JPH093626A - カーボン蒸着装置 - Google Patents

カーボン蒸着装置

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Publication number
JPH093626A
JPH093626A JP15422695A JP15422695A JPH093626A JP H093626 A JPH093626 A JP H093626A JP 15422695 A JP15422695 A JP 15422695A JP 15422695 A JP15422695 A JP 15422695A JP H093626 A JPH093626 A JP H093626A
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JP
Japan
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carbon
vacuum
degree
current
sample
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Pending
Application number
JP15422695A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuto Goto
勝人 後藤
Takashi Shimatani
孝 島谷
Koji Takagi
康志 高城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SANYU DENSHI KK
Original Assignee
SANYU DENSHI KK
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Publication date
Application filed by SANYU DENSHI KK filed Critical SANYU DENSHI KK
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Publication of JPH093626A publication Critical patent/JPH093626A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、カーボン蒸着装置に関し、カーボ
ン蒸着する際に、ガス放出を行い良好なカーボン蒸着膜
が得られる状態になったときに本番のカーボン蒸着を試
料に自動的に行い、不慣れな操作者でも熟練した専門家
と同じ良質なカーボン蒸着膜を試料に短時間に堆積させ
ることを目的とする。 【構成】 容器を真空排気し真空度が所定真空度となっ
たときにカーボン棒の間でパルス状の大電流を短時間供
給しアーク放電してカーボン蒸発させた後に休止、ある
いは連続電流を短時間供給し通電加熱してカーボン蒸発
させた後に休止することを繰り返し、真空度の上昇が所
定値以下あるいは真空度の到達が所定値以下となったと
きに、カーボン棒の間でパルス状の大電流を供給してア
ーク放電しカーボン蒸発させ、あるいは連続電流を供給
して通電加熱しカーボン蒸発させる手段とを備えるよう
に構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カーボンを蒸発させて
試料に堆積させるカーボン蒸着装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】走査型電子顕微鏡などを用いて試料に細
い電子ビームを照射しつつ走査し、そのときに発生する
2次電子を検出して画面上に輝度変調して当該試料表面
の拡大像を表示することが行われている。この際、電子
ビームで試料表面を走査するときに当該試料が非導電性
の場合にチャージして分解能が低下してしまうので、通
常、試料表面に予めカーボン蒸着を行ない、導電性にす
ることが行われている。
【0003】このカーボン蒸着は、試料をベルジャー内
に置き、真空引きして数paないし10-3pa以下とな
ったときに、カーボン棒の先端を細くして相互に接触さ
れた状態で大電流を短時間流してアーク放電により蒸発
させ、あるいは相互に接触させた状態で電流を連続して
流し通電加熱して蒸発させ、近傍に配置した試料表面に
カーボンを堆積させて表面を導電性の膜(カーボン膜)
で被うようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、カーボンは、
非常に酸化し易く、残留ガス、特に酸素と反応し易く真
空度が上昇すると燃えてしまったり、更に燃えなくても
煤状になって非導電性となってしまったりするため、試
料を配置したベルジャー内を高真空に真空排気する必要
がある。この際、ベルジャー内を一旦カーボン蒸着する
に十分な真空に真空排気しても、カーボン棒の先端を相
互に接触させた状態でパルス状の大電流を流してアーク
放電させたり、あるいは電流を流して通電加熱させたり
したときに当該ベクジャーなどの内壁が赤外線などで照
射されて表面に付着しているガス放出が発生して真空度
が上昇し、特に残留ガスに酸素が含まれているとこの酸
素によってアーク放電あるいは通電加熱によって蒸発し
たカーボンが燃えてしまったり、煤状になって良質な導
電性のカーボン膜が得られないという問題があった。
【0005】この問題を避けるために、通常は、カーボ
ン棒の先端を相互に接触させてパルス状の大電流を流し
てアーク放電、あるいは通電加熱してカーボンが蒸発さ
せたときに良好なカーボン蒸着膜が得られる程度の高真
空になるまで長時間真空排気してからカーボン蒸着を開
始するため、カーボン蒸着するまでに長時間必要となっ
てしまったり、いつカーボン蒸発させたらよいかの専門
的な知識や、経験がないと良好なカーボン蒸着膜を試料
面に形成できないという問題があった。
【0006】本発明は、これらの問題を解決するため、
カーボン棒の先端を接触させてパルス状の大電流を流し
てアーク放電してカーボン蒸着あるいは電流を流して連
続通電してカーボン蒸着する際に、所定真空になったと
きなどにカーボン蒸着を短時間繰り返してガス放出を行
い良好なカーボン蒸着膜が得られる状態になったときに
本番のカーボン蒸着を試料に自動的に行い、不慣れな操
作者でも熟練した専門家と同じ良質なカーボン蒸着膜を
試料に短時間に堆積させることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】図1および図3を参照し
て課題を解決するための手段を説明する。図1および図
3において、容器1は、カーボン棒2、および試料3な
どを真空に排気するための容器である。
【0008】カーボン棒2は、相互に先端を接触させ、
アーク放電あるいは通電加熱してカーボンを蒸発させる
ものである。試料3は、カーボンを堆積させて導電性の
カーボン被膜を形成するものである。
【0009】シャッタ41は、試料3に無用な物質が堆
積しないようにするものである。電流制御回路5は、カ
ーボン棒2に供給する電流を制御するものである。真空
計7は、容器1の内部の真空を測定するものである。
【0010】真空排気系8は、容器1を真空排気するも
のである。
【0011】
【作用】本発明は、容器1内にカーボン棒1の先端を相
互に接触させて配置および試料3を配置し、真空排気系
8によって当該容器1を真空排気し、真空計7が当該容
器1の内部の真空を測定して所定の真空度に排気された
と検出したときに、電流制御回路5がカーボン棒2の間
にパルス状の大電流を供給してアーク放電させてカーボ
ン蒸発させた後に休止したり、あるいは連続電流を短時
間供給し通電加熱してカーボン蒸発させた後に休止した
りすることを繰り返し、真空計7によって測定された真
空度の上昇が所定値以下あるいは真空度の到達が所定値
以下となったときに、カーボン棒2の間にパルス状の大
電流を供給してアーク放電し本番用のカーボン蒸発させ
たり、あるいは連続電流を供給して通電加熱して本番用
のカーボン蒸発させたりし、試料3に導電性のカーボン
膜を形成するようにしている。
【0012】この際、真空度の上昇が所定値以下あるい
は真空度の到達が所定値以下となったときの代わりに、
真空度の上昇が所定値以下あるいは真空度の到達が所定
値以下となる予め測定したガス出し繰り返し回数となっ
たときに、カーボン棒2の間にパルス状の大電流を供給
してアーク放電し本番用のカーボン蒸発させたり、ある
いは連続電流を供給して通電加熱して本番用のカーボン
蒸発させたりし、試料3に導電性のカーボン膜を形成す
るようにしている。
【0013】また、容器1内にカーボン棒1の先端を相
互に接触させて配置および試料3を配置し、真空排気系
8によって当該容器1を真空排気し、容器1の内部の真
空が所定の真空度に排気される予め測定しておいた時間
を経過したときに、電流制御回路5がカーボン棒2の間
にパルス状の大電流を供給してアーク放電させてカーボ
ン蒸発させた後に休止したり、あるいは連続電流を短時
間供給し通電加熱してカーボン蒸発させた後に休止した
りすることを繰り返し、真空度の上昇が所定値以下ある
いは真空度の到達が所定値以下となると予め測定した繰
り返し回数となったときに、カーボン棒2の間にパルス
状の大電流を供給してアーク放電し本番用のカーボン蒸
発させたり、あるいは連続電流を供給して通電加熱して
本番用のカーボン蒸発させたりし、試料3に導電性のカ
ーボン膜を形成するようにしている。
【0014】また、本番用のカーボン蒸発として、膜厚
計で測定した膜厚が所望値となるまでカーボン蒸発を行
なうあるいは繰り返したり、または所望のカーボン膜厚
が得られると予め測定した所定時間のカーボン蒸発を行
なうあるいは所定回数を繰り返したりするようにしてい
る。
【0015】これらの際に、本番用のカーボン蒸発を開
始するときに試料3を被っていたシャッタ41を開状態
にし、ガス出し中に不要な物質が試料3に付着しないよ
うにしている。
【0016】従って、カーボン棒2の先端を接触させて
パルス状の大電流を流してアーク放電してカーボン蒸着
したり、あるいは電流を流して連続通電してカーボン蒸
着したりする際に、所定真空になったとき(あるいは所
定真空となる時間経過したとき)にカーボン蒸着を短時
間繰り返してガス放出を行い良好なカーボン蒸着膜が得
られる真空になったとき(あるいはガス出し回数を所定
回行ったとき)に本番のカーボン蒸着を試料3に自動的
に行うことにより、不慣れな操作者でも熟練した専門家
と同じ良質なカーボン蒸着膜を試料3に短時間に自動的
に堆積させることが可能となる。
【0017】
【実施例】次に、図1から図3を用いて本発明の実施例
の構成および動作を順次詳細に説明する。
【0018】図1は、本発明の1実施例構成図を示す。
図1において、容器1は、ベルジャーなどの容器であっ
て、カーボン棒2、試料3、ジャッタ機構4、およびシ
ャッタ41などを真空中に配置するためのものである。
【0019】カーボン棒2は、先端を相互に接触させて
カーボンを蒸発させるためのものである。このカーボン
棒2は、図示外のホルダによって相互に一定の力で接触
するようにされている。カーボン棒2の先端は、図示の
ように、通常、一方が平坦で他方を細くして接触させ、
電流が当該細い部分に集中して効率的にアークを発生さ
せたり、通電加熱させたりし、カーボンを蒸発させるよ
うにしてる。このカーボン棒2の先端を相互に接触させ
た状態で、パルス状の大電流(〜数秒大電流を供給して
〜十数秒休止することを繰り返す)を供給してアーク放
電させてカーボンを蒸発させたり、あるいは連続電流を
供給して通電加熱してカーボンを蒸発させたりしてい
る。
【0020】試料3は、カーボン棒2からアーク放電あ
るいは通電加熱によって蒸発したカーボンを堆積させて
導電性のカーボン膜を形成する対象の試料である。シャ
ッタ機構4は、シャッタ41を駆動し、本番用のカーボ
ン蒸着時に当該シャッタ41を開状態にしてカーボン棒
2から蒸発したカーボンを試料3上に堆積させ、ガス出
し時の不要な物質が試料3上に堆積しないようにするた
めのものである。
【0021】電流制御回路5は、先端を相互に接触させ
たカーボン棒の間に、パルス状の大電流を間欠的に供給
したり、電流を連続して供給したりするものである。真
空監視システム6は、真空計7によって測定した容器1
内の真空をもとに、電流制御回路5およびシャッタ機構
4を制御し、カーボン棒2から蒸発したカーボンを試料
3上に堆積させ、カーボン被膜を形成するための各種制
御を行なうものである。
【0022】真空計7は、容器1の真空を測定するもの
である。真空排気系8は、容器1を真空に排気するもの
である。バルブ9は、容器1と真空排気系8とを接続し
て当該容器1を真空に排気するためのバルブである。
【0023】次に、図1の構成の動作を詳細に説明す
る。 (1) カーボン棒2の先端を図示のように、一方の先
端を平坦に、他方の先端を細くし、図示外の機構によっ
て相互の方向にバネの力によって押圧するようにセット
する。
【0024】(2) 試料3を図示のカーボン棒2の先
端からカーボン蒸発したときに、丁度当該カーボン蒸発
したカーボンを堆積させてカーボン薄膜を形成するに都
合の良い位置に置き、シャッタ機構4によってシャッタ
41が閉(カーボン棒2の先端からカーボンが蒸発され
たときに堆積しない位置)に調整する。
【0025】(3) (1)と(2)によって前準備が
完了したので、容器1をカーボン棒2の上から被せ、バ
ルブ9を開にし、真空排気系8である例えばロータリポ
ンプによって容器1内を真空排気開始する。
【0026】(4) (3)で真空排気開始した後、真
空計7によって容器1内の真空を測定し、予め実験で定
めたガス出しを行なう真空度(図2の(a)のの真空
度)になったときに、真空監視システム6が電流制御回
路5に指示し、パルス状の大電流をカーボン棒2の間に
供給してアーク放電しカーボンを短時間蒸発させたり、
あるいは連続電流をカーボン棒2の間に供給して通電加
熱しカーボンを短時間蒸発させたりする。このとき、真
空計7によって容器1内の真空度は、例えば図2の
(a)のに示すように上昇する。短時間のカーボン蒸
発によって図2の(a)のに示すように真空度が上昇
するが、真空排気系8によって真空排気され、容器1の
真空が低下する。
【0027】(5) (4)で短時間のガス出しのため
の、短時間のカーボン蒸発した後、真空排気して所定の
真空度に低下したときに(図2の(a)の)、再度、
短時間のカーボン蒸発を行なう。これを繰り返し、短時
間のカーボン蒸発を行っても所定の真空度よりも上昇し
ないようになった時点(図2の(a)の)で、本番用
のカーボン蒸発を開始する。
【0028】(6) 本番用のカーボン蒸発は、真空監
視システム6がシャッタ機構4に指示してシャッタ41
を開状態にすると共に電流制御回路5に指示し、パルス
状の大電流をカーボン棒2の間に間欠的に供給し(例え
ば〜数秒パルス状の大電流を供給してアーク放電しカー
ボンを蒸発し、〜十数秒休止することを繰り返し)、所
望の膜厚のカーボン膜を試料3に形成したり、あるいは
連続電流をカーボン棒2の間に供給して連続的にカーボ
ン蒸発させ、所望の膜厚のカーボン膜を試料3に形成し
たりする。
【0029】(7) (6)で所望の膜厚のカーボン膜
を試料3上に形成した後、バルブ9を閉にし、容器1を
大気圧にし、試料3を取り出す。以上によって、試料3
を容器1内に置き、シャッタ41で被った状態で、容器
1を真空排気して所定の真空度となったときにガス出し
のために短時間のカーボン蒸発を行なうことを繰り返
し、ガス出しを行っても所定真空度以下あるいは所定真
空度に到達したときに、シャッタ41を開いて本番用の
カーボン蒸着を試料3に行い、所望の良質のカーボン膜
を試料3上に自動的に形成することが可能となった。
【0030】図2は、本発明の動作説明図を示す。図2
の(a)は、真空度例を示す。これは、図1の構成のも
とで、容器1を真空排気系8によって真空排気したとき
の、時間の経過に伴うそのときの真空度を測定したもの
である。
【0031】図2の(a)のは、ガス出しを開始する
所定の真空度に低下したので、カーボン棒2の間に電流
を供給しカーボン蒸発させてガス出しを開始した時点を
示す。
【0032】は、でカーボン蒸発させてガス出しを
開始したので、一時的に低下した真空度を示す。は、
のガス出しのためのカーボン蒸発を停止し、真空排気
系8によって容器1を真空排気し、ガス出しを開始する
所定の真空度に低下したので、カーボン棒2の間に電流
を供給しカーボン蒸発させてガス出しを開始した時点を
示す。以下同様に繰り返し、ガス出しのための短時間の
カーボン蒸発を繰り返す。
【0033】は、本番用のカーボン蒸発を示す。これ
は、ガス出しのための短時間のカーボン蒸発と真空排気
を繰り返し、所定のガス出しのための短時間のカーボン
蒸発を行っても上昇が所定値以下、あるいは真空排気し
たときに所定の真空度以下となり、ガス出しが終了した
と検出されたので、本番用のカーボン蒸発を行なう。こ
の本番用のカーボン蒸発は、既述したように、シャッタ
41を開状態にした後、パルス状の大電流をカーボン棒
2の間に間欠的に供給し(例えば〜数秒パルス状の大電
流を供給してアーク放電しカーボンを蒸発し、〜十数秒
休止することを繰り返し)、所望の膜厚のカーボン膜が
試料3に形成されるまで繰り返したり、あるいは連続電
流をカーボン棒2の間に供給することを所定時間毎に繰
り返しカーボン蒸発させて所望の膜厚のカーボン膜が試
料3に形成させたりする(尚、連続的にカーボン蒸発さ
せて所望の膜厚のカーボン膜を試料3に形成させてもよ
い)。
【0034】図2の(b)は、シーケンス例を示す。こ
れは、図2の(a)に対応して、真空監視システム6の
出力を示す。図中に示したよように、ガス出しを繰り返
した後、蒸着(カーボン蒸発)を図示のように行なう。
【0035】図2の(c)は、シャッタ動作例を示す。
シャッタは、蒸着時にのみ開とし、カーボン棒2の先端
から不要な物質が試料3上に堆積しないようにしたもの
である。
【0036】図3は、本発明の他の実施例構成図を示
す。ここで、容器1、カーボン棒2、試料3、シャッタ
機構4、シャッタ41、電流制御回路5、真空計7、バ
ルブ9は、図1の同一番号と同じであるので、説明を省
略する。
【0037】図3において、ガス出し蒸着制御回路61
は、図1の真空監視システム6に対応するものであっ
て、ここでは、ガス出し回数62およびカーボン蒸発回
数63を任意に設定し得るようにしたものである。
【0038】ガス出し回数62は、図2の(b)のガス
出し回数をオペレータが設定したり、あるいは予め測定
した本番用のカーボン蒸発を行なうために必要なガス出
し回数をデフォルトで設定したりするものである。
【0039】カーボン蒸発回数63は、図2の(b)の
蒸着の回数をオペレータが設定したり、あるいは予め測
定した本番用のカーボン蒸発に必要な回数をデフォルト
で設定したりするものである。
【0040】RP81は、ロータリポンプであって、大
気圧から真空排気するポンプの例であり、図1の真空排
気系8の例である。次に、図3の構成の動作を詳細に説
明する。
【0041】(1) カーボン棒2の先端を図示のよう
に、一方の先端を平坦に、他方の先端を細くし、図示外
の機構によって相互の方向にバネの力によって押圧する
ようにセットする。
【0042】(2) 試料3を図示のカーボン棒2の先
端からカーボン蒸発したときに、丁度当該カーボン蒸発
したカーボンを堆積させてカーボン薄膜を形成するに都
合の良い位置に置き、シャッタ機構4によってシャッタ
41が閉(カーボン棒2の先端からカーボンが蒸発され
たときに堆積ない位置)に調整する。
【0043】(3) (1)と(2)によって前準備が
完了したので、容器1をカーボン棒2の上から被せ、バ
ルブ9を開にし、RP81であるロータリポンプによっ
て容器1内を真空排気開始する。
【0044】(4) (3)で真空排気開始した後、真
空計7によって容器1内の真空を測定し、予め実験で定
めたガス出しを行なう真空度(図2の(a)のの真空
度)になったときに、ガス出し蒸着制御回路61が電流
制御回路5に指示し、パルス状の大電流をカーボン棒2
の間に供給してアーク放電しカーボンを短時間蒸発させ
たり、あるいは連続電流をカーボン棒2の間に供給して
通電加熱しカーボンを短時間蒸発させたりする。
【0045】(5) (4)の短時間のガス出しを、ガ
ス出し回数62によって設定された回数だけ繰り返す。
これにより、予め実験で求めた所定の真空度以下になる
ように真空排気されることとなる。また、オペレータが
このガス出し回数62を任意に設定できるので、後の本
番用のカーボン蒸発を行い、そのときに作成できた試料
3上のカーボン膜の良否を判定し、最適なガス出し回数
62に設定することが可能となる。
【0046】(6) 本番用のカーボン蒸発は、ガス出
し蒸着制御回路61がシャッタ機構4に指示してシャッ
タ41を開状態にすると共に電流制御回路5に指示し、
パルス状の大電流をカーボン棒2の間に間欠的に供給す
ることを、カーボン蒸着回数63に設定されている回数
だけ繰り返し(例えば〜数秒パルス状の大電流を供給し
てアーク放電しカーボンを蒸発し、〜十数秒休止するこ
とを、カーボン蒸着回数63に設定されている回数だけ
繰り返し)、所望の膜厚のカーボン膜を試料3に形成し
たり、あるいは連続電流をカーボン棒2の間に間欠的に
カーボン蒸着回数63に設定されている回数だけ繰り返
し供給してカーボン蒸発させ、所望の膜厚のカーボン膜
を試料3に形成したりする。
【0047】(7) (6)で所望の膜厚のカーボン膜
を試料3上に形成した後、バルブ9を閉にし、容器1を
大気圧にし、試料3を取り出す。以上によって、試料3
を容器1内に置き、シャッタ41で被った状態で、容器
1を真空排気して所定の真空度となったときにガス出し
のために短時間のカーボン蒸発を行なうことを、ガス出
し回数62に設定されている回数だけ繰り返した後、シ
ャッタ41を開いて本番用のカーボン蒸着を試料3に対
して、カーボン蒸着回数63に設定されている回数だけ
間欠的に繰り返し行い、所望の良質のカーボン膜を試料
3上に自動的に形成することが可能となった。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
カーボン棒2の先端を接触させてパルス状の大電流を流
してアーク放電してカーボン蒸着したり、あるいは電流
を流して連続通電してカーボン蒸着したりする際に、所
定真空になったとき(あるいは所定真空となる時間経過
したとき)にカーボン蒸着を短時間繰り返してガス放出
を行い良好なカーボン蒸着膜が得られる真空になったと
き(あるいは所定のガス出し回数となったとき)に本番
のカーボン蒸着を試料3に自動的に行う構成を採用して
いるため、不慣れな操作者でも熟練した専門家と同じ良
質なカーボン蒸着膜を試料3に短時間に自動的に堆積さ
せることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例構成図である。
【図2】本発明の動作説明図である。
【図3】本発明の他の実施例構成図である。
【符号の説明】
1:容器 2:カーボン棒 3:試料 4:シャッタ機構 41:シャッタ 5:電流制御回路 6:真空監視システム 61:ガス出し蒸着制御回路 62:ガス出し回数 63:カーボン蒸着回数 7:真空計 8:真空排気系 81:RP(ロータリポンプ) 9:バルブ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カーボンを蒸発させて試料に堆積させるカ
    ーボン蒸着装置において、 容器内に設置した先端を相互に接触させるカーボン棒
    と、 これら相互に接触させたカーボン棒の間にパルス状の大
    電流を供給してアーク放電あるいは連続電流を供給して
    通電加熱する電流制御回路と、 上記容器内の真空度を測定する真空計と、 上記容器を真空排気する真空排気系と、 この真空排気系によって上記容器を真空排気し上記真空
    計によって測定した真空度が所定真空度となったときに
    上記電流制御回路に指示して上記カーボン棒の間でパル
    ス状の大電流を短時間供給しアーク放電してカーボン蒸
    発させた後に休止、あるいは連続電流を短時間供給し通
    電加熱してカーボン蒸発させた後に休止することを繰り
    返し、真空度の上昇が所定値以下あるいは真空度の到達
    が所定値以下となったときに、上記電流制御回路に指示
    して上記カーボン棒の間でパルス状の大電流を供給して
    アーク放電して本番用のカーボン蒸発させ、あるいは連
    続電流を供給して通電加熱して本番用のカーボン蒸発さ
    せ、試料にカーボン被膜を堆積させる手段とを備えたこ
    とを特徴とするカーボン蒸着装置。
  2. 【請求項2】上記真空度の上昇が所定値以下あるいは真
    空度の到達が所定値以下となったとき、の代わりに、真
    空度の上昇が所定値以下あるいは真空度の到達が所定値
    以下となる予め測定したガス出し繰り返し回数となった
    とき、としたことを特徴とする請求項1記載のカーボン
    蒸着装置。
  3. 【請求項3】カーボンを蒸発させて試料に堆積させる蒸
    着装置において、 容器内に設置した先端を相互に接触させるカーボン棒
    と、 これら相互に接触させたカーボン棒の間にパルス状の大
    電流を供給してアーク放電あるいは連続電流を供給して
    通電加熱する電流制御回路と、 上記容器を真空排気する真空排気系と、 この真空排気系によって上記容器を真空排気し所定の真
    空度となる予め測定した所定時間経過したときに上記電
    流制御回路に指示して上記カーボン棒の間でパルス状の
    大電流を短時間供給してアーク放電してカーボン蒸発さ
    せた後に休止、あるいは連続電流を短時間供給して通電
    加熱してカーボン蒸発させた後に休止することを繰り返
    し、真空度の上昇が所定値以下あるいは真空度の到達が
    所定値以下となる予め測定したガス出し繰り返し回数と
    なったときに、上記電流制御回路に指示して上記カーボ
    ン棒の間でパルス状の大電流を供給してアーク放電して
    本番用のカーボン蒸発させ、あるいは連続電流を供給し
    て通電加熱して本番用のカーボン蒸発させ、試料にカー
    ボン被膜を堆積させる手段とを備えたことを特徴とする
    カーボン蒸着装置。
  4. 【請求項4】上記本番用のカーボン蒸発として、膜厚計
    で測定した膜厚が所望値となるまでカーボン蒸発を行な
    うあるいは繰り返す、または所望のカーボン膜厚が得ら
    れると予め測定した所定時間のカーボン蒸発を行なうあ
    るいは所定回数を繰り返すことを特徴とする請求項1な
    いし請求項3記載のいずれかのカーボン蒸着装置。
  5. 【請求項5】上記本番用のカーボン蒸発を開始したとき
    に上記試料を被っていたシャッターを開状態にすること
    を特徴とする請求項1ないし請求項4記載のいずれかの
    カーボン蒸着装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008503854A (ja) * 2004-06-17 2008-02-07 イーストマン コダック カンパニー 温度に敏感な材料の気化

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JP2008503854A (ja) * 2004-06-17 2008-02-07 イーストマン コダック カンパニー 温度に敏感な材料の気化

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