【発明の詳細な説明】
皮膚シワを調節するために環状ポリアニオン系ポリオール誘導体を用いる方法
技術分野
本発明は老化皮膚の治療分野に関する。特に、本発明は哺乳動物皮膚でシワを
消す、減少させる及び/又は防止するためにある化合物を用いる新規方法に関す
る。
発明の背景
皮膚は多くの外来(環境)因子と内在(老化)因子による攻撃をうけやすい。
一般的な外来因子は紫外線への暴露である。外来でも又は内在であっても、その
攻撃で皮膚にシワを生じる。多くの人々にとり、皮膚シワは若さの消失のしるし
である。結果として、シワの除去はユース・コンシャス(youth-conscious)社会
でブームのビジネスになってきている。治療は化粧クリーム及びモイスチャライ
ザーから様々な形の美容手術までにわたる。
年齢的老化は皮膚の薄化と一般的退化を起こす。皮膚が自然に老化すると、皮
膚に供給する細胞及び血管の減少がある。真皮‐表皮結合の単調化もあって、こ
の結合の機械的強度を弱める。結果として、老人は機械的外傷又は疾患プロセス
の場合で水疱形成をより起こしやすい(Oikarinen,″The Aging of Skin:Chronoa
ging Versus Photoaging″(皮膚の老化:年齢的老化対光老化),Photodermatol
.Photoimmunol.Photomed.,Vol.7,pp.3-4(1990)参照)。
本発明の目的は、哺乳動物皮膚で皮膚シワ及び/又は萎縮を調節するための方
法を提供することである。本発明の別な目的は、哺乳動物皮膚で皮膚シワを調節
するための局所組成物を提供することである。
発明の要旨
本発明は、安全有効量の下記構造を有する環状ポリアニオン系ポリオール誘導
体:
(上記式中nは1〜3の整数であり、各Xは独立してOSO3 -、OPO3 2ーSO3
、PO3 2、CO2及びOHからなる群より選択される)を含んでなる組成物を治
療の必要な哺乳動物の皮膚に局所適用することからなる、哺乳動物皮膚で皮膚シ
ワ及び/又は萎縮を調節するための方法に関する。少くとも3つのXはOH以外
である。組成物は、ポリオール誘導体の電荷とバランスを保つために、適量の薬
学上許容されるカチオンも含有している。このようなカチオンの例には(限定さ
れないが)H+、Na+、K+、Ca++、Mg++、Al2(OH)5 +、NH4 +、(H
OCH2CH2)3NH+、(CH3CH2)3NH+、HOCH2(CH3)2CNH3 +
、(HOCH2)3CNH3 +、CH3(HOCH2)2CNH3 +、CH3CH2(HO
CH2)2CNH3 +、(CH3CH2)4N+、C16H33(CH3)3N+、(N‐C16
H33)C5H4N+及びそれらの混合物がある。
発明の具体的な説明
本明細書で用いられる“局所適用”とは、外皮膚上に直接つける又は塗布する
ことを意味する。
本明細書で用いられる“薬学(製薬)上許容される”とは、その用語が表す塩
、薬物、薬剤又は不活性成分が、妥当な利益/危険比で釣り合い、過度の毒性、
不適合性、不安定性、刺激、アレルギー反応等なしに、ヒト及びそれより下等の
動
物の組織と接触させる使用に適していることを意味する。
本明細書で用いられる“安全有効量”とは、健全な医学的判断の範囲内で(妥
当な利益/危険比で)、治療される症状について改善を有意に誘導する上で十分
だが、但し重大な副作用を避ける上で十分に低い化合物又は組成物の量を意味す
る。化合物又は組成物の安全有効量は治療される具体的症状、治療される患者の
年齢及び身体条件、症状の重篤度、治療期間、併用療法の性質、用いられる具体
的化合物又は組成物、利用される具体的な薬学上許容されるキャリアと、担当医
の知識及び熟練に属する類似ファクターに応じて変わる。
本明細書で用いられる“抗シワ剤”とは、下記のような環状ポリアニオン系ポ
リオール誘導体又はその薬学上許容される塩を意味する。
本明細書で用いられる“シワを調節する”とは、哺乳動物皮膚でシワ形成のプ
ロセスを防止、遅延化、阻止又は逆転すること、あるいはシワの出現及び/又は
大きを減少させることを意味する。シワの調節に普通付随する他の効果は、皮膚
への滑らかな感触及び/又は改善されたテクスチャー付与である。
本明細書で用いられる“萎縮を調節する”とは、哺乳動物皮膚で萎縮プロセス
を防止、遅延化、阻止又は逆転することを意味する。
本明細書で用いられるすべてのパーセンテージは、他で指摘されないかぎり重
量による。活性剤
本発明は、安全有効量の下記構造を有する環状ポリアニオン系ポリオール誘導
体:
(上記式中nは1、2又は3であり、各Xは独立してOSO3 -、OPO3 2-、S
O3 -、PO3 2-、CO2 -及びOHからなる群より選択される)を皮膚に局所適用
することからなる、哺乳動物皮膚でシワ及び/又は萎縮を調節するための方法に
関する。少くとも3つのX、更に好ましくは少くとも4つのX、更に一層好まし
くは少くとも5つのX、最も好ましくは6つのXはOH以外である。nが1又は
2であるとき、すべてのXはOH以外であることが好ましい。OH以外であるす
べてのXは同一であることが好ましい。
活性剤は、電荷のバランスを保つために、適量の薬学上許容されるカチオンで
中和される。カチオンは(限定されないが)H+、Na+、K+、Ca++、Mg++
、Al2(OH)5 +、NH4 +、(HOCH2CH2)3NH+、(CH3CH2)3NH+
、HOCH2(CH3)2CNH3 +、(HOCH2)3CNH3 +、CH3(HOCH2
)2CNH3 +、CH3CH2(HOCH2)2CNH3 +、(CH3CH2)4N+、C16
H33(CH3)3N+、(N‐C16H33)C5H4N+及びそれらの混合物を含めた群
から選択される。
好ましいnは1又は2であり、更に好ましいnは2である。
好ましいXはOSO3又はOPO3 2であり、更に好ましいXは
OPO3 2-である。すべての非OHであるXは同一であることが好ましい。
好ましいカチオンはH+、Na+、K+、NH4 +、(HOCH2CH2)3NH+、
HOCH2(CH3)2CNH3 +、(HOCH2)3CNH3 +、CH3(HOCH2)2
CNH3 +又はそれらの混合物であり、更に好ましくはH+、Na+、NH4 +HOC
H2(CH3)2CNH3 +、(HOCH2)3CNH3 +、CH3(HOCH2)2CNH3 +
又はそれらの混合物である。
本発明の好ましい活性剤には以下がある:
下記構造を有する1,2,3,4,5,6‐シクロヘキサンヘキサールリン酸
(シロ、ミオ又は他のイノシトールヘキサキスリン酸誘導体):
ミオイノシトールヘキサキスホスフェート、カルシウム塩
ミオイノシトールヘキサキスホスフェート、二マグネシウム塩四カリウム塩
ミオイノシトールヘキサキスホスフェート、マグネシウム塩カリウム塩
ミオイノシトールヘキサキスホスフェート、二カリウム塩
ミオイノシトールヘキサキスホスフェート、一カリウム塩
ミオイノシトールヘキサキスホスフェート、十二ナトリウム塩
ミオイノシトールヘキサキスホスフェート、トリエタノールアミン塩
ミオイノシトールヘキサキスホスフェート、アンモニウム塩
ミオイノシトールヘキサキスホスフェート、セチルピリジニウム塩
ミオイノシトールヘキサキスホスフェート、セチルトリメチルアンモニウム塩
ミオイノシトール‐1,3,4,5,6‐ペンタキスホスフェート、アンモニウ
ム塩
ミオイノシトール‐1,2,5,6‐テトラキスホスフェート、アンモニウム塩
ミオイノシトール‐1,3,4,5‐テトラキスホスフェート、アンモニウム塩
ミオイノシトール‐1,3,4,6‐テトラキスホスフェート、アンモニウム塩
ミオイノシトール‐3,4,5,6‐テトラキスホスフェート、アンモニウム塩
ミオイノシトール‐1,4,5‐トリスホスフェート、カリウム塩
ミオイノシトール‐1,3,4‐トリスホスフェート、アンモニウム塩
ミオイノシトール‐1,5,6‐トリスホスフェート、アンモニウム塩
ミオイノシトール‐2,4,5‐トリスホスフェート、アンモニウム塩
下記構造を有する1,2,3,4,5,6‐シクロヘキサンヘキソール硫酸(
シロ、ミオ又は他のイノシトールヘキサキス硫酸誘導体):
ミオイノシトールヘキサキスサルフェート、ナトリウム塩
ミオイノシトールヘキサキスサルフェート、六ナトリウム塩
ミオイノシトールヘキサキスサルフェート、カリウム塩
ミオイノシトールヘキサキスサルフェート、六カリウム塩
ミオイノシトールヘキサキスサルフェート、アンモニウム塩
ミオイノシトールヘキサキスサルフェート、トリエタノールアミン塩
ミオイノシトールヘキサキスサルフェート、セチルピリジニウム塩
ミオイノシトールヘキサキスサルフェート、セチルトリメチルアンモニウム塩
ミオイノシトールペンタキスサルフェート
ミオイノシトールテトラキスサルフェート
ミオイノシトールトリサルフェート
ミオイノシトール‐1,2,3‐トリスサルフェート‐4,5,6‐トリスホス
フェート
下記構造を有する1,2,3,4,5,6‐シクロヘキサンヘキサホスホン酸
:
下記構造を有する1,2,3,4,5,6‐シクロヘキサンヘキサスルホン酸
:
下記構造を有する1,2,3,4,5,6‐シクロヘキサンヘキサカルボン酸
:
下記構造を有する1,2,3,4,5‐シクロペンタンペンタール硫酸:
下記構造を有する1,2,3,4,5‐シクロペンタンペンタール硫酸:
下記構造を有する1,2,3,4,5‐シクロペンタンペンタールリン酸:
下記構造を有する1,2,3,4,5,6,7‐シクロヘプタンヘプタール硫
酸:
下記構造を有する1,2,3,4,5,6,7‐シクロヘプタンヘプタールリ
ン酸:
更に好ましい活性剤には、ミオイノシトールヘキサキスリン酸、ミオイノシト
ールヘキサキス硫酸及びミオイノシトール‐1,2,3‐トリスサルフェート‐
4,5,6‐トリスホスフェートがある。更に一層好ましい活性剤には、ミオイ
ノシトールヘキサキスリン酸及びミオイノシトールヘキサキス硫酸がある。最も
好ましい活性剤は、ミオイノシトールヘキサキスリン酸である。
皮膚中への本化合物の好ましいデリバリー様式は受動拡散及び陰極イオン導入
(アニオンを皮膚中に動かすような極性を有するパルス又は連続いずれかの電場
の適用)であり、更に好ましいのは受動拡散である。医薬組成物
本発明の方法は好ましくは哺乳動物皮膚への組成物の局所適用からなり、その
組成物は上記のような活性抗シワ剤又は活性抗シワ剤の混合物と製薬上許容され
る局所キャリアとを含んでいる。
本明細書で用いられる“製薬上許容される局所キャリア”という用語は、ヒト
又はそれより下等の動物への局所投与に適した1種以上の適合性固体又は液体フ
ィラー希釈物を意味する。製薬上許容される局所キャリアは、治療されるヒト又
はそれより下等の動物への局所投与にそれらを適させるほど十分に高純度でかつ
十分に低毒性でなければならない。キャリアの安全有効量は、好ましくは組成物
の約50〜約99.99%、更に好ましくは約90〜約99%である。
これらキャリアの処方におけるバリエーションから、本発明の範囲内に属する
様々な製品がある。局所組成物
本発明で有用な局所組成物は、様々な製品タイプにしてよい。これらにはロー
ション、クリーム、ビーチオイル、ゲル、スティック、スプレー、軟膏、ペース
ト、ムース及び化粧品があるが、それらに限定されない。これらの製品タイプに
は、限定されないが、溶液、エマルジョン、ゲル及び固形品を含めたいくつかの
タイプのキャリア系を含む。
溶液として処方された本発明で有用な局所組成物は、典型的には製薬上許容さ
れる水性又は有機溶媒を含有している。“製薬上許容される水性溶媒”及び“製
薬上許容される有機溶媒”という用語は、その中に抗シワ剤を分散又は溶解させ
ることができて許容される安全性(例えば、刺激及び感作特性)を有した溶媒に
関する。水が好ましい溶媒である。適切な有機溶媒の例には、プロピレングリコ
ール、ポリエチレングリコール(200〜600)、ポリプロピレングリコール
(425〜2025)、グリセロール、1,2,4‐ブタントリオール、ジメチ
ルイソソルビド、ソルビトールエステル、1,2,6‐ヘキサントリオール、エ
タノール、イソプロパノール、ブタンジオール、ジメチルイソソルビド、ブチレ
ングリコールモノエチルエーテル及びそれらの混合物がある。本発明で有用なこ
れらの溶液は、好ましくは約0.001〜約20%、更に好ましくは約0.1〜
約10%、更に一層好ましくは約0.5〜約5%、また好ましくは約1〜約4%
の抗シワ剤と、好ましくは約80〜約99.99%、更に好ましくは約90〜約
99.9%の許容される水性又は有機溶媒を含有している。
本発明の局所組成物は、好ましくは1重量%以下、更に好ましくは0.5%以
下、しかも好ましくは0.1%以下の塩素イオンを含む。本組成物は、好ましく
は炭酸イオンを実質上含まない。本組成物は、好ましくは0.1%以上、更に好
ましくは0.3%以上、しかも好ましくは0.5%以上の硫酸イオンを含む。本
組成物は、好ましくは0.1%以上、更に好ましくは0.3%以上、しかも好ま
しくは0.5%以上の無機リン酸を含む。本組成物は、好ましくは0.1%以上
、更に好ましくは0.3%以上、しかも好ましくは0.5%以上の硫酸イオン及
び無機リン酸の組合せを含む。
本発明で有用な局所組成物がエアゾールとして処方され、スプレーオン(spray
-on)として皮膚に適用されるときは、噴射剤が溶液組成物に加えられる。
本発明で有用な噴射剤の例には塩素化、フッ素化及びクロロフッ素化低分子量炭
化水素があるが、それらに限定されない。本発明で有用な噴射剤の更に詳細な開
示はSagarin,Cosmetics Science and Technology,2nd Edition,Vol.2,pp.443-46
5(1972)でみられる。
本発明で有用な局所組成物は、皮膚軟化剤を含む溶液として処方してもよい。
こうして処方される組成物の例はビーチオイル製品である。このような組成物は
、好ましくは約2〜約50%の局所用の製薬上許容される皮膚軟化剤を含有して
いる。
本発明で用いられる“皮膚軟化剤”とは、乾燥の防止又は軽減と皮膚の保護の
ために用いられる物質に関する。様々な適切な皮膚軟化剤が知られており、本発
明で用いてよい。参考のため本明細書に組み込まれるSagarin,Cosmetics Scienc
e and Technology,2nd Edition,Vol.1,pp.32-43(1972)には、適切な物質の多く
の例を含んでいる。
ローションも溶液キャリア系から製造できる。ローションは、典型的には約1
〜約20%、好ましくは約5〜約10%の皮膚軟化剤と、約50〜約90%、好
ましくは約60〜約80%の水を含む。
溶液キャリア系から処方してよいもう1つのタイプの製品はクリームである。
クリームは、典型的には約5〜約50%、好ましくは約10〜約20%の皮膚軟
化剤と、約45〜約85%、好ましくは約50〜約75%の水を含む。
溶液キャリア系から処方してよい更にもう1つのタイプの製品は軟膏である。
軟膏は動物又は植物油又は半固体炭化水素(油性)の単純基剤を含んでもよい。
軟膏は水を吸収してエマルジョンを形成する吸収軟膏基剤も含んでよい。軟膏キ
ャリアは水溶性であってもよい。軟膏は約2〜約10%の皮膚軟化剤+約0.1
〜約2%の増粘剤も含んでよい。本発明で有用な増粘剤の更に詳細な開示はSaga
rin,Cosmetics Science and Technology,2nd Edition,Vol.1,pp.72-73(1972)
でみられる。
キャリアがエマルジョンとして処方されるならば、好ましくはキャリア系の約
1〜約10%、更に好ましくは約2〜約5%は乳化剤である。乳化剤はノニオン
系、アニオン系又はカチオン系である。適切な乳化剤は、例えば1973年8月
28日付で発行されたDickertらの米国特許第3,755,560号;1983
年12月20日付で発行されたDixonらの米国特許第4,421,769号明細
書;及びMcCutcheon′s Detergents and Emulsifiers,North American Edition,
pages 317-324(1986)で開示されており、それらの開示は参考のため本明細書に
組み込まれる。好ましい乳化剤はアニオン系又はノニオン系であるが、他のタイ
プも用いてよい。
ローション及びクリームはエマルジョン及び溶液として処方できる。典型的に
は、このようなローションは約1〜約20%、好ましくは約5〜約10%の皮膚
軟化剤、約25〜約75%、好ましくは約45〜約95%の水と、約0.1〜約
10%、好ましくは約0.5〜約5%の乳化剤を含む。このようなクリームは、
典型的には約1〜約20%、好ましくは約5〜約10%の皮膚軟化剤、約20〜
約80%、好ましくは約30〜約70%の水と、約1〜約10%、好ましくは約
2〜約5%の乳化剤を含む。
水中油型及び油中水型のローション及びクリームのようなシングルエマルジョ
ンスキンケア製剤は化粧品業界で周知であり、本発明に有用である。参考のため
本明細書に組み込まれる1981年3月3日付で発行されたFakudaらの米国特許
第4,254,105号明細書で開示されたような水中油中水型のような多相エ
マルジョン組成物も本発明で有用である。一般的に、このようなシングル又は多
相エマルジョンは必須成分として水、皮膚軟化剤及び乳化剤を含有している。1
990年10月2日付で発行されたFigueroaの米国特許第4,960,764号
明細書で開示されたようなシリコーン流体中水中油型エマルジョン組成物を含
むトリプルエマルジョンキャリア系も本発明で有用である。
局所組成物で有用なもう1つのエマルジョンキャリア系はマイクロエマルジョ
ンキャリア系である。このような系は約9〜約15%のスクアラン、約25〜約
40%のシリコーン油、約8〜約20%の脂肪アルコール、約15〜約30%の
ポリオキシエチレンソルビタンモノ脂肪酸(商品名ツィーンとして市販)又は他
のノニオン類及び約7〜約20%の水を含む。
リポソーム処方物も本発明の有用な組成物である。このような組成物は、参考
のため本明細書に組み込まれるMezei & Gulasekharam,″Liposomes - A Select
ive Drug Delivery System for the Topical Route OfAdministration:Gel Dosa
ge Form″(リポソーム‐局所投与経路用の選択的薬物デリバリー系:ゲル剤形),
Journal of Pharmaceutics and Pharmacology,Vol,34(1982),pp.473-474で記載
された方法又はその修正法に従い、最初に抗シワ剤を水中で混合し、その後この
溶液をジパルミトイルホスファチジルコリン及びコレステロールのようなリン脂
質又はリン脂質/脂質混合物と混合することにより製造できる。リポソームを形
成する上で適した組成物のノニオン系界面活性剤又は表皮脂質は、リン脂質に代
えてもよい。次いでリポソーム調製物は、リポソーム処方物を作るために、上記
局所キャリア系(例えば、ゲル又は水中油型エマルジョン)の1つの中に配合さ
れる。局所適用リポソームの他の組成及び薬学的用途は、参考のため本明細書に
組み込まれるMezei,M.,″Liposomes as a Skin Drug Delivery System″(皮膚薬
物デリバリー系としてのリポソーム),Topics in Pharmaceutical Sciences(D.D.
Breimer and P.Speiser,eds.),Elsevier Science Publishers B.V.,New York,NY
,1985,pp.345-358で記載されている。参考のため本明細書に組み込まれるSzoka
& Papahadjopoulos,″Procedure for Preparation of Liposomes with Large In
ternal Aqueous Space and High Capture by Reverse-Phase Evaporation″(大
きな内部水性スペースを有するリ
ポソームの製造操作と逆相蒸発による高捕捉),Proceeding of the National Ac
ademy of Sciences,Vol.75,pp.4194-4198(1978)と、更にDuPlessis,Egbaria & W
einer,″Influence of Formulation Factors on the Deposition of Liposomal
Components into the Different Strata of the Skin″(皮膚の異なる層中への
リポソーム成分の沈着に関する処方ファクターの影響),Journal of the Society
of Cosmetic Chemists,Vol.43,pp.93-100(1992)で記載されたような逆相蒸発法
も、抗シワ剤の特に有用なリポソーム分散物を作るために用いてよい。
本発明で有用な局所組成物がゲル又は化粧スティックとして処方されるならば
、このような組成物はクリーム又はローション処方物への前記のような適量の増
粘剤の添加により処方できる。
本発明で有用な局所組成物は、ファンデーションのようなメーキャップ製品と
して処方してもよい。ファンデーションは適量の増粘剤、顔料及び香料を含有し
た溶液又はローションベースである。
本発明で有用な局所組成物は、前記成分に加えて、局所組成物で常用される様
々な追加油溶性物質及び/又は水溶性物質をそれらの業界確立レベルで含有して
いてもよい。
多様な水溶性物質が本発明で有用な組成物中に存在できる。これらには保湿剤
、タンパク質及びポリペプチド、保存剤とアルカリ剤がある。加えて、本発明で
有用な局所組成物は色素、不透明剤(例えば、二酸化チタン)、顔料及び香料の
ような慣用的な化粧品補助剤を含有することができる。
本発明で有用な局所組成物は、安全有効量の浸透増強剤も含有してよい。浸透
増強剤の好ましい量は組成物の約1〜約5%である。有用な浸透増強剤の例は、
特に、1985年8月27日付で発行されたCooperの米国特許第4,537,7
76号;1985年11月12日付で発行されたCooperらの第4,552,87
2号;1985年12月10日付で発行されたCooperの
第4,557,934号;1978年12月19日付で発行されたSmithの第4
,130,667号;1976年11月2日付で発行されたRhaadhyakshaの第3
,989,816号;1977年4月12日付で発行されたDiGiulioの第4,0
17,641号;1990年9月4日付で発行されたCooper,Loomans & Wickett
の第4,954,487号明細書で開示されている。本発明で有用な追加浸透増
強剤は、Cooper,E.R.,″Effect of Decylmethylsulfoxide on Skin Penetration
″(皮膚浸透に関するデシルメチルスルホキシドの効果),Solution Behavior of
Surfactants,Vol.2(Mittal and Fendler,eds.),Plenum Publishing Corp.,1982,
pp.1505-1516;Mahjour,M.,B.Mauser,Z.Rashidbaigi & M.B.Fawzi,″Effect of
Egg Yolk Lecithins and Commercial Soybean Lecithins on In Vitro Skin Per
meation of Drugs″(薬物のインビトロ皮膚浸透に関する卵黄レシチン及び市販
大豆レシチンの効果),Journal of Controlled Release,Vol.14(1990),pp.243-25
2;Wong,O.,J.Huntington,R.Konishi,J.H.Rytting & T.Higuchi,″Unsaturated
Cyclic Ureas as New Nontoxic Biodegradable Transdermal Penetration Enhan
cers I: Synthesis″(新規無毒性生分解性経皮浸透増強剤Iとしての不飽和環状
尿素:合成),Journal of Pharmaceutical Sciences,Vol.77,No.11(Nov.1988),pp
.967-971;Williams,A.C.& B.W.Barry,″Terpenes and the Lipid-Protein-Part
itioning Theory of Skin Penetration Enhancement″(テルペン類と皮膚浸透増
強の脂質‐タンパク質分配理論),Pharmaceutical Research,Vol.8,No.1(1991),
pp.17-24;Wong,O.,J.Huntington,T.Nishihata & J.H.Rytting,″New Alkyl N,N
-Dialkyl-Substituted Amino Acetates as Transdermal Penetration Enhancers
″(経皮浸透増強剤としての新規アルキルN,N‐ジアルキル置換アミノアセテ
ート),Pharmaceutical Research,Vol.6,No.4(1989),pp.286-295で開示されてい
る。上記参考文献は参考のため本明細書に組み込まれる。
他の慣用的なスキンケア製品添加剤も、本発明で有用な組成物中に含有させて
よい。例えば、コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチン、加水分解産物、プリム
ローズ油、ホホバ油、表皮成長因子、大豆サポニン、ムコ多糖及びそれらの混合
物が用いられる。
様々なビタミンも本発明で有用な組成物中に含有させてよい。例えば、ビタミ
ンA及びその誘導体、ビタミンB、ビオチン、パントテン酸、ビタミンD、ビタ
ミンEとそれらの混合物が使用できる。クリーニング組成物
本発明で有用なスキンクリーニング組成物は、抗シワ剤に加えて、化粧品上許
容される界面活性剤を含んでいる。“化粧品上許容される界面活性剤”という用
語は、有効なスキンクレンザーであるだけでなく、過度の毒性、刺激、アレルギ
ー反応等なしに使用できる界面活性剤に関する。更に、界面活性剤は皮膚シワを
消すか又は防止する組成物の効力を実質上減少させる相互作用がないように、抗
シワ剤と混合できねばならない。
本発明で有用なスキンクリーニング組成物は、好ましくは約1〜約90%、更
に好ましくは約5〜約10%の化粧品上許容される界面活性剤を含有している。
スキンクレンジング組成物の物理的形状は重要でない。組成物は、例えば固形化
粧品、液体、ペースト又はムースとして処方できる。固形化粧品が最も好ましい
が、その理由はこれが皮膚を洗うために最も常用されるクレンジング剤の形態だ
からである。
本発明で有用な組成物の界面活性剤成分は、アニオン系、ノニオン系、双極性
、両性(amphoteric及びampholytic)界面活性剤とこれら界面活性剤の混合物か
ら選択される。このような界面活性剤は洗剤業者に周知である。
本発明で有用なクリーニング組成物は、スキンクレンジング組成物で常用され
る物質をそれらの業界確立レベルで場合により含有できる。組合せ活性剤
A.日焼け止め剤(sunscreens/sunblocks):
紫外線への暴露による皮膚シワの調節は、日焼け止め剤と一緒に抗シワ剤の組
合せを用いることにより達成できる。有用な日焼け止め剤には、例えば酸化亜鉛
及び二酸化チタンがある。
紫外線による光障害が皮膚シワの主要原因である。このため、シワ防止の目的
には、抗シワ剤とUVA及び/又はUVB日焼け止め剤との組合せが望ましい。
本発明で有用な組成物中における日焼け止め剤の含有は、低レベルだとユーザー
の日焼け反応をさほど減少させないが、短期UV障害に対して即時的な防護を与
える。
様々な慣用的日焼け止め剤が、抗シワ剤との組合せ使用に適している。Segari
nら,Cosmetics Science and Technology,Chapter VIII,p.189以下では、多数の
適切な剤について開示している。適切な具体的日焼け止め剤には、例えばp‐ア
ミノ安息香酸、その塩及びその誘導体(エチル、イソブチル、グリセリルエステ
ル;p‐ジメチルアミノ安息香酸);アントラニレート類(即ち、o‐アミノベ
ンゾエート;メチル、メンチル、フェニル、ベンジル、フェニルエチル、リナリ
ル、テルピニル及びシクロヘキセニルエステル);サリチレート類(アミル、フ
ェニル、ベンジル、メンチル、グリセリル、オクチル及びジプロピレングリコー
ルエステル);ケイ皮酸誘導体(メンチル、オクチル、2‐エチルヘキシル及び
ベンジルエステル、α‐フェニルシンナモニトリル;ブチルシンナモイルピルベ
ート);ジヒドロキシケイ皮酸誘導体(ウンベリフェロン、メチルウンベリフェ
ロン、メチルアセトウンベリフェロン);トリヒドロキシケイ皮酸誘導体(エス
クレチン、メチルエスクレチン、ダフネチンと、グルコシド類のエスクリン及び
ダフニン);炭化水素類(ジフェニルブタジエン、スチルベン);ジベンザルア
セトン及びベンザルアセトフェノン;ナフトールスルホネート類(2‐ナ
フトール‐3,6‐ジスルホン酸及び2‐ナフトール‐6,8‐ジスルホン酸の
ナトリウム塩);ジヒドロキシナフトエ酸及びその塩;o‐及びp‐ヒドロキシ
ビフェニルジスルホネート類;クマリン誘導体(7‐ヒドロキシ、7‐メチル、
3‐フェニル);ジアゾール類(2‐アセチル‐3‐ブロモインダゾール、フェ
ニルベンゾオキサゾール、メチルナフトオキサゾール、様々なアリールベンゾチ
アゾール類);キニン塩(重硫酸塩、硫酸塩、塩化物、オレイン酸塩及びタンニ
ン酸塩);キノリン誘導体(8‐ヒドロキシキノリン塩、2‐フェニルキノリン
);ヒドロキシ又はメトキシ置換ベンゾフェノン類;尿酸及びビオルル酸類;タ
ンニン酸及びその誘導体(例えば、ヘキサエチルエーテル);(ブチルカルビト
ール)(6‐プロピルピペロニル)エーテル;ヒドロキノン;ベンゾフェノン類
(オキシベンゼン、スルホベンゾン、ジオキソベンゾン、ベンゾレゾルシノール
、2,2′,4,4′‐テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2′‐ジヒドロ
キシ‐4,4′‐ジメトキシベンゾフェノン、オクタベンゾン);ブチルメトキ
シジベンゾイルメタン;エトクリレン;及び4‐イソプロピルジベンゾイルメタ
ンがある。
これらの中では、p‐メトキシケイ皮酸2‐エチルヘキシル、4,4′‐t‐
ブチルメトキシジベンゾイルメタン、2‐ヒドロキシ‐4‐メトキシベンゾフェ
ノン、オクチルジメチル‐p‐アミノ安息香酸、ジガロイルトリオレエート、2
,2‐ジヒドロキシ‐4‐メトキシベンゾフェノン、4‐〔ビス(ヒドロキシプ
ロピル)〕アミノ安息香酸エチル、2‐シアノ‐3,3‐ジフェニルアクリル酸
2‐エチルヘキシル、2‐エチルヘキシルサリチレート、p‐アミノ安息香酸グ
リセリル、3,3,5‐トリメチルシクロヘキシルサリチレート、メチルアント
ラニレート、p‐ジメチルアミノ安息香酸又はアミノベンゾエート、p‐ジメチ
ルアミノ安息香酸2‐エチルヘキシル、2‐フェニルベンゾイミダゾール‐5‐
スルホン酸、2‐(p‐ジメチルアミノフェニル)‐5‐スルホ安息香酸とこれ
ら
化合物の混合物が好ましい。
本発明で有用な組成物で有用な更に好ましい日焼け止め剤は、p‐メトキシケ
イ皮酸2‐エチルヘキシル、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、2‐ヒドロキ
シ‐4‐メトキシベンゾフェノン、オクチルジメチル‐p‐アミノ安息香酸及び
それらの混合物である。
1990年6月26日付で発行されたSabatelliの米国特許第4,937,3
70号及び1991年3月12日付で発行されたSabatelli及びSpirnakの米国特
許第4,999,186号明細書で開示されたような日焼け止め剤も本発明で特
に有用であり、その双方が参考のため本明細書に組み込まれる。そこで開示され
た日焼け止め剤は、異なる紫外線吸収スペクトルを示す2つの別な発色団を、単
一分子中に有している。一方の発色団はUVB光範囲で主に吸収し、他方はUV
A光範囲で強く吸収する。
このクラスの日焼け止め剤の好ましいメンバーは2,4‐ジヒドロキシベンゾ
フェノンの4‐N,N‐(2‐エチルヘキシル)メチルアミノ安息香酸エステル
;4‐ヒドロキシジベンゾイルメタンのN,N‐ジ‐(2‐エチルヘキシル)‐
4‐アミノ安息香酸エステル;4‐ヒドロキシジベンゾイルメタンの4‐N,N
‐(2‐エチルヘキシル)メチルアミノ安息香酸エステル;2‐ヒドロキシ‐4
‐(2‐ヒドロキシエトキシ)ベンゾフェノンの4‐N,N‐(2‐エチルヘキ
シル)メチルアミノ安息香酸エステル;4‐(2‐ヒドロキシエトキシ)ジベン
ゾイルメタンの4‐N,N‐(2‐エチルヘキシル)メチルアミノ安息香酸エス
テル;2‐ヒドロキシ‐4‐(2‐ヒドロキシエトキシ)ベンゾフェノンのN,
N‐ジ(2‐エチルヘキシル)‐4‐アミノ安息香酸エステル;4‐(2‐ヒド
ロキシエトキシ)ジベンゾイルメタンのN,N‐ジ(2‐エチルヘキシル)‐4
‐アミノ安息香酸エステルとそれらの混合物である。
安全有効量の日焼け止め剤も、本発明で有用な抗シワ剤組成物で用いてよい。
日焼け止め剤は抗シワ剤と適合できねばならない。組成物は、好ましくは約1〜
約20%、更に好ましくは約2〜約10%の日焼け止め剤を含む。正確な量は、
選択される日焼け止め剤と、望まれる光保護ファクター(SPF)に応じて変わ
る。
本組成物の皮膚直接性を改善する、特に水による洗い落ち又はこすり落ちに対
するそれらの抵抗性を高める物質も、本発明で有用な組成物に加えてよい。この
効果を示す好ましい物質は、エチレン及びアクリル酸のコポリマーである。この
コポリマーを含んだ組成物は、1987年5月5日付で発行されたBrockの米国
特許第4,663,157号明細書で開示されており、これは参考のため本明細
書に組み込まれる。
B.抗炎症剤
本発明で有用な好ましいシワ調節組成物において、抗炎症剤は抗シワ剤と一緒
に活性剤として含有される。抗炎症剤の含有は組成物のシワ調節効果を高める。
抗炎症剤はUVA光範囲で強く防護する(それは若干のUVB防護も同様に示す
)。抗炎症剤の局所使用はUV光への長期暴露に起因する皮膚の光老化を減少さ
せる(1989年7月11日付で発行されたBissett,Bush及びChatterjeeの米国
特許第4,847,071号明細書と1989年7月11日付で発行されたBiss
ett及びChatterjeeの米国特許第4,847,069号明細書参照;双方とも参
考のため本明細書に組み込まれる)。
安全有効量の抗炎症剤が、好ましくは組成物の約0.1〜約10%、更に好ま
しくは約0.5〜約5%で、本発明で有用な組成物に加えられる。組成物で用い
られる抗炎症剤の正確な量は、このような薬剤が効力上非常に様々であることか
ら、利用される具体的抗炎症剤に依存する。
限定されないが、コルチコステロイド類、例えばヒドロコルチゾン、ヒドロキ
シトリアムシノロン、α‐メチルデキサメタゾン、リン酸デキサメタゾン、ジプ
ロピオン酸ベクロメタゾン、吉草酸クロベタゾール、デソニド、デスオキシメタ
ゾン、酢酸デスオキシコルチコステロン、デキサメタゾン、ジクロリゾン、二酢
酸ジフロラゾン、吉草酸ジフルコルトロン、フルアドレノロン、フルクロロロン
アセトニド、フルドロコルチゾン、ピバル酸フルメタゾン、フルオシノロンアセ
トニド、フルオシノニド、フルコルチンブチルエステル、フルオコルトロン、酢
酸フルプレドニデン(フルプレドニリデン)、フルランドレノロン、ハルシノニ
ド、酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、ト
リアムシノロンアセトニド、コルチゾン、コルトドキソン、フルセトニド、フル
ドロコルチゾン、二酢酸ジフルオロゾン、フルラドレノロンアセトニド、メドリ
ゾン、アムシナフェル、アムシナフィド、ベタメタゾン及びそのエステル、クロ
ロプレドニゾン、酢酸クロロプレドニゾン、クロコルテロン、クレシノロン、ジ
クロリゾン、ジフルプレドネート、フルクロロニド、フルニゾリド、フルオロメ
タロン、フルペロロン、フルプレドニゾロン、吉草酸ヒドロコルチゾン、シクロ
ペンチルプロピオン酸ヒドロコルチゾン、ヒドロコルタメート、メプレドニゾン
、パラメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾ
ン、トリアムシノロンとそれらの混合物を含めたステロイド系抗炎症剤が使用で
きる。使用上好ましいステロイド系抗炎症剤はヒドロコルチゾンである。
組成物で有用な第二クラスの抗炎症剤には、非ステロイド系抗炎症剤がある。
このグループに包含される様々な化合物が当業者に周知である。非ステロイド系
抗炎症剤の化学構造、合成、副作用等の詳細な開示に関しては、Anti-inflammat
ory and Anti-Rheumatic Drugs,K.D.Rainsford,Vol.I-III,CRC Press,Boca Rato
n(1985)及びAnti-inflammatory Agents,Chemistry and Pharmacology,1,R.A.Sch
errerら,Academic Press,New York(1974)を含めた標準テキストを参考にできる
。
本発明の組成物で有用な具体的非ステロイド系抗炎症剤には:
1)ピロキシカム、イソキシカム、テノキシカム、スドキシカム及びCP‐1
4,304のようなオキシカム類;
2)アスピリン、ジサルシド、ベノリレート、トリリセート、サファプリン、
ソルプリン、ジフルニサール及びフェンドサールのようなサリチレート類;
3)ジクロフェナック、フェンクロフェナック、インドメタシン、スリンダッ
ク、トルメチン、イソキセパック、フロフェナック、チオピナック、ジドメタシ
ン、アセマタシン、フェンチアザック、ゾメピラック、クリダナック、オキセピ
ナック及びフェルビナックのような酢酸誘導体;
4)メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、ニフルム酸及びトル
フェナム酸のようなフェナメート類;
5)イブプロフェン、ナプロキセン、ベノキサプロフェン、フルルビプロフェ
ン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、フェンブフェン、インドプロフェン、
ピルプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラノプロフェン、ミロプ
ロフェン、チオキサプロフェン、スプロフェン、アルミノプロフェン及びチアプ
ロフェン酸のようなプロピオン酸誘導体;
6)フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、フェプラゾン、アザプロパゾ
ン及びトリメタゾンのようなピラゾール類
があるが、それらに限定されない。
これら非ステロイド系抗炎症剤の混合物と、これら薬剤の薬学上許容される塩
及びエステルも用いてよい。例えば、エトフェナメート、フルフェナム酸誘導体
が局所適用に特に有用である。非ステロイド系抗炎症剤の中では、イブプロフェ
ン、ナプロキセン、フルフェナム酸、メフェナム酸、メクロフェナム酸、ピロキ
シカム及びフェルビナックが好ましく、イブプロフェン、ナプロキセン及びフル
フェナム酸が最も好ましい。
組成物で有用なもう1つのクラスの抗炎症剤は、1987年11月24日付で
行されたLoomansらの米国特許第4,708,966号明細書で開示された抗炎
症剤である。この特許明細書は、特定の置換フェニル化合物、特に置換2,6‐
ジ‐tert‐ブチルフェノール誘導体を含めた非ステロイド系抗炎症化合物のクラ
スについて開示している。例えば、4‐(4′‐ペンチン‐3′‐オン)‐2,6
‐ジ‐t‐ブチルフェノール、4‐(5′‐ヘキシノイル)‐2,6‐ジ‐t‐
ブチルフェノール、4‐((S)‐(−)‐3′‐メチル‐5′‐ヘキシノイル)‐
2,6‐ジ‐t‐ブチルフェノール、4‐((R)‐(+)‐3′‐メチル‐5′‐
ヘキシノイル)‐2,6‐ジ‐t‐ブチルフェノール及び4‐(3′,3′‐ジ
メトキシプロピオニル)‐2,6‐ジ‐t‐ブチルフェノールから選択される化
合物が本発明の方法で有用であり、4‐(5′‐ヘキシノイル)‐2,6‐ジ‐
t‐ブチルフェノールが最も好ましい。
組成物で有用な更にもう1つのクラスの抗炎症剤は、1990年3月27日付
で発行されたMuellerの米国特許第4,912,248号明細書で開示された物
質である。この特許明細書は、2以上のキラル中心を有する特定の2‐ナフチル
含有エステル化合物、特にナプロキセンエステル及びナプロキソールエステル化
合物とそのジアステレオマー混合物について開示している。例えば、(S)‐ナプ
ロキセン‐(S)‐2‐ブチルエステル、(S)‐ナプロキセン‐(R)‐2‐ブチル
エステル、(S)‐ナプロキソール‐(R)‐2‐メチルブチレート、(S)‐ナプロ
キソール‐(S)‐2‐メチルブチレート、(S)‐ナプロキセン‐(S)‐2‐ブチ
ルエステル及び(S)‐ナプロキセン‐(R)‐2‐ブチルエステルのジアステレオ
マー混合物と、(S)‐ナプロキソール‐(R)‐2‐メチルブチレート及び(S)‐
ナプロキソール‐(S)‐2‐メチルブチレートのジアステレオマー混合物から選
択される化合物が本発明で有用である。
最後に、いわゆる“天然”抗炎症剤も本発明の方法で有用である。例えば、カ
ンデリラロウ、α‐ビサボロール、アロエベラ、マンジスタ(Manjistha)〔ルビ
ア属、特にルビア・カルジホリア(Rubia Cardifolia)の植物から抽出される〕及
びグガール(Guggal)〔コミフォラ属、特にコミフオラ・ムクル(Commiphora Muku
l)の植物から抽出される〕が使用できる。
本発明で有用な他の好ましい組成物では、抗シワ剤、日焼け止め剤及び抗炎症
剤を一緒に、各々個別に前記された量でシワ調節のために含む。
C.酸化防止剤/ラジカルスカベンジャー
本発明で有用な好ましいシワ調節組成物において、酸化防止剤/ラジカルスカ
ベンジャーが抗シワ剤と一緒に活性剤として含有される。酸化防止剤/ラジカル
スカベンジャーの含有は組成物のシワ調節効果を増加させる。
安全有効量の酸化防止剤/ラジカルスカベンジャーが、好ましくは組成物の約
0.1〜約10%、更に好ましくは約1〜約5%で、本発明で有用な組成物に加
えられる。
アスコルビン酸(ビタミンC)及びその塩、トコフェロール(ビタミンE)、
ソルビン酸トコフェロール、トコフェロールの他のエステル、ブチル化ヒドロキ
シ安息香酸及びそれらの塩、6‐ヒドロキシ‐2,5,7,8‐テトラメチルク
及びそのアルキルエステル、特に没食子酸プロピル、尿酸とその塩及びアルキル
エステル、ソルビン酸及びその塩、脂肪酸のアスコルビルエステル、アミン類(
例えば、N,N‐ジエチルヒドロキシルアミン、アミノグアニジン)、スルフヒ
ドリル化合物(例えば、グルタチオン)、ジヒドロキシフマル酸及びその塩のよ
うな酸化防止剤/ラジカルスカベンジャーが使用できる。
本発明で有用な好ましいシワ調節組成物において、組成物は抗シワ剤と一緒に
活性剤として日焼け止め剤、抗炎症剤及び/又は酸化防止剤/ラジカルスカベン
ジャーのうち1種、いずれか2種又は3種すべてを含有する。抗シワ剤と一緒に
これら薬剤のうち2種又は3種すべての含有は、組成物のシワ調節効果を増加さ
せる。
D.キレート化剤
本発明で有用な好ましいシワ調節組成物においては、キレート化剤が抗シワ剤
と一緒に活性剤として含有される。本明細書で用いられる“キレート化剤”とは
、金属イオンが容易に関与できないか又は化学反応を触媒できないように、錯体
を形成することにより系から金属イオンを除去できる活性剤を意味する。キレー
ト化剤の含有は組成物のシワ調節効果を増加させる。
好ましくは組成物の約0.1〜約10%、更に好ましくは約1〜約5%の安全
有効量のキレート化剤が、本発明で有用な組成物に加えられる。組成物で有用な
キレート化剤は、1990年11月27日付で出願されたBissett,Bush & Chatt
erjeeの米国特許出願第619,805号(1988年10月4日付で出願され
た米国特許出願第251,910号の継続出願である);1990年4月26日
付で出願されたBush & Bissettの米国特許出願第514,892号;1991年
2月25日付で出願されたBush,Bissett & Chatterjeeの米国特許出願第657
,847号明細書で開示されており、すべて参考のため本明細書に組み込まれる
。本発明の組成物で有用な好ましいキレート化剤は、フリルジオキシム及びその
誘導体である。
本発明で有用な好ましいシワ調節組成物において、組成物は抗シワ剤と一緒に
活性剤として日焼け止め剤、抗炎症剤、酸化防止剤/ラジカルスカベンジャー及
び/又はキレート化剤のうち1種、いずれか2種、いずれか3種又は4種すべて
を含有する。抗シワ剤と一緒にこれら薬剤のうち2種、3種又は4種すべての含
有は、組成物のシワ調節効果を増加させる。
E.レチノイド類
本発明で有用な好ましいシワ調節組成物においては、レチノイド、好ましくは
レチノイン酸が抗シワ剤と一緒に活性剤として含有される。レチノイドの含有は
組成物のシワ調節効果を増加させる。好ましくは組成物の約0.001〜約2%
、更に好ましくは約0.01〜約1%の安全有効量のレチノイドが、本発明で有
用な組成物に加えられる。本発明で用いられる“レチノイド”には、皮膚でビタ
ミンAの生物活性を有するビタミンAのすべての天然及び/又は合成アナログ又
はレチノール様化合物と、これら化合物の幾何異性体及び立体異性体、例えば全
トランス‐レチノイン酸及び13‐シス‐レチノイン酸を含む。
本発明で有用な好ましいシワ調節組成物において、組成物は抗シワ剤と一緒に
活性剤として日焼け止め剤、抗炎症剤、酸化防止剤/ラジカルスカベンジャー、
キレート化剤及び/又はレチノイドのうち1種、いずれか2種、いずれか3種、
いずれか4種又は5種すべてを含有する。抗シワ剤と一緒にこれら薬剤のうち2
種、3種、4種又は5種すべての含有は、組成物のシワ調節効果を増加させる。本ポリオール誘導体の使用方法
本発明は哺乳動物皮膚でシワ及び/又は萎縮を調節するための方法に関する。
このような方法は、安全有効量の抗シワ剤の局所適用からなる。抗シワ剤の量及
び適用の頻度は、被治療体に既に存在するシワのレベル、以後のシワ形成の速度
と望まれる調節のレベルに応じて広く変わる。シワの好ましい調節では、シワの
形成を防止又は遅延させる。シワの更に好ましい調節では、現存するシワを消去
させる。
局所組成物中安全有効量の抗シワ剤が、通常約0、001〜約1000μg/cm2
皮膚/回、好ましくは約1〜約500μg/cm2皮膚/回、更に好ましくは約10
〜約300μg/cm2皮膚、しかも好ましくは約20〜約200μg/cm2皮膚で適用
される。適用は、好ましくは約1回/週〜約10回/日、更に好ましくは約2回
/週〜約4回/日、更に一層好ましくは約3回/週〜約2回/日、しかも好まし
くは1日約1回である。最少で約4週間、更に好ましくは最少で8週間、更に一
層好ましくは最少で12週間の治療が、年齢修復効果にとり好ましい。
哺乳動物皮膚でシワを調節するために好ましい本発明の方法では、安全有効量
の抗シワ剤と、安全有効量の1種以上の日焼け止め剤、抗炎症剤、酸化防止剤/
ラジカルスカベンジャー、キレート化剤及び/又はレチノイドを双方とも同時に
皮膚に適用する。本明細書で用いられる“同時適用”又は“同時”とは、体の同
部位でほぼ同時間に剤を皮膚に適用することを意味する。これは剤を皮膚に別々
に適用することで行ってもよいが、好ましくは混合されるすべての望ましい剤を
含んだ組成物が皮膚に適用される。適用される日焼け止め剤の量は、好ましくは
約0.05〜約0.5mg/cm2皮膚である。適用される抗炎症剤の量は、好まし
くは約0.005〜約0.5mg、更に好ましくは約0.01〜約0.1mg/cm2
皮膚である。適用される酸化防止剤/ラジカルスカベンジャーの量は、好ましく
は約0.01〜約1.0mg、更に好ましくは約0.05〜約0.5mg/cm2皮膚
である。適用されるキレート化剤の量は、好ましくは約0.001〜約1.0mg
、更に好ましくは約0.01〜約0.5mg、更に一層好ましくは約0.05〜約
0.1mg/cm2皮膚である。適用されるレチノイドの量は、好ましくは約0.0
01〜約0.5mg/cm2皮膚、更に好ましくは約0.005〜約0.1mg/cm2皮
膚である。適用される抗シワ剤の量は、好ましくは約0.001〜約2mg/cm2
皮膚/回、更に好ましくは約0.01〜約1mg/cm2皮膚/回である。
本発明のもう1つの好ましい方法では、導電性クリーム又はゲルに安全有効量
の抗シワ剤を適用し、その後負荷電抗シワ剤を皮膚中に移動させるような極性を
有した電場を制御しながら適用する。陰極イオン導入法として知られるこの方法
は、A.K.Banga & Y.W.Chien,″Iontophoretic Delivery of Drugs: Fundamental
s,Developments and Biomedical Applications″(薬物のイオン導入デリバリー
:基本原理、展開及び生物医学適用),J.Controlled Release,Vol.7,pp.1-24(198
8)とそこでの引用文献に記載されており、参考のため本明細書に組み込まれる。
追加例は、R.R.Burnette,″Iontophoresis″(イオン導入法),J.Hadgraft &
R.H.Guy(editors),Transdermal Drug Delivery: Developmental Issues and Res
earch Initiatives,Marcel Dekker,New York,NY,1989,pp.247-291及びそこでの
引用文献と、G.B.Kasting,E.W.Merritt & J.C.Keister,″An In Vitro Method f
or Studying the Iontophoretic Enhancement of Drug Transport Through Skin
″(皮膚での薬物輸送のイオン導入増強を研究するためのインビトロ方法),Jour
nal of Membrance Science,Vol.35,pp.137-159,(1988)及びそこでの引用文献に
記載されており、参考のため本明細書に組み込まれる。このような方法において
、抗シワ剤の溶液は皮膚に適用されて、皮膚に制御された電圧又は電流をかける
上で適した電気装置の陰極と接触される。回路はデリバリー部位から離れた箇所
で装置の陽極を皮膚上におくことにより完成される。電場(即ち、電圧又は電流
)は、上記参考文献で記載されるように、パルス、正弦又は連続波である。電場
の適用時間は、約1分間〜約24時間、好ましくは約1〜約30分間、更に好ま
しくは約2〜約5分間である。参考のため本明細書に組み込まれるM.R.Prausnit
z,V.G.Bose,R.Langer & J.C.Weaver,″Electroporation of Mammalian Skin: A
Mechanism to Enhance Transdermal Drug Delivery″(哺乳動物皮膚のエレクト
ロポレーション:経皮薬物デリバリーを高めるメカニズム),Proceedings of th
e National Academy of Sciences(USA),Vol.90,pp.10504-10508,(1993)とそこで
の引用文献で記載されたような、一連の高電圧パルスとその後に連続陰極イオン
泳動も用いてよい。すべての場合において、電場は安全有効に適用され、そのた
め抗シワ剤は被治療体に過度の不快感又は刺激なしに皮膚を通してデリバリーさ
れる。
本ポリオール誘導体は以下のうち1以上でも有用である:皮膚における乾燥の
調節、不均一色素沈着を減少させて顔色をより均一にすること、目の下にある黒
い円の調節、窪みサイズの減少、皮膚の色/輝き/赤らみの改善、皮膚のたるみ
減少及び堅さの改善と、皮膚をより滑らかにすること。
下記例は本発明の範囲内に属する好ましい態様を更に記載及び説明している。
例は説明目的で単に示され、本発明の制限として解釈されるべきでなく、その多
くのバリエーションがその精神及び範囲から逸脱せずに可能である。
例1〜3
単純溶液は、慣用的ミキシング技術を用いて下記諸成分を混合することにより
製造する。
この組成物は皮膚シワを調節する上で局所適用に有用である。組成物は1日1
回1mg/cm2のレベルで6月間にわたり皮膚に適用する。0.050ma/cm2の電流
密度で1回当たり2分間の陰極イオン導入法を用いて、皮膚への抗シワ剤のデリ
バリーを高める。
例4〜7
水中油型エマルジョンは、慣用的ミキシング技術を用いて下記諸成分を混合す
ることにより製造する。
この組成物は皮膚シワを調節する上で局所適用に有用である。皮膚に20μg/
cm2の抗シワ剤をつける上で十分な量の組成物が用いられる。組成物は患者の存
命中1日2回適用する。
例8〜11
透明ゲルは、慣用的ミキシング技術を利用して下記諸成分を混合することによ
り製造する。
この組成物は皮膚シワを調節する上で局所適用に有用である。皮膚に10μg/
cm2の抗シワ剤をつける上で十分な量の組成物が用いられる。組成物は1年間に
わたり1日3回適用する。
例12〜15
水中油型ポリマーエマルジョンは、慣用的ミキシング技術を用いて下記諸成分
を混合することにより製造する。
この組成物は皮膚シワを調節する上で局所適用に有用である。皮膚に1μg/cm2
の抗シワ剤をつける上で十分な量の組成物が用いられる。組成物は3年間にわ
たり週1回適用する。
例16〜19
水中油型マイクロエマルジョンは、慣用的ミキシング技術を用いて下記諸成分
を混合することにより製造する。
この組成物は皮膚シワを調節する上で局所適用に有用である。皮膚に20μg/
cm2の抗シワ剤をつける上で十分な量の組成物が用いられる。組成物は5年間に
わたり週3回適用する。
本発明の具体的態様が記載されてきたが、本発明の様々な変更及び修正が本発
明の精神及び範囲から逸脱せずに行えることは当業者にとり明らかであろう。添
付された請求の範囲は、本発明の範囲内に属するすべてのこのような修正をカバ
ーしていると考えられる。
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(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG),
AM,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CN,C
Z,EE,FI,GE,HU,JP,KG,KP,KR
,KZ,LK,LR,LT,LV,MD,MG,MN,
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