JPH0948856A - 結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法

Info

Publication number
JPH0948856A
JPH0948856A JP19970395A JP19970395A JPH0948856A JP H0948856 A JPH0948856 A JP H0948856A JP 19970395 A JP19970395 A JP 19970395A JP 19970395 A JP19970395 A JP 19970395A JP H0948856 A JPH0948856 A JP H0948856A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermoplastic resin
component
organic solvent
weight
crystalline thermoplastic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP19970395A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyoji Takagi
喜代次 高木
Koji Nishida
耕治 西田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP19970395A priority Critical patent/JPH0948856A/ja
Publication of JPH0948856A publication Critical patent/JPH0948856A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 剛性と耐熱性の優れた熱可塑性樹脂組成物を
得る。 【解決手段】 下記の成分(a)及び(b)を下記の組
成比で溶融混練するに当り、成分(a)100重量部に
対して、1.4重量部以上の成分(c)有機溶媒を加
え、混練機に少なくとも一つのベント口を設け、少なく
とも一つのベント口を減圧に保持することにより有機溶
媒を除去し、最終組成物の有機溶媒含量を1重量%未満
とすることを特徴とする結晶性熱可塑性樹脂組成物の製
造方法。 (a)結晶性熱可塑性樹脂 100重量部 (b)層状珪酸塩 0.05〜30重量部

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、結晶性熱可塑性樹
脂と層状珪酸塩とを有機溶媒の存在下に溶融混練し、そ
の最終樹脂組成物の性質を改善する結晶性熱可塑性樹脂
組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般
に、結晶性熱可塑性樹脂の諸特性、特に機械的強度を改
良するために、無機フィラーを溶融混練することが実施
されている。しかし、これら無機フィラーを単純に溶融
混練するだけでは、樹脂中の無機フィラーの分散及び界
面接着も悪く、また樹脂成分も混練時の剪断発熱により
熱劣化が促進され、ゲル化、炭化等が発生し、組成物の
成形性、外観、耐衝撃性が悪くなる。
【0003】結晶性熱可塑性樹脂と無機フィラーとの親
和性または結合力を高める為に、無機フィラーの表面に
有機シラン等のカップリング剤による処理を施し、樹脂
中のフィラー分散を改良する方法等があるが、両者の間
のなじみを良くする程度であり、十分な改良には至らな
い。溶融混練時の剪断発熱を抑える方法として、溶融
混練機のシリンダー温度を下げる、溶融混練機の回転
数を下げる、可塑剤等の添加により組成物全体の粘度
を下げる、ポリマーの重合度を低下させる、高流動
性ポリマーを添加する等の方法がある。しかし、及び
の方法においては、混練機の性能(冷却法、モーター
トルク等)により制限され、万能ではなく、の方法に
おいては、混練時の熱劣化は抑えられるが、フィラーの
分散不良による最終組成物の特性(特に耐熱性)を損な
われる場合が多い。及びの方法においては、最終組
成物の機械的強度が損なわれる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するために鋭意検討を重ねた結果、結晶性熱可
塑性樹脂と層状珪酸塩とを溶融混練するに当たり、有機
溶媒を加え、ベント口を設けた混練機の少くとも1つの
ベント口を減圧に保持して、最終組成物の有機溶媒含量
を1重量%未満に除去することによって、製造した樹脂
組成物は、層状珪酸塩の分散を改良し、かつ溶融混練時
の熱劣化を抑え、最終組成物の物性が改善されることを
見出し、本発明に到達した。
【0005】すなわち、本発明は、下記の成分(a)及
び(b)を下記の組成比で溶融混練するに当たり、成分
(a)100重量部に対して1.4重量部以上の成分
(c)有機溶媒を加え、混練機に少なくとも1つのベン
ト口を設け、少なくとも1つのベント口を減圧に保持す
ることにより有機溶媒を除去し、最終組成物の有機溶媒
含量を1重量%未満とすることを特徴とする結晶性熱可
塑性樹脂組成物の製造方法である。 (a)結晶性熱可塑性樹脂 100重量部 (b)層状珪酸塩 0.05〜30重量部 特に、成分(b)は有機溶媒に膨潤する層状珪酸塩であ
り、予め成分(b)と成分(c)とを混合することを特
徴とする上記の結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法で
ある。
【0006】
【発明の実施形態】以下、本発明を詳細に説明する。成分(a)結晶性熱可塑性樹脂 結晶性熱可塑樹脂とは、加熱溶融できるものであり、か
つ、明確な結晶構造または分子構造を有する非ガラス様
特性のものであり、測定可能な融解熱を有する明確な融
点を示すものである。融点及び融解熱は、示差走差熱量
測定装置(例えばPERKIN−ELMER社製 DC
S−II)を用いて測定することが出来る。この装置を用
いて、例えば1分間当たり10℃の昇温速度で融解熱を
測定することが出来る。試料を予測される融点以上の温
度に加熱し、次に試料を1分間当たり10℃の速度で2
0℃まで冷却し、そのまま約1分間放置した後、1分間
当たり10℃の速度で加熱することにより測定すること
が出来る。融解熱は昇温と降温のサイクルにおいて測定
した値が実験誤差範囲内で一致したものを採用する。本
発明における結晶性熱可塑性樹脂とは、上記方法により
測定される融解熱が1cal/gを越えるものと定義す
る。
【0007】本発明において用いる結晶性熱可塑性樹脂
としては、飽和ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフ
ィン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアセタール、フ
ッ素樹脂、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられ
る。本発明において用いられる飽和ポリエステルとし
て、種々のポリエステルが使用可能である。
【0008】例えば、その一つとして、通常の方法に従
って、ジカルボン酸又はその低級アルキルエステル、酸
ハライド若しくは酸無水物誘導体と、グリコール又は二
価フェノールとを縮合させて製造する熱可塑性ポリエス
テルが挙げられる。このポリエステルを製造するのに適
した芳香族又は脂肪族ジカルボン酸の具体例としては、
シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、p,p’−ジカルボキシジフェニ
ルスルホン、p−カルボキシフェノキシ酢酸、p−カル
ボキシフェノキシプロピオン酸、p−カルボキシフェノ
キシ酪酸、p−カルボキシフェノキシ吉草酸、2,6−
ナフタリンジカルボン酸又は2,7−ナフタリンジカル
ボン酸等あるいはこれらのカルボン酸の混合物が挙げら
れる。
【0009】またポリエステルの製造に適する脂肪族グ
リコールとしては、炭素数2〜12の直鎖アルキレング
リコール、例えばエチレングリコール、1,3−プロピ
レングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、1,12−ドデカメチレングリコール
等が例示される。また、芳香族グリコール化合物として
は、p−キシリレングリコールが例示され、二価フェノ
ールとしては、ピロカテコール、レゾルシノール、ヒド
ロキノン又はこれらの化合物のアルキル置換誘導体が挙
げられる。他の適当なグリコールとしては、1,4−シ
クロヘキサンジメタノールも挙げられる。他の好ましい
ポリエステルとしては、ラクトンの開環重合によるポリ
エステルも挙げられる。例えば、ポリピバロラクトン、
ポリ−ε−カプロラクトン等である。
【0010】また、更に他の好ましいポリエステルとし
ては、溶融状態で液晶を形成するポリマー(Thermotrop
ic LiquidCrystalPolymer;TLCP)としてのポリエステル
がある。これらの区分に入るポリエステルとしては、イ
ーストマンコダック社のX7G、ダートコ社のXydar
(ザイダー)、住友化学社のエコノール、セラニーズ社
のベクトラ等が代表的な商品である。以上、挙げた飽和
ポリエステルの中でも、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタ
レート又は液晶性ポリエステル等が本発明の結晶性熱可
塑性樹脂組成物に好適な飽和ポリエステルである。
【0011】ここで使用する飽和ポリエステルの粘度
は、フェノール/1,1,2,2,−テトラクロルエタ
ン=60/40重量%混合液中、20℃で測定した固有
粘度が0.5〜5.0dl/gの範囲が好ましい。更に好ま
しくは1.0〜4.0dl/g、とりわけ好ましくは2.0
〜3.5dl/gである。固有粘度が0.5dl/g未満である
と、耐衝撃性が不足し、5.0dl/g以上では、成形性に
難がある。
【0012】本発明において用いられるポリアミドは、
ポリマー主鎖に−CO−NH−結合を有し、加熱溶融で
きるものである。その代表的な物としては、ナイロン−
4、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−4,
6、ナイロン−12、ナイロン−6,10等が挙げら
れ、その他、公知の芳香族ジアミン、芳香族ジカルボン
酸等のモノマー成分を含む低結晶性のポリアミド等も用
いることが出来る。好ましいポリアミドは、相対粘度が
2.0〜8.0(25℃の98%濃硫酸中で測定)であ
るのが好ましい。
【0013】本発明において用いられるポリオレフィン
は、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−
1、ヘキセン−1、3−メチルブテン−1、4−メチル
ペンテン−1、ヘプテン−1、オクテン−1等のα−オ
レフィンの単独重合体、これらα−オレフィン同士のラ
ンダム、グラフトまたはブロック等の共重合体、これら
α−オレフィンの過半重量と他の不飽和単量体とのラン
ダム、グラフトまたはブロック等の共重合体、これらの
オレフィン系重合体に酸化、ハロゲン化、スルホン化等
の処理を施したものであり、少なくとも部分的にポリオ
レフィンに由来する結晶性を示すものである。これら
は、単独または2種以上を併用しても差し支えない。こ
こで他の不飽和単量体の例としては、アクリル酸、メタ
クリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、無水マレ
イン酸、アリールマレイン酸イミド、アルキルマレイン
酸イミド等の不飽和カルボン酸またはその誘導体、酢酸
ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル、スチレン、メ
チルスチレン等の芳香族ビニル化合物、ビニルトリメチ
ルメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピル
トリメトキシシラン等のビニルシラン、ジシクロペンタ
ジエン、4−エチリデン−2−ノルボルネン等の非共役
ジエン等が挙げられる。上記のポリオレフィンは既知の
方法による重合または変性等により得られるが、市販の
ものから適時選んで用いても良い。
【0014】これらの中でも、プロピレン、ブテン−
1、3−メチルブテン−1、4−メチルペンテン−1の
単独重合体またはこれらを過半重量含む共重合体が好ま
しく、中でも特に結晶性プロピレン系重合体、すなわち
結晶性プロピレン系単独重合体、結晶性プロピレン−α
−オレフィンブロックもしくはランダム共重合体、これ
らの結晶性プロピレン系重合体とα−オレフィン系ゴム
すなわちゴム状の複数のα−オレフィンよりなる共重合
体または複数のα−オレフィンと非共役ジエンとの混合
物が、機械的物性バランスの点で好ましい。
【0015】これらの結晶性プロピレン系重合体または
これらとα−オレフィン系ゴムを含む混合物のメルトフ
ローレイト(MFR)(230℃、荷重2.16kg)
は0.01〜250g/10分の範囲が好ましく、0.
05〜150g/10分の範囲がより好ましく、とりわ
け好ましくは0.1〜50g/10分の範囲である。M
FRの値がこれより低い範囲では成形加工性に難点が生
じ、これより高い範囲では機械的物性バランスのレベル
が低く好ましくない。これらの中には、より高分子量の
ものを、ラジカル発生剤、例えば有機過酸化物等の存在
下で加熱処理により分子量を変化させて、このMFRの
範囲となったものも含まれる。
【0016】本発明で用いられる結晶性熱可塑性樹脂組
成物の中で、好ましくは飽和ポリエステル、ポリアミド
及びポリオレフィンであり、より好ましくは飽和ポリエ
ステル、ポリアミド及びポリプロピレンであり、特に好
ましくはポリブチレンテレフタレートである。本発明の
方法に供する結晶性熱可塑性樹脂としては、上記樹脂の
少なくとも一種以上から選ばれるものである。
【0017】成分(b)層状珪酸塩 本発明で使用する層状珪酸塩は、珪酸マグネシウムまた
は珪酸アルミニウムの層から構成される層状フィロ珪酸
鉱物を例示することが出来る。具体的には、モンモリロ
ナイト、サボナイト、バイデライト、ノントロナイト、
ヘクトライト、スティブンサイトなどのスメクタイト系
粘土鉱物やマイカ、タルク、バーミキュライト、バイロ
サイトなどを例示することができ、これらは天然のもの
であっても、合成されたものであっても良い。これらの
中でも合成マイカ、モンモリロナイトが好ましい。
【0018】さらに本発明で使用される層状珪酸塩は、
後述する有機溶媒に膨潤するものが好ましく、具体的に
は、モンモリナイト、サボナイト、バイデライト、ノン
トロナイト、ヘクトライト、スティブンサイト、バーミ
キュライト、バイロサイト、合成マイカ等が挙げられ
る。本発明で使用される層状珪酸塩としては有機溶媒に
膨潤しやすくするために膨潤剤で処理したものもまた好
ましい。膨潤剤とは、分子中にオニウムイオン基を有す
るオニウム塩であり、具体的にはアンモニウム塩、ピリ
ジニウム塩、スルホニウム塩等を例示することができ
る。さらに具体的にはオクタデシルアンモニウムイオ
ン、モノメチルオクタデシルアンモニウムイオン、ジメ
チルオクタデシルアンモニウムイオン、ドデシルアンモ
ニウムイオン、6−アミノ−n−カプロン酸イオン、1
2−アミノドデカン酸イオンを有するものを例示するこ
とができる。
【0019】また、本発明において膨潤とは、層状珪酸
塩が有機溶媒を吸収して、その体積を増大させる現象を
言い、膨潤度が1cc/g以上の層状珪酸塩と有機溶媒
の組み合わせが好ましい。膨潤度の測定には、種々のも
のがあるが、沈降容積法(粘土ハンドブック513頁)
によって得られた容積と、層状珪酸塩の絶乾時の重量の
比によって求めても良い。層状珪酸塩と有機溶媒の膨潤
性が非常に良い場合は、有機溶媒中で層状珪酸塩が超分
散してしまい、重力では沈降せず測定不能になる。もち
ろんこの場合も、非常に良く膨潤する層状珪酸塩と有機
溶媒の好ましい組み合わせである。
【0020】成分(c)有機溶媒 本発明で使用する有機溶媒は、核置換フェノール類に対
しては不活性で、かつ、常温において液体であれば良
く、特に限定されるものではない。例えば、ベンゼン、
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ヘプタン、シ
クロヘキサン等の鎖状又は環状の脂肪族炭化水素;クロ
ロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、
ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素;ジオキサン、
ジエチルエーテル等のエーテル類;シクロヘキサノン、
アセトフェノン等のケトン類;エチルアセテート、プロ
ピオラクトン等のエステル類;アセトニトリル、ベンゾ
ニトリル等のニトリル類;メタノール、エタノール、n
−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、
sec−ブタノール等のアルコール類;その他ニトロベ
ンゼン、スルホラン等を挙げることが出来る。これらは
単独で用いるか又は混合物として使用される。好ましく
は結晶性熱可塑性樹脂に対して良溶媒であり、溶媒の溶
解度パラメーターが7〜12の範囲内にある有機溶媒で
あり、さらに好ましくは芳香族炭化水素、ハロゲン化炭
化水素、アルコール類であり、特に好ましいものとし
て、キシレン、トルエン、ジクロロベンゼン、トリクロ
ロベンゼン等の有機溶媒が挙げられる。
【0021】構成成分の組成比 成分(a)結晶性熱可塑性樹脂100重量部に対して、
成分(b)層状珪酸塩は、0.05〜30重量部、好ま
しくは0.1〜15重量部、より好ましくは0.5〜1
0重量部である。成分(c)有機溶媒は、成分(a)1
00重量部に対して、1.4重量部以上、好ましくは2
重量部以上、とりわけ好ましくは5重量部以上である。
最終組成物中の成分(c)の含量は、1重量%未満、好
ましくは0.9重量%以下、より好ましくは0.5重量
%以下である。
【0022】成分(b)が成分(a)100重量部に対
して0.05重量部未満では、剛性、耐熱性が不満足で
あり、30重量部超過では、成形性、外観に難点を生じ
る。成分(a)100重量部に対する成分(c)の添加
量が、1.4重量部未満では、耐衝撃性及び外観が不満
足であり、さらに最終組成物中の成分(c)の含量が1
重量%以上では、耐熱性及び外観が不満足である。
【0023】付加的成分 本発明による樹脂組成物には、他の付加的成分を添加す
ることができる。例えば、周知の酸化防止剤、耐侯性改
良剤、造核剤、難燃剤、耐衝撃改良剤、可塑剤、流動性
改良剤、また層状珪酸塩以外の有機・無機充填剤、補強
剤、特にガラス繊維、チタン酸カリウム、炭酸カルシウ
ム、シリカ等の添加は剛性、耐熱性、寸法精度等の向上
に有効である。実用のために各種着色剤及びそれらの分
散剤なども周知のものが使用できる。
【0024】組成物の製造及び成形法 本発明の結晶性熱可塑性樹脂組成物を得るための溶融混
練機としては、少なくとも1つのベント口を設けた溶融
混練機であれば、熱可塑性樹脂について一般に実用され
ている混練機が適用できる。例えば、一軸又は多軸混練
押出機であり、またロール、バンバリーミキサー等であ
ってもよい。
【0025】ベント口は減圧に保持されなければならな
いため、混練機内の樹脂はベント口の前段部において少
なくとも一部が溶融し、減圧シールできるようにすべき
である。また、混練機内の樹脂は、ベント口到達以前
に、溶融状態で長時間保持されると、耐衝撃性が低下
し、可能な範囲でベント口に到達する直前で溶融させる
のが好ましい。
【0026】ベント口に直結させる真空装置はベント口
の減圧度に応じて、その能力を選択すれば良く、その型
式等については任意である。ベント口の圧力は200m
mHg以下に保持することが好ましい。200mmHg
より大きいときは、耐熱性及び成形外観が不満足とな
る。より好ましくは100mmHg以下であり、特に好
ましくは50mmHg以下である。
【0027】また、混練の順序は、全成分を同時に混練
してもよく、予め予備混練したブレンド物を用いて混練
する方法、更に押出機の途中から逐次、各成分をフィー
ドし、混練する方法等を用いてもよい。また、予め層状
珪酸塩と有機溶媒とを0〜100℃の温度で1分〜10
時間混合し、層状珪酸塩を膨潤させた後、他の成分と混
練する方法も好ましい。
【0028】本発明の熱可塑性樹脂組成物の成形加工法
は特に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂について
一般に用いられている成形法、すなわち射出成形、中空
成形、押出成形、シート成形、熱成形、回転成形、積層
成形、プレス成形等の各種成形法が適用できる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例によって、詳しく説明
する。使用した各成分は次のとおりである。成分(a)の結晶性熱可塑性樹脂 : ポリブチレンテレフタレート(三菱化学社製、商品名ノ
バドゥール5010、以下、PBTと表す。) ポリアミド6(三菱化学社製、商品名ノバミッド102
0、以下、PAと表す。) ポリプロピレン(三菱化学社製、商品名三菱ポリプロT
A8、以下、PPと表す。)
【0030】成分(b)層状珪酸塩: 合成マイカ:コープケミカル社製の膨潤性親油タイプM
EA スメクタイト:コープケミカル社製の親油性SAN層状珪酸塩以外の無機フィラー 直径10μm、長さ3mmのガラス繊維(表中、GFと
する。旭ファイバー社製商品名FT516)、チタン酸
カリウムウィスカー(表中、ウィスカーとする。大塚化
学社製社製商品名ティスモD102)を使用した。
【0031】成分(c)有機溶媒:市販のキシレン(試
薬グレート)及びトリクロロベンゼン(試薬グレード)
を使用した。なお、評価のため各物性値と諸特性は、下
記の方法により測定し、結果を表−1に示した。 (1)曲げ弾性率 ISO R178−1974 Procedure 1
2(JIS K 7203)に準じ、インストロン試験
機を用い測定した。 (2)熱変形温度 東洋精機製作所製のHDTテスターを用いて、JIS
K 7207に準じて18.5Kg荷重及び4.6Kg
荷重で評価した。
【0032】(3)成形品外観 150×150×3mmの平板の成形品をインラインス
クリュー式射出成形機(東芝機械製作所製、IS−90
B型)を用い、シリンダー温度320℃滞留時間20分
で成形し、以下の評価基準に従って成形品のヤケ、シル
バ−ストリ−クの発生状態を観察した。 評価基準 成形品表面のヤケ、シルバーストリーク占有面積 ◎ 非常に良好 2%未満 ○ 良好 2%以上10%未満 △ やや劣る 10%以上50%未満 × 劣る 50%以上
【0033】実施例1〜4 成分(a)及び成分(b)を、表−1に示した組成比で
スーパーミキサーにて十分混合攪拌した。次いでこれを
二軸型押出機(日本製鋼社製TEX44)を用いて、設
定温度180〜230℃、スクリュー回転数250〜3
50rpmの混練条件下で、成分(c)有機溶媒を第1
ニーディング部分に直接ポンプを用いて添加し、そして
第1ニーディング部より下流に設置したベント口より表
−1に示す減圧条件で溶融混練し、組成物とした後、ペ
レット化した。
【0034】上記の樹脂組成物のペレットから、インラ
インスクリュー式射出成形機(東芝機械製作所製IS−
90B型)を用い、シリンダー温度260〜280℃、
金型冷却温度60〜80℃にて射出成形を行い、試験片
を作成した。なお、射出成形に際しては、その直前まで
減圧乾燥器を用い、0.1mmHg、80℃の条件で4
8時間乾燥を行った。また、射出成形された試験片は、
成形直後にデシケータに入れ、23℃にて4〜6日間静
置した後、評価試験を行い結果を表−1に示した。
【0035】実施例5、6 予め合成マイカ(MEA)5重量部とキシレン5重量部
とをスーパーミキサーにて十分混合攪拌し、合成マイカ
をキシレンに膨潤せた以外は、実施例5は実施例1と同
様に、実施例6は実施例2と同様に行った。結果を表−
1に示す。
【0036】比較例1、2 成分(c)有機溶媒を配合しなかった以外は、比較例1
は実施例1と同様に、比較例2は実施例2と同様に行っ
た。結果を表−1に示す。
【0037】比較例3 ベント口を開放(大気圧)した以外は、実施例1と同様
に行った。結果を表−1に示す。
【0038】比較例4、5 層状珪酸塩を使用せず、比較例4ではGFを、比較例5
ではウィスカーを用いた以外は実施例1と同様に行っ
た。結果を表−1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】上記評価試験の結果から、本発明の製造
法によれば、層状珪酸塩の分散性が改良され、かつ溶融
混練時の樹脂成分の熱劣化等が押さえられ、剛性と耐熱
性の優れた熱可塑性樹脂組成物が得られることがわか
る。従って、その用途は広く、工業的に有用な材料とな
りうるものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の成分(a)及び(b)を下記の組
    成比で溶融混練するに当たり、成分(a)100重量部
    に対して1.4重量部以上の成分(c)有機溶媒を加
    え、混練機に少なくとも一つのベント口を設け、少なく
    とも一つのベント口を減圧に保持することにより有機溶
    媒を除去し、最終組成物の有機溶媒含量を1重量%未満
    とすることを特徴とする結晶性熱可塑性樹脂組成物の製
    造方法。 (a)結晶性熱可塑性樹脂 100重量部 (b)層状珪酸塩 0.05〜30重量部
  2. 【請求項2】 成分(b)は有機溶媒に膨潤する層状珪
    酸塩であり、予め成分(b)と成分(c)とを混合する
    ことを特徴とする請求項1記載の結晶性熱可塑性樹脂組
    成物の製造方法。
JP19970395A 1995-08-04 1995-08-04 結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法 Pending JPH0948856A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19970395A JPH0948856A (ja) 1995-08-04 1995-08-04 結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19970395A JPH0948856A (ja) 1995-08-04 1995-08-04 結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0948856A true JPH0948856A (ja) 1997-02-18

Family

ID=16412216

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19970395A Pending JPH0948856A (ja) 1995-08-04 1995-08-04 結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0948856A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999050340A1 (fr) * 1998-03-30 1999-10-07 Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho Materiau composite polymere et procede de preparation associe
JP2002155208A (ja) * 2000-11-21 2002-05-28 Idemitsu Petrochem Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物の製造方法及び熱可塑性樹脂組成物
JP2003501516A (ja) * 1999-04-30 2003-01-14 へーリング トーマス 複合体および複合膜
JP2003048994A (ja) * 2001-08-03 2003-02-21 Asahi Kasei Corp 難燃樹脂組成物の着色方法
JP2004137430A (ja) * 2002-10-21 2004-05-13 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
JP2004323717A (ja) * 2003-04-25 2004-11-18 Nippon Valqua Ind Ltd 充填材入りフッ素樹脂シートおよびその製造方法
JP2008088306A (ja) * 2006-10-02 2008-04-17 Du Pont Mitsui Fluorochem Co Ltd パーフルオロフッ素樹脂複合体組成物
JP2008088305A (ja) * 2006-10-02 2008-04-17 Du Pont Mitsui Fluorochem Co Ltd パーフルオロフッ素樹脂複合体組成物

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6472460B1 (en) 1998-03-30 2002-10-29 Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho Polymer composite material and process for preparing the same
DE19882437B4 (de) * 1998-03-30 2004-02-12 Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho, Nagakute Verfahren zur Herstellung eines ein Polymer umfassenden Verbundmaterials
WO1999050340A1 (fr) * 1998-03-30 1999-10-07 Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho Materiau composite polymere et procede de preparation associe
JP2012149259A (ja) * 1999-04-30 2012-08-09 Thomas Haering 複合体および複合膜
JP2003501516A (ja) * 1999-04-30 2003-01-14 へーリング トーマス 複合体および複合膜
JP2014167113A (ja) * 1999-04-30 2014-09-11 Thomas Haering 複合体の製造方法
JP2002155208A (ja) * 2000-11-21 2002-05-28 Idemitsu Petrochem Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物の製造方法及び熱可塑性樹脂組成物
JP2003048994A (ja) * 2001-08-03 2003-02-21 Asahi Kasei Corp 難燃樹脂組成物の着色方法
JP2004137430A (ja) * 2002-10-21 2004-05-13 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
JP4509492B2 (ja) * 2003-04-25 2010-07-21 日本バルカー工業株式会社 充填材入りフッ素樹脂シートおよびその製造方法
JP2004323717A (ja) * 2003-04-25 2004-11-18 Nippon Valqua Ind Ltd 充填材入りフッ素樹脂シートおよびその製造方法
JP2008088305A (ja) * 2006-10-02 2008-04-17 Du Pont Mitsui Fluorochem Co Ltd パーフルオロフッ素樹脂複合体組成物
JP2008088306A (ja) * 2006-10-02 2008-04-17 Du Pont Mitsui Fluorochem Co Ltd パーフルオロフッ素樹脂複合体組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5310776A (en) Process for preparing thermoplastic resin composition
JP3034810B2 (ja) 結晶性熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法
WO1987006247A1 (en) Process for preparing thermoplastic resin composition
JPH0948856A (ja) 結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法
JPH09124836A (ja) 熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法
WO1987006249A1 (en) Thermoplastic resin composition
JP3432320B2 (ja) 自動車不凍液系統部品用樹脂組成物及びその成形部品
JP3189477B2 (ja) ポリプロピレン樹脂成形品
JPH0718087A (ja) 樹脂組成物の製造方法
JPH0726007B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物の製法
JP3159775B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物の製造法
JPH0649340A (ja) ビスフェノール系熱可塑性樹脂組成物
JP3464759B2 (ja) ポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂組成物および成形体
JPH08151449A (ja) 非晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法
JPH01278544A (ja) 繊維強化ポリマー組成物
JP7388132B2 (ja) 樹脂組成物およびその成形品
JPH0693180A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP2959301B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPS63245427A (ja) 耐衝撃性ポリエステル樹脂組成物
JPH06107925A (ja) 熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物
JP2001172499A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP3460792B2 (ja) ポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂組成物および成形体
JP2000327912A (ja) 熱可塑性樹脂構造体およびその製造法
JP3290761B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP3290763B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物