JP3414456B2 - 熱可塑性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物の製造方法

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JP3414456B2
JP3414456B2 JP27711693A JP27711693A JP3414456B2 JP 3414456 B2 JP3414456 B2 JP 3414456B2 JP 27711693 A JP27711693 A JP 27711693A JP 27711693 A JP27711693 A JP 27711693A JP 3414456 B2 JP3414456 B2 JP 3414456B2
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acid
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耕治 西田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性樹脂組成物の
製造方法に関し、詳しくは熱可塑性樹脂を含有する樹脂
組成物の性質を改善する製造方法に関する。
【0002】熱可塑性樹脂はその種類の多様性と優れた
特性から、一般機械、輸送機械、電気電子機器等の製
造、土木建設、鉱業、農林水産業からスポーツ、レジャ
ー用品にいたる多岐にわたる分野で使用されている。
【0003】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】熱可塑
性樹脂は、一般にその融点又はガラス転移温度以上の温
度で溶融混練が可能であるが、その際、混練時のせん断
発熱により熱劣化が促進され、ゲル化、炭化等が発生
し、組成物の成形性若しくは成形品の外観又は耐衝撃性
が悪化する。
【0004】溶融混練時のせん断発熱を抑える方法とし
て、溶融混練機のシリンダー温度を下げる、溶融混
練機の回転数を下げる、可塑剤等の添加により組成物
全体の粘度を下げる、ポリマーの重合度を低下させ
る、高流動性ポリマーを添加する等の方法がある。し
かし、及びの方法においては、混練機の性能(冷却
法、モータートルク等)により制限されるので、万能で
はない。の方法においては、混練時の熱劣化は抑えら
れるが、最終組成物の本来の特性(特に耐熱性)が損な
われる場合が多い。及びの方法においては、最終組
成物の機械的強度が犠牲になる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するために鋭意検討を重ねた結果、熱可塑性樹
脂を、大気圧、かつ40℃でガス体である化合物の存在
下に溶融混練した後、該ガス体を除去することにより製
造した樹脂組成物は、溶融混練時の熱劣化が抑えられ、
最終組成物の物性が改善されることを見出し、本発明に
到達した。
【0006】すなわち、本発明は、熱可塑性樹脂を含有
する樹脂組成物に、大気圧、かつ40℃でガス体である
化合物を40℃、大気圧に換算した容量で前記樹脂組成
物に対して10%以上共存させて混練機内で溶融混練し
た後、前記ガス体を除去することを特徴とする熱可塑性
樹脂組成物の製造方法である。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。 <熱可塑性樹脂>本発明で使用する熱可塑性樹脂とは、
一般に加熱により成形できる程度の熱可塑性が得られる
合成樹脂であり、特定の融点を持つ結晶性熱可塑性樹脂
と明確な融点を示さない非晶性熱可塑性樹脂とに大別さ
れる。以下にそれらの具体例を示す。
【0008】結晶性熱可塑性樹脂とは、加熱溶融できる
ものであり、かつ、はっきりした結晶構造又は結晶化可
能な分子構造を有する非ガラス様特性のものであり、測
定可能な融解熱を有し、明確な融点を示すものである。
【0009】本発明における結晶性熱可塑性樹脂は、後
述する示差走査熱量測定装置により測定される融解熱が
1カロリー/グラム以上のものと定義する。
【0010】本発明において用いる結晶性熱可塑性樹脂
の例として、飽和ポリエステルが挙げられ、これには、
種々の飽和ポリエステルが使用可能である。
【0011】例えば、その一つとして、通常の方法に従
って、ジカルボン酸又はその低級アルキルエステル、酸
ハライド若しくは酸無水物誘導体と、グルコール又は2
価フェノールとを縮合させて製造する熱可塑性ポリエス
テルが挙げられる。
【0012】この熱可塑性ポリエステルを製造するのに
適した脂肪族又は芳香族ジカルボン酸の具体例として
は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸;テレ
フタル酸、イソフタル酸、p,p´−ジカルボキシジフ
ェニルスルホン;p−カルボキシフェノキシ酢酸、p−
カルボキシフェノキシプロピオン酸、p−カルボキシフ
ェノキシ酪酸、p−カルボキシフェノキシ吉草酸、2,
6−ナフタリンジカルボン酸又は2,7−ナフタリンジ
カルボン酸等あるいはこれらのカルボン酸の混合物が挙
げられる。
【0013】また飽和ポリエステルの製造に適する脂肪
族グリコールとしては、炭素数2〜12の直鎖アルキレ
ングリコール、例えばエチレングリコール、1,3−プ
ロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、1,1,2−ドデカンジオール等が例
示される。また、芳香族グリコールとしてはp−キシリ
レングリコールが例示され、2価フェノールとしては、
ピロカテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン又はこ
れらの化合物のアルキル置換誘導体が挙げられる。他の
適当なグルコールとしては1,4−シクロヘキサンジメ
タノールも挙げられる。
【0014】他の好ましい飽和ポリエステルとしては、
ラクトンの開環重合によるポリエステルも挙げられる。
例えばポリピバロラクトン、ポリ(ε−カプロラクト
ン)等である。
【0015】また、更に他の好ましい飽和ポリエステル
としては、溶融状態で液晶を形成するポリマー(Thermo
tropic Liquid Crystal Polymer; TLCP)であるポリエス
テルが挙げられる。これらの区分に入るポリエステルと
しては、イーストマンコダック社のX7G、ダートコ社
のザイダー(Xydar)、住友化学社のエコノール、セラニ
ーズ社のベクトラ等が代表的な製品である。
【0016】以上、挙げた飽和ポリエステルの中でも、
ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレン
テレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート
(PEN)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレン
テレフタレート)(PCT)又は液晶性ポリエステル等
が本発明の結晶性熱可塑性樹脂組成物に好適な飽和ポリ
エステルである。
【0017】ここで使用する飽和ポリエステルは、フェ
ノール/1,1,2,2−テトラクロルエタン=60/
40重量%混合液中、20℃で測定した固有粘度が0.
5〜5.0dl/gの範囲が好ましい。より好ましくは1.
0〜4.0dl/g、とりわけ好ましくは2.0〜3.5dl
/gである。固有粘度が0.5dl/g未満であると耐衝撃性
が不足し、5.0dl/g超過では成形性に難がある。
【0018】結晶性熱可塑性樹脂の他の例としてポリア
ミドが挙げられる。本発明において使用するポリアミド
はポリマー主鎖に−CONH−結合を有し、加熱溶融で
きるものである。その代表的なものとしては、ナイロン
−4、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−
4,6、ナイロン−12、ナイロン−6,10等が挙げ
られ、その他、公知の芳香族ジアミン、芳香族ジカルボ
ン酸等のモノマー成分を含む低結晶性のポリアミド等も
用いることができる。好ましいポリアミドは、ナイロン
−6又はナイロン−6,6であり、中でもナイロン−6
が特に好ましい。
【0019】本発明で使用するポリアミドは、相対粘度
が2.0〜8.0(25℃の98%濃硫酸中で測定)で
あるのが好ましい。
【0020】結晶性熱可塑性樹脂の更に他の例としてポ
リオレフィンが挙げられる。本発明において使用するポ
リオレフィンは、エチレン、プロピレン、ブテン−1、
ペンテン−1、ヘキセン−1、3−メチルブテン−1、
4−メチルペンテン−1、ヘプテン−1、オクテン−1
等のα−オレフィンの単独重合体、これらの−オレフィ
ン同士のランダム又はブロック共重合体、これらのα−
オレフィンの過半重量と他の不飽和単量体とのランダ
ム、グラフト又はブロック等の共重合体、あるいはこれ
らのオレフィン系重合体に酸化、ハロゲン化、スルホン
化等の処理を施したものであり、少なくとも部分的にポ
リオレフィンに由来する結晶性を示すものである。これ
らは、単独で用いても又は2種以上を併用しても差支え
ない。
【0021】ここで用いる他の不飽和単量体の例として
は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン
酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル
酸メチル、無水マレイン酸、アリールマレイン酸イミ
ド、アルキルマレイン酸イミド等の不飽和カルボン酸又
はその誘導体;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエス
テル;スチレン、メチルスチレン等の芳香族ビニル化合
物;ビニルトリメチルメトキシシラン、γ−メタクリロ
イルオキシプロピルトリメトキシシラン等のビニルシラ
ン;ジシクロペンタジエン、4−エチリデン−2−ノル
ボルネン等の非共役ジエンなどが挙げられる。
【0022】ポリオレフィンは既知の方法による重合又
は変性等により得られるが、市販のものから適宜選んで
用いてもよい。
【0023】これらの中で、プロピレン、ブテン−1、
3−メチルブテン−1、4−メチルペンテン−1の単独
重合体又はこれらを過半重量含む共重合体が好ましく、
中でも特に結晶性プロピレン系重合体、すなわち結晶性
プロピレン単独重合体、結晶性プロピレン−α−オレフ
ィンブロック若しくはランダム共重合体、これらの結晶
性プロピレン重合体とα−オレフィン系ゴムすなわちゴ
ム状の複数のα−オレフィンよりなる共重合体又は複数
のα−オレフィンと非共役ジエンとの混合物が、機械的
物性バランスの点で好ましい。
【0024】これらの結晶性プロピレン系重合体又はこ
れらとα−オレフィン系ゴムを含む混合物のメルトフロ
ーレイト(以下「MFR」という)(230℃、荷重
2.16kg)は0.01〜250g /10分の範囲が好
ましく、0.05〜150g /10分の範囲がより好ま
しく、とりわけ0.1〜50g /10分の範囲が好まし
い。MFRの値がこれより低い範囲では成形加工性に難
点が生じ、これより高い範囲では機械的物性バランスの
レベルが低く好ましくない。
【0025】これらの中には、より高分子量のものを、
ラジカル発生剤、例えば有機過酸化物等の存在下で加熱
処理により分子量を低下させて、このMFRの範囲とし
たものも含まれる。
【0026】上記以外の結晶性熱可塑性樹脂の例とし
て、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアセタ
ール(POM)、フッ素樹脂、ポリエーテルエーテルケ
トン等が挙げられる。
【0027】本発明で使用する非晶性熱可塑性樹脂と
は、一般にガラス様の性質をもち、加熱した際に明確な
融点を示さず、ガラス転移温度を示すだけであり、ガラ
ス転移温度が50℃以上の非晶性熱可塑性樹脂が好まし
い。また、非晶性熱可塑性樹脂は明確な融点や測定可能
な融解熱を有しないが、本発明においてはゆっくり冷却
する場合に多少の結晶性を示すものは含み、本発明の効
果を大きく損なわない範囲で結晶性を示すものも含む。
【0028】ガラス転移温度、融点又は融解熱は、示差
走査熱量測定装置(例えばPERKIN−ELMER社
製 DSC−II)を用いて測定することができる。
【0029】この装置を用いて、試料を予測される融点
以上の温度に加熱し、次に試料を1分間当り10℃の速
度で20℃まで冷却し、そのまま約1分間放置した後、
1分間当り10℃の速度で加熱昇温し、融解熱は昇温と
降温のそれぞれのサイクルにおいて測定した値が実験誤
差範囲内で一致したものを採用する。本発明における非
晶性熱可塑性樹脂は、上記方法により測定される融解熱
が1カロリー/グラム未満のものと定義する。
【0030】本発明で使用する非晶性熱可塑性樹脂の例
としてポリフェニンレンエーテル(以下「PPE」とい
う)が挙げられ、一般式(I)
【0031】
【化1】
【0032】(式中、Q1 は各々ハロゲン原子、第一級
若しくは第二級アルキル基、アリール基、アミノアルキ
ル基、ハロ炭化水素基、炭化水素オキシ基又はハロ炭化
水素オキシ基を表し、Q2 は各々水素原子、ハロゲン原
子、第一級若しくは第二級アルキル基、アリール基、ハ
ロ炭化水素基、炭化水素オキシ基又はハロ炭化水素オキ
シ基を表し、mは10以上の整数を表す)
【0033】で示される構造を有する単独重合体又は共
重合体である。Q1 及びQ2 の第一級アルキル基の好適
な例は、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、
n−アミル、イソアミル、2−メチルブチル、n−ヘキ
シル、2,3−ジメチルブチル、2−、3−若しくは4
−メチルペンチル又はヘプチルである。第二級アルキル
基の好適な例は、イソプロピル、sec −ブチル又は1−
エチルプロピルである。多くの場合、Q1 はアルキル基
又はフェニル基、特に炭素数1〜4のアルキル基であ
り、Q2 は水素原子である。
【0034】好適なPPEの単独重合体としては、例え
ば2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位
からなるものである。好適な共重合体としては、上記単
位と2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエー
テル単位との組合せからなるランダム共重合体である。
多くの好適な単独重合体又はランダム共重合体が、特許
及び文献に記載されている。例えば、分子量、溶融粘度
及び/又は耐衝撃強度等の特性を改良する分子構成部分
を含むPPEもまた好適である。
【0035】ここで使用するPPEは、クロロホルム中
で測定した30℃の固有粘度が0.2〜0.8dl/gであ
るものが好ましい。より好ましくは固有粘度が0.2〜
0.5dl/gのものであり、とりわけ好ましくは固有粘度
が0.25〜0.4dl/gのものである。
【0036】固有粘度が0.2dl/g未満では組成物の耐
衝撃性が不足し、0.8dl/g超過では組成物の成形性と
成形品外観に難が生じる。
【0037】非晶性熱可塑性樹脂の他の例として、ポリ
スチレン(PS)、ハイインパクトポリスチレン(以下
「HIPS」という)、アクリロニトリル−スチレン共
重合体(AS)、ABS、MBS、MABS、MAS、
その他特開昭48−48547号公報に開示されている
アクリロニトリル−アクリル系ゴム−スチレン共重合
体、特開昭48−42452号公報に開示されているア
クリロニトリル−塩素化ポリオレフィン−スチレン共重
合体などで代表される芳香族アルケニル化合物重合体が
挙げられる。
【0038】非晶性熱可塑性樹脂の更に他の例としてポ
リカーボネート(以下「PC」という)が挙げられ、本
発明において用いるポリカーボネートとしては、芳香族
ポリカーボネート、脂肪族ポリカーボネート、脂肪族−
芳香族ポリカーボネート等が挙げられる。そのうちで
も、2,2−ビス(4−オキシフェニル)アルカン系、
ビス(4−オキシフェニル)エーテル系、ビス(4−オ
キシフェニル)スルホン、スルフィド又はスルホキシド
系等のビスフェノール類からなる芳香族ポリカーボネー
トが好ましい。また必要に応じてハロゲンで置換された
ビスフェノール類からなるポリカーボネートを用いるこ
とができる。
【0039】なお、ポリカーボネートの分子量には何ら
制限はないが、一般的には1万以上、好ましくは2万〜
4万のものである。
【0040】上記以外の非晶性熱可塑性樹脂として、S
MA樹脂(スチレン−マレイン酸共重合樹脂)、芳香族
ポリスルホン、芳香族ポリエーテルスルホン、芳香族非
晶性ポリアミド、ケイ素樹脂、ポリエーテルイミド、ポ
リ(アルキル)アクリレート等が挙げられる。
【0041】本発明で用いる熱可塑性樹脂は、結晶性樹
脂や非晶性樹脂など特定の熱可塑性樹脂に限定されるも
のではなく、結晶性/結晶性、結晶性/非晶性、非晶性
/非晶性等の2種類以上の熱可塑性樹脂の組み合わせも
含む。しかしながら、非晶性熱可塑性樹脂がより好まし
い。
【0042】<大気圧、かつ40℃でガス体である化合
物>本発明で使用する大気圧、かつ40℃でガス体であ
る化合物とは、1気圧での沸点が40℃未満の化合物、
すなわち大気圧、40℃でガス体である化合物であり、
好ましくは火災、爆発等の危険がなく、労働衛生上及び
環境保安上問題が少なく、射出成形機に対する腐食性、
更には対象となる熱可塑性樹脂に対して悪影響の少ない
ガスが望ましい。
【0043】具体的例としては、ヘリウム、アルゴン、
窒素、二酸化炭素、アンモニアなどの無機ガス類;メタ
ン、エタン、プロパン、ブタン、ネオペンタン、エチレ
ン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ブタジエンなどの
炭化水素類及びその混合物;クロロメタン、クロロエタ
ン、クロロブタンなどの塩素系化合物;トリクロロフロ
ロメタンなどのフッ素系化合物;メチルアミン、ジメチ
ルアミン、トリメチルアミンなどのアミン類等が挙げら
れる。
【0044】<大気圧、かつ40℃でガス体である化合
物の導入方法>大気圧、かつ40℃でガス体である化合
物を樹脂組成物中に導入する方法としては、かかる化
合物を直接樹脂組成物中に導入する方法及び前記ガス
体である化合物を混練機内で発生させる発泡剤を樹脂組
成物中に導入する方法がある。
【0045】混練機内で大気圧、かつ40℃でガス体で
ある化合物を発生させる発泡剤としては、二酸化炭素を
発生させるものとして重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモ
ニウム、クエン酸ナトリウムなど;窒素を発生させるも
のとしてアゾジカルボンアミド(ADCA)、p,p−
オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBS
H)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DP
T)、アゾビスホルムアミド(ABFA)、アゾビスイ
ソブチロニトリル(AIBN)、p−トルエンスルホニ
ルセミカルバジド(TSSC)、トリヒドラジノトリア
ジン(THT)などが挙げられる。
【0046】なお、大気圧、かつ40℃でガス体である
化合物又は該ガスを発生させる発泡剤は単独で用いて
も、また2種類以上の混合物を用いることも可能であ
る。
【0047】<構成成分の組成比>溶融混練時、樹脂組
成物に共存させる大気圧、かつ40℃でガス体である化
合物の量(発泡剤を使用する場合、その添加量は混練機
内で発生する大気圧、かつ40℃でガス体である化合物
の量に換算して)は混練機内で、40℃、大気圧換算で
該ガス体を含む樹脂組成物全体に対して10容積%以上
であり、好ましくは10〜90容積%、より好ましくは
20〜80容積%である。共存させる大気圧、かつ40
℃でガス体である化合物の量が10容量%未満では、最
終組成物の耐衝撃性及び外観が不満足である。
【0048】<付加的成分>本発明による樹脂組成物に
は、他の付加的成分を添加することができる。例えば、
周知の酸化防止剤、耐候性改良剤、造核剤、難燃剤、耐
衝撃性改良剤、可塑剤、流動性改良剤等;また有機・無
機充填剤、補強剤、特にガラス繊維、マイカ、タルク、
ワラストナイト、チタン酸カリウム、炭酸カルシウム、
シリカ等の添加は、剛性、耐熱性、寸法精度等の向上に
有効である。実用のために各種着色剤及びそれらの分散
剤なども周知のものが使用できる。
【0049】<組成物の製造及び成形法>本発明の熱可
塑性樹脂組成物を得るための溶融混練機としては、ベン
ト口を設けた溶融混練機であれば、熱可塑性樹脂につい
て一般に使用されている混練機が適用できる。例えば、
一軸又は多軸混練押出機であり、また、バンバリーミキ
サー等であってもよい。
【0050】大気圧、かつ40℃でガス体である化合物
を使用する場合は、逆止弁を設置した導管から流量計で
ガスの体積を制御しながら混練機のメルティングゾーン
に圧入することが望ましく、一方発泡剤を使用する場合
は、予め所定量を樹脂組成物に混合して混練機内に供給
するか、又は単独に樹脂組成物とは別のフィード口から
所定量を定量的に混練機内に供給することが望ましい。
【0051】混練機内の前記ガス体を除去するには、混
練機にベント口及び各ベント口に真空装置を設け、各ベ
ント口を減圧に保持することにより行う。
【0052】ベント口は減圧に保持されなければならな
いため、混練機内の樹脂は、ベント口の前段部において
少なくとも一部が溶融し、減圧シールできるようにすべ
きである。また、混練機内の樹脂は、ベント口到達以前
に、溶融状態で長時間保持されると耐衝撃性が低下する
ので、可能な範囲でベント口に到達する直前で溶融する
のが好ましい。
【0053】ベント口に直結させる真空装置は、ベント
口の減圧度に応じて、その能力を選択すればよく、その
型式等については任意である。ベント口の圧力は200
mmHg以下に保持することが好ましく、200mmHgより大
きいときは、組成物の耐熱性及び成形品の外観が不満足
となる。好ましくは100mmHg以下であり、特に好まし
くは50mmHg以下である。
【0054】また、混練の順序は、全成分を同時に混練
してもよく、あらかじめ予備混練したブレンド物を用い
て混練してもよい。更に押出機シリンダーのいくつかの
フィード口から逐次、各成分をフィードし、混練しても
よい。
【0055】本発明の熱可塑性樹脂組成物の成形加工法
は特に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂について
一般に用いられている成形法、すなわち射出成形、中空
成形、押出成形、シート成形、熱成形、回転成形、積層
成形、プレス成形等の各種の成形法が適用できる。
【0056】
【実施例】以下に本発明を実施例によって、具体的に説
明する。
【0057】実施例1〜9 使用した各成分は次のとおりである。 熱可塑性樹脂: PPE:日本ポリエーテル社製ポリ(2,6−ジメチル
−1,4−フェニレンエーテル)(30℃におけるクロ
ロホルム中で測定した固有粘度0.41dl/g) HIPS:三菱化成社製ハイインパクトポリスチレン
(商品名:ダイヤレックスHT76) ABS:旭化成社製ABS樹脂(商品名:スタイラック
121) PC:三菱瓦斯化学社製ポリカーボネート(商品名:ユ
ーピロンS−3000) PA:鐘紡社製ポリアミド−6(商品名:MC112
L) PBT:鐘紡社製ポリブチレンテレフタレート(商品
名:PBT124) PN:三菱油化社製ポリプロピレン(商品名:BC8
D) 大気圧、かつ40℃でガス体である化合物:窒素ガス 発泡剤:三菱油化社製発泡剤(商品名:ファインブロ
ー、CO2 を発生する)、アゾジカルボンアミド(AD
CA、市販品、N2 を発生する)及びクエン酸ソーダ
(市販品、CO2 を発生する)
【0058】上記各成分を、表1に示した配合比でスー
パーミキサーにて充分混合撹拌した。次いでこれを二軸
型押出機(日本製鋼所社製TEX44)を用いて、設定
温度180〜230℃、スクリュー回転数100〜45
0rpm の混練条件下で、またベント口の圧力を表1に示
す減圧条件で溶融混練して組成物とした後、ペレット化
した。
【0059】上記の樹脂組成物のペレットから、インラ
インスクリュー式射出成形機(東芝機械製作所社製IS
−90B型)を用い、シリンダー温度260〜280
℃、金型冷却温度60〜80℃にて射出成形を行い、試
験片を作成した。
【0060】なお、射出成形に際しては、その直前まで
減圧乾燥器を用い、0.1mmHg、80℃の条件で48時
間乾燥した。また、射出成形された試験片は、成形直後
にデシケータに入れ、23℃にて4〜6日間静置した
後、評価試験を行い結果を表1に示した。
【0061】なお、各物性値と諸特性は、下記の方法に
より測定した。
【0062】(1)曲げ弾性率 ISO R178−1974Procedure 12(JIS K 72
03)に準じ、インストロン試験機を用い測定した。
【0063】(2)アイゾット衝撃強度 ISO R180−1969(JIS K 7110)ノッチ付ア
イゾット衝撃強度に準じ、アイゾット衝撃試験機(東洋
精機製作所社製)を用いて測定した。
【0064】(3)成形品外観 インラインスクリュー式射出成形機(東芝機械製作所
製、IS−90B型)を用い、シリンダー温度280
℃、金型冷却温度80℃にて射出成形し、試験片(12
0mm×120mm、厚さ2mmの平板)を作成した。以下の
評価基準に従って成形品のフローマーク・ヤケ・シルバ
ーストリークの発生状態を観察した。 ◎:非常に良好 ○:良好 △:やや劣る ×:劣る
【0065】
【表1】
【0066】実施例10〜11 表1に示す成分及び配合比により、実施例1〜9と同様
に製造する段階で、窒素ガスを溶融混練部分に、直接樹
脂圧力以上のガス圧力で(多段)圧入した。そして溶融
混練部より下流に設置したベント口より表1中に示す減
圧条件で真空脱気混練し、組成物とした後、ペレット化
した。これを実施例1〜9と同様に評価し、結果を表1
に示した。
【0067】比較例1〜8 大気圧、かつ40℃でガス体である化合物として何も配
合せず、表2に示した配合比で実施例と同様に行った。
結果を表2に示す。
【0068】比較例9 ベント口を解放(大気圧)した以外は、実施例1と同様
に行った。結果を表2に示す。
【0069】
【表2】
【0070】
【発明の効果】上記評価試験の結果から、本発明の製造
方法によれば、製造時の熱劣化等が抑えられ、耐衝撃性
と耐熱性のバランスが優れた熱可塑性樹脂組成物が得ら
れることがわかる。したがって、その用途は広く、工業
的に有用な材料を得ることができる。
フロントページの続き (72)発明者 椛嶋 隆 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化 株式会社 四日市総合研究所内 (72)発明者 大井 重和 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化 株式会社 四日市総合研究所内 (56)参考文献 特開 平2−105819(JP,A) 国際公開92/011310(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 3/20 C08L 1/00 - 101/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物に、
    大気圧、かつ40℃でガス体である化合物を40℃、大
    気圧に換算した容量で前記樹脂組成物に対して10〜9
    0容積%共存させて混練機内で溶融混練した後、前記混
    練機のベント口を200mmHg以下に保持して、前記ガス
    体を除去することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 大気圧、かつ40℃でガス体である化合
    物が、該ガスを発生させる発泡剤である、請求項1記載
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂が、非晶性熱可塑性樹脂で
    ある、請求項1記載の製造方法。
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