JP2000327912A - 熱可塑性樹脂構造体およびその製造法 - Google Patents
熱可塑性樹脂構造体およびその製造法Info
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Abstract
性などの機械的性質の低下を抑制した優れた吸水時特性
を有する熱可塑性樹脂構造体を提供する。 【解決手段】実質的に(a)ポリアミド樹脂55〜80
容量%、(b)ポリオレフィン45〜20容量%からな
る樹脂組成物で、電子顕微鏡で観察される相分離構造が
ポリオレフィンをマトリクス相、ポリアミド樹脂が分散
相を形成することを特徴とする熱可塑性樹脂構造体であ
る。
Description
ポリオレフィンからなる低吸水性、吸湿時寸法安定性、
剛性、靭性および成形性に優れた熱可塑性樹構造体に関
するものであり、特にポリアミド樹脂とポリオレフィン
を特定の相分離構造に制御することによって得られる、
低吸水性、吸湿時寸法安定性および吸水時剛性に優れた
ポリアミド系熱可塑性樹脂構造体に関するものである。
本発明の熱可塑性樹脂構造体は、機械部品、自動車部
品、電気・電子部品など広い分野に使用できる。
性、耐薬品性および成形性をバランスよく備えているた
め、電気・電子部品および自動車部品などに広く用いら
れている。しかしながら、ポリアミド樹脂は、吸湿によ
り寸法変化および曲げ強さ、弾性率などの機械的性質の
大きな低下を来たし、寸法精度が必要とされる部品など
には、その使用範囲を大きく制約されることが多い状況
にあり、その改善が望まれている。
めに、耐水性、成形加工性に優れる反面、剛性や耐熱性
などに問題を有するポリオレフィンとを組み合わせた樹
脂組成物が従来より多数提案されている。
改善するために、低吸水性のポリマーをブレンドする方
法が、特公昭42−12546号公報、特公昭45−3
0945号公報、特開昭60−262853号公報、特
開昭62−223250号公報、特開平1−51458
号公報、特開平1−146942号公報、特開平3−1
15342号公報、特開平3−146552号公報、特
公昭55−44108号公報、特開昭60−11873
5号公報、特開昭59−149940号公報、特開昭6
0−110740号公報および特開平8−34881号
公報などで開示されている。しかしながら、これら開示
された樹脂組成物においても、靭性(耐衝撃性)、吸水
率、吸水時の寸法安定性および剛性のバランスを全てを
同時に満足するという点においては未だ完全ではないと
いうのが実状である。
樹脂およびポリオレフィンからなる樹脂組成物において
は、ポリアミドの有する機械的強度および剛性と、ポリ
オレフィンの有する低吸水性および靭性とをバランスよ
く備えているとはいえず、これらポリアミドの有する特
性とポリオレフィンの有する特性を兼ね備えている、高
度に特性バランスに優れた熱可塑性樹脂組成物がさらに
求められている。
の有する機械的強度および剛性と、ポリオレフィンの有
する低吸水性および靭性との高度なバランスの実現を課
題とし、更にポリアミド樹脂の本質的特徴である吸湿に
よる寸法変化および剛性などの機械的性質の低下を可能
な限り抑制した熱可塑性樹脂構造体、特にポリアミド−
ポリプロピレン系樹脂組構造体を提供することを目的と
する。
の課題を解決すべく検討した結果、実質的に(a)ポリ
アミド樹脂成分を主成分とし、(b)ポリオレフィン成
分を副成分とする特定の樹脂組成物において、電子顕微
鏡で観察される相分離構造がポリオレフィンをマトリク
ス相(連続相)、ポリアミド樹脂が分散相を形成するよ
う分散構造を制御することにより上記課題が解決される
ことを見出し本発明に到達した。
%、(b)ポリオレフィン45〜20容量%からなる樹
脂組成物で、電子顕微鏡で観察される相分離構造がポリ
オレフィンをマトリクス相、ポリアミド樹脂が分散相を
形成することを特徴とする熱可塑性樹脂構造体、
リプロピレンである前記(1)記載の熱可塑性樹脂構造
体、
リプロピレンおよび共重合ポリプロピレンの混合物であ
り、その混合比が97/3〜10/90重量%である前
記(1)記載の熱可塑性樹脂構造体、
飽和カルボン酸、その酸無水物またはその誘導体から選
ばれる少なくとも1種類の化合物によって変性された変
性ポリオレフィンである前記(1)〜(3)のいずれか
に記載の熱可塑性樹脂構造体、
飽和カルボン酸無水物によって変性されたポリプロピレ
ンである前記(4)記載の熱可塑性樹脂構造体、
イロン6樹脂である前記(1)〜(5)のいずれかに記
載の熱可塑性樹脂組構造体、
イロン66樹脂である前記(1)〜(5)のいずれかに
記載の熱可型性樹脂構造体、
イロン6/ナイロン66の共重合ナイロンであり、その
共重合比が99.5/0.5〜85/15重量%である
前記(1)〜(5)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂構
造体、
イロン66/ナイロン6の共重合ナイロンであり、その
共重合比が99.5/0.5〜90/10重量%である
前記(1)〜(5)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂構
造体、
(b)成分のポリオレフィンの溶融混練温度におけるせ
ん断速度10/秒条件下の溶融粘度の比率が1.5以上
である前記(1)〜(9)のいずれかに記載の熱可塑性
樹脂構造体、
(b)成分のポリオレフィンの比率が各々60〜75容
量%および40〜25容量%である前記(1)〜(1
0)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂構造体、
(b)成分のポリオレフィンの合計100重量部に対し
て1〜150重量部の繊維状およびまたは非繊維状の無
機充填材を含む前記(1)〜(11)のいずれかに記載
の熱可塑性樹脂構造体、
前記(12)に記載の熱可塑性樹脂構造体、
0容量%、(b)ポリオレフィン45〜20容量%から
なり、(a)成分と(b)成分の溶融混練温度における
せん断速度10/秒条件下の溶融粘度の比率が1.5以上
である混合物を溶融混練することを特徴とする、電子顕
微鏡で観察される相分離構造がポリオレフィンをマトリ
クス相、ポリアミド樹脂が分散相を形成する熱可塑性樹
脂構造体の製造法、を提供するものである。
する。本発明の熱可塑性樹脂構造体の(a)成分として
用いられるポリアミド樹脂とは、アミノ酸、ラクタムあ
るいはジアミンとジカルボン酸を主たる構成成分とする
ポリアミドである。その主要構成成分の代表例として
は、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン
酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香
酸などのアミノ酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラ
クタムなどのラクタム、テトラメチレンジアミン、ヘキ
サメレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミ
ン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミ
ン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,
4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノ
ナメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキ
シリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シク
ロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキ
サン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−ト
リメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキ
シル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘ
キシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキ
シル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、
アミノエチルピペラジンなどの脂肪族、脂環族、芳香族
のジアミン、およびアジピン酸、スペリン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソ
フタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフ
タル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ヘ
キサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸な
どの脂肪族、脂環族、芳香族のジカルボン酸が挙げら
れ、本発明においては、これらの原料から誘導されるナ
イロンホモポリマーまたはコポリマーを各々単独または
混合物の形で用いることができる。
脂は、150℃以上の融点を有する耐熱性や強度に優れ
たポリアミド樹脂であり、具体的な例としてはポリカプ
ロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミ
ド(ナイロン66)、ポリテトラメチレンアジパミド
(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナ
イロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイ
ロン612)、ポリウンデカンアミド(ナイロン1
1)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、ポリカプ
ロアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリ
マー(ナイロン6/6T)、ポリヘキサメチレンアジパ
ミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー
(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミ
ド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー
(ナイロン66/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタ
ルアミド/ポリドデカンアミドコポリマー(ナイロン6
T/12)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキ
サメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソ
フタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T/6
I)、ポリキシリレンアジパミド(ナイロンXD6)、
ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ−2−メチ
ルペンタメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロ
ン6T/M5T)およびこれらの混合物などが挙げられ
る。
は、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイ
ロン6/66コポリマー、またナイロン6T/66コポ
リマー、ナイロン6T/6Iコポリマー、ナイロン6T
/12、およびナイロン6T/6コポリマーなどのヘキ
サメチレテレフタルアミド単位を有する共重合体を挙げ
ることができ、更にこれらのポリアミド樹脂を耐衝撃
性、成形加工性、相溶性などの必要特性に応じて混合物
として用いることも実用上好適である。
限がなく、1%の濃硫酸溶液中、25℃で測定した相対
粘度が、1.5〜5.0の範囲、特に2.0〜4.0の
範囲のポリアミド樹脂が好ましい。
として用いられるポリオレフィンの具体例としては、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアク
リル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリ1−
ブテン、ポリ1−ペンテン、ポリメチルペンテンなどの
単独重合体、エチレン/α−オレフィン共重合体、ビニ
ルアルコールエステル単独重合体、ビニルアルコールエ
ステル単独重合体の少なくとも一部を加水分解して得ら
れるポリオレフィン、[(エチレン及び/又はプロピレ
ン)とビニルアルコールエステルとの共重合体]の少な
くとも一部を加水分解して得られるポリオレフィン、
[(エチレン及び/又はプロピレン)と(不飽和カルボ
ン酸及び/又は不飽和カルボン酸エステル)との共重合
体]、[(エチレン及び/又はプロピレン)と(不飽和
カルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸エステル)との
共重合体]のカルボキシル基の少なくとも一部を金属塩
化して得られるポリオレフィン、共役ジエンとビニル芳
香族炭化水素とのブロック共重合体及びその水素化物な
どを挙げることができる。これらポリオレフィンの中で
も特にポリプロピレンおよびポリプロピレンとポリプロ
ピレンを主成分とする共重合ポリプロピレンの混合物が
好ましい。
質的にプロピレンの単独重合体である以外は特に限定さ
れず、アイソタクティック、アタクティック、シンジオ
タクティックなどいずれも使用することができ、更にプ
ロピレン単独重合体としての特性を損なわない範囲(例
えば0.5wt%未満)の少量の他モノマー成分が含ま
れるポリプロピレンも使用できる。
ピレンは、プロピレンとα−オレフィンのブロック共重
合体であり、α−オレフィンとしては炭素数2〜8(但
し炭素数3を除く)のα−オレフィンが好ましい。中で
も特にプロピレン/エチレンブロック共重合体が好まし
く、プロピレン/エチレンブロック共重合体は、エチレ
ン含量が0.5〜15重量%のものが曲げ弾性率と衝撃
強度のバランスに優れれ好ましく用いられる。
ロピレンのメルトフローレート(MFR)は0.1〜7
0g/10min、さらに好ましくは0.3〜60g/
10minのものが用いられる。MFRが0.1g/1
0min未満の場合は流動性が悪く、70g/10mi
nを超える場合は衝撃強度が低くなるため好ましくな
い。これらのMFRは、重合された重合体を有機過酸化
物とともに加熱分解し調製したものであっても差し支え
ない。
ンは、不飽和カルボン酸、その酸無水物またはその誘導
体から選ばれる少なくとも1種類の化合物で変性をして
用いることもできる。このように変性した変性ポリオレ
フィンを用いることにより、相溶性が一層向上し、成形
加工性を保持しつつ耐衝撃性に極めて優れるという特徴
を有する。変性剤として使用される不飽和カルボン酸、
その酸無水物またはその誘導体から選ばれる化合物の例
を挙げると、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、メチルマレイ
ン酸、メチルフマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、グ
ルタコン酸およびこれらカルボン酸の金属塩、マレイン
酸水素メチル、イタコン酸水素メチル、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
2−エチルヘキシル、アクリル酸ヒドロキシエチル、メ
タアクリル酸メチル、メタアクリル酸2−エチルヘキシ
ル、メタアクリル酸ヒドロキシエチル、メタアクリル酸
アミノエチル、マレイン酸ジメチル、イタコン酸ジメチ
ル、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン
酸、エンドビシクロ−(2,2,1)−5−ヘプテン−
2,3−ジカルボン酸、エンドビシクロ−(2,2,
1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物、マ
レイミド、N−エチルマレイミド、N−ブチルマレイミ
ド、N−フェニルマレイミド、アクリル酸グリシジル、
メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イ
タコン酸グリシジル、シトラコン酸グリシジル、および
5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸などである。
これらの中では、不飽和ジカルボン酸およびその酸無水
物が好適であり、特にマレイン酸、5−ノルボルネン−
2,3−ジカルボン酸またはこれらの酸無水物が好適で
ある。
物に導入する方法は特に制限なく、予め主成分であるオ
レフィン化合物と官能基含有オレフィン化合物を共重合
せしめたり、未変性ポリオレフィンに官能基含有オレフ
ィン化合物をラジカル開始剤を用いてグラフト導入する
などの方法を用いることができる。官能基含有成分の導
入量は変性ポリオレフィン中のオレフィンモノマ全体に
対して好ましくは0.001〜40モル%、より好まし
くは0.01〜35モル%の範囲内であることが適当で
ある。
の製造方法については特に制限はなく、ラジカル重合、
チーグラー・ナッタ触媒を用いた配位重合、アニオン重
合、メタロセン触媒を用いた配位重合などいずれの方法
でも用いることができる。
(a)成分のポリアミド樹脂および(b)成分のポリオ
レフィンの配合割合は、ポリアミド樹脂55〜80容量
%、ポリオレフィン45〜20容量%であり、好ましく
はポリアミド樹脂60〜75容量%、ポリオレフィン4
0〜25容量%である。(a)成分のポリアミド樹脂が
80容量%を越えると、本発明の熱可塑性樹脂構造体の
特徴であるポリオレフィン成分がマトリックス相、ポリ
アミド樹脂成分が分散相となる相分離構造を形成するこ
とが困難となり、本発明の目的を達成することが出来な
い。また、(a)成分のポリアミド樹脂が55容量%未
満になると機械的特性および耐熱性の低下を来すので好
ましくない。
な手段の一つとしては、(a)成分のポリアミド樹脂と
(b)成分のポリオレフィンの溶融混練温度におけるせ
ん断速度10/秒条件下での溶融粘度の比率(ポリアミ
ド樹脂の溶融粘度/ポリオレフィンの溶融粘度)が1.
5以上に調整する方法を挙げることができる。該粘度比
が1.5以上、好ましくは2.0以上の特定の条件を満
たす時に特異的に優れた低吸水性、寸法安定性を発現す
る相分離構造を形成することが可能となる。
目的、用途に応じて繊維状および/または非繊維状充填
材を配合しても良い。かかる繊維状および/または非繊
維状充填材の具体例としては、ガラス繊維、ガラスミル
ドファイバー、炭素繊維、チタン酸カリウィスカ、酸化
亜鉛ウィスカ、硼酸アルミウィスカ、アラミド繊維、ア
ルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、アスベス
ト繊維、石コウ繊維、金属繊維などの繊維状充填剤、ワ
ラステナイト、ゼオライト、セリサイト、カオリン、マ
イカ、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、アス
ベスト、アルミナシリケートなどの珪酸塩、モンモリロ
ナイト、合成雲母などの膨潤性の層状珪酸塩、アルミ
ナ、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、
酸化チタン、酸化鉄などの金属化合物、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸
カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、水酸化マグネ
シウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウムなどの
水酸化物、ガラスビーズ、セラミックビーズ、窒化ホウ
素、炭化珪素およびシリカなどの非繊維状充填剤が挙げ
られ、これらは中空であってもよく、さらにはこれら充
填剤を2種類以上併用することも可能である。
状充填材をイソシアネート系化合物、有機シラン系化合
物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、お
よびエポキシ化合物などのカップリング剤および膨潤性
の層状珪酸塩では有機化オニウムイオンで予備処理して
使用することは、より優れた機械的強度を得る意味にお
いて好ましい。かかる繊維状および/または非繊維状充
填材を用いる場合、その配合量は通常全組成物に対し、
1〜150重量部の範囲である。
得られる樹脂構造体の特性を損なわない範囲において、
タルク、カオリン、有機リン化合物、ポリエーテルエー
テルケトンなどの結晶核剤、次亜リン酸塩などの着色防
止剤、ヒンダードフェノール、ハイドロキノン、チオエ
ーテル、ホスファイト、アミン類およびこれらの置換体
や銅化合物などの酸化防止剤や熱安定剤、レゾルシノー
ル、サリシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノ
ンなどの紫外線吸収剤、ステアリン酸およびその塩、ス
テアリルアルコールなどの離型剤、水酸化マグネシウ
ム、水酸化カルシウム、ハイドロタルサイト、赤燐など
の無機難燃剤、ハロゲン系、リン酸エステル系、メラミ
ンあるいはシアヌル酸系の有機難燃剤、三酸化アンチモ
ンなどの難燃助剤、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナト
リウム、ポリアルキレングリコールなどの帯電防止剤、
その他滑剤、染料、顔料などの添加剤を1種類以上添加
することが可能である。
定の方法に限定されないが、具体的且つ効率的な例とし
て、原料のポリアミド樹脂およびポリオレフィンまたは
変性ポリオレフィンの混合物を単軸あるいは2軸の押出
機、バンバリーミキサー、ニーダーおよびミキシングロ
ールなど公知の溶融混練機に供給し、用いられるポリア
ミド樹脂の融点に応じて180〜330℃の温度で溶融
混練する方法などを挙げることができる。
通常公知の方法で成形することができ、射出成形、押出
成形、圧縮成形などの成形品、シート、フィルムなどの
成形物品とすることができる。本発明の熱可塑性樹脂構
造体は、その特徴を活かして機械機構部品、電気電子部
品、および自動車部品として有用に用いることができ
る。
説明するが、本発明はこれら実施例の記載に限定される
ものではない。また、以下の実施例および比較例に記載
する測定は、下記の方法により行なった。
ーレオメーターを用いて、溶融混練温度でのせん断速度
10/秒の溶融粘度(poise)を測定し求めた。 溶融粘度比=ポリアミド樹脂の溶融粘度/ポリオレフィ
ンの溶融粘度
した。 引張強度 :ASTM D638 曲げ弾性率 :ASTM D790 Izod衝撃強度 :ASTM D256
/8インチ)を用い、温度60℃、相対湿度95%の恒
温恒湿器中に、24時間静置し、成形直後の絶対乾燥時
(絶乾時)と吸水後の重量から吸水時重量増加率として
求めた。 吸水率(%)={(吸水後の重量−絶乾時の重量)/絶
乾時の重量}×100
吸水処理した試験片において、成形直後の絶対乾燥時
(絶乾時)と吸水後の試験片長さ(長尺方向)から吸水
時寸法増加率として求めた。 吸水時寸法安定性(%)={(吸水後の試験片長さ−絶
乾時の試験片長さ)/絶乾時の試験片長さ}×100
処理した試験片の曲げ弾性率を測定した。
した超薄切片を透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観
察を行なった。
脂およびポリオレフィンは以下のとおり。 <ポリアミド樹脂> (N6−1):融点225℃、相対粘度2.70のナイ
ロン6樹脂。 (N6−2):融点225℃、相対粘度2.30のナイ
ロン6樹脂。 (N6−3):融点225℃、相対粘度3.30のナイ
ロン6樹脂。 (N66):融点265℃、相対粘度2.90のナイロ
ン66樹脂。 (N6/66):融点217℃、相対粘度2.85のナ
イロン6/66共重合体。
量部、無水マレイン酸1部、2,5−ジメチル−2,5
−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.1部
を混合し、2軸押出機を用いてシリンダー温度220℃
で溶融押出して得られた変性ポリプロピレン。 (PP−2):ポリプロピレン(MFR=0.5)10
0重量部、無水マレイン酸1部、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン
0.1部を混合し、2軸押出機を用いてシリンダー温度
220℃で溶融押出して得られた変性ポリプロピレン。 (BPP−1):ゴム含有量12wt%のブロック共重
合ポリプロピレン(MFR=0.5)100重量部、無
水マレイン酸1部、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
ert−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.1部を混合
し、2軸押出機を用いてシリンダー温度220℃で溶融
押出して得られた変性共重合ポリプロピレン。 (BPP−2):ゴム含有量3wt%のブロック共重合
ポリプロピレン(MFR=0.5)100重量部、無水
マレイン酸1部、2,5−ジメチル−2,5−ジ(te
rt−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.1部を混合し、
2軸押出機を用いてシリンダー温度220℃で溶融押出
して得られた変性共重合ポリプロピレン。
ミネ工業:クニピアF、陽イオン交換容量120m当量
/100g)100gを温水10リットルに攪拌分散
し、ここにトリオクチルメチルアンモニウムクロライド
48g(陽イオン交換容量と等量)を溶解させた温水2
Lを添加して1時間攪拌した。生じた沈殿を濾別した
後、温水で洗浄した。この洗浄と濾別の操作を3回行
い、得られた固体を80℃で真空乾燥して乾燥した有機
化層状珪酸塩を得た。得られた有機化層状珪酸塩の無機
灰分量を測定したところ、67重量%であった。なお、
無機灰分量の測定は有機化層状珪酸塩0.1gを500
℃の電気炉で3時間灰化して求めた値である。
合し、日本製鋼所製TEX30型2軸押出機を用いて混
練温度250℃、スクリュー回転数200rpmで溶融
混練を行った。得られたペレットを乾燥後、射出成形
(東芝機械IS100FA、金型温度80℃)により試
験片を調製した。各サンプルの材料強度および吸水時特
性などを測定した結果は表1に示すとおりであった。ま
た、相分離構造を評価した電子顕微鏡写真をそれぞれ図
1(実施例1)および図2(比較例1)に示す。
の溶融粘度比により相分離構造を規定した本発明の熱可
塑性樹脂構造体は、吸水時特性が良好であり、特に吸水
時の寸法安定性と吸水時剛性のバランスに優れた特性が
得られる実用価値の高いものである。
合し、日本製鋼所製TEX30型2軸押出機を用いて混
練温度250〜280℃(N66は280℃、N6/6
6は250℃)、スクリュー回転数200rpmで溶融
混練を行った。得られたペレットを乾燥後、射出成形
(東芝機械IS100FA、金型温度80℃)により試
験片を調製した。各サンプルの材料強度および吸水時特
性などを測定した結果は表2に示すとおりでり、吸水時
特性に優れた材料であることがわかる。
フィン(PP−1)を混合し、日本製鋼所製TEX30
型2軸押出機のメインフィダーから供給し、ガラス繊維
(繊維径10μm、3mmチョップドストランド)をシ
リンダー途中のサイドフィダーを用いて供給する方法で
混練温度280℃、スクリュー回転数200rpmで溶
融混練を行った。得られたペレットを乾燥後、射出成形
(東芝機械IS100FA、金型温度80℃)により試
験片を調製した。各サンプルの材料強度および吸水時特
性などを測定した結果は表2に示すとおりでり、無機充
填材が配合されても吸水時特性に優れた材料であること
がわかる。
で得られた有機化層状珪酸塩を混合し、日本製鋼所製T
EX30型2軸押出機のメインフィダーから供給し、ポ
リオレフィン(PP−2)をシリンダー途中のサイドフ
ィダーを用いて供給する方法で混練温度250℃、スク
リュー回転数200rpmで溶融混練を行った。得られ
たペレットを乾燥後、射出成形(東芝機械IS100F
A、金型温度80℃)により試験片を調製した。各サン
プルの材料強度および吸水時特性などを測定した結果は
表2に示すとおりでり、無機充填材が配合されても吸水
時特性に優れた材料であることがわかる。
び共重合ポリプロピレン)を表3に示すように混合し、
日本製鋼所製TEX30型2軸押出機を用いて混練温度
250℃、スクリュー回転数200rpmで溶融混練を
行った。得られたペレットを乾燥後、射出成形(東芝機
械IS100FA、金型温度80℃)により試験片を調
製した。各サンプルの材料強度および吸水時特性などを
測定した結果は表3に示すとおりであった。
び共重合ポリプロピレンの混合物を用い特定の溶融粘度
比により相分離構造を規定した本発明の熱可塑性樹脂構
造体は、吸水時特性が良好であり、かつ衝撃強度が高
く、吸水時の寸法安定性と吸水時剛性のバランスに優れ
た特性が得られる実用価値の高いものである。
樹脂構造体は、ポリアミド樹脂の本質的な特徴である吸
湿による寸法変化および剛性などの機械的性質の低下を
抑制した優れた吸水時特性を有する材料を得ることがで
きる。
子顕微鏡写真であり、黒く染まっている部分がポリアミ
ド樹脂成分である。
子顕微鏡写真であり、黒く染まっている部分がポリアミ
ド樹脂成分である。
Claims (14)
- 【請求項1】 実質的に(a)ポリアミド樹脂55〜8
0容量%、(b)ポリオレフィン45〜20容量%から
なる樹脂組成物で、電子顕微鏡で観察される相分離構造
がポリオレフィンをマトリクス相、ポリアミド樹脂が分
散相を形成することを特徴とする熱可塑性樹脂構造体。 - 【請求項2】 (b)成分のポリオレフィンがポリプロ
ピレンである請求項1記載の熱可塑性樹脂構造体。 - 【請求項3】 (b)成分のポリオレフィンがポリプロ
ピレンおよび共重合ポリプロピレンの混合物であり、そ
の混合比が97/3〜10/90重量%である請求項1
記載の熱可塑性樹脂構造体。 - 【請求項4】 (b)成分のポリオレフィンが不飽和カ
ルボン酸、その酸無水物またはその誘導体から選ばれる
少なくとも1種類の化合物によって変性された変性ポリ
オレフィンである請求項1〜3のいずれかに記載の熱可
塑性樹脂構造体。 - 【請求項5】 (b)成分のポリオレフィンが不飽和カ
ルボン酸無水物によって変性されたポリプロピレンであ
る請求項4記載の熱可塑性樹脂構造体。 - 【請求項6】 (a)成分のポリアミド樹脂がナイロン
6樹脂である請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性
樹脂組構造体。 - 【請求項7】 (a)成分のポリアミド樹脂がナイロン
66樹脂である請求項1〜5のいずれかに記載の熱可型
性樹脂構造体。 - 【請求項8】 (a)成分のポリアミド樹脂がナイロン
6/ナイロン66の共重合ナイロンであり、その共重合
比が99.5/0.5〜85/15重量%である請求項
1〜5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂構造体。 - 【請求項9】 (a)成分のポリアミド樹脂がナイロン
66/ナイロン6の共重合ナイロンであり、その共重合
比が99.5/0.5〜90/10重量%である請求項
1〜5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂構造体。 - 【請求項10】 (a)成分のポリアミド樹脂と(b)
成分のポリオレフィンの溶融混練温度におけるせん断速
度10/秒条件下の溶融粘度の比率が1.5以上である
請求項1〜9のいずれかに記載の熱可塑性樹脂構造体。 - 【請求項11】 (a)成分のポリアミド樹脂と(b)
成分のポリオレフィンの比率が各々60〜75容量%お
よび40〜25容量%である請求項1〜10のいずれか
に記載の熱可塑性樹脂構造体。 - 【請求項12】 (a)成分のポリアミド樹脂と(b)
成分のポリオレフィンの合計100重量部に対して1〜
150重量部の繊維状およびまたは非繊維状の無機充填
材を含む請求項1〜11のいずれかに記載の熱可塑性樹
脂構造体。 - 【請求項13】 無機充填材が層状珪酸塩である請求項
12に記載の熱可塑性樹脂構造体。 - 【請求項14】 (a)ポリアミド樹脂55〜80容量
%、(b)ポリオレフィン45〜20容量%からなり、
(a)成分と(b)成分の溶融混練温度におけるせん断
速度10/秒条件下の溶融粘度の比率が1.5以上である
混合物を溶融混練することを特徴とする、電子顕微鏡で
観察される相分離構造がポリオレフィンをマトリクス
相、ポリアミド樹脂が分散相を形成する熱可塑性樹脂構
造体の製造法。
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1999
- 1999-09-20 JP JP26547799A patent/JP4109399B2/ja not_active Expired - Fee Related
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