンをフェニルアラニンに置換すると推論した。 hMLH1とhPMS1遺伝子におけるさらなる変異を見出すために、サンプル を得たHNPCCファミリーを同定し続けている。 また、hPMS1とhMLH1における変異を同定するための第二の試みを用 いている。この試みは、逆転写オフRNA(reverse transcription off RNA)に よって第一鎖cDNAを作製するためにhPMS1またはhMLH1特異的オリ ゴヌクレオチドプライマーを設計することである。遺伝子特異的プライマーを用 いたPCRにより、これらの遺伝子から特異的領域を増幅することができるであ ろう。増幅されたフラグメントのDNA配列により、変異を検出することができ るであろう。 段階8 ES細胞におけるマウスPMS1およびMLH1遺伝子を崩壊するため のターゲッティングベクターの設計;ミスマッチ修復に欠陥のあるマウスの研究 ゲノムマウスPMS1 DNA構造に関する知識を基に、遺伝子ターゲッティ ングベクターを作製した。マウス胎児性幹細胞のPMS1遺伝子を崩壊するため にこのベクターを用いた36。この細胞を、PMS1変異を有する細胞にキメリッ ク(混合)であるマウスに発達したマウス胚盤胞に注入した。このキメリックな 動物は、PMS1変異にヘテロ接合およびホモ接合であるマウスを生むために使 用される。これらのマウスは、生物体全体におけるPMS1遺伝子の役割を研究 するために用いられる。 ヒトMLH1 以下の記載は、hMLH1に関する我々の実験的研究の説明をより詳細にする ものである。上述したように、哺乳動物のMLH遺伝子をクローン化するために 、イーストのMSH1、MSH2およびMLH1遺伝子、並びにヒトMSH2遺 伝子を同定するのに用いられたものと同様のPCR技術を用いた1,2,4,14。PC Rの鋳型として、培養された一次ヒト繊維芽細胞から調製されたポリ(A+)に 富んだRNAから合成された二本差cDNAを用いた。縮重したオリゴヌクレオ チドは、N末端アミノ酸配列KELVENおよびGFRGEA(図3参照)に向 けられており、これら二つは、細菌およびイーストについて以前に記載されたタ ンパクのMutLファミリーの最も保存された領域である16,18,19。推定された 大きさの二つのPCR産物を同定し、クローン化し、MutL様タンパクに対す る相同性を備えた推定されたアミノ酸配列をコードすることを示した。PCRに よって生成されたこれら二つのフラグメントは、ヒトcDNAおよびゲノムDN Aクローンを単離するために用いられた。 ヒトMutL関連配列を増幅するために用いたこのオリゴヌクレオチドプライ マーは、5’- である。PCRは、cDNA鋳型、1.0μMの各プライマー、5IUのTaq ポリメラーゼ(C)50mM KCl、10mMのTrisバッファーpH7. 5 および1.5mM MgClを含む50μL反応系で行われた。PCRは、1分 間94℃、1分間43℃および1.5分間62℃の35サイクルで行われた。予 想された大きさのフラグメント、約212bpは、pUC19にクローン化され 配列決定された。クローン化MLH1 PCR産物は、ランダムプラィマーラベ リングキット(RadPrime、Gibco BRL)でラベルされ、標準的 な方法でヒトcDNAおよびゲノムコスミドライブラリーをプローブするために 用いられた。二本鎖プラスミドDNAのDNA配列決定は、以前に記載されたよ うにして行われた1。 図3に示されているhMLH1 cDNAヌクレオチド配列は、2268bp のオープンリーディングフレームをコードする。また、hMLH1 cDNAに コードされた予想されるタンパク配列も図3に示されている。下線を引いたDN A配列は、MLH1遺伝子の一部(ヌクレオチド118−135および343− 359)を増幅するために最初に用いられた縮重PCRプライマーに対応するc DNAの領域である。 図4Aは、hMLH1の部位に対応する19ヌクレオチド配列を示す。各配列 は、その全体の中に、隣接するイントロン配列で囲まれた19のエキソンの一つ を含む。標的PCRプライマー部位に下線が引かれている。図4Aに示された配 列の誘導および使用に関するさらなる詳細については、後述する。 図5に示すように、hMLH1タンパクは756アミノ酸からなり、イースト DNAミスマッチ修復遺伝子、MLH1のタンパク産物と41%の同一性を備え ている4。イーストMLH1に非常に類似したhMLH1タンパクの領域は、5 5%の同一性を示すアミノ酸11から317、および二つのタンパク間で同一な 少なくとも13アミノ酸に対応する。図5は、予想されるヒトMLH1およびS. cerevisiaeのMLH1タンパク配列の並びを示す。アミノ酸の同一は四角で囲ま れ、ギャップはダッシュで示されている。ペアワイズ(pair wise)タンパク配列 の並びは、クラスタル方法(the clustal method)を用いたDNAStar Me gAlignで行われた27。ペアワイズ配列のパラメーターは、クプツル(ktupl e)が1、ギャップペナルティー(gap penalty)が3、ウィンドウが5並びに対角 線が5であった。さらに、図13に示すように、ヒトおよびマウスMLH1タン パクの予 想されるアミノ酸配列は、少なくとも74%の同一性を示す。 図6は、MutL関連タンパクの系統樹を示す。この系統樹は、7つのMut L関連タンパク、すなわちヒトMLH1;マウスMLH1;S.cerevisiaeのML H1;S.cerevisiaeのPMS1;E.coli;MutL;S.typhimuriumのMutL およびS.pneumoniaeのHexBの推定されるアミノ酸配列を用いて構成された。 必要な配列は、GenBankリリース7.3から得られた。この系統樹は、ギ ャプペナルティー3および長さペナルティー0.1を用いて、Genetics Compute r GroupのソフトウェアのPILEUPプログラムで作られた。hMLH1およ びhPMS1の記録されたDNA配列は、GenBankに寄託されている。 hMLH1イントロンの位置およびイントロン/エキソン境界構造 我々の先の米国特許出願第08/209521号において、ヒト遺伝子、hM LH1の相補DNA(cDNA)クローンのヌクレオチド配列を記載した。hM LH1のcDNA配列(SEQ ID NO:4)は、本発明の図3に提示されて いる。ヒトの集団内の多型性および遺伝コードの縮重に由来して、個々のhML H1 cDNA構造の間にいくつかの可変性があるのかもしれないことに言及し ている。 本出願において、我々の遺伝配列の研究結果を報告する。特に、個々のエキソ ンおよびその周りのイントロン/エキソン境界構造に特に焦点を当てて、hML H1遺伝子を含むヒトゲノム領域をクローン化した。ガンにかかりやすくなる変 異を同定および特徴付ける包括的および効率的な試みを設計するという究極の目 的に向けて、hMLH1遺伝子のエキソンに隣接するイントロン構造の野生型の 配列を知ることは重要であると信じている。エキソン境界の近くのイントロンの 配列を知ることの一つの利点は、完全な個々のエキソンを選択的に増幅するプラ イマーペアを設計することを可能にすることである。さらに重要なことに、mR NAスプライシングエラーを引き起こすようなイントロン領域における変異によ り、遺伝子のエキソン領域に何の異常も示すことなく、欠陥のある遺伝子産物を 生ずる、すなわちガンに罹りやすくなる可能性がある。包括的なスクリーニング の試みは、エキソンまたはcDNAだけでなく、エキソン境界に隣接するイント ロン構造における変異を調べる必要があると信じている。 当該技術で知られた手段を用いてhMLH1を含むヒトゲノム領域をクローン 化たが、他の既知の手段を用いてもよい。PCRを用いてhMLH1遺伝子のP 1ヒトゲノムライブラリーをスクリーニングした。4つのクローンを得たが、二 つは全体の遺伝子を含み、二つはC末端を欠くものであった。全長のクローンの 一つをサイクルシークエンシングにより特徴付けたが、これは、19のhMLH 1エキソンの両側に全てのイントロン/エキソン接合配列の我々の定義をもたら した。次ぎに、個々のエキソンを増幅するためのPCRプライマーの多数のセッ ト(第一段階プライマー)を設計し、いくつかの異なるゲノムDNAサンプルを 増幅することおよびABI373シークエンサーを用いて得られたフラグメント を配列決定することにより各エキソンと隣接するイントロン配列の配列を確かめ た。さらに、PCR法を用いて各hMLH1エキソンの大きさを決定した。最後 に、個々のエキソンを再増幅するために、一組のネスティドPCRプライマー( 第二段階のプライマー)を工夫した。hMLH1変異に係るHNPCCファミリ ーおよび腫瘍を分析するために複式の方法(a multi-plex method)で第二段階 のプライマーを用いた。一般的に、ネスティドPCRプライマーの手法では、そ れぞれ別のエキソンに向けられた4〜8組の“第一段階”のプライマーで最初の 複式増幅を行った。次いで、1組の第二段階のプライマーを用いて、最初の増幅 段階の産物から各エキソンを再増幅した。 ゲノム配列の研究を通して、hMLH1遺伝子内の19のエキソンの全てを同 定し、イントロン/エキソン境界をマップした。それゆえ、本発明の一つの態様 は、hMLH1遺伝子の個々のエキソンである。表1は、hMLH1エキソン( SEQ ID NO:25−43)のヌクレオチドの相関(すなわち、遺伝子のコ ード領域内の各イントロンの挿入箇所)を示す。示された相関は、hMLH1 cDNA配列に基づき、位置“1”は、始まりの“ATG”の“A”を示す(A は、SEQ ID NO:4のヌクレオチド1である)。 hMLH1遺伝子のエキソンに隣接するイントロン領域の核酸も決定した。S EQ ID NOS:6−24は、それぞれの上流および下流のイントロン配列が 結合した個々のエキソン配列である。同じヌクレオチド構造が、図4Aに示され ており、ここでエキソンは、クロモソーム座位に関してN末端からC末端の方向 に番号付けされている。5の番号は、エキソンを増幅するのに用いられたプライ マーを示す。全ての配列は、ATGコドンのAがヌクレオチド1になるように番 号が付されている。()内の番号は、示されたエキソンに見られるコード配列の ヌクレオチドの相関である。大文字はイントロンである。小文字はエキソンまた はmRNA/cDNAクローンに見られる翻訳されない配列である。小文字かつ 下線が引かれた配列は、プライマーに対応する。2269−2271における停 止コドンは、イタリックで表され、下線が付されている。 表2は、隣接するイントロン構造と共に各エキソンを増幅するのに使用される 最初のペア(“第一段階”プライマー)の配列を示す。 さらに、一組の“第二段階”の増幅プライマーを設計し、その構造は、下の表 3に示されている。以下に記載するように、第二段階のプライマーは、ネスティ ド増幅プロトコルで第一段階のプライマーと組み合わせて使用する。 表3で、アスタリスク(*)は、5’ヌクレオチドが、ビオチニル化されてい ることを示す。エキソン1−7,10,13および16−19を、1.5mMま たは3mM MgCl2のいずれかを含有するPCR反応において特異的に増幅す ることができる。エキソン11および14は、1.5mM MgCl2を含むPC R反応で唯一特異的に増幅され、エキソン8,9,12および15は、3mM MgCl2を含むPCR反応で唯一特異的に増幅される。エキソン12に関して 、第二段階の増幅プライマーは、エキソン12が二つの半片で再増幅されるよう に設計されている。20546および20002のプライマーセットは、N末端 半分を増幅する。プライマーセット19829および19835は、C末端半分 を増幅する。18178に代わるプライマーは、19070である。 我々の研究により提供され、本出願および先の関連出願に開示されたhMLH 1配列の情報は、単一産物バンドにおける一つ以上のエキソン(および/または 隣接するイントロン配列)を増幅するプライマーを含む、個人のガンの罹りやす さおよび/または腫瘍の発達に関連するhMLH1変異を同定することに使用さ れる多数の異なるオリゴヌクレオチドプライマーを設計するのに使用することが できる。 当業者であれば、所望のフラグメントまたは遺伝子を増幅するのに使用される PCRプライマーの設計に重要な考慮を熟知しているであろう3。上述したよう に、配列決定プライマーの設計に関するものと同じである必要はないが、これら の考慮は類似していてもよい。一般的に、プライマーが比較的特異的にハイブリ ダイズすることが重要である(すなわち、約55℃以上、好ましくは60℃程度 のTmを有する)。ほとんどの場合、長さが約17〜25ヌクレオチドの間のプ ライマーが、良く機能する。長いプライマーは、長いフラグメントを増幅するの に使用できる。各ペアのPCRプライマーが、唯一、正しいフラグメントを増幅 するように、どの場合にもヒトゲノムの一つ以上の配列に相補的なプライマーの 使用を避けるのが好ましい。それでも、正しいバンドが、PCR反応における他 の産物のバンドから区別できることが、唯一絶対に必要である。 正確なPCR条件(例えば、塩濃度、サイクル数、DNAポリメラーゼの種類 等)は、当該技術で知られているように変形して、反応の収率または特異性等を 改良することができる。特に、必要なDNA基質の量を減少し、増幅特異性を改 善するために、PCR反応でネスティドプライマーを使用することが有益である ことを見出した。 二つの実施例を以下に記載する。第一の実施例は、第一段階のプライマーペア (SEQ ID NOS:69と70)を使用してイントロン/エキソンセグメン ト(SEQ ID NO:18)を増幅することを例証するものである。第二の実 施例は、第二段階のプライマーを使用して、第一段階のプライマーを用いた第一 PCR増幅工程の産物から標的イントロン/エキソンセグメントを増幅すること を例証したものである。 実施例1:P1ファージライブラリーのhMLH1ゲノムクローンの増幅 25ngのゲノムDNA(もしくは1ngのP1ファージを用いることができ る)を、 0.05mM dNTP 50mM KCl 3mM Mg 10mM Tris−HCl pH8.5 0.01% ゼラチン 5μM プライマー を含むPCR反応に使用した。 反応は、Perkin−Elmer Cetusモデル9600温度循環装置 で行った。 反応系を95℃で5分間インキュベートした後に、 94℃で30秒 55℃で30秒 72℃で1分間 のサイクルを35サイクル(P1ファージでは30サイクル)行った。 次いで、最後の7分の延長反応を72℃で行った。望ましいP1クローンは、 正確に近いbp産物バンドが生成されるもののクローンである。 実施例2:ネスティドPCRプライマーを用いたゲノムDNAのhMLH1配 列の増幅 以下のようにして、ゲノムDNAのhMLH1配列の二段階PCR増幅を行っ た。典型的に、第一の増幅は、 25ngのクロモソームDNA Perkin−Elmer PCRバッファーII(あらゆる適切なバッファー を用いることが可能) 3mM MgCl2 50μM 各dNTP Taq DNAポリメラーゼ 5μM プライマー(SEQ ID NOS:69,70) を含む25マイクロリットルの反応系で行い、95℃で5分間インキュベートし た後に、 94℃で30秒 55℃で30秒 のサイクルを20サイクル行った。産物のバンドは、典型的にあまりに小さいの で(約500bp未満)、別の延長段階は、各サイクルの一部として行われない 。むしろ、20サイクルが完了した後、一回の延長段階を72℃で7分間行った 。反応産物を4℃で保存した。 第二増幅反応は、 1または2マイクロリットル(反応の体積に依存)の第一増幅反応産物 Perkin−Elmer PCRバッファーII(あらゆる適切なバッファー を用いることが可能) 3mM MgCl2 50μM 各dNTP Taq DNAポリメラーゼ 5μM ネスティドプライマー(SEQ ID NOS:109,110) を25または50マイクロリットルの反応系に含み、95℃で5分間インキュベ ートした後に、 94℃で30秒 55℃で30秒 のサイクルを20−25サイクル行い、このサイクルが完了した後に、一回の延 長反応を72℃で7分間行った。反応産物は4℃に貯蔵した。 標的hMLH1配列を増幅することができるあらゆる組み合わせのプライマー を、最初の増幅反応で用いることができる。最初の増幅反応で各hMLH1エキ ソンを増幅するために、表2に示された各プライマーセット用いた。また、最初 の増幅反応で複数の個々のhMLH1エキソンを増幅する、これらのプライマー セットの組み合わせを用いた。 最初の増幅段階で用いられたネスティドプライマーは、最初の増幅反応で用い られたプライマーに関して設計された。すなわち、第二の反応で用いられるプラ イマーは、第一の増幅反応プライマーの最も5’側のヌクレオチドを含むべきで ないこと、並びに、第二の増幅プライマーのTmが第一の増幅反応プライマーの Tmとほぼ同じであるように3’末端がより十分に伸びていることを除いて、一 組のプライマーが最初の増幅反応に用いられれば、第二増幅反応に用いられるプ ライマーは最初の反応で用いられたプライマーと同じであるべきである。我々の 第二の反応のプライマーは、典型的に、最初の増幅反応プライマーの最も5’側 の3つのヌクレオチドを欠き、約3−6ヌクレオチド3’末端で伸びている。S EQ ID NOS:69および70が第一増幅反応で用いられた場合に、SEQ ID NOS:109,110は、第二増幅反応で用いられるネスティドプライ マーペアの例である。 また、配列決定反応を準備する第二の増幅反応プライマーの一方の5’末端に 標準的な配列を含むことが有益であることも見出した。さらに、産物のバンドが マグネチックビーズを用いて容易に精製され40、配列決定反応がビーズ結合産物 に直接的に行われるように、第二増幅反応プライマーの一方または両方の最後の ヌクレオチドをビオチニル化することが有益であることを見出した41-45。 複式の増幅および配列決定方法のさらなる議論として、ZuらおよびEspe lundら46,47による参考文献を参照されたい。 ガンとhMLH1との関係 hMLH1がヒトクロモソーム3p21−23のHNPCC座の候補であるか 否かを調べる最初の段階として3、hMLH1を蛍光in situハイブリダイゼーシ ョン(FISH)でマップした20,21。FISH分析にhMLH1遺伝子の二つ に分かれたゲノムフラグメント(データ示さず)を用いた。いくつかの中期クロ モソーム拡散の試験により、hMLH1をクロモソーム3p21.3−23に位 置づけた。 図7のパネルAは、中期拡散におけるhMLH1プローブのハイブリダイゼー ションを示す。以前に記載されたように20,21、ビオチニル化hMLH1ゲノム プ ローブを、縞のヒト中期クロモソームにハイブリダイズした。検出を、蛍光イソ チオシアナート(FITC)結合アビジン(緑色のシグナル)で行った;青で示 されたクロモソームは、4’6−ジアミノ−2−フェニルインドール(DAPI )で染色された。それぞれ、CCD Image Capture;NIH Im age 1.4;Adobe PhotoshopおよびGenejoin Ma xpixというプログラムに沿って、冷却したCCDカメラで画像を撮影し、増 幅し、偽色を施し(pseudocoloured)、組み合わせた。図7のパネルBは、ヒト クロモソーム3の表意とともに並べられた多数の中期拡散からクロモソーム3の 構成物を示している。ハイブリダイゼーションの領域(3p21.3−23の端 部)は、この表意に垂直の線で示されている。 クロモソーム3上のhMLH1の位置の独立した確認として、一組のhMLH 1特異的オリゴヌクレオチドを用いたPCRとhMLH1特異的プローブを用い たサザンブロッティングの両方を用いてNIGMS2げっ歯類/ヒト細胞パネル (Coriell Inst.for Med.Res.,Camden,NJ,USA)のDNAを分析した。両方 の技術の結果は、クロモソーム3関連を示した。また、FISHにより、クロモ ソーム9バンドEにマウスMLH1遺伝子をマップした。これは、ヒトクロモソ ーム3pにシンテニーの位置である22。それゆえ、hMLH1遺伝子は、クロモ ソーム3−関連HNPCCファミリーに係わる遺伝子領域内の3p21.3−2 3に位置づけられる3。 次いで、二つのクロモソーム−3候補HNPCCファミリー3の病気に冒され た個人および病気に冒されていない個人の血液サンプルを、変異について分析し た。一つのファミリー、ファミリー1は、HNPCCと3p上のマーカーとの間 に重要な関連(組換えフラクション0でロッドスコア(lod score)=3.01) を示した。第二のファミリー、ファミリー2では、報告されたロッドスコア(1 .02)は、一般的な許容レベルの重要性より低く、3pの同一マーカーへの関 連が示唆されたに過ぎなかった。3p21.3のミクロサテライトマーカーD3 S1298を用いたファミリー2の次なる関連分析は、組換えフラクション0で より重要なロッドスコア1.88を与えた。最初に、直接的なDNA配列決定に よってhMLH1遺伝子の二つのPCR増幅エキソンの変異をスクリーニングし た( 図4)。ファミリー1の病気に冒された3人のこれら二つのエキソンを調べたが 、予想された配列との差異をなにも検出しなかった。ファミリー2では、大腸ガ ンに冒された4人が、エキソンがコードするアミノ酸41−69におけるCから Tへの置換のヘテロ接合(heterozygous)であることが観察され、これは、このタ ンパクの高度に保存された領域に対応している(図9)。一人の病気に冒された ヒトについて、PCR増幅cDNAを付加的な配列の差異についてスクリーニン グした。この病気に冒された個人の二つのエキソンとcDNAから得られた組み 合わせられた配列情報は、オープンリーディングフレームの95%(すなわち最 初の116bp以外の全て)を示した。CからTへの置換以外のヌクレオチドの 変化は全く観察されなかった。さらに、関連データに基づいてキャリアーである と推定されているが、まだ大腸ガンに冒されていないファミリー2の4人の個人 は、同じCからTへの置換によりヘテロ接合であることが見出された。これらの 推定されたキャリアーの二人は、この特定のファミリーにおける平均の開始期( 50年)よりも低く、二人はこれより上である。この同一のファミリーから調べ られた病気に冒されていない二人の個人であって、両方とも関連データからキャ リアーでないことが推定される個人は、この位置に予想される正常な配列を示し た。ファミリー2におけるCからTへの置換を含む関連分析は、組換えフラクシ ョン0でロッドスコア2.23を与えた。厳密性の低いガン診断基準を用いて、 ロッドスコア2.53を計算した。これらのデータは、CからTへの置換がファ ミリー2におけるHNPCCへの重要な関連を示すことを示唆している。 図8は、hMLH1タンパクの44位における非保存アミノ酸置換を生成する CからTへの転移変異を示す配列クロマトグラムを表している。一人の病気に冒 されていない個人(上のパネル、プラスおよびマイナス鎖)と一人の病気に冒さ れた個人(下のパネル、プラスおよびマイナス鎖)の配列分析が示されている。 ヘテロ接合ヌクレオチドの位置が、矢印で示されている。配列クロマトグラフの 分析により、病気に冒された個人がこの部位でヘテロ接合であるのに十分なCピ ークにおけるTシグナル、およびGピークにおけるAシグナルが存在することが 示された。 このCからTへの置換が多型性であるか否かを決めるために、無関係の48人 のゲノムDNAから増幅されたこれと同じエキソンを配列決定したが、正常な配 列のみが観察された。対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド(ASO)ハイブリ ダイゼーション分析を用いてさらに26人の無関係の個人を調べた33。用いたA SO配列(それぞれ、SEQ ID NOS:141および142)は、 直接的なDNA配列およびASO分析によれば、これらの74人の無関係の個 人の誰もCからTへの置換を有していなかった。それゆえ、ファミリー2の個人 に見られるCからTへの置換は、多型性ではないようである。上述したように、 第二クロモソーム3関連ファミリー、ファミリー1の病気に冒された個人にはこ れと同じCからTへの置換を検出しなかった3。我々は、hMLH1の変異につ いて、ファミリー1の個人の研究を続けている。 以下の表4は、ファミリー2の病気に冒されたおよび病気に冒されていない個 人、並びに無関係の個人の血液サンプルの実験的分析をまとめたものである。 いくつかの基準に基づいて、hMLH1のコード領域に観察されるCからTへ の置換が、ファミリー2におけるHNPCCの根拠となる変異を示すと考えられ る3。先ず、DNA配列およびASO分析は、無関係の74人の個人にCからT への置換を検出しなかった。しかして、CからTへの置換は、単なる多型性では ない。第二に、観察されたCからTへの置換は、44位におけるセリンからフェ ニルアラニンへの変化を生じると推定される(図9参照)。このアミノ酸置換は 、このタンパクの保存された領域における非保存的変化である(図3および9) 。Chou−Fasmanパラメーターを用いた二次的な構造の推定は、ターン に位置する44位を備えたヘリックスターンβシート構造を示唆する。44位に おけるSerからPheへの置換は、このターンの推定を顕著に低め、推定され たアミノ酸の置換が、hMLH1タンパクの高次構造を変えることを示唆する。 SerからPheへの置換が、ガンに罹りやすくなる変異であるという示唆は、 イーストMLH1遺伝子におけるアナログ置換(アラニンからフェニルアラニン )が、機能しないミスマッチ修復タンパクを生じるということを示す実験によっ てさらに支持される。細菌およびイーストにおいて、DNAミスマッチ修復に影 響する変異が、二つのヌクレオチドの繰り返し内の付加および欠失を含む自発的 な変異の速度を顕著に増加する4,5.11,13,14,15,16。ヒトでは、hMSH2の変 異は、クロモソーム−2HNPCC1,2、ミクロサテライト不安定性およびミス マッチ修復における明らかな欠陥を示す腫瘍の根拠である12。クロモソーム3関 連HNPCCは、二つのヌクレオチドの繰り返しの不安定性に関係する3。これ らの観察と組み合わせて、ヒトMLH1タンパクとイーストDNAミスマッチ修 復タンパクMLH1との間の高度の保存は、hMLH1がDNAミスマッチ修復 において機能することを示唆する。hMLH1遺伝子の単離の間に、hPMS1 遺伝子を同定した。この観察は、イーストのように4、哺乳動物のDNAミスマ ッチ修復が少なくとも二つのMutL様タンパクを必要とするかもしれないこと を示唆する。異なるHNPCCファミリーは、MLH1遺伝子において異なる変 異を示すらしいことに注目すべきである。上述したように、ファミリー1の病気 に冒された個人は、HNPCCと3p21−23の領域の座位との間に“堅固な 関連”を示した。しかしながら、ファミリー1の病気に冒された個人は、ファミ リー2に 見られたCからTへの変異を備えていない。ファミリー1の病気に冒された個人 は、MLH1遺伝子に別の変異を備えているらしい。さらに、本出願に記載され た構造情報および方法を使用して、イギリスの大きなHNPCCファミリーの変 異遺伝子のヘテロ接合キャリアーにガンに罹りやすくなる別のhMLH1変異を 見出し、かつ特徴付けを行った。イギリスのファミリーにおけるhMLH1変異 は、切りつめられたhMLH1タンパクの合成を導くと思われる+1Tフレーム シフトである。必須に全ての既知の病気に冒された個人が同じ変異を有する鎌状 赤血球貧血等と違って、多数のhMLH1変異が見出されガンに結びつけられて いる。それゆえ、hMLH1(並びに、おそらくhPMS1)の完全なcDNA 配列、並びに特にエキソンを取り囲むゲノム配列に関する知識は、高頻度のガン を示すと同定されたファミリーの変異を特徴付けるのに使用できるとともに重要 である。 hMLH1に変異を起こすガンに関する我々の発見に続いて、他者による研究 は、hMLH1における少なくともさらに5つの変異の特徴付けをもたらし、こ れらはそれぞれ、少なくとも一つのHNPCCファミリーの個人をガンに罹りや すくするようである。例えば、Papadopoulosらは、コドン578から632の間 の165塩基対のインフレーム欠失(in-frame deletion)によって特徴付けされ た、前記変異を同定した。別のファミリーでは、Papadopoulosらは、フレームシ フトと新しいアミノ酸の置換、すなわちコドン727と728の間の4塩基対の 欠失に特徴を有するhMLH1変異を観察した。また、Papadopoulosらは、CO OH末端の延長、すなわちコドン755と756の間に4塩基対の挿入に特徴を 有するhMLH1ガン関連変異を報告している38。 要約すると、遺伝性ポリポシス大腸ガン遺伝子であるらしいDNAミスマッチ 修復遺伝子hMLH1が、クロモソーム3p21−23に関連分析によって先に 位置づけられたことを示した。hMLH1遺伝子配列の有用性は、ガン関連変異 に関するHNPCCファミリーのスクリーニングを容易にするであろう。さらに 、関連マーカーのヘテロ接合性の損失(LOH)は、HNPCCの2pまたは3 p形態のいずれかの特徴ではないが3,6、3p21.3−23領域を含むLOH は、いくつかのヒトのガンに観察されている24-26。このことは、hMLH1変 異が このような腫瘍において何らかの役割を演じ得る可能性を示唆している。 ヒトPMS1 ヒトPMS1を、図1を参照して記載された方法を用いて単離した。図10は 、完全なhPMS1 cDNAヌクレオチド配列を示す。図11は、推定される ヒトおよびイーストのPMS1タンパク配列の並びを示す。FISH分析によっ て、ヒトPMS1がクロモソーム7に位置することを調べた。hPMS1に関す る我々の発見に続いて、他者がHNPCCに罹りやすくなると考えられる遺伝子 の変異を同定した。 マウスMLH1 図1を参照して上記された方法を用いて、図12に示すようなマウスMLH1 のcDNAの部分的なヌクレオチド配列を決定した(SEQ ID NO:135 )。図13は、対応して推定されるmMLH1タンパクのアミノ酸配列(SEQ ID NO:136)を、推定されるhMLH1タンパク配列(SEQ ID N O:5)と比較して示している。マウスとヒトのMLH1タンパクとの比較、並 びにhMLH1とイーストMLH1タンパクとの比較により、図9に示すような 高度の保存が示された。 マウスPMS1 図1に示す上記の方法を用いて、図14に示すように、マウスPMS1遺伝子 を単離および配列決定した(SEQ ID NO:137)。このcDNA配列は 、図15に示すように、864アミノ酸の推定されるタンパク(SEQ ID N O:138)をコードし、図15では、推定されたアミノ酸配列とhPMS1( SEQ ID NO:133)との比較がされている。推定されたマウスとヒトの PMS1タンパク間の同一性の度合いは高く、これは二つの哺乳動物間に予想さ れる通りである。同様に、上述したように、図11に示すように、ヒトPMS1 タンパクとイーストのDNAミスマッチ修復タンパクPMS1との間に強力な類 似性がある。イーストのPMS1とMLH1が、イーストにおいてDNAミスマ ッチを修復するように機能するという事実は、ヒトとマウスのPMS1とMLH 1もミスマッチ修復タンパクであるということを強力に示唆する。 マウスMLH1とPMS1の使用 mMLH1およびmPMS1遺伝子に関する我々の単離および特徴付けは、多 くの調査手段を有すると確信している。例えば、上述した様に、特にhPMS1 と反応する抗体を産生するのにmPMS1遺伝子の知識を用いた。ヒトのタンパ ク、MLH1またはPMS1に向けられた抗体は、調査目的はもちろん診断目的 にも使用できることを既に説明した。 また、mPMS1およびmMLH1に関する知識が、DNAミスマッチ修復欠 陥の結果を研究するためにマウスモデルを構築するのに使用できると確信してい る。クロモソーム2pおよび3p関連HNPCCが、ミスマッチ修復遺伝子にそ れぞれ欠陥を有することから、mPMS1またはmMLH1欠陥マウスが、ガン に高い傾向を示すことを予想した1,2。上述したように、mPMS1に欠陥のあ る遺伝子を有するキメリックマウスを既に作製した。現在、mPMS1またはm MLH1変異に関してヘテロ接合性のマウスを作製中である。これらのヘテロ接 合性マウスは、ヒトのガン、特にHNPCCを研究するために使用できる動物モ デルを提供すべきものである。このマウスは、ガンの危険性および進行を決定す る内因性および外因性の両方の分析に使用される。また、ミスマッチ修復欠陥に 関係するガンは、他のガンと比較して従来の治療に別に反応する。このような動 物モデルは差異があるか否かを決定するのに使用され、この種の腫瘍の効果的な 治療の療法を開発することができる。また、このような動物モデルは、遺伝と発 ガン性物質における食事の要素との間の関係を研究するためにも使用される。 多型性と変異との区別 ガンの罹りやすさの研究、並びに腫瘍の同定および特徴付けのために、“変異 ”と“多型性”とを区別することは重要である。“変異”は、遺伝子の“非野生 型対立遺伝子”を生成する。遺伝子の非野生型対立遺伝子は、細胞内で正常に機 能しない転写体および/またはタンパク生成物を生成する。“変異”は、挿入、 欠失、置換および転移を含むヌクレオチド配列内のあらゆる変化とすることがで きる。 一方、“多型性”は、正常に機能する(すなわち“野生型”)遺伝子の集団内 に見られる配列の差異である。ある多型性は、核酸コードの縮重による。すなわ ち、ほとんどのアミノ酸が一つ以上のトリプレットコドンによってコードされて いると仮定すると、多くの異なるヌクレオチド配列が同一のポリペプチドをコー ドすることができる。他の多型性は、遺伝子またはコードされたポリペプチドの 機能に重要な影響を与えない単なる配列の相違である。例えば、ポリペプチドは 、多くの場合、小さい挿入または欠失、あるいはポリペプチドの機能を顕著に変 えることのないそのアミノ酸配列における“保存的な”置換に対して寛容的であ る。 “保守的な”置換とは、ある特定のアミノ酸が、化学的特徴が類似した別のア ミノ酸で置換されることである。例えば、アミノ酸は、しばしば、アラニン、ロ イシン、イソロイシン、バリン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン およびメチオニンを含む“非極性(疎水性)”;グリシン、セリン、スレオニン 、システイン、チロシン、アスパラギンおよびグルタミンを含む“極性中性(pol ar neutral)”:アルギニン、リシンおよびヒスチジンを含む“陽性帯電性(塩 基性)”;並びにアスパラギン酸およびグルタミン酸を含む“陰性帯電性(酸性 )”として特徴付けされる。あるアミノ酸を同一グループ内の他のアミノ酸で置 換することは、特に、二つの関連のあるアミノ酸の側鎖が類似する大きさのアミ ノ酸である場合には、一般的に“保存的”であると見なされる。 ミスマッチ修復遺伝子配列における変異または多型性を同定する第一段階は、 ここで記載した技術を含めた利用できる技術を用いて、ミスマッチ修復遺伝子、 (または遺伝子断片)、すなわち同じミスマッチ修復遺伝子(または遺伝子断片 )の既知の正常な(例えば野生型)配列とは異なる配列の同定を含む。例えば、 hMLH1遺伝子(または遺伝子断片)配列は、SEQ ID NOS:6−24 のいずれかのような既知の正常な(例えば野生型)hMLH1配列とは、少なく とも一つのヌクレオチドの位置で異なることが同定される。 変異は、種々の方法のいずれかを用いて多型性から区別することができ、おそ らく最も直接的な方法は、データ収集および腫瘍の発達との相関である。すなわ ち、例えば、患者は、そのhMLH1遺伝子配列がSEQ ID NOS:6−2 4に報告された配列とは異なると同定されるが、その患者はガンではなく、その 家族もガンに罹ったことがない人である。もし、他の、好ましくはその患者の家 族の年長者が、SEQ ID NOS:6−24とは異なるhMLH1遺伝子配列 を同様に有するならば、患者のhMLH1遺伝子配列は、“多型性”として区分 することができるであろう。もし、別の無関係の個人が、同じhMLH1遺伝子 配列で同定され、その家族にもガンの経歴がないならば、その区分は確実なもの とされる。 中でもこのような変異は、病気に冒された個人の全ての組織およびその患者の 親の少なくとも一方の生殖系にはおそらく存在し、ガンの経歴のない病気に冒さ れていないファミリーにはおそらく見られないことから、遺伝的にガンに冒され やすくなることに対応する変異を同定することができる。 多型性と変異を区別する場合に、少なくとも一つの既知のミスマッチ修復遺伝 子変異の存在下において、特定の配列の差異を評価することは時に価値がある。 ある場合には、特定の配列の変化は、単独でアッセイした場合には、顕著な効果 を持たない(すなわち、多型性と見られる)が、例えば、変異のみを有する個人 よりも、明らかな多型性の差異と既知の変異の両方を有する個人は、より高い確 率でガンになるというように、既知の変異の浸透度を増加する。このような効果 を有する配列の差異は、弱いが適切に変異であると考えられる。 上述および以前に記載したように(米国特許出願第08/168877および 08/209521)、ミスマッチ修復遺伝子または遺伝子産物における変異は 、その遺伝子または遺伝子産物の非野生型を生成する。それ故、ある変異は、In vivoまたはin vitroにおけるミスマッチ修復アッセイにおけるその機能的特徴 によって、多型性と区別される。利用できる全てのミスマッチ修復アッセイを、 これらの特徴を分析するために用いることができる49-63。ある変異はどのアッ セイでも観察されない効果を有するため、配列の変化を多型性として区分する前 に、一つ以上のミスマッチ修復アッセイを利用することが一般的には好ましい。 例えば、変異を有するミスマッチ修復遺伝子は、宿主細胞のミスマッチ修復に 検出可能に影響せずに、宿主細胞中の同じ遺伝子の内在性コピーを置換すること は不可能と考えられる;しかしながら配列多型性を有するミスマッチ修復遺伝子 は、宿主細胞のミスマッチ修復に検出可能に影響することなく、宿主細胞中の同 じ遺伝子の内在性コピーを置換することができると期待される。このような“置 換”の研究では、例えばある種の遺伝子産物が、他の種の別のミスマッチ修復遺 伝子産物と相互作用できないことによる複雑さを避けるために、試験遺伝子が得 られた細胞と同種(もしくは少なくとも近い関係)の宿主細胞中に試験されるべ き遺伝子を導入することが一般的に好ましい。同様に、変異ミスマッチ修復タン パクは、in vitroミスマッチ修復システム(好ましくは関係する生物体由来)に おいて正常に機能するとは考えられないが、多型性ミスマッチ修復タンパクは、 正常に機能すると考えられる。 ここおよび以前に記載した方法は、異なる種類のミスマッチ修復遺伝子変異を 同定する。以下の実施例は、DNAミスマッチ修復遺伝子における多型性から変 異を区別するためのプロトコルを例証するものである。 実施例3:イースト、S.cerevisiaeにおける、hMLH1またはhPMS1 遺伝子に見られる変異の機能的重要性を試験するためのシステムを開発した。こ のシステムは、本出願では、例えば、上述したように、HNPCCのファミリー に見られた、セリン(SER)からフェニルアラニン(PHE)によるhMLH 1における変異を用いて記載する。必須にそのMLH1遺伝子を欠き、このため に強力なミューテーターであるイースト株を誘導した(すなわち、個々に対する 所定のアミノ酸に成長依存からの復帰を含む簡単な遺伝的マーカーアッセイにお いて、正常の割合より1000倍高い(hom3−10対立遺伝子の復帰、Prol la,Christie と Liskay,Mol Cell Biol.14:407-415,1994)。正常のイース トMLH1遺伝子(既知の全てのコントロール領域を備えた完全なもの)を、M LH1を欠く株に単一コピーとして安定に維持されたイーストプラズマに入れた 場合に、腫瘍表現型は、アミノ酸独立アッセイに対する復帰を用いて十分に訂正 される。しかしながら、イーストMLH1の欠失コピーを導入すると、全く訂正 されない。次いで、HNPCCファミリーにおいてSERからPHEへの変化を 誘発 する変異を試験した。結果的な変異イーストタンパクが腫瘍の表現型を訂正しな いということから、おそらく野生型の遺伝子配列からの変化によってガンに罹り やすくなり、それゆえ多型性ではなく変異として区分されるということが、強力 に示唆されることを見いだした。次いで、“セレン(serene)”の位置に別のアミ ノ酸を含むようにされたタンパクを試験して、ほとんどの変化が完全な変異体、 もしくは少なくとも部分的な変異の表現型をもたらすことを見いだした。 MLH1およびPMS1遺伝子における他の“ポイント”変異が、ガンのファ ミリーに見いだされるので、適切なイースト同族体遺伝子および研究されたタン パク機能に基づくそれらの共通配列中に設計することができる。さらに、MLH 1とPMS1遺伝子の両方においていくつかの高度に保存されたアミノ酸を同定 した。また、hMLH1がイーストPMS1と相互作用するという証拠がある。 この知見は、hMLH1遺伝子に観察された変異を、イーストシステムにおいて より直接的に試験することができるという可能性を高めた。これらの保存された 位置のアミノ酸を変える変異を組織的に作成し、アミノ酸の置換が慣用されるか 否かを調べる。hMLH1とhPMS1に係る変異情報を回収し、HNPCCフ ァミリーに実際に見られた変異を決定および文書で証明し、実験システムで試験 するために人工的に変異を合成することにより、結局、個人のhMLH1または hPMS1の構造が決定されれば、その構造と既知のデータに対する多型性とを 比較するだけのガンに罹りやすさを試験するプロトコールを実行することができ る。 実施例4:hMLH1とhPMS1との間の物理的相互作用を研究するために用 いた別の方法を、遺伝子産物中の特定の変化がタンパク−タンパク相互作用の度 合いに変化をもたらすか否かを研究するために用いることができる。タンパク− タンパク相互作用における変化に係る情報は、特定の遺伝子変化が変異または多 型性であるかを調べあるいは確かめる。in vitro と in vivoにおけるイースト MLH1とPMS1タンパク間の相互作用に関する我々の研究室の発見に続いて (米国特許出願第08/168877)、これらの二つのDNAミスマッチ修復 タンパクのヒトの対応物間の相互作用を調べた。ヒトのMLH1とヒトのPMS 1 タンパクを、マルトース結合タンパク(MBP)親和クロマトグラフィーを用い たin vitro相互作用に関して試験した。hMLH1タンパクをMBP融合タンパ クとして調製し、MBPを介してアミロース樹脂カラムに固定化し、in vitroで 合成されたhPMS1への結合を試験した。hPMS1タンパクはMBP−hM LH1マトリックスに結合したが、コントロールのタンパクはマトリックスへの 親和性を全く示さなかった。in vitroで翻訳されたhMLH1タンパクをMBP −hPMS1融合タンパクマトリックスを通すと、hMLH1タンパクがMBP −hPMSマトリックスに結合したが、コントロールは結合しなかった。 hMLH1とhPMS1との潜在的なin vivo相互作用は、イースト“2ハイ ブリッド”システムを用いて試験された28。最初の結果は、hMLH1とhPM S1はin vivoでイースト中で相互作用することを示した。また、同じシステム を、遺伝子または遺伝子産物構造における変化から得られ、多型性またはガンに 罹りやすくい変異として区別されなければならない、タンパク−タンパク相互作 用における変化を検出するために用いることができる。 HNPCCファミリーの検出およびそれらの変異 米国の約1000000人がHNPCC変異遺伝子を有する(またはヘテロ接 合)と概算されている29。さらに、50−60%のHNPCCファミリーが、ク ロモソーム2p上にあるMSH2遺伝子の変異を分離すると考えられる1,2。別 の重要なフラクションは、上述したCからTへの転換のような、おそらくはhM LH1変異のために、クロモソーム3p21−22にマップするHNPCC遺伝 子と関係しているようである。hMSH2またはhMLH1遺伝子のいずれかの 変異対立遺伝子を分離するファミリーの同定すること、およびこれらのファミリ ーの個人が実際に変異を有することを調べることは、この疾患に早くから干渉す るのに非常に有効である。このような早期の干渉は、病気に冒された個人のスク リーニングによる早期検出および攻勢的な追求処置を含むであろう。さらに、家 族的および散在性の腫瘍の両方の遺伝子の塩基を調べることにより、治療方法を 根本の腫瘍、あるいは再発に向けることができた。 最初に、HNPCCの候補のファミリーは、家系の研究を通して、例えば、病 院の腫瘍学者により、局地的なレベルで部分的に診断される。HNPCCのある 基準は、患者の腫瘍のミクロサテライト不安定性の観察である3,6。患者は、h MSH2、hMLH1、hPMS1およびこれらが同定されたようにDNAミス マッチ修復に係る他の遺伝子における変異が試験される。これは、個人の血液を サンプリングすることにより最も容易になされる。また、新鮮に冷凍された腫瘍 組織は、より高度に使用できる。スクリーニングの工程で、病気に冒された個人 は、正常組織における変異にヘテロ接合であることに注意することが重要である 。 血液および腫瘍等の利用できる組織は、以下の工程の一つまたは両方を用いて PCRに基づく変異分析が行われる。 1)hMLH1遺伝子にしっかりと結合したミクロサテライトマーカーを用い た結合分析 ガンの傾向があるファミリーをhMLH1変異に関して同定する一つの試みは 、hMLH1内に位置する、あるいはこれにしっかりと結合した高度に多型性の マーカーで結合分析を行うことである。ミクロサテライトは、高度に多型性であ り、それ故結合分析におけるマーカーとして非常に有益である。P1ファージク ローン(〜100kbp)の単一の巨大なゲノムフラグメント上にhMLH1遺 伝子を有しているので、二つのヌクレオチドの繰り返しの管(tracts)等の一つ以 上のミクロサテライトが、hMLH1遺伝子内、あるいは非常に近くに存在する らしい。少なくとも一つのこのようなミクロサテライトが報告されている38。こ のようなマーカーが同定されれば、PCRプライマーは、このミクロサテライト を含むDNAの伸長を増幅するように設計することができる。高頻度のガンを有 するファミリーから病気に冒されたおよび病気に冒されていない個人のDNAを スクリーニングして、MLH1マーカーの分離とガンの存在を調べる。結果のデ ータは、ロッドスコアを計算するために用いることができ、このためhMLH1 とガンの発生との間の関係の見込みを調べる。一度所定のファミリーにおける関 係が確立されれば、hMLH1変異を有する見込みの血縁の他のヒトを調べるの に同じ多型性マーカーを用いることができる。 逆転写されたcDNAの配列決定 a)病気に冒された個人、病気に冒されていない個人、および無関係の個人の RNAを逆転写し(RT’d)、PCRを行って4−5重複部位におけるcDN Aを増幅した34,37。PCRの目的のために、多くの異なるオリゴヌクレオチド プライマーの組の配列が、遺伝的スクリーニングの目的のために個人のhMLH 1またはPMS1遺伝子の関連部分を増幅するのに潜在的に用いられることに注 目するべきである。遺伝子のcDNA構造の知識を用いて、遺伝子の選択された 部分を特異的に増幅するのに効果的であると思われるプライマー対を作製するこ とは、率直な行動である。プライマー配列は典型的には20〜30塩基の長さで あるが、特異的に選択された遺伝子セグメントを増幅するために、約13塩基程 度の短いプライマーを使用することができる。どのくらい短いプライマー配列が 許容されるかの原理的な限定は、特異的に標的の遺伝子セグメントにハイブリダ イズするのに十分な長さでなければならないことである。PCRの特異性は、一 般的にプライマーの伸長および/またはネスティドペアのプライマーを用いるこ とによって改良される。 完全なcDNAを全体的に示すPCR産物を、配列決定し、既知の野生型配列 と比較した。多くの場合、変異は、病気に冒された個人に見られる。理想的には 、変異の性質は、遺伝子産物を不活性化しそうであることを示す。そうでなけれ ば、変化が単なる多型性ではないという可能性が、決定されなければならない。 b)スプライシングまたは停止コドンの翻訳に影響する様な、ある種の変異は 、変異遺伝子から生じたメッセンジャーRNAを不安定化するため、正常なRT に基づく変異検出方法を含む。最近報告された技術は、変異cDNAが、正常な 長さのタンパクの合成を、組み合わされたin vitro転写/翻訳システムに向ける ことができるか否かを調べることによって、この問題を回避することができる32 。 3)ゲノムDNAの直接的な配列決定 変異を検出するための第二の経路は、直接的にDNAの鋳型を欠いたPCRサ イクル配列決定によるエキソンおよびイントロン/エキソン境界を調べることに 基づく1,2。この方法は、直接的なPCRサイクル配列決定用に個々のエキソン を増幅する、上記表2および3に記載されたオリゴヌクレオチドペアの使用を必 要とする。この方法は、各イントロン/エキソン境界におけるゲノムDNA配列 情 報に基づく(各境界で50bp、またはそれ以上)。この技術の利点は、二つで ある。第一に、DNAがRNAより安定であるため、PCRで用いられる物質の 条件は、RNAに基づくプロトコルほど重要ではない。第二に、スプライシング に影響するイントロンの変異を含めた、遺伝子の実際に転写される領域内におけ るほとんどの変異は、検知可能である。 それぞれの候補の遺伝子にとって、変異検出は、完全なcDNA構造と、ゲノ ム構造の全てのイントロン/エキソン境界の両方の知識を必要としてもよい。こ のような情報に基づいて、特定のファミリーにおける原因の変異の種類を調べる ことができる。代わって、より特異的で効率的な変異検出機構を特定のファミリ ーに適用することができる。一つ以上の遺伝子が関係し、互いの遺伝子に対して 複数の種類の変異が関係するという意味で、遺伝的に不均一な塩基を有するため 、疾患(HNPCC)をスクリーニングすることは複雑である2。所定のファミ リーは、一つの特定の変異を高度に分離するようである。しかしながら、複数の ファミリーにおいて腫瘍の性質が調べられるので、集団の最も一般的な変異のス ペクトルが決定される。一般的に、最も高頻度の変異の決定は、直接的かつ合理 的な変異検出である。 HNPCCが人類に普及しているので、誕生時にキャリアーを検出することは 、標準的な新生児の試験の一部となりうる。危険性のあるファミリーを同定する ことができ、以前に試験されていない全てのメンバーを調べることができる。最 終的には、病気に冒された全ての親族を決定することができる。 変異スクリーニングおよび試験の方式 DNAに基づく試験 標準的な診断および家系の研究によりHNPCCファミリーであろうと同定す ることを含む最初の試験は、局地的かつより小さいDNA診断研究所でなされる であろう。しかしながら、多数のファミリーのメンバーの巨大なスケールの試験 、並びにある程度の集団の広い試験は、究極的には、非常に効率的な集中した商 業的施設を必要とするであろう。 少なくともクロモソーム2p上のhMSH2遺伝子およびクロモソーム3p上 のMLH1遺伝子を含む、HNPCCの基礎になる主要な遺伝子の最も一般的な 変異の決定に基づいて試験が開発されるであろう。種々の試験が開発される。一 つの可能性は、例えば、正常なvs.変異対立遺伝子を区別するオリゴヌクレオ チドハイブリダイゼーション用いる一組の試験である33。既に述べたように、h MLH1、hPMS1およびhMSH2遺伝子のヌクレオチド構造に関する知識 により、遺伝子スクリーニングおよびガンの危険性の分析に関する個人のミスマ ッチ修復遺伝子の特異的部分を増幅するために使用することができる多数のオリ ゴヌクレオチドプライマーペアを設計することができる。遺伝子の構造に関する 知識も、DNAミスマッチ修復遺伝子の一つの全てまたは一部の存在または欠失 を決定するために素早く用いることができる標識されたプローブの設計を可能に する。例えば、対立遺伝子特異的オリゴマープローブ(ASO)は、対立遺伝子 間で区別されるように設計することができる。ASOは、正常および変異対立遺 伝子間の差異を反映する単一の塩基の違いを除いては配列において同じである短 いDNAセグメントである。適切なDNAハイブリダイゼーション条件下で、こ れらのプローブは、二つの他の点で同じDNA配列間の単一塩基の差異を認識す ることができる。プローブは、放射活性、あるいは種々の非放射活性レポーター 分子、例えば、蛍光または化学的発光分子等で標識することができる。標識され たプローブは、疾患誘発対立遺伝子の存在について、PCRサンプルを分析する ために用いられる。いくつかの種々の疾患誘発遺伝子が存在するか否かは、単一 のサンプルで容易に調べられる。プローブの長さは、標的以外のヌクレオチド配 列に非特異的に結合することを避けるのに十分な長さでなければならない。どの 試験も、hMLH1、hMSH2、hPMS1およびHNPCCに関係している 他のDNAミスマッチ修復遺伝子に関する正確かつ完全な構造情報に究極的に依 存するであろう。 タンパク検出に基づくスクリーニング タンパク産物自身の機能に基づいた試験を用いることもできる。タンパクを調 べる試験は、hMLH1、hPMS1およびhMSH2タンパク、またはこれら が同定されるように別の関連する“ガン”遺伝子産物のいずれかに特異的な抗体 試薬を利用することができる。 例えば、冷凍された腫瘍試験片を切断して、間接的な蛍光技術を用いて抗体染 色に調製することができる。ある遺伝子変異は、抗体染色後、変化または減少し たシグナルを与えるようにタンパクの構造を十分に変化または不安定化すると予 想される。このような試験は、ファミリーのガンにおける遺伝子の関係が確立さ れる必要がある場合に行われるだろう。ヒトMLH1およびPMS1タンパクに 対する診断モノクローナル抗体を開発中である。我々は、細菌においてMLH1 およびPMS1ヒトタンパクを発現(overexpressing)させている。このタンパ クを精製し、マウスに注入して、診断および調査の目的に使用するタンパク特異 的モノクローナル抗体を誘導する。 DNAミスマッチ修復腫瘍の同定および特徴付け 患者がガンに罹りやすいかを診断することに加えて、細菌のミスマッチ修復遺 伝子に相同な核酸配列は、中でも、ミスマッチ修復欠陥腫瘍の同定および特徴付 けにおける使用に利用することができる。ミスマッチ修復欠陥腫瘍が特定の治療 の多くによりよく反応するので、このような同定および特徴付けを利用すること ができる。例えば、ミスマッチ修復欠陥腫瘍は、特に他の治療剤と組み合わせて 投与された場合に、DNA損傷剤に敏感である。 ミスマッチ修復遺伝子における欠陥は、個人の腫瘍形成に寄与するように個人 の組織を通して存在する必要はない。特定の細胞または組織におけるミスマッチ 修復遺伝子の自発的変異は、その組織における腫瘍形成に寄与する。実際に、少 なくともいくつかの場合には、ミスマッチ修復遺伝子の単一の変異は、腫瘍の発 達に重要ではない。そのような場合には、ミスマッチ修復遺伝子に単一の腫瘍を 備えた個人は、ガンになりやすいが、第二の変異が発生するまで腫瘍を発達しな いだろう。さらに、ある場合には、個人の厳密に腫瘍と係わる同じミスマッチ修 復遺伝子変異は、遺伝的にガンに罹りやすいファミリーにおいては、ガンに罹り やすくすることの原因となる。 本発明の他の態様では、腫瘍(または腫瘍細胞ライン)を分析するため、並び にミスマッチ修復遺伝子における腫瘍関連変異を同定するために、我々が提供し た配列情報を当該技術で知られた方法で使用することができる。好ましくは、こ れらの腫瘍関連変異が、同じ個人の非腫瘍組織に存在しないことを調べることが できる。本願に記載された情報は、短い繰り返しDNA部材の遺伝的不安定性を 示す腫瘍(または腫瘍細胞ライン)内のミスマッチ修復遺伝子変異の同定に特に 使用できる。 本発明の配列情報および試験プロトコルも、二つの腫瘍が関連するか否か、す なわち第二の腫瘍が、特定のDNAミスマッチ修復遺伝子変異を示す先に見出さ れた第一の腫瘍から転移したものか否かを調べるのに使用できる。 関連した機能のさらなる遺伝子の単離 物理的にhMLH1および/またはhPMS1と相互作用するタンパクは、D NAミスマッチ修復に関連するであろう。hMLH1およびhMSH2に対する 類似性により、このようなタンパクをコードする遺伝子の変異は、潜在的にガン と関連する強力な候補であろう。“2ハイブリッドシステム”と称されるイース トを使用する強力な分子遺伝試験は、hMLH1等の関心のある遺伝子産物と相 互作用するタンパクをコードする遺伝子を比較的急速に検出および単離する28。 2ハイブリッドシステムは、融合タンパクをコードする二つのプラスミドベク ターを含む。二つのベクターはそれぞれ、転写活性因子の一部またはドメインを 含む。活性因子のみでは、転写を活性化することはできない。しかしながら、二 つのドメインが近づけられれば、転写が起こる。hMLH1等の関心のタンパク のcDNAを、一方のベクターの読み枠内に挿入する。これは、“ベイト(bait) ”と呼ばれる。転写活性の別のドメインと融合を作るように第二プラスミドベク ターに挿入されたヒトcDNAのライブラリーを、“ベイト”ベクターを有する イースト細胞に導入する。特定のイースト細胞が、hMLH1タンパクと相互作 用するタンパクをコードするヒトcDNAを含有するライブラリーメンバーを受 ける場合には、この相互作用は、転写活性化因子の二つのドメインを近づけ、レ ポーター遺伝子の転写を活性化し、イースト細胞を青色にする。次いで、挿入物 を、データベースの配列に関連するか否かを調べるために配列決定した。同じ方 法または関連する方法を、DNAミスマッチ修復のイーストタンパクを同定する ために用いることができる。イーストおよびヒトの平行した“捜索(hunts)”を 行 うことは、ある利点を有する。新規イースト同族体の機能は、遺伝子の分離、お よび新規に見出された遺伝子において欠陥のある遺伝的共通配列の試験によって イーストで早く調べられる。これらのイーストの研究は、PMS1およびMLH 1に関するイーストの研究が、ヒトMLH1およびPMS1遺伝子に関する我々 の研究に影響したのと同様に、新規のヒトの“hMLH1-もしくはhPMS1- 相互作用”タンパク分析の誘導を助けるだろう。 抗体の産生 hMLH1およびhPMS1のDNA配列に関する我々の知識を用いて、抗体 を産生するために予想されるタンパク構造の全部または一部を合成することがで きる。hMLH1およびhPMS1タンパクに向けられた抗体の一つの重要な使 用は、DNAミスマッチ修復に係る他のタンパクを捕獲するためである。例えば 、共同免疫沈降(coimmunoprecipitation)技術を用いることによって、hMLH 1またはhPMS1のいずれかに向けられた抗体は、機能的および/または物理 的に関連した他の結合したタンパクと共に沈降することができる。抗体の別の重 要な使用は、腫瘍組織からhMLH1とhPMS1タンパクを単離する目的のた めである。腫瘍からのhMLH1およびhPMS1タンパクは、適切な治療手段 を調べるために特徴付けすることができる。 hMLH1およびhPMS1タンパクに向けられたモノクローナル抗体を開発 中である。 実施例5:ヒトおよびマウスのPMS1タンパクに向けられたポリクローナル 抗体を産生するために以下の工程を用いた。 細菌性発現プラスミドベクター,pET(Novagen,Madison,WI)にマウスP MS1のcDNAの3’フラグメントを挿入した。予想されたマウスPMS1タ ンパクの発現部位は、PMS1タンパクの末端の約200アミノ酸の領域に対応 する。mPMS1のこの部分は、イーストPMS1で保存されるが、ヒトまたは マウスのMLH1タンパクで保存されない。抗体を産生するためのPMS1タン パクのこの部位を選択した一つの理由は、MLH1と交差反応する抗体を得たく なかったことである。マウスPMS1タンパクフラグメントを、E.coliで 高度に発現し、ポリアクリルアミドゲルから精製し、溶出されたタンパクを動物 注射用に調製した。約2mgのPMS1タンパクフラグメントを、ウサギに注入 するためにPocono Rabbit Farm(PA)に送った。複数回のウ サギの血清を、標準的なELISA技術を用いてPMS1抗原に対して滴定した 。マウスPMS1タンパクに特異的なウサギ抗体を、固定されたマウスPMS1 タンパクを含むカラムを用いて親和精製した。親和精製されたポリクローナル抗 体調製物を、さらにウエスタンブロッティングおよびドットブロッティングを用 いて試験した。ポリクローナル抗体が、マウスPMS1タンパクだけでなく非常 に類似するヒトPMS1タンパクをも認識することを見出した。ウエスタンブロ ットに基づいて、ヒトまたはマウスのMLH1タンパクのいずれかを含む、別の タンパクが我々の抗体によって強く認識されるという示唆はなかった。 DNAミスマッチ修復欠陥マウス 実施例6:全体的な動物系におけるDNAミスマッチ修復欠陥および結果的な ガンを研究するための実験モデル系を作製するために、真核性ステム(ES)細 胞技術を用いてDNAミスマッチ修復欠陥マウスを誘導した。mPMS1遺伝子 の一部を含むゲノムDNAを用いて、相同的組換えに基づいてクロモソームmP MS1遺伝子の分離を引き起こすベクターを作製した。129マウス株のマウス ES細胞が、崩壊したmPMS1対立遺伝子を含むことを確かめた。ES細胞を C57/BL6宿主胚盤胞に導入して、129とC57/BL6細胞のキメラす なわち混合の動物を作製した。ES細胞の取り込みを、アグーチ・コート・カラ ーリング(agouti coat coloring)(ES細胞の寄与の指標)のパッチの存在によ って同定した。全てのオスのキメラは、C57/BL6のメスのマウスと交配し た。 次いで、ES細胞の遺伝物質の生殖系(germline)伝達の示唆する、アグーチ・ コート・カラーが検出された12匹の子孫(F2)が誕生した。12匹の子孫の 尾の先から抽出したDNAの分析は、6匹の動物がmPMS1変異にヘテロ接合 (1匹の野生型と1匹の変異対立遺伝子を含む)であることを示した。6匹のヘ テ ロ接合の動物の、3匹はメス(動物F2−8、F2−11およびF2−12)であ り、3匹はオス(F2、F2−10およびF2−13)であった。mPMS1変異 にホモ接合であるマウスを得るために、またさらにヘテロ接合のマウスを得るた めに4つの交配のための囲いを設定した。動物F2−11とF2−10を含む交配 のための囲い#1は、3回で全体で13匹産み、その内4匹が遺伝子型(genotyp ed)がわかった。交配のための囲い#2(動物F2−8およびF2−13)は、3 回で22匹産み、その3匹の遺伝子型がわかった。7匹の遺伝子型がわかった動 物の、3匹のホモ接合のメスの動物が同定された。未知の原因で、1匹の動物が 6週間で死亡した。残りのホモ接合のメスは、12週でも生存しており、健康で あった。結果は、mPMS1ホモ接合欠陥マウスが生存できることを示している 。 交配のための囲い#3および#4は、C57/BL6バックグラウンドにmP MS1変異を戻し交配するために用いた。交配のための囲い#3(C57/BL 6マウスに交配した動物F2−12)は、2回で21匹の動物を産み、9匹の遺 伝子型がわかった。交配のための囲い#4(C57/BL6マウスに交配した動 物F2−6)は、8匹のマウスを産んだ。さらに、元のオスのキメラ(交配のた めの囲い#5)は、31匹のさらなる子孫を産んだ。 動物の遺伝子型を決定するために、変異および野生型mPMS1遺伝子を同定 するために用いられる一連のPCRプライマーを開発した。これらは、以下のも のである(それぞれ、SEQ ID NOS:143−148)。 我々が開発したマウスは、DNAミスマッチ修復における欠陥の結果および結 果的なHNPCCを研究するための動物モデル系を提供する。mPMS1変異お よびその種類にホモ接合およびヘテロ接合のマウスの長期の生存、並びにこれら のマウスにおける腫瘍のタイミングを決定することができる。このマウスは、皮 の状態の悪化と組み合わせて、背を丸める外観によって同定されるガンの示唆の 開始について日々スクリーニングされる。mPMS1変異を有するこれらのマウ スを用いて、環境的および遺伝的な腫瘍形成に係る他の因子の効果を調べること ができる。例えば、結腸および他の種の腫瘍への食事の影響は、正常なマウスと ヘテロ接合またはホモ接合の遺伝型のいずれかのmPMS1変異を有するマウス とを比較することができる。さらに、mPMS1変異は、ミスマッチ修復経路の 遺伝子と、例えばp53等のヒトのガンに係る他の遺伝子との相互作用について 調べるために別の遺伝的バックグラウンドに挿入することができる。mPMS1 変異を有するマウスは、予想される結腸癌等の、マウスに発生する癌の体細胞遺 伝子治療の効果を調べるためにも使用できる。さらに、ホモ接合およびヘテロ接 合mPMS1マウスの同質の繊維芽細胞細胞ラインが、自発的変異率の調査を含 む種々の細胞研究における使用のために確立される。 mMLH1における変異を有するマウスを誘導するためにマウスmMLH1遺 伝子を崩壊するためのベクターを現在作成中である。mPMS1に欠陥を有する マウスとmMLH1に欠陥を有するマウスとを比較するつもりである。さらに、 二つのHNPCC遺伝子に変異を有する相乗効果があるか否かを調べるために、 両方の遺伝子に変異を有するマウスを作製する。mMLH1変異マウスに関する 他の研究は、mPMS1変異マウスについて上述した通りであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI G01N 33/53 0276−2J G01N 33/53 D 33/566 0276−2J 33/566 (31)優先権主張番号 08/352,902 (32)優先日 1994年12月9日 (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM, AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CZ,DE,DK,ES,FI,GB,GE,HU ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LT, LU,LV,MD,MG,MN,MW,NL,NO,N Z,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SI,SK ,TJ,TT,UA,US,UZ,VN (72)発明者 ベイカー,スィーン エム アメリカ合衆国 オレゴン 97201 ポー トランド エス ダヴリュー ビーヴァー トン ハイウェイ 2520 (72)発明者 ボラグ,ロニ ジェイ アメリカ合衆国 ジョージア 30907 マ ーティニズ ウォーターヴェイル ロード 231 (72)発明者 コロドゥナー,リチャード ディー アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02130 ジャマイカ プレイン パーキン ズ ストリート 241 (72)発明者 ブロンナー,シー エリック アメリカ合衆国 オレゴン 97201 ポー トランド エス ダヴリュー テンス 3211 アパートメント 110 (72)発明者 リスケイ,ロバート エム アメリカ合衆国 オレゴン 97034 レイ ク オスウィゴー テラス ドライブ 1110

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 患者の組織におけるmutL同族体遺伝子もしくは遺伝子産物における、 患者がガンに罹りやすいことを示す変異を検出することを含む、患者のガンに罹 りやすさを診断する方法。 2. 腫瘍のミスマッチ修復システムにおける欠陥を示す、mutL同族体遺伝 子または遺伝子産物における変異を腫瘍に検出することを含む、DNAミスマッ チ修復欠陥腫瘍を同定および区分する方法。 3. 検出の段階が、hMLH1またはhPMS1における変異を検出すること を含む、請求項1または2記載の方法。 4. 検出の段階が、患者から核酸を単離すること、 単離された核酸からミスマッチ修復遺伝子または遺伝子産物のセグメントを増 幅すること、 増幅されたセグメントを、ミスマッチ修復遺伝子または遺伝子産物の野生型対 立遺伝子の類似セグメントと比較すること、および ミスマッチ修復遺伝子または遺伝子産物における変異を示す、増幅されたセグ メントと類似セグメントとの間の差異を検出することを含む、請求項1または2 記載の方法。 5. 検出の段階が、増幅されたセグメントと類似セグメントとの間の差異が病 気に冒された表現型を引き起こすか否かを調べることを含む、請求項4記載の方 法。 6. ヌクレオチド配列の差異が、少なくとも一つのヌクレオチドの欠失、少な くとも一つのヌクレオチドの挿入、少なくとも一つのヌクレオチドの置換および ヌクレオチドの転移からなる群から選択される、請求項4記載の方法。 7. 増幅の段階が、 RNAミスマッチ修復遺伝子産物の全体または一部をDNAに逆転写すること 、および 逆転写によって生成されたDNAのセグメントを増幅することを含む、請求項 4記載の方法。 8. 増幅の段階が、 ミスマッチ修復遺伝子の向かい合った鎖に、向かい合った向きでハイブリダイ ズし得る一対のオリゴヌクレオチドプライマーを選択し、 プライマーの間にあるミスマッチ修復鎖の核酸が増幅されて増幅産物になるよ うにオリゴヌクレオチドプライマーを利用するポリメラーゼチェーン反応を行う ことを含む、請求項4記載の方法。 9. 間に挟まれた核酸が、ミスマッチ修復遺伝子の少なくとも一つのエキソン の少なくとも一つの断片を含む、請求項8記載の方法。 10. 少なくとも一つのエキソンが、SEQ ID NOS:25−43からな る群から選択されたヌクレオチド配列を有する、請求項9記載の方法。 11. 検出の段階が、mutL同族体ミスマッチ修復タンパクにおける変異を 検出することを含む、請求項1または2記載の方法。 12. ミスマッチ修復遺伝子または遺伝子産物の野生型対立遺伝子の類似セグ メントが、SEQ ID NOS:6−24からなる群から選択された核酸配列の 独特の部位を有する野生型hMLH1遺伝子フラグメントを含む、請求項4記載 の方法。 13. 選択の段階が、各プライマーがSEQ ID NOS:44−82からな る群から選択されたヌクレオチド配列を含む、一対のオリゴヌクレオチドプライ マーを選択することを含む、請求項8記載の方法。 14. 増幅される、間に挟まれたヌクレオチド配列が、SEQ ID NOS: 6−24からなる群から選択された少なくとも一つのヌクレオチド配列の独特の 部分を含む、請求項8記載の方法。 15. 差異を検出する段階が、hMLH1タンパクの44位に非保存的アミノ 酸置換を生成するCからTに転換する変異によって特徴付けられたhMLH1変 異を検出することを含む、請求項4記載の方法。 16. 検出の段階が、 そのhMLH1遺伝子を欠いたイースト株の誘導、 差異を含む増幅されたセグメントのイースト同族体の作成、 イースト株に増幅されたセグメントのイースト同族体の導入、および DNAミスペアを訂正することができるイースト株のアッセイを含む、請求項 5の方法。 17. 調べる段階が、差異に対応するアミノ酸を含むhMLH1タンパクを生 成すること、および野生型hMLH1とhPMS1タンパクに観察されるタンパ ク−タンパク相互作用の度合いと比較したhMLH1タンパクとhPMS1タン パクとの間の相互作用の範囲を調べることを含む、請求項5記載の方法。 18. 約55℃以上のTmでhMLH1ゲノム配列の全体またはフラグメント に特異的にハイブリダイズし得る単離されたオリゴヌクレオチドプライマー。 19. DNAポリメラーゼで延長することができる、請求項18記載の単離さ れたオリゴヌクレオチドプライマー。 20. 他のプライマーを含むポリメラーゼチェーン反応で使用された場合に、 hMLH1遺伝子の少なくとも一部を増幅することができる、請求項19記載の 単離されたオリゴヌクレオチドプライマー。 21. 少なくとも13ヌクレオチドの長さである、請求項20記載の単離され たオリゴヌクレオチドプライマー。 22. SEQ ID NOS:44−82からなる群から選択されたヌクレオチ ド配列を含む、請求項21記載の単離されたオリゴヌクレオチド。 23. SEQ ID NOS:6−24からなる群から選択されたヌクレオチド 配列と実質的に同一のヌクレオチド配列を有するセグメントを含む単離された核 酸。 24. SEQ ID NOS:25−43からなる群から選択されたヌクレオチ ド配列と実質的に同一のヌクレオチド配列を有するセグメントを含む単離された 核酸。 25. 請求項23または24の核酸の独特のフラグメント。 26. 真核のmutL同族体遺伝子またはそのフラグメントを単離する段階、 および、 真核のmutL同族体遺伝子またはそのフラグメントにおける変異を示す、単 離された遺伝子またはそのフラグメントとその遺伝子の野生型の対立遺伝子また はそのフラグメントとの間の活性の差を検出する段階を含む、真核のmutL同 族体遺伝子またはそのフラグメントにおける変異を検出する方法。 27. mutL同族体遺伝子または遺伝子産物における変異を示す、遺伝子ま たは遺伝子産物とその遺伝子または遺伝子産物の野生型との間の活性の差を検出 することを含む、真核のmutL同族体遺伝子または遺伝子産物における変異を 検出する方法。 28. 真核mutL同族体遺伝子またはそのフラグメントが、ヒトの遺伝子ま たはそのフラグメントを含む、請求項26記載の方法。 29. mutL同族体遺伝子または遺伝子産物が、ヒトの遺伝子または遺伝子 産物を含む、請求項27記載の方法。 30. 遺伝子がhMLH1を含み、野生型の遺伝子がhMLH1遺伝子の野生 型の対立遺伝子を含む、請求項28または29記載の方法。 31. 遺伝子がhPMS1を含み、野生型の遺伝子がhPMS1遺伝子の野生 型の対立遺伝子を含む、請求項28または29記載の方法。 32. 野生型のhMLH1遺伝子が、SEQ ID NOS:6−24およびそ の独特なフラグメントからなる群から選択されたヌクレオチド配列と実質的に同 一であるヌクレオチド配列を含む、請求項30記載の方法。 33. 野生型のhMLH1遺伝子が、SEQ ID NO:5およびその独特の フラグメントからなる群から選択されたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコー ドする、請求項30記載の方法。 34. ヒトミスマッチ修復遺伝子産物が、hMLH1タンパクまたはその独特 のフラグメントを含む、請求項28または29記載の方法。 35. hMLH1タンパクが、SEQ ID NO:5およびその独特のフラグ メントからなる群から選択されたアミノ酸配列を有する請求項34記載の方法。 36. ヒトmutL同族体遺伝子または遺伝子産物に連続的に対応するセグメ ントを含む単離されたヌクレオチドまたはタンパク構造。 37. mutL同族体遺伝子がhMLH1またはhPMS1である、請求項3 6記載のヌクレオチド。 38. ヒトmutL同族体遺伝子の独特のセグメントを特異的に増幅するポリ メラーゼチェーン反応において、共に用いることができる一対のオリゴヌクレオ チドプライマー。 39. mutL同族体遺伝子がhMLH1またはhPMS1である請求項38 の対のオリゴヌクレオチドプライマー。 40. ヒトmutL同族体遺伝子の一部で相補塩基にワトソン/クリック対形 成によって特異的に結合することができるヌクレオチド配列、および この配列に取り付けられた、蛍光、放射活性および化学発光からなる群から選 択された特徴を備えたラベル分子を有するプローブ。 41. ヒトmutL同族体遺伝子がhMLH1またはhPMS1である、請求 項40記載のプローブ。 42. ヒトmutL同族体遺伝子の独特の部位に対応したセグメントを含む増 幅された量のヌクレオチド。 43. ヒトmutL同族体遺伝子がhMLH1またはhPMS1である請求項 42記載のヌクレオチド。 44. 隣接する上流および下流のイントロンの選択された部位と共にヒトmu tL同族体遺伝子の単一のエキソンを特異的に増幅するためにポリメラーゼチェ ーン反応において用いることができる一対のオリゴヌクレオチドプライマー。 45. ヒトmutL同族体遺伝子がhMLH1またはhPMS1である、請求 項44記載のプライマー。 46. 検出の段階が、図3の下線を施した2セットの塩基を含みかつそれらの 間に位置するDNA配列に相同な個人のhMLH1遺伝子の一部に変異を検出す ることを含む請求項1記載の方法。 47. セグメントが、図3の下線を施した2セットの塩基を含みかつそれらの 間に位置するDNA配列に相同である請求項37記載のヌクレオチド。 48. マウスmutL同族体遺伝子または遺伝子産物の独特の部位に実質的に 対応するセグメントを含む単離されたヌクレオチドまたはタンパク構造。 49. セグメントが、哺乳類のMLH1またはPMS1遺伝子またはタンパク の独特の部位に実質的に対応する請求項48の構造。 50. MutL同族体タンパクに特異的に結合する精製された抗体。 51. 抗体がモノクローナル抗体である請求項50記載の抗体。 52. MutL同族体タンパクが、ヒトのタンパクである請求項50記載の抗 体。 53. タンパクがhMLH1またはhPMS1である請求項52記載の抗体。 54. MutL同族体タンパクがマウスタンパクである請求項50記載の抗体 。 55. タンパクがmMLH1またはmPMS1である請求項54記載の抗体。
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