JP3159775B2 - 熱可塑性樹脂組成物の製造法 - Google Patents
熱可塑性樹脂組成物の製造法Info
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Description
耐衝撃性及び耐溶剤性が優れた熱可塑性樹脂組成物の製
造法に関する。
に、優れた耐熱性、寸法安定性、非吸湿性及び電気特性
などを有する高分子材料として知られているが、樹脂に
よっては溶融流動性が悪く成形加工が困難であり、かつ
耐溶剤性、耐衝撃性が劣るという欠点がある。
成形加工法、耐溶剤性及び機械的強度が優れた高分子材
料として、自動車部品や電気・電子機器部品の分野など
で広く使用されている。しかしながら結晶性熱可塑性樹
脂は、成形収縮率及び線膨張率が大きく、また、高温に
おける剛性の低下が大きいという欠点を有する。これを
改良するため、ガラス繊維などの強化剤を充填する方法
が提案されているが、成形品の外観が悪化することか
ら、要求分野によってはその使用が制限されるという問
題を有する。
可塑性樹脂の良好な性質を併せ持ち、望ましくない性質
を相補う組成物が得られれば、利用分野の広い優れた樹
脂材料の提供が可能となり、その工業的意味は非常に大
きいものといえる。そこで両者の長所を損なわずに欠点
を相補った成形材料を提供する目的で、例えば、非晶性
熱可塑性樹脂であるポリフェニレンエ−テルを、結晶性
熱可塑性樹脂であるポリエステルと単純溶融混合した組
成物が、特公昭51−21664号、特開昭49−50
050号、同49−75662号及び同59−1598
47号各公報に、また結晶性熱可塑性樹脂であるポリア
ミドと単純溶融混合した組成物が特公昭59−4166
3号公報等に、更に、結晶性熱可塑性樹脂であるポリオ
レフィンと単純溶融混合した組成物が米国特許第336
1851号明細書、特公昭42−7069号公報等に提
案されている。
系では、非晶性熱可塑性樹脂と結晶性熱可塑性樹脂と
は、本質的に相溶性に乏しいため、この二相構造の界面
の接着性は良好ではなく、この二相は均一かつ微細な混
和形態となり難く、射出成形などの成形加工時のせん断
応力を受けたとき、層状剥離(デラミネーション)を生
じやすく、得られた成形品の外観が悪化したり、二相界
面が欠陥部となり、耐衝撃性、剛性等の機械的特性及び
耐溶剤性等の物理的特性が優れた組成物は得られない。
塑性樹脂と結晶性熱可塑性樹脂との混和性が極めて優
れ、両成分が均質で微細な混和状態を示し、これにより
射出成形などの成形加工時に、せん断応力を受けた場
合、生成する層状剥離を抑制し、ドメイン分散粒子径が
微細となり、得られた成形品の外観光沢が優れ、かつ寸
法安定性、耐衝撃性、耐熱性及び耐溶剤性が優れた熱可
塑性樹脂組成物の製造法を提供することを目的とする。
点を解決するために鋭意検討を重ねた結果、結晶性熱可
塑性樹脂及び非晶性熱可塑性樹脂を特定の比率で配合し
た樹脂と、有機溶媒とを溶融混練して、最終組成物の有
機溶媒含量を1.0重量%未満にするため、混練機にベ
ント口及び各ベント口に真空装置を設け、各ベント口を
減圧に保持し、製造した樹脂組成物は、ドメイン分散粒
子径が微細となり外観光沢が優れ、かつ、耐衝撃性、耐
熱性及び剛性が優れた組成物となることを見出し、本発
明に到達した。
ト口に真空装置を設け、各ベント口を減圧に保持するこ
とにより、最終組成物の有機溶媒含量を1.0重量%未
満とすることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造法
である。
塑性樹脂とは、一般にガラス様の性質をもち、加熱した
際にガラス転移温度を示すものであるが、本発明ではガ
ラス転移温度が50℃以上の非晶性熱可塑性樹脂を使用
することが好ましい。また、非晶性熱可塑性樹脂は明確
な融点や測定可能な融解熱を示さないが、本発明におい
ては、ゆっくり冷却する場合には多少の結晶性を示すも
のを含み、また、本発明の効果を大きく損なわない範囲
で結晶性を示すものも含むものとする。ガラス転移温
度、融点及び融解熱は、示差走査熱量測定装置、例え
ば、PERKIN-ELMER社製DSC−II等を用いて測定するこ
とができる。すなわち、この装置を用いて、融解熱は、
1分間当り10℃の昇温速度で、試料を予測される融点
以上の温度に加熱し、次に試料を1分間当り10℃の速
度で降温し、20℃まで冷却し、そのまま約1分間放置
した後、再び1分間当り10℃の速度で加熱昇温するこ
とにより測定することができる。融解熱は、昇温と降温
のサイクルで測定した値が、実験誤差範囲内で一定値と
なるものを採用する。本発明における非晶性熱可塑性樹
脂とは、上記方法により測定される融解熱が1カロリー
/グラム未満であるものと定義する。
晶性熱可塑性樹脂の例として、ポリフェニレンエーテル
(PPE)が挙げられるが、このものは、一般式(I)
若しくは第二級アルキル基、アリール基、アミノアルキ
ル基、ハロアルキル基、炭化水素オキシ基又はハロ炭化
水素オキシ基を表し、Q2 は各々水素原子、ハロゲン原
子、第一級若しくは第二級アルキル基、アリール基、ア
ミノアルキル基、ハロアルキル基、炭化水素オキシ基又
はハロ炭化水素オキシ基を表し、mは10以上の整数を
表す)
重合体である。Q1 及びQ2 の第一級アルキル基の好適
な例は、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、
n−アミル、イソアミル、2−メチルブチル、n−ヘキ
シル、2,3−ジメチルブチル、2−、3−若しくは4
−メチルペンチル又はヘプチルである。第二級アルキル
基の好適な例は、イソプロピル、sec −ブチル又は1−
エチルプロピルである。多くの場合、Q1 はアルキル基
又はフェニル基、特に炭素数1〜4のアルキル基であ
り、Q2 は水素原子である。
体としては、例えば、2,6−ジメチル−1,4−フェ
ニレンエーテル単位からなるものである。好適な共重合
体としては、上記単位と2,3,6−トリメチル−1,
4−フェニレンエーテル単位との組合せからなるランダ
ム共重合体である。多くの好適な単独重合体又はランダ
ム共重合体が特許、文献に記載されている。例えば、分
子量、溶融粘度及び/又は耐衝撃強度等の特性を改良す
る分子構造部分を含むポリフェニレンエーテルも、また
好適である。
(a−1)は、クロロホルム中で測定した30℃の固有
粘度が0.2〜0.8dl/gであるものが好ましい。更に
好ましくは固有粘度が0.2〜0.5dl/gのものであ
り、とりわけ好ましくは固有粘度が0.25〜0.4dl
/gのものである。固有粘度が0.2dl/g未満では組成物
の耐衝撃性が不足し、0.8dl/gを超えるときは組成物
の成形性と成形品外観に難が生じる。
可塑性樹脂の他の例として、ポリカーボネート(PC)
が挙げられるが、本発明において用いるポリカーボネー
トとしては、芳香族ポリカーボネート、脂肪族ポリカー
ボネート、脂肪族−芳香族ポリカーボネート等が挙げら
れる。そのうちでも、2,2−ビス(4−オキシフェニ
ル)アルカン系、ビス(4−オキシフェニル)エーテル
系、ビス(4−オキシフェニル)スルホン系、スルフィ
ド又はスルホキサイド系等のビスフェノール類からなる
芳香族ポリカーボネートが好ましい。また必要に応じて
ハロゲンで置換されたビスフェノール類を含むポリカー
ボネートも用いることができる。
に制限はないが一般的には1万以上、好ましくは2万〜
4万のものである。
BS樹脂、芳香族ポリスルホン、芳香族ポリエーテルス
ルホン、芳香族非晶性ポリアミド、ケイ素樹脂、ポリエ
ーテルイミド、ポリ(アルキル)アクリレート等が挙げ
られる。
塑性樹脂とは、はっきりした結晶構造又は結晶化可能な
分子構造を有する非ガラス様特性のものであり、測定可
能な融解熱を有し明確な融点を示すものである。融点及
び融解熱は示差走査熱量測定装置を用いて測定すること
ができる。この例としては<非晶性熱可塑性樹脂(a)
>の項に示した装置および測定方法が挙げられる。本発
明における結晶性熱可塑性樹脂とは、この方法により測
定される融解熱が1カロリー/グラム以上のものと定義
する。
可塑性樹脂の例として、飽和ポリエステルが挙げられ、
これには、種々のポリエステルが使用可能である。例え
ば、その一つとして、通常の方法に従って、ジカルボン
酸又はその低級アルキルエステル、酸ハライド若しくは
酸無水物誘導体と、グリコール又は二価フェノールとを
縮合させて製造される熱可塑性ポリエステルが挙げられ
る。
肪族又は芳香族ジカルボン酸の具体例としては、シュウ
酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ス
ベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸;テレフタル酸、
イソフタル酸、p,p′−ジカルボキシジフェニルスル
ホン;p−カルボキシフェノキシ酢酸、p−カルボキシ
フェノキシプロピオン酸、p−カルボキシフェノキシ酪
酸、p−カルボキシフェノキシ吉草酸;2,6−ナフタ
リンジカルボン酸又は2,7−ナフタリンジカルボン酸
等あるいはこれらのカルボン酸の混合物が挙げられる。
リコールとしては、炭素数2〜12の直鎖アルキレング
リコール、例えばエチレングリコール、1,3−プロピ
レングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール,1,12−ドデカメチレングリコール
等が例示される。また、芳香族グリコール化合物として
はp−キシリレングリコールが例示され、二価フェノー
ルとしてはピロカテコール、レゾルシノール、ヒドロキ
ノン又はこれらの化合物のアルキル置換誘導体が挙げら
れる。他の適当なグリコールとしては1,4−シクロヘ
キサンジメタノールも挙げられる。
トンの開環重合によるポリエステルも挙げられる。例え
ばポリピバロラクトン、ポリ(ε−カプロラクトン)等
である。
ては、溶融状態で液晶を形成するポリマー(Thermotrop
ic Liquid Crystal Polymer; TLCP)であるポリエステル
である。これらの区分に入るポリエステルとしては、イ
ーストマンコダック社のX7G、ダートコ社のザイダー
(Xydar)、住友化学社のエコノール、セラニーズ社のベ
クトラ等が代表的な商品である。
ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレン
テレフタレート(PBT)、ポリナフタレンテレフタレ
ート(PEN)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチ
レンテレフタレート)(PCT)又は液晶性ポリエステ
ル等が、本発明の結晶性熱可塑性樹脂組成物に好適な飽
和ポリエステルである。
ノール/1,1,2,2−テトラクロルエタン=60/
40重量%混合液中、20℃で測定した固有粘度が0.
5〜5.0dl/gの範囲が好ましい。更に好ましくは、
1.0〜4.0dl/g、とりわけ好ましくは2.0〜3.
5dl/gである。固有粘度が0.5dl/g未満であると耐衝
撃性が不足し、5.0dl/g以上では成形性に難がある。
樹脂の他の例としてポリアミドが挙げられ、本発明にお
いて使用するポリアミドは、ポリマー主鎖に−CO−N
H−結合を有し、加熱溶融できるものである。その代表
的なものとしては、ナイロン−4、ナイロン−6、ナイ
ロン−6,6、ナイロン−4,6、ナイロン−12、ナ
イロン−6,10等が挙げられ、その他、公知の芳香族
ジアミン、芳香族ジカルボン酸等のモノマー成分を含む
低結晶性のポリアミド等も用いることができる。
ナイロン−6,6であり、中でもナイロン−6が特に好
ましい。本発明で使用するポリアミドは、相対粘度が
2.0〜8.0(25℃の98%濃硫酸中で測定)であ
るのが好ましい。
塑性樹脂の他の例としてポリオレフィンも挙げられ、本
発明において使用するポリオレフィンは、エチレン、プ
ロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、
3−メチルブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘプ
テン−1、オクテン−1等のα−オレフィンの単独重合
体、これらα−オレフィン同士のランダム又はブロック
共重合体、これらのα−オレフィンの過半重量と他の不
飽和単量体とのランダム、グラフト又はブロック共重合
体、あるいはこれらのオレフィン系重合体に酸化、ハロ
ゲン化、スルホン化等の処理を施したものであり、少な
くとも部分的にポリオレフィンに由来する結晶性を示す
ものである。これらは単独又は2種以上を併用しても差
し支えない。ここで他の不飽和単量体の例としては、ア
クリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチ
ル、無水マレイン酸、アリールマレイン酸イミド、アル
キルマレイン酸イミド等の不飽和カルボン酸又はその誘
導体;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル;ス
チレン、メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;ビニ
ルトリメチルメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキ
シプロピルトリメトキシシラン等のビニルシラン;ジシ
クロペンタジエン、4−エチリデン−2−ノルボルネン
等の非共役ジエンなどが挙げられる。
たは変性等により得られるが、市販のものから適宜選ん
で用いてもよい。
3−メチルブテン−1、4−メチルペンテン−1の単独
重合体又はこれらを過半重量含む共重合体が好ましく、
中でも特に結晶性プロピレン系重合体、すなわち結晶性
プロピレン単独重合体、結晶性プロピレン−α−オレフ
ィンブロック若しくはランダム共重合体、これらの結晶
性プロピレン共重合体とα−オレフィン系ゴムすなわち
ゴム状の複数のα−オレフィンよりなる共重合体又は複
数のα−オレフィンと非共役ジエンとの混合物が、機械
的物性バランスの点で好ましい。
れらとα−オレフィン系ゴムを含む混合物のメルトフロ
ーレイト(MFR)(230℃、荷重2.16kg)は
0.01〜250g /10分の範囲が好ましく、0.0
5〜150g /10分の範囲がより好ましく、とりわけ
0.1〜50g /10分の範囲が好ましい。MFRの値
がこれより低い範囲では成形加工性に難点が生じ、これ
より高い範囲では機械的物性のレベルが低く好ましくな
い。
ラジカル発生剤、例えば有機過酸化物等の存在下で加熱
処理により分子量を低下させて、このMFRの範囲とし
たものも含まれる。
結晶性熱可塑性樹脂の更に他の例としてポリフェニレン
スルフィド(PPS)が挙げられ、本発明において使用
されるポリフェニレンスルフィドは一般式−(C6 H4
−S)−で示される繰り返し単位を主構成要素として含
有する結晶性樹脂である。
S)−を主構成要素とするもの、すなわち繰り返し単位
−(C6 H4 −S)−からなるもの、又はこれを主成分
として、好ましくは80モル%以上、より好ましくは9
0モル%以上含むものが、耐熱性等の物性上の点から好
ましい。
上記繰り返し単位−(C6 H4 −S)−からなる成分で
成り立っていない場合、残り(例えば20モル%まで)
は共重合可能な、例えば下記のような繰り返し単位から
なる成分で充足させることができる。
アルキル基である)
ドは、実質的に線状構造であるものが、成形物の物性等
の観点から好ましい。しかし、この物性を実質的に低下
させない範囲内において、例えば重合時に有効量の架橋
剤(例えば、トリハロベンゼン)を用いて得た重合架橋
物、あるいはポリマーを酸素の存在下等で加熱処理して
架橋させた熱架橋物も使用可能である。
ルフィドは、300℃での溶融粘度が100〜20,0
00P の範囲が好ましく、より好ましくは500〜1
0,000P の範囲のものである。溶融粘度が100P
未満では、流動性が高すぎて成形が困難であって好まし
くない。また、溶融粘度が20,000P 超過でも逆に
流動性が低すぎて成形が困難である。
は、本発明の目的に反しない限り、任意の方法により製
造することができるが、上記のような条件を満たす好ま
しいものは、例えば特公昭45−3368号公報で開示
されたような比較的分子量の小さい重合体の製造法、特
公昭52−12240号公報で開示されたような線状の
比較的高分子量の重合体の製造法又は低分子量重合体を
酸素存在下で加熱して架橋体を得る方法にしたがって、
あるいはこれらに必要な改変を加えて、製造することが
できる。
状フィラーを使う場合など、必要に応じて熱水等で処理
することができる。
て、ポリアセタール(POM)、フッ素樹脂、ポリエー
テルエーテルケトン等が挙げられる。
溶媒は、核置換フェノール類に対して不活性であればよ
く、特に限定されない。例えば、ベンゼン、トルエン、
キシレン等の芳香族炭化水素;ヘプタン、シクロヘキサ
ン等の鎖状又は環状の脂肪族炭化水素;クロロベンゼ
ン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、ジクロロ
メタン等のハロゲン化炭化水素;ジオキサン、ジエチル
エーテル等のエーテル類;シクロヘキサノン、アセトフ
ェノン等のケトン類;エチルアセテート、プロピオラク
トン等のエステル類;アセトニトリル、ベンゾニトリル
等のニトリル類;メタノール、エタノール、n−プロパ
ノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec −ブ
タノール等のアルコール類;その他ニトロベンゼン、ス
ルホラン等を挙げることができる。これらは単独で用い
るかあるいは混合物として使用される。好ましくは非晶
性熱可塑性樹脂に対して良溶媒であり、溶媒の溶解度パ
ラメーターが7〜12の範囲にある有機溶媒であって、
更に好ましくは芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、
アルコール等であり、特に好ましいものとして、キシレ
ン、トルエン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン
等の有機溶媒が挙げられる。
(a)〜(c)の組成比は(a)及び(b)の合計重量
を100重量%として、下記のとおりである。
5〜70量%、とりわけ好ましくは10〜55重量%で
ある。成分(a)が5重量%未満では、耐熱剛性が不満
足であり、95重量%超過では耐溶剤性及び耐衝撃性が
不満足となる。
95〜30重量%、とりわけ好ましくは90〜45重量
%である。成分(b)が5重量%未満では、耐溶剤性及
び耐衝撃性が不満足であり、95重量%超過では耐熱剛
性が不足する。
(b)の合計量を100重量部として、それに外数とし
て加える量が、1.0重量部以上、好ましくは1.0〜
50重量部、とりわけ好ましくは2〜30重量部の範囲
である。最終組成物の有機溶媒含量は1.0重量%未
満、好ましくは0.8重量%以下、とりわけ好ましくは
0.5重量%以下である。成分(c)の配合量が1.0
重量部未満では、相溶性、耐衝撃性及び製品外観が不満
足である。更に、最終組成物の有機溶媒(c)含量が
1.0重量%以上では、耐熱性及び製品外観が不満足で
ある。
組成物には、他の付加的成分を添加することができる。
例えば、非晶性熱可塑性樹脂に周知の酸化防止剤、耐候
性改良剤、造核剤、難燃剤、耐衝撃改良剤を;結晶性熱
可塑性樹脂に周知の酸化防止剤、耐候性改良剤、可塑
剤、流動性改良剤、耐衝撃改良剤を使用できる。また非
晶性熱可塑性樹脂と結晶性熱可塑性樹脂との相溶化剤等
を付加成分として使用できる。また有機・無機充填剤、
補強剤、特にガラス繊維、マイカ、タルク、ワラストナ
イト、チタン酸カリウム、炭酸カルシウム、シリカ等の
添加は、剛性、耐熱性、寸法精度等の向上に有効であ
る。実用のために各種着色剤及びそれらの分散剤なども
周知のものが使用できる。
塑性樹脂組成物を得るための溶融混練機としては、ベン
ト口を設けた溶融混練機であれば、熱可塑性樹脂につい
て一般に実用されている混練機が適用できる。例えば、
一軸又は多軸混練押出機等であり、また、ロール、バン
バリーミキサー等であってもよい。
いため、混練機内の樹脂は、ベント口の前段部において
少なくとも一部が溶融し、減圧シールできるようにすべ
きである。また、混練機内の樹脂は、ベント口到達以前
に溶融状態で長時間保持されると耐衝撃性が低下するの
で、可能な範囲でベント口に到達する直前で溶融するの
が好ましい。ベント口に直結させる真空装置は、ベント
口の減圧度に応じてその能力を選択すればよく、その型
式等については任意である。
することが好ましく、200Torrより大きいときは、組
成物の耐熱性、成形品外観及び非晶性熱可塑性樹脂と結
晶性熱可塑性樹脂の相溶性が悪くなり(ドメイン分散粒
径:大)耐衝撃性が不満足となる。好ましくは100To
rr以下であり、特に好ましくは50Torr以下である。
してもよく、あらかじめ予備混練したブレンド物を用い
て混練してもよい。更に押出機の途中のいくつかのフィ
ード口から、逐次各成分をフィードし、混練してもよ
い。また、有機溶媒は、ポンプを用いて押出機に直接添
加してもよい。
は特に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂について
一般に用いられている成形法、すなわち射出成形、中空
成形、押出成形、シート成形、熱成形、回転成形、積層
成形、プレス成形等の成形法が適用できる。
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1)PPE:日本ポリエーテル社にて試作したポリ
(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)
(30℃におけるクロロホルム中で測定した固有粘度
[η]0.41dl/g)を用いた。
1)飽和ポリエステル:鐘紡社製ポリブチレンテレフタ
レート(PBT)(商品名:PBT128)を用いた。
ロン−6(商品名:ウルトラミッドB−3)を用いた。
プロピレン−エチレンブロック共重合体(商品名:BC
8DQ、JIS K7210によるMFR1.2g /1
0分、赤外線分光分析によるエチレン含量5.5重量
%)を用いた。
(試薬グレード)を使用した。 無水マレイン酸:市販の無水マレイン酸(試薬グレー
ド)を使用した。 耐衝撃性改良剤:シェル化学社製、水素添加スチレン−
ブタジエン−スチレン共重合体(SEBS)クレイトン
G1651,G1652を使用した。
した配合比でスーパーミキサーにて十分混合撹拌した。
次いでこれを日本製鋼所社製TEX44二軸型押出機を
用いて、設定温度230℃、スクリュー回転数350rp
m の混練条件下で、成分(c)の有機溶媒を第1ニーデ
ィング部に直接ポンプを用いて添加し、そして第1ニー
ディング部より下流に設置したベント口を表1中に示す
減圧条件に保持して、溶融混練し、ペレット化し、それ
ぞれの樹脂組成物を得た。
リュー式射出成形機(東芝機械製作所社製IS−90B
型)を用い、シリンダー温度280℃、金型冷却温度8
0℃にて射出成形を行い、試験片を作成した。
減圧乾燥器を用い、0.1Torr、80℃の条件で48時
間乾燥を行った。また、射出成形された試験片は、成形
直後にデシケータに入れ、23℃にて4〜6日間静置し
た後、評価試験を行い結果を表1に示した。
K 7203)に準じ、インストロン試験機を用い、
測定した。
ノッチ付アイゾット衝撃強度に準じ、東洋精機製作所社
製アイゾット衝撃試験機を用いて測定した。
K 7207に準じて4.6kg荷重で評価した。
浸せきし選択的にポリフェニレンエーテル粒子を溶解さ
せた後、日立製作所製、走査型電子顕微鏡S−2400
型にて分散粒子径を観察した。
行い、得られた抽出液をガスクロマトグラフにより定量
分析を行った。
気圧)した以外は、それぞれ実施例1〜3と同様に行っ
た。結果を表1に示す。
圧)した以外は、実施例3と同様に行った。結果を表1
に示す。
Torrとした以外は、実施例3と同様に行った。結果を表
1に示す。
法によれば、ドメイン平均粒子径が微細になり、耐衝撃
性と耐熱性のバランスが優れた熱可塑性樹脂組成物が得
られ、その用途は広く、工業的に有用な材料を得ること
ができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 (a)非晶性熱可塑性樹脂
5〜95重量% (b)結晶性熱可塑性樹脂
95〜5重量% の合計100重量%からなる樹脂100重量部と、 (c)有機溶媒
1.0重量部以上 とを溶融混練するに当り、混練機にベント口及び各ベン
ト口に真空装置を設け、各ベント口を減圧に保持するこ
とにより、最終組成物の有機溶媒含量を1.0重量%未
満とすることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造
法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12064892A JP3159775B2 (ja) | 1992-05-13 | 1992-05-13 | 熱可塑性樹脂組成物の製造法 |
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