JPH08193262A - アルミナ膜形成方法 - Google Patents
アルミナ膜形成方法Info
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- JPH08193262A JPH08193262A JP556595A JP556595A JPH08193262A JP H08193262 A JPH08193262 A JP H08193262A JP 556595 A JP556595 A JP 556595A JP 556595 A JP556595 A JP 556595A JP H08193262 A JPH08193262 A JP H08193262A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- plasma
- substrate
- alumina film
- film
- alumina
- Prior art date
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 低温度、短時間でもα−アルミナ膜を形成す
る。 【構成】 酸素が導入される真空容器1内の被処理物7
を加熱すると共にアルミニウムを蒸発させ、この蒸発粒
子を被処理物7とアルミとの間に発生させたプラズマ1
0によってイオン化して被処理物7に付着させるアルミ
ナ膜形成方法において、前記プラズマ10の中心と被処
理物7との距離を 100〜700mm にすると共に、前記プラ
ズマ10の電子温度を 50000〜160000Kにする。
る。 【構成】 酸素が導入される真空容器1内の被処理物7
を加熱すると共にアルミニウムを蒸発させ、この蒸発粒
子を被処理物7とアルミとの間に発生させたプラズマ1
0によってイオン化して被処理物7に付着させるアルミ
ナ膜形成方法において、前記プラズマ10の中心と被処
理物7との距離を 100〜700mm にすると共に、前記プラ
ズマ10の電子温度を 50000〜160000Kにする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はα−アルミナ膜を低温
度、短時間でも形成することができるアルミナ膜形成方
法に関するものである。
度、短時間でも形成することができるアルミナ膜形成方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルミナは、硬度、強度、耐摩耗性、耐
酸化性、耐熱性、耐食性および電気絶縁性に優れてい
る。また、TiN,TiCなどに比べて原料価格が低価
で、実用化に際して大きな利点があり、ドリル、旋盤、
チップ本体等の切削工具類のコーティング、光学薄膜に
利用されつつある。
酸化性、耐熱性、耐食性および電気絶縁性に優れてい
る。また、TiN,TiCなどに比べて原料価格が低価
で、実用化に際して大きな利点があり、ドリル、旋盤、
チップ本体等の切削工具類のコーティング、光学薄膜に
利用されつつある。
【0003】アルミナ膜の製法としては、CVD法、P
VD法などがあり、CVD法による切削工具等の表面に
アルミナ膜を形成することが実用化されている。
VD法などがあり、CVD法による切削工具等の表面に
アルミナ膜を形成することが実用化されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、アルミナ膜
としては、アモルファス−アルミナ膜、結晶性アルミナ
膜(α,γ,θ−アルミナ膜)等の数種のものがあり、
これらのうち結晶性の中でも一番堅いα−アルミナ膜が
注目されるが、既にいくつか提案されているイオンプレ
ーティング法(特開昭 63-223162号公報等)などではα
−アルミナ膜を形成しずらく研究開発の段階である。C
VD法によれば、α−アルミナ膜を例えば切削工具の表
面に形成することが実用化されているが、形成温度を10
00℃にしなければα−アルミナ膜を形成することができ
ず、例えば母材の材質にWCを用いた場合には成膜時に
母材が1000℃の高温に晒されるので、母材が脆くなって
工具としての寿命が短くなる。また、形成時間も4μm
で約2時間かかる。
としては、アモルファス−アルミナ膜、結晶性アルミナ
膜(α,γ,θ−アルミナ膜)等の数種のものがあり、
これらのうち結晶性の中でも一番堅いα−アルミナ膜が
注目されるが、既にいくつか提案されているイオンプレ
ーティング法(特開昭 63-223162号公報等)などではα
−アルミナ膜を形成しずらく研究開発の段階である。C
VD法によれば、α−アルミナ膜を例えば切削工具の表
面に形成することが実用化されているが、形成温度を10
00℃にしなければα−アルミナ膜を形成することができ
ず、例えば母材の材質にWCを用いた場合には成膜時に
母材が1000℃の高温に晒されるので、母材が脆くなって
工具としての寿命が短くなる。また、形成時間も4μm
で約2時間かかる。
【0005】そこで、本発明は、このような事情を考慮
してなされたものであり、その目的は、低温度、短時間
でα−アルミナ膜を形成することができるアルミナ膜形
成方法を提供することにある。
してなされたものであり、その目的は、低温度、短時間
でα−アルミナ膜を形成することができるアルミナ膜形
成方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために、酸素が導入される真空容器内の被処理物
を加熱すると共にアルミニウムを蒸発させ、この蒸発粒
子を被処理物とアルミとの間に発生させたプラズマによ
ってイオン化して被処理物に付着させるアルミナ膜形成
方法において、前記プラズマの中心と被処理物との距離
を 100〜700mmにすると共に、前記プラズマ電子温度を
50000〜160000Kにするものである。
成するために、酸素が導入される真空容器内の被処理物
を加熱すると共にアルミニウムを蒸発させ、この蒸発粒
子を被処理物とアルミとの間に発生させたプラズマによ
ってイオン化して被処理物に付着させるアルミナ膜形成
方法において、前記プラズマの中心と被処理物との距離
を 100〜700mmにすると共に、前記プラズマ電子温度を
50000〜160000Kにするものである。
【0007】プラズマの中心と被処理物との距離は、被
処理物がプラズマから十分に離れるように 100〜700mm
にする必要があり、これにより、プラズマの熱が直接被
処理物に影響を及ぼすことがなくなる。距離が 100mm未
満であると、プラズマの熱により被処理物が加熱されて
結晶化しずらくなると共に、真空容器内に注入するAr
ガス等の不活性ガスが膜に悪影響を与えて膜の特性が悪
くなる。 700mmを越えると、被処理物とプラズマとが離
れ過ぎて膜のレートが遅くなると共に、まわりの不純物
を取り込んで膜の特性が悪くなる。
処理物がプラズマから十分に離れるように 100〜700mm
にする必要があり、これにより、プラズマの熱が直接被
処理物に影響を及ぼすことがなくなる。距離が 100mm未
満であると、プラズマの熱により被処理物が加熱されて
結晶化しずらくなると共に、真空容器内に注入するAr
ガス等の不活性ガスが膜に悪影響を与えて膜の特性が悪
くなる。 700mmを越えると、被処理物とプラズマとが離
れ過ぎて膜のレートが遅くなると共に、まわりの不純物
を取り込んで膜の特性が悪くなる。
【0008】プラズマ電子温度は、アルミと基板との間
に高密度のプラズマを形成するために 50000〜160000K
の範囲にする必要がある。電子温度が 50000K未満であ
ると、プラズマが弱くなりイオン化率が低く、良好なア
ルミナ膜が形成できない。160000Kを越えると、被処理
物の温度を所定の温度(例えば 600℃)に保てなくな
り、結晶化しずらくなると共に、熱の影響により膜の脆
性が悪くなる。
に高密度のプラズマを形成するために 50000〜160000K
の範囲にする必要がある。電子温度が 50000K未満であ
ると、プラズマが弱くなりイオン化率が低く、良好なア
ルミナ膜が形成できない。160000Kを越えると、被処理
物の温度を所定の温度(例えば 600℃)に保てなくな
り、結晶化しずらくなると共に、熱の影響により膜の脆
性が悪くなる。
【0009】
【作用】プラズマを利用したイオンプレーティング法に
より成膜を行う際の被処理物とプラズマとの距離及びプ
ラズマの密度を特定することにより、被処理物がプラズ
マから十分に離れるためプラズマの熱の影響を受けない
と共に、アルミと被処理物との間に高密度のプラズマが
形成され、形成温度を1000℃より下げてもα結晶を成長
させることができ、従来形成しずらかったα−アルミナ
膜を低温度、短時間でも形成することが可能となる。
より成膜を行う際の被処理物とプラズマとの距離及びプ
ラズマの密度を特定することにより、被処理物がプラズ
マから十分に離れるためプラズマの熱の影響を受けない
と共に、アルミと被処理物との間に高密度のプラズマが
形成され、形成温度を1000℃より下げてもα結晶を成長
させることができ、従来形成しずらかったα−アルミナ
膜を低温度、短時間でも形成することが可能となる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
説明する。
【0011】図1において、1は真空容器を示し、この
真空容器1には真空系2が接続されて容器1内が0.01〜
0.5 Paに維持されるようになっている。
真空容器1には真空系2が接続されて容器1内が0.01〜
0.5 Paに維持されるようになっている。
【0012】真空容器1内の下部には成膜材料であるア
ルミニウムを収容するるつぼ3が配設されていると共
に、容器1の側部下方にはそのるつぼ3内のアルミを溶
融加熱して蒸発させる電子ビーム4を照射するピアス式
電子銃5が取り付けられ、この電子銃5は電子ビーム4
の照射量を任意に設定し得るように構成されている。ま
た電子銃5には電子銃用排気装置6が接続されている。
ルミニウムを収容するるつぼ3が配設されていると共
に、容器1の側部下方にはそのるつぼ3内のアルミを溶
融加熱して蒸発させる電子ビーム4を照射するピアス式
電子銃5が取り付けられ、この電子銃5は電子ビーム4
の照射量を任意に設定し得るように構成されている。ま
た電子銃5には電子銃用排気装置6が接続されている。
【0013】また、真空容器1内の上方には、被処理物
である基板7がるつぼ3と対向するように取り付けられ
る基板ホルダー8が配設されている。基板ホルダー8に
は、基板7を所定の温度に加熱する基板ヒータ(図示せ
ず)が備えられていると共に、プラズマ10によってイ
オン化した粒子を加速させるために基板7にバイアス電
圧を印加する高周波電源9が接続されている。基板7へ
の高周波出力は、α結晶を成長させるのに十分なエネル
ギーを基板7に与えるだけ大きく、かつ基板7又は成長
中の膜表面がプラズマ10中のイオンでダメージを受け
ないように強くたたかれない程度に弱くする必要があ
り、 100〜1000Wにするのが好ましい。
である基板7がるつぼ3と対向するように取り付けられ
る基板ホルダー8が配設されている。基板ホルダー8に
は、基板7を所定の温度に加熱する基板ヒータ(図示せ
ず)が備えられていると共に、プラズマ10によってイ
オン化した粒子を加速させるために基板7にバイアス電
圧を印加する高周波電源9が接続されている。基板7へ
の高周波出力は、α結晶を成長させるのに十分なエネル
ギーを基板7に与えるだけ大きく、かつ基板7又は成長
中の膜表面がプラズマ10中のイオンでダメージを受け
ないように強くたたかれない程度に弱くする必要があ
り、 100〜1000Wにするのが好ましい。
【0014】さらに、真空容器1の側部には、容器1内
の基板7とるつぼ3との間にプラズマ10を発生させる
プラズマ発生機としての圧力勾配型ホローカソード式の
プラズマ銃11が取り付けられていると共に、このプラ
ズマ銃11と対向する容器1側部にはイオン化率を高め
るためにプラズマ専用の対向電極12が配設される。
の基板7とるつぼ3との間にプラズマ10を発生させる
プラズマ発生機としての圧力勾配型ホローカソード式の
プラズマ銃11が取り付けられていると共に、このプラ
ズマ銃11と対向する容器1側部にはイオン化率を高め
るためにプラズマ専用の対向電極12が配設される。
【0015】プラズマ銃11は、プラズマ処理用ガスで
ある不活性ガス例えばArを供給するためのプラズマガ
スタンク13が接続されていると共に反応用ガスである
酸素を供給する酸素タンク14が接続されており、Ar
のプラズマをつくりこのプラズマを酸素と共に容器1内
のるつぼ3と基板7の間に発射するものである。また、
このプラズマ銃11は、プラズマ10の電流及び電子温
度が任意に設定可能に構成され、電流を50〜220 Aにし
て電子温度を 50000〜160000Kの範囲に維持するように
なっている。
ある不活性ガス例えばArを供給するためのプラズマガ
スタンク13が接続されていると共に反応用ガスである
酸素を供給する酸素タンク14が接続されており、Ar
のプラズマをつくりこのプラズマを酸素と共に容器1内
のるつぼ3と基板7の間に発射するものである。また、
このプラズマ銃11は、プラズマ10の電流及び電子温
度が任意に設定可能に構成され、電流を50〜220 Aにし
て電子温度を 50000〜160000Kの範囲に維持するように
なっている。
【0016】プラズマ銃11によるプラズマ10の中心
と基板7との距離が 100〜700mm になるように、プラズ
マ銃10を真空容器1の側部に取り付けるか、又は基板
ホルダー8の配置を調節する。
と基板7との距離が 100〜700mm になるように、プラズ
マ銃10を真空容器1の側部に取り付けるか、又は基板
ホルダー8の配置を調節する。
【0017】また、真空容器1の側部には、反応用ガス
である酸素タンク15が接続され、成膜に必要な酸素
(プラズマ銃に供給する酸素を含む)が容器1内に供給
されるようになっており、この酸素分圧は、アルミナ膜
の酸素含有量を60%に調節できる範囲にする必要があ
り、 0.005〜0.1 Paにするのが好ましい。さらに、真
空容器1の外側には集束コイル16が設けられていると
共に、容器1内の基板7とるつぼ3との間で、かつ基板
7の近傍にはシャッター17が開閉自在に設けられてい
る。
である酸素タンク15が接続され、成膜に必要な酸素
(プラズマ銃に供給する酸素を含む)が容器1内に供給
されるようになっており、この酸素分圧は、アルミナ膜
の酸素含有量を60%に調節できる範囲にする必要があ
り、 0.005〜0.1 Paにするのが好ましい。さらに、真
空容器1の外側には集束コイル16が設けられていると
共に、容器1内の基板7とるつぼ3との間で、かつ基板
7の近傍にはシャッター17が開閉自在に設けられてい
る。
【0018】さて、このようなプラズマ銃11を備えた
イオンプレーティング装置を用いて基板7にα−アルミ
ナ膜を形成しようとする場合、るつぼ3内にアルミニウ
ムを入れて、酸素が供給される真空容器1内を真空系2
によりプラズマ10を安定して保持できる圧力(0.01〜
0.5 Pa)にすると共に、基板7を所定の温度(例えば
600℃)に加熱し、かつ、基板7に 100〜1000Wの高周
波を出力する。その基板7とるつぼ3との間にプラズマ
銃11によりプラズマ10を発生させる。この状態で電
子銃5により電子ビーム4をるつぼ3内のアルミに照射
する。これにより、アルミが溶融加熱されて蒸発し、こ
の蒸発粒子の一部がプラズマ10によってイオン化ある
いは励起して活性になり、基板7に付着して基板7上に
アルミナ膜が形成される。この成膜速度は、容器1の壁
などから出てくる不純物の影響を受けないため十分速度
が速く、かつα結晶が成長できるよう速度があまり速く
ないよう、 0.5〜10nm/s にする。
イオンプレーティング装置を用いて基板7にα−アルミ
ナ膜を形成しようとする場合、るつぼ3内にアルミニウ
ムを入れて、酸素が供給される真空容器1内を真空系2
によりプラズマ10を安定して保持できる圧力(0.01〜
0.5 Pa)にすると共に、基板7を所定の温度(例えば
600℃)に加熱し、かつ、基板7に 100〜1000Wの高周
波を出力する。その基板7とるつぼ3との間にプラズマ
銃11によりプラズマ10を発生させる。この状態で電
子銃5により電子ビーム4をるつぼ3内のアルミに照射
する。これにより、アルミが溶融加熱されて蒸発し、こ
の蒸発粒子の一部がプラズマ10によってイオン化ある
いは励起して活性になり、基板7に付着して基板7上に
アルミナ膜が形成される。この成膜速度は、容器1の壁
などから出てくる不純物の影響を受けないため十分速度
が速く、かつα結晶が成長できるよう速度があまり速く
ないよう、 0.5〜10nm/s にする。
【0019】プラズマ10の中心と基板7との距離を 1
00〜700mm にすることにより、基板7がプラズマ10の
熱の影響を受けない。基板7がプラズマ10の中心に近
づきすぎると、プラズマ10の熱により基板7が加熱さ
れてアルミナが結晶化しずらくなったり、真空容器1内
に注入するArガス等の不活性ガスが膜に悪影響を与え
て膜の特性が悪くなったりする。逆に離れすぎると、膜
のレートが遅くなったり、まわりの不純物を取り込んで
膜の特性が悪くなったりする。
00〜700mm にすることにより、基板7がプラズマ10の
熱の影響を受けない。基板7がプラズマ10の中心に近
づきすぎると、プラズマ10の熱により基板7が加熱さ
れてアルミナが結晶化しずらくなったり、真空容器1内
に注入するArガス等の不活性ガスが膜に悪影響を与え
て膜の特性が悪くなったりする。逆に離れすぎると、膜
のレートが遅くなったり、まわりの不純物を取り込んで
膜の特性が悪くなったりする。
【0020】また、プラズマ10の電子温度を 50000〜
160000Kの範囲にすることにより、アルミと基板7との
間に高密度のプラズマ10を形成できる。プラズマ10
の電子温度を特定しないと、プラズマ10が弱くなりイ
オン化率が低く良好なアルミナ膜が形成できなかった
り、基板7の温度を所定の温度( 600℃)に保てなくて
結晶化しずらくなったりする。
160000Kの範囲にすることにより、アルミと基板7との
間に高密度のプラズマ10を形成できる。プラズマ10
の電子温度を特定しないと、プラズマ10が弱くなりイ
オン化率が低く良好なアルミナ膜が形成できなかった
り、基板7の温度を所定の温度( 600℃)に保てなくて
結晶化しずらくなったりする。
【0021】これによって、形成温度(基板温度)を 6
00℃の低温度にしても、α結晶が成長できる状態となる
ので、基板7上にはα−アルミナが成長して、従来形成
しずらかったα−アルミナ膜を 600℃の低温度、短時間
でも形成することができる。
00℃の低温度にしても、α結晶が成長できる状態となる
ので、基板7上にはα−アルミナが成長して、従来形成
しずらかったα−アルミナ膜を 600℃の低温度、短時間
でも形成することができる。
【0022】具体的には、前述のイオンプレーティング
装置を用いて、下記の成膜条件によりアルミナ膜を形成
した。
装置を用いて、下記の成膜条件によりアルミナ膜を形成
した。
【0023】成膜条件は次の通りである。
【0024】被処理基板(母材);TiN/WC(WC
上にTiNをコーティングしたもの) 基板温度(形成
温度); 600℃ 基板への高周波出力; 400W 真空容器の圧力; 0.066Pa Ar:O2 ;1:1 プラズマ電流;50A 基板とルツボの距離; 720mm 基板とプラズマ中心の距離; 400mm 成膜速度; 3.2nm/s 膜厚; 3.2μm このようにして得られたアルミナ膜をX線回折で分析し
た。なお、X線回折は1.54056Åの波長で行った。その
結果は図2に示した。図2に示すように、母材(TiN
/WC)○のピークの他に、α−アルミナ□のピークが
検出され、アルミナ膜が結晶性のα−アルミナであるこ
とが認められた。
上にTiNをコーティングしたもの) 基板温度(形成
温度); 600℃ 基板への高周波出力; 400W 真空容器の圧力; 0.066Pa Ar:O2 ;1:1 プラズマ電流;50A 基板とルツボの距離; 720mm 基板とプラズマ中心の距離; 400mm 成膜速度; 3.2nm/s 膜厚; 3.2μm このようにして得られたアルミナ膜をX線回折で分析し
た。なお、X線回折は1.54056Åの波長で行った。その
結果は図2に示した。図2に示すように、母材(TiN
/WC)○のピークの他に、α−アルミナ□のピークが
検出され、アルミナ膜が結晶性のα−アルミナであるこ
とが認められた。
【0025】従って、α−アルミナ膜を 600℃の低温度
でかつCVD法による場合の5分の1の時間で形成する
ことができる。このように形成温度(基板温度)をでき
るだけ低くすることにより、基板7(母材)に与える熱
影響が小さくてすむので、母材の寿命を長くでき、工業
性的価値が向上する。
でかつCVD法による場合の5分の1の時間で形成する
ことができる。このように形成温度(基板温度)をでき
るだけ低くすることにより、基板7(母材)に与える熱
影響が小さくてすむので、母材の寿命を長くでき、工業
性的価値が向上する。
【0026】また、ピアス式電子銃を用いて真空容器1
の外部からるつぼ3内のアルミを蒸発させるため、広範
囲の圧力下でその蒸発を行え、高圧力下での蒸発を安定
に行える。
の外部からるつぼ3内のアルミを蒸発させるため、広範
囲の圧力下でその蒸発を行え、高圧力下での蒸発を安定
に行える。
【0027】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、α−アル
ミナ膜を低温度、短時間でも形成できるという優れた効
果を奏する。
ミナ膜を低温度、短時間でも形成できるという優れた効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラズマ銃を備えたイオンプレーティング装置
の一例を示す構成図である。
の一例を示す構成図である。
【図2】ブラッグ角と強度との関係を示す図である。
1 真空容器 7 基板(被処理物) 10 プラズマ
Claims (1)
- 【請求項1】 酸素が導入される真空容器内の被処理物
を加熱すると共にアルミニウムを蒸発させ、この蒸発粒
子を被処理物とアルミとの間に発生させたプラズマによ
ってイオン化して被処理物に付着させるアルミナ膜形成
方法において、前記プラズマの中心と被処理物との距離
を 100〜700mm にすると共に、前記プラズマ電子温度を
50000〜160000Kにすることを特徴とするアルミナ膜形
成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP556595A JPH08193262A (ja) | 1995-01-18 | 1995-01-18 | アルミナ膜形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP556595A JPH08193262A (ja) | 1995-01-18 | 1995-01-18 | アルミナ膜形成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08193262A true JPH08193262A (ja) | 1996-07-30 |
Family
ID=11614741
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP556595A Pending JPH08193262A (ja) | 1995-01-18 | 1995-01-18 | アルミナ膜形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08193262A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100731483B1 (ko) * | 2005-04-15 | 2007-06-21 | 삼성에스디아이 주식회사 | 플라즈마 디스플레이 패널 제조설비 |
JP2009155698A (ja) * | 2007-12-27 | 2009-07-16 | Mitsubishi Materials Corp | 成膜方法および装置 |
JP2011089158A (ja) * | 2009-10-21 | 2011-05-06 | Jeol Ltd | 膜形成装置 |
GB2586635A (en) * | 2019-08-30 | 2021-03-03 | Dyson Technology Ltd | Deposition system |
-
1995
- 1995-01-18 JP JP556595A patent/JPH08193262A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100731483B1 (ko) * | 2005-04-15 | 2007-06-21 | 삼성에스디아이 주식회사 | 플라즈마 디스플레이 패널 제조설비 |
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US20220325402A1 (en) * | 2019-08-30 | 2022-10-13 | Dyson Technology Limited | Thermal evaporation plasma deposition |
GB2586635B (en) * | 2019-08-30 | 2024-01-24 | Dyson Technology Ltd | Deposition system |
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