JPH0758031A - イオン蒸着薄膜形成装置及び該装置を用いた成膜方法 - Google Patents

イオン蒸着薄膜形成装置及び該装置を用いた成膜方法

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JPH0758031A
JPH0758031A JP20401393A JP20401393A JPH0758031A JP H0758031 A JPH0758031 A JP H0758031A JP 20401393 A JP20401393 A JP 20401393A JP 20401393 A JP20401393 A JP 20401393A JP H0758031 A JPH0758031 A JP H0758031A
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JP
Japan
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ion
substrate
ions
film forming
electrode
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JP20401393A
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English (en)
Inventor
Satoru Nishiyama
哲 西山
Takashi Mikami
隆司 三上
Akinori Ebe
明憲 江部
Kiyoshi Ogata
潔 緒方
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Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Nissin Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 真空容器内に蒸発源、イオン源、基体ホル
ダ、イオン電流測定器及び膜厚モニタを備えたイオン蒸
着薄膜形成装置であって、記憶手段、演算回路、蒸発粒
子制御手段及び電極電流制御手段とからなるコントロー
ラーを具備しているイオン蒸着薄膜形成装置。 【効果】 成膜のためのパラメーターの設定、モニター
方法が簡便であり、複雑なパラメーター間の関係の制御
を自動的に行うため、成膜品の再現性の乏しさを無くす
ことができる。また、当装置の工業的な普及、応用範囲
の拡大を図ることにより、無人運転化、成膜品の品質の
再現性の確保という工業的に有効に利用することが可能
となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はイオン蒸着薄膜形成装置
及び該装置を用いた成膜方法に関するものであり、より
詳細には自動運転を可能とするコントローラを備えたイ
オン蒸着薄膜形成装置及び該装置を用いた成膜方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】今日、基体上に種々の機能を有する膜を
形成し、各種工業に応用しようとする試みが盛んであ
る。特に、真空蒸着とイオン照射とを併用して膜を形成
する手法(イオン蒸着薄膜形成法)は、以下の利点を有
しているため注目されている。
【0003】1.イオン照射によるイオン、および蒸発
物質の基体への押し込みにより、基体と形成される膜と
の界面に両者の構成原子より成る混合層が形成され、そ
の結果、膜の基体に対する密着性が向上する。 2.照射するイオン種と蒸発する物質種とが任意に選択
でき、新材料の開発が容易である。 3.上記プロセスが低温下で行え、基体種が限定されな
い。 そして、上記のようなイオン蒸着薄膜形成法を実現する
ために、図1に示したようなイオン蒸着薄膜形成装置3
0が提案されている。
【0004】イオン蒸着薄膜形成装置30は、主として
真空容器11内に配設された蒸発源12とイオン源13
及び真空排気装置(図示せず)よりなる。真空容器11
内には、基体ホルダ14が配置されており、基体ホルダ
14と対向する方向に蒸発源12及びイオン源13が配
設されている。そして、基体ホルダ14と蒸発源12と
の間であって、基体ホルダ14の近傍には膜厚モニタ1
5が、基体ホルダ14とイオン源13との間であって、
基体ホルダ14の近傍にはイオン電流モニタ16が、そ
れぞれ配設されている。また、基体ホルダ14と対向し
て、基体ホルダ14近傍にシャッター17が配設されて
いる。さらに、イオン源13にはガス導入管21が接続
されており、このガス導入管21からイオン化するガス
を導入し、イオン化して所望のイオンを引き出すための
加速電極20、減速電極19及び接地電極22が配設さ
れている。
【0005】次に、このイオン蒸着薄膜形成装置30を
用いて薄膜を形成する方法について説明する。まず、基
体18を基体ホルダ14に保持し、真空容器11内に収
納する。そして、真空容器11内を真空排気装置を用い
て所定の真空度に保持する。その後、蒸発源12として
納められた蒸発物質を加熱して基体18上に蒸発物質よ
りなる膜を形成すると同時に、イオン源13に導入され
たガスをイオン化し、そのイオンを所定の加速エネルギ
ーで引き出し、基体18に照射して、所望の膜を形成す
る。
【0006】この成膜方法においては、基体18に照射
されるイオンの加速エネルギー、イオンの照射量及び基
体に到達する蒸発粒子と照射されるイオンの個数との比
(輸送比)等の成膜に関するパラメーターは、形成され
る膜質に重要な影響を与えるため、慎重に制御する必要
がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来から種々
の膜形成法を実現させる装置は開発されてきたが、いず
れもアニュアル操作にて、成膜に関するパラメーターを
制御していた。従って、装置の運転における煩雑さが伴
うばかりでなく、装置運転中にそのパラメーターを監視
する必要があり、無人運転化が困難で、生産効率の悪い
ものであった。
【0008】また、成膜のパラメーターとして幾つも考
えられる組合せの中から最適なものを抽出させる必要性
がある。そのため、コントローラを備えて自動運転化さ
せたとしても、数ある成膜条件の中から最適なものを選
ぶ工程が決定されなかったり、あるいは、最適な成膜条
件を決定する成膜パラメーターをモニタする手段が決定
されないとう問題があった。
【0009】本発明は上記の問題点に鑑みなされたもの
であり、最適な成膜条件の設定を自動的に行なうコント
ローラを備えたイオン蒸着薄膜形成装置を提供し、所望
の成膜を行うことができる成膜方法を提供することを目
的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のイオン蒸着薄膜
形成装置によれば、真空容器内に蒸発源、イオン源、基
体ホルダ、基体ホルダ近傍に配設され、基体に照射され
るイオンの個数を測定するためのイオン電流を検出する
イオン電流測定器及び前記基体に到達する蒸発粒子の個
数を測定する膜厚モニタを備えたイオン蒸着薄膜形成装
置であって、前記イオン源が、少なくともフィラメン
ト、アークチャンバ、加速電極、減速電極及び接地電極
を有しており、前記真空容器内の真空度を一定に制御す
る真空度制御手段と、少なくとも所望の前記イオン電流
値、前記基体に照射されるイオンの個数と前記基体に到
達する蒸発粒子の個数との比及びイオン加速エネルギー
の値を記憶する記憶手段と、前記イオン電流測定器が検
出した前記基体に照射されるイオンの個数と前記記憶手
段に入力された情報とから蒸発粒子の個数を算出する演
算回路と、算出された前記蒸発粒子の個数に基づいて基
体に到達する蒸発粒子の個数を一定になるように制御す
るとともに、前記基体に到達する蒸発粒子の蒸着速度及
び膜厚を制御する蒸発粒子制御手段と、前記イオン源か
ら前記基体に照射されるイオンの個数を一定になるよう
に制御するとともに、照射されるイオンの加速エネルギ
ーを制御する照射イオン制御手段とを含むコントローラ
を具備しているイオン蒸着薄膜形成装置が提供される。
【0011】また、上記イオン蒸着薄膜形成装置を用い
て、(i)予め、少なくとも所望の照射されるイオンの
加速エネルギー、基体に照射されるイオンの個数に対応
するイオン電流値及び基体に到達する蒸着粒子の個数と
基体に到達するイオン数との比を設定した後、(ii) 基
体に照射されるイオンによって所望のイオン電流値を示
すようにイオン源の運転を制御するとともに、X=Z×
基体に照射されるイオンの個数×補正係数(ここで、X
は基体に到達する蒸発粒子の個数、Zは基体に到達する
蒸着粒子の数と基体に照射されるイオンの個数との比、
補正係数は蒸着粒子の照射イオンによるスパッタリング
比及びイオン電流を測定する際の二次電子係数等を含ん
だ係数である)により算出された基体に到達する蒸発粒
子の個数にしたがって蒸発源の運転を制御して所望の膜
厚の薄膜を得るイオン蒸着薄膜形成装置を用いた成膜方
法が提供される。
【0012】また、上記イオン蒸着薄膜形成装置に、さ
らに所望のイオン電流値を得るために設定されたイオン
源の電極に流れる電流を記憶する電極電流記憶手段と、
イオン源の電極の電流値を前記電極電流記憶手段に記憶
された電流値に制御する電極電流制御手段とからなる照
射イオン制御手段が配設されたイオン蒸着薄膜形成装置
を用いて、(i)予め、少なくとも所望の照射されるイ
オンの加速エネルギー、基体に照射されるイオンの個数
に対応するイオン電流値及び基体に到達する蒸着粒子の
個数と基体に到達するイオン数との比を設定した後、
(ii) 基体に照射されるイオンによって所望のイオン電
流値を示すようにイオン源の運転を制御するとともに、
X=Z×基体に照射されるイオンの個数×補正係数(こ
こで、Xは基体に到達する蒸発粒子の個数、Zは基体に
到達する蒸着粒子の数と基体に照射されるイオンの個数
との比、補正係数は蒸着粒子の照射イオンによるスパッ
タリング比及びイオン電流を測定する際の二次電子係数
等を含んだ係数である)により算出された基体に到達す
る蒸発粒子の個数にしたがって蒸発源の運転を制御し、
(iii)さらに、所望のイオン電流値を得た際のイオン源
に流れる電流を、成膜中に一定に維持するようにイオン
源の運転を制御して所望の膜厚の薄膜を得るイオン蒸着
薄膜形成装置を用いた成膜方法が提供される。
【0013】さらに、上記イオン蒸着薄膜形成装置を用
いて、(i)予め、少なくとも所望の成膜中の真空容器
内の真空度、基体に到達する蒸着粒子の蒸着速度、膜
厚、照射されるイオンの加速エネルギー及び基体に到達
するイオン数を設定し、(ii)真空容器内の真空度を所
望の値に制御した後、前記所望のイオンの加速エネルギ
ーで、基体に到達するイオン数が所望の値となるよう
に、フィラメント、アークチャンバ、加速電極及び減速
電極にそれぞれ電圧を印加し、(iii) さらに、前記基体
に到達するイオン数に対応した蒸着粒子の蒸着速度が所
望の値となるように蒸発源の運転を制御するイオン蒸着
薄膜形成装置を用いた成膜方法が提供される。
【0014】本発明において用いられるイオン蒸着薄膜
形成装置は、例えば、図1に示したような装置を用いる
ことができる。このイオン蒸着薄膜形成装置10は、主
として真空容器11内に配設された蒸発源12とイオン
源13及び真空排気装置(図示せず)よりなる。真空容
器11内には、基体ホルダ14が配置されており、基体
ホルダ14と対向する方向に蒸発源12及びイオン源1
3が配設されている。そして、基体ホルダ14と蒸発源
12との間であって、基体ホルダ14の近傍には膜厚モ
ニタ15が配設されている。また、基体ホルダ14と対
向して、基体ホルダ14近傍にシャッター17が配設さ
れており、このシャッター17には、イオン源13から
照射されるイオンの個数を測定するための、イオン電流
測定器が付設されている。さらに、イオン源13にはア
ークチャンバ24が配設されている。アークチャンバ2
4にはガス導入管21が接続されており、このガス導入
管21からイオン化するガスを導入し、イオン化して所
望のイオンを引き出す加速電極20、減速電極19及び
接地電極22がそれぞれ配設されている。また、アーク
チャンバ24には、アーク電圧を印加するためにアーク
電源が接続されており、その内部にイオンを作りだすフ
ィラメント23が配設されている。
【0015】また、イオン蒸着薄膜形成装置10に、イ
オン電流測定器としてシャッター17とは別にファラデ
ーカップ等のイオン電流モニタ16が備えられた装置を
用いてもよい。なお、蒸発源12は電子ビーム、抵抗や
高周波によって、膜を形成する材料となる物質を加熱し
て蒸気化させるもので、他にスパッタリング等、任意の
手法を用いることができる。
【0016】また、イオン源13の方式も特に限定され
ず、カウフマン型やバケット型等を適宜用いることがで
きるが、成膜装置を工業的に有用な装置として利用する
ため、広い面積にわたって均一なイオンが照射できる、
プラズマの閉じこめにカプス磁場を用いるバケット型イ
オン源を用いることが好ましい。このバケット型イオン
源は、フィラメントとアーク電圧を印加する電極、加速
電極、減速電極及び接地電極を有するものが好ましい。
ここで、加速電極とは正の電圧を印加する電極、減速電
極は負の電圧を印加する電極、接地電極とは接地に短絡
される電極のことを意味している。そして、各電極は印
加する電圧の大きさやイオンビームの発散の度合い等に
よって、2枚以上の電極で構成されていてもよい。
【0017】さらに、膜厚モニタ15及びイオン電流測
定器の方式は特に限定されるものではなく、例えば、膜
厚モニタ15としては水晶振動子を用いたもの、イオン
電流測定器としては、基体ホルダ上や基体近傍に設置さ
れたファラデーカップ及び基体ホルダ上や基体近傍に設
置されたシャッターに付設されたもの等を適宜用いるこ
とができる。
【0018】本発明のイオン蒸着薄膜形成装置には、さ
らに、最適な成膜条件の設定を自動的に行なうコントロ
ーラを備えている。このコントローラは、少なくとも真
空度制御手段、記憶手段、演算回路、蒸発粒子制御手段
及び照射イオン制御手段とを有している。真空度制御手
段は、イオン源からの導入ガスによる容器内圧力を一定
に維持するように制御する。
【0019】記憶手段には、イオン源及び蒸発源を運転
する以前に、所望の膜を得るための成膜条件が入力さ
れ、記憶されている。成膜条件は、特に限定されるもの
ではないが、例えば、基体に照射されるイオンの個数
を決定するためのイオン電流値、基体に照射されるイ
オンの個数と基体に到達する蒸発粒子の個数との比(輸
送比)、イオン加速エネルギーの値等である。
【0020】演算回路は、イオン電流測定器が検出する
イオン電流値に対応する基体に照射されたイオンの個数
と上記記憶手段に予め入力された情報とから、所望の膜
を得るための蒸発粒子の個数を算出するものである。こ
の演算回路は、イオン電流測定器が実際に検出するイオ
ン電流値と、予め入力された所望の輸送比とから、以下
の式によって、単位時間当たりの基体に到達する蒸発粒
子数を算出する。
【0021】
【数1】
【0022】また、蒸発粒子制御手段とは、算出された
蒸発粒子の個数に基づいて、実際に基体に到達する蒸発
粒子の個数を常に一定になるように制御するための手段
である。さらに、照射イオン制御手段は、イオン源に配
設されている接地電極、加速電極及び減速電極等の各電
極の電流を制御する手段である。これらの各電極の電流
を制御することにより、実際に基体に到達する蒸発粒子
の個数に対応する照射イオンの個数を一定になるように
制御することができる。
【0023】また、上記の照射イオン制御手段には、電
極電流記憶手段と電極電流制御手段とが配設されていて
もよい。この電極電流記憶手段は、上記記憶手段に所望
の照射イオンの個数を得るために予め記憶されているイ
オン電流値を実際に得た際の、イオン源の各電極に流れ
ている電流を記憶する手段である。そして、この電極電
流記憶手段の電極電流を、成膜中、常に一定に制御する
ために電極電流制御手段が配設されている。なお、この
電極電流記憶手段は、上記記憶手段中にイオン源の各電
極の電流を記憶する手段として構成されていても良く、
別に電極電流記憶手段として、独立して配設されてもよ
い。また、電極電流制御手段は上記照射イオン制御手段
中にイオン源の各電極の電流を制御する手段として構成
されていても良く、別に電極電流制御手段として、独立
して配設されてもよい。
【0024】さらに、コントローラは、主としてイオン
源、蒸発源及び真空排気系を制御しており、イオン源の
ガス流量制御部、接地電極、減速電極電源、加速電極電
源、アーク電源及びフィラメント電源に接続されるとと
もに、蒸発源、真空計、膜厚モニタ及びイオン電流モニ
タに接続されている。コントローラに接続されたイオン
源のガス流量制御部はイオン源でイオンを発生させるた
めの原料となるガスの導入量を制御するものである。ガ
スの種類は照射するイオンの種類により適宜選択するこ
とができ、例えば、窒化物膜を形成する際の窒素ガスや
不活性ガス等が挙げられる。
【0025】また、コントローラは、接地電極に接続す
ることによりその電流を、減速電極電源、加速電極電
源、アーク電源及びフィラメント電源に接続することに
より、それら電極の電流及び電圧を制御するものであ
る。さらに、コントローラは、蒸発源に接続されてお
り、イオン源の各電極等の制御に対応させて、蒸発源か
らの蒸発粒子の蒸発速度等を制御する。
【0026】また、コントローラは、イオン電流モニタ
にも接続されており、基板に到達するイオンのイオン電
流値を測定する。そして、このイオン電流値に基づい
て、基板に到達するイオン数が決定される。従って、コ
ントローラは、このイオン電流値の制御を介して、基板
に到達するイオン数を制御することとなる。膜厚モニタ
においては、基体に到達する蒸発粒子の個数を測定す
る。この蒸発粒子の個数に対応して、基体に成膜される
薄膜の膜厚を測定する。さらに、真空計に接続されるこ
とにより真空容器内の真空度を測定する。そして、これ
ら測定したイオン電流値、膜厚及び真空度等に基づい
て、イオン源及び蒸発源の運転を制御する。
【0027】上記のコントローラはいわゆるコンピュー
タ、シーケンスコントロール等の制御機能を有するもの
であれば良く、各制御対象となるものとのインターフェ
イスの方法も特に限定されるものではない。
【0028】本発明のイオン蒸着薄膜形成装置におい
て、真空蒸着の制御を行った後にイオン照射の制御を行
ったり、真空蒸着とイオン照射との制御を同時に行う場
合には、真空蒸着によって蒸発される物質の存在によっ
て、実際に照射されるイオンの個数が、検出されるイオ
ン電流値に対応しなくなることがあるので好ましくな
い。つまり、予め入力したイオン電流値になるように、
実際に検出するイオン電流値を制御しても、所望のイオ
ン個数が基体に到達していないということを生じること
があるので好ましくない。
【0029】また、最初から、イオン源の各電極に流れ
る電流を制御することにより、実際に基体に照射される
イオン数を制御する方法は好ましくない。それは、基体
近傍でのイオン電流値をモニタするものではないため、
基体に実際に到達するイオン数が、予め入力したイオン
電流値に対応するイオン数からずれるためである。従っ
て、実際に基体に照射されたイオン数をモニタする場合
には、できるだけ基体の近傍で、イオン電流値をモニタ
することが好ましい。
【0030】
【作用】本発明によれば、真空容器内に蒸発源、イオン
源、基体ホルダ、イオン電流測定器及び膜厚モニタを備
えたイオン蒸着薄膜形成装置が、さらに、基体に照射さ
れるイオンの個数を常に一定になるように制御するため
のコントローラを具備しているので、種々の成膜条件の
中から最適なものを選ぶという複雑な工程や、種々の成
膜条件をモニタする最適手段がないというような問題が
克服される。
【0031】また、前記イオン源が、少なくともフィラ
メント、アークチャンバ、加速電極、減速電極及び接地
電極を有しており、さらに、前記真空容器内の真空度、
前記基体に到達する蒸着粒子の蒸着速度、膜厚、照射さ
れるイオンの加速エネルギー、基体に到達するイオン数
を制御するコントローラを具備しているので、所望の膜
を得るための種々のパラメータの設定に要する時間が短
縮される。
【0032】また、上記のイオン蒸着薄膜形成装置を用
いて、(i)予め、少なくとも所望の成膜中の真空容器
内の真空度、基体に到達する蒸着粒子の蒸着速度、膜
厚、照射されるイオンの加速エネルギー及び基体に到達
するイオン数等を設定し、(ii) 真空容器内の真空度を
所望の値に制御した後、前記所望のイオンの加速エネル
ギーで、所望の基体に到達するイオン数となるように、
フィラメント、アーク電圧を印加する電極、加速電極、
減速電極及び接地電極にそれぞれ電圧を印加し、(iii)
さらに、前記所望の基体に到達するイオン数に対応した
蒸着粒子の蒸着速度となるように蒸発源の運転を制御す
るので、前記コントローラーによって制御される複雑な
パラメーター間の関係が、前記コントローラーによって
自動的に選択されることとなり、前記装置の成膜条件の
設定のための運転者の訓練が不要となり、所望の薄膜が
容易に得られることとなる。
【0033】
【実施例】本発明に係るイオン蒸着薄膜形成装置につい
て説明する。例えば、図1のような装置を用いる。この
イオン蒸着薄膜形成装置10は、主として真空容器11
内に配設された蒸発源12とバケット型イオン源13及
び真空排気装置(図示せず)よりなる。真空容器11内
には、基体ホルダ14、蒸発源12及びイオン源13が
配設されている。そして、基体ホルダ14の近傍には膜
厚モニタ15が配設されている。また、基体ホルダ14
近傍にシャッター17が配設されており、このシャッタ
ー17にはイオン源12から照射されたイオンの個数を
電流値で測定する測定器が備えられている。イオン源1
3には所望のイオンを引き出す加速電極20、発生した
イオンビームを収束させ、イオン源13の中に二次電子
が入り込まないように減速電極19及びこれら加速電極
20及び減速電極19に接地電位を与える接地電極22
がそれぞれ配設されている。また、アークチャンバ24
は電源と接続されており、その内部にはイオンを作りだ
すフィラメント23が配設されている。
【0034】そして、このイオン蒸着薄膜形成装置10
には、さらに、図2に示したような、最適な成膜条件の
設定を自動的に行なうコントローラ40を備えている。
コントローラ40は、主として真空度制御手段、記憶手
段31、演算回路32、蒸発粒子制御手段33及び照射
イオン制御手段34とを有している。また、照射イオン
制御手段34は、電極電流制御手段35及び電極電流記
憶手段36からなる。
【0035】そして、コントローラ40は、図3に示し
たように、さらにイオン源13のガス流量制御部、接地
電極、減速電極電源、加速電極電源、アーク電源及びフ
ィラメント電源に接続されるとともに、蒸発源、真空
計、膜厚モニタ15及びイオン電流モニタに接続されて
いる。以下に上記イオン蒸着薄膜形成装置10を用い、
例えば、照射イオンとして窒素イオン、金属原子として
ホウ素原子により、BN膜を成膜する場合について、図
4に基づいて説明する。
【0036】まず、基体を基体ホルダ14に保持し、真
空容器11内に収納する。そして、真空容器11内を真
空排気装置を用いて所定の真空度、例えば、1×10-6
Torr程度に保持する。ステップ1において、記憶手
段31に予め所望の成膜条件、例えば、イオン電流値3
mA、照射イオンNと基体に到達する蒸発原子Bとの輸
送比が1、照射イオンの加速エネルギーをそれぞれ入力
し、記憶させる。
【0037】次いで、ステップ2でイオン源13の運転
を開始する。ステップ3において、イオン電流測定器の
検出により、所望の照射イオン数が基体に照射されてい
るかどうか判断される。基体に照射されている照射イオ
ン数が所望の値に達していないか、あるいはその値を上
回っている場合には、所望の値になるようにイオン源1
3の運転が調節される。
【0038】基体に照射されている照射イオン数が所望
の値に達している場合には、ステップ4において、演算
回路32により、イオン電流測定器16の検出による照
射イオン数と、予め入力し、記憶された輸送比とから基
体に到達する蒸発粒子数を上記式(I)により算出す
る。この計算と同時に、ステップ5において、基体に照
射されている照射イオン数が所望の値に達している際
の、イオン源13の加速電極20、減速電極19及び接
地電極22の電流値を、電極電流記憶手段36に記憶
し、その値を維持するように、電極電流制御手段 に
より制御される。
【0039】次いで、ステップ6において、蒸発源12
の運転を開始する。ステップ7において、上記の計算値
通りの蒸発粒子数が基体に照射されているかどうかが、
膜厚モニタ15により判断される。計算値通りの蒸発粒
子数が基体に照射されていない場合には、計算値になる
ように蒸発源12の運転が調節される。
【0040】計算値通りの蒸発粒子数が基体に照射され
ている場合には、ステップ8において成膜が開始され
る。このように、本発明のイオン蒸着薄膜形成装置を用
いて成膜した場合には、照射されるイオンの個数を基板
近傍で測定したイオン電流値で検出し、この値が予め入
力したイオン電流値に対応するように制御することがで
きる。そして、成膜工程に移行した際は、照射されるイ
オンの個数の制御は、前記電流値は蒸発粒子の影響を受
けるので、所望のイオン電流値を示す際の、イオン電流
値に対応するイオン源の電極電流値にかえて行うことと
なる。また、基板に到達する蒸発粒子数の制御は、照射
されている所望のイオン数に対応して所望の蒸発粒子数
だけ基板に到達するように制御することができる。従っ
て、成膜工程中においても、照射イオン数や輸送比等を
制御しながら、所望の組成の膜を効率よく得ることがで
きる。
【0041】さらに、上記イオン蒸着薄膜形成装置10
を用い、例えば、照射イオンとして窒素イオン、金属原
子としてホウ素原子により、BN膜を成膜する他の成膜
方法について説明する。まず、図4のステップ1におい
て、コントローラ40に、予め所望の成膜条件、例え
ば、成膜中の真空容器内の真空度が5×10-5Tor
r、膜厚が1μm、照射されるイオンの加速エネルギー
が2KeV及び基体に到達するイオン数と輸送比又は蒸
着粒子の蒸着速度等をそれぞれ入力し、記憶させる。
【0042】次いで、ステップ2において、基体18を
基体ホルダ14に保持し、真空容器11内に収納する。
そして、真空容器11内を真空排気装置を用いて所定の
真空度、例えば、1×10-6Torr程度に保持する。
この際、真空容器11内の真空度をモニターする真空計
の値をコントローラーが読み取ることによって、あらか
じめコントローラ40に入力された所定の真空度になっ
ていることを確認する。なお、この場合、コントローラ
40に依らず、マニュアル操作によって所定の真空度な
っていることを確認してもよい。
【0043】ステップ3において、入力された真空度に
従って、イオン源13内にイオン化させるガス、例え
ば、窒素ガスを導入する。この際、コントローラ40に
よって、所定の真空度の値になるようにガスの流量が調
整される。次いで、ステップ4において、予め入力され
た基板に到達するイオン数に従って、イオン源内にイオ
ンを作りだすために、フィラメント電流及びアーク電圧
を設定する。例えば、フィラメント電流値を3〜10A
程度、アーク電圧を40〜150V程度に設定する。な
お、このフィラメント電流及びアーク電圧の設定は、予
めコントローラ40に所望の値を入力しておき、それに
基づいて自動的に制御してもよいし、コントローラ40
に依らず、マニュアル操作によって制御してもよい。
【0044】ステップ5において、予め入力された照射
されるイオンの加速エネルギー等に従って、所望のイオ
ンの加速エネルギーの設定値になるように、加速電極2
0に電圧を印加する。次いで、ステップ6において、
(加速電極に流れる電流−減速電極に流れる電流−接地
電極に流れる電流)の値が最大値になるとともに、予め
設定した基板に到達するイオン数がそれに対応するイオ
ン電流値になるように、減速電極20に、例えば0.3
〜5KeV程度、電圧を制御する。
【0045】そして、ステップ7において、基板18に
到達するイオン数が、予め入力された値になっているか
どうかを判断する。入力値になっていない場合には、ス
テップ4にもどって、フィラメント電流の値を制御す
る。フィラメントに流れる電流は、イオン源13内で生
成されるプラズマの密度、すなわち生成されるイオン数
を制御するものである。しかし、生成したイオン数が照
射されるイオン数になるようにフィラメントの電流を制
御しても、それだけでは、イオン源13から引き出す際
のイオンビームの発散角が制御できない。その結果、減
速電極19や接地電極22にイオンビームが当るため、
生成したイオンを効率よく引き出せず、基体に到達する
イオン数が所望の値とならない。また、イオンビームの
発散角が制御されないと、基体18に入射するイオンの
角度が所定のものにならないため、形成される膜質に悪
影響を与えることがある。さらに、各電極が冷却されて
いない場合には、各電極に熱的な歪がもたらされる。そ
のため、イオンビームの発散角を減速電極19に印加す
る電圧で制御し、減速電極19に印加する電圧の値が、
(加速電極に流れる電流−減速電極に流れる電流−接地
電極に流れる電流)の値が最大値となるように設定す
る。そして、その条件が満足される元で、基板に到達す
るイオン数が、入力値になるように、フィラメント電流
の値を制御する。
【0046】このような制御によって、基板に到達する
イオン数が所望の値になった場合には、ステップ8にお
いて、蒸発源12の運転を開始して真空蒸着を制御する
工程に移行する。そして、ステップ9において、基体に
到達する蒸着物質の蒸着速度及び膜厚が、予め入力した
所望の値(例えば、設定した輸送比の値)になっている
かどうか判断する。蒸着物質の蒸着速度及び膜厚が、所
望の値になっていない場合には、ステップ8に戻って、
蒸発源12の運転が制御される。
【0047】蒸着物質の蒸着速度及び膜厚が、所望の値
になっている場合には、成膜が開始される。但し、イオ
ン照射、真空蒸着の両成膜工程のパラメーターが所定の
値になるまでは、基体18にイオンが照射されたり、蒸
着物質が蒸着されない様に、基体18近傍のシャッター
17は閉じられる必要がある。
【0048】
【発明の効果】本発明のイオン蒸着薄膜形成装置によれ
ば、真空容器内に蒸発源、イオン源、基体ホルダ、イオ
ン電流測定器及び膜厚モニタを備えたイオン蒸着薄膜形
成装置が、さらに、基体に照射されるイオンの個数を常
に一定になるように制御するためのコントローラを具備
しているので、成膜前の段階で、照射されるイオンの個
数を基板近傍で測定したイオン電流値で検出し、この値
が予め入力したイオン電流値に対応するように制御する
ことができる。そして、成膜工程に移行した際は、照射
されるイオンの個数の制御は、前記電流値は蒸発粒子の
影響を受けるので、所望のイオン電流値を示す際の、イ
オン電流値に対応するイオン源の電極電流値にかえて行
うことができる。また、基板に到達する蒸発粒子数の制
御は、照射されている所望のイオン数に対応して所望の
蒸発粒子数だけ基板に到達するように制御することがで
きる。このように、成膜工程中においても、照射イオン
数や輸送比等を制御しながら、所望の組成の膜を効率よ
く得ることができる。
【0049】また、本発明の成膜装置を用いた成膜方法
によれば、成膜のためのパラメーターの設定、モニタ方
法が簡便となり、複雑なパラメーター間の関係の制御を
自動的に行なわれるため、成膜条件の設定のための運転
者の訓練を不要とすることができる。つまり、成膜のた
めのパラメーターの設定、モニタ方法が簡便であり、複
雑なパラメーター間の関係の制御を自動的に行うため、
成膜品の再現性の乏しさを無くすことができる。また、
当装置の工業的な普及、応用範囲の拡大を図ることによ
り、無人運転化、成膜品の品質の再現性の確保という工
業的に有効に利用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るイオン蒸着薄膜形成装置の要部の
概略断面図である。
【図2】イオン蒸着薄膜形成装置に具備しているコント
ローラの構成を示すブロック図である。
【図3】コントローラに接続されたイオン蒸着薄膜形成
装置の構成を示すブロック図である。
【図4】イオン蒸着薄膜形成装置による成膜制御の実施
例を示すフローチャート図である。
【図5】イオン蒸着薄膜形成装置による成膜制御の別の
実施例を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
10、30 イオン蒸着薄膜形成装置 11 真空容器 12 蒸発源 13 イオン源 14 基体ホルダ 15 膜厚モニタ 16 イオン電流モニタ 17 シャッター 18 基体 19 減速電極 20 加速電極 21 ガス導入管 22 接地電極 23 フィラメント 40 コントローラ 31 記憶手段 32 演算回路 33 蒸発粒子制御手段 34 照射イオン制御手段 35 電極電流制御手段 36 電極電流記憶手段
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年10月4日
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】基体に照射されている照射イオン数が所望
の値に達している場合には、ステップ4において、演算
回路32により、イオン電流測定器16の検出による照
射イオン数と、予め入力し、記憶された輸送比とから基
体に到達する蒸発粒子数を上記式(I)により算出す
る。この計算と同時に、ステップ5において、基体に照
射されている照射イオン数が所望の値に達している際
の、イオン源13の加速電極20、減速電極19及び接
地電極22の電流値を、電極電流記憶手段35に記憶
し、その値を維持するように、電極電流制御手段36
より制御される。
フロントページの続き (72)発明者 緒方 潔 京都市右京区梅津高畝町47番地 日新電機 株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器内に蒸発源、イオン源、基体ホ
    ルダ、基体ホルダ近傍に配設され、基体に照射されるイ
    オンの個数を測定するためのイオン電流を検出するイオ
    ン電流測定器及び前記基体に到達する蒸発粒子の個数を
    測定する膜厚モニタを備えたイオン蒸着薄膜形成装置で
    あって、 前記イオン源が、少なくともフィラメント、アークチャ
    ンバ、加速電極、減速電極及び接地電極を有しており、 前記真空容器内の真空度を一定に制御する真空度制御手
    段と、 少なくとも所望の前記イオン電流値、前記基体に照射さ
    れるイオンの個数と前記基体に到達する蒸発粒子の個数
    との比及びイオン加速エネルギーの値を記憶する記憶手
    段と、 前記イオン電流測定器が検出した前記基体に照射される
    イオンの個数と前記記憶手段に入力された情報とから蒸
    発粒子の個数を算出する演算回路と、 算出された前記蒸発粒子の個数に基づいて基体に到達す
    る蒸発粒子の個数を一定になるように制御するととも
    に、前記基体に到達する蒸発粒子の蒸着速度及び膜厚を
    制御する蒸発粒子制御手段と、 前記イオン源から前記基体に照射されるイオンの個数を
    一定になるように制御するとともに、照射されるイオン
    の加速エネルギーを制御する照射イオン制御手段とを含
    むコントローラを具備していることを特徴とするイオン
    蒸着薄膜形成装置。
  2. 【請求項2】 照射イオン制御手段が、所望のイオン電
    流値を得るために設定されたイオン源の電極に流れる電
    流を記憶する電極電流記憶手段と、イオン源の電極の電
    流値を前記電極電流記憶手段に記憶された電流値に制御
    する電極電流制御手段とからなる請求項1記載のイオン
    蒸着薄膜形成装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載イオン蒸着薄膜形成装置を
    用いて、 (i)予め、少なくとも所望の照射されるイオンの加速
    エネルギー、基体に照射されるイオンの個数に対応する
    イオン電流値及び基体に到達する蒸着粒子の個数と基体
    に到達するイオン数との比を設定した後、 (ii) 基体に照射されるイオンによって所望のイオン電
    流値を示すようにイオン源の運転を制御するとともに、 X=Z×基体に照射されるイオンの個数×補正係数 (ここで、Xは基体に到達する蒸発粒子の個数、Zは基
    体に到達する蒸着粒子の数と基体に照射されるイオンの
    個数との比、補正係数は蒸着粒子の照射イオンによるス
    パッタリング比及びイオン電流を測定する際の二次電子
    係数等を含んだ係数である)により算出された基体に到
    達する蒸発粒子の個数にしたがって蒸発源の運転を制御
    して所望の膜厚の薄膜を得ることを特徴とするイオン蒸
    着薄膜形成装置を用いた成膜方法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載イオン蒸着薄膜形成装置を
    用いて、 (i)予め、少なくとも所望の照射されるイオンの加速
    エネルギー、基体に照射されるイオンの個数に対応する
    イオン電流値及び基体に到達する蒸着粒子の個数と基体
    に到達するイオン数との比を設定した後、 (ii) 基体に照射されるイオンによって所望のイオン電
    流値を示すようにイオン源の運転を制御するとともに、 X=Z×基体に照射されるイオンの個数×補正係数 (ここで、Xは基体に到達する蒸発粒子の個数、Zは基
    体に到達する蒸着粒子の数と基体に照射されるイオンの
    個数との比、補正係数は蒸着粒子の照射イオンによるス
    パッタリング比及びイオン電流を測定する際の二次電子
    係数等を含んだ係数である)により算出された基体に到
    達する蒸発粒子の個数にしたがって蒸発源の運転を制御
    し、 (iii)さらに、所望のイオン電流値を得た際のイオン源
    に流れる電流を、成膜中に一定に維持するようにイオン
    源の運転を制御して所望の膜厚の薄膜を得ることを特徴
    とするイオン蒸着薄膜形成装置を用いた成膜方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載イオン蒸着薄膜形成装置を
    用いて、 (i)予め、少なくとも所望の成膜中の真空容器内の真
    空度、基体に到達する蒸着粒子の蒸着速度、膜厚、照射
    されるイオンの加速エネルギー及び基体に到達するイオ
    ン数を設定し、 (ii) 真空容器内の真空度を所望の値に制御した後、前
    記所望のイオンの加速エネルギーで、基体に到達するイ
    オン数が所望の値となるように、フィラメント、アーク
    テャンバ、加速電極及び減速電極にそれぞれ電圧を印加
    し、 (iii) さらに、前記基体に到達するイオン数に対応した
    蒸着粒子の蒸着速度が所望の値となるように蒸発源の運
    転を制御して、所望の膜厚の薄膜を得ることを特徴とす
    るイオン蒸着薄膜形成装置を用いた成膜方法。
  6. 【請求項6】 真空容器内の真空度を所望の値に制御し
    た後、予め設定した所望のイオンの加速エネルギーにし
    たがって加速電極に電圧を印加して、(加速電極に流れ
    る電流−減速電極に流れる電流−接地電極に流れる電
    流)が最大値となり、かつ、基体に到達するイオン数が
    所望の値となるように、フィラメント電流値と減速電極
    の電圧を制御する請求項3記載のイオン蒸着薄膜形成装
    置を用いた成膜方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100292030B1 (ko) * 1998-09-15 2001-08-07 윤종용 반도체 박막 공정에서의 박막 두께 제어 방법
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JP2014533942A (ja) * 2011-10-26 2014-12-18 アムジエン・インコーポレーテツド Uv光曝露から生じるタンパク質の改変と分解を減ずるまたは排除する方法

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