JP2003506074A - 薬剤標的同質遺伝子:免疫グロブリンe受容体ialphaサブユニット遺伝子における多型 - Google Patents

薬剤標的同質遺伝子:免疫グロブリンe受容体ialphaサブユニット遺伝子における多型

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JP2003506074A JP2001515799A JP2001515799A JP2003506074A JP 2003506074 A JP2003506074 A JP 2003506074A JP 2001515799 A JP2001515799 A JP 2001515799A JP 2001515799 A JP2001515799 A JP 2001515799A JP 2003506074 A JP2003506074 A JP 2003506074A
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ジェネッサンス ファーマシューティカルズ,インコーポレイティド
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Abstract

(57)【要約】 ヒトの免疫グロブリンE受容体IAlphaサブユニット(IGERA)遺伝子における、22の新規単一ヌクレオチド多型の内の一つまたはそれ以上から成る、ポリヌクレオチドが説明されている。これらの多型の内の一つまたはそれ以上を検出する構成体及び方法もまた、開示されている。更に、その個体群に存在するIGERA遺伝子に対する多様な遺伝子型及びハプロタイプが、説明されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の産業分野 本発明は、薬学的に重要な蛋白質をコードする遺伝子における変異に関する。
特に、本発明は、ヒトの免疫グロブリンE受容体IAlpha サブユニット(IGERA
)遺伝子の変異体を提供し、又これらの遺伝子のどの変異体が個体によって所有
されているかを同定する方法を提供する。
【0002】 発明の背景 疾病治療のための薬剤を同定する現行の方法は、その疾病に関連する重要な標
的蛋白質の同定、クローニング、発現により始まることが多い。その後、疾病を
有する患者の利益となる効果を発するためには作用物質(アゴニスト)が必要な
のかあるいは拮抗物質(アンタゴニスト)が必要なのかが決定される。更に、新
しい有望な薬剤の発見を目的として、非常に多くの化合物が標的蛋白質に対して
検査される。この過程の成果として望まれているのは、標的に対して特異的で、
意図しない標的における化合物の活性によって引き起こされる望ましくない副作
用の出現率を減少させる薬剤である。
【0003】 しかしながら、このアプローチで考慮されていないのは、特定の蛋白質に関し
て、いかなる個体群にも自然の変異性が存在するということである。現在薬剤検
査に一般的に使用されている標的蛋白質は、任意に選択された個体群に基づいて
クローンされた遺伝子により発現されている。しかしながら、ある特定の遺伝子
のヌクレオチド塩基配列は、個体間で著しく異なることがある。標的蛋白質をコ
ードする遺伝子の主たるヌクレオチド塩基配列における微妙な変化は、その蛋白
質の発現において、さらに構造及び/または機能において重要な変異として表わ
れることになる。
【0004】 それによって、単一の代表標的に基づいてデザインされた薬剤で個体を治療す
る際に生ずる比較的高度の不確実性を説明できる。例えば、ある種の薬剤はある
個体に対してその他の個体に比してその効果が低いことがよくあることが良く知
られている。したがって、そのような個体及びその医師は、副作用によるリスク
と、多量の服容量による益とを比較検討しなければならない。更に、ある蛋白質
の生物学的機能あるいは効果に関する様々な情報が混在しているのは、別々の科
学者がその蛋白質をコードする遺伝子の異なるアイソフォーム(isoform)をそれ
と知らずに研究しているからである。従って、薬学的に重要な蛋白質に対して存
在するゲノム変異の型及び頻度に関する情報は、有用である。
【0005】 ある遺伝子の主たる塩基配列における単一ヌクレオチドの変異体(一塩基多型
)を遺伝形質の単位となる限られた数の組み合わせに整理されたものを、ハプロ
タイプと呼ぶ。従って、それぞれのハプロタイプは、個々の整理されていない多
型より、非常に多くの情報を含んでいる。ハプロタイプにより、ある個体の二つ
の染色体におけるゲノム変異を正確に表すことができる。
【0006】 多くの疾病が遺伝子塩基配列における特定の変異に関連していることは、周知
である。しかしながら、個々の多型が特定の表現型に対する遺伝的マーカとして
作用する例がある一方で、個々の多型が多様なゲノム背景に見出されることがあ
る。従って、多型と表現型の原因となる部位の間に確定的な関係は無い(Clark
AG et al. 1998 Am J Hum Genet 63 : 595-612 ; Ulbrecht M et al. 2000 Am J
Respir Crit Care Med 161 : 469-74)。更に、マーカはある個体群では予測的
であるが、他の個体群ではそうではない(Clark AG et al. 1998 supra)。これ
らの事例において、ハプロタイプは、表現型に対する優れた遺伝子マーカを提供
する(Clark AG et al. 1998 supra ; Ulbrecht M et al. 2000 supra ; Ruano
G & Stephens JC Gen Eng News 19 (21), December 1999 )。
【0007】 各々の観察されるハプロタイプと特定の表現型間の関係を分析すると、各々の
ハプロタイプを表現型に対する統計学的予測により、階級付けることができる。
表現型と強力に関連しているとされるハプロタイプについて、虚偽の正の相関を
最小限に抑えるため、他の方法でその正の相関を確認する。ある特定の表現型と
の関連があると思われる遺伝子について、その遺伝子に対する観察されるハプロ
タイプが対象表現型との関連性を示していなければ、その遺伝子における変異に
はその表現型との関連性がほとんど無いと推測される(Ruano & Stephens 1999,
supra)。従って、様々な個体群において観察されるハプロタイプとその頻度に
関する情報は、種々の研究及び臨床応用において有用である。
【0008】 免疫応答に関与している薬剤標的のひとつは、免疫グロブリンE受容体IAlph
a サブユニット(IGERA )遺伝子あるいはそれによってコードされた物質である
。 高親和性IgE 受容体(IgERI )は抗体Fc受容体のファミリーに属す。このファ
ミリーは分泌抗体の特異性を多種の免疫システムの細胞に関連付けることにより
免疫反応において重要な役割を果たす。Fc受容体は、正常免疫、アレルギー、抗
体に仲介される腫瘍の認識、関節炎のような自己免疫疾患において、免疫システ
ム反応を始動させる。高親和性IgE 受容体(IgERI )は、IgE 依存性末梢性及び
全身性アナフィラキシーを仲介し、IgE 代謝を司り、免疫システムの多種の細胞
の成長と分化においてある役割を果たす。
【0009】 IgERI は、マスト細胞及び好塩基球より即時型過敏症反応を始動させ、証拠の
示すところによると、この受容体は血小板及び好酸球からの抗奇性性反応、及び
T細胞を活性化するMHC クラスIIの提示経路において、樹状細胞への抗原提示に
関与している。更に、IgERI は、マスト細胞及びBリンパ球の分化と成長のみな
らず、IgE の生成に対しても制御効果を及ぼす。IgERI の賦活は、多くの細胞性
の事象に帰着する様々な連続的な事象が開始する。マスト細胞は、ヒスタミンの
ような炎症伝達物質を放出する。
【0010】 サイトカイン特にインターロイキン4(IL-4)も放出される。インターロイキ
ン4(IL-4)はIgERI 合成の上向きフィードバック調整においてのみならず、B
細胞のスイッチ及びIgE 合成経路においても非常に重要である。IgE 代謝、及び
免疫細胞の成長及び分化に関与しているCD40のようなその他のマスト細胞表面受
容体の発現および機能が、誘発される。発現及び/または分泌がIgERI により制
御されるその他の因子には、インターロイキン6(IL-6)、組織壊死因子アルフ
ァ(TNFa)、RANTES、及びセロトニン等が含まれる。
【0011】 IgERI は、アルファ、ベータ及びジスルフィドで結合された二つのガンマ・ポ
リペプチドから成っている四量体膜貫通蛋白質である。アルファ・サブユニット
であるIGERA は、IgE と高親和性(Kd〜109〜1010 M)を持って結合し、溶解性
のIgE 結合断片として分泌されることができる。ガンマ・サブユニットであるIg
ERIgは、受容体アセンブリ及びシグナル変換を媒介し、また、高親和性/低親和
性のIgG 受容体及びTCR/CD3 T細胞受容体複合体などを含むFc受容体の共通構
成要素である。ベータ・サブユニットであるIgERIbの役割は、前出同様に情報伝
達及び受容体の自己リン酸化に関与していることは判明しているが、謎である。
IgERIbは、アレルギー反応を起こすためのマスト細胞の完全活性化に不可欠であ
り、また、ガンマ・サブユニットからの信号を増幅する。
【0012】 IGERA は、C末端細胞質尾部、一回膜貫通領域、及び二つの大きな免疫グロブ
リン(Ig)ドメインに分割されたN末端細胞外領域から成る。このIgドメインは
、各々が85のアミノ酸の長さで、IgE の結合部位用の凸面形成のため、鋭角に屈
曲している。第二のドメインは、IgE との相互反応の部位でありドメインの上部
に突出している顕著なループを有する。IgERIbは、N末端及びC末端細胞質尾部
を持つ四回膜貫通蛋白質である。N末端細胞質ドメインは、IgERIgサブユニット
の細胞質ドメインと相互反応する。IgERIbのC末端細胞質尾部は、アルファ・サ
ブユニットの細胞質尾部と会合している。IgERIgは、短い細胞外N末端尾部、一
回膜貫通領域、及びC末端細胞質ドメインを有する。
【0013】 IgERIb及びIgERIgは双方とも、その細胞質ドメイン内に免疫受容体チロシン活
性化モチーフ(ITAM)を有する。IgERIb ITAM は、C末端細胞質ドメインに現わ
れる。証拠の示すところによると、この二つのITAMドメインは、相乗的に作用し
、蛋白質チロシン残基のリン酸化を経由して細胞の活性化を引き起こすことがで
きる特定の蛋白質チロシンキナーゼと関連している。
【0014】 受容体サブユニット架橋は、IgERIb ITAM と関連するsrc キナーゼであるLyn
を活性化し、ITAMの二つのチロシン残基を順番にリン酸化する。この事象は、Ig
ERIg ITAM と関連するsrc キナーゼであるSyk を活性化し、そのサブユニットの
ITAMチロシン残基をリン酸化する。Lyn ITAMを含むC末端細胞質ドメインを削除
すると、受容体が不活性になる。IgERIb ITAM のチロシン残基のどちらかあるい
は双方に突然変異を起こすと、IgERIb及びIgERIgチロシン残基がリン酸化されな
い。
【0015】 高親和性IgE 受容体のアルファ・サブユニットに対する遺伝子は、ガンマ・サ
ブユニットに対する遺伝子と共に、ヒト染色体バンドlq23に位置している(Tepl
er et al., Am. J. Hum. Genet. 45 : 761-765, 1989 ; Le Coniat et al., Imm
unogenetics 32 : 183-186, 1990)。このIGERA 遺伝子は、ゲノムDNA の約5900
のベースペア(bp)に及び、257 のアミノ酸をコード化する5個のエキソンから
成る(Kochan et al., Nucl. Acids Res. 16 : 3584, 1988 ; Shimizu et al.,
Proc. Natl. Acad. Sci., USA 85 : 1907-1911, 1988)。IGERA 遺伝子の参照配
列(GenBank 登録番号L14075 ; SEQ ID NO:1)、コード配列、及び蛋白質が、そ
れぞれ図1、2、及び3に示されている。
【0016】 IGERA 遺伝子とそのコードされている蛋白質に関して報告されている特質には
、以下が含まれる:Ets-及びGATA- ファミリー転写因子のヌクレオチド部位1184
-1189及び1203-1209 におけるエンハンサー結合モチーフ;第一エキソン内にお
ける5′非翻訳領域の29bp;ヌクレオチド部位1287におけるATG 開始コドン;ア
ミノ酸1-85間に位置する第一の細胞外ドメイン;アミノ酸86-170 間に位置する
第二の細胞外ドメイン;アミノ酸205-226 間に位置する膜貫通領域;アミノ酸22
7-257 間に位置するC末端細胞質領域。
【0017】 IgERI のサブユニットをコードする遺伝子における多型を発見することに対す
る関心は、アトピーにおけるIgE による役割から生じている。アトピーは、遺伝
的および環境的要因により引き起こされるよく知られた家族性の障害である。ア
トピーは、花粉や粉塵ダニのような一般的アレルゲン対する過大Tヘルパー細胞
タイプIIリンパ球反応により特徴づけられ、IgE が継続して多く生成されること
を含む。アレルギー、喘息、鼻炎、及び湿疹は、アトピー性の過敏症疾患である
。IgE は、粘膜マスト細胞及び好塩基球に提示されている高親和性IgE 受容体に
結合する。
【0018】 IgE がアレルゲンに結合すると、受容体を活性化し、カスケードを開始し、こ
れにより炎症伝達物質の細胞放出に繋がる。正常な即時型過敏反応に調節不全が
起こると、異常に高いIgE 血清レベルが継続することになり、これが粘膜炎症に
繋がる。アトピーは、高い総血清IgE レベル、一般的アレルゲンに対する皮膚プ
リックテストの陽性結果、およびこれらのアレルゲンに対する特定の血清IgE に
より、発見される。これらの3項目間には、強力な相関関係があり、喘鳴、咳き
、くしゃみ、鼻つまりのようなアレルギー反応症状の存在との間とも相関関係が
ある。
【0019】 世界人口の約20%がアレルギーにより影響を受けており、西洋人口の50%以上
が皮膚プリックテストで一般的アレルゲンの一つまたはそれ以上に陽性と判断さ
れている。子供の10%がアトピー性喘息に苦しんでおり、これはアメリカ合衆国
における小児科の救急外来患者の約3分の1に当る。単一の遺伝決定基が、喘息
、アレルギー、あるいはその他のアトピー性疾患の原因となる因子であることは
考えにくいが、アレルギー反応の開始にIgE のIgERI への結合が必須であること
を治療標的とし、単一の治療でアトピー性過敏症の様々な症状を処理できるかも
しれない。
【0020】 IGERA 遺伝子座における多型を同定した研究発表は数少ない。IGERA 遺伝子座
における多型の一つとして知られたものは、RsaI制限酵素断片長多型(RFLP)を
含み、これはcDNAプローブを用いてゲノムDNA において発見された(Tepler et
al.,上記)。1.8、0.6、及び0.3 キロベースペア(kb)の断片が、検査された全
ての個体において発見され、2.8kb の変異体断片が40%の頻度で発見された。そ
の遺伝子内の多型RsaI部位の位置は知られていないが、おそらくイントロンであ
ろう。
【0021】 IGERA 遺伝子における多型がコードされた蛋白質の発現と機能に影響する可能
性があるため、そのような多型がその遺伝子の様々なコピーにおいていかに組み
合わされているかを判断すると共に、多型がそのIGERA 遺伝子に存在するか否か
を判断することが有用である。そのような情報は、IGERA の生物学的機能を研究
する上で、またこの蛋白質の異常な発現あるいは機能に関連した障害の治療を目
的としてこの蛋白質を標的とする薬剤を同定する上で、有用である。
【0022】 発明の要約 依って、本件の発明者は22の新規多型部位をIGERA 遺伝子内に発見した。これ
ら多型部位(PS)は、GenBank 登録番号:L14075に記載された872 (PS1), 943 (
PS2), 1192 (PS3), 1199 (PS4), 1363 (PS5), 1754 (PS6), 1760 (PS7), 1896 (
PS8), 2708 (PS9), 3024 (PS10), 3075 (PS11), 3220 (PS12), 3286 (PS13), 33
30 (PS14), 4838 (PS15), 5108 (PS16), 5285 (PS17), 5363 (PS18), 6821 (PS1
9), 6911 (PS20), 6936 (PS21), 7000 (PS22)に示された上記のヌクレオチド位
に対応している。
【0023】 これらの部位における多型は、PS1 におけるグアニン、PS2 におけるシトシン
、PS3 におけるチミンあるいはシトシン、PS4 におけるアデニンあるいはチミン
、PS5 におけるシトシンあるいはアデニン、PS6 におけるチミンあるいはシトシ
ン、PS7 におけるシトシンあるいはアデニン、PS8 におけるシトシンあるいはチ
ミン、PS9 におけるアデニンあるいはグアニン、PS10におけるアデニンあるいは
グアニン、PS11におけるグアニンあるいはアデニン、
【0024】 PS12におけるチミンあるいはシトシン、PS13におけるグアニンあるいはアデニ
ン、PS14におけるグアニンあるいはアデニン、PS15におけるグアニンあるいはア
デニン、PS16におけるシトシンあるいはチミン、PS17におけるシトシンあるいは
チミン、PS18におけるチミンあるいはシトシン、PS19におけるシトシンあるいは
アデニン、PS20におけるチミンあるいはシトシン、PS21におけるアデニンあるい
はグアニン、PS22におけるグアニンあるいはアデニンである。
【0025】 更に、本件の発明者は、これらの部位に存在する代用ヌクレオチドを下記の主
な個体群グループの一つに属すると自己同定した79の無関係の個体から成るヒト
の参照個体群において同定した:アフリカ系子孫、アジア系、白人系、及びスペ
イン系/ラテン系。本件に報告されている新規の多型部位をひとつあるいはそれ
以上含むIGERA コード化ポリヌクレオチドは、IGERA の発現及び生物学的機能を
研究する上で、またこの蛋白質を標的とした薬剤を開発する上で有用であると考
えられている。加えて、IGERA 遺伝子における多型の組み合わせに関する情報は
、診断及び法医学に応用が可能である。
【0026】 このように、実施の一例において、本発明は、IGERA 遺伝子あるいはその断片
の参照塩基配列の多型変異体であるヌクレオチド塩基配列からなる単離ポリヌク
レオチドを呈している。この参照塩基配列は配列番号:1を含んで成り、この多
型変異体は以下の群から選択された少なくともひとつの多型を含んで成る:PS1
におけるグアニン、PS2 におけるシトシン、PS3 におけるシトシン、PS4 におけ
るチミン、PS5 におけるアデニン、PS6 におけるシトシン、PS7 におけるアデニ
ン、PS8 におけるチミン、PS9 におけるグアニン、PS10におけるグアニン、
【0027】 PS11におけるアデニン、PS12におけるシトシン、PS13におけるアデニン、PS14
におけるアデニン、PS15におけるアデニン、PS16におけるチミン、PS17における
チミン、PS18におけるシトシン、PS19におけるアデニン、PS20におけるシトシン
、PS21におけるグアニン、PS22におけるアデニン。特に好ましい多型変異体は、
自然に発生するIGERA 遺伝子のアイソフォーム(本件では「同質遺伝子」として
言及されている)である。
【0028】 本発明のIGERA 同質遺伝子は、以下を含んで成る:PS1 におけるグアニン、PS
2 におけるシトシン、PS3 におけるシトシン、PS4 におけるチミン、PS5 におけ
るアデニン、PS6 におけるシトシン、PS7 におけるアデニン、PS8 におけるチミ
ン、PS9 におけるグアニン、PS10におけるグアニン、PS11におけるアデニン、PS
12におけるシトシン、PS13におけるアデニン、PS14におけるアデニン、PS15にお
けるアデニン、PS16におけるチミン、PS17におけるチミン、PS18におけるシトシ
ン、PS19におけるアデニン、PS20におけるシトシン、PS21におけるグアニン、PS
22におけるアデニン。本発明はまた、IGERA 同質遺伝子の収集を提供し、それは
本件でIGERA ゲノム集として言及されている。
【0029】 IGERA 同質遺伝子は、その同質遺伝子におけるこれらの多型の組み合わせ及び
順序によって定義され、これは本件ではIGERA ハプロタイプとして言及されてい
る。従って、本発明はまた、上記の4個の個体群において見出された異なったIG
ERA ハプロタイプの数についてのデータを提供する。このハプロタイプデータは
、IGERA 遺伝子に対する個々の遺伝子型からIGERA ハプロタイプを見出す方法、
IGERA ハプロタイプと特定の特性間の関連を判断する方法において有用である。
【0030】 また別の実施例においては、本発明は、IGERA cDNAあるいはその断片の参照塩
基配列の多型変異体を含んで成るポリヌクレオチドを提供している。この参照塩
基配列は、配列番号:2(図2)を含んで成り、この多型cDNAは以下の群から選
択された少なくともひとつの多型を含んで成る:ヌクレオチド251 に対応する位
置におけるグアニン、ヌクレオチド302 に対応する位置におけるアデニン、ヌク
レオチド530 に対応する位置におけるチミン、及びヌクレオチド741 に対応する
位置におけるアデニン。 これらのIGERA ゲノム及びcDNA変異体に対して相補的ポリヌクレオチドもまた
、本発明が提供する。
【0031】 その他の実施例で、本発明は、発現ベクターで形質転換あるいは形質移入され
た発現制御要素及び組換え型宿主細胞にリンクされた多型ゲノム変異体のひとつ
を含んで成る組換え型発現ベクターを提供している。この組換え型ベクター及び
宿主細胞は、蛋白質構造分析及び薬剤結合研究に関連してIGERA を発現する目的
に使用できる。
【0032】 更に別の実施例で、本発明は、IGERA 蛋白質の参照アミノ酸配列の多型変異を
含んで成るポリペプチドを提供している。この参照アミノ酸配列は配列番号:3
(図3)を含んで成り、この多型変異体は、アミノ酸84位に対応する位置におけ
るアルギニン、アミノ酸 101位に対応する位置におけるアスパラギン、アミノ酸
177位に対応する位置におけるメチオニン、アミノ酸 247位に対応する位置にお
けるリジンから成る群から選択された少なくとも一つのアミノ酸を有する。IGER
A の多型変異体は、IGERA の生物学的活性に対する変異体の効果を研究する上で
、また免疫反応の治療を目的としたIGERA に標的を絞った候補薬剤の結合親和性
を研究する上で、有用である。
【0033】 本発明はまた、上記の多型IGERA 蛋白質変異体を認識し、それに結合する抗体
をも提供している。そのような抗体は、様々な診断、予診、及び治療法に使用可
能である。 その他の実施例で、本発明は、個体におけるIGERA 遺伝子をハプロタイプを決
定しそして/または遺伝子型を決定する方法、構成物、及びキットを提供する。
上記方法は、その個体に由来するIGERA 遺伝子のひとつあるいは両コピーにおけ
るPS1〜P22から選択されたひとつあるいはそれ以上の多型部位に存在するヌクレ
オチドあるいはヌクレオチド対を同定する方法を含むものである。上記構成物は
、ある多型部位を含むかあるいはその部位に隣接するひとつあるいはそれ以上の
標的領域に対して特にハイブリダイゼーションするようにデザインされたオリゴ
ヌクレオチドプローブ及びプライマーを含むものである。
【0034】 本件に説明されている新規多型部位における個体の遺伝子型あるいはハプロタ
イプを確立する上記の方法及び構成物は、IGERA 蛋白質の発現及び機能によって
影響を受ける疾病の病因学における多型の効果を研究する上で、IGERA に標的絞
った薬剤の効用を研究する上で、IGERA 蛋白質の発現及び機能によって影響を受
ける個体の罹病性予測する上で、更にIGERA に標的を絞った薬剤への個体の応答
性を予測する上で、有用である。
【0035】 また別の実施例では、本発明は、遺伝子型あるいはハプロタイプと特性間の関
連性を同定する方法を呈している。好ましい実施例では、その特性とは疾病罹病
性、疾病強度、疾病段階、及び薬剤応答性である。そのような方法は、免疫反応
の診断検査及び治療処置の開発に応用できる。 本発明はまた、本件で説明されているIGERA ゲノム多型変異体のひとつを含む
遺伝子導入動物、及びそのような動物を製造する方法をも提供している。これら
の遺伝子導入動物は、生体内のIGERA 同質遺伝子の発現を研究する上で、IGERA
蛋白質に標的を絞った薬剤の生体内スクリーニング及び検査を行う上で、更に免
疫反応に対する治療剤あるいは治療用化合物の効力を生物学的システムにおいて
検査する上で、有用である。
【0036】 本発明はまた、IGERA 遺伝子に関する多型データを保存表示するコンピュータ
システムをも提供している。このコンピュータシステムは、コンピュータ処理装
置、表示、更に多型データを含むデータベースを含むものである。この多型デー
タには、多型、参照個体群におけるIGERA 遺伝子に対して同定された遺伝子型及
びハプロタイプが含まれている。好ましい実施例では、このコンピュータシステ
ムは、進化関係に従って整理されたIGERA ハプロタイプを表示することができる
【0037】 好ましい実施例の説明 本発明は、IGERA 遺伝子の新規変異体の発見に基づくものである。以下に、よ
り詳細に説明されているように、本件の発明者は、1個体のチンパンジーと93個
体のヒトに由来する不死化細胞系統が含まれている索引データ貯蔵から単離され
たゲノムDNA に見出されるIGERA 遺伝子を特徴づけることにより、22の新規多型
部位を発見した。
【0038】 ヒトの個体には、4つの主要個体群のひとつに属すると自己同定した79の無関
係な個体の参照個体群が含まれていた:白人(22個体)、アフリカ系(20個体)
、アジア系(20個体)、ヒスパニック系/ラテンアメリカ系(17個体)。可能な
限り、この参照個体群のメンバーは、下記の第1表に示されているように、自己
同定した自分の4人の祖父又は祖母の土俗学的起源によって個体群サブグループ
に整理された。更に、索引データ貯蔵は3個体の無関係な土着のアメリカインデ
ィアンの(それぞれ北アメリカ、中央アメリカ、及び南アメリカの出身)、1個
体の三世代白人家族(CEPHユタ同齢集団)、1個体の二世代アフリカ系アメリカ
人家族を含んでいる。
【0039】
【表1】 索引データ貯蔵で同定されたIGERA 遺伝子型及び下記の実施例に説明された方
法を用いて、本件の発明者はまた、このデータ貯蔵のほとんどのヒトのメンバー
の各染色体上に見出されるハプロタイプを決定した。この索引データ貯蔵に見出
されるこれらの遺伝子型及びハプロタイプは、第4表及び第5表にそれぞれ示さ
れているものが含まれている。本件に開示されている多型及びハプロタイプのデ
ータは、個体群の多様性、人類学的系譜、表現型レベルでの多様性及び系譜の重
要性、実父確定検査、法医学的応用を研究する上で、更にIGERA 遺伝子的変異と
薬剤応答性あるいは罹病率などの特性との間の相関を同定する上で、有用である
【0040】 この開示の文脈において、特に示さない限り、以下の用語を以下に示すように
定義する: 対立遺伝子−遺伝子の座の特殊な形態で、その特殊なヌクレオチド塩基配列に
より他の形態と区別される。 候補遺伝子−疾病、健康状態、あるいは治療に対する応答の原因になっている
と仮定されている遺伝子、あるいはこれらの一つと相関関係にある遺伝子。 遺伝子−RNA 生成物の制御された生合成に必要な全ての情報を含むDNA の部分
で、プロモータ、エキソン、イントロン、及び発現を制御するその他の非翻訳領
域を含む。
【0041】 遺伝子型(Genotype)−ある個体における一組の相同染色体上の座にある一つ
またはそれ以上の多型部位に見出されるヌクレオチド対の非位相の5′から3′
の塩基配列。本件で用いられているように、遺伝子型には真遺伝子型及び/また
は副遺伝子型がある(下記参照)。 真遺伝子型(Full-genotype )−ある単一の個体における一組の相同染色体上
の遺伝子座にある全ての既知の多型部位に見出されるヌクレオチド対の非位相の
(Un phased )5′から3′の塩基配列。 副遺伝子型(Sub-genotype)−ある単一の個体における一組の相同染色体上の
遺伝子座にある既知の多型部位のサブセットに見られるヌクレオチドの非位相の
5′から3′の塩基配列。
【0042】 遺伝子型決定−ある個体の遺伝子型を決定する方法。 ハプロタイプ−ある単一の個体に由来する単一染色体上の遺伝子座にある一つ
またはそれ以上の多型部位に見出されるヌクレオチドの5′から3′の塩基配列
。本件で用いられているように、ハプロタイプには真ハプロタイプ及び/または
副ハプロタイプがある(下記参照)。 真ハプロタイプ−ある単一の個体に由来する単一の染色体上の遺伝子座にある
全ての既知の多型部位に見出されるヌクレオチドの5′から3′の塩基配列。 副ハプロタイプ−ある単一の個体に由来する単一の染色体上の遺伝子座にある
既知の多型部位のサブセットに見られるヌクレオチドの5′から3′の塩基配列
【0043】 ハプロタイプ対−ある単一の個体に存在する一つ座に対して見出される二つの
ハプロタイプ。 ハプロタイプ決定−ある個体において一つまたはそれ以上のハプロタイプを決
定する方法で、家系、分子技術、及び/または統計的推論の使用を含む。 ハプロタイプデータ−特殊な遺伝子に対する次の一つまたはそれ以上に関する
情報: ある個体群における各々の個体に存在するハプロタイプ対のリスト;ある個体
群における異なったハプロタイプのリスト;その個体群あるいはその他の個体群
における各々のはハプロタイプの頻度、及び一つまたはそれ以上のハプロタイプ
とある特質間の既知の相関関係。 アイソフォーム−、mRNA、cDNAあるいは蛋白質をコードするある遺伝子の特殊
な形態で、その特殊な塩基配列及び/または構造によってその他の形態と区別さ
れる。
【0044】 同質遺伝子−ある個体群に見出される遺伝子のアイソフォームの一つ。同質遺
伝子には、その遺伝子のその特殊なアイソフォームに存在する多型の全てが含ま
れている。 単離−RNA、DNA、オリゴヌクレオチド、あるいは蛋白質など生物学的分子に適
用され、「単離」とは分子が実質的にその他の生物学的分子(核酸、蛋白質、脂
質、炭水化物、あるいは細胞破片及び成長媒体のようなその他の物質)を含まな
いということである。一般的には、「単離」という用語は、これらの物質が本発
明の方法を実質的に妨害する量で存在しない限り、そのような物質が全く無いこ
と、あるいは水、緩衝剤、または塩の無いことを意味するものではない。
【0045】 遺伝子座−染色体あるいはDNA 分子上の座のことで、遺伝子あるいは身体的ま
たは表現型の特質に対応する。 天然産生−天然に産生するポリヌクレオチドあるいはポリペプチドのようにこ
の用語が適用される対象が、天然源から単離され、それが人間によって故意に修
正されていないことを意味するのに使用される用語。 ヌクレオチド対−ある個体に由来する染色体の二つのコピー上にある一つの多
型部位に見出される二つのヌクレオチド。
【0046】 相の特定−ある遺伝子座に存在する二つあるいはそれ以上の多型部位のヌクレ
オチド対の塩基配列に使われ、相の特定とは、その遺伝子座の単一コピー上にあ
る多型部位に存在するヌクレオチドの組み合わせが既知であることを意味する。 多型部位(PS)−遺伝子座の内にある部位で、その部位では少なくとも二つの
代用塩基配列が一つの個体群に見出される。その最高頻度は99%である。 多型変異体−遺伝子内に多型があるために、参照配列と異なるヌクレオチド塩
基配列またはアミノ酸配列を持つ、遺伝子、mRNA、cDNA、ポリペプチド、あるい
はペプチド。
【0047】 多型−多型部位における個体で観測される塩基配列の変異性。多型には、ヌク
レオチドの置換、挿入、欠失、及びマイクロサテライトがあり、遺伝子発現ある
いは蛋白質機能における検出可能な差異を生じても生じなくてもいい。 多型データ−ある特定の遺伝子に対する以下の内の一つあるいはそれ以上に関
する情報: 多型部位の位置;それらの部位における塩基配列の変異性;一つまたはそれ以
上の個体群における多型の頻度;その遺伝子に対して決定される様々な遺伝子型
及び/またはハプロタイプ;一つまたはそれ以上の個体群におけるこれらの遺伝
子型及び/またはハプロタイプの一つまたはそれ以上の頻度;その遺伝子につい
て形質と遺伝子型及び/またはハプロタイプ間の既知の相関関係。
【0048】 多型データベース−体系的あるいは順序だった方式で整理された多型データ収
集で、電子的あるいはその他の手段で個別にアクセス可能。 ポリヌクレオチド−一本鎖RNA あるいは一本鎖DNA から成るか、あるいは相補
的二本鎖DNA から成る核酸分子。 個体群−共通の土俗学的起源を共有する個体の群。 参照個体群−一般的個体群において見出される遺伝子変異性を代表すると予測
される被験者あるいは個体の群。一般的に、参照個体群は、その個体群における
遺伝子変異性を以下のレベルで代表するとされる;少なくとも85%、好ましくは
少なくとも90%、更に好ましくは少なくとも95%、更に最も好ましくは少なくと
も99%。
【0049】 一塩基多型(SNP )−一般的には、単一の多型部位で観察されるヌクレオチド
の特定の組。稀に、3つから4つのヌクレオチドが見出されることがある。 被験者−その遺伝子型、ハプロタイプ、あるいは治療に対する反応、病状が検
査の対象となっているヒトの個体。 治療−内科的あるいは外科的に被験者に対して投与される刺激。
【0050】 相の非特定−ある遺伝子座にある二つまたはそれ以上の多型部位のヌクレオチ
ド対の塩基配列に対して使われ、相の非特定とは、その座の単一コピー上にある
それらの多型部位に存在するヌクレオチドの組み合わせが既知でないことを意味
する。 本発明の発明者は、IGERA 遺伝子において22の新規多型部位を発見した。発明
者によって同定されたこれらの多型部位は、その遺伝子内のどの順位に位置して
いるのかを示すため、PS1〜PS22 と言及される(下記の第2表参照)。
【0051】 従って、一つの実施例で、発明者は、本件で説明されている新規多型部位の少
なくとも一つを含むIGERA 遺伝子あるいはその遺伝子の断片の多型変異体を含ん
で成る単離されたポリヌクレオチドを提供している。IGERA 遺伝子変異体のヌク
レオチド塩基配列は、下記の実施例に説明されているように、検査された遺伝子
部分については、参照ゲノム塩基配列と同一である。ただし、このIGERA 遺伝子
変異体のヌクレオチド塩基配列が PS1〜22の新規多型部位の一つあるいはそれ以
上において異なったヌクレオチドを含んで成ることにおいて参照ゲノム塩基配列
と異なっている。
【0052】 同様に、IGERA 遺伝子の変異体断片のヌクレオチド塩基配列は、本件で説明さ
れている一つあるいはそれ以上の新規多型部位において異なることを除けば、参
照塩基配列の対応部分と同一のヌクレオチドである。従って、本発明には、下記
に説明されている遺伝子型決定オリゴヌクレオチドを除けば、対象参照塩基配列
(またはその他の報告されているIGERA 塩基配列)、あるいは対象参照塩基配列
(またはその他の報告されているIGERA 塩基配列)の一部と同一のヌクレオチド
塩基配列から成るポリヌクレオチドが特に含まれていない。
【0053】 変異体遺伝子あるいはその断片における多型の位置は、その塩基配列を配列番
号:1に揃えることによって同定される。多型は、以下の群から選択される:PS
1 におけるグアニン、PS2 におけるシトシン、PS3 におけるシトシン、PS4 にお
けるチミン、PS5 におけるアデニン、PS6 におけるシトシン、PS7 におけるアデ
ニン、PS8 におけるチミン、PS9 におけるグアニン、PS10におけるグアニン、PS
11におけるアデニン、PS12におけるシトシン、PS13におけるアデニン、PS14にお
けるアデニン、PS15におけるアデニン、PS16におけるチミン、PS17におけるチミ
ン、PS18におけるシトシン、PS19におけるアデニン、PS20におけるシトシン、PS
21におけるグアニン、PS22におけるアデニン。好ましい実施例では、多型変異体
は、下記の第5表に示されている1-20のハプロタイプのどれかによって定義され
るIGERA 遺伝子の天然産生同質遺伝子から成る。
【0054】 本発明の多型変異体は、ヒトのゲノムライブラリから取得したIGERA 遺伝子を
含むクローンを単離することにより調製することができる。また本件で説明され
ている多型部位におけるヌクレオチドを同定するためクローンの配列が決定され
る。本件に記載されているいかなる変異体も周知の技術を使い、インビトロ(試
験管内で)の生体内突然変異誘発によって、このクローンから作製できる。 IGERA 同質遺伝子は、個体に存在するIGERA 遺伝子の二つのコピーを分離がで
きるいかなる方法でも遊離することができる。これは当業者に容易に理解でき、
同一の対立遺伝子あるいは異なった対立遺伝子であってもいい。
【0055】 分離方法には、WO98/01573、U.S.Patent No. 5,866,404、及び同時係属特許出
願中のU.S.Application Serial No. 08/987,966 に説明されている酵母における
標的生体内クローニング(TIVC)が含まれる。また別の方法は、同時係属特許出
願中のU.S.Application Serial No. 08/987,966 に説明されており、対立遺伝子
特有のオリゴヌクレオチドをプライマー延長とエキソヌクレアーゼ分解を共に用
い、半接合DNA 標的を生成するものである。更に別の方法は、以下に説明されて
いる単一分子希釈法(SMD )である:Ruano et al., Proc. Natl. Acad. Sci. 8
7 : 6296-6300, 1990 ; 及び対立遺伝子特有PCR (Ruano et al., 17 Nucleic Ac
ids. Res. 8392, 1989 ; Ruano et al., 19 Nucleic Acids Res. 6877-6882, 19
91 ; Michalatos-Beloin et al., 24 Nucleic Acids Res. 4841-4843, 1996)。
【0056】 本発明はまた、IGERA のゲノム集を提供しており、これは所与の個体群に見出
されるIGERA 同質遺伝子の収集である。個体群は、少なくとも2個体から成るい
かなる群でもよく、参照個体群、個体群グループ、家族群、臨床個体群、及び同
性個体群を含むがこれらに限定されない。IGERA のゲノム集は、マイクロ試験管
のような別個の容器、マイクロタイター皿等の別個の槽に保存された個々のIGER
A 同質遺伝子から成る。
【0057】 または、ゲノム集内のIGERA 同質遺伝子の二つあるいはそれ以上のグループが
、別個の容器に保存されていても良い。ゲノム集内の個々の同質遺伝子あるいは
同質遺伝子のグループは、適切で安定した形態で保存されていて良く、その保存
方法は、緩衝溶液中、DNA の沈殿物として、凍結乾燥物として等を含むがそれら
に限定されない。本発明の好ましいIGERA のゲノム集は、下記の第5表に示され
たハプロタイプによって同定される同質遺伝子のセットを含んで成る。
【0058】 本発明の多型変異体ヌクレオチド塩基配列を含む単離されたポリヌクレオチド
は、原核性あるいは真核性の宿主細胞においてコードされたIGERA 蛋白質の被伝
播及び発現が可能な組換え型発現ベクトルにある一つあるいはそれ以上の発現制
御要素にリンクすることが可能である。使用可能な発現制御要素の例には、ラッ
クシステム、λファージのオペレータ及びプロモータ領域、イーストプロモータ
、及びワクシニアウィルス、アデノウィルス、レトロウィルス、あるいはSV40に
由来するプロモータが含まれるがこれらに限定されない。
【0059】 その他の制御要素には、適切なリーダー配列、終止コドン、ポリアデニル化信
号、及び所与の宿主細胞における核酸の適切な転写及びその後の翻訳に必要とさ
れるその他の配列が含まれるがこれらに限定されない。勿論、発現制御要素の正
しい組み合わせは、使用される宿主細胞に依る。加えて、発現ベクターには、そ
の宿主細胞におけるその伝達とその後の複製に必要であるいかなる付加要素も含
まれていると一般に理解されている。そのような例には、複製の起点及び選択可
能標識が含まれるがこれらに限定されない。
【0060】 そのような発現ベクトルは市販されているか、または当業者に良く知られた方
法を使用して簡単に製造できる(例:F.Ausubel et al., 1987, in“Current Pr
otocols in Molecular Biology”, John Wiley and Sons, New York, New York
)。本発明の変異体IGERA 塩基配列を発現するのに使用可能な宿主細胞には、動
物、植物、昆虫、及び酵母細胞のような真核性の又は哺乳類の細胞、及びこの分
野で良く知られているような大腸菌あるいは藻類のような原核性の細胞が含まれ
るがこれらに限定されない。組換え発現ベクトルを、当業者に良く知られた方法
を使用して宿主細胞に導入できる。
【0061】 それらの方法には、顕微注入法、エレクトロポレーション、微粒子銃法、形質
導入、DEAE−デキストランを使用した形質移入、リポフェクション、リン酸カル
シウムが含まれるがこれらに限定されない(参照例:Sambrook et al. (1989) i
n“Molecular Cloning. A Laboratory Manual”, Cold Spring Harbor Press, P
lainview, New York)。好ましくは、真核細胞で、更に好ましくは哺乳類細胞で
機能する真核性の発現ベクトルが使用されることである。
【0062】 そのような発現ベクトルの非限定例には、ワクシニアウィルスベクトル、アデ
ノウィルスベクトル、ヘルペスウィルスベクトル、バキュロウィルス伝達ベクト
ルが含まれる。好ましい真核細胞ラインには、COS 細胞、CHO 細胞、ヒーラー細
胞、NIH/3T3 細胞、及び胚幹細胞が含まれる(Thomson, J.A. et al., 1998 Sci
ence 282 : 1145-1147)。特に好ましい宿主細胞は、哺乳類の細胞である。
【0063】 当業者には容易に認識されるように、IGERA 遺伝子の多型変異体の発現は、ス
プライス及びプロセシングされたmRNA分子に保持されている多型部位で相互に異
なるIGERA mRNAを生み出す。これらのmRNAは、図2に示されるIGERA 参照コード
化塩基配列を持つ多型変異体であるヌクレオチド塩基配列を含んで成るIGERA cD
NAの製造に使用可能である。従って、本発明はまた、IGERA mRNA、及び対応cDNA
を提供していることになる。
【0064】 このcDNAは、配列番号:2(図2)あるいはその対応RNA 塩基配列と同一であ
るヌクレオチド塩基配列を含んで成る。ただし、このヌクレオチド塩基配列は、
以下から成る群から選択された一つあるいはそれ以上の多型を有していることが
、配列番号:2(図2)あるいはその対応RNA 塩基配列と異なっている点である
:ヌクレオチド251 に対応する位置におけるグアニン、及びヌクレオチド302 に
対応する位置におけるアデニン、ヌクレオチド530 に対応する位置におけるチミ
ン。
【0065】 ヌクレオチド741 に対応する位置におけるアデニン。これらの変異体mRNAとcD
NAの断片は、本件で説明されている新規多型が含まれている場合は、本発明の範
囲に含まれている。本発明は、先にIGERA cDNAとして同定特定されたポリヌクレ
オチドとその断片を特に除外している。変異体RNA あるいはDNA の塩基配列から
成るポリヌクレオチドは、良く知られた分子生物学的手順を使って生物学的試料
から単離すること、あるいは化学的に合成することが可能である。
【0066】 本発明のゲノム及びcDNA断片は、本件で同定された少なくとも一つの多型部位
を含んで成り、少なくとも10ヌクレオチドの長さがあり、その遺伝子の全長に及
ぶこともある。好ましくは、本発明による断片は、100 から3000ヌクレオチドの
長さで、更に好ましくは、200 から2000ヌクレオチドの長さで、最も好ましくは
、500 から1000ヌクレオチドの長さである。
【0067】 本件で同定された多型部位を説明するにあたり、便宜上その遺伝子のセンス鎖
が参照される。しかしながら、当業者によって認識されているように、IGERA 遺
伝子を含む核酸分子は、相補的二本鎖分子である可能性があり、従って、センス
鎖上の特殊な部位を参照するのは、相補的アンチセンス鎖上の対象対応部位にも
参照していることになる。従って、どちらの意鎖の同一多型部位に対しても参照
ができ、オリゴヌクレオチドはその多型部位を含む標的領域にあるどちらの意鎖
に対しても特定してハイブリダイゼーションするようにデザインできる。従って
、本発明はまた、本件で説明されているIGERA ゲノミック変異体の有意鎖に対し
て相補的である一本鎖ポリヌクレオチドをも含むことになる。
【0068】 多型遺伝子変異体あるいは断片から成るポリヌクレオチドは、治療目的に有用
である。例えば、患者がある特定のIGERA 蛋白質アイソフォームの発現あるいは
増強発現から利を被る場合は、そのアイソフォームをコード化する発現ベクトル
をその患者に投与することができる。その患者は、そのアイソフォームをコード
化するIGERA 同質遺伝子を欠いた個体であるか、あるいはその同質遺伝子の少な
くとも一つのコピーを既に有している可能性もある。
【0069】 その他の状況では、ある特定のIGERA 同質遺伝子の発現を減少させるかあるい
は阻止することが、望ましいことがある。IGERA 同質遺伝子の発現は、対象臓器
、組織、あるいは細胞を、同質遺伝子に、高レベルの非翻訳mRNAを発現する発現
ベクトルで変換することにより止めることができる。または、制御領域(例:プ
ロモータ、イントロン、エンハンサー、3′非翻訳領域)に向けられたその同質
遺伝子のオリゴヌクレオチドで、転写を阻止することができる。開始部位から-1
0と+10の間の距離にある転写開始部位に標的化したオリゴヌクレオチドが好まし
い。
【0070】 同様に、転写の阻止は、同質遺伝子DNA の領域とベースペアとしてトリプレッ
クスDNA(参照例:Gee et al. in Huber, B.E. and B.I.Carr, Molecular and I
mmunologic Approaches, Futura Publishing Co., Mt. Kisco, N.Y., 1994 )を
形成するオリゴヌクレオチドを使用して行うことができる。アンチセンス鎖オリ
ゴヌクレオチドもまた、ある特定の同質遺伝子から転写されたIGERA mRNAの翻訳
を阻止するようにデザインすることができる。特定の同質遺伝子から転写された
IGERA mRNAの特定部分の切断を触媒するようなリボザイムをデザインできる可能
性も熟慮された。
【0071】 オリゴヌクレオチドは、生体内あるいは生体外で対象細胞あるいは組織に導入
されたベクトルからの発現により、それらの標的細胞あるいは組織に導入するこ
とができる。または、オリゴヌクレオチドは、患者に投与する薬剤成分として、
調合することもできる。アンチセンスオリゴヌクレオチドとして使用されるオリ
ゴリボヌクレオチド及び/またはオリゴデオキシヌクレオチドは、安定性と半減
期を高めるように修飾できる。考えられる修飾例には、ホスホロチオネートある
いは2′O−メチル結合、及びイノシンやケオシンのような特殊ベースの封入、
更にアセチル−、メチル−、チオ−、及び内因性のヌクレアーゼにより容易に認
識されないアデニン、シトシン、グアニン、チミン及びウラシルの同様に修正さ
れた形態が含まれるがこれらに限定されない。
【0072】 本発明はまた、図3に示されている参照IGERA アミノ酸配列の多型変異体から
成る単離ポリペプチドを呈している。本件で説明されているIGERA ポリペプチド
あるいは断片における変異体アミノ酸の位置は、配列番号:3にその配列を揃え
ることにより同定される。本件のIGERA 蛋白質変異体は、アミノ酸84位に対応す
る位置におけるアルギニン、アミノ酸 101位に対応する位置におけるアスパラギ
ン、アミノ酸 177位に対応する位置におけるメチオニン、アミノ酸 247位に対応
する位置におけるリジンから成る群から選択された少なくとも一つのアミノ酸が
あることを除いて、配列番号:3と同一のアミノ酸配列から成る。
【0073】 本発明は、配列番号:3を含む以前にIGERA について同定されたアミノ酸配列
と以前に説明されたその断片のアミノ酸配列を特に除外している。本発明に含ま
れているIGERA 蛋白質変異体は、配列番号:3に基くすべてのアミノ酸配列を含
み、下記の第2表に説明されているアミノ酸変異体の組み合わせを持つアミノ酸
配列から成る。好ましい実施例では、本発明のIGERA 蛋白質変異体が、第5表に
示されているように、観察されたハプロタイプの一つにより定義される同質遺伝
子によりコード化されている。
【0074】
【表2】
【0075】 本発明はまた、IGERA ペプチド変異体を提供し、これらの変異体は、第2表に
示されているアミノ酸変異体の一つまたはそれ以上を含む蛋白質変異体の任意の
断片である。IGERA ペプチド変異体は、少なくとも6つのアミノ酸の長さで、好
ましくは6から30のアミノ酸の長さで、更に好ましくは10から25のアミノ酸の長
さで、最も好ましくは15から20のアミノ酸の長さである。そのようなIGERA ペプ
チド変異体は、上記のIGERA アイソフォームの一つに特異の抗体を生成する抗原
として有用である。加えて、IGERA ペプチド変異体は薬剤スクリーニング検定に
有用である。
【0076】 本発明のIGERA 変異体蛋白質あるいはペプチドは、化学合成により、あるいは
上記の変異体IGERA ゲノム及びcDNA塩基配列を発現させることにより、生成する
ことができる。または、IGERA 蛋白質変異体は、その変異体蛋白質をコードする
IGERA 同質遺伝子を持つ個体の生物学的試料から分離することができる。この試
料に二つの異なったIGERA アイソフォームが含まれている場合(すなわち、その
個体が異なったIGERA 同質遺伝子を有している場合)、その特定なIGERA 同質遺
伝子に結合するがその他のIGERA 同質遺伝子には結合しない抗体を使用する。イ
ムノアフィニティークロマトグラフィーにより、本発明の特定なIGERA 同質遺伝
子を単離することができる。
【0077】 発現、あるいは単離されたIGERA 蛋白質は、クーマシーブルー染色法、シルバ
ー染色法、下に詳しく説明するIGERA 蛋白質のアイソフォームに特異の抗体を使
ったウエスタンブロット法を含む、この分野で良く知られた方法を用いて検出す
ることができる。IGERA 変異体蛋白質は、分別沈殿、分子ふるいクロマトグラフ
ィー、イオン交換クロマトグラフィー、エレクトロフォーレシス(等電集束法)
、ゲル電気泳動法、アフィニティー及びイムノアフィニティークロマトグラフィ
ー等を含む、この分野で良く知られた標準蛋白質精製手順で精製することができ
る(Ausubel et al., 1987, In Current Protocols in Molecular Biology John
Wiley and Sons, New York, New York )。イムノアフィニティークロマトグラ
フィーの場合、対象多型変異体に特定の抗体を使用することができる。
【0078】 本発明の多型変異体IGERA 遺伝子はまた、フレーム内で異種の塩基配列と融合
させて、キメラIGERA 蛋白質をコードすることができる。キメラ蛋白質の非IGER
A 部分は、市販抗体により、認識されることができる。加えて、キメラ蛋白質は
また、IGERA 部分が非IGERA 部分から切断され更に精製されるように、IGERA と
非IGERA 部分の間切断部位を含むように生成することもできる。
【0079】 本発明の付加的実施例は、新規IGERA 蛋白質アイソフォームを多様な薬剤スク
リーニング検定に用いることに関する。そのようなスクリーニング検定は、既知
のIGERA 蛋白質アイソフォームの全てに結合するか、あるいはこれらのアイソフ
ォームの一つあるいはそれ以上のサブセットにのみ特定して結合する薬剤を同定
することを目的として行われる。これらの薬剤は、化学物質ライブラリ、ペプチ
ドライブラリ等に由来する。IGERA 蛋白質あるいはペプチド変異体は、溶液内で
遊離状態でも、固体にサポートされていてもよい。
【0080】 一つの実施例では、PCT 出願WO84/03565に説明されている方法を使って、IGER
A 変異体に結合する化合物の高スループットスクリーニングを行うことができる
。この方法では、多くの検定化合物が、プラスチックピンあるいはその他の表面
等の個体基板上に合成され、対象のIGERA 蛋白質と接触させられ、その後洗浄さ
れる。次に結合されたIGERA 蛋白質は、この分野で良く知られた方法を用いて検
出される。 別の実施例では、新規IGERA 蛋白質アイソフォームを検定で使用して、IGERA
蛋白質にを標的とした一つまたはそれ以上の候補薬剤の結合親和性測定している
【0081】 また別の実施例では、本発明は、本件で説明されているIGERA 変異体蛋白質の
一つまたはそれ以上に対して特異性及び免疫反応性のある抗体を提供する。これ
らの抗体は、起源が単クローン性あるいは多クローン性であってもよい。これら
の抗体を生成するのに使用されるIGERA 蛋白質あるいはペプチド変異体は、天然
のもの、組換え技術によるもの、またはこの分野で良く知られた合成技術を使っ
て化学合成したものでもよい。
【0082】 IGERA 蛋白質変異体が、抗原性を発揮するのに大きさが不充分であれば、ペプ
チドの抗原性を高めるために、接合させるか、複合させるか、あるいは担体分子
に共有結合させる。担体分子の例には、アルブミン(例:ヒト、ウシ、魚、ヒツ
ジ)、及びキーホールリンペットヘモシアニン(Basic and Clinical Immunolog
y, 1991, Eds. D.P.Stites, and A.I.Terr, Appleton and Lange, Norwalk Conn
ecticut, San Mateo, California)が含まれるがこれらに限定されない。
【0083】 一つの実施例では、本件で説明されている新規IGERA 蛋白質アイソフォームの
一つに対して特異性及び免疫反応性のある抗体が、ある個体によって発現されて
いるIGERA アイソフォームの活性を中和することを目的として、その個体に投与
されている。この抗体は、製薬的に受容し得る担体を含んだ薬剤成分として調合
することができる。
【0084】 本件で説明されている新規IGERA 蛋白質アイソフォームの一つに対して特異性
及び免疫性がある抗体は、IGERA 蛋白質変異体を溶液から免疫沈殿するのに、ま
たIGERA 蛋白質アイソフォームをポリアクリルアミドゲルのウェスタンまたは免
疫ブロットを膜サポート上あるいは基板上で反応させるのに使用できる。別の好
ましい実施例では、免疫細胞化学的、免疫組織化学的、免疫蛍光的技術に利用す
ることを目的として、抗体が、スライドやカバー硝子上に固定あるいは未固定の
状態で作製されたパラフィンか、冷凍組織セクションか、あるいは細胞に存在す
るIGERA 蛋白質アイソフォームを検出している。
【0085】 また別の実施例では、本件で説明されている新規IGERA 蛋白質変異体の一つに
対して特異に免疫反応性のある抗体が、この変異体を生物学的試料から検出する
免疫測定法で使用されている。この方法では、本発明の抗体を、生物学的試料と
接触させ、IGERA 蛋白質変異体とその抗体の複合体の形成を、検出している。説
明されているように、適切な免疫測定法には、放射免疫測定法、ウエスタンブロ
ット測定法、免疫蛍光測定法、酵素結合免疫測定法(ELISA )、化学発光測定法
、免疫組織化学的測定法、免疫細胞化学測定法等が含まれる(参照例:Principl
es and Practice of Immunoassay, 1991, Eds. Christopher P.Price and David
J.Neoman, Stockton Press, New York, New York ; Current Protocols in Mol
ecular Biology, 1987, Eds. Ausubel et al., John Wiley and Sons, New York
, New York)。
【0086】 この分野で良く知られているELISA の標準技術が、以下に説明されている:(
Methods in Immunodiagnosis, 2nd Ed., Eds. Rose and Bigazzi, Jhon Wiley a
nd Sons, New York 1980 ; and Campbell et al., 1984, Methods in Immunolog
y, W.A.Benjamin, Inc. )。このような測定法は、現行技術で説明されているよ
うに、直接的であったり、間接的であったり、また競合性が高い場合も低い場合
もある(参照例:Principles and Practice of Immunoassay, 1991, Eds. Chris
topher P.Price and David J.Neoman, Stockton Pres, NY, NY ; and Oellirich
, M., 1984, J. Clin. Chem. Clin. Biochem., 22 : 895-904 )。上記の「Curr
ent Protocols in Molecular Biology, 」に説明されているように、蛋白質は、
テスト試料及び生物学的試料から従来の方法で単離される。
【0087】 本発明の検出方法及び治療方法で使われている代表的抗体分子は、自然のまま
の免疫グロブリン分子、実質上自然のままの免疫グロブリン分子、あるいは抗原
結合部位を含む免疫グロブリン分子の部分である。多クローン性あるいは単一ク
ローン性の抗体が、この分野で従来より良く知られた方法により、生成できる(
例:Kohler and Milstein, 1975, Nature, 256 : 495-497 ; Campbell Monoclon
al Antibody Technology, the Production and Characterization of Rodent an
d Human Hybridomas, 1985, In : Laboratory Techniques in Biochemistry and
Molecular Biology, Eds. Burdon et al., Volume 13, Elsevier Science Publ
ishers, Amsterdam)。
【0088】 これらの抗体あるいはその抗原結合断片もまた、遺伝子工学により生成できる
。大腸菌における重鎖及び軽鎖遺伝子双方の発現についての技術は、以下の特願
番号のPCT 特許申請の主題である:WO 901443、WO 901443及びWO 9014424及びin
Huse et al., 1989, Science, 246 : 1275-1281。これらの抗体はまた、人体に
適応させることができる(例:Queen, C. et al. 1989 Proc. Natl. Acad. Sci.
86 ; 10029 )。
【0089】 本件で同定された多型のIGERA 発現に対する効果は、組換え細胞及び/または
生物体を作製することによって、好ましくは、そのIGERA 遺伝子の多型変異体を
含む組換え動物を作製することによって研究することができる。本件で用いられ
ているように、「発現」は、以下を含むがそれらに限定されない:前駆体mRNAへ
の遺伝子の転写;完成したmRNAを生成するための前駆体mRNAのスプライシング及
びその他のプロセシング;mRNAの安定性;完成したmRNAのIGERA 蛋白質への翻訳
(コドン用法及びtRNA使用可能性を含む);及び糖鎖形成及び/または適切な発
現及び機能が求められた場合の翻訳された蛋白の修正。
【0090】 本発明の組換え細胞を作成するには、望ましいIGERA 同質遺伝子をその組換え
細胞に、その同質遺伝子が染色体外に留まるようなベクトルにおいて導入する。
そのような状況で、その遺伝子は組換え細胞により染色体外の位置から発現され
る。好ましい実施例では、IGERA 同質遺伝子が、その細胞に存在する内因性のIG
ERA 遺伝子と再結合するように、細胞に導入されている。そのような組換えには
、二重組換え事象の発生が必要であり、それによって望ましいIGERA 遺伝子多型
が結果として生成される。
【0091】 組換え及び染色体外維持の双方を目的とした遺伝子導入用のベクトルは、この
分野で良く知られており、いかなる適切なベクトルあるいはベクトル構成体をも
本発明で使用できる。エレクトロポレーション、微粒子銃、リン酸カルシウム共
沈澱、DNA を細胞に導入するためのウィルス形質導入のような方法がこの分野で
良く知られている。従って、どの方法を選択するかは、当業者の裁量による。IG
ERA 同質遺伝子を導入できる細胞例には、COS、NIH/3T3のような連続培養細胞、
及び関連組織タイプの初性あるいは培養細胞が含まれるがそれらに限定されない
。すなわち、IGERA 同質遺伝子を発現するものが良い。そのような組換え細胞は
、異なった蛋白質変異体の生物学的活動を比較するのに使用できる。
【0092】 変異体IGERA 遺伝子を発現する組換え生物体、すなわち遺伝子導入動物は、こ
の分野に良く知られている標準手順を用いて、作製される。好ましくは、その変
異体遺伝子から成る構成体をヒトではない動物、詳しくは胎芽期(すなわち、単
細胞期、あるいは一般的には8細胞期以前)にあるその動物の原種に導入するの
が良い。本発明の構成体を持つ遺伝子導入動物は、当業者に良く知られたいくつ
かの方法により作製することができる。
【0093】 第一の方法は、絶縁された(inpulated )遺伝子を導入遺伝子(transgene )
として宿すシャトルベクトルを提供するために、一つまたはそれ以上の絶縁要素
、対象遺伝子または遺伝子群、この分野で知られるその他の構成要素を含むよう
に構成されたレトロウィルスを胚へ形質移入することに関わる(参照例:U.S.Pa
tent No. 5,610,053)。第二の方法は、直接導入遺伝子を胚へ注入することに関
わる。第三の方法は、胚芽幹細胞の使用に関わる。
【0094】 IGERA 同質遺伝子を導入できる動物例には、ネズミ、ドブネズミ、その他のげ
っ歯類、ヒト以外の霊長類が含まれるがそれらに限定されない(参照:“The In
troduction of Foreign Genes into Mice”and the cited references therein,
In : Recombinant DNA, Eds. J.D.Watson, M. Gilman, J.Witkowski, and M. Z
oller ; W.H.Freeman and Company, New York, pages 254-272)。一定してヒト
のIGERA 同質遺伝子を発現しヒトのIGERA 蛋白質を生成する遺伝子導入動物は、
異常なIGERA の発現及び/または活性に関する疾病を研究する上で、更に様々な
薬剤、化合物、これらの疾病の症状あるいは効果軽減のための治療法をスクリー
ニングし測定する上で、生物学的モデルとして使用可能である。
【0095】 本発明の付加的実施例は、本件に説明されている新規IGERA 同質遺伝子の発現
あるいは機能により影響を受ける障害を治療する薬剤構成物に関する。この薬剤
構成物は、以下の活性材料から成る:これらの新規IGERA 同質遺伝子の一つから
成るポリヌクレオチド;これらの新規IGERA 同質遺伝子の一つに向けられた反意
鎖オリゴヌクレオチド、そのような反意鎖オリゴヌクレオチドをコード化するポ
リヌクレオチド、あるいは本件に説明されているIGERA 同質遺伝子の発現を阻止
する別の化合物。好ましくは、この構成物は、この活性材料を治療で効果のでる
量含んでいるのが良い。
【0096】 治療で効果のでる量というのは、新規IGERA 同質遺伝子の発現あるいは機能に
より影響を受ける障害に関する症状の一つあるいはそれ以上が、軽減されるかあ
るいは除去されるという意味である。この構成物はまた、薬学的に受容し得る担
体からなり、その例としては、食塩水、緩衝剤含有食塩水、ぶどう糖、及び水が
含まれるがそれらに限定されない。当業者は、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレ
オチド、蛋白質、ペプチド、あるいは小分子拮抗物質であろうとも、この活性材
料に最も適した調剤法を用いる。薬学的構成物は、それだけで投与しても良く、
あるいは、少なくとも一つのその他の作動薬(例:安定化合物)と組み合わせて
投与しても良い。
【0097】 この薬学的構成物の投与は、いくつの経路で行われても良く、その経路には、
経口投与、静脈内投与、筋肉内投与、動脈内投与、髄内投与、くも膜下内投与、
心室内投与、皮内投与、経皮的投与、皮下投与、腹腔内投与、鼻腔内投与、腸内
投与、局所投与、舌下投与、あるいは直腸投与が含まれるがそれらに限定されな
い。調剤法及び投与に関する詳細については、以下の最新版を参照されたい:Re
mington's Pharmaceutical Science (Maack Publishing Co., Easton, PA)。
【0098】 いかなる構成体についても、活性成分の治療上効果的な投与量及び/または適
切な投与経路の決定は、当業者の十分承知するところであろう。たとえば、投与
量は、細胞培養測定法あるいは動物モデルを用いて推定が可能である。また、動
物モデルは、適切な濃度域及び投与経路を決定するのに使用できる。そのような
情報は、こういった実験を経て、ヒトへの投与のための投与量及び経路の決定を
行うのに利用される。正確な投与量は、治療を必要としている患者に関する要因
を考慮の上、医師により決定される。これらの要因には、疾病状態の強度、健康
全般、患者の年齢・体重・性別、食生活、投与の時間および頻度、患者が服用し
ているその他の薬剤、及び治療に対する耐性/反応が含まれるがそれらに限定さ
れない。
【0099】 任意の特定の個体のIGERA 遺伝子に対する遺伝子型及びハプロタイプの同定に
関する情報、及び任意特定の個体群におけるそのような遺伝子型及びハプロタイ
プの頻度に関する情報は、多様な基礎研究および臨床応用において、有用である
と考えられる。従って、本発明は、本件で同定された新規IGERA 多型を検出する
構成体及び方法をも呈している。
【0100】 この構成体は、少なくとも一つのIGERA 遺伝子型決定オリゴヌクレオチドから
成る。一つの実施例では、IGERA 遺伝子型化オリゴヌクレオチドは、本件で説明
されている新規多型部位の一つに近いところに位置するか、あるいはその部位を
含む標的領域に対してハイブリダイゼーションが可能なプローブあるいはプライ
マーである。本件で使われているように、「オリゴヌクレオチド」という用語は
、100 以下のヌクレオチドを有するポリヌクレオチド分子に言及している。本発
明の好ましいオリゴヌクレオチドは、10から35ヌクレオチドの長さである。
【0101】 更に好ましくは、オリゴヌクレオチドは、15から30の長さであるのが良く、更
に最も好ましくは、20から25ヌクレオチドの長さであるのが良い。このオリゴヌ
クレオチドは、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、及び非環式ヌク
レオチド誘導体、及びその他の機能的に同等の誘導体のいかなるリン酸化状態か
ら構成されていても良い。または、オリゴヌクレオチドは、リン酸なしバックボ
ーンを有していても良く、このバックボーンは、カボキシメチル、アセトアミド
、カルバメート、ポリアミド(ペプチド核酸(PNA))等のような連鎖から成る(
Varma, R. in Molecular Biology and Biotechnology, A Comprehensive Desk R
eference, Ed. R. Meyers, VCH Publishers, Inc. (1995), pages 617-620)。
【0102】 本発明のオリゴヌクレオチドは、この分野で良く知られた適切な方法を用いて
化学合成によって作製することができ、また生物学的試料から、例えば、制限酵
素分解により、取り出すこともできる。オリゴヌクレオチドは、この分野で良く
知られた技術に従って、標識することができ、放射能標識、蛍光標識、酵素的標
識、蛋白質、ハプテン、抗体、配列タグ等を使用したものがある。
【0103】 本発明の遺伝子型決定オリゴヌクレオチドは、IGERA ポリヌクレオチド(すな
わち、IGERA 同質遺伝子)の標的領域に対して特異的にハイブリダイゼーション
が可能でなければならない。本件で使われているように、「特異的なハイブリダ
イゼーション」というのは、あるハイブリダイゼーション条件下で、オリゴヌク
レオチドが標的領域と反平行に二本鎖構造を形成するという意味で、標的領域以
外あるいはIGERA ポリヌクレオチドでないものが、同一ハイブリダイゼーション
条件下に培養された場合、オリゴヌクレオチドはそのような構造を形成できない
【0104】 好ましくは、オリゴヌクレオチドは、標的領域に対して従来の厳しい条件下で
、特異的にハイブリダイゼーションする。当業者は、本件に呈されている多型に
関する情報と、IGERA 遺伝子に関する既知の配列情報とそれに通常の技術を使用
し、IGERA 遺伝子における多型を検出するための適切なオリゴヌクレオチドプロ
ーブ及びプライマーを、容易にデザインし検査に使用することができる。
【0105】 オリゴヌクレオチドあるいはポリヌクレオチドのような核酸分子は、分子中の
一つの分子のヌクレオチドの一つ一つがもう一方のヌクレオチドの対応位置にあ
るヌクレオチドに対して相補的であるとするならば、別の核酸分子の「完全な」
あるいは「完成した」相補配列であると言われている。核酸分子は、二重形態を
保持するに十分な安定性を備え、従来の温和な条件下において、もう一方の核酸
に対してハイブリダイゼーションする場合、その核酸に対して、「実質的に相補
的」であると言われる。
【0106】 従来のハイブリダイゼーション条件は、例えば、以下に説明されている:by S
ambrook J. et al., in Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 2nd Editio
n, Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, NY (1989) and by Haymes
, B.D. et al. in Nucleic Acid Hybridization, A Practical Approach, IRL P
ress, Washington, D.C. (1985)。完全に相補的であるオリゴヌクレオチドが、
多型を検出する上で好ましいが、完全相補性からの逸脱は、そのような逸脱があ
っても分子が標的領域に対して特異的にハイブリダイゼーションすることを妨げ
ない場合、熟慮されている。
【0107】 例えば、オリゴヌクレオチドプライマーは、残りのプライマーが標的領域に相
補的であるかぎり、その5′炭素原子末端に非相補的な断片を有していても良い
。または、非相補的ヌクレオチドは、それが挿入されても、プローブあるいはプ
ライマーが依然として標的領域に対してハイブリダイゼーションすることが可能
である限りは、オリゴヌクレオチドプローブあるいはプライマーに挿入させても
よい。
【0108】 本発明の好ましい遺伝子型決定オリゴヌクレオチドは、対立遺伝子に対して特
異的に反応するオリゴヌクレオチドである。本件で使われているように、「対立
遺伝子に対して特異的に反応するオリゴヌクレオチド」とは、十分厳しい(stri
ngent )条件下で、多型部位を含む標的領域に存在するある遺伝子の一つの対立
遺伝子に対して、あるいはその他の遺伝子座に対して、特異的にハイブリダイゼ
ーションが可能だが、その他の対立遺伝子(群)にある対応領域に対してはハイ
ブリダイゼーションしないオリゴヌクレオチドを指す。
【0109】 当業者に理解されているように、対立遺伝子に対する特異性は、食塩及びホル
ムアミドの濃度及びハイブリダイゼーションと洗浄段階の温度を含む、容易に最
適化できるが厳しい条件の多様性に依って変わる。ASO プローブで一般的に用い
られるハイブリダイゼーション及び洗浄条件の例は、以下に見出される:Kogan
et al.,“Genetic Prediction of Hemophilia A”in PCR Protocols, A Guide t
o Methods and Applications, Academic Press, 1990 and Ruano et al., 87 Pr
oc. Natl. Acad. Sci. USA 6296-6300, 1990。一般的に、対立遺伝子に対して特
異的に反応するオリゴヌクレオチドは、一つの対立遺伝子に対して完全に相補的
であるが、別の対立遺伝子に対しては単一の不一致を含む。
【0110】 異なった対立遺伝子を非常に良く区別することができ、対立遺伝子に対して特
異的に反応するオリゴヌクレオチドプローブは、オリゴヌクレオチドプローブの
中央部が標的領域の多型部位と位置が揃っているプローブである(例:15量体に
おいて約7番目あるいは8番目の位置、16量体において約8番目あるいは9番
目の位置、20量体において約10番目あるいは11番目の位置)。IGERA 遺伝
子多型を検出する好ましいASO プローブは、5′末端から3′末端に表示された
ヌクレオチド塩基配列が以下から成る群から選択される:
【0111】
【化1】
【0112】
【化2】
【0113】 本発明の、対立遺伝子に特異的に反応するオリゴヌクレオチドプライマーは、
3′末端ヌクレオチド、あるいは好ましくは3′末端から二番目のヌクレオチド
が、ある特定のSNP の一つのヌクレオチドに対してのみ相補的であるものである
。それによってそのヌクレオチドが含まれている対立遺伝子が存在する場合にの
み、ポリメラーゼ媒介性伸張用プライマーとして作用する。本発明においては、
対立遺伝子に特異的でコード鎖あるいは非コード鎖のどちらかに対してハイブリ
ダイゼーションするオリゴヌクレオチドプライマーが熟慮されている。IGERA 遺
伝子多型を検出する好ましいASO プローブは、5′末端から3′末端に表示され
たヌクレオチド塩基配列が以下から成る群から選択される:
【0114】
【化3】
【0115】
【化4】
【0116】 本発明のその他の遺伝子型決定オリゴヌクレオチドは、本件で同定されている
新規多型部位の一つから、一ないし数ヌクレオチド下方に位置する標的領域に対
してハイブリダイゼーションする。そのようなオリゴヌクレオチドは、本件で説
明されている新規多型の一つを検出するポリメラーゼ媒介性伸張方法において有
用である。従って、そのような遺伝子型化オリゴヌクレオチドは、本件で「プラ
イマー伸張オリゴヌクレオチド」として言及されている。
【0117】 好ましい実施例では、プライマー伸張オリゴヌクレオチドの3′末端は、その
多型部位に直接隣接しているヌクレオチドに対して相補的なデオキシヌクレオチ
ドである。プライマー伸張によってIGERA 遺伝子多型を検出する上で、特に好ま
しいオリゴヌクレオチドプライマーは、5′末端から3′末端に表示されたヌク
レオチド塩基配列が以下の配列で終わる群から選択される:
【0118】
【化5】
【0119】 ある実施例においては、同時に二つあるいはそれ以上の多型部位におけるヌク
レオチドの同定するため、二つあるいはそれ以上の異なった標識がつけられた遺
伝子型化オリゴヌクレオチドが構成体に含まれている。また、この他に実施例で
熟慮されているのは、プライマー構成体に二つあるいはそれ以上の組の対立遺伝
子特異プライマーペアが含まれており、それによって一つの多型部位を含む二つ
あるいはそれ以上の領域の同時標的及び増幅ができるようになっていることであ
る。
【0120】 本発明のIGERA 遺伝子型決定オリゴヌクレオチドはまた、マイクロチップ、ビ
ーズ、スライド・グラスのような固体表面に固定あるいは合成することができる
(参照例:WO98/20020 and WO98/20019 )。そのような固定遺伝子型化オリゴヌ
クレオチドは、色々な多型検出法に使用でき、それはプローブハイブリダイゼー
ション及びポリメラーゼ伸張検定法を含むが、それらに限定されない。本発明の
固定IGERA 遺伝子型化オリゴヌクレオチドは、同時に複数の遺伝子に存在する多
型を求めるために、DNA 試量を迅速にスクリーンするようにデザインされたオリ
ゴヌクレオチドの秩序だった配列を含むこともできる。
【0121】 また別の実施例では、本発明は、個別の容器に収納された少なくとも二つの遺
伝子型化オリゴヌクレオチドから成るキットを呈している。このキットには、個
別の容器に収納された、ハイブリダイゼーション緩衝液(オリゴヌクレオチドが
プローブとして使われる場)のようなその他の構成要素も含まれている。または
、オリゴヌクレオチドが標的領域を増幅するのに使われる場合、このキットは、
個別の容器に収納された、ポリメラーゼ及び反応緩衝液を含む。これらはPCR 法
のようなポリメラーゼによって媒介されるプライマー伸張用に最適化されている
【0122】 上記に説明されたオリゴヌクレオチド構成体及びキットは、ある個体に存在す
るIGERA 遺伝子を遺伝子型化及び/またはハプロタイプ化する方法において有用
である。本件で使われているように、「IGERA 遺伝子型」及び「IGERA ハプロタ
イプ」という用語は、遺伝子型及び/またはハプロタイプが、本件で説明されて
いる新規多型部位の一つあるいはそれ以上に存在するヌクレオチドペアあるいは
ヌクレオチドを含んでおり、また、任意には、そのIGERA 遺伝子の付加的多型部
位の一つあるいはそれ以上に存在するヌクレオチドペアあるいはヌクレオチドを
含んでいるということを意味する。この付加的多型部位は、現在は多型部位とし
て知られている、あるいは次いで発見される部位です。
【0123】 遺伝子型決定方法についての一つの実施例は、ある個体に存在するIGERA 遺伝
子の二つのコピーあるいはその断片から成る核酸混合物をその個体から単離させ
、その個体に対してIGERA 遺伝子型を割り当てるために、二つのコピーにあるPS
1-22から選択された一つあるいはそれ以上の多型部位のヌクレオチドペアを同定
することに関する。当業者には容易に理解されるように、ある個体に存在するあ
る遺伝子のこれらの二つの「コピー」は、同一の対立遺伝子である可能性もあれ
ば、あるいは異なった対立遺伝子である可能性もある。特に好ましい実施例では
、遺伝子型化方法は、PS1 からPS22までのそれぞれの位置におけるヌクレオチド
ペアを同定することから成る。
【0124】 一般的に、核酸混合物は、血液試料あるいは組織試料のような、個体から採取
された生物学的試料から単離される。適切な組織細胞には、全血、精液、唾液、
涙、尿、糞便物質、汗、口腔、皮膚及び毛髪が含まれる。核酸混合物は、ゲノム
DNA 、mRNA、あるいはcDNAから成り、後者二つの場合には、生物学的試料は、IG
ERA 遺伝子が発現されている臓器から入手される必要がある。更に、当業者には
理解されるであろうが、mRNAあるいはcDNAは、イントロンあるいは5′及び3′
非翻訳領域に位置する多型を検出するのには使用されない。IGERA 断片が単離さ
れる場合は、その断片は遺伝子型化される多型部位をふくんでいなければならな
い。
【0125】 ハプロタイプ決定方法についての一つの実施例は、IGERA 遺伝子の二つのコピ
ーの内の一つのみあるいはその断片から成る核酸分子を個体から単離させ、その
個体に対してIGERA ハプロタイプを割り当てるために、そのコピーにある一つあ
るいはそれ以上の多型部位PS1-22のヌクレオチドを同定することから成る。この
核酸は、IGERA 遺伝子あるいはその断片の二つのコピーを分離することが可能で
あるいかなる方法を使っても、単離することができる。その例としては、上に説
明されている方法の一つで、IGERA 同質遺伝子を作製するもので、標的を絞った
生体内クローニングを好ましいアプローチとしている。
【0126】 当業者に容易に認識されるように、任意の個別クローンは、個体に存在する二
つのIGERA 遺伝子コピーの内の一つのコピーに関するハプロタイプ情報しか呈し
ない。その個体の他方のコピーのハプロタイプ情報が欲しい場合は、付加的IGER
A クローンを検査する必要がある。一般的に、ある個体におけるIGERA 遺伝子の
双方のコピーをハプロタイプ化することにおいて90%の確率を得るためには、少
なくとも5つのクローンが検査される必要がある。特に好ましい実施例では、PS
1 からPS22までのそれぞれの位置におけるヌクレオチドが同定されている。
【0127】 好ましい実施例では、個体に対してのIGERA ハプロタイプペアが、その個体の
IGERA 遺伝子のそれぞれのコピーに存在する PS1〜22から選択される一つあるい
はそれ以上の多型部位に位置するヌクレオチドの相の特定された塩基配列を同定
することにより決定される。特に好ましい実施例では、ハプロタイプ化方法は、
IGERA 遺伝子のそれぞれのコピーに存在するPS1 からPS22までのそれぞれの位置
におけるヌクレオチドの相の特定された塩基配列を決定することから成る。遺伝
子のコピーを双方ともハプロタイプする場合は、別個の容器に入れて遺伝子の各
々のコピーを確認することが望ましい。
【0128】 しかしながら、その二つのコピーに異なったタグで標識が付けられている場合
、あるいは別個に区別できるか別個に同定できる場合は、同定作業を同一容器で
行うことが可能であるかもしれない。例えば、第一及び第二の遺伝子コピーが異
なった第一および第二蛍光染料でそれぞれ標識がつけられていて、第三の蛍光染
料で標識がつけられている対立遺伝子特異オリゴヌクレオチドが多型部位(群)
を測定するのに使用されている場合は、第一及び第三染料の組み合わせを検出す
ると、第一の遺伝子コピーにある多型を同定することができ、更に第二及び第三
染料の組み合わせを検出すると、第二の遺伝子コピーにある多型を同定すること
ができる。
【0129】 遺伝子型決定及びハプロタイプ決定の双方において、多型部位(群)における
ヌクレオチド(ヌクレオチドペア)の同定は、IGERA 遺伝子の一つかまたは双方
のコピー、あるいはその断片に直接由来する多型部位(群)を含む標的領域を増
幅し、増幅領域の配列を決定することによってなされる。その部位に対して同型
接合である個体群に存在する一つの多型部位では単一のヌクレオチドしか検出さ
れないが、その個体がその部位に対して異型接合であれば二つの異なったヌクレ
オチドが検出されることが当業者には容易に認識されるであろう。
【0130】 多型の同定は肯定タイプの直説法、または否定タイプの推論法によって同定で
きる。例えば、SNP が参照個体群でグアニン及びシトシンであると分かっている
場合は、部位は、その部位において同型接合である個体に対してはグアニンかシ
トシンのどちらかであるか、あるいはまたその個体がその部位において異型接合
である場合はグアニン及びシトシンの双方であると肯定的に決定できる。または
、その部位は、グアニンではない(従ってシトシン/シトシン)あるいはシトシ
ンではない(グアニン/グアニン)と、否定的に決定することもできる。
【0131】 加えて、本件で説明されている任意の新規多型部位に存在する対立遺伝子の同
定性は、本件に開示されていない、対象多型部位と連鎖不平衡関係にある多型部
位を遺伝子型化することによって間接的に決定される。二ヶ所の部位は、ある部
位に存在するある特定の変異体の存在が、第二の部位にある別の変異体の予測可
能性を高める場合に、その二ヶ所の部位は連鎖不平衡関係にあると言われる(St
evens, JC 1999, Mol. Diag. 4 : 309-17)。
【0132】 現在開示されている多型部位と連鎖不平衡関係にある多型部位は、その遺伝子
の領域に位置するか、または本件で研究されていないその他のゲノム領域に位置
するかもしれない。本件に説明されている新規多型部位と連鎖不平衡関係にある
多型部位の遺伝子型化は、多型部位における対立遺伝子を同定する上記のどの方
法によっても行うことができるが、それらに限定されるものではない。
【0133】 標的領域(群)は、任意のオリゴヌクレオチド指令増幅法を用いて、増幅する
ことができる。そのような増幅法には、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(U.S. Pat
ent No. 4,965,188)、リガーゼ連鎖反応(LCR)(Barany et al., Proc. Natl.
Acad. Sci. USA 88 : 189-193, 1991 ; WO90/01069)、オリゴヌクレオチド連結
検定法(OLA)(Landegren et al., Science 241 : 1077-1080, 1988 )が含まれ
るがそれらに限定されるものではない。このような方法においてプライマーある
いはプローブとして有用なオリゴヌクレオチドは、多型部位を含むか、あるいは
その多型部位に隣接する核酸領域に特異的にハイブリダイゼーションする必要が
ある。
【0134】 一般的に、オリゴヌクレオチドは10から35ヌクレオチドの長さで、好ましくは
15から30ヌクレオチドの長さが良い。最も好ましくは、オリゴヌクレオチドは20
から25ヌクレオチドの長さであるのが良い。オリゴヌクレオチドの正確な長さは
、当業者によって常に考慮され実施される多くの因子に依って決まる。 標的領域を増幅するのに、その他の既知の核酸増幅方法、転写に基づく増幅シ
ステム(U.S. Patent No. 5,130,238 ; EP 329,822 ; U.S. Patent No. 5,169,7
66, WO89/06700)及び等温法(Walker et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89
: 392-396, 1992)などが使用できる。
【0135】 この分野で良く知られるハイブリダイゼーションを基盤とするいくつかの方法
を用いて、標的領域における多型を、増幅の前後に測定することができる。一般
的に、そのような方法をおこなうには、対立遺伝子に対して特異的に反応するオ
リゴヌクレオチドが利用される。対立遺伝子に対して特異的に反応するオリゴヌ
クレオチドは、別々に標識をつけられたプローブペアとして使用することができ
、そのペアの一つは標的塩基配列の一つの変異体に対して完全な一致を示し、他
方は異なった変異体に対して完全な一致を示す。
【0136】 ある実施例においては、対立遺伝子に対して特異的に反応するオリゴヌクレオ
チドのセットあるいはオリゴヌクレオチドのペアを用いて、複数の多型部位を一
度に検出することができる。好ましくは、このセットのオリゴヌクレオチドは、
検出中の多型部位のそれぞれに対してハイブリダイゼーションする場合に、相互
に5℃以内の融点、更に好ましくは2℃以内の融点を有するのが望ましい。
【0137】 対立遺伝子に対して特異的に反応するオリゴヌクレオチドの標的ポリヌクレオ
チドに対するハイブリダイゼーションは、双方を溶液中にて行うことができ、ま
た、そのようなハイブリダイゼーションはオリゴヌクレオチドあるいは標的ポリ
ヌクレオチドのどちらかを共有結合的にあるいは非共有結合的に固体のサポート
に固定して行うこともできる。付着は、例えば、抗体抗原作用、ポリ−L−リジ
ン、ストレプトアビジンあるいはアビジン−ビオチン、塩橋、疎水性作用、化学
結合、UV交差結合焼きつけ等によって、媒介しても良い。
【0138】 対立遺伝子に対して特異的に反応するオリゴヌクレオチドは、固体のサポート
に直接合成するか、あるいは合成後に固体のサポートに付着させることができる
。本発明の検出法での使用に適した固体のサポートには、シリコン、硝子、プラ
スチック、紙等で作られた基板が含まれる。これらは、例えば、ウェル状(96−
ウェルプレートのように)、スライド状、粘膜状、繊維状、チップ状、皿状、及
びビーズ状に成形することができる。
【0139】 この固体のサポートには、表面処理、被膜処理、あるいは誘導体化処理を施し
、対立遺伝子に対して特異的に反応するオリゴヌクレオチドあるいは標的核酸の
固定を促進する。 ある個体のIGERA 遺伝子の遺伝子型あるいはハプロタイプはまた、その遺伝子
の一つあるいは双方のコピーを含む核酸試料を、WO95/11995に説明されているよ
うに、核酸アレー及び核酸サブアレーに対してハイブリダイゼーションすること
によって決定することができる。このアレーには、遺伝子型あるいはハプロタイ
プに含まれる多型部位の各々を表わす、一連の対立遺伝子特異オリゴヌクレオチ
ドが含まれている。
【0140】 多型の同定はまた、不一致検出技術を用いて、決定することができる。そのよ
うな技術には、リボプローブ(Winter et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82
: 7575, 1985 ; Meyers et al., Science 230 : 1242, 1985)、及び大腸菌mut
S 蛋白質のようなヌクレオチド不一致を認識する蛋白質(Modrich, P. Ann. Rev
. Genet. 25 : 229-253, 1991 )を用いたリボヌクレアーゼ保護法が含まれるが
それらに限定されない。また、変異体対立遺伝子は、一本鎖配座多型(SSCP)分
析により(Orita et al., Genomics 5 : 874-879, 1989 ; Humphries et al., i
n Molecular Diagnosis of Genetic Diseases, R. Elles, ed., pp. 321-340, 1
996 )、あるいは変性勾配ゲル電気泳動法(DGGE)(Wartell et al., Nucl. Aci
ds Res. 18 : 2699-2706, 1990 ; Sheffield et al., Proc. Natl. Acad. Sci.
USA 86 : 232-236, 1989)により、同定することができる。
【0141】 ポリメラーゼ媒介のプライマー伸張法を使っても多型(群)を同定することが
できる。そのような方法は、特許や科学文献で説明されており、それには「Gene
tic Bit Analysis」法(WO92/15712)、及びリガーゼ/ポリメラーゼ媒介遺伝的
ビット分析(U.S. Patent 5,679,524。関連方法がWO91/02087、WO90/09455、WO9
5/17676、U.S. Patent Nos. 5,302,509、及び5,945,283に開示されている)があ
る。
【0142】 多型を含む伸張プライマーは、U.S. Patent No. 5,605,798 に説明されている
質量分析法により、検出することができる。また別のプライマー伸張法は、対立
遺伝子特異PCR (Ruano et al., Nucl. Acids Res. 17 : 8392, 1989 ; Ruano et al., Nucl. Acids Res. 19, 6877-6882, 1991 ; WO93/22456 ; Turki et al.,
J. Clin. Invest. 95 : 1635-1641, 1995 )である。更に、複数の多型部位を、
複数の核酸領域を対立遺伝子特異プライマーのセットを用いて増幅することによ
り検査することができる。それはWallace et al. (WO89/10414)の報告にある。
【0143】 本発明のまた別の局面では、参照塩基配列に存在すると判明しているハプロタ
イプペアに関する情報を用いて、個体のIGERA ハプロタイプペアがそのIGERA 遺
伝子型から予測されている。最も広範囲にわたる実施例では、ハプロタイプ予測
法は、PS1-22から選択された二つまたはそれ以上の多型部位におけるその個体に
対するIGERA 遺伝子型を、同定すること、更に、その遺伝子型と矛盾しない全て
の可能なハプロタイプペアを列挙すること、更にまた、参照個体群で同定された
IGERA ハプロタイプペアデータにアクセスすること、更にまた、データと矛盾し
ないハプロタイプペアを個体に割り当てることから成る。一つの実施例において
は、参照ハプロタイプペアは、表4に示されるIGERA ハプロタイプペアを含む。
【0144】 一般的に、参照個体群は、世界の主たる土俗学的(ethonogeographic)集団を
代表する、無作為に選択された個体群から構成される必要がある。この方法で使
用されるに好ましい参照個体群は、約同等の数の白人、アフリカ系アメリカ人、
アジアおよびヒスパニック・ラテンアメリカ系の個体群集団から成り、それぞれ
のグループの最低数は必ず検分したいハプロタイプがどの程度稀有であるかに基
づいて決められた。例えば、参照個体群での発生頻度がp%でその個体群に存在
するハプロタイプを見逃さないq%の見込みを確保したいとすると、試料採集さ
れる必要がある個体数は2n=log(l-q)/log(l-p) の式で求められる(式中p及び
qは分数で表わされる)。
【0145】 好ましい参照個体群は、その頻度が99%の確率で少なくとも10%であるいかな
るハプロタイプの検出も可能であり、上記に列挙された4つの個体群のそれぞれ
から約20の無関係の個体を含むものである。特に好ましい参照個体群は、これら
4つの個体群グループの一つあるいはそれ以上を代表する三世代家族で、ハプロ
タイプ決定手順の品質を調べる対照群としての役に立つ。
【0146】 好ましい実施例では、それぞれの土俗学的集団のハプロタイプ頻度データが、
ハーディー・ワインベルグ平衡(Hardy-Weinberg equilibrium)と矛盾しないか
どうか決定するために考察されている。ハーディー・ワインベルグ平衡(D.L. H
artl et al., Principles of Population Genomics, Sinauer Associates (Sund
erland, MA), 3rdEd., 1997 )は、ハプロタイプペアを発見する頻度H1/H2 は、pH-W(H1/H2)=2p(H1)p(H2)if H1≠H2及びpH-W(H1/H 2 )=p(H1)p(H2)if H1=H2に等しいと仮定する。
【0147】 観察されたハプロタイプと期待されたハプロタイプ間の統計学的に有意な差異
は、個体群内の著しい近親交配、遺伝子に対する強力な自然淘汰圧力、試料の偏
り、及び/または遺伝子型化仮定における誤差含む、一つあるいはそれ以上の因
子によるものである。ハーディー・ワインベルグ平衡からの大きな偏差がある土
俗学的集団で観測された場合は、その集団の個体数を増やして、その偏差が試料
の偏りに依るものか否かを考察する。
【0148】 試料の大きさを変えても観察されたハプロタイプペア頻度と期待されたハプロ
タイプペア頻度間の差異が減少しない場合は、例えば、CLASPER SystemTMテクノ
ロジ(U.S. Patent No. 5,866,404)、SMD、あるいは対立遺伝子特異性広範囲PC
R (Michalotos-Beloin et al., Nucleic Acids Res. 24 : 4841-4843, 1996)の
ような直接ハプロタイプ化法を用いて、その個体をハプロタイプ化することを考
慮する。
【0149】 IGERA ハプロタイプペアを予測する、この方法の一つの実施例では、割り当て
に次の分析を含む。第一に、可能なハプロタイプペアがそれぞれ、参照個体群の
ハプロタイプペアと比較されている。一般的に、参照個体群のハプロタイプペア
の内の一つだけが、可能なハプロタイプペアと一致し、そのペアがその個体に割
り当てられる。時に、参照個体ハプロタイプペアのハプロタイプの一つだけが、
ある個体に対して可能なハプロタイプペアと一致することがあり、そのような場
合には、この既知のハプロタイプ、及び可能なハプロタイプペアからこの既知の
ハプロタイプを減じることにより得られる新しいハプロタイプを含むハプロタイ
プペアが、この個体に割り当てられる。
【0150】 稀な例では、参照個体群のハプロタイプのどちらも、可能なハプロタイプペア
と一致しない、あるいはまた、複数の参照ハプロタイプペアが、可能なハプロタ
イプペアと一致することがある。そのような場合、この個体を、好ましくは、例
えば、CLASPER SystemTMテクノロジ(U.S. Patent No. 5,866,404)、SMD、ある
いは対立遺伝子特異性長期PCR(Michalotos-Beloin et al., Nucleic Acids Res
. 24 : 4841-4843, 1996)のような直接分子ハプロタイプ化法を用いて、ハプロ
タイプ化するのが良い。
【0151】 本発明はまた、ある個体群におけるIGERA 遺伝子型あるいはIGERA ハプロタイ
プの頻度を決定する方法を呈している。この方法は、この個体群の各構成員に存
在するIGERA 遺伝子に対する遺伝子型あるいはハプロタイプペアを決定すること
(これらの遺伝子型あるいはハプロタイプは、そのIGERA 遺伝子内のPS1-22多型
部位の一つまたはそれ以上の部位で検出されるヌクレオチドペアあるいはヌクレ
オチドから成る)、その個体群においてある特殊な遺伝子型あるいはハプロタイ
プが見出される頻度を計算することの、二つから成る。この個体群は、参照個体
群、家族個体群、同性個体群、個体群グループ、形質個体群(例:医学的状況あ
るいは治療に対する応答のような、関心の持たれている形質を呈する固体の集団
)である。
【0152】 本発明のまた別の局面では、参照個体群に見出されるIGERA 遺伝子型及び/ま
たはハプロタイプに対する頻度データが、ある形質とIGERA 遺伝子型及び/また
はIGERA ハプロタイプ間の関係を同定する方法に使われている。この形質は、罹
病性あるいは治療への応答などを含む、任意の検出可能な表現型であるが、それ
らに限定されない。この方法は、参照個体群内、及びその形質を呈している個体
群内の関心の持たれている遺伝子型(群)あるいはハプロタイプ(群)の頻度に
関するデータ取得に関わるものである。
【0153】 参照個体群および形質個体群の一つあるいはその双方に対する頻度データは、
上記の方法の一つを使って、それらの個体群の個々の個体を遺伝子型化あるいは
ハプロタイプ化することにより、取得できる。その形質個体群のハプロタイプは
、直接的に決定されるか、あるいはまた、上記の、ハプロタイプに対する予測的
遺伝子型アプローチにより決定される。また別の実施例では、参照個体群および
/または形質個体群に対する頻度データは、以前に取得された頻度データにアク
セスすることにより、得られる。データは、書面あるいは電子形態で保存されて
いる。例えば、頻度データはコンピュータでアクセス可能なデータベースにある
かもしれない。
【0154】 頻度データが取得されると、参照個体群および/または形質個体群において、
関心の持たれている遺伝子型(群)あるいはハプロタイプ(群)の頻度が比較さ
れる。好ましい実施例では、対象個体群で観察された全ての遺伝子型(群)ある
いはハプロタイプ(群)の頻度が、比較されている。IGERA 遺伝子に対するある
特定の遺伝子型あるいはハプロタイプの頻度が、参照個体群においてより、形質
個体群において、統計学的に有意に高ければ、その形質はそのIGERA 遺伝子型あ
るいはハプロタイプに関連性があると予測される。好ましくは、形質および参照
個体群において比較されているIGERA 遺伝子型あるいはハプロタイプは、真遺伝
子型及び真ハプロタイプ、あるいはこれらの遺伝子型あるいはハプロタイプに由
来する副遺伝子型及び副ハプロタイプ(それぞれ表4及び表5に示されている)
から選択される。
【0155】 この方法の好ましい実施例では、関心の持たれている形質は、例えば、IGERA
を標的とする薬剤に対する応答あるいは医学的状態に対する治療に対する応答の
ような、ある治療に対して患者によって呈された臨床応答である。本件で使われ
ているように、「医学的状態」は、治療されることが望ましい、一つまたはそれ
以上の身体的及び/または心理的症状として発現されるいかなる状態あるいは疾
病を含むがそれらに限定されるものではなく、更に以前におよび新規に同定され
た疾病及びその他の障害をも含む。本件で使われているように、「臨床応答」と
いう用語は、次に示す項目の内の任意のものあるいは全てを意味する:応答の量
的測定、無応答、及び不利な応答(すなわち、副作用)。
【0156】 治療に対する臨床応答とIGERA 遺伝子型あるいはハプロタイプ間の相関関係を
推論するためには、治療を受けた固体の集団(以後「臨床個体群」と呼ぶ)によ
り呈された臨床応答に関するデータを取得することが必要である。この臨床デー
タは、既に行われた臨床試験の結果を分析することによって取得することができ
、及び/または、この臨床データは、一つまたはそれ以上の新規の臨床試験をデ
ザインし行うことによっても取得することができる。本件で使われているように
、「臨床試験」という用語は、ある特定の治療に対する応答に関する臨床データ
を収集すべくデザインされた任意の研究を意味し、第一相、第二相及び第三相の
臨床試験を含むがそれらに限定されない。患者個体群の定義、被験者の登録には
、標準的な方法が用いられている。
【0157】 好ましくは、臨床個体群に含まれている個体が、関心の持たれている医学的状
態の有無について既に等級づけされているのが良い。これは、患者によって呈示
されている症状が一つ以上の隠された状況によって引き起こされている可能性が
ある場合、及び隠された状況群の治療が同一でない場合に、重要である。このこ
との例は、例えば、喘息かあるいは呼吸器系の感染かに依る呼吸困難を患者が呈
している場合である。
【0158】 双方のセットが喘息用の薬物で治療されたとすれば、実際は喘息症状が無かっ
た明らかに無応答者の擬似集団が発生することになる。これらの人達は、ハプロ
タイプと治療結果間の相関関係検出能力に影響を及ぼすことになる。患者になる
可能性のある個体群に対する等級づけには、標準健康診断あるいは一、二回の臨
床検査を要する。または、患者に対する等級づけは、ハプロタイプペアと疾病罹
病率あるいは強度間に強い相関関係がある状況に対しては、ハプロタイプを使用
しても良い。
【0159】 関心の持たれている治療方法が臨床試験個体群の各々の個体に投与され、その
治療に対する各々の応答が、前もって定められた一つまたはそれ以上の基準を用
いて測定される。多くの場合、臨床試験個体群があらゆる応答を呈すること、更
に研究者があらゆる応答から成る応答者集団の数(例:低、中、高)を決めるこ
とが熟慮される。更に、臨床試験個体群の各々の個体に対するIGERA 遺伝子は、
遺伝子型化及び/またはハプロタイプ化されており、この処理は治療の前あるい
は後に行われる。
【0160】 臨床及び多型データの双方を取得した後、個体応答とIGERA 遺伝子型あるいは
ハプロタイプ内容間の相関が作製される。相関関係は、いくつかの方法で作製で
きる。一つの方法では、個体をIGERA 遺伝子型あるいはハプロタイプ(ハプロタ
イプペア)によりグループ化し(多型集団とも呼ばれている)、その後各々の多
型集団の構成員によって呈された臨床応答の平均及び標準偏差値を算出する。
【0161】 これらの結果は、その後分析され、多型集団間の臨床応答における観察された
分散が統計学的に有意であるか否かが判断される。使用できる統計学的分析法は
、以下に説明されている:L.D. Fisher and G. vanBelle,“Biostatistics : A
Methodology for the Health Sciences”, Wiley-Interscience(New York)199
3 。この分析法には、IGERA 遺伝子におけるどの多型部位が表現型における差異
に最も有意な影響を与えているかに関する回帰計算が含まれている。本発明にお
いて有用な一つの回帰モデルは、2000年6月26日に申請された「ハプロタイプデ
ータの入手及び使用方法(Methods for Obtaining and Using Haplotype Data)
」という名称のPCT 特許申請に説明されている。
【0162】 2000年6月26日に申請された「ハプロタイプデータの入手及び使用方法(Meth
ods for Obtaining and Using Haplotype Data)」という名称のPCT 特許申請に
説明されているように、相関関係は、分散分析(ANOVA )を用いて分析すること
もでき、臨床データにおけるどの程度の分散が、IGERA 遺伝子内の異なった多型
部位のサブセットによって説明されるかを決定する。ANOVA を使って、応答変数
が一つまたはそれ以上の特性(すなわち測定可能な変数)により引き起こされて
いるか、あるいはそれらと相関関係があるか否かという仮説を検定する(Fisher
and vanBelle、上記、10章)。
【0163】 上に説明された分析から、当業者は、臨床応答をIGERA 遺伝子型あるいはハプ
ロタイプ内容の関数として予測する数学的モデルを、容易に作製することができ
るであろう。好ましくは、このようなモデルは、そのモデルを検定するためにデ
ザインされた一つあるいはそれ以上のフォローアップ臨床試験において確証する
のが良い。
【0164】 臨床応答とIGERA 遺伝子の遺伝子型あるいはハプロタイプ(またはハプロタイ
プペア)間の関係の同定が、診断方法をデザインする上での基盤となる。これに
より、治療に応答するあるいは応答しない個体の識別ができ、または低レベルで
応答するので、高度の治療すなわち薬剤を多量に投与する必要のある個体を識別
することができる。診断方法には、いくつかの形態がある:直接DNA 検査(すな
わち、IGERA 遺伝子の多型部位の一つあるいはそれ以上を遺伝子型化あるいはハ
プロタイプ化すること)、血清学的検査、身体検査測定。唯一の要件は、診断検
査結果と、隠れたIGERA 遺伝子の遺伝子型あるいはハプロタイプ(同様に、これ
らはその臨床応答と相関関係にある)間に良好な相関関係があることである。好
ましい実施例では、この診断方法は、上に説明した予測的ハプロタイプ法を用い
ている。
【0165】 本発明の方法の実施に関わるいかなるあるいは全ての分析的及び数学的操作は
、コンピュータで実行可能である。加えて、コンピュータで、表示機器に表示さ
れたビュー(あるいは画面)を作製するプログラムを実行することができ、それ
によりユーザーはIGERA 遺伝子およびそのゲノム変異体に関する非常に多量の情
報を検分、分析する目的でインタラクトすることができる。この情報には、染色
体位置、遺伝子構造、遺伝子ファミリー、遺伝子発現データ、多型データ、遺伝
子塩基配列データ、及び個体群データ(例:一つあるいはそれ以上の個体群に対
する土俗学的起源、臨床応答、遺伝子型、およびハプロタイプに関するデータ)
が含まれる。
【0166】 本件で説明されているIGERA 多型データは、リレーショナルデータベースの一
部として保存してもよい(例:オラクルデータベースの一例、あるいはASCII フ
ラットファイルの一セット)。これらの多型データは、コンピュータのハードド
ライブに保存しても良く、あるいはまた、CD ROMあるいは一つまたはそれ以上の
コンピュータでアクセス可能なその他の記憶装置に保存されても良い。例えば、
これらのデータは、ネットワークで連結された一つまたはそれ以上のベータベー
スに保存してもよい。
【0167】 本発明の好ましい実施例が、次の例に説明されている。本件の特許請求の範囲
内のその他の実施例については、本件に開示されているように本発明の明細書及
び実施を考慮すれば、当業者には明白である。本発明の意図するところは、明細
書、実施例共に例に過ぎないということで、請求の範囲及び本発明の精神は、実
施例に続く特許請求に示されている。
【0168】 実施例 本件の実施例は、本発明を実行する様々な局面を例示する意図で記載されてお
り、本発明の範囲をいかようにも限定するものではない。これらの実施例には、
ゲノムDNA の単離、PCR 、及び配列手順を行う上での方法のような、利用された
従来の方法に関する詳細な説明は含まれていない。そのような方法は、当業者に
は、良く知られており、数多くの出版物に説明されている(例:Sambrook, Frit
sch, and Maniatis,“Molecular Cloning : A Laboratory Manual”, 2nd Editi
on, Cold Spring Harbor Laboratory Press, USA, (1989))。
【0169】 実施例1. この実施例は、多型部位探索を目的としたIGERA 遺伝子多様領域検査について
説明している。標的領域の増幅 次に示すIGERA 遺伝子の標的領域群は、下記に一覧表示されたPCR プライマペ
アを用いて増幅された。この標的領域群では、塩基配列は5′末端から3′末端
の方向に呈示され、ヌクレオチド位置は指示GenBank 登録番号に対応する各々の
領域に対して表示されている。
【0170】 登録番号:L14075 断片1 前方プライマー 605-627 AAGAAAAGCGTTGGTAGCTCTGG(配列番号:180) 後方プライマー 1424-1401 の相補配列 CACCCACAGTAAAGGTTCCTACCC(配列番号:181) PCR 産物 820 nt 断片2 前方プライマー 1033-1055 ATGCCTCTCTCTCACCAGATTCC(配列番号:182) 後方プライマー 1507-1485 の相補配列 CTTGCCTCTGCTTTCTAGCTTGG(配列番号:183) PCR 産物 475 nt
【0171】 断片3 前方プライマー 1047-1096 GGGATAGGGAGTGGAGTAAGTGG(配列番号:184) 後方プライマー 1617-1592 の相補配列 TCCTCTACCCTCATTACCTTGGTAGG(配列番号:185) PCR 産物 544 nt 断片4 前方プライマー 1605-1628 TGAGGGTAGAGGAGAGAAAGAAGC(配列番号:186) 後方プライマー 1995-1970 の相補配列 GAGGAGAGAATGACTTGAGAGAATGC(配列番号:187) PCR 産物 391 nt
【0172】 断片5 前方プライマー 2637-2658 CCTGTCTTTCTCCCTGTGTTGG(配列番号:188) 後方プライマー 3205-3183 の相補配列 CACTCTGGTGTCCTAACCCTTGG(配列番号:189) PCR 産物 569 nt 断片6 前方プライマー 2839-2862 TCTTCTTGAAGTCCCTCAGAAACC(配列番号:190) 後方プライマー 3353-3331 の相補配列 AGATGGGGTTTCACCATGTTAGC(配列番号:191) PCR 産物 515 nt
【0173】 断片7 前方プライマー 4645-4668 TGTTCCATGTATGGACTCATCAGG(配列番号:192) 後方プライマー 5218-5196 の相補配列 CTCTCTTCCTTCCCCTGCTATGG(配列番号:193) PCR 産物 574 nt 断片8 前方プライマー 4813-4834 GTTTCTGACACATGCTCTATGC(配列番号:194) 後方プライマー 5463-5443 の相補配列 TCTGTTATGCTTGGGTAGTGC(配列番号:195) PCR 産物 651 nt
【0174】 断片9 前方プライマー 6486-6507 GCACCAACAGAGCAACTCAACC(配列番号:196) 後方プライマー 7212-7187 の相補配列 CCAATCTAGAACTTCATGGTCCTTGC(配列番号:197) PCR 産物 727 nt 断片10 前方プライマー 6709-6730 TGTTGGTGGTGATTCTGTTTGC(配列番号:198) 後方プライマー 7359-7336 の相補配列 TCTTGAGACTGTCCCTGATTCTGC(配列番号:199) PCR 産物 651 nt
【0175】 これらのプライマーペアは、索引データ貯蔵の各々の構成要素に対する不死化
細胞ラインから単離されたゲノムDNA を含むポリメラーゼ連鎖反応法にて使われ
た。このポリメラーゼ連鎖反応法は、以下の条件で実施された:
【表3】
【0176】PCR 産物の配列決定 PCR 産物は、Whitehead Genome Center により開発されたプロトコルを用いて
、固相可逆固定化により清浄された。このプロトコルの詳細は、以下のウェブサ
イトにある: http://www.genome.wi.mit.edu/sequencing/protocols/pure/SPRI pcr.html。 簡潔に述べると、5μlのカルボキシル被膜磁気ビーズ(10mg/ml)及び60μ
lのHYB BUFFER(2.5M NaCl/20% PEG 8000)が、各々のPCR 反応混合物(20μ
l)に添加された。
【0177】 この反応混合物は、良く混合され、室温(RT)で10分間インキュベートされた
。マイクロタイタープレートは磁石上に2分間置かれ、ビーズは 150μlの70%
EtOH で二度洗浄された。ビーズは、2分間空気乾燥され、DNA は25μlの蒸留
水で溶出され、室温(RT)で5分間インキュベートされた。ビーズは磁気的に分
離され、上澄み液が検査および配列決定のために取り除かれた。 精製されたPCR 産物は、前記のPCR プライマーセットまたは5′末端から3′
末端へ表された下記のプライマーセットを用いて、双方の方向に配列決定された
【0178】 登録番号:L14075 断片1 前方プライマー 756-775 AGTTGGCACCCCAAAACAAG(配列番号:200) 後方プライマー 1299-1280 の相補配列 TGGCAGGAGCCATCTTCTTC(配列番号:201) 断片2 前方プライマー 1068-1087 GGAGGTGGGATAGGGAGTGG(配列番号:202) 後方プライマー 1471-1452 の相補配列 TCCCTGGGAAATGCCCAATA(配列番号:203)
【0179】 断片3 前方プライマー 1114-1133 CAGTTGGGCACCATCCTGAA(配列番号:204) 後方プライマー 1581-1561 の相補配列 TCTGGAAGATGCCAGAGCAAA(配列番号:205) 断片4 前方プライマー 1652-1673 CCTGAAAAGACGGTTGGTCCTT(配列番号:206) 後方プライマー 1942-1923 の相補配列 AGGCAAGGTGGAGAGGGAAA(配列番号:207)
【0180】 断片5 前方プライマー 2661-2680 GTTCCCTGGGGCACCAATAC(配列番号:208) 後方プライマー 3160-3140 の相補配列 TCAGATGAGCCATCCCTCACA(配列番号:209) 断片6 前方プライマー 2871-2892 CCTTGAACCCTCCATGGAATAG(配列番号:210) 後方プライマー 3246-3227 の相補配列 CAGCCAATGCAGGGGTCTTA(配列番号:211)
【0181】 断片7 前方プライマー 4685-4704 TGTGGCCCCAGACTGACTTT(配列番号:212) 後方プライマー 5152-5133 の相補配列 TGTTGAGGGGCTCAGACTCA(配列番号:213) 断片8 前方プライマー 4930-4950 TCTGCTGAGGTGGTGATGGAG(配列番号:214) 後方プライマー 5311-5292 の相補配列 CACCCAGGTCTCCTCATTGC(配列番号:215)
【0182】 断片9 前方プライマー 6541-6559 GGATGCCACATCACGCTAA(配列番号:216) 後方プライマー 7013-6992 の相補配列 CATGCCACTTAACCAGTTTCAC(配列番号:217) Fragment 10 前方プライマー 6791-6812 GAGAACCAGGAAAGGCTTCAGA(配列番号:218) 後方プライマー 7284-7265 の相補配列 TCCACCTCACTGGCATCCTC(配列番号:219)
【0183】多型部位の確認を目的とした塩基配列分析 塩基配列が、多型の存在の確認を目的として、ポリフレッドプログラム(Poly
hred program)(Nickerson et al., Nucleic Acids Res. 14 : 2745-2751, 1997
)を用いて、分析された。多型の存在は、双方の鎖上で確認された。多型および
IGERA 遺伝子内のその位置は、下記の第3表に一覧表示されている。
【0184】
【表4】
【0185】実施例2 . この実施例は、ヒトの遺伝子型及びハプロタイプを検出することを目的として
、索引データ貯蔵で同定されたIGERA 多型の分析を説明している。この参照個体
群で観察されたこれらの多型を含む異なった遺伝子型が、下記の第4表に表示さ
れている。この表のハプロタイプペアは、下記に説明されたハプロタイプ誘導プ
ロトコルを使って、その個体のために決定されたハプロタイプの組み合わせを表
わしている。第3表では、同型接合位置が一つのヌクレオチドにより、また異型
接合位置が二つのヌクレオチドにより、表示されている。第4表の所与の遺伝子
型において欠損しているヌクレオチドは、連鎖不平衡及び/またはメンデル遺伝
に基づいて、一般的に推測することが可能である。
【0186】
【表5】
【0187】
【表6】
【0188】 2000年4月19日に申請された、「多型収集からハプロタイプを決定する方法及
びシステム(A Method and System for Determining Haplotypes from a Collec
tion of Polymorphisms)」と題するアメリカ合衆国仮特許出願に説明されてい
るように、表4に表示されているハプロタイプは、相の非特定の遺伝子型から、
クラークのアルゴリズム(Clark, A.G. (1990) Mol Bio Evol 7, 111-122)を用
いて、推定されたものである。
【0189】 この方法においては、ハプロタイプは、全ての部位において同型接合であり可
変部位のわずか一箇所においてのみ異型接合である個体から、直接割り当てられ
ている。このハプロタイプのリストは、残りの(異型接合を乗ずる)個体群にお
ける相の非特定の遺伝子型群をデコンボルートするのに使われる。 このプロトコルに従うことにより、本件で検分された索引データ貯蔵が、転じ
て、一般個体群が、下記の第5表に表示されたIGERA ハプロタイプを20含んでい
ることが確認された。
【0190】
【表7】
【0191】 上記から考えて、将来的に、本発明の利点はいくつか達成され、その他の有利
な結果が到達されるであろう。 上記の方法および構成体には、本発明の範囲から逸脱することなく、多様な変
更を加えることが可能であるので、本件の意図するところは、上記の説明に含ま
れている及び付随する図に示されている全ての事柄は、説明として解釈されるべ
きであり、限定的な意味合いは無いということである。
【0192】 特許及び特許出願を含む、この明細書に引用されている全ての参照文献は、参
照されることにより、そのまま組み入れられている。本件で参照文献が論議され
ているのは、その著者による主張を要約するだけの意図であり、いかなる参照文
献も従来技術に貢献をしていることを認めるものではない。出願人が、引用参照
文献の精度及び妥当性を問題にする権利を所有する。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、IGERA 遺伝子に対する参照塩基配列(Genbank ヴァージョン番号L140
75;連続線;配列番号:1)を図解しており、コード化塩基配列の各々の領域の
開始及び終止位置はその塩基配列の下のカッコ内の番号で示されており、参照個
体群における志願者に同定される多型部位及び多型はその塩基配列内の多型部位
の下に位置する変異体ヌクレオチドによって示されている。
【図2】 図2は、IGERA コード化塩基配列に対する参照塩基配列(連続線;配列番号:
2)を図解しており、参照個体群における志願者に同定された多型部位及び多型
はその塩基配列内の多型部位の下に位置する変異体ヌクレオチドによって示され
ている。
【図3】 図3は、IGERA 蛋白質に対する参照アミノ酸配列(連続線;配列番号:3)を
図解しており、図2の多型によって生じた変異体アミノ酸はその配列内の多型部
位の下に示されている。下記の参照配列に表されている感嘆符は、図2の多型に
より導入された終止コドンを表わす。
【手続補正書】
【提出日】平成14年3月12日(2002.3.12)
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1A
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図1A】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図2】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図3】
【手続補正書】
【提出日】平成14年4月18日(2002.4.18)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12Q 1/68 G01N 33/50 Z G01N 33/15 33/53 M 33/50 33/566 33/53 C12N 15/00 A 33/566 X (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 デューダ,エイミー アメリカ合衆国,コネチカット 06515, ニュー ヘブン,マーベル ロード 93 (72)発明者 クリーム,ステファニー イー. アメリカ合衆国,コネチカット 06473, ノース ヘブン,ハートフォード ターン パイク 1298 (72)発明者 ランズ,エリザベス エム. アメリカ合衆国,コネチカット 06511, ニュー ヘブン,ナンバー 54,パーク ストリート 111 (72)発明者 ナンダバラン,クリッシュナン アメリカ合衆国,コネチカット 06437, ギルフォード,ビレッジ ポンド ロード 228 (72)発明者 スティーブンス,ジョエル クレイボーン アメリカ合衆国,コネチカット 06437, ギルフォード,クラブアップル レーン 46 Fターム(参考) 2G045 AA40 DA12 DA13 DA14 FB02 4B024 AA01 AA11 BA63 CA01 CA09 CA11 DA02 HA12 4B063 QA01 QA17 QA18 QQ42 QQ52 QR08 QR42 QR55 QR62 QS25 QS31 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 CA40 DA50 DA76 EA20 EA50 FA72 FA74

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の群から選択された一つのヌクレオチド塩基配列を含む
    単離されたポリヌクレオチド: (a)免疫グロブリンE受容体IAlpha サブユニット(IGERA )遺伝子または
    その断片についての参照塩基配列の多型変異体である第一のヌクレオチド配列、
    ここで、前記参照塩基配列は配列番号:1を含んで成り、前記多型変異体が少な
    くとも以下から成る群から選択される一つの多型を含む:PS1 におけるグアニン
    、PS2 におけるシトシン、PS3 におけるシトシン、PS4 におけるチミン、PS5 に
    おけるアデニン、PS6 におけるシトシン、PS7 におけるアデニン、PS8 における
    チミン、PS9 におけるグアニン、PS10におけるグアニン、PS11におけるアデニン
    、PS12におけるシトシン、PS13におけるアデニン、PS14におけるアデニン、PS15
    におけるアデニン、PS16におけるチミン、PS17におけるチミン、PS18におけるシ
    トシン、PS19におけるアデニン、PS20におけるシトシン、PS21におけるグアニン
    、PS22におけるアデニン;並びに (b)第一のヌクレオチド塩基配列に相補的である第二のヌクレオチド塩基配
    列。
  2. 【請求項2】 IGERA 同質遺伝子(isogene)から成る請求項1に記載の単離
    されたポリヌクレオチド。
  3. 【請求項3】 DNA 分子であり、そして第一のヌクレオチド塩基配列及び第
    二のヌクレオチド塩基配列の双方を含んで成り、更に第一のヌクレオチド塩基配
    列に使用可能に連結された発現制御要素を含んで成る請求項1に記載の単離ポリ
    ヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチドにより形質転
    換または形質移入されており、そして第一のヌクレオチド塩基配列によりコード
    されたIGERA 蛋白質を発現する生物体。
  5. 【請求項5】 ヒト以外のトランスジェニック動物である請求項4に記載の
    組換え生物体。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチドで、第一のヌ
    クレオチド塩基配列がIGERA 遺伝子の断片の多型変異体で、その断片が以下から
    成る群から選択された一つまたはそれ以上の多型から成るもの:PS1 におけるグ
    アニン、PS2 におけるシトシン、PS3 におけるシトシン、PS4 におけるチミン、
    PS5 におけるアデニン、PS6 におけるシトシン、PS7 におけるアデニン、PS8 に
    おけるチミン、PS9 におけるグアニン、PS10におけるグアニン、PS11におけるア
    デニン、PS12におけるシトシン、PS13におけるアデニン、PS14におけるアデニン
    、PS15におけるアデニン、PS16におけるチミン、PS17におけるチミン、PS18にお
    けるシトシン、PS19におけるアデニン、PS20におけるシトシン、PS21におけるグ
    アニン、PS22におけるアデニン。
  7. 【請求項7】 IGERA cDNAあるいはその断片についての参照塩基配列の多型
    変異体であるヌクレオチド塩基配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチドで
    、その参照塩基配列が配列番号:2を含んで成りその多型変異体が以下から成る
    群から選択された少なくとも一つの多型を含んで成るもの:ヌクレオチド251 に
    対応する位置におけるグアニン、ヌクレオチド302 に対応する位置におけるアデ
    ニン、ヌクレオチド530 に対応する位置におけるチミン、及びヌクレオチド471
    に対応する位置におけるアデニン。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の単離されたポリヌクレオチドにより形質転
    換または形質移入された組換え生物体で、その生物体が多型変異体塩基配列によ
    りコードされた免疫グロブリンE受容体IAlpha サブユニット(IGERA)蛋白質を
    発現するもの。
  9. 【請求項9】 ヒト以外の遺伝子導入動物である請求項8に記載の組換え生
    物体。
  10. 【請求項10】 IGERA 蛋白質あるいはその断片についての参照アミノ酸配
    列の多型変異体であるアミノ酸配列を含んで成る単離されたポリペプチドで、そ
    の参照アミノ酸配列が配列番号:3を含んで成り、その多型変異体が、アミノ酸
    84位に対応する位置におけるアルギニン、アミノ酸 101位に対応する位置におけ
    るアスパラギン、アミノ酸 177位に対応する位置におけるメチオニン、アミノ酸
    247位に対応する位置におけるリジンから成る群から選択された少なくとも一つ
    のアミノ酸を有するもの。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の単離されたポリペプチドに対して特異的
    に反応し、其れに対して免疫反応性を持つ単離された抗体。
  12. 【請求項12】 IGERA 多型変異体を候補薬剤に接触させ結合活性度を測定
    する、請求項10に記載の単離されたポリペプチドを標的とした薬剤のスクリーニ
    ング方法。
  13. 【請求項13】 PS1〜22 から選択された多型部位に存在する免疫グロブリ
    ンE受容体IAlpha サブユニット(IGERA )遺伝子における多型を検出する、少
    なくとも一つの遺伝子型化ヌクレオチドを含んで成る組成物。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の組成物で、遺伝子型決定ヌクレオチドが
    、その多型部位を含む領域においてIGERA 遺伝子の対立遺伝子に対して特異的に
    ハイブリダイゼーションする対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドであるもの。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の組成物で、対立遺伝子特異的オリゴヌク
    レオチドが、配列番号:4〜47、配列番号:4〜47の相補配列、及び配列番号:
    48〜135 から成る群から選択されたヌクレオチド塩基配列から成るもの。
  16. 【請求項16】 請求項13に記載の組成物で、遺伝子型決定ヌクレオチドが
    、プライマー伸張オリゴヌクレオチドであるもの。
  17. 【請求項17】 個体に存在するIGERA 遺伝子の二つのコピーについて、PS
    1〜22 から選択された一つまたはそれ以上の多型部位(PS)におけるヌクレオチ
    ドペアを決定することを含んで成る、個体の免疫グロブリンE受容体IAlpha サ
    ブユニット(IGERA )の遺伝子型を決定する方法。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の方法で、決定ステップが以下の項目を含
    んでなるもの: (a)個体から、その個体に存在するIGERA 遺伝子あるいはその断片の二つの
    コピーを含んで成る核酸混合物を単離するステップ; (b)その核酸混合物から、少なくとも一つの多型部位を含む標的領域を増幅
    するステップ; (c)プライマー伸張オリゴヌクレオチドをその増幅標的領域の一つの対立遺
    伝子に対してハイブリダイゼーションさせるステップ; (d)核酸テンプレート依存性プライマー伸張反応を、ハイブリダイゼーショ
    ンされた遺伝子型決定オリゴヌクレオチド上で、少なくとも二つの異なった反応
    ターミネーターが存在する状態で行うステップで、前記ターミネーターが、その
    多型部位に存在する択一的ヌクレオチドに対して相補的であるもの;及び (e)伸張遺伝子型化オリゴヌクレオチド内のターミネーターの存在とその同
    定をするステップ。
  19. 【請求項19】 ある個体に存在するIGERA 遺伝子の一つのコピーについて
    、PS1〜22から選択された一つあるいはそれ以上の多型部位(PS)におけるヌク
    レオチドを決定することを含んで成る、個体の免疫グロブリンE受容体IAlpha
    サブユニット(IGERA )遺伝子をハプロタイプ化する方法。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載の方法で、決定ステップが以下の項目を含
    むもの: (a)個体から、その個体に存在するIGERA 遺伝子あるいはその断片の二つの
    コピーの一つのみから成る核酸分子を単離するステップ; (b)その核酸分子から、少なくとも一つの多型部位を含む標的領域を増幅す
    るステップ; (c)プライマー伸張オリゴヌクレオチドをその増幅標的領域の一つの対立遺
    伝子に対してハイブリダイゼーションさせるステップ; (d)核酸テンプレート依存性プライマー伸張反応を、ハイブリダイゼーショ
    ンされた遺伝子型決定オリゴヌクレオチド上で、少なくとも二つの異なった反応
    ターミネーターが存在する状態で行うステップで、前記ターミネーターが、その
    多型部位に存在する択一的ヌクレオチドに対して相補的であるもの;及び (e)伸張遺伝子型化オリゴヌクレオチド内のターミネーターの存在とその同
    定をするステップ。
  21. 【請求項21】 ある個体の免疫グロブリンE受容体IAlpha サブユニット
    (IGERA )遺伝子に対するハプロタイプペアを予測する方法で、以下のステップ
    を含んでなるもの: (a)PS1〜22 から選択された二つあるいはそれ以上の多型部位における、そ
    の個体に対するIGERA 遺伝子型を同定するステップ; (b)その遺伝子型と矛盾しない全ての可能なハプロタイプペアを列記するス
    テップ; (c)参照個体群において決定されたIGERA ハプロタイプペアを含むデータに
    アクセスするステップ;及び (d)その個体に対して、データと矛盾しないハプロタイプペアを割り当てる
    ステップ。
  22. 【請求項22】 ある形質と免疫グロブリンE受容体IAlpha サブユニット
    (IGERA )遺伝子の少なくともひとつの遺伝子型あるいはハプロタイプ間の関連
    性を同定する方法で、その形質を呈しているある個体群の遺伝子型あるいはハプ
    ロタイプの頻度を参照個体群の遺伝子型あるいはハプロタイプの頻度と比較する
    ことを含んで成り、遺伝子型あるいはハプロタイプは PS1〜22から選択された一
    つまたはそれ以上の多型部位に位置するヌクレオチドペアあるいはヌクレオチド
    を含んで成り、参照個体群に比べて形質個体群における遺伝子型あるいはハプロ
    タイプの頻度がより高い場合に、その形質が遺伝子型あるいはハプロタイプに関
    連性があることになるもの。
  23. 【請求項23】 請求項22に記載の方法で、ハプロタイプが表5に表示され
    ているハプロタイプ番号1〜20から選択されているもの。
  24. 【請求項24】 請求項23に記載の方法で、形質が、IGERA を標的とした薬
    剤に対する臨床応答であるもの。
  25. 【請求項25】 免疫グロブリンE受容体IAlpha サブユニット遺伝子に対
    する多型データを保存または分析するコンピュータシステムで、以下の項目を含
    んでなるもの: (a)中央処理装置(CPU); (b)コミュニケーションインターフェース; (c)表示装置; (d)入力装置;及び (e)多型データを含むデータベース; 更に、多型データが、表4に表示されている遺伝子型及びハプロタイプ、及び
    表5に表示されているハプロタイプから成るもの。
  26. 【請求項26】 表5に表示されているハプロタイプ1〜20によって定義さ
    れるIGERA 同質遺伝子から成る、免疫グロブリンE受容体IAlpha サブユニット
    遺伝子に対するゲノム集。
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