JPH0949847A - デイスポーザブルな反応容器を用いる分析装置 - Google Patents

デイスポーザブルな反応容器を用いる分析装置

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JPH0949847A
JPH0949847A JP8129914A JP12991496A JPH0949847A JP H0949847 A JPH0949847 A JP H0949847A JP 8129914 A JP8129914 A JP 8129914A JP 12991496 A JP12991496 A JP 12991496A JP H0949847 A JPH0949847 A JP H0949847A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 反応容器の搬送範囲を小さくすることによっ
て、分析装置全体の小型化を図ることができる分析装置
を提供すること。 【構成】 ベッセルマガジン276上には、未使用の反
応容器が、チップマガジン272上には、未使用のノズ
ルチップが、それぞれ、マトリックス状に載置される。
グリップ機構をX方向及びY方向に動かす運搬機構20
0は、チップマガジン272から未使用のノズルチップ
を順番に把持し、チップ接続ステーションに移す。ま
た、運搬機構200は、ベッセルマガジン276上の未
使用の反応容器を第1番目の列の先頭から順番に把持
し、分注ステーションに移す。分注機構100は、チッ
プ接続ステーション162に置かれているノズルチップ
をノズルホルダーに接続した後、検体及び試薬を分注ス
テーション164上の反応容器に添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分析装置に係り、特
に、免疫測定法のような高感度の測定をするに好適な分
析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】臨床検査における免疫測定としては、標
識物質に酵素を用いた酵素免疫測定法,蛍光色素を用い
た蛍光免疫測定法などが実用化され、普及しているが、
近年、より高感度な測定法として発光物質を標識物質と
した発光免疫測定法が開発され、各種ホルモンの測定や
感染症(肝炎やエイズ等)の検査に実用化され、評価を
高めている。
【0003】体液中の微量成分を測定する場合の検体間
のコンタミネーションの回避は免疫測定で極めて重要で
あり、これの対策として検体や試薬に直接接触する部
分,部品を1回の測定のみに使用する使い捨てとして構
成した装置が報告されている。
【0004】その例としては、1)「医学と薬学」第2
8巻第6号(1992年12月)p.1259−126
4に記載されている全自動化学発光酵素免疫測定システ
ムや、2)「日本臨床検査学会第24回大会」機器・試
薬セミナー(1992年)で発表された高速全自動発光
免疫測定装置や、3)「CLINICAL CHEMI
STRY」Vol.40,No.3(1994)p.4
07−410に紹介された「Automated Im
munoassay System」等が知られてい
る。
【0005】第1及び第2の従来技術の装置は、検体の
分取に用いる分注ノズルの先端には、デイスポーザブル
なノズルチップを装着して、検体の分取を行っている。
また、試薬はデイスポーザブル試薬カートリッジに予め
収納してある。測定時には、この試薬カートリッジを所
定の反応温度に維持された反応ラインに移して、この反
応ライン上で、検体の分注,検体の撹拌,B/F(Bi
nd/Free)分離,標識抗体の分注,第2のB/F
分離,発光基質の分注等の一連の操作を行った後、発光
量の測定を行うように構成されている。
【0006】第3の従来技術の装置は、検体の分取に用
いる分注ノズルの先端には、デイスポーザブルノズルチ
ップを装着して、検体の分取を行っているが、試薬は大
容量の試薬ボトルに入れられており、測定時に、デイス
ポーザブルな反応容器に必要量を分取するものである。
反応ライン上で、反応容器への試薬の分注,検体の分
注,検体の撹拌,B/F(Bind/Free)分離,
標識抗体の分注,第2のB/F分離,発光基質の分注等
の一連の操作を行った後、発光量の測定を行うように構
成されている。
【0007】また、発光免疫測定法のための分析装置で
はなく、一般の分析装置や分析用試料の前処理装置にお
いて、特開平4ー145370号公報や特公昭62ー4
4222号公報に記載のように、反応ラインを用いず
に、回転と上下動を行う単一のロボットアームを用い
て、このロボットアームの周囲に試薬や反応容器を配置
して分析や前処理を行うことも知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した発光免疫測定
法のための第1、第2及び第3の従来技術においては、
デイスポーザブルなノズルチップ、試薬カートリッジ或
いは反応容器等を用いることにより、コンタミネーショ
ンの回避を図っている。しかしながら、反応ラインを使
用して、この反応ライン上で一連の操作を行うようにし
ているため、装置が大型化するという問題がある。
【0009】一方、特開平4ー145370号公報や特
公昭62ー44222号公報に記載された装置は、旋回
及び上下動を行うロボットアームを中心とする装置構成
となっているため、分析装置が大型化するという問題が
ある。
【0010】本発明の目的は、反応容器の搬送範囲を小
さくすることによって、分析装置全体の小型化を図るこ
とができる分析装置を提供することにある。
【0011】本発明の他の目的は、分析装置のオペレー
タが検体の収容された反応容器に接触することを極力回
避できる分析装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、デイスポーザブルな反応容器内で検体と
試薬の反応を進め、反応液を測定部へ導入した後、使用
済の反応容器を廃棄する分析装置において、反応容器を
把持し得るグリップ手段と、該グリップ手段をX方向及
びY方向に移動する運搬手段と、分注ステーションに置
かれた反応容器に検体及び試薬を分注する分注手段と、
反応容器内の検体と試薬の混合物をインキュベートする
インキュベータと、複数の未使用反応容器が配列される
ベッセルマガジンとを備え、上記分注ステーションと上
記インキュベータと上記ベッセルマガジンは、上記グリ
ップ手段の可動領域内に配置されているようにしたもの
である。
【0013】上記分析装置において、好ましくは、上記
グリップ手段が、上記ベッセルマガジン上の未使用反応
容器を上記分注ステーションに移す動作に先だって、上
記グリップ手段を上記分注ステーション及び上記インキ
ュベータ上に移動させることによって障害物の存在を点
検するように、上記運搬手段の動作を制御する制御手段
を備えるようにしたものである。
【0014】上記分析装置において、好ましくは、上記
運搬手段は、上記グリップ手段を含む移動体を備えてお
り、この移動体は、障害物を検知するための検知手段を
有するようにしたものである。
【0015】上記分析装置において、好ましくは、上記
グリップ手段が障害物の存在を点検するときに、上記グ
リップ手段は、上記分注ステーション上及び上記インキ
ュベータ上で、フィンガー部材が閉じられた状態のまま
降下されるようにしたものである。
【0016】上記分析装置において、好ましくは、障害
物の存在の点検に伴って、上記分注ステーション上又は
上記インキュベータ上に障害物が認識されたならば、上
記制御手段は、上記グリップ手段に該当障害物を把持さ
せ、次いで、上記グリップ手段を廃棄位置に移動せしめ
るようにしたものである。
【0017】上記分析装置において、好ましくは、上記
ベッセルマガジンは、未使用の反応容器の列を複数列収
容するものであり、そして、上記運搬手段が上記ベッセ
ルマガジン上の先頭の反応容器列の一方の端から順次反
応容器を1個づつ上記分注ステーションへ運搬するよう
に、上記運搬手段の動作を制御する制御手段を備えるよ
うにしたものである。
【0018】上記分析装置において、好ましくは、上記
運搬機構は、反応容器の存在を検知する検知手段を備え
ており、上記ベッセルマガジン上の先頭の反応容器列の
一方の端に反応容器が存在することが上記検知手段によ
って検知されたときに、上記制御手段は、反応容器の運
搬順序をリセットするようにしたものである。
【0019】上記分析装置において、好ましくは、上記
グリップ手段は、一方のフィンガー部材の大きさよりも
大きな他方のフィンガー部材を有し、上記グリップ手段
によって反応容器を把持するときに、上記一方のフィン
ガー部材は、反応容器同士の間に位置され、かつ、上記
他方のフィンガー部材は、反応容器列のない開放スペー
ス側に位置するように配置されるようにしたものであ
る。
【0020】上記分析装置において、好ましくは、上記
運搬手段は、上記グリップ手段が開状態か又は閉状態か
を検知する検知手段を有するようにしたものである。
【0021】上記分析装置において、好ましくは、未使
用のノズルチップの列が複数列配列されるチップマガジ
ンを備え、上記分注手段に未使用のノズルチップを結合
するためのチップ接続ステーションを備えるようにした
ものである。
【0022】上記分析装置において、好ましくは、上記
反応容器の頭部の外径は、上記ノズルチップの頭部の外
径と実質的に同じであるようにしたものである。
【0023】上記分析装置において、好ましくは、上記
分注ステーションは、複数の反応容器を載置可能であ
り、上記分注手段は、上記分注ステーション上の第1の
反応容器に検体及び希釈液を加えた後、該第1の反応容
器内に形成された希釈検体の一部を上記分注ステーショ
ン上の第2の反応容器にピペッテイングするようにした
ものである。
【0024】
【実施例】本発明の一実施例について、以下図面を用い
て説明する。
【0025】図1は、本発明の一実施例による発光免疫
測定法のための分析装置の平面図である。
【0026】この実施例においては、3種類の駆動機構
として、分注機構100,運搬機構200,シッパー機
構300が備えられている。分注機構100は、領域A
をカバーしている。運搬機構200は、領域Bをカバー
している。シッパー機構は領域Cをカバーしている。領
域Aと領域Bは、その一部で重複しており、重複してい
るところが、分注機構100と運搬機構200の接点で
ある。また、領域Bと領域Cは、その一部で重複してお
り、重複しているところが、運搬機構200とシッパー
機構300の接点である。分注機構100は、図1の紙
面に垂直なZ軸方向とこれに直交する軸の2軸方向に移
動できる。運搬機構200は、図1の紙面に垂直なZ軸
方向とこれに互いに直交するX軸,Y軸の3軸方向に移
動できる。シッパー機構3は、図1の紙面に垂直なZ軸
方向とこれに直交する軸の2軸方向に移動できる。
【0027】分注機構100には、図1の上を斜め横方
向に移動するノズルキャリア102が取り付けられてい
る。ノズルキャリア102は、分注機構100のレール
に沿って移動される。ノズルキャリア102には、図1
の紙面に垂直なZ軸方向に上下動するノズルホルダー1
04が載置されている。従って、ノズルホルダー104
が上下動し、さらに、ノズルホルダー104を載置した
ノズルキャリア102が斜め横方向に移動することによ
り、分注機構100は2軸方向に移動可能である。
【0028】分注機構100の移動範囲である領域Aの
最左端には、検体搬送機構110が配置されている。検
体搬送機構110の上には、同心円上に、30個の試料
容器112が載置されている。この試料容器112は、
検体搬送機構110から取り外し自由である。30個の
試料容器112が、予めドーナツ状の円板の上に載置さ
れ、その円板が、検体搬送機構110の上に載置され
る。しかし、緊急検体の測定の場合には、一つづつ試料
容器112を検体搬送機構110上に載置することも可
能である。個々の試料容器112の中にそれぞれ分析す
べき検体が収容されている。検体搬送機構110は、図
示しないパルスモータにより回動され、それぞれの試料
容器112をノズルホルダー104の下に位置決めす
る。試料容器112内の検体は、ノズルホルダー104
によって吸引される。
【0029】分注機構100の移動範囲である領域A内
であって、検体搬送機構110の隣には、試薬搬送機構
120が配置されている。試薬搬送機構120には、試
薬容器122a,122b,122cの3個1組の試薬
組122が載置されている。試薬搬送機構120の上に
は、18組の試薬組122が載置可能である。なお、1
8組の試薬組122には、分析用の試薬組に加えて、希
釈液やキャリブレーターやある分析項目の試薬の残量が
少なくなっている時にはその試薬の予備となる試薬組等
もセット可能である。従って、通常は最大18項目の分
析項目の分析ができるが、他の試薬組を用いることによ
り更に多数の項目の分析に対応できる。一つの試薬組
は、第1試薬,第2試薬及びビーズにより構成されてお
り、試薬容器122aにはビーズ含有液が入れられ、試
薬容器122bには第1試薬が入れられ、試薬容器12
2cには第2試薬が入れられている。ビーズは、2μm
程度の磁石のビーズの外側に抗体を付した免疫反応用担
体である。分析項目によっては、第1試薬だけを用いる
場合もあり、その際には、試薬容器122bは、使われ
ない。
【0030】試薬容器122a,122b,122c
は、それぞれ、蓋で覆われており、試薬搬送機構120
の上は、蓋124で覆われている。試薬搬送機構120
の内部は、温度制御されているため、その上部を蓋12
4で覆って外気から遮断している。試薬搬送機構120
に載置された試薬組122の試薬容器の側面には、それ
ぞれの試薬組122の分析項目を示すバーコードが取り
付けられており、蓋開閉機構130は、このバーコード
を読みとり、必要な試薬組122の確認を行うととも
に、必要な試薬容器122a,122b,122cの内
の一つ又は全部の蓋を開閉する。
【0031】蓋124の上には、ノズルホルダー104
の移動軌跡に沿って、開口126a,126b,126
cが形成されている。開口126aは、試薬容器122
aの上部に形成され、開口126bは、試薬容器122
bの上部に形成され、開口126cは、試薬容器122
cの上部に形成されている。
【0032】試薬搬送機構120は、図示しないパルス
モータによって回動され、蓋開閉機構130の前に位置
決めされて、必要な試薬容器122a,122b,12
2cの内の一つ又は全部の蓋の開閉が行われ、また、開
口126a,126b,126cのいずれか一つの下
に、試薬容器122a,122b,122cの内の所定
の一つが位置するように位置決めされる。試薬容器12
2a,122b,122c内の試薬若しくはビーズ含有
液は、ノズルホルダー104によって吸引される。
【0033】試薬搬送機構120の蓋124の上面の別
の開口からは、撹拌機構140が挿入可能であり、試薬
容器122a内のビーズ含有液Bを撹拌棒によって撹拌
する。これにより、磁性粒子からなるビーズの溶液内で
の分散の程度を均一化する。撹拌機構140の撹拌棒
は、洗浄槽150の方向に旋回でき、撹拌棒が洗浄槽1
50内で洗浄液により洗浄される。
【0034】分注機構100の移動範囲である領域A内
であって、最右端の試薬搬送機構120の右側には、バ
ッファプレート160が配置されている。バッファプレ
ート160には、2個の中継ステーション162と3個
の分注ステーション164が設けられている。中継ステ
ーション162及び分注ステーション164は、いずれ
も、バッファプレート160に形成された円形の開口で
あり、分注機構100のノズルホルダー104の移動軌
跡の下に設けられている。中継ステーション162に
は、使い捨てタイプのノズルチップが載置され、この中
継ステーション162に載置されたノズルチップがノズ
ルホルダー104の先端に取り付けられて、検体の分注
や試薬の分注の際に用いられる。また、分注ステーショ
ン164には、使い捨てタイプの反応容器が載置され、
この反応容器内に、ノズルホルダー104によって吸引
された検体や試薬が吐出される。中継ステーション16
2及び分注ステーション164の詳細については、後述
する。
【0035】バッファプレート160の高さは、そこに
載置されたノズルチップ又は反応容器の上端が、試薬搬
送機構120の上を覆う蓋124の高さとほぼ同じであ
り、この位置に合わせて、ノズルホルダー104が上昇
する時の最上端の位置が設定されている。ノズルホルダ
ー104がノズルチップを持った状態でのノズルチップ
先端の位置は、バッファプレート160及び蓋124の
高さより、僅かに上である。
【0036】さらに、分注機構100の移動範囲である
領域A内であって、試薬搬送機構120とバッファプレ
ート160の間には、洗浄槽150が設けられている。
洗浄槽150には、洗浄液を噴出するノズルが設けられ
ている。分注機構100のノズルホルダー104が、洗
浄槽150の真上に位置すると、ノズルの先端から洗浄
液が噴出され、ノズルホルダー104の先端に取り付け
られたノズルチップの外周に付着した検体又は試薬を洗
い流す。
【0037】以上説明したように、分注機構100のノ
ズルホルダー104は、検体搬送機構110,試薬搬送
機構120,洗浄槽150及びバッファプレート160
の上を、直線状の軌跡に沿って移動し、さらに、検体搬
送機構110,試薬搬送機構120及びバッファプレー
ト160の位置でZ軸方向に上下動して、2軸方向に移
動できる。
【0038】図1における運搬機構200には、Y軸方
向に延在しているY軸フレーム210と、このY軸フレ
ーム210に対して移動可能に取り付けられ、Y軸フレ
ーム210に直交する方向に延在しているX軸フレーム
230が備えられている。X軸フレーム230は、Y軸
方向に移動可能である。X軸フレーム230には、X軸
方向に移動可能なXキャリッジ250が取り付けられて
いる。さらに、Xキャリッジ250の中には、Z軸方向
に移動可能な一対のフィンガーが取り付けられている。
即ち、この運搬機構200は、3軸方向に移動可能であ
る。Xキャリッジ250は、グリップ機構251を含む
移動体として働く。
【0039】運搬機構200の移動範囲である領域Bに
は、ストッカー270が配置されている。ストッカー2
70の内側でその左側には、3個のベッセルマガジン2
72a,272b,272cが配置されている。ベッセ
ルマガジン272a,272b,272cの内の1個の
ベッセルマガジンには、6行10列のマトリックス状に
配置された円形の開口があり、それぞれの開口には使い
捨てタイプの反応容器274が載置されている。即ち、
1個のベッセルマガジンには、60個の反応容器が載置
されるので、3個のベッセルマガジンには、合計180
個の反応容器が載置されている。個々のベッセルマガジ
ン272a,272b,272cは、ストッカー270
から独立して取り外すことができ、反応容器の補充は、
通常はベッセルマガジン272a,272b,272c
毎に行える。勿論、反応容器を1個づつ補充してもよ
い。
【0040】ストッカー270の内側には、ベッセルマ
ガジンの他に3個のチップマガジン276a,276
b,276cが配置されている。チップマガジン276
a,276b,276cの内の1個のチップマガジンに
は、12行10列のマトリックス状に配置された円形の
開口があり、それぞれの開口には使い捨てタイプのノズ
ルチップ278が載置されている。即ち、1個のチップ
マガジンには、120個のノズルチップが載置されるの
で、3個のチップマガジンには、合計360個のノズル
チップが載置されている。個々のチップマガジン276
a,276b,276cは、ストッカー270から独立
して取り外すことができ、ノズルチップの補充は、通常
はチップマガジン276a,276b,276c毎に行
える。勿論、ノズルチップを1個づつ補充してもよい。
【0041】運搬機構200の移動範囲には、バッファ
プレート160が配置されている。即ち、バッファプレ
ート160は分注機構100と運搬機構200の動作範
囲の接点となっている。
【0042】Xキャリッジ250に取り付けられたグリ
ップ機構は、ストッカー270内のベッセルマガジン2
72a,272b,272cから反応容器を掴み上げ
て、バッファプレート160の方向に移動して、分注ス
テーション164の円形の開口に載置する。また、Xキ
ャリッジ250に取り付けられたグリップ機構は、スト
ッカー270内のチップマガジン276a,276b,
276cからノズルチップを掴み上げて、バッファプレ
ート160の方向に移動して、中継ステーション162
の円形の開口に載置する。
【0043】運搬機構200の移動範囲である領域Bの
右上側の部分には、ブロック状のインキュベーター28
0が配置されている。インキュベーター280の内部は
所定の温度、例えば、37℃に温度制御されており、そ
の上面には、反応容器274の外形に類似した8列4行
のマトリックス状に配置された32個の開口を有するベ
ッセルホルダー282が取り付けられている。従って、
このベッセルホルダー282の開口に試薬及び検体の分
注された反応容器を運搬機構200により搬送してき
て、挿入して保持することにより、反応容器内の検体及
び試薬を所定温度に加熱できる。
【0044】運搬機構200の移動範囲である領域Bの
右上側の部分で、インキュベーター280内のベッセル
ホルダー282の右側には、シッパーステーション28
4が設けられている。インキュベーター280におい
て、所定の反応時間の経過した反応容器が、このシッパ
ーステーション284の位置に、運搬機構200により
搬送されてくる。このシッパーステーション284は、
後述するシッパー機構300が反応時間の経過した検体
及び試薬を吸引して測定ユニット310に移送するため
の定位置である。
【0045】運搬機構200の移動範囲である領域B内
であって、インキュベーター280,ベッセルマガジン
272a,272b,272c及びチップマガジン27
6a,276b,276cの下側の装置本体の内部に
は、図中、破線で示すウエストボックス290が配置さ
れている。ウエストボックス290には、2つの開口が
あり、その一つは、バッファプレート160に設けられ
た投棄位置166の下に開いたノズルチップ用開口29
2であり、他の一つは、インキュベーター280の左側
に開いているベッセル用開口294である。
【0046】ノズルホルダー104の先端に取り付けら
れた使い捨てタイプのノズルチップは、検体の分注や試
薬の分注に使用された後、バッファプレート160に設
けられた投棄位置166で、ノズルホルダー104から
分離され、その下に開いたノズルチップ用開口292か
らウエストボックス290に収納され、投棄される。な
お、バッファプレート160に設けられた投棄位置16
6の詳細については、図2を用いて後述する。
【0047】また、反応容器内で検体と試薬を反応さ
せ、シッパーステーション284においてその内部の検
体を吸引された後、シッパーステーション284に残っ
ている使用済みの反応容器は、運搬機構200により、
ベッセル用開口294の上まで運搬された後、ベッセル
用開口294からウエストボックス290に収納され、
投棄される。
【0048】ウエストボックス290には、破線で示さ
れる取っ手が設けられており、この取っ手を掴んで、ウ
エストボックス290を手前に引くことにより、装置本
体の前面から引き出すことが可能である。
【0049】以上説明したように、運搬機構200のX
キャリッジ250は、ベッセルマガジン272a,27
2b,272c及びチップマガジン276a,276
b,276cを載置したストッカー270,バッファプ
レート160及びインキュベータ280の上を、X軸及
びY軸の2軸方向に移動し、さらに、反応容器274や
ノズルチップ278の上,バッファプレート160の中
継ステーション162や分注ステーション164の上,
インキュベータ280のベッセルホルダー282やシッ
パーステーション284の上でグリップ機構が上下動し
て、3軸方向に移動できる。
【0050】シッパー機構300には、X軸方向に移動
するノズルキャリア302が取り付けられている。この
ノズルキャリア302には、図1のZ軸方向に上下動す
るシッパノズル304が載置されている。従って、シッ
パノズル304が上下動し、さらに、シッパノズル30
4を載置したノズルキャリア302がY軸方向に移動す
ることにより、シッパー機構300は2軸方向に移動可
能である。
【0051】シッパー機構300の移動範囲である領域
Cの最左端は、上述したシッパーステーション284の
位置である。即ち、シッパーステーション284は、運
搬機構200とシッパー機構300の動作範囲の接点と
なっている。
【0052】シッパー機構300のシッパノズル304
は、シッパーステーション284に載置された反応容器
内から検体と試薬を吸引し、測定ユニット310内に導
いて、検体からの発光強度を測定する。
【0053】ここで、測定ユニット310内には、シッ
パノズル304と連通したフローセルと、このフローセ
ルの近傍に配置された光検出器を有する。
【0054】シッパー機構300の移動範囲である領域
C内であって、最左端のシッパーステーション284の
右側には、シッパノズル洗浄槽320が配置されてい
る。その構成は、洗浄槽150と同様であって、シッパ
ノズル304の外壁を洗浄液により洗浄する。
【0055】シッパー機構300の移動範囲である領域
C内であって、シッパノズル洗浄槽320の右側には、
緩衝液タンク330,洗浄液タンク334,緩衝液タン
ク332,洗浄液タンク336が順番に配置されてい
る。緩衝液タンク330,洗浄液タンク334及び緩衝
液タンク332の開口330a,334a,332a及
び図示しない洗浄液タンク336の開口は、一直線上に
配置されており、この直線の延長上に、シッパーステー
ション284及びシッパノズル洗浄槽320が配置され
ているとともに、この直線上をシッパノズル304が移
動する。
【0056】シッパノズル304の先端付近に設けられ
た液面センサにより、緩衝液タンク330や洗浄液タン
ク334内の液の残量を検出できるので、残量が少なく
なると、緩衝液タンク330と洗浄液タンク334から
緩衝液タンク332と洗浄液タンク336に切り替えて
使用される。この液面センサは、シッパーステーション
284に載置された反応容器内の反応液の液面検出にも
使用される。
【0057】シリンジポンプ400は、シッパノズル3
04に接続されており、シッパーステーション284に
載置された反応容器内からの反応液の吸引、緩衝液タン
ク330,332からの緩衝液の吸引、洗浄液タンク3
34,336からの洗浄液の吸引等に用いられる。シリ
ンジポンプ402は、ノズルホルダー104に接続され
ており、検体搬送機構110に載置された試料容器11
2からの検体の吸引、試薬搬送機構120に載置された
試薬容器122a,122b,122cからの試薬の吸
引、バッファプレート160の分注ステーション164
に載置された反応容器内への検体や試薬の吐出等に用い
られる。
【0058】緩衝液タンク330,332及び洗浄液タ
ンク334,336の手前側には、廃液タンク404が
配置されている。この廃液タンク404内には、洗浄槽
150で使用した洗浄水や、シッパーノズル洗浄槽32
0で使用した洗浄水や、測定ユニット310内のフロー
セルを通過した反応液,緩衝液,洗浄液等が廃液として
捨てられる。また、廃液タンク404の右側には、給水
タンク406が配置されている。この給水タンク406
内の水は、洗浄水として、洗浄槽150及びシッパーノ
ズル洗浄槽320に供給される。
【0059】次に、全体システムの動作について、以下
に説明する。
【0060】予め、装置本体に内蔵されている制御装置
としてのマイクロコンピュータには、キーボード等の入
力装置を介して、検体番号と、それぞれの検体毎に実施
すべき分析項目が入力されている。ここでは、検体1に
ついて、分析項目H,I,Jを行い、引き続いて、検体
2について分析するものとする。
【0061】ここで、分析項目HとIは、最初に所定の
試薬,ビーズ含有液及び検体を分注し、数分間の第1反
応を終えた後、更に、必要により試薬またはビーズ含有
液を加えて、更に数分間の第2の反応を行わせる2段階
の反応とし、分析項目Jは、分析に必要な全試薬,ビー
ズ含有液及び検体を同時に分注、反応させる1段階反応
とし、夫々の分注ステップを次のように仮定する。即
ち、分析項目Hは、前半の反応は、ビーズ含有液,第1
試薬R1及び検体Sとし、後半で、これに第2試薬R2
を加える。また、分析項目Iは、前半は、第1試薬R1
と検体Sのみとし、後半で、これにビーズ含有液及び第
1試薬R2を加える。分析項目Jは1段階反応のため、
ビーズ含有液,第1試薬R1,第2試薬R2及び検体S
を同時に分注する。
【0062】検体1について、分析項目Hを実施する第
1の例について、以下にその動作を説明する。
【0063】分析が開始されると、運搬機構200に取
り付けられた移動体としてのXキャリッジ250が、待
機位置からチップマガジン276aの左上の角の位置に
移動し、その位置にある未使用のノズルチップを掴む。
Xキャリッジ250は、さらに、バッファプレート16
0に設けられた中継ステーション162の左側の開口
に、ノズルチップを載置する。
【0064】Xキャリッジ250は、最初は、チップマ
ガジン276aの左上の角の位置からノズルチップを掴
み、以後、順次同じ列を右側に進む。この先頭の列に
は、12個のノズルチップが載置されているため、12
個分使用した後は、第2の列に進む。この列も12個の
ノズルチップを使用すると、さらに、第3の列に進む。
このようにして、120個のノズルチップを使用し終わ
ると、次に、チップマガジン276bの左上の角の位置
からノズルチップを掴み、チップマガジン276b内の
ノズルチップの使用が終わると、次は、チップマガジン
276cに進む。
【0065】分注機構100のノズルホルダー104
が、待機位置である洗浄槽150の位置から右斜め方向
に移動して、バッファプレート160に設けられた中継
ステーション162の左側の開口の位置の上まで移動す
る。その位置で下降して、ノズルホルダー104の先端
の外周にノズルチップの内周を嵌合して、そのノズルチ
ップを取り付ける。ノズルチップを取り付けたノズルホ
ルダー104は、左斜め方向に移動し、試薬搬送機構1
20の上に乗せられた蓋124に形成された開口126
aの上で停止する。ノズルチップが下降して、その開口
126aの下に位置決めされている試薬容器122a内
に収納されている分析項目Hに使用するビーズ含有液B
Hを吸引する。吸引する量は、ここでは、50μlとし
てある。しかしながら、試薬の分取量は、分析項目によ
っては、20μlとする場合もあり、他の量とすること
もある。分取量は、シリンジポンプ402の動作により
容易に可変できる。
【0066】装置本体のマイクロコンピュータは、分析
項目Hの動作が始まったことを認識しているため、分注
機構100の動作に先だって、分析項目Hに必要な試薬
を載置している試薬組122を蓋開閉機構130に対向
した位置に位置決めする。この位置決めは、試薬搬送機
構120に載置された試薬容器の側面に付けたバーコー
ドにより、試薬組122に収納されている試薬の種類を
判別して行われる。ここで、蓋開閉機構130は、分析
項目Hに使用される試薬組122の試薬容器122a,
122bの蓋を開く。その後、試薬搬送機構120が回
動して、試薬容器122aを蓋124に形成された開口
126dの下に位置決めすることにより、撹拌機構14
0により、容器内のビーズ含有液が撹拌される。撹拌の
終了後、試薬搬送機構120が回動し、試薬容器122
aを蓋124に形成された開口126aの下に位置決め
することにより、ノズルチップによるビーズ含有液の吸
引が可能となる。
【0067】この間に、運搬機構200の移動体である
Xキャリッジ250が、ベッセルマガジン272aの左
上の角の位置に移動し、その位置にある未使用の反応容
器を掴む。Xキャリッジ250は、さらに、バッファプ
レート160に設けられた分注ステーション164の3
個並んだ開口の内一番右側の開口に移動し、その開口
に、反応容器を載置する。
【0068】Xキャリッジ250は、最初は、ベッセル
マガジン272aの左上の角の位置から反応容器を掴
み、以後、順次同じ列を右側に進む。先頭の列には、6
個の反応容器が載置されているため、6個分使用した後
は、第2の列に進む。この列も6個の反応容器を使用す
ると、さらに、第3の列に進む。このようにして、60
個の反応容器を使用し終わると、次に、ベッセルマガジ
ン272bの左上の角の位置から反応容器を掴み、ベッ
セルマガジン272b内の反応容器の使用が終わると、
次は、ベッセルマガジン272cに進む。
【0069】ビーズ含有液BHの吸引を終えたノズルホ
ルダー104は、上昇した後、洗浄槽150の位置まで
移動し、一旦、その位置で停止する。洗浄槽150から
洗浄水が噴出され、ノズルチップの外周を洗浄する。こ
れによって、このノズルチップの外壁に付着したビーズ
が、次に吸引された試薬や検体などを汚染するのを防止
する。
【0070】次いで、ノズルホルダー104は、左斜め
方向に移動し、試薬搬送機構120の蓋124に形成さ
れた開口126bの上で停止する。ノズルチップが下降
して、その開口126bの下に位置決めされている試薬
容器122b内に収納されている分析項目Hに使用する
第1試薬R1Hを吸引する。第1試薬R1Hを吸引する量
は、ここでは、50μlとしてある。しかしながら、こ
の分取量は、分析項目によっては、20μlとする場合
もあり、他の量とすることもある。分取量は、シリンジ
ポンプ402の動作により容易に可変できる。
【0071】第1試薬R1Hの吸引を終えたノズルホル
ダー104は、再び上昇した後、洗浄槽150の位置ま
で移動し、一旦、その位置で停止する。洗浄槽150か
ら洗浄水が噴出され、ノズルチップの外周を洗浄する。
【0072】試薬R1の分注終了後は、試薬搬送機構1
20が回動し、分析項目Hの試薬組122を、蓋開閉機
構130の位置に位置決めし、蓋開閉機構130によ
り、それぞれビーズ含有液BHと第1試薬R1Hの入って
いる試薬容器122a,122bの蓋を閉じる。
【0073】この間に、運搬機構200のXキャリッジ
250が、待機位置からチップマガジン276aの左上
の角の位置から2番目の位置に移動し、その位置にある
未使用のノズルチップを掴む。Xキャリッジ250は、
さらに、バッファプレート160に設けられた中継ステ
ーション162の左側の開口に移動し、その開口にノズ
ルチップを載置する。さらに、Xキャリッジ250は、
必要によては、チップを結合するための中継ステーショ
ン162の右側の開口にもノズルチップを運んでおく。
【0074】ノズルホルダー104は、左斜め方向に移
動し、検体搬送機構110に載置された試料容器112
の上まで移動する。ノズルホルダー104の下には、検
体S1が位置決めされている。ノズルホルダー104は
下降し、試料容器112から第1番目の検体S1を所定
量吸引する。ここで、検体S1を吸引する量は、ここで
は、50μlとしてある。しかしながら、この分取量
は、分析項目によっては、20μlとする場合もあり、
他の量とすることもある。分取量は、シリンジポンプ4
02の動作により容易に可変できる。こうして、ノズル
チップ内には、ビーズ含有液BH,第1試薬R1H及び検
体S1が吸引保持される。
【0075】ノズルホルダー104が、検体S1を吸引
した状態で、バッファプレート160に設けられた分注
ステーション164の右側の開口の上まで移動する。そ
の位置でノズルホルダー104が下降して、その下に位
置する反応容器内にノズルチップ内に吸引したビーズ含
有液BH,第1試薬R1H及び検体S1を吐出し、併せ
て、この吐出動作によって、第1試薬R1Hとビーズ含
有液BHと検体S1が撹拌される。検体を最後に吸引す
るのは、検体が試薬容器122a,122b内に混入す
るのを防止するためである。
【0076】吐出を終えたノズルホルダー104は、バ
ッファプレート160の投棄位置166に移動し、投棄
位置166で、投棄位置166の切り欠きにノズルチッ
プの上端を引っかけて、ノズルホルダー104の先端か
らノズルチップを外すと、ノズルチップは、その下のノ
ズルチップ用開口292より、ウエストボックス290
内に捨てられる。その後、ノズルホルダー104は、洗
浄槽150の上の待機位置に戻る。
【0077】次に、運搬機構200のXキャリッジ25
0が、待機位置からバッファプレート160に設けられ
た分注ステーション164の右側の開口の上まで移動
し、その位置に載置された反応容器を掴み上げる。この
反応容器内には、第1試薬R1Hとビーズ含有液BHと検
体S1が収納されている。Xキャリッジ250は、イン
キュベーター280の上に移動し、左上の角の位置に、
位置決めされる。その位置で下降して、インキュベータ
ー280内に載置して、反応容器内の検体等を一定温度
で加熱する。ここで、インキュベーター280の加熱温
度は37℃としてある。
【0078】インキュベーター280における反応時間
は、数分間であるが、ここでは、全ての分析項目につい
て同一の時間となるように、各試薬の濃度を調整してあ
り、9分間としてある。
【0079】以上の一連の動作で、検体1に対する分析
項目Hの第1段階の動作が終了する。次の第2段階の動
作としては、反応容器内に第2試薬R2Hを混入する動
作があるが、この動作は、9分間のインキュベート時間
経過後であり、その間に、装置は、検体1に対する他の
分析項目の動作を進めていく。
【0080】次に、全体システムの動作の第2の例とし
て、検体1に対する分析項目Iの動作について説明す
る。この分析項目Iは、分析項目Hとは分析手順の異な
るものとして既に説明した。なお、分析手順が同じで、
使用する試薬のみが異なる時には、上述した検体1に対
する分析項目Hの手順と同様な動作を実行すればよい。
【0081】バッファプレート160に設けられた中継
ステーション162の左側の開口には、既に前のサイク
ルでノズルチップが載置されている。ノズルホルダー1
04が、待機位置である洗浄槽150の位置から右斜め
方向に移動して、バッファプレート160に設けられた
中継ステーション162の左側の開口の位置の上まで移
動する。その位置で下降して、ノズルホルダー104の
先端にノズルチップを取り付ける。ノズルチップを取り
付けたノズルホルダー104は、左斜め方向に移動し、
試薬搬送機構120の蓋124に形成された開口126
bの上で停止する。ノズルチップが下降して、その開口
126bの下に位置決めされている試薬容器122b内
に収納されている分析項目Iに使用する第1試薬R1I
を吸引する。ここで、第1試薬R1Iを吸引する量は、
ここでは、50μlとしてある。
【0082】ここでは、試薬搬送機構120による分析
項目Iの試薬組122の位置決め,蓋開閉機構130に
よる試薬容器122a及び122bの蓋開閉については
説明を省略したが、前記の分析項目Hの場合と同様に行
われる。
【0083】この間に、運搬機構200のXキャリッジ
250が、ベッセルマガジン272aの左上の角の位置
の右隣の位置に移動する。装置のマイクロコンピュータ
は、すでに、ベッセルマガジン272aの左上の角の位
置の反応容器は使用済みであることを認識しているた
め、直ちに、左上の角の位置の右隣の位置に移動するX
キャリッジ250は、その位置にある未使用の反応容器
を掴む。Xキャリッジ250は、さらに、分注ステーシ
ョン164の右側の開口に移動し、その開口に、反応容
器を載置する。
【0084】ノズルホルダー104が、第1試薬R1H
を吸引した状態で、洗浄槽150の位置まで移動され、
ノズルチップの外壁が洗浄される。
【0085】この間に、運搬機構200のXキャリッジ
250が、待機位置からチップマガジン276a上の次
のノズルチップの位置に移動し、その位置にある未使用
のノズルチップを掴む。Xキャリッジ250は、さら
に、バッファプレート160に設けられた中継ステーシ
ョン162の左側の開口に移動し、その開口にノズルチ
ップを載置する。
【0086】ノズルホルダー104は、左斜め方向に移
動し、検体搬送機構110に載置された試料容器112
の上まで移動する。分析項目Iでは、第1段階では、ビ
ーズ含有液Bは使用しない。ノズルホルダー104の下
には、検体S1が位置決めされている。ノズルホルダー
104は下降し、試料容器112から第1番目の検体S
1を所定量吸引する。ここで、検体S1を吸引する量
は、ここでは、50μlとしてある。ノズルホルダー1
04が、検体S1を吸引した状態で、バッファプレート
160に設けられた分注ステーション164の右側の開
口の上まで移動する。その位置でノズルホルダー104
が下降して、その下に位置する反応容器内に第1試薬R
Iと検体S1を吐出する。反応容器内に第1試薬R1I
と検体S1を吐出することによって、第1試薬R1I
検体S1が撹拌される。検体を最後に分注するのは、既
に説明したように、検体が試薬容器122a,122
b,122c内に混入するのを防止するためである。
【0087】次いで、ノズルホルダー104は、バッフ
ァプレート160の投棄位置166に移動し、投棄位置
166で、投棄位置166の切り欠きにノズルチップの
上端を引っかけて、ノズルホルダー104の先端からノ
ズルチップを外すと、ノズルチップは、ウエストボック
ス290内に捨てられる。その後、ノズルホルダー10
4は、待機位置に戻る。
【0088】次に、運搬機構200のXキャリッジ25
0が、待機位置からバッファプレート160に設けられ
た分注ステーション164の右側の開口の上まで移動
し、その位置に載置された反応容器を掴み上げる。この
反応容器内には、第1試薬R1Hと検体S1が収納され
ている。Xキャリッジ250は、インキュベーター28
0の上に移動し、左上の角の位置の右隣の位置に、位置
決めされる。その位置で下降して、インキュベーター2
80内に載置して、反応容器内の検体等を一定温度で加
熱する。インキュベーション時間は、同じく9分間であ
る。
【0089】以上の一連の動作で、検体1に対する分析
項目Iの第1段階の動作が終了する。次の第2段階の動
作としては、反応容器内にビーズ含有液BI及び第2試
薬R2Iを混入する動作があるが、この動作は、9分間
のインキュベート時間経過後であり、その間に、装置
は、検体1に対する他の分析項目の動作を進めていく。
【0090】次に、全体システムの動作の第3の例とし
て、検体1に対する分析項目Jの動作について説明す
る。この分析項目Jは、分析項目H及び分析項目Iとは
分析手順の異なるものとして既に説明した。
【0091】バッファプレート160に設けられた中継
ステーション162の左側の開口には、既に前のサイク
ルでノズルチップが載置されている。分注機構100の
ノズルホルダー104が、洗浄槽150の位置からチッ
プ接続用の中継ステーション162の左側の開口の位置
の上まで移動する。その位置で下降して、ノズルホルダ
ー104の先端にノズルチップを取り付ける。ノズルチ
ップを取り付けたノズルホルダー104は、左斜め方向
に移動し、試薬搬送機構120の蓋124に形成された
開口126aの上で停止する。ノズルチップが下降し
て、その開口126aの下に位置決めされている試薬容
器122a内に収納されている分析項目Jに使用するビ
ーズ含有液BJを吸引する。ここで、第1試薬R1Jを吸
引する量は、ここでは、50μlとしてある。しかしな
がら、この分取量は、分析項目によっては、20μlと
する場合もあり、他の量とすることもある。分取量を変
えるのは、シリンジポンプ402の動作により容易に可
変できるものである。
【0092】この場合にも、試薬搬送機構120,蓋開
閉機構130及び撹拌機構140の動作は省略したが、
前述の場合と同じく行われる。ただ、この場合には、分
析項目Jの試薬組122からビーズ含有液BJ,第1試
薬R1J及び第2試薬R2Jが連続してノズルチップ内に
吸引されるので、夫々の試薬容器122a,122b,
122cの蓋は一度に全て開閉される。
【0093】この間に、運搬機構200に取り付けられ
たXキャリッジ250が、ベッセルマガジン272aの
左上の角の位置から2つ右隣の位置に移動し、その位置
にある未使用の反応容器を掴む。Xキャリッジ250
は、さらに、分注ステーション164の右側の開口に移
動し、その開口に、反応容器を載置する。ノズルホルダ
ー104が、ビーズ含有液BJを吸引した状態で、ノズ
ルホルダー104は、上昇した後、洗浄槽150の位置
まで移動し、一旦、その位置で停止する。洗浄槽150
の噴水ノズルから洗浄水が噴出され、ノズルホルダー1
04の周囲を洗浄する。
【0094】さらに、ノズルホルダー104は、左斜め
方向に移動し、蓋124の開口126bの上で停止す
る。ノズルチップが下降して、その開口126bの下に
位置決めされている試薬容器122b内に収納されてい
る分析項目Jに使用する第1試薬R1Jを吸引する。こ
こで、第1試薬R1Jを吸引する量は、ここでは、50
μlとしてある。しかしながら、この分取量は、分析項
目によっては、20μlとする場合もあり、他の量とす
ることもある。分取量を変えるのは、シリンジポンプ4
02の動作により容易に可変できるものである。ノズル
ホルダー104が、第1試薬R1Jを吸引保持した状態
で上昇した後、洗浄槽150の位置まで移動し、ノズル
チップの外壁が洗浄される。
【0095】この間に、運搬機構200のXキャリッジ
250が、待機位置からチップマガジン276a上に移
動し、未使用のノズルチップを掴む。Xキャリッジ25
0は、さらに、中継ステーション162の左側の開口に
移動し、その開口にノズルチップを載置する。
【0096】ノズルホルダー104は、左斜め方向に移
動し、試薬搬送機構120の上に乗せられた蓋124に
形成された開口126cの上で停止する。ノズルチップ
が下降して、その開口126cの下に位置決めされてい
る試薬容器122c内に収納されている分析項目Jに使
用する第2試薬R2Jを吸引する。ここで、第2試薬R
Jを吸引する量は、ここでは、50μlとしてある。
第2試薬R2Jを吸引した状態で、ノズルホルダー10
4は、上昇した後、洗浄槽150の位置まで移動し、ノ
ズルチップの外壁が洗浄される。
【0097】次いで、ノズルホルダー104は、試料容
器112の上まで移動する。ノズルホルダー104の下
には、検体S1が位置決めされている。ノズルホルダー
104は下降し、試料容器112から第1番目の検体S
1を所定量吸引する。ここで、検体S1を吸引する量
は、ここでは、50μlとしてある。
【0098】ノズルホルダー104が、夫々の試薬及び
検体S1を吸引保持した状態で、分注ステーション16
4の右側の開口の上まで移動する。その位置でノズルホ
ルダー104が下降して、その下に位置する反応容器内
にノズルチップ内の全液を吐出する。反応容器内にビー
ズ含有液BJ,第1試薬R1J,第2試薬R2J及び検体
S1を同時に吐出することによって、第1試薬R1J
第2試薬R2Jとビーズ含有液BJと検体S1が撹拌され
る。この後、ノズルホルダー104は、投棄位置166
に移動し、ノズルホルダー104の先端からノズルチッ
プを外すと、ノズルチップは、ノズルチップ用開口29
2より、ウエストボックス290内に捨てられる。その
後、ノズルホルダー104は、待機位置に戻る。
【0099】次に、運搬機構200に取り付けられたX
キャリッジ250が、待機位置から分注ステーション1
64の右側の開口の上まで移動し、その位置に載置され
た反応容器を掴み上げる。この反応容器内には、第1試
薬R1Jと第2試薬R2Jとビーズ含有液BJと検体S1
が収納されている。Xキャリッジ250は、インキュベ
ーター280の上に移動し、インキュベーター280内
に反応容器を載置して、反応容器内の検体等を一定温度
で加熱する。インキュベーション時間は9分間である。
【0100】以上の一連の動作で、検体1に対する分析
項目Jの第1段階の動作が終了する。分析項目Jに対し
ては、次の分注段階はなく、インキュベーション終了
後、直ちに測定される。この測定動作は、9分間のイン
キュベート時間経過後であり、その間に、装置は、他の
分析項目の動作を進めていく。
【0101】以上の説明で、検体1に対する分析項目
H,I,Jの第1段階の動作が終了したので、次に、検
体2に対する分析項目Hの動作が開始される。この動作
は、基本的には、検体1に対する分析項目Hの動作と同
じである。異なるのは、チップマガジン276aからノ
ズルチップを掴む位置及びベッセルマガジン272aか
ら反応容器を掴み位置が順次右隣にずれていることであ
る。また、検体搬送機構110は、検体2の入った試料
容器112をノズルホルダー104の下の位置に位置決
めする。
【0102】以上のようにして、それぞれの検体につい
てそれぞれの分析項目の第1段階が実行され、検体1に
対する分析項目Hの第1段階の動作終了後、9分間のイ
ンキュベーション時間が経過したものとして、次の第2
段階の動作について以下に説明する。
【0103】まず、第1番目の反応容器内には、第1試
薬R1Hとビーズ含有液BHと検体1が混合され、混合物
がインキュベータ280内で恒温加熱され、9分間のイ
ンキュベーション時間が経過する少し前の時間になって
いるものとする。
【0104】このタイミングで、分注機構100に取り
付けられたノズルホルダー104が、待機位置である洗
浄槽150の位置から中継ステーション162の右側の
開口の位置の上まで移動する。その位置で下降して、ノ
ズルホルダー104の先端にノズルチップを取り付け
る。ノズルチップは、前述したように、運搬機構200
に取り付けられたXキャリッジ250により予め中継ス
テーション162の右側の開口の位置に載置されてい
る。ノズルチップを取り付けたノズルホルダー104
は、左斜め方向に移動し、蓋124に形成された開口1
26cの上で停止する。ノズルチップが下降して、その
開口126cの下に位置決めされている試薬容器122
c内に収納されている分析項目Hに使用する第2試薬R
Hを吸引する。ここで、第2試薬R2Hを吸引する量
は、ここでは、50μlとしてある。
【0105】その間に、第1番目の反応容器に対する9
分間のインキュベーション時間が経過すると、Xキャリ
ッジ250が、待機位置からインキュベータ280の左
上の角の位置に移動し、第1番目の反応容器を掴む。そ
の後、Xキャリッジ250は、分注ステーション164
にその反応容器を載置する。
【0106】ノズルホルダー104が、ノズルチップ内
に第2試薬R2Hを吸引保持した状態で、分注ステーシ
ョン164の右側の開口の上まで移動する。その位置で
ノズルホルダー104が下降して、その下に位置する第
1段階のインキュベーションの終了した第1番目の反応
容器内に第2試薬R2Hを吐出し、その吐出圧によって
混合物を撹拌する。
【0107】ノズルホルダー104は、バッファプレー
ト160の投棄位置166に移動し、投棄位置166の
切り欠きにノズルチップの上端を引っかけて、ノズルホ
ルダー104の先端からノズルチップを外すと、ノズル
チップは、ウエストボックス290内に捨てられる。そ
の後、ノズルホルダー104は、待機位置に戻る。
【0108】次に、運搬機構200のXキャリッジ25
0が、待機位置から分注ステーション164まで移動
し、第1番目の反応容器を掴み上げる。この反応容器内
には、第1試薬R1Hと第2試薬R2Hとビーズ含有液B
Hと検体S1が収容されている。Xキャリッジ250
は、インキュベーター280の上に移動し、左上の角の
位置から隣の列の左端の位置に、位置決めされる。その
位置で下降して、インキュベーター280内に第1番目
の反応容器を載置して、反応容器内の検体等を37℃で
加熱する。インキュベーション時間は、第1段階と同様
に9分間である。
【0109】以上の一連の動作で、検体1に対する分析
項目Hの第2段階の動作が終了する。次の第3段階の動
作としては、測定ユニットにおける測光動作があるが、
この動作は、9分間のインキュベート時間経過後であ
り、その間に、装置は、検体1に対する他の分析項目の
動作を進めていく。
【0110】次に、上述した分析項目Iのための第2の
例の後半の第2段階について説明する。
【0111】上述したように、第2番目の反応容器内に
は、第1試薬R1Iと検体S1が混合され、インキュベ
ータ280内で恒温加熱され、9分間のインキュベーシ
ョン時間が経過する少し前の時間になっているものとす
る。
【0112】このタイミングで、ノズルホルダー104
が、待機位置である洗浄槽150の位置から中継ステー
ション162の右側の開口の位置の上まで移動し、その
位置で下降して、ノズルホルダー104の先端にノズル
チップを取り付ける。ノズルチップは、前述したよう
に、中継ステーション162の右側の開口の位置に載置
されている。ノズルチップを取り付けたノズルホルダー
104は、左斜め方向に移動し、蓋124に形成された
開口126aの上で停止する。ノズルチップが下降し
て、その開口126aの下に位置決めされている試薬容
器122a内に収納されている分析項目Iに使用するビ
ーズ含有液BIを吸引する。ここで、ビーズ含有液BI
吸引する量は、ここでは、50μlとしてある。
【0113】その間に、第2番目の反応容器に対する9
分間のインキュベーション時間が経過すると、Xキャリ
ッジ250が、待機位置からインキュベータ280の左
上の角の近くの位置に移動し、第2番目の反応容器を掴
む。その後、Xキャリッジ250は、分注ステーション
164にその反応容器を載置する。
【0114】ノズルホルダー104が、ビーズ含有液B
Iを吸引した後に、ノズルホルダー104は、上昇した
後、洗浄槽150の位置まで移動し、ノズルチップの外
壁が洗浄水により洗浄される。
【0115】ノズルホルダー104は、左斜め方向に移
動し、蓋124に形成された開口126cの上で停止す
る。ノズルチップが下降して、その開口126cの下に
位置決めされている試薬容器122c内に収納されてい
る分析項目Iに使用する第2試薬R2Iを吸引する。こ
こで、第2試薬R2Iを吸引する量は、50μlとして
ある。
【0116】ノズルホルダー104が、ノズルチップ内
に第2試薬R2Iを吸引保持した状態で、分注ステーシ
ョン164の右側の開口の上まで移動する。その位置で
ノズルホルダー104が下降して、その下に位置する第
1段階のインキュベーションの終了した第2番目の反応
容器内にビーズ含有液BIと第2試薬R2Iが吐出され、
その吐出圧によって混合物を撹拌する。
【0117】ノズルホルダー104は、バッファプレー
ト160の投棄位置166に移動し、ノズルホルダー1
04の先端からノズルチップを外すと、ノズルチップ
は、ウエストボックス290内に捨てられる。その後、
ノズルホルダー104は、待機位置に戻る。
【0118】次に、運搬機構200のXキャリッジ25
0が、待機位置から分注ステーション164まで移動
し、第2番目の反応容器を掴み上げる。この反応容器内
には、第1試薬R1Iと第2試薬R2Iとビーズ含有液B
Iと検体S1が収容されている。Xキャリッジ250
は、インキュベーター280の上に移動し、左上の角の
位置から1列下の左端から2番目の位置に、位置決めさ
れる。その位置で下降して、インキュベーター280内
に第2番目の反応容器を載置して、反応容器内の検体等
を37℃に加熱する。インキュベーション時間は、第1
段階と同様に9分間である。
【0119】以上の一連の動作で、検体1に対する分析
項目Iの第2段階の動作が終了する。次の第3段階の動
作としては、測定ユニットにおける測光動作があるが、
この動作は、9分間のインキュベート時間経過後であ
り、その間に、装置は、検体1に対する他の分析項目の
動作を進めていく。
【0120】次に、上述した全体システムの動作の第3
の例の第2段階について説明する。
【0121】第3番目の反応容器に対する9分間のイン
キュベーション時間が経過すると、運搬機構200のX
キャリッジ250が、待機位置からインキュベータ28
0の左上の角の近くの位置に移動し、第3番目の反応容
器を掴む。その後、Xキャリッジ250は、シッパース
テーション284にその反応容器を載置する。
【0122】その後、シッパー機構300のノズルキャ
リア302が、待機位置であるシッパノズル洗浄槽32
0から左方向に移動し、シッパーステーション284の
上の位置に位置決めされる。ノズルキャリア302に保
持されたシッパノズル304が下降して、反応容器内の
反応液を吸引する。反応容器内には、各50μlずつの
第1試薬R1Jと第2試薬R2Jとビーズ含有液BJと検
体S1が収容されているため、合計量は、200μlで
ある。一方、シッパノズル304による吸引量は、15
0μlとしてある。なお、反応液の吸引に先だって、シ
ッパノズル304のチューブ内に少量の空気を吸い込
む。反応液の吸引後、シッパノズル304をシッパース
テーション284から上昇させ、さらに、シッパノズル
304のチューブ内に少量の空気を吸い込む。以上の動
作によって、150μlの反応液の前後が空気の層によ
ってサンドイッチされ、反応液は確実に測光ユニット3
10の中のフローセルに導かれる。
【0123】その後、シッパノズル304は、シッパノ
ズル洗浄槽320の位置に停止し、洗浄水により、シッ
パノズル304の外周囲が洗浄される。その後、シッパ
ノズルは、緩衝液タンク330の開口330aの上に位
置決めされる。その位置で、シッパノズル304が下降
して、所定量の緩衝液を吸引する。上昇されたシッパノ
ズル304のチューブ内に少量の空気を吸い込んだ後、
洗浄液タンク334の開口334aの上に位置決めされ
る。その位置で、シッパノズル304が下降して、所定
量の洗浄液を吸引する。その後、シッパノズル304
は、シッパノズル洗浄槽320の位置に停止し、洗浄水
により洗浄される。
【0124】以上のようにして、シッパノズル304の
チューブ内には、(空気層),(反応液),(空気
層),(緩衝液),(空気層),(洗浄液)の層が形成
される。これらの層は、シリンジポンプ400の動作に
よってチューブ内を移動し、反応液が測光ユニット31
0内のフローセルに到達した時点で、反応液は移動を一
旦停止され、光学的に測定される。測定終了後、再度、
シリンジポンプ400が動作して、フローセル内を緩衝
液と洗浄液が通過して、フローセル内の洗浄が行われ
る。フローセル内を通過した各液は、廃液タンク404
内に導かる。
【0125】なお、上述した第1の例の第2段階及び第
2の例の第2段階が終了し、さらに、9分間のインキュ
ベーション時間が経過すると、その時は、上述した第3
の例の第2段階終了時と同様にして、反応容器がXキャ
リッジ250によりシッパーステーション284に移送
され、シッパノズル304によって、反応液が吸引さ
れ、さらに、緩衝液と洗浄液が吸引され、反応液は測光
ユニット310内のフローセルに導かれて測光され、さ
らに、廃液が廃液タンク404内に導かれる。
【0126】以上の例は、検体と第1試薬と第2試薬と
ビーズ含有液の処理手順を示すが、これらの例に限ら
ず、第2試薬を用いない分析項目に対しても本装置は適
宜対応できる。第2試薬を用いない場合は、上述した第
1の例における1回目のインキュベーション終了後、直
ちにシッパーステーション284へ反応容器を運搬し、
反応液を測光ユニット310により測定する。
【0127】本実施例では、試薬運搬機構上に、3個の
試薬室を単位とした試薬組を載置するので、分析項目毎
の試薬交換を容易に行うことができる。また、試薬搬送
機構に載置される15組の試薬組に代えて、別の試薬組
を載置することにより、別の分析項目への対応も容易に
行うことができる。
【0128】また、ノズルチップの移動経路の直線と3
重の同心円の交差する位置で試薬を分注するようにした
ため、試薬搬送機構の動きとしては複雑にはなるが、試
薬の分注を効率的に行え、かつ、コンパクト化が達成で
きる。試薬搬送機構の動き自体は複雑であるが、1項目
の分析のためのマシンサイクルの中で充分に対応でき
る。
【0129】また、待機位置でもある洗浄槽は、バッフ
ァプレートと試薬搬送機構の間としたため、分注機構が
アクセスされた時も、ノズルホルダーの移動に要する時
間を短縮できる。ノズルチップは、専用のチップマガジ
ンにマトリックス状に配置して搭載され、反応容器は、
専用のベッセルマガジンにマトリックス状に配置して搭
載され、それぞれ専用のストッカーに供給されるため、
これらの取扱いが容易となる。
【0130】また、シッパーノズルの待機位置は、シッ
パーステーションの近くに配置された洗浄槽の位置であ
るためシッパーノズルは短時間でシッパーステーション
にアクセスでき、待機位置で洗浄できる。
【0131】次に、図2を用いて、本発明の一実施例の
運搬機構の詳細について説明する。図2は、図1に示す
全体装置の内、運搬機構と分注機構の一部を拡大した平
面図である。
【0132】分注機構100には、図上を斜め横方向に
直線的に移動するノズルキャリア102が取り付けられ
ている。ノズルキャリア102には、図の紙面に垂直な
Z軸方向に上下動するノズルホルダー104が載置され
ている。従って、ノズルホルダー104が上下動し、さ
らに、ノズルホルダー104を載置したノズルキャリア
102が斜め横方向に移動することにより、分注機構1
00は2軸方向に移動可能である。
【0133】図2において、ノズルホルダー104が図
示されている位置が、待機位置である。ノズルホルダー
104の下には、洗浄槽150が配置されている。洗浄
槽150には、洗浄ノズル150aと洗浄カップ150
bが備えられている。洗浄ノズル150aからは、図1
に示す給水タンク406から供給される洗浄水が噴出す
る。この待機位置に来たノズルホルダー104は、噴出
する洗浄水によって、その外周囲を洗浄される。洗浄ノ
ズル150aから噴出された洗浄水は、洗浄カップ15
0bに貯えられる。この洗浄カップ150bには、図1
に示した撹拌機構140を浸すことができ、この動作に
よって、撹拌機構140の洗浄が可能である。洗浄カッ
プ150bから溢れた洗浄水は、図1に示す廃液タンク
404に捨てられる。
【0134】分注機構100の最右端には、バッファプ
レート160が設けられている。中継ステーション16
2a,162bは、2つの開口から構成されている。中
継ステーション162a,162bには、Xキャリッジ
250のグリップ機構251により、ノズルチップが移
送され、載置される。
【0135】ここで、中継ステーション162a,16
2bに、2つの開口を設けた理由は1サイクルを2段階
反応させる分析項目に対応するためである。即ち、上述
した分析項目Hのように、第1段階用のノズルチップ
は、中継ステーション162aに載置し、第2段階用の
ノズルチップは、中継ステーション162bに載置する
ためである。一方、分注ステーション164a,164
b,164cは、3つの開口を有する。
【0136】通常の分析動作では、一番右側の分注ステ
ーション164cが、用いられる。分注ステーション1
64cには、移動体としてのXキャリッジ250のグリ
ップ機構251により、反応容器が移送され、載置され
る。
【0137】分注ステーション164a,164bは、
例えば、検体の前希釈のために用いられる。検体の濃度
が高い場合には、測定レンジをオーバーすることがある
ので、予め希釈しておく必要がある。検体の希釈に当た
り、分注ステーション164a,164b,164cの
それぞれに、グリップ機構251により、反応容器が移
送されてくる。ノズルホルダー104は、図1に示す検
体搬送機構110から採取した検体を、分注ステーショ
ン164aに載置された反応容器内に吐出する。次に、
ノズルホルダー104は、その先端を洗浄した後、検体
搬送機構110に保持されている希釈液を所定量だけ採
取し、分注ステーション164aに載置されている反応
容器内に吐出する。ここで、検体の分注量を20μlと
し、希釈液の分注量を180μlとすると、検体は10
倍に希釈されたことになる。
【0138】これでも、検体の濃度が高い場合には、再
度の希釈が行われる。ノズルホルダー104は、洗浄槽
150でその先端を洗浄した後、分注ステーション16
4a上の反応容器内の既に希釈されている検体から所定
量、例えば、20μlだけ採取し、分注ステーション1
64bに載置された反応容器内に吐出する。次に、ノズ
ルホルダー104は、その先端を洗浄した後、検体搬送
機構110から希釈液を所定量、例えば、180μlだ
け採取し、分注ステーション164bに載置されている
反応容器内に吐出する。この一連の動作により、元の検
体は、100倍に希釈されたことになる。
【0139】その上で、洗浄槽150でノズルチップの
先端が洗浄された後、ノズルホルダー104は、分注ス
テーション164b上の反応容器内の希釈検体から分析
に必要な所定量、例えば、50μlを、分注ステーショ
ン164c上の反応容器内に分注する。分注ステーショ
ン164cは、通常用いられる場所であるため、予め分
注ステーション164cに載置された反応容器内に測定
すべき分析項目にとって必要な試薬若しくはビーズ含有
液が分注される。以降は通常の分析動作と同じようにし
て、分注ステーション164c上の反応容器を、グリッ
プ機構251により、インキュベーター280に移送し
て反応を進行させる。
【0140】また、希釈済みの検体を別項目の分析にも
使用する時には、分注ステーション164c上の反応容
器内に、図1に示す検体搬送機構110の検体を分注す
るのに代えて、分注ステーション164b上の反応容器
内の既に希釈されている検体を、分注ステーション16
4c上の反応容器内に分注することにより、同様に分析
を進めることができる。
【0141】尚、以上の説明では、分注ステーション1
64a,164bの2カ所を用いる2段階希釈について
説明したが、検体の濃度がそれほど高くない場合には、
分注ステーション164aのみを用いる1段階希釈を実
行すればよい。また、希釈率についても、10倍希釈に
限らず、検体の分取量や、希釈液の分取量を変えること
により、任意の希釈率とすることができる。
【0142】図2の運搬機構200は、図1とは違う状
態を示してある。即ち、運搬機構200のY軸フレーム
210上を移動するX軸フレーム230は、図1よりイ
ンキュベータ側に位置している。また、Xキャリッジ2
50は図1よりもY軸フレーム210に近い位置Mに位
置している。この位置Mが、装置が非動作状態の時の、
Xキャリッジ250の待機位置である。この位置Mに、
Xキャリッジ250がある状態では、ストッカー270
の上に載置されているベッセルマガジン272a,27
2b,272cおよびチップマガジン276a,276
b,276cの上には障害物はなく、全てのベッセルマ
ガジン272a,272b,272cおよびチップマガ
ジン276a,276b,276cの交換が可能であ
る。この位置MにXキャリッジ250がある状態では、
グリップ機構251は、XキャリッジのZ軸上の最上部
の上死点の位置にある。
【0143】また、一点鎖線で示されている位置Nは、
装置が動作状態の時のXキャリッジ250の待機位置で
ある。この位置NにXキャリッジ250が位置している
時は、グリップ機構251は下死点に近い位置、即ち、
その下に位置するノズルチップの頭部に近接した位置に
ある。分析動作時には、Xキャリッジ250は、位置N
を起点として、ベッセルマガジン272a,272b,
272cに載置された反応容器を分注ステーション16
4cに移送したり、およびチップマガジン276a,2
76b,276cに載置されたノズルチップを中継ステ
ーション162aに移送する。これ以外にも、Xキャリ
ッジ250は、バッファプレート160の分注ステーシ
ョン164cに載置された反応容器をインキュベーター
280のベッセルホルダー282の開口に移送し、ベッ
セルホルダー282の上の反応容器をシッパーステーシ
ョン284に移送し、シッパーステーション284の上
の反応容器を反応容器投棄用開口294に移送してウエ
ストボックス290内に投棄するのに用いられる。
【0144】次に、図3を用いて、バッファプレート1
60,インキュベータ280,ストッカー270の断面
構造について説明する。図3は、図2のP−P矢視の断
面図であり、ストッカー270の左側部分については、
図示を省略している。
【0145】バッファプレート160の中継ステーショ
ン162a,162bには、Xキャリッジ250のグリ
ップ機構251により、チップマガジン276a,27
6b,276cに載置されたノズルチップ278が、掴
み上げられて移送されてくる。また、バッファプレート
160の分注ステーション164cには、グリップ機構
251により、ベッセルマガジン272a,272b,
272cに載置された反応容器274が掴み上げられ
て、移送されてくる。
【0146】バッファプレート160の端には、投棄位
置166が設けられている。図中に2点鎖線で示される
ように、ノズルホルダー104は、外形が円筒形であ
り、その内部は中空のパイプ状となっている。ノズルホ
ルダー104の先端の外周が、ノズルチップ278の上
端の内周と嵌合されて、両者が接続される。投棄位置1
66において、ノズルチップを取り外す際には、投棄位
置166にノズルホルダー104を移動し、投棄位置1
66の切り欠きにノズルチップ278の上端を引っかけ
て、ノズルホルダー104を上昇する。これにより、ノ
ズルホルダー104の先端からノズルチップ278が外
れ、ノズルチップ278は、ウエストボックス内に回収
される。
【0147】図3において、バッファプレート160の
左側には、インキュベータ280が位置している。イン
キュベータ280のベッセルホルダー282の開口に
は、内部に検体及び試薬やビーズ含有液が収容された反
応容器274が載置される。ベッセルホルダー282
は、アルミニウム製のブロックであり、その上面には、
反応容器の外形形状に合わせた穴が形成されている。ま
た、ベッセルホルダー282は、ヒーターの温度制御に
より37℃に保たれており、反応液の免疫反応が進行す
る。インキュベータ280の左側には、シッパーステー
ション284が設けられている。シッパーステーション
284は、ベッセルホルダー282に形成された円柱形
の穴に、プラスチック製の円筒が嵌合して形成されてい
る。プラスチック製円筒の下面は、ベッセルホルダー2
82の穴の底からは浮いている。
【0148】装置が非動作状態のとき、インキュベータ
280の上方には、Xキャリッジ250が待機してい
る。Xキャリッジ250の下端にはグリップ機構251
が取り付けれており、このグリップ機構251は、上下
動するが、そのための構成及び動作については、図6を
用いて後述する。また、Xキャリッジ250は、X軸フ
レーム230に固定されたX軸レール231上を、Xキ
ャリッジ250側に固定されたX軸ガイド231aが、
図3の紙面に垂直な方向に摺動される。これらの構成及
び動作についても、図5及び図6を用いて後述する。
【0149】ストッカー270上に載置されたチップマ
ガジン276a,276bは、底面の開口した箱形であ
る。チップマガジン276aの側面中央の下方には切り
欠き277a1が形成されている。また、ストッカー2
70には、切り欠き277a1と対応する位置に、突起
270a1が形成されている。チップマガジン276a
の他の側面中央の下方にも、切り欠き277a2,切り
欠き277a3及び切り欠き277a1に対応する図示
しない切り欠きが形成されており、このストッカー27
0には、これらの切り欠きに対応する位置に、突起27
0a2,270a3及び突起が形成されている。これら
の4個の切り欠きと突起が互いに係合して、ストッカー
270内に、チップマガジン276aが位置決めされて
いる。
【0150】また、チップマガジン276bにも、同様
の4個の切り欠き(図示は、277b1,277b2だ
け)が形成され、ストッカー270の4個の突起(図示
は、270b1,270b2だけ)に係合することによ
り、チップマガジン276bがストッカー270内に位
置決めされている。また、図示されていないが、チップ
マガジン276cやベッセルマガジン272a,272
b,272cにも切り欠きが設けられており、これらの
切り欠きがストッカー270に形成された突起と係合し
て、位置決めされている。
【0151】また、チップマガジン276a,276b
に載置されたノズルチップ278の上端の高さと、イン
キュベータ280のベッセルホルダー282に載置され
た反応容器274の上端の高さと、バッファプレート1
60の中継ステーション162に載置されたノズルチッ
プ278の上端の高さと、バッファプレート160の分
注ステーション164に載置された反応容器274の上
端の高さは、全て同一となるように構成してある。これ
は、Xキャリッジ250に取り付けられたグリップ機構
251のZ軸方向の動きのの下端の位置を揃えるためで
ある。
【0152】次に、図4を用いて、運搬機構200の構
成及び動作について説明する。図4は、図2の一部につ
いて、特に運搬機構200の上面を切断して、拡大図示
したものである。
【0153】Y軸フレーム210には、Y案内軸21
1,Y駆動モータ212,及びY従動プーリー213の
支持軸214が取り付けられている。Y駆動モータ21
2の駆動軸には、Y駆動プーリー215が取り付けられ
ている。Y駆動プーリー215とY従動プーリー213
の間には、歯付ベルト216が懸架されている。Y案内
軸211の上を摺動するYキャリッジ217の一部が、
歯付ベルト216に固定されている。
【0154】Y軸フレーム210の一端寄りの位置に
は、Yホームセンサ218が取り付けられている。ま
た、Y軸フレーム210の中央より他端寄りの位置に
は、リセット位置センサ219が取り付けられている。
Yホームセンサ218及びリセット位置センサ219
は、ホトカプラから構成されており、Yキャリッジ21
7の一部に固定されたY検知板220が、ホトカプラの
間に位置して、ホトカプラの発光ダイオードから発せら
れる光を遮光することにより、Y検知板220の位置、
即ち、Yキャリッジ217の位置を検出することができ
る。Yホームセンサ218は、Yキャリッジ217のY
ホーム位置を検出する。リセット位置センサ219は、
Yキャリッジ217のYリセット位置を検出する。
【0155】Yキャリッジ217とY案内軸211と間
には、図5に示すように、ボールブッシュ221が組み
込まれており、このボールブッシュ221の働きによ
り、Yキャリッジ217は、Y案内軸211上を円滑に
摺動する。
【0156】以上のように構成されているので、Yキャ
リッジ217は次のように動作する。即ち、Y駆動モー
タ212が回転すると、この回転力が、Y駆動プーリー
215を介して、歯付きベルト216に伝達され、歯付
きベルト216に固定されたYキャリッジ217が、Y
軸方向に移動される。これに伴って、Yキャリッジ21
7に取り付けられたX軸フレーム230が、Y軸方向に
移動される。
【0157】X軸フレーム230には、Xレール23
1,X駆動モータ232,及びX従動プーリー233の
支持軸234が取り付けられている。X駆動モータ23
2の駆動軸には、X駆動プーリー235が取り付けられ
ている。X駆動プーリー235とX従動プーリー233
の間には、歯付ベルト236が懸架されている。Xレー
ル231の上を摺動するXガイド231aには、Xキャ
リッジ250が固定されている。また、歯付ベルト23
6には、Xキャリッジ250が連結されている。
【0158】X軸フレーム230の一端寄りの位置に
は、Xホームセンサ238が取り付けられている。Xホ
ームセンサ238は、ホトカプラから構成されており、
Xキャリッジ250の一部に固定されたX検知板が、ホ
トカプラの間に位置して、ホトカプラの発光ダイオード
から発せられる光を遮光することにより、X検知板の位
置、即ち、Xキャリッジ250の位置を検出することが
できる。Xホームセンサ238は、Xキャリッジ250
のXホーム位置を検出する。
【0159】以上のように構成されているので、Xキャ
リッジ250は次のように動作する。即ち、X駆動モー
タ232が回転すると、この回転力が、X駆動プーリー
235を介して、歯付きベルト236に伝達され、歯付
きベルト236に固定されたXキャリッジ250が、X
軸方向に移動される。
【0160】次に、図5を用いて、運搬機構200の構
成について説明する。図5は、図4のQ−Q矢視の断面
図である。
【0161】最初に、Y軸フレーム210について説明
する。
【0162】X軸フレーム230の左端には、案内ベア
リング241が取り付けられており、ストッカー270
に設けられた案内溝242に係合している。これによ
り、Yキャリッジ217の反時計方向への回転を規制す
るとともに、ベアリングにより支持しているので、Yキ
ャリッジ217の動きをスムーズにできる。X軸フレー
ム230には、取付板240を介して、X軸駆動モータ
が取り付けられている。
【0163】ベッセルマガジン272aの側面中央の下
方には切り欠き275a2が形成されている。また、ス
トッカー270には、切り欠き275a2と対応する位
置に、突起271a2が形成されている。ベッセルマガ
ジン272aの側面中央の下方には、全部で4個の切り
欠きが形成されており、ストッカー270には、これら
の切り欠きに対応する位置に、突起が形成されている。
これらの4個の切り欠きと突起が互いに係合して、スト
ッカー270内に、チップマガジン276aを位置決め
している。
【0164】次に、図6を用いて、Xキャリッジ250
の構造及び動作について説明する。図6は、図4のXキ
ャリッジ250の右半分を覆うカバー250aを外した
状態でのR−R矢視の拡大断面図である。
【0165】Xキャリッジ250には、Z軸の直線ガイ
ド252,Z駆動モーター253,Zホームセンサ25
4が取り付けられている。Z軸の直線ガイド252に沿
って移動可能な摺動片255には、Zキャリッジ256
が取り付けられている。摺動片255には、L字形の検
知片255aが取り付けられており、この検知片255
aの先端が、ホトカプラから構成されるZホームセンサ
254の発光ダイオードとフォトダイオードの間の隙間
を横切ることにより、Zホーム位置を検出できる。Zキ
ャリッジ256の左端には、ラック257が刻まれてお
り、Z駆動モーター253に取り付けられたピニオン2
58と噛み合っている。
【0166】Zキャリッジ256の一部である取付板2
56aには、案内ピン259,261及び案内ピン26
0の合計3本の案内ピンが固定されている。案内ピン2
59,261には、検知器枠262が上下動可能に嵌合
されている。案内ピン259にはフィンガー263が回
動及び上下動自在に取り付けられている。案内ピン26
0にも、フィンガー264が回動及び上下動自在に取り
付けられている(図7参照)。
【0167】取付板256aと検知器枠262の間であ
って、案内ピン259,260、261の周囲には押し
バネ265が取り付けられており、取付板256aに対
して検知器枠262を常に下方に押しつけている。従っ
て、検知器枠262と係合している一対のフィンガー2
63も常に下方に押しつけられている。フィンガー26
3の下端には、グリップ機構251が取り付けられる。
【0168】グリップセンサ268の上には、障害物セ
ンサ269が取り付けられている。障害物センサ269
は、ホトカプラを有し、取付板256aに固定された検
知板256bが、ホトカプラを遮光するかどうかによっ
て、障害物の有無を検出する。Zキャリッジ256が下
降していき、障害物にグリップ機構251が当たると、
グリップ機構251は動きを停止するが、押しバネ26
5を圧縮しながらZキャリッジ256が下降を継続する
ことにより、取付板256aに固定された検知板256
bが、ホトカプラを遮光して障害物の存在を検出する。
【0169】次に、図7,図8,図9を用いて、フィン
ガー部の構成及び動作について説明する。図7は、図6
のS−S矢視図であり、図8及び図9は、図6のT−T
矢視図である。
【0170】取付板256aに固定された案内ピン25
9には、前側のフィンガー263Fが回動及び上下動自
在に取り付けられている。案内ピン260にも、後側の
フィンガー263R(図8)が回動及び上下動自在に取
り付けられている。
【0171】フィンガー263Fとフィンガー263R
の間には、引張りバネ264が、ピン264a,264
bの間に懸架されており、これらの2つのフィンガー2
63F,263Rの先端に取り付けたグリップ機構25
1がノズルチップや反応容器を掴むためのグリップ力を
与えている。一対のフィンガー部材としてのフィンガー
263Fとフィンガー263Rの間には、カム266が
挿入されている。従って、フィンガー263F,263
Rの内側面は、カム266のカム面に接触している。カ
ム266は、回転ソレノイドによって回動される。回転
ソレノイドによってカム266が回動されると、フィン
ガー263F,263Rが開閉して、グリップ機構25
1を開閉する。
【0172】グリップ機構251の開閉状態は、グリッ
プセンサ268によって検出される。グリップセンサ2
68は、ホトカプラから構成され、フィンガー263F
の先端部263aがホトカプラを遮光するかどうかによ
って、グリップ機構251の開閉状態を検出する。ホト
カプラを先端部263aが横切っている状態では、グリ
ップ機構251は閉じており、ホトカプラを先端部26
3aが横切っていない状態では、グリップ機構251は
開いている。
【0173】図8は、フィンガー263F,263Rが
閉じた状態を示しており、図9は、フィンガー263
F,263Rが開いた状態を示している。
【0174】カム266の断面形状は、図9から明かな
ように、互いに対向する円弧の部分と、この円弧の部分
に挟まれた互いに平行な平面部分から形成されている。
図8においては、カム266の平面部分が、フィンガー
263F,263Rの内面と接触しており、フィンガー
263F,263Rは、引張りバネ264に引っ張られ
て閉じている。従って、フィンガー263F,263R
の先端のグリップ機構は、反応容器274を掴むことが
できる。また、この時、フィンガー263Fの先端部2
63aは、グリップセンサ268の間に挿入されてお
り、発光ダイオードからの光を遮光しているので、グリ
ップセンサ268は、グリップ機構が閉じていることを
検出できる。
【0175】図8の状態から、回転ソレノイド267を
動作させて、カム266を回転すると、図9に示すよう
に、フィンガー263F,263Rは、引張りバネ26
4の引張り力に抗して左右に開き、グリップ機構251
を開く。
【0176】次に、図10を用いて、ベッセルマガジン
272aの上において、グリップ機構251が反応容器
を掴む状態について、説明する。図10において、ベッ
セルマガジン272aの第1列目の反応容器は、既に使
用されており、ベッセルマガジン272aの上には存在
せず、また、2列目の先頭位置の反応容器も既に使用さ
れている状態を示している。従って、2列目の2番目に
存在する反応容器を、グリップ機構251の前側の指先
251Fと後ろ側の指先251Rが掴んでいる状態を示
している。
【0177】次に、図11は、図10のU−U矢視拡大
図であり、図12は、図10のV−V矢視拡大図であ
る。なお、ベッセルマガジン272a及びその上に載置
された反応容器の図示は省略してある。また、図6と同
一符号は同一部分を示している。図11に示されたよう
に、グリップ機構251の指先251Fは、フィンガー
263Fにネジ止めされ、グリップ機構251の指先2
51Rは、フィンガー263Rにネジ止めされている。
図11及び図12に示されるように、グリップ機構25
1の指先251F,251Rにより、反応容器274を
掴んでいる。
【0178】図10,図11,図12から明かなよう
に、指先251Rは、指先251Fに比べて大きくなっ
ている。即ち、図10に示されたように、ベッセルマガ
ジン272a上で、指先251F,251Rは、それら
の開閉方向が反応容器の列方向に対して45°傾けて取
り付けられており、また、上述したように、ベッセルマ
ガジン272aの上では、指先251Rの動作範囲内に
反応容器が存在しない。即ち、これから掴み上げようと
する反応容器の左斜め後方は、常に開放されたスペース
となり、ベッセルマガジン272a上の配置ピッチに関
係なく、指先251Rに広いスペースを与えることがで
きる。従って、反応容器を掴んだ時にぐらつかないよう
に大きく形成されている。一方、指先251Fの付近に
は、未使用の反応容器が残っており、グリップ動作時に
反応容器に接触しないように、指先251Fは、小さく
形成されている。指先251Rは、反応容器をガタつき
なくしっかりと保持するように十分に大きくでき、グリ
ップ機構251の把持動作信頼性を確保できる。一方、
指先251Fは、未使用の反応容器の間に下降するた
め、その大きさは制約されるが、指先251Fは、反応
容器に押しつけるだけでよく、その大きさはグリップ機
構251の把持動作に影響しない。
【0179】以上の説明は、反応容器と指先251F,
251Rの関係についてであるが、ノズルチップと指先
251F,251Rの関係についても同様である。
【0180】以上説明したように、ストッカー270上
での運搬機構200によるチップマガジンからのノズル
チップの取出しやベッセルマガジンからの反応容器の取
出しは、マトリックス上に配置された第1列目の端の位
置から開始し、次に同じ列の隣をピックアップすること
により、掴み上げようとするノズルチップまたは反応容
器の後方は常に開放されたスペースとなり、マガジン上
のノズルチップや反応容器のピッチに関係なく、グリッ
プ機構251の一方の指先に広いスペースを与えること
ができる。
【0181】従って、運搬機構200がノズルチップ或
いは反応容器を掴む動作の信頼度を損なうことなく、ス
トッカー上での反応容器及びノズルチップの配置密度を
大きくでき、ストッカー内での配置する数量を同じとし
た場合にはストッカーの大きさを小型にでき、従って、
装置を小型化できる。
【0182】次に、図13を用いて、反応容器及びノズ
ルチップの形状について説明する。図13は、図10の
W−W矢視の縮小断面図である。
【0183】反応容器274は、ベッセルマガジン27
2a上の各列に6本載置されている。ノズルチップ27
8は、チップマガジン276a上に12本載置されてい
る。反応容器274の長さは、25mmであり、ノズル
チップ278の長さは、50mmである。一方、反応容
器274の上部と、ノズルチップ278の上部は、グリ
ップ機構251の指先251F,251Rによって掴ま
れる部分であり、その外径寸法は同じにされている。即
ち、反応容器274,及びノズルチップ278の上部の
円筒部分の外径dは、7mmであり、各マガジン上に吐
出する頭部の高さhは、6mmである。
【0184】従って、単一のグリップ機構で反応容器と
ノズルチップの両方のハンドリングが可能となる。勿
論、多少の寸法の違いがあっても、ハンドリングする上
での問題はないが、グリップ力を確実にする上では同一
の寸法が望ましい。
【0185】次に、図2乃至図11を用いて、運搬機構
200の動作について、説明する。運搬機構200のグ
リップ機構251は、図2に示したストッカー270上
の各マガジンと、ノズルホルダーにノズルチップを接続
する中継ステーション162と、反応容器に必要な液を
分注する分注ステーション164と、シッパーステーシ
ョン284と、インキュベータ280と、投棄用開口2
94との各場所を走査可能である。このような可動領域
内におけるグリップ機構251の走査は、X軸方向,Y
軸方向及びZ軸方向になされる。従って、運搬機構20
0は、この可動領域内における所望箇所の間に反応容器
274及びノズルチップ278を移送できる。
【0186】Xキャリッジ250は、装置非動作時に
は、図2に示す位置Mで待機する。この状態では、スト
ッカー270上には障害物はなく、全ベッセルマガジン
272及びチップマガジン276の着脱が可能である。
この状態では、Zキャリッジ256は、Zホームセンサ
254で検知される上死点のホーム位置にあり、フィン
ガー263F,263Rは、ベッセルマガジン272及
びチップマガジン276に載置された反応容器274及
びノズルチップ278より高い位置にある。
【0187】装置が、動作状態になると、Xキャリッジ
250及びYキャリッジ217は、それぞれ駆動モータ
ー232及び212により駆動されて、ホームセンサ2
38及び218の検知位置でリセットされた後、Y軸
は、再度位置Mに移動後、位置Nに移る。位置Nは、動
作中のグリップ機構251の待機位置であり、Xキャリ
ッジ250がホーム位置に、Yキャリッジ217がリセ
ット位置センサ219によりリセットされる位置であ
る。
【0188】分析動作時には、グリップ機構251はこ
の位置Nを起点として、ストッカー270上のノズルチ
ップ又は反応容器を掴むために移動し、またバッファプ
レート160又はインキュベータ280上の反応容器を
掴むために移動し、掴んだノズルチップ278や反応容
器274を所定位置に移動した後は、再び位置Nに戻
り、その位置をリセットする。これにより、グリップ機
構251のX−Y座標値は、移動毎に、起点をリセット
され、正確な動作を行える。
【0189】グリップ機構251が、所定のノズルチッ
プ278や反応容器274の上に位置決めされると、図
8,図9に示したように、回転ソレノイド267が励磁
されて、カム266が、反時計方向に45°回転して、
グリップ機構251の指先251F,251Rを開く。
この状態のまま、図6に示すZ駆動モーター253によ
りZキャリッジ256を所定の高さまで下降して、グリ
ップ機構251の指先251F,251Rが、ノズルチ
ップ278又は反応容器274の頭部を挟む位置に位置
決めする。この後、回転ソレノイド267の励磁をオフ
にすると、フィンガー263F,263Rの間に懸架さ
れた引張りバネ264の作用により、グリップ機構25
1の指先251F,251Rが、ノズルチップ278や
反応容器274の頭部を挟む。次に、Zキャリッジ25
6がホーム位置まで上昇すると、ノズルチップ278又
は反応容器274が掴み上げられる。
【0190】この状態で、Xキャリッジ250とYキャ
リッジ217を走査し、掴み上げたノズルチップ278
又は反応容器274を移動先に移し、その位置で、Zキ
ャリッジ256を下降し、回転ソレノイド267を再度
励磁して、グリップ機構251の指先251F,251
Rを開いて、ノズルチップ278や反応容器274を離
す。離した後、Zキャリッジ256を上昇して、ホーム
位置に戻してから、回転ソレノイド267の励磁をオフ
にして、さらに、Xキャリッジ250とYキャリッジ2
17を位置Nに戻して、ノズルチップ278又は反応容
器274の運搬の動作を終了する。
【0191】なお、このノズルチップ278又は反応容
器274を掴む動作、または、離す動作の後で、フィン
ガー263Fの先端部263aが、グリップセンサ26
8を遮光しているか否かにより、動作のチェックが行わ
れる。
【0192】次に、Zキャリッジ256上に設けた障害
物センサ269の動作について説明する。
【0193】装置を立ち上げ、分析を開始する場合に、
先に装置を停止した時の状態を完全に残しておいて、そ
れに基づいて装置をリセットすることは一般的に困難で
ある。また、装置の停止中にオペレーターが、反応容器
を取り除いたり、ベッセルマガジンやチップマガジンを
新しいものに交換する等のように、その状態が変化する
場合もある。そこで、装置を立ち上げ、分析を開始する
場合、即ち、装置のリセットの場合には、バッファプレ
ート160上,インキュベータ280上及びシッパース
テーション284上に、本来は存在しないはずのノズル
チップ278又は反応容器274が残留しているか否か
のチェックと、これらが残留している場合のこれらの除
去の必要がある。
【0194】そこで、分析操作に先立って、運搬機構2
00は、反応容器274又はノズルチップ278を受け
入れた後、全位置上にグリップ機構251を移動し、グ
リップ機構251を閉じた状態で、Zキャリッジ256
を下降する。その下降した位置に残留したノズルチップ
や反応容器がない場合には、障害センサ269の状態に
変化がない。しかし、これらがある場合には、グリップ
機構251の先端が反応容器274やノズルチップ27
8の頂部に接触したままで、Zキャリッジ256は押し
バネ265のバネ力に抗して更に下降を続けるため、障
害検知板256bが、障害センサ269のホトカプラを
遮光して、残留したノズルチップや反応容器を検知でき
る。
【0195】このようにして、分析操作開始前における
全ステーションに対して、障害物としてのノズルチップ
又は反応容器の残留の有無がチェックされ、もしも、障
害物が残留している場合には、これらの除去を実行す
る。いずれかのステーションに反応容器又はノズルチッ
プが残留することが検知されると、制御部であるコンピ
ュータは運搬機構200に対して障害物除去指令を出
す。これに基づいて、具リップ機構251は、残留物の
存在する位置で一旦上昇し、フィンガー部材を開いた状
態で降下して、次いで、フィンガー部材を閉じることに
よって、残留物を把持する。その後、グリップ機構25
1は上昇し、残留物を投棄位置294へ運搬し、ウエス
トボックス290に捨てる。
【0196】また、ストッカー270上では、各チップ
マガジン276a,276b,276c及びベッセルマ
ガジン272a,272b,272cの第1列目の先頭
位置をチェックして、この位置にノズルチップ278ま
たは反応容器274があれば、装置は新しいマガジンが
セットされたことを判断し、搬送順序をリセットする。
また、この位置にノズルチップ278または反応容器2
74がない場合には、停止時の状態を継続して、停止状
態の次の位置からノズルチップ278または反応容器2
74を掴み上げる。
【0197】以上説明した本実施例によれば、反応容器
及びノズルチップを使い捨て(デスポーザブル)タイプ
としたため、検体や試薬によるコンタミネーションの問
題を除去でき、免疫分析に関して高感度な測定ができ
る。
【0198】また、反応容器をマトリックス状に配置す
る固定されたインキュベータを用いるため、反応容器が
インキュベータの上での位置を移動するような反応ライ
ンを用いる場合に比べて、反応時間の制限や、検体或い
は試薬の繰り返し分注の制限が小さく、1段階だけの反
応を行う分析項目と2段階の反応を行う分析項目が混在
しても、分析手順へのフレキシブルな対応が可能であ
る。即ち、分析項目に最適な分析手順を項目毎に幾通り
も組むことができる。従って、上述の説明では、インキ
ュベーション時間を一定としているが、この時間は分析
項目によって変えられるように構成すること可能であ
る。
【0199】また、インキュベータは、固定式であるの
で、単に反応容器の保持と運搬機構による着脱のスペー
スがあればよい。従って、小型のインキュベータを実現
でき、しかも、その温度制御が極めて簡便となる。
【0200】また、主たる移送機構としては、分注機構
と運搬機構とシッパー機構の3つの機構に分割して構成
したことにより、それぞれの機構に関連する他の搬送機
構等を装置本体上に適切に配置できるため、単一の移送
機構を用いる場合に比べて、装置をコンパクトに構成で
きる。
【0201】また、上記の3つの移送機構の内、3次元
駆動するのは、運搬機構だけであり、しかも、その駆動
方向は互いに直交するX軸,Y軸,Z軸の3軸方向であ
るため、Z軸及びこの軸の回りに回転運動をして3次元
駆動するような構成に比べて、駆動機構の構成を簡単に
できる。
【0202】また、上記の3つの移送機構の内、分注機
構とシッパー機構は、2次元駆動する構成であるため、
3次元駆動するような構成に比べて、駆動機構の構成を
簡単にできる。
【0203】また、分注機構と運搬機構は、それぞれが
バッファプレートのみを唯一の共通領域とするように構
成されており、また、運搬機構とシッパー機構は、それ
ぞれがシッパーステーションのみを唯一の共通領域とす
るように構成されているため、相互の移送動作が干渉す
る割合が少なく、従って、それぞれの移送機構が独立に
移送動作を行えるため、それぞれの機構の稼動効率が高
く、全体の装置でみた場合に、一連の分析工程のための
マシンサイクルを比較的短くできる。その結果、単位時
間当たりの検体処理数を増やすことができる。
【0204】また、グリップ機構の指先は、反応容器の
列に対して45°傾けて取り付けられており、また、こ
れから掴み上げようとする反応容器の左斜め後方は、常
に開放されたスペースとなり、ベッセルマガジン上の配
置ピッチに関係なく、一方の指先に広いスペースを与え
ることができ、従って、反応容器を掴んだ時にぐらつか
ないように大きく形成されている。他方の指先の下側に
は、未使用の反応容器が残っており、グリップ動作時に
反応容器に接触しないように、その指先は、小さく形成
されている。一方の指先は、反応容器を安定してしっか
りと保持するように十分に大きくでき、グリップ機構の
動作信頼性を確保できる。他方の指先は、未使用の反応
容器の間に下降するため、その大きさは制約されるが、
指先は、反応容器に押しつけるだけでよく、その大きさ
はグリップ機構の動作に影響しない。
【0205】また、ノズルチップと反応容器の頭部の外
径寸法及び形状を実質的に同じにしているので、単一の
グリップ機構で両者をハンドリング可能となる。また、
運搬機構のグリップ機構は、ノズルチップ又は反応容器
を掴んで移動する動作毎に、所定位置に戻ってリセット
されるので、正確な動作を行える。また、障害物センサ
を用いてバッファプレート上及びインキュベータ上に残
留したノズルチップ又は反応容器を検知し、これ等を運
搬機構により、自動的に投棄でき、誤動作を防げる。
【0206】また、チップマガジン及びベッセルマガジ
ンの先頭の位置のノズルチップ又は反応容器の有無を障
害センサにより検知することにより、新しいマガジンが
セットされたか否かの判別が容易に行える。
【0207】また、チップマガジン及びベッセルマガジ
ンに形成した切り欠きと、ストッカーの突起を係合する
ことにより、チップマガジン及びベッセルマガジンの位
置決めが容易となる。
【0208】また、分注機構と運搬機構の運動の共通領
域であるバッファプレートの近傍の位置に、使用済みの
ノズルチップと使用済みの反応容器の投棄位置を設けた
ため、それぞれの投棄を行う時にも、分注機構と運搬機
構それぞれの移動距離を大きくなくて済むため、投棄時
間を短縮できる。
【0209】
【発明の効果】本発明によれば、グリップ手段のX方向
及びY方向の可動領域内にベッセルマガジン,分注ステ
ーション,及びインキュベータを配置することによっ
て、反応容器の運搬範囲を小さくし、もって、分析装置
全体の小型化を図ることができる。
【0210】また、本発明では、分析操作の開始に先だ
って、分注ステーション上及びインキュベータ上の障害
物を自動的に除去することによって、分析装置のオペレ
ータが、検体の収容されている反応容器に接触すること
を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による免疫測定法のための分
析装置の平面図である。
【図2】本発明の一実施例による運搬機構付近の詳細説
明図である。
【図3】図2のP−P矢視の断面図である。
【図4】図2に示した運搬機構の上面を切断した拡大図
である。
【図5】図4のQ−Q矢視の断面図である。
【図6】図4のR−R矢視の拡大断面図である。
【図7】図6のS−S矢視の拡大断面図である。
【図8】図6のT−T矢視図であり、グリップ機構の開
閉動作の説明図である。
【図9】図6のT−T矢視図であり、グリップ機構の開
閉動作の説明図である。
【図10】本発明の一実施例によるグリップ機構がベッ
セルマガジン上で反応容器を把持する状態を説明する図
である。
【図11】図10のU−U矢視拡大図である。
【図12】図10のV−V矢視拡大図である。
【図13】図10のW−W矢視の縮小断面図である。
【符号の説明】
100…分注機構 102,302…ノズルキャリア 104…ノズルホルダー 110…検体搬送機構 120…試薬搬送機構 130…蓋開閉機構 140…撹拌機構 150…洗浄槽 160…バッファプレート 162…中継ステーション 164…分注ステーション 200…運搬機構 210…Y軸フレーム 217…Yキャリッジ 230…X軸フレーム 250…Xキャリッジ 251…グリップ機構 256…Zキャリッジ 270…ストッカー 272…ベッセルマガジン 274…反応容器 276…チップマガジン 278…ノズルチップ 280…インキュベータ 284…シッパーステーション 300…シッパー機構 304…シッパノズル 310…測光ユニット

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デイスポーザブルな反応容器内で検体と
    試薬の反応を進め、反応液を測定部へ導入した後、使用
    済の反応容器を廃棄する分析装置において、 反応容器を把持し得るグリップ手段と、 該グリップ手段をX方向及びY方向に移動する運搬手段
    と、 分注ステーションに置かれた反応容器に検体及び試薬を
    分注する分注手段と、 反応容器内の検体と試薬の混合物をインキュベートする
    インキュベータと、 複数の未使用反応容器が配列されるベッセルマガジンと
    を備え、 上記分注ステーションと上記インキュベータと上記ベッ
    セルマガジンは、上記グリップ手段の可動領域内に配置
    されていることを特徴とする分析装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の分析装置において、 上記グリップ手段が、上記ベッセルマガジン上の未使用
    反応容器を上記分注ステーションに移す動作に先だっ
    て、上記グリップ手段を上記分注ステーション及び上記
    インキュベータ上に移動させることによって障害物の存
    在を点検するように、上記運搬手段の動作を制御する制
    御手段を備えたことを特徴とする分析装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の分析装置において、 上記運搬手段は、上記グリップ手段を含む移動体を備え
    ており、 この移動体は、障害物を検知するための検知手段を有す
    ることを特徴とする分析装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の分析装置において、 上記グリップ手段が障害物の存在を点検するときに、 上記グリップ手段は、上記分注ステーション上及び上記
    インキュベータ上で、フィンガー部材が閉じられた状態
    のまま降下されることを特徴とする分析装置。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の分析装置において、 障害物の存在の点検に伴って、上記分注ステーション上
    又は上記インキュベータ上に障害物が認識されたなら
    ば、上記制御手段は、上記グリップ手段に該当障害物を
    把持させ、次いで、上記グリップ手段を廃棄位置に移動
    せしめることを特徴とする分析装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の分析装置において、 上記ベッセルマガジンは、未使用の反応容器の列を複数
    列収容するものであり、 そして、上記運搬手段が上記ベッセルマガジン上の先頭
    の反応容器列の一方の端から順次反応容器を1個づつ上
    記分注ステーションへ運搬するように、上記運搬手段の
    動作を制御する制御手段を備えたことを特徴とする分析
    装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の分析装置において、 上記運搬機構は、反応容器の存在を検知する検知手段を
    備えており、 上記ベッセルマガジン上の先頭の反応容器列の一方の端
    に反応容器が存在することが上記検知手段によって検知
    されたときに、上記制御手段は、反応容器の運搬順序を
    リセットすることを特徴とする分析装置。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の分析装置において、 上記グリップ手段は、一方のフィンガー部材の大きさよ
    りも大きな他方のフィンガー部材を有し、 上記グリップ手段によって反応容器を把持するときに、
    上記一方のフィンガー部材は、反応容器同士の間に位置
    され、かつ、上記他方のフィンガー部材は、反応容器列
    のない開放スペース側に位置するように配置されている
    ことを特徴とする分析装置。
  9. 【請求項9】 請求項6記載の分析装置において、 上記運搬手段は、上記グリップ手段が開状態か又は閉状
    態かを検知する検知手段を有することを特徴とする分析
    装置。
  10. 【請求項10】 請求項6記載の分析装置において、 未使用のノズルチップの列が複数列配列されるチップマ
    ガジンを備え、 上記分注手段に未使用のノズルチップを結合するための
    チップ接続ステーションを備えたことを特徴とする分析
    装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の分析装置において、 上記反応容器の頭部の外径は、上記ノズルチップの頭部
    の外径と実質的に同じであることを特徴とする分析装
    置。
  12. 【請求項12】 請求項1記載の分析装置において、 上記分注ステーションは、複数の反応容器を載置可能で
    あり、 上記分注手段は、上記分注ステーション上の第1の反応
    容器に検体及び希釈液を加えた後、該第1の反応容器内
    に形成された希釈検体の一部を上記分注ステーション上
    の第2の反応容器にピペッテイングすることを特徴とす
    る分析装置。
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