JPH09506362A - 塩化ビニルを精製する方法および装置 - Google Patents

塩化ビニルを精製する方法および装置

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JPH09506362A JP7515968A JP51596895A JPH09506362A JP H09506362 A JPH09506362 A JP H09506362A JP 7515968 A JP7515968 A JP 7515968A JP 51596895 A JP51596895 A JP 51596895A JP H09506362 A JPH09506362 A JP H09506362A
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Abstract

(57)【要約】 1,2-ジクロロエタンの熱分解による塩化ビニルの製造において、最初に塩化水素を、次いで塩化ビニルを、そして最後に塩化ビニルとともに、持ち込まれた塩化水素を留去するために、3つの蒸留塔を使用する。最後の段階において、持ち込まれた水を、底部から取り出さない場合には、頂部生成物とともに第一段階に循環され、腐食の原因となる。好ましくは乾燥することによって、第三蒸留塔の頂部での水の除去により、腐食は避けられる。

Description

【発明の詳細な説明】 塩化ビニルを精製する方法および装置 米国特許第3 843 736 号には、好ましくは8〜40の絶対圧力の加圧下、約4 50〜650℃の範囲の温度で、触媒の不存在下において、1,2-ジクロロエタン の不完全な熱分解によって得られる反応混合物から塩化ビニルを単離する方法で あって、塩化ビニル、塩化水素、未反応1,2-ジクロロエタンおよび副生成物から なるガス混合物を分解領域から取り出し、部分的に凝縮した状態で、塩化水素を 留去するために、第一蒸留段階に導き、続いて塩化ビニルを留去するために、第 二蒸留段階に導き、次いで未反応1,2-ジクロロエタンをリサイクルするために、 第二蒸留段階の底部生成物を、公知の方法で処理し、そしてその際第二蒸留段階 の頂部から取り出され、液化される塩化ビニルを、部分的に、第一蒸留塔のほぼ 中段に移送して戻し、この工程において、生成物として取り出され、液化される 塩化ビニルは、依然として少量の塩化水素を含有するが、脱気(degassing)領域 の頂部に導かれ、そこから塩化ビニルの一部を、持ち込まれた全体量の塩化水素 とともに、循環蒸発器(circulation evaporator)を用いて蒸発させ、蒸発した塩 化ビニルを、凝縮し、塩化水素を留去するために設けられた第一蒸留塔のほぼ中 段にポンプ移送して戻し、その際極めて純粋な塩化ビニルを脱気領域の底部から 取り出す方法が開示されている。 この特許は、脱気領域において除去される少量の塩化水素を、以前は、水酸化 ナトリウムを充填した塔を用いて取り除いていたことについても言及している。 しかしながら、公知の方法は、脱気領域に導かれる塩化ビニルが依然として少 量の水を含んでいる場合には、欠点を有している。これらの問題は、事実上避け ることができず、特にプラントの始動および操業の中断の際に、痕跡量の水が持 ち込まれることが避けられない。従って、事実上、これらの量の水が塩化水素と ともに脱気塔の底部を経て取り除かれるように、脱気領域を操作し、この目的の ために水酸化ナトリウムを充填した塔が再び必要になる。この水の分離を、脱気 塔の底部を経て行わない場合には、この水は、リサイクルされる塩化ビニルとと もに循環され、プラントの中の接触する部分を腐食する。しかしながら、このよ うな腐食は、経済的理由だけでなく、特に安全面の理由から、望ましくない。 大部分の水を頂部で取り出して、乾燥することによって有利に除去するように 脱気塔を操作した場合には、水酸化ナトリウムを充填した塔を省略することがで きることが見出された。この工程に循環される乾燥した塩化水素含有塩化ビニル は、もはや腐食の原因とはならない。 従って、本発明は、塩化ビニルを単離する方法であって、加圧下および約45 0〜約650℃の温度での触媒の不存在下における1,2-ジクロロエタンの不完全 な熱分解により形成される反応混合物から、第一蒸留塔において塩化水素を留去 し、そして第二蒸留塔において塩化ビニルを留去し、その際第二蒸留塔の頂部で 取り出され、液化される塩化ビニルの一部を、第二蒸留塔への循環流(runback) として、循環し、そして残りの取り出された液化塩化ビニルを、脱気領域の頂部 に導入し、持ち込まれた全体量の塩化水素および水とともに、塩化ビニルの一部 を蒸発させ、そして水を実質的に除去した後に、第一蒸留塔に循環し、一方、脱 気領域の底部から純粋な塩化ビニルを取り出すことからなる上記方法を提供する 。 さらに、本発明は、分解領域(1)、塩化水素を取り除くための第一蒸留塔( 2)、高沸点成分から塩化ビニルを留去するための第二蒸留塔(3)および塩化 ビニルから塩化水素および水を取り除くための第三蒸留塔(4)を有する塩化ビ ニルを製造する装置であって、装置(5)(乾燥領域)を含み、これを経て、第 三蒸留塔(4)において取り除かれた塩化水素および水を、塩化ビニルとともに 、第一蒸留塔(2)に循環し、そこで水を、実質的に取り除く上記装置を提供す る。 本発明の装置を、図中に概略的に示す。上記した装置(1)〜(5)の他に、 この装置は、以下を含有する: (6)分解領域(1)への1,2-ジクロロエタンの導入ライン、 (7)第一蒸留塔(2)への分解生成物流のライン、 (8)除去された塩化水素のライン、 (9)第二蒸留塔(3)への高沸点生成物流のライン、 (10)塩化ビニルの液化のための凝縮器(11)へのライン、 (12)第二蒸留塔(3)への液化塩化ビニルの循環の副流のライン、 (13)除去された高沸点副生成物のライン、 (14)第三蒸留塔(4)への液化塩化ビニル流の第二副流のライン、 (15)第三蒸留塔(4)から乾燥領域(5)へのライン、 (16)第一蒸留塔(2)への塩化水素および残留塩化ビニルを含んだ乾燥混合 物流の循環のライン、 (17)取り除かれた水のライン、および (18)純粋な塩化ビニルのライン。 本発明に従った水の分離においては、塩化ビニル、塩化水素および水よりなる 腐食性の高い混合物は、乾燥領域に持ち込まれる。このような条件下で塩化ビニ ルの重合が起こることは公知である(痕跡量の金属による触媒作用)。しかしな がら、金属製装置内での処理操作を延長した場合においても、ポリ塩化ビニルの 析出が認められないことは驚くべきことである。 本発明に従った実質的な水の除去は、酸性流体の処理において公知の方法で実 施することができる。これは、水の凝縮により実施できるが、好ましくは乾燥に より、例えば化学的変化に耐える物質、例えば濃硫酸のような液体の乾燥剤また は五酸化リンまたは塩化カルシウムのような固体の乾燥剤を使用して行うことが できる。モレキュラーシーブおよび特にシリカゲルのような水を吸着して保持す る乾燥剤が好ましい。 乾燥領域は、好ましくは、平行に接続された少なくとも2つの乾燥器からなり 、循環される水含有混合物は一方を通して運ばれ、その際他方は、再生されるか 、または新たに充填される。複数の乾燥装置を直列にして操作することも当然可 能である。再生において遊離する高価値の物質である塩化ビニルおよび塩化水素 を、この工程に循環させることができる。 本発明の好ましい態様においては、再生のために乾燥装置を加熱することがで き、二酸化炭素、希ガスまたは好ましくは窒素のような不活性ガスをフラッシュ することができるように、乾燥装置を配置する。適した装置は、例えば管状熱交 換器または管状の内部コイルを有する容器である。 本発明に従って、脱気塔の頂部を経て取り出されるガス流を乾燥することがで きるか、または頂部生成物を凝縮することができ、そして凝縮物を乾燥器に導く ことができる。 特に、ガス相を乾燥する場合に、この塔の頂部で大量の水が濃縮するので、脱 気領域のできるだけ近くに乾燥器を配置することが有利である。この場合には、 蒸気ラインの始点に乾燥器を配置することができる。 本発明に従って、水酸化ナトリウム塔およびその類の設置を省くことができる が、本発明は、例えば安全面の理由からそのような装置を保持した態様をも当然 含む。この場合には、これらの装置は、著しく高い操作寿命を有し、それに対応 して塩および廃水の形成が低減される。 水酸化ナトリウムまたは同様の作用を有する薬品を用いた引き続いての処理を 省略する場合には、これらの材料および装置が節約されるだけでなく、それらの 稼動および維持のための費用を節約することもできる。さらに、密閉系(closed system)で、装置全体を操作することができる。これらの装置の解放、清掃およ び充填の際に、大気汚染またはその予防のために使用される設備を省略すること もできる。 以下の実施例により、本発明を説明する。 例1 平均含水量が29.5ppm である39kg/hの塩化ビニル含有流を、メッシュ空間(mes h spacing)が125 μmであるワイヤーメッシュ(wire mesh)を充填し、740gのシ リカゲル(微細な細孔を有し、粒径が1〜3mmである市販の”Blaugel”)を充 填したチューブ(長さ200mm、直径80mm)を通して移送し、その際チューブ入口 の圧力は、16bar である。21時間の操作時間の後に、シリカゲルは、2.1 重量% の負荷に相当する15.45gの水を吸着する。流出する塩化ビニルの含水量は、7.1p pmである。 脱着のために、装置を通して低圧力流を流す。180 分後に、シリカゲルの残り の負荷は、<0.3%である。 例2 パイロットプラントにおいて、19時間の間39kg/hの塩化ビニル含有流を、円筒 状の容器を通して移送する。その他の大きさおよび充填量は、例1に記載の容器 に相当する。19時間の操作時間の後に、シリカゲルの負荷は、3.07重量%である 。乾燥した塩化ビニルの含水量は、6.5ppmである。 再生のために、容器を約120 ℃(内部温度)に加熱し、その際装置を通して10 0l/hの窒素流を流す。3時間後に、シリカゲルの負荷は、0.25%である。 例3 パイロットプラントにおいて、平均含水量が30ppm である34kg/hの塩化ビニル 含有流を、約16bar の圧力で、モレキュラーシーブ(WESSALITH US 330,Deguss a,Hanau)を充填したチューブ(長さ200mm、直径80mm)を通して移送する。88 時間の操作時間の後に、モレキュラーシーブは、吸着剤に対して、31.9重量%の 負荷に相当する738gの水を吸着する。250 ℃での23時間の脱着の後に、残りの負 荷は、約13重量%である。 例4 塩化水素含有量が約4g(1000ppm)であり、含水量が約6mg(16ppm)である0.3 7kgの塩化ビニルを含む第三蒸留塔からの頂部流の副流を、ガス状で取り出し、 乾燥装置を通して移送する。この乾燥装置は、長さ200mm、直径15mmのチューブ を含む。これに、35gのシリカゲル(微細な細孔を有し、粒径が1〜3mm である 市販の”Blaugel”)を充填する。1001の規定したガス流をこの乾燥器を通して 移送した後に、乾燥剤の負荷は12.8重量%であった。流出するガスは、平均含水 量0.5ppmである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 シュテーガー・マンフレート ドイツ連邦共和国、デー−84508 ブルク キルヒェン、プッツェンレーナーストラー セ、7 (72)発明者 カーリヴォダ・ヘルムート ドイツ連邦共和国、デー−84508 ブルク キルヒェン、シュピッツシュタインストラ ーセ、7 (72)発明者 ミールケ・インゴルフ ドイツ連邦共和国、デー−84508 ブルク キルヒェン、ホッホシュタウフェンストラ ーセ、16

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.塩化ビニルを単離する方法であって、加圧下および約450 〜約650 ℃の温度 での触媒の不存在下における1,2-ジクロロエタンの不完全な熱分解により形成さ れる反応混合物から、第一蒸留塔において塩化水素を留去し、そして第二蒸留塔 において塩化ビニルを留去し、その際第二蒸留塔の頂部で取り出され、液化され る塩化ビニルを、循環流として、部分的に第二蒸留塔に循環し、残りの留去され た液化塩化ビニルを脱気領域の頂部に導入し、そこから塩化ビニルの一部を、持 ち込まれた全体量の塩化水素および水とともに蒸発させ、そして水を実質的に除 去した後に、第一蒸留塔に循環し、一方、純粋な塩化ビニルを脱気領域の底部か ら取り出すことを特徴とする上記方法。 2.水の除去を、乾燥剤を用いて実施する請求項1に記載の方法。 3.使用される乾燥剤が、水を吸着するものである請求項2に記載の方法。 4.使用される乾燥剤が、モレキュラーシーブまたはシリカゲルである請求項3 に記載の方法。 5.分解領域(1)、塩化水素を除去するための第一蒸留塔(2)、高沸点成分 から塩化ビニルを留去するための第二蒸留塔(3)および塩化ビニルから塩化水 素および水を分離するための第三蒸留塔を有する塩化ビニルを製造するための装 置であって、装置(5)(乾燥領域)を含み、これを通して、第三蒸留塔(4) において分離された塩化水素および水を、塩化ビニルとともに、第一蒸留塔(2 )に循環し、ここで実質的に水を除去することを特徴とする上記装置。 6.物理的に水を吸着する物質を充填した乾燥器を含む請求項5に記載の装置。 7.平行に接続された複数の乾燥器を含む請求項5または6に記載の装置。
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