JPH07149917A - 熱可塑性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物の製造方法

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JPH07149917A
JPH07149917A JP12241894A JP12241894A JPH07149917A JP H07149917 A JPH07149917 A JP H07149917A JP 12241894 A JP12241894 A JP 12241894A JP 12241894 A JP12241894 A JP 12241894A JP H07149917 A JPH07149917 A JP H07149917A
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melt
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JP12241894A
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English (en)
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Megumi Kojima
めぐみ 小島
Kiyoji Takagi
喜代次 高木
Koji Nishida
耕治 西田
Hiroshi Kusaka
央 草香
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリフェニレンエーテル(a)及び芳香族ア
ルケニル化合物重合体(b)からなる組成物100重量
部に対し、1重量部以上の割合の有機溶媒(c)を存在
させて溶融混練し、混練機にベント口及び各ベント口に
真空装置を設け、各ベント口を減圧に保持することによ
り、最終組成物中の有機溶媒(c)含量を1重量%未満
とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法。特に、押出機を
用いて溶融混練し、樹脂流れに対し上流側の第1原料投
入口より成分(a)、成分(c)及び成分(b)の一部
を供給し、下流側の第2原料投入口より成分(b)の残
りを供給する上記の製造方法。 【効果】 製造時の熱劣化等が抑えられ、耐衝撃性と耐
熱性のバランス及び色相が優れた樹脂組成物が得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリフェニレンエーテ
ル(以下「PPE」という)及び芳香族アルケニル化合
物重合体を有機溶媒の存在下に溶融混練し、耐熱性と耐
衝撃強度のバランスが改良され、寸法安定性及び成形品
外観が優れ、かつ色相が改善された熱可塑性樹脂組成物
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】PPEは、耐熱性、機械的、電気的性質
が優れている反面、流動性、耐衝撃性が劣るという欠点
を有している。このような欠点を改良するため、PPE
に相溶性を有する芳香族アルケニル化合物重合体を配合
する方法が公知である。しかし、芳香族アルケニル化合
物重合体を配合したPPE組成物において、耐衝撃性を
改良するためゴム含有量を多くすると耐熱性及び成形品
の外観が大きく低下する。また、PPEと芳香族アルケ
ニル化合物重合体は、一般にそのガラス転移温度以上の
温度で溶融混練が可能であるが、混練時のせん断発熱に
より熱劣化が促進され、ゲル化、炭化等が発生し、PP
E組成物の耐衝撃性、成形性、色相及び成形品の外観が
悪くなる。
【0003】溶融混練時のせん断発熱を抑える方法とし
て、溶融混練機のシリンダー温度を下げる。溶融混
練機の回転数を下げる。可塑剤等の添加により組成物
全体の粘度を下げる。ポリマーの重合度を低下させ
る。高流動性ポリマーを添加する等の方法がある。し
かし、及びの方法においては、混練機の性能(冷却
法、モータートルク等)により制限されることがあり、
万能ではなく、の方法においては、混練時の熱劣化は
抑えられるが、最終組成物の本来の特性(特に耐熱性)
が損なわれる場合が多い。及びの方法においては、
最終組成物の機械的強度が犠牲になる。
【0004】上記問題の解決方法として溶剤混練法(特
開平5−310952号公報)がある。しかし、芳香族
アルケニル化合物重合体を配合したPPE組成物におい
て、PPEの低濃度域では両成分の分散が不十分であ
り、耐熱性、耐衝撃性、外観が大きく低下する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決し、PPEと芳香族アルケニル化合物重合体の組
成物において、両成分を均一に分散させることにより、
耐衝撃性と耐熱性のバランス及び色相が優れた熱可塑性
樹脂組成物の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このため
鋭意検討を重ねた結果、PPEと芳香族アルケニル化合
物重合体とを有機溶媒の存在下で溶融混練するにあた
り、溶融混練機の各ベント口を減圧に保持して、特に、
PPE、芳香族アルケニル化合物重合体の一部、有機溶
媒を押出機の第1原料投入口から供給し、第2原料投入
口から残りの芳香族アルケニル化合物重合体を供給して
溶融混練して、最終組成物の有機溶媒含量を1重量%以
下に除去することによって、製造した樹脂組成物は、溶
融混練時の熱劣化が抑えられ、PPE樹脂組成物の耐熱
性と耐衝撃性のバランス及び色相が改善されることを見
出し、本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明は、PPE(a)及び芳
香族アルケニル化合物重合体(b)からなる組成物10
0重量部に対し、1重量部以上の割合の有機溶媒(c)
を存在させて溶融混練するにあたり、溶融混練機に1個
以上のベント口及び少なくとも1つのベント口に真空装
置を設け、ベント口を減圧に保持することにより、最終
組成物中の有機溶媒(c)含量を1重量%未満とするこ
とを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法である。
【0008】特に、PPE(a)1〜40重量部及び芳
香族アルケニル化合物重合体(b)60〜99重量部か
らなる組成物100重量部に対し、1重量部以上の割合
の有機溶媒(c)を存在させ、押出機を用いて溶融混練
するにあたり、押出機が、樹脂の流れ方向に対して上流
側に第1原料投入口、下流側に第2原料投入口及び1個
以上のベント口を有し、第1原料投入口より成分
(a)、成分(c)、及び成分(b)の一部を供給し、
第2原料投入口より成分(b)の残りを供給し、少なく
とも1つのベント口に真空装置を設け、ベント口を減圧
に保持することにより、脱気しながら溶融混練して最終
組成物中の有機溶媒(c)含量を1重量%未満とするこ
とを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法である。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】〈PPE(a)〉本発明で使用するPPE
(a)は、一般式(I)
【0010】
【化1】
【0011】(式中、Q1 は各々ハロゲン原子、第一級
若しくは第二級アルキル基、アリール基、アミノアルキ
ル基、ハロ炭化水素基、炭化水素オキシ基又はハロ炭化
水素オキシ基を表し、Q2 は各々水素原子、ハロゲン原
子、第一級若しくは第二級アルキル基、アリール基、ハ
ロ炭化水素基、炭化水素オキシ基又はハロ炭化水素オキ
シ基を表し、mは10以上の数を表す)
【0012】で示される構造を有する単独重合体又は共
重合体である。Q1 及びQ2 の第一級アルキル基の好適
な例は、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、
n−アミル、イソアミル、2−メチルブチル、n−ヘキ
シル、2,3−ジメチルブチル、2−、3−若しくは4
−メチルペンチル又はヘプチルである。第二級アルキル
基の好適な例は、イソプロピル、sec −ブチル又は1−
エチルプロピルである。多くの場合、Q1 はアルキル基
又はフェニル基、特に炭素数1〜4のアルキル基であ
り、Q2 は水素原子である。
【0013】好適なPPEの単独重合体としては、例え
ば、2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単
位からなるものである。好適な共重合体としては、上記
単位と2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエ
ーテル単位との組合せからなるランダム共重合体であ
る。多くの好適な単独重合体又はランダム共重合体が、
特許及び文献に記載されている。例えば、分子量、溶融
粘度及び/又は耐衝撃強度等の特性を改良する分子構成
部分を含むPPEもまた好適である。
【0014】ここで使用するPPE(a)は、クロロホ
ルム中で測定した30℃の固有粘度が0.2〜0.8dl
/gであるものが好ましい。更に好ましくは固有粘度が
0.2〜0.6dl/gのものであり、とりわけ好ましくは
固有粘度が0.25〜0.5dl/gのものである。固有粘
度が0.2dl/g未満では組成物の耐衝撃性が不足し、
0.8dl/g超過では組成物の成形性と成形品外観に難が
生じる。
【0015】〈芳香族アルケニル化合物重合体(b)〉
芳香族アルケニル化合物重合体(b)としては、一般式
(II)
【0016】
【化2】
【0017】〔式中、Rは水素原子、低級アルキル基
(例えば炭素数1〜4のアルキル基)、又はハロゲン原
子を表し、Zは水素原子、ビニル基、ハロゲン原子又は
低級アルキル基を表し、pは0又は1〜5の整数を表
す〕
【0018】で示される芳香族アルケニル化合物を1種
又は2種以上重合させて得られる重合体又は共重合体;
芳香族アルケニル化合物と無水マレイン酸、アクリロニ
トリル、メタクリル酸メチル、アクリル酸低級アルキル
エステル又はブタジエン等との共重合体;ポリエチレ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸共重合体、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチ
レンテレフタレート等の樹脂粒子を水に懸濁させ、これ
に芳香族アルケニル化合物を添加し、懸濁重合させて得
られる芳香族アルケニル化合物のグラフト共重合体等が
例示される。芳香族アルケニル化合物の具体例として
は、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼ
ン、エチルビニルベンゼン等が挙げられる。
【0019】また、芳香族アルケニル化合物重合体の具
体例としては、ポリスチレン、ポリクロロスチレン、ポ
リ−α−メチルスチレン等のホモポリマー;スチレン−
アクリロニトリル共重合体、スチレン−N−フェニルマ
レイミド共重合体、スチレン−N−アルキル置換フェニ
ルマレイミド共重合体、スチレン−アクリル酸共重合
体、スチレン−メチルメタアクリレート共重合体、スチ
レン−n−アルキルメタアクリレート共重合体、エチル
ビニルベンゼン−ジビニルベンゼン共重合体、ブタジエ
ン−アクリロニトリル−α−メチルスチレン3元共重合
体、ABS、HIPS、スチレングラフトポリエチレ
ン、スチレングラフトエチレン−酢酸ビニル共重合体、
(スチレン及び/又はアクリル酸)グラフトポリエチレ
ン、スチレングラフトポリアミド等の共重合体が挙げら
れる。
【0020】〈有機溶媒(c)〉本発明で使用する有機
溶媒は、核置換フェノール類に対しては不活性で、か
つ、常温において液体であればよく、特に限定されるも
のではない。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等
の芳香族炭化水素;ヘプタン、シクロヘキサン等の鎖状
又は環状の脂肪族炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロ
ベンゼン、トリクロロベンゼン、ジクロロメタン等のハ
ロゲン化炭化水素;ジオキサン、ジエチルエーテル等の
エーテル類;シクロへキサノン、アセトフェノン等のケ
トン類;エチルアセテート、プロピオラクトン等のエス
テル類;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル
類;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソ
プロパノール、n−ブタノール、sec −ブタノール等の
アルコール類;その他ニトロベンゼン、スルホラン等を
挙げることができる。これらは単独で用いるか又は混合
物として使用する。好ましくはPPE(a)及び芳香族
アルケニル化合物重合体(b)に対して良溶媒であり、
溶媒の溶解度パラメーターが7〜12の範囲内にある有
機溶媒であり、より好ましくは炭素数6〜18の芳香族
炭化水素、炭素数2〜10のハロゲン化炭化水素、炭素
数1〜10のアルコール類であり、特に好ましいものと
してキシレン、トルエン、ジクロロベンゼン、トリクロ
ロベンゼン等の有機溶媒が挙げられる。
【0021】〈構成成分の組成比〉以上述べた成分
(a)及び(b)の組成比は、通常の場合成分(a)及
び(b)の合計を100重量部として下記のとおりであ
る。 成分(a):好ましくは5〜95重量部、より好ましく
は25〜85重量部、とりわけ好ましくは30〜65重
量部である。成分(a)が上記範囲未満では最終組成物
の耐熱剛性が不満足であり、上記範囲を超過すると成形
性及び耐衝撃性が不満足となる。 成分(b):好ましくは95〜5重量部、より好ましく
は75〜15重量部、とりわけ好ましくは70〜35重
量部である。成分(b)が上記範囲未満では耐衝撃強度
が不満足であり、上記範囲を超過すると耐熱性が不満足
となる。
【0022】次に、押出機を用いて溶融混練し、かつ成
分(b)を第1及び第2原料投入口より分割して供与す
る場合、成分(a)及び(b)の組成比は、成分(a)
及び(b)の合計を100重量部として下記のとおりで
ある。 成分(a):1〜40重量%、好ましくは2〜35重量
%、より好ましくは5〜30重量%である。成分(a)
が上記範囲未満では最終組成物の耐熱剛性が不満足であ
り、上記範囲を超過すると成形性及び耐衝撃性が不満足
となる。 成分(b):好ましくは60〜99重量%、好ましくは
65〜98重量%、とりわけ好ましくは70〜95重量
%である。成分(b)が上記範囲未満では耐衝撃強度が
不満足であり、上記範囲を超過すると耐熱性が不満足と
なる。
【0023】ここで、第1原料投入口より供給される成
分(b)量としては、1〜59重量部であり、好ましく
は成分(a)に対して0.03〜10重量倍、より好ま
しくは0.5〜2重量倍、とりわけ好ましくは0.8〜
1.2重量倍の範囲から選定される。また、下流に設け
た第2原料投入口より供給される芳香族アルケニル化合
物重合体(b)の量は、最終樹脂組成物の成分(b)か
ら、第1フィードで供給した成分(b)を差し引いた量
に相当し、成分(b)の10〜80%、より好ましくは
20〜70%、特に好ましくは30〜60%に相当する
量である。
【0024】成分(c)の配合割合は、上記の通常及び
押出機を用いる成分(b)分割供与のいずれの場合にお
いても、成分(a)及び(b)の合計を100重量部と
して下記のとおりである。 成分(c):1重量部以上、好ましくは1〜50重量
部、より好ましくは2〜30重量部、とりわけ好ましく
は5〜30重量部である。成分(c)が1重量部未満で
は、耐衝撃性及び成形品の外観が不満足である。最終組
成物中の有機溶媒含量は、1重量%未満、好ましくは
0.9重量%以下、より好ましくは0.8重量%以下、
とりわけ好ましくは0.5重量%以下である。最終組成
物中の有機溶媒含量が1重量%以上では耐熱性及び成形
品の外観が不満足である。
【0025】〈付加的成分〉本発明による樹脂組成物に
は、他の付加的成分を添加することができる。例えば、
周知の酸化防止剤、耐候性改良剤、造核剤、難燃剤、耐
衝撃性改良剤、流動性改良剤等等が挙げられる。また有
機・無機充填剤、補強剤、特にガラス繊維、マイカ、タ
ルク、ワラストナイト、チタン酸カリウム、炭酸カルシ
ウム、シリカ等の添加は、剛性、耐熱性、寸法精度等の
向上に有効である。実用のために各種着色剤及びそれら
の分散剤なども周知のものが使用できる。
【0026】〈組成物の製造及び成形法〉本発明の熱可
塑性樹脂組成物を得るための、通常の場合における溶融
混練機としては、ベント口を設けた溶融混練機であれ
ば、熱可塑性樹脂について一般に実用されている溶融混
練機が適用できる。例えば、1軸又は多軸混練押出機等
であり、ロール、バンバリーミキサー等であってもよ
い。
【0027】ベント口は減圧に保持されなければならな
いため、溶融混練機内の樹脂は、ベント口の前段部にお
いて少なくとも一部が溶融し、減圧シールできるように
すべきである。また、溶融混練機内の樹脂は、ベント口
到達以前に、溶融状態で長時間保持されると、耐衝撃性
が低下するので、可能な範囲でベント口に到達する直前
で溶融させるのが好ましい。
【0028】ベント口に直結させる真空装置は、ベント
口の減圧度に応じて、その能力を選択すればよく、その
型式等については任意である。ベント口の圧力は50mm
Hg以下に保持することが好ましく、50mmHgより大きい
ときは、組成物の耐熱性及び成形品の外観が不満足とな
る。好ましくは30mmHg以下であり、特に好ましくは1
0mmHg以下である。
【0029】また、混練の順序は、全成分を同時に混練
してもよく、あらかじめ予備混練したブレンド物を用い
て混練してもよい。更に押出機シリンダーのいくつかの
フィード口から逐次、各成分をフィードし、混練しても
よい。また、有機溶媒はポンプを用いて押出機に直接添
加してもよい。
【0030】次に、押出機を用いる成分(b)分割供与
の場合、具体的には、樹脂の流れ方向に対して上流側に
設置された第1原料投入口及び下流側に設置された第2
原料投入口を有する押出機を用いて、第1原料投入口よ
り成分(a)、成分(c)、及び成分(b)の一部を供
給し第2原料投入口より成分(b)の残りを供給し、第
2原料投入口より更に下流のダイヘッド部に設けたベン
ト口を減圧に保持し、150〜350℃で溶融混練す
る。あるいは第1原料投入口より成分(a)、成分
(c)、及び成分(b)の一部を供給し、第2原料投入
口より成分(b)の残りを供給し、第1原料投入口と第
2原料投入口の間に設けたベント口及び第2原料投入口
より更に下流のダイヘッド部に設けたベント口を減圧に
保持して150〜350℃で溶融混練する等が好まし
い。
【0031】本発明の熱可塑性樹脂組成物を成形加工す
るための方法は特に限定されるものではなく、熱可塑性
樹脂について一般に用いられている成形法、すなわち射
出成形、中空成形、押出成形、シート成形、熱成形、回
転成形、積層成形、プレス成形等の各種成形法が適用で
きる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例によって、具体的に詳
しく説明するが、本発明はこれらにより何ら制限される
ものではない。使用した各成分は次のとおりである。 (a−1)PPE:ポリ(2,6−ジメチル−1,4−
フェニレンエーテル)(日本ポリエーテル社製、30℃
におけるクロロホルム中で測定した固有粘度0.41dl
/g) (a−2)PPE:ポリ(2,6−ジメチル−1,4−
フェニレンエーテル)(日本ポリエーテル社製、30℃
におけるクロロホルム中で測定した固有粘度0.53dl
/g) (b−1)HIPS:ハイインパクトポリスチレン(三
菱化成社製、商品名:ダイヤレックスHT76)、曲げ
弾性率22,000kg/cm2、アイゾット衝撃強度10kg
・cm/cm2 、熱変形温度85℃、メルトフローレート3.
9g/10分 (b−2)HIPS:ハイインパクトポリスチレン(三
菱化成社製、商品名:ダイヤレックスHT744)、曲
げ弾性率22,000kg/cm2、アイゾット衝撃強度13
kg・cm/cm2 、熱変形温度85℃、メルトフローレート
1.7g/10分 (c)有機溶媒:市販のキシレン(試薬1級グレード)
及びトリクロロベンゼン(試薬1級グレード)
【0033】その他(付加成分) LLDPE:三菱油化社製線状低密度ポリエチレン(商
品名:三菱ポリエチF30F、メルトフローレイト:
1.0g/10分) プロセスオイル:出光興産社製プロセスオイル(商品
名:ダイアナプロセスオイルPW−380) 二酸化チタン(TiO2 ):石原産業社製二酸化チタン
(商品名:タイペークCR−63)
【0034】実施例1〜10 有機溶媒(c)を除く各成分を、表1に示した配合比で
ヘンシェルミキサーにて充分混合攪拌した。次いでこれ
を2軸型押出機(日本製鋼所社製TEX44)を用い
て、設定温度180〜230℃、スクリュー回転数25
0〜350rpm の混練条件下で、また有機溶媒(c)を
第1ニーディング部に直接ポンプを用いて添加し、そし
て第1ニーディング部より下流に設置したベント口より
表1に示す減圧条件のもとに溶融混練して組成物とした
後、ペレットとした。
【0035】上記の樹脂組成物のペレットから、インラ
インスクリュー式射出成形機(東芝機械製作所社製IS
−90B型)を用い、シリンダー温度260〜280
℃、金型冷却温度60〜80℃にて射出成形を行い、試
験片を作成した。試験片は、成形直後にデシケータに入
れ、23℃にて4〜6日間静置した後、評価試験を行い
結果を表1に示した。
【0036】なお、各物性値と諸特性は、下記の方法に
より測定した。 (1)曲げ弾性率 ASTM D−790に準じ、インストロン試験機を用
いて測定した。
【0037】(2)アイゾット衝撃強度 ASTM D−256ノッチ付アイゾット衝撃強度に準
じ、アイゾット衝撃試験機(東洋精機製作所社製)を用
いて測定した。
【0038】(3)熱変形温度 HDTテスター(東洋精機製作所社製)を用いて、AS
TM D−628に準じて18.6kg荷重で評価した。
【0039】(4)色相 JIS Z 8730に準じ、色相色差計CR−200(ミノルタ
社製)を用いて測定した。
【0040】
【表1】
【0041】比較例1〜2 有機溶媒(c)として何も配合しなかった以外は、それ
ぞれ実施例1及び2と同様に行った。結果を表2に示
す。
【0042】比較例3 有機溶媒(c)の配合量が1重量%未満である以外は実
施例3と同様に行った。結果を表2に示す。
【0043】比較例4 ベント口を解放(大気圧)した以外は、実施例3と同様
に行った。結果を表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】実施例11〜12 表3に示した配合比でスーパーミキサーにて充分混合撹
拌した。次いでこれを2軸型押出機(日本製鋼所社製T
EX44)を用いて、設定温度180〜250℃、スク
リュー回転数250rpm の混練条件下で第1原料投入口
より供給し、下流に設置した第2原料投入口より表3中
に示す成分(b)を供給し、第2原料投入口より下流に
設置したベント口を10mmHgに保持して溶融混練し、組
成物とした後、ペレット化した。上記の樹脂組成物のペ
レットから、インラインスクリュー式射出成形機(日本
製鋼所社製JSW−150型)を用いて、シリンダー温
度220〜260℃、金型冷却温度60℃にて射出成形
を行い、試験片を作成した。なお、射出成形に際して
は、その直前まで減圧乾燥器を用い、0.1mmHg、80
℃の条件で8時間乾燥を行った。また、射出成形された
試験片は、成形直後にデシケータに入れ、23℃にて4
〜6日間静置した後、評価試験を行い結果を表3に示し
た。
【0046】
【表3】
【0047】比較例5 各成分を全量第1原料投入口より供給した以外、実施例
11と同様に行った。結果を表3に示す。
【0048】
【発明の効果】上記評価試験の結果から、本発明の製造
法によれば、製造時の熱劣化等が抑えられ、耐衝撃性と
耐熱性のバランス及び色相が優れたPPE樹脂組成物が
得られることがわかる。特に、成分(b)の一部を第2
原料投入口より供給したものは耐衝撃強度が著しく向上
する。したがって、その用途は広く、工業的に有用な材
料を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 草香 央 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社四日市総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリフェニレンエーテル(a)及び芳香
    族アルケニル化合物重合体(b)からなる組成物100
    重量部に対し、1重量部以上の割合の有機溶媒(c)を
    存在させて溶融混練するにあたり、溶融混練機に1個以
    上のベント口及び少なくとも1つのベント口に真空装置
    を設け、ベント口を減圧に保持することにより、最終組
    成物中の有機溶媒(c)含量を1重量%未満とすること
    を特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリフェニレンエーテル(a)1〜40
    重量部及び芳香族アルケニル化合物重合体(b)60〜
    99重量部からなる組成物100重量部に対し、1重量
    部以上の割合の有機溶媒(c)を存在させ、押出機を用
    いて溶融混練するにあたり、押出機が、樹脂の流れ方向
    に対して上流側に第1原料投入口、下流側に第2原料投
    入口及び1個以上のベント口を有し、第1原料投入口よ
    り成分(a)、成分(c)、及び成分(b)の一部を供
    給し、第2原料投入口より成分(b)の残りを供給し、
    少なくとも1つのベント口に真空装置を設け、ベント口
    を減圧に保持することにより、脱気しながら溶融混練し
    て最終組成物中の有機溶媒(c)含量を1重量%未満と
    することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10292053A (ja) * 1997-02-18 1998-11-04 Asahi Chem Ind Co Ltd 樹脂組成物の製造方法
JP2003048994A (ja) * 2001-08-03 2003-02-21 Asahi Kasei Corp 難燃樹脂組成物の着色方法

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