JPH093376A - ジェットインク用熱可塑性ポリマー微粒子及びジェットインク - Google Patents

ジェットインク用熱可塑性ポリマー微粒子及びジェットインク

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JPH093376A
JPH093376A JP15773295A JP15773295A JPH093376A JP H093376 A JPH093376 A JP H093376A JP 15773295 A JP15773295 A JP 15773295A JP 15773295 A JP15773295 A JP 15773295A JP H093376 A JPH093376 A JP H093376A
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fine particles
jet ink
thermoplastic polymer
diol
polymer fine
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JP15773295A
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Tsugio Tomura
次男 戸村
Ichiro Muramatsu
一郎 村松
Mitsuo Kase
光雄 加瀬
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 色材を内包し、平均粒子径が5〜700n
m、最大粒子径が1000nm以下、粒度分布がワイブ
ル確率分布を適用した場合の形状パラメーターm値が
1.3以上で、室温で被膜形成性を有し、かつその被膜
が有機溶剤に不溶であることを特徴とするジェットイン
ク用熱可塑性ポリマー微粒子及び該微粒子を必須の成分
として含んで成るジェットインク。 【効果】 本発明は、耐溶剤性に優れ、かつ柔軟性、撓
み性に優れ、インクジェットのノズルの目詰まりがな
く、優れた印刷被膜が得られる、ジェットインク用熱可
塑性ポリマー微粒子、及びそれを用いたインクジェット
用インクを提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジェットインク用熱可
塑性ポリマー微粒子と、その製造方法、並びに該ジェッ
トインク用ポリマー微粒子を必須の成分として含んで成
るジェットインクインクに関する。
【0002】本発明のジェットインク用ポリマー微粒子
は、線状ポリマーから成る、平均粒子径が5〜700n
mで、かつ最大粒子径が1000nm以下である、色材
を内包した熱可塑性ポリマー微粒子であり、更に粒度分
布がワイブル確率分布を適用した場合の形状パラメータ
ーのm値が1.3以上の形状を有するものである。
【0003】本発明のジェットインク用熱可塑性ポリマ
ー微粒子は、水等の分散媒に対して安定で、室温におい
て被膜形成性を有し、しかもアセトンに対して不溶な膜
を形成するものであり、本発明の熱可塑性ポリマー微粒
子を含んで成るインクは、インクジェット記録方式に最
適な耐溶剤性に優れたインクを与えるものである。
【0004】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、インクの無
駄がなく、用紙に普通紙が使用できるため、経済的であ
り、カラー化が容易で高品位の印刷が得られ、印刷時の
騒音も少ない等幾多の利点を有している。
【0005】しかし、インクジェット記録方式に用いら
れるインクは、基本的に水溶性樹脂を主体とする水性イ
ンクが用いられるため、従来の印刷物は水や汗によって
滲みを生じ、印刷部が不鮮明になり易く、更に摩耗性、
耐久性に劣る等、実用上の欠点を有していた。
【0006】また、従来のジェットインキに用いられる
樹脂及び着色剤等のインキ各成分は、相互に反応するこ
とは無く、単に溶剤の蒸発に伴って被印刷面で硬化し、
印刷被膜を形成するものであった。このため従来のジェ
ットインキによって形成した印刷被膜は、一般に耐溶剤
性が悪く、印刷後、溶剤洗浄等の何らかの溶剤を使用す
る表面処理が必要な印刷物に使用できないという欠点が
あった。
【0007】これらの欠点を改善する方法として既に幾
多の試みがなされている。例えば、特開平6−1165
23号公報では、アミノプラスト樹脂及びグリセリンを
含む熱硬化型ジェット印刷インキが提案されている。し
かしながら、これらのインキは有機溶剤の使用、印刷後
の加熱処理が必要である等の問題が残存し、従来からの
問題点を克服できるものではなかった。
【0008】また、ジェットインク用ポリマー微粒子に
ついては、これまでに下記のような種々の報告がなされ
ている。例えば、 a)特開昭62−95366号公報においては、水不溶
性有機溶媒中にポリマー組成物と有機油溶性染料を溶解
し、得られた溶液に表面活性剤混合物を加え、得られた
混合物の乳化を行い、その後、該混合物から溶媒を蒸発
させ、それによって水性相に懸濁したポリマー粒子を得
る方法、
【0009】b)特開昭58−45272号公報におい
ては、ポリウレタンラテックスに有機溶媒を加え、攪拌
しながら染料を加え、均一に溶解してから溶媒を除去
し、疎水性染料含有水分散体液を得る方法等が開示され
ている。しかしながら、これらは単に熱可塑性ポリマー
微粒子を用いたジェット印刷インクと言うだけであり、
印刷被膜の耐溶剤性を満足するものではなかった。
【0010】また架橋型微粒子であるウレタン系微粒子
の製造方法については、これまでに下記のような種々の
報告がなされている。例えば、 c)特公平3−12563号公報においては、4級アン
モニウム基を含有し、自己分散性を有する末端イソシア
ネート基を有するポリウレタンプレポリマーを多官能ポ
リイソシアネートと併用し、有機溶剤で希釈した状態で
分散、脱溶剤してウレタン系架橋微粒子を水分散体とし
て得る方法や、
【0011】d)特開平3−128912号公報、及び
特開平4−249517号公報においては前記の特許と
同様に自己分散性を有する末端イソシアネート基を有す
るポリウレタンプレポリマーを多官能ポリイソシアネー
トと併用してポリアミンを含む水中に分散し、ウレタン
尿素架橋微粒子の水分散体を得る方法が提案されてい
る。更に改良されたウレタン系架橋微粒子としては、
【0012】e)本発明者らの発明になる、イオン形成
性を有するポリオールとポリイソシアネートをポリアミ
ンを含む水中に分散せしめて得られるウレタン尿素架橋
微粒子が挙げられる。
【0013】なお、ウレタン尿素架橋微粒子なる名称
は、微粒子の製造時における配合組成、製造手順からの
推定構造に基ずくものであるが、最近、本発明者等の比
較的に粒径の大きなウレタン微粒子の構造解析に関する
研究の成果から、上記の推定構造の正しいことが証明さ
れている(Preprints of 5th SPS
J International Polymer C
onference、43頁)。
【0014】上記のa)〜e)に記載したポリウレタン
ポリ尿素系架橋微粒子は、ジェットインク用ポリマー微
粒子として、実用上好ましいものである。しかし、c)
〜e)で得られるポリマー微粒子は、いずれも架橋型ポ
リマー微粒子である為、耐溶剤性には優れるものの、柔
軟性、撓み性等を共によくすることは難しく、こうした
諸性能を発現するためには、微粒子それ自体の組成やイ
ンキの設計面等で極端に制限されることとなり、各種製
品における特徴や個性化などに対処しきれないという欠
点があった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、耐溶剤性に優れ、かつ柔軟性、撓み性に優
れ、インクジェットのノズルの目詰まりがなく、優れた
印刷被膜が得られるジェットインク用熱可塑性ポリマー
微粒子、及びそれを用いたインクジェット用インクを提
供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決する為に鋭意研究を行い、耐溶剤性に優れる熱
可塑性ウレタン系微粒子をインクジェット記録用のイン
クに用いることにより従来の課題が解決されることを見
いだして、本発明を完成するに至った。
【0017】即ち、本発明は、色材を内包し、平均粒子
径が5〜700nm、最大粒子径が1000nm以下、
粒度分布がワイブル確率分布を適用した場合の形状パラ
メーターm値が1.3以上で、室温で被膜形成性を有
し、かつその被膜が有機溶剤に不溶であることを特徴と
するジェットインク用熱可塑性ポリマー微粒子である。
【0018】詳しくは、本発明のジェットインク用熱可
塑性ポリマー微粒子は、室温で被膜形成性を有し、かつ
その被膜が有機溶剤、特にアセトンに不溶であること、
特に熱可塑ポリマ−微粒子が線状ウレタンポリマーから
成るウレタン系微粒子であること、とりわけ、線状ウレ
タンポリマーの数平均分子量が5,000〜100,0
00であり、また該ポリマ−微粒子がイオン対を形成し
得る基を有するウレタン系微粒子であることを特徴とす
る。
【0019】本発明のジェットインク用熱可塑性ポリマ
ー微粒子は、特に、ウレタン系微粒子がイオン対を形成
し得る基を有するジオール(A)と、ジイソシアネート
(B)と、必要に応じてジアミン(C)を反応成分とし
て得られるものである。
【0020】また、本発明のジェットインク用熱可塑性
ポリマー微粒子は、ポリマー微粒子がウレタン系微粒子
であって、かつポリウレタンポリ尿素構造を有するも
の、とりわけ、ウレタン系微粒子がイオン対を形成し得
る基を有するジオール(A)の分子中にカルボキシル基
を有するものであり、特に分子中のカルボキシル基が塩
基で中和された塩であることを特徴とする。
【0021】更に本発明は、これら本発明のインクジェ
ット用熱可塑性ポリマー微粒子を必須の成分として含ん
で成るジェットインクを含むものである。
【0022】以下、本発明の内容を具体的に説明する。
なお、一般にジェットインク、またはインクジェットイ
ンクなる言葉を用いるが、これは、いずれもインクジェ
ット方式による記録、ないし印刷に用いるインクを意味
するものである。日本語では、インクジェット記録用イ
ンク、あるいはインクジェット印刷用インクなる用語等
が用いられているが、英語では、インクジェットインク
(Ink Jet Ink)なる用語が用いられている例が見られ
る。本発明ではこれらを全て、ジェットインクと称す
る。
【0023】インクジェット方式による記録、ないし印
刷は、微細孔であるノズルからジェットインクを噴出さ
せて印字する方式であるため、ジェットインクの固化に
よるノズルの目詰まりは大きな障害となる。特に、ジェ
ットインクを加熱して気泡を生じさせ、その気泡により
押し出されるインクの噴出により印字するサーマルジェ
ット方式では、このような目詰まりを生じ易い。
【0024】本発明のジェットインク用熱可塑性ポリマ
ー微粒子は、一般に用いられているインクジェット方式
による記録、印刷での加熱温度範囲で、実用の範囲で軟
化、変形することにより、ノズルを通過し、このような
加熱による目詰まりを防止することができる。
【0025】本発明で言う熱可塑性とは、熱により軟化
性を示すものを言い、その具体的な物理化学的特性とし
ては、軟化点が挙げられる。即ち、本発明のジェットイ
ンク用熱可塑性ポリマー微粒子としては、40〜250
℃、好ましくは80〜200℃、更に好ましくは80〜
180℃の軟化点を有するものである。
【0026】本発明の熱可塑性ポリマー微粒子は、一般
的に色材を内包するものであり、ここに言う内包の意味
は、基本的に、色材が微粒子中に均一な状態で内包され
ているものを言う。また、有機溶剤に不溶な熱可塑性ポ
リマー微粒子とは、微粒子を構成するポリマー粒子の結
晶性、あるいは、溶解しにくいポリマー組成などに起因
する微粒子であり得るが、好ましくは構造的にウレタン
結合濃度、尿素結合濃度の高い非架橋構造を有するポリ
マー微粒子を意味するものであり、その場合の代表的な
有機溶剤としては、ジェットインクに求められる性能か
ら、一般的にはアセトンを意味する。
【0027】しかし、ジェットインクに用いられる有機
溶剤は必要によっては変えられるものであり、その例と
しては、アセトンとブタノールの併用、あるいはメチル
エチルケトン等を挙げることができる。ここで言う、ア
セトン等の有機溶剤に不溶と判断する基準は、本発明の
微粒子を室温で塗布、乾燥、熟成して得られる被膜を室
温下に該有機溶剤中に一昼夜、浸漬し、不溶分が50%
以上、好ましくは60%以上、更に好ましくは70%以
上であるものを言う。
【0028】本発明のジェットインク用ポリマー微粒子
は、ジェットインクがインクジェットの微細なノズルを
通過して記録に用いられるものであるため、該ポリマー
微粒子の粒度は厳密な管理が必要であり、本発明のジェ
ットインク用熱可塑性ポリマー微粒子の平均粒子径は5
〜700nm、最大粒径が1000nm(1μ)以下の
ものである。
【0029】これらの製造の為には平均粒径、及び最大
粒径の値と粒度分布に関して、厳密な管理が求められ、
必要に応じて微粒子の特別な粒度設定、管理が必要とさ
れると共に、管理基準を任意に設定し、球状で粒度の揃
った微粒子を製造し得ることが重要である。
【0030】本発明におけるポリマー微粒子は通常、そ
の製法からほぼ球状であり粒径も球を基本形状として求
められる。こうした粒子は通常、粒径が不均一な多数の
粒子から構成されているので、平均粒径と粒度分布によ
りその構成を表現する必要がある。
【0031】本発明者らは、既に粒度の数値管理に関す
る最適の方法として、信頼性工学の分野で、従来から広
く用いられているワイブル確率分布の形状パラメーター
のm値で微粒子の粒度分布の数値表現できる方法を確立
している(高分子論文集、Vol.50巻、No.5、
1993年)。
【0032】平均粒径とは、一般に個数平均、長さ平
均、面積平均、体積平均があるが、本発明でいう平均粒
子径とは、通常用いられる体積平均である。またワイブ
ル分布とは、下記の式1で表される。 F(t)=1−exp[−(t/ηm (式1) (式中、F(t)はワイブル分布関数、tは粒径、ηは
尺度母数、mは形状母数である。)
【0033】なお、ワイブル確率分布において粒度分布
を表すm値は、値の高い程、粒度の揃っていること、即
ち、粒度分布のシャープなことを示している。もちろ
ん、ワイブル分布で全ての粒度分布を完全に表現するこ
とはできないので、最大限に近似できた値を用いる。
【0034】本発明の熱可塑性ポリマー微粒子の粒度
は、m値で1.3以上、望ましくは1.5、更に望まし
くは1.8以上の粒度の揃ったものであることが望まし
い。本発明の熱可塑性ポリマー微粒子は、既に記述した
如く、室温で被膜形成性を有し、更に望ましくはは有機
溶剤に不溶なものであり、ジェットインクに求められる
性能の面から、耐用溶剤性の優れたウレタン系の熱可塑
性微粒子が好ましいものであり、更にウレタン系熱可塑
性微粒子にあっては、ウレタン結合、尿素結合を有する
熱可塑性のものが特に好ましいものである。
【0035】上記平均粒子径を有するウレタン系微粒子
の製造方法については、上述したように種々の報告がな
されている。
【0036】なお、ウレタン尿素微粒子なる名称は、微
粒子の製造時における配合組成、製造手順からの推定構
造に基ずくものであるが、最近、本発明者等の比較的に
粒径の大きなウレタン微粒子の構造解析に関する研究の
成果から、上記の推定構造の正しいことが証明されてい
る(Preprints of 5th SPSJIn
ternational Polymer Confe
rence、43頁)。
【0037】本発明のジェトインクにおいて、特に望ま
しいウレタン系熱可塑性微粒子は、平均粒子径が10〜
500nm、最大粒子径が1000nm以下であり、粒
度分布がワイブル確率分布のm値で1.3以上であり、
かつ有機溶剤に対して不溶である熱可塑性ポリマー微粒
子であり、望ましくはウレタン系熱可塑性微粒子であ
る。
【0038】該微粒子の好適なものは、イオン対を形成
し得るジオール(A)と、ジイソシアネート(B)と、
ジアミン(C)を必須の成分として反応して得られる色
材を内包する熱可塑性微粒子である。なお、その際、ウ
レタン系熱可塑性微粒子は、通常、水分散体として得ら
れるものである。
【0039】本発明のジェットインクにおいて、特に望
ましいウレタン系熱可塑性微粒子は、構造的にウレタン
結合及び尿素結合濃度が高いものである。具体的には微
粒子中のポリマー設計に於いて、イオン形成性を有する
ジオールの水酸基に対し、ジイソシアネートの当量をコ
ントロールすること、又は微粒子中のポリマー設計に於
いて、イオン形成性を有するジオールの水酸基とジアミ
ンに於けるアミノ基の当量の総和に対し、ジイソシアネ
ートの当量をコントロールすることで本発明のジェット
インク用熱可塑性ポリマー微粒子を容易に、かつ安定し
て得ることができる。
【0040】本発明に用いられる、イオン対を形成し得
る基を有するジオール(A)は、対イオンとなり得る基
の存在下でイオンを形成して親水性を付与すると共に、
更にジイソシアネートと反応性を有する、水酸基を併せ
持つ数平均分子量300〜10,000を有するジオー
ルである。
【0041】例えば、分子中にカルボキシル基を有し、
該カルボキシル基をアミンやアンモニア等の塩基で中和
することによって塩を形成し得る、数平均分子量300
〜10,000を有するジオールであり、イオンを形成
し得る基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、リ
ン酸エステル基、あるいは三級アミノ基等が挙げられ
る。
【0042】この中にあって、微粒子の種々の性能面で
のバランスが取り易く、操作容易で、好ましいものの一
つとし、カルボキシル基を挙げることができる。即ち、
カルボキシル基を有するポリオールは、アミン等の塩基
で中和して4級化することにより、容易にイオン対を生
成する。カルボキシル基を含有したポリオールは、通
常、公知の方法によって容易に製造できるものである。
それらのうち、特に代表的なものを例示すれば、例え
ば、
【0043】カルボキシル基を有する、ポリウレタンジ
オール、アクリルジオール、ポリエステルジオール、ラ
クトン変性ポリエステルジオール、ポリエステルアミド
ジオール、アルキドジオール、ロジン変性アルキドジオ
ール、フェノール樹脂変性ロジンエステル、ポリエーテ
ルジオール、ポリチオエーテルジオール、ポリカーボネ
ートジオール、ポリアセタールジオール、ポリオレフィ
ンジオール、エポキシ変性ジオール、シリコンジオー
ル、又はフッ素ジオールなどが挙げられる。
【0044】イオン形成性を有するジオール(A)とし
ては、上記の各種ジオールのカルボキシル基の替わり
に、アミノ基を有するジオールも当然のことながら用い
ることが出来る。
【0045】上記のイオン対を形成し得る基を有するジ
オール(A)の代表的なの幾つかのジオールについて、
その原料、製法等に関する説明を付記すると、以下の通
りである。 a)ポリウレタンジオールは、エチレングリコール、
1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、
1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネ
オペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,
4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフ
ェノールA、水添ビスフェノールA、ヒドロキシピバリ
ルヒドロキシピバレート等の2官能のアルコール類、
【0046】ポリプロピレングリコール、ポリルロピレ
ントリオール、ポリテトラメチレングリコール等のポリ
エーテルジオール及び/又は上述した各種ジオール類の
少なくとも1種以上と、後掲するジイソシアネート化合
物(モノマー)及びそれらの化合物化ら誘導されるジイ
ソシアネート類の少なくとも1種以上と、ジメチロール
プロピオン酸等のカルボキシル基を含有したジオール類
とを反応せしめて得られるカルボキシル基を有するジオ
ール等をその例として挙げることができる。
【0047】b)アクリルジオール、例えば、β−ヒド
ロキシエチルメタクリレート、β−ヒドロキシプロピル
メタクリレート、β−ヒドロキシエチルアクリレート、
及びβ−ヒドロキシプロピルアクリレート等の水酸基含
有アクリル単量体と、メタアクリル酸、イタコン酸等の
カルボキシル基含有単量体、更にこれらと共重合可能な
他のアクリル単量体、
【0048】例えば、メチルメタアクリレート、ブチル
メタアクリレート、2ーエチルヘキチルメタアクリレー
ト、エチルアクリレート等、マレイン酸ジブチル、スチ
レン等の共重合せしめた、水酸基とカルボキシル基を分
子中に有するアクリル重合体がアクリルジオールがその
例として挙げられる。なお、上記のカルボン酸基含有ア
クリルポリオールは、その設計により、1分子中に任意
の水酸基を有するものを容易に得ることができる。
【0049】c)ポリエステルジオールは、上掲の如き
各種多価アルコールの1種以上と、多価カルボン酸類と
の共縮合により得られる、分子中にカルボキシル基を残
存せしめたポリエステルジオールであれば良い。ここに
言う多価カルボン酸の代表的としては、以下のものが、
その例として挙げられる。
【0050】即ち、アジピン酸、セバシン酸、アゼライ
ン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ
フタル酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコ酸、イタコ
ン酸、1,2,5−ヘキサトリカルボン酸、1,4−シク
ロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカル
ボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4
−シクロヘキサントリカルボン酸又は2,5,7−ナフタ
レントリカルボン酸などである。
【0051】d)ラクトン変性ポリエステルジオール
は、例えば、その一例として上記a)に記載したポリエ
ステルジオールを用いてε−カプロラクトン、δ−バレ
ロラクトンもしくは3−メチル−δ−バレロラクトンの
如き各種ラクトン類と開環重合によって容易に得られる
ものであり、分子中にカルボキシル基を残存させた形の
ラクトン系ポリエステルジオール類である。
【0052】e)ポリエステルアミドジオールは、アミ
ノアルコール、例えば、エタノールアミンを上掲したポ
リエステルジオールの原料の一つとしてと共縮合させる
ことによって得られる分子中にカルボキシル基を残存さ
せたものが、その例として挙げられる。
【0053】f)アルキドジオールは、例えば、上記、
a)ポリエステルジオールの製造に於いて用いられる2
官能アルコール類の一部に変えて、各種の油脂類とグリ
セリンのエステル交換に依って得られるモノグリセライ
ドを用いることにより、容易に製造できる物である。
【0054】g)ポリエーテルジオールとしては、ポリ
オキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリ
コール、ポリオキシプロピレントリオール、ポリオキシ
テトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレン・オ
キシテトラメチレングリコール共重合体等のポリエーテ
ルグリコール類、
【0055】或いはトリオール類等の少なくとも1種以
上と、後掲する2ないし3官能以上のジイソシアネート
類の少なくとも1種以上と、ジメチロールプロピオン酸
等のカルボキシル基を含有したジオール類とのウレタン
化反応生成物や、上掲したポリエーテルジオール類の少
なくとも1種以上と、多価カルボン酸類との共縮合によ
って得られるものである。
【0056】i)ポリチオエーテルジオールは、チオジ
グリコールと、上掲の多価アルコール類、多価カルボン
酸類とホルムアルデヒド、アミノアルコールもしくはア
ミノカルボン酸と、ジメチロールプロピオン酸等のカル
ボキシル基を含有したジオール類との縮合反応によって
得られる、分子中にカルボキシル基を含有するポリチオ
エーテル類が、その例として挙げられる。
【0057】j)ポリカーボネートジオールは、上掲の
多価アルコール類とジメチロールプロピオン酸等のカル
ボキシル基を含有したのジオール類とをジアリールカー
ボネート、例えばジフェニルカーボネートと反応させる
ことによって得られるカルボキシル基を有するジオール
がその例として挙げられる。
【0058】k)ポリアセタールジオールは、例えば、
グリコール又はヘキサンジオール、或いはトリメチロー
ルプロパン等とジメチロールプロピオン酸等のカルボキ
シル基を含有したのジオール類とをホルムアルデヒドと
反応させることによって製造されるカルボキシル基含有
ジオールがその例として挙げられる。
【0059】l)ポリオレフィンジオールは、例えば、
水酸基を末端に有する2官能のブタジエンプレポリマ
ー、イソプレンプレポリマーに、マレイン酸、或いはイ
タコン酸等を付加せしめることにより、得られる分子中
にカルボキシル基を有するジオールを、その例として挙
げことができる。
【0060】m)エポキシ変性ポリエステルジオールと
しては、ビスフェノールA型エポキシ化合物、水添ビス
フェノールA型エポキシ化合物、一価及び/又は多価ア
ルコールのグリシジルエーテル、あるいは一塩基酸及び
/又は多塩基酸のグリシジルエステルの如き各種のエポ
キシ化合物を、上掲したポリエステルジオールの合成時
に、1種以上併用して得られるジオールである。
【0061】n)シリコ−ンジオールは、分子中にシロ
キシ結合を有するジオールであり、反応性基を有するシ
リコ−ン化合物を、上掲したそれぞれのジオールの原料
の1部として反応させて得られる各種シリコーンジオー
ルが挙げられる。反応性基を有するシリコン化合物とし
て代表的なもののみを示せば、
【0062】水酸基を有するシリコ−ン化合物として
は、X−22−160−AS、X−22−160A、X
−22−160B、X−22−160C等(信越シリコ
ーン株式会社製)や、SH−3746、SF−842
8、SH−3771、BY−16−036、BY−16
−027、BY−16−038(東レ・ダウコーニング
・シリコーン株式会社製)等、
【0063】アミノ基を有するシリコーン化合物として
は、X−22−161AS、X−22−161A、X−
22−161B、X−22−161−C(信越シリコー
ン株式会社製)等や、BY−16−828、BY−16
−850、BY−16−8417、BY−16−84
9、BY−16−872(東レ・ダウコーニング・シリ
コーン株式会社製)等、
【0064】及びグリシジル基を有するシリコーン化合
物としては、X−22−163AS、X−22−163
A、X−22−163B、X−22−163C(信越シ
リコーン株式会社製)や、SF−8413、SF−84
11(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)
等、ビニル基を有するシリコ−ン化合物としては、X−
22−164AS、X−22−164A、X−22−1
64B、X−22−164C(信越シリコーン株式会社
製)等、
【0065】チオール基を有するシリコーン化合物とし
ては、X−22−167AS、X−22−167A、X
−22−167B、X−22−167C(信越シリコー
ン株式会社製)等が挙げられる。3官能以上のシリコー
ンジオールは、上掲された3官能性以上の各種ポリール
の合成時に、上記した各種の反応性を有するシリコーン
化合物を反応させることによって得られる。
【0066】o)フッ素ジオールは、分子中にフッ素原
子を有するジオールであり、例えば、フッ化ビニリデ
ン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチ
レン、ヘキサフルオロプポピレン、(パー)フルオロア
ルキルエーテル(但し、アルキル基の炭素数1〜18)
又はアルキル基がC1〜C18なるパーフルオロアルキル
・トリフルオロビニルエーテルに代表されるフッ素ビニ
ル単量体と、水酸基含有ビニル単量体、カルボキシル基
含有ビニル単量体、及びこれらと共重合可能な他のビニ
ル系単量体を共重合して得られる、分子中にカルボキシ
ル基を含有する多官能のフッ素ジオールが挙げられる。
【0067】本発明においては、上記の各種ジオール
(A)を、単独、もしくは2種以上併用しても良い。ジ
オール(A)の数平均分子量としては、300〜50,
000、好ましくは500〜30,000、更に好まし
くは1,000〜10,000であることが、本発明の
熱可塑性ポリマー微粒子には好適である。
【0068】またジオール(A)は、有機溶剤に溶解さ
れ、希釈された形で、反応に用いられても良い。ジオー
ル(A)に含有されるイオン対を形成し得る基、例えば
カルボキシル基などの酸基の場合には、トリエチルアミ
ン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン等の3級ア
ミンやアンモニア等で中和した塩、即ち、4級アンモニ
ウム塩、即ちイオン対の形で使用される。
【0069】上述の如く、イオン対を形成し得る基はジ
オール(A)中に導入することが出来るものであり、イ
オン形成性基としては、カルボキシル基がその代表であ
り、カルボキシル基を有するジオールの場合、その濃度
は酸価で15〜100、好ましくは20〜60程度が、
安定な微粒子の水分散体を得る上で有効である。該ポリ
オール(A)の酸価が低すぎると本発明の微細な粒度の
微粒子の生成が難しく、酸化が高すぎる場合には微粒子
の耐久性等の性能面で好ましくない。
【0070】ジオール(A)として一般的なものとして
は、、ポリエステルジオール、ポリウレタンジオール、
ヒドロキシル基含有ビニル共重合体等が挙げられるが、
これらのジオールに限定されるものではなく、必要に応
じて、その他のジオールも使用し得るものである。
【0071】一方、ジイソシアネート(B)を構成する
イソシアネート類としては、それら自体が公知であるよ
うなものは、一般に使用しうるが、それらのうちでも特
に代表的なもののみを例示すれば、
【0072】トリレンジイソシアネート、ジフェニルメ
タン−4,4'−ジイソシアネート、キシリレンジイソシ
アネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、p
−フェニレンジイソシアネート、ジベンジルジイソシア
ネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、m−も
しくはp−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、
又はトリフェニルメタントリイソシアネートの如き芳香
族ジ−ないしトリイソシアネートモノマー類や、水添ト
リレンジイソシアネート、
【0073】水添ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシ
アネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、
1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、水添キシリ
レンジイソシアネート、シクロヘキシル−1,4−ジイ
ソシアネート、又はイソホロンジイソシアネートの如き
脂肪族、又は脂環式ジイソシアネートモノマー類などが
挙げられる。本発明には、これらの単独もしくは、2種
以上から構成されるジイソシアネート(B)を単独もし
くは、2種以上の併用してもよい。
【0074】あるいは、これらの各種ジイソシアネート
モノマー類から誘導される2官能のポリイソシアヌレー
ト型ジイソシアネート、アダクト型ジイソシアネート又
はビュ−レット型ジイソシアネートの如き各種のイソシ
アネートプレポリマーを本発明のジイソシアネート
(B)として使用することができる。
【0075】更に、特に望むならば、上掲された如き各
種のイソシアネートモノマー類やジイソシアネート類の
1種以上と、上掲された多価アルコール、ポリウレタン
ジオール、アクリルジオール、ポリエステルジオール、
【0076】ラクトン変性ポリエステルジオール、ポリ
エステルアミドジオール、アルキドポリーオール、ポリ
エーテルジオール、変性ポリエーテルジオール、ポリチ
オエーテルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリ
アセタールジオール、ポリオレフィンジオール、エポキ
シ変性ジオール、
【0077】シリコンジオール、又はフッ素ジオールの
如き各種ポリヒドロキシ化合物の1種以上とをウレタン
化反応させて得られる末端イソシアネート基を有するウ
レタン変性ジイソシアネートプレポリマー類などを、用
いても良く、これらは単独使用で使用するほかに、2種
以上の併用でもよい。
【0078】ジイソシアネート(B)の選択に当たって
は、耐候性や機械的物性などを考慮した場合には、原料
イソシアネートモノマーの種類としては、脂肪族系及び
/又は脂環式系が好ましい。更に、取扱い上の安全性
や、毒性を考慮した場合には、ジイソシアネート(B)
としては、上記のイソシアネートプレポリマーを用いる
のが好ましい。
【0079】ジイソシアネート(B)の数平均分子量
は、性能の優れた熱可塑性微粒子を得る上から、100
〜3,000なる範囲内、好ましくは200〜2,00
0、更に好ましくは400〜1,500なる範囲内にあ
ることが望ましい。
【0080】本発明において使用する好適なジアミン
(C)は、公知慣用のジアミン、ジアミン又はそれらの
混合物であるが、そのうちでも特に代表的なもののみを
挙げれば、1,2−エチレンジアミン、ビス−(3−ア
ミノプロピル)−アミン、ヒドラジン、ヒドラジン−2
−エタノール、ビス−(2−メチルアミノエチル)−メ
チルアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、3−ア
ミノ−1−メチルアミノプロパン、N−ヒドロキシエチ
ルエチレンジアミン、
【0081】N−メチル−ビス−(3−アミノプロピ
ル)−アミン、テトラエチレンジアミン、ヘキサメチレ
ンジアミン、1−アミノエチル−1,2−エチレンジア
ミン、ビス−(N, N’−アミノエチル)−1,2−エ
チレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレ
ンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、フェニレン
ジアミン、トリレンジアミン、イソホロンジアミン、
【0082】キシリレンジアミン、水添キシリレンジア
ミン、4,4’−ジアミノフェニルメタン又は水添4,
4’−ジアミノジフェニルメタン、あるいは、X−22
−161−AS、X−22−161A、X−22−16
1B、X−22−161C(信越シリコーン株式会社
製)や、BY−16−828、BY−16−850、B
Y−16−8417、BY−16−849、BY−16
−872(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社
製)等のシリコーン系ジアミン類、
【0083】更に、ジエチレントリアミンなどのジアミ
ン類に、パーフルオロオクチルクロライドやパーフルオ
ロオクチルスルホライドなどのパーフルオロアルキル化
合物を付加した化合物に代表されるフッ素系ジアミン類
などの、ジアミンモノマーの誘導体などが挙げられる
が、耐候性の観点からは、脂肪族系及び/又は脂環族系
の使用が望ましい。
【0084】本発明の熱可塑性ポリマー微粒子に包含さ
せる色材としては有機溶剤に溶解あるいは微細分散が可
能であれば、染料、顔料のいずれであっても良い。染料
としては、例えば代表的な種類としてはアゾ系染料(黄
色、赤、オレンジ、紫色等)、金属錯塩染料、ナフトー
ル系染料、(バイオレット、青等)、トリアリールメタ
ン系染料(バオレット)、アントオラキノン系染料
(紫、緑、バイオレット、青等)、
【0085】アジン系染料(赤紫)、フタロシアニン
系、金属錯塩モノアゾ染料、ニトロ及びニトロソ染料、
スチルベン染料、ピラゾロン染料、カルボニウム染料、
オキサジン染料、チアジン染料、硫化染料、ピリジン及
びキノリン染料、キノンイミン染料、インジゴ染料、カ
ーボニウム染料、キノリン染料、ベンゾキノン系染料、
ナフタルイミド系染料、ペリノン系染料、インジゴイド
染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン染料、シ
アニン染料等が挙げられる。
【0086】顔料としては、上記性能を満足するものな
らばどのようなものでも使用可能であるが以下に本発明
で用いる顔料の例を色別にして示す。
【0087】黒顔料としてはカーボンブラックが挙げら
れ、ファーネス法、チャンネル法、ランプ法、アセチレ
ン法で製造されたカーボンブラックで、一次粒子径の平
均粒子径が50nm以下のものが挙げられ、これら以外
に新たに製造された顔料であっても使用可能である。他
に松煙、黒鉛(グラファイト)、鉄黒、(アイアンブラ
ック)が挙げられる。
【0088】白顔料の例としては酸化チタン、酸化亜
鉛、塩基性炭酸塩、塩黄性硫酸塩、リン酸(Zn、K,
Al,Na)、モリブデン酸(Zn,Ca)、亜鉛華
(酸化亜鉛)、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、コロイ
ダルシリカ、タルク等が挙げられる。
【0089】黄顔料の例としてはとしては無機顔料とし
て黄鉛、合成酸化鉄黄、透明べんがら(黄)、チタンエ
ロー(Cr,Ni)、亜鉛黄(ジンクロ)、ストロンチ
ウムクロメート、鉛シアナミド、黄色酸化鉄等が挙げら
れる。
【0090】有機顔料としては、モノアゾエロー(C.
I.P.Yellow−1、−3、−97、−11
6)、ポノアゾエロー(C.I.P.Yellow−9
3)、金属錯塩アゾエロー(C.I.P.Yellow
−117)、ベンゾイミダゾロエンエロー(C.I.
P.Yellow−151、−154、−156)、
【0091】イソインドリノンエロー(C.I.P.Y
ellow−109、−139)、イソインドリンエロ
−(C.I.P.Yellow−110)、アンスラピ
リミジンエロ−(C.I.P.Yellow−10
8)、キノフタロンエロ−(C.I.P.Yellow
−138)が挙げられる。
【0092】赤顔料の例としては、無機顔料としてべん
がら、透明べんがら、鉛丹、モリブデートオレンジ、亜
酸化銅、塩基性クロム酸鉛が挙げられる。有機顔料とし
てはモノアゾレッド(C.I.P.Red−3、−5、
−48、−112、−170)モノアゾボルド−(C.
I.P.Red−58)、モノアゾマルーン(C.I.
P.Red−63)、ポリアゾレッド(C.I.P.R
ed−214、−242)キナクリドンマゼンダ(C.
I.P.Red−202)、キナクリドンマルーン
(C.I.P.Red−206)、
【0093】キナクリドンスカーレット(C.I.P.
Red−207)、ピランスロンレッド(C.I.P.
Red−216)、臭素化アンタントロンレッド(C.
I.P.Red−68)、チオインジンゴボルド−
(C.I.P.Red−88)、ペリレンレッド(C.
I.P.Red−190、−224)、ペリレンオレン
ジ(C.I.P.Red−149)、ペリレンマル−ン
(C.I.P.Red−179)、ジケトピロロピロ−
ル(C.I.P.Red−254)、
【0094】レ−キレッド4R(C.I.P.Red−
3)、パーマネントカ−ミンFB(C.I.P.Red
−5)、ブリリアンファストスカーレット、(C.I.
P.Red−22)、ピラゾロンレッド(C.I.P.
Red−38)、ウオッチングレッドBa(C.I.
P.Red−48:1)、ウオッチングレッドCa
(C.I.P.Red−48:2)、ウオッチングレッ
ドSr(C.I.P.Red−48:3)、ウオッチン
グレッドMn(C.I.P.Red−48:4)、リソ
ールレッドBa(C.I.P.Red−49:1)、
【0095】レーキレッドC(C.I.P.Red−5
3:1)、ブリランカ−ミン6B(C.I.P.Red
−57:1)、ボルドー10B(C.I.P.Red−
63:1)、ローダミン6Gレーキ(C.I.P.Re
d−81)、キナクリドンマゼンダ(C.I.P.Re
d−122)、縮合系ゾレッド(C.I.P.Red−
144)、ナフトールASレッド(C.I.P.Red
−146)、イソインドリドンレッド(C.I.P.R
ed−180)が挙げられる。
【0096】青顔料の例としては無機顔料として紺青、
君青、コバルトブル−等が挙げられる。有機顔料として
は銅フタロシアニンブル−(C.I.P.Blue−1
5)、メタルフリ−フタロシアニンブル−(C.I.
P.Blue−16)、インダスロンブル−(C.I.
P.Blue−60)、銅フタロシアニンブル−α型
(C.I.P.Blue−15:1)、銅フタロシアニ
ンブル−β型(C.I.P.Blue−15:3)、銅
フタロシアニンブル−非結晶非凝集β型(C.I.P.
Blue−15:4)、ファ−ストスカイブル−(C.
I.P.Blue−17:1)、アルカリブル−ト−ナ
−(C.I.P.Blue−18)が挙げられる。
【0097】オレンジ顔料の例としてはベンズイミダゾ
ロンオレンジ(C.I.P.Orange−18)、キ
ナクリドンゴールド(C.I.P.Orange−4
9)、ジスアゾオレンジ(C.I.P.Orange−
13)、バルカンオレンジ(C.I.P.Orange
−16)が挙げられる。
【0098】紫顔料の例としてはキナクリドンレッド
(C.I.P.Violet−19、−122)、ジオ
キサジンバイオレット(C.I.P.Violet−2
3)、メチルバイオレットレ−キ(C.I.P.Vio
let−19)、不溶性アゾバイオレット(C.I.
P.Violet−50)が挙げられる。
【0099】緑顔料の例としては無機顔料として酸化ク
ロム、クロムグリーン等が挙げられる。有機顔料として
は金属錯塩グリーン(C.I.P.Green−1
0)、銅フタロシアニングリーン(C.I.P.Gre
en−7)、臭素化銅フタロシアニングリ−ン(C.
I.P.Green−36)が挙げられる。
【0100】本発明のインクジェット用熱可塑性ポリマ
ー微粒子を必須の成分として含んで成るジェットインク
中の染料または顔料の含有量は、染料または顔料がポリ
マー微粒子に0.1〜30重量%含まれるポリマー微粒
子を用いることにより、インク中の該ポリマー微粒子の
含有量が2〜10重量%のものである。
【0101】本発明における好ましいポリマー粒子を得
る為の一般的な手順は、本発明者等の発明になる方法を
挙げることが出来る。即ち、本発明の微粒子、ウレタン
系熱可塑性微粒子は、イオン対を形成し得るジオール
(A)とジイソシアネート(B)から得られたイソシア
ネート基含有プレポリマーを色材と混合後、三級アミ
ン、或いはアンモニアにより中和(四級化)し、これを
速やかにジアミン(C)を含む媒体、通常、水媒体中に
分散、熟成せしめることにより得られる。
【0102】上記イソシアネート基含有プレポリマーを
得る方法においては、ジオール(A)の水酸基における
ジイソシアネート(B)のイソシアネート基当量の比率
が1.1以上、更には1.3以上、更には1.5以上で
あることが好ましい。
【0103】また、ジアミン(C)はイソシアネートプ
レポリマーのイソシアネート基の1当量につき0.2〜
0.9当量、更には0.3〜0.9当量、更には0.4〜
0.9当量添加するのが好ましい。
【0104】このように本発明のジェットインク用ポリ
マー微粒子においては、粒子内部におけるウレタン・尿
素結合濃度を高めることで、従来技術では得られなかっ
た粒子全体の強靱性や耐溶剤性の向上が図られる。
【0105】本発明に於いては、水相中に分散される有
機相に、必要に応じて、非反応性の有機溶剤を添加して
粘度を低下せしめ、水相への分散性を向上せしめること
ができる。使用できる有機溶剤としては、イオン形成性
を有するジオール(A)、ジイソシアネート(B)、有
機金属触媒、及びジアミン(C)と非反応性の溶剤であ
れば良い。
【0106】これらの溶剤としては、例えば、エステ
ル、エーテル、ケトン系、芳香族系又は脂肪族系炭化水
素が適しており、就中、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチ
ルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン、トルエ
ン、キシレン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサ
ン、ジフェニルエーテル、N−メチル−2−ピロリドン
又はミネラルスピリットなどが適している。これらの有
機溶剤は、必要に応じて、微粒子形成中あるいは微粒子
形成後に、加熱や減圧などの処理、溶剤置換等により除
去あるいは置換してもよい。
【0107】有機相が分散される水相は、ノニオン系、
アニオン系、又はカチオン系の各種の界面活性剤や、ポ
リビニルアルコール、ヒドロキシアルキルセルロース、
カルボキシアルキルセルロース、アラビアゴム、ポリア
クリレート、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリド
ン及びエチレン無水マレイン酸共重合体などの各種保護
コロイドから選ばれる1種以上を含有しても差し支えな
いが、特に耐水性等を必要とする場合は、上記界面活性
剤や保護コロイドの使用は好ましくない。
【0108】本発明は、微粒子内部において積極的にウ
レタン化反応させることに特徴を有するものであるが、
公知の如く、ヒドロキシル基とイソシアネート基とのウ
レタン化反応は、特にイソシアネート基が脂肪族あるい
は脂環族系に基ずく場合には、アミノ基との尿素化反応
に比較して反応速度が遅い傾向にある。
【0109】周知の如く、水とイソシアネート基との反
応性はヒドロキシル基との反応性に比較して極めて遅
く、かつジアミンの添加により形成される外壁による隔
離効果により、水分の微粒子内部への浸透は無視できる
処から、反応温度を上げ、時間をかけることによって、
微粒子内部でのウレタン化反応を実施するという本発明
の目的は達成できるが、有機金属触媒の使用が好まし
い。
【0110】本発明に用いられる有機金属触媒は、イソ
シアネート基とヒドロキシル基の反応を促進せしめる公
知慣用のナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、塩化第
一錫、塩化第二錫、テトラ−n−ブチル錫、トリ−n−
ブチル錫アセテート、n−ブチル錫トリクロライド、ト
リメチル錫ハイドロオキサイド、ジメチル錫ジクロライ
ド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレー
ト、オクテン酸錫又はカリウムオレエートの1種以上が
用いられる。
【0111】該有機金属触媒を有機相に対して5〜1
0,000ppm、好ましくは、10〜5,000pp
m、更に好ましくは30〜1,000ppmなる範囲で
添加することにより、極めて短時間に強靱な熱可塑性ポ
リマー微粒子が形成される。
【0112】触媒の添加方法としては、有機相を水相中
に分散せしめる工程とジアミン(C)を添加する工程と
の中間で行うことによりポリウレタンポリ尿素熱可塑性
微粒子分散体を得ることができるが、触媒を水分散化
(微細分散化)に先だって、有機相中に添加せしめるこ
とがより好ましい。
【0113】水分散化(微細分散化)に先だっての該触
媒の有機相への添加は、水相への分散化後に該触媒を添
加するよりも、水の影響が無く、有機相中のイオン形成
性を有するジオール(A)とジイソシアネート(B)と
の混合物に、触媒が均質に分散できることから、微粒子
内部のウレタン化反応が均質となり高品質のポリウレタ
ンポリ尿素熱可塑性微粒子分散体を得るため、より好ま
しい結果を与える。
【0114】ジアミン(C)を添加した後の当該触媒の
添加は、微粒子外壁が形成されつつある状態のために、
当該触媒が粒子内部に取り込まれ難くなり、微粒子内部
のウレタン化反応の促進性が低下する傾向にある処か
ら、あまり好ましくない。本発明のポリマー微粒子に内
包する色材は、記述のように染料、及び顔料の何れも使
用することができる。
【0115】本発明の熱可塑性ポリマー微粒子には、特
に望むならば、色材以外にも芯物質として、様々なもの
を内包せしめることができる。かかる内包用の芯物質
は、有機相中に存在させて、ポリウレタンポリ尿素熱可
塑性微粒子分散体内部に取り込むものであるが、こうし
た芯物質の範囲や種類などは、特に限定されることはな
く、広範囲に及ぶものである。本発明における芯物質の
主たるものは、当然のことながら色材であるが、場合に
よっては、更に香料、磁性物質、発泡剤等を併用しても
良い。
【0116】熱可塑性ポリマー微粒子の設計に際して
は、有機相を構成するイオン対を形成し得る基の種類、
中和度、あるいは分散工程での攪拌速度や反応温度など
の諸条件を適宜選択することにより、ジェットインク用
熱可塑性微粒子のウレタン結合、尿素結合濃度及び粒子
径を自由に設計し調整することができる。
【0117】本発明により得られるポリウレタンポリ尿
素熱可塑性微粒子分散体の平均粒子径は動的光散乱測定
法による測定、例えば、大塚電子株式会社製の粒度分布
計「Photal LAP−3000/3100」で容
易に測定できるものである。本発明のジェットインク用
熱可塑性ポリマー微粒子の平均粒子径は、5〜700n
m、好ましくは、10〜500nmなる範囲内であり、
最大粒子径は1000nm以下、好ましくは800nm
以下で、かつ粒度分布はワイブル確率分布の形状パラメ
ーターm値で1.3以上、好ましくは1.5以上、更に
好ましくは1.8以上のものである。
【0118】平均粒子径が700nmを越えると、イン
クジェットの径内を詰まらせる原因になるために好まし
くない。また、粒子径にばらつきが大きい、即ち、粒度
分布はワイブル確率分布の形状パラメーターのm値が
1.3未満であると、全くジェットインク用ポリマー微
粒子として使用にできないものではないが、インクジェ
ット装置内の詰まりを発生させ易く、また最大粒子径が
1000nmを越えるものが生成しやすく、好ましくな
い。この為、必要に応じて、1μm程度の孔径を有す
る、ろ過膜等で粒子径の大きなポリマー微粒子を除去す
ることもできる。
【0119】本発明のジェットインク用ポリマー微粒子
の最も重要な特徴は、既に述べた如く室温で被膜形成性
を有し、有機溶剤に不溶な点にあり、本発明のジェット
インク用ポリマー微粒子を用いることにより、従来には
見られなかった優れた性能のジェットインクが得られる
ものである。
【0120】インクジェットの方式には、サーマルバブ
ルジェット方式、ピエゾ方式、コンテニュアス方式(連
続型)等があり、それらへ用いるジェットインクとして
は、インクの粘度等、各々の方式に適した配合に変える
必要はあるが、基本的には本発明のジェットインク用熱
可塑性ポリマー微粒子を用いれば、他成分の簡単な配合
の変更により、いずれの方式のインクジェットにも対応
できる。
【0121】本発明のジェットインクは、本発明の色剤
を含包するジェットインク用ポリマー微粒子、主溶剤で
ある水、更に必要に応じて、乾燥防止剤を含有するもの
である。かかる乾燥防止剤は、インクジェットの噴射ノ
ズル口でのインクの乾燥を防止する効果を与えるもので
あり通常の沸点以上の沸点を有するものが使用される。
インクジェット用インクの主溶剤である水は、ノズルの
目詰まりを回避するために、濾過されたイオン交換水以
上のグレードの水を使用することが好ましい。
【0122】このような乾燥防止剤としては、従来から
インクジェット用インクに用いられている溶剤を用いる
ことができ、例えば、具体的にはエチレングリコール、
ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリ
セリン等の多価アルコール類、N−メチル−2−ピロリ
ドン、2−ピロリドン等のピロリドン類、アミド類、ジ
メチルスルホオキサイド、イミダゾリジオン等が挙げら
れるがこれらに限定されるものではない。
【0123】これら乾燥防止剤の使用量は、種類によっ
て異なるが、通常水100重量部に対して1〜150重
量部の範囲から適宜選択される。また、必要に応じてジ
ェット噴射して付着したインクを紙によりよく浸透させ
るために、浸透性付与剤として浸透性付与効果を示す水
溶性有機溶剤を加えても良い。
【0124】かかる浸透性付与剤としてはエタノール、
イソプロピルアルコール等の低級アルコール、ジエチレ
ングリコール−N−ブチルエーテル等のグリコールエー
テル等を用いることができるが、これらに限定されるも
のではない。浸透性付与剤の使用量は、本発明における
効果を達成する範囲であればよく、特に限定されない
が、最終的に得られるジェットインク中で0.1〜10
重量%となるような量が好ましい。
【0125】更に特に望むならば、アクリル酸樹脂・ポ
リビニルアルコール等の水溶性樹脂、炭酸ナトリウム・
水酸化カリウム・N−メチルジエタノールアミン・トリ
エタノールアミン等のアルカリ性のpH調整剤、酢酸・
グリコール酸等の酸性のpH調整剤、分散・消包・紙へ
の浸透のためのアニオン性あるいはノニオン性の界面活
性剤、
【0126】安息香酸Na・デヒドロ酢酸Na・2−ピ
リジンチオール−1−オキサイドNa塩等の防腐・防か
び剤や、エチレンジアミン四酢酸4Na等のキレート剤
等を必要に応じて各種添加剤を加えても良い。これらの
添加剤の添加量は一般に0.01〜数%以内である。
【0127】以下、本発明を参考例、実施例により、一
層、具体的に説明する。以下において、部及び%は特に
断りのない限り、すべて重量基準であるものとする。
【0128】
【実施例】
(参考例1)「クリスボンCMA−654」(大日本イ
ンキ化学工業株式会社製、ポリエステルジオール、水酸
基価75)、水添ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシ
アネート、2,2−ジメチロールプロピオン酸との付加
反応をメチルエチルケトン溶媒中で行い、イソシアネー
ト基含有率4.6%、酸価22(いずれも溶液値)、不
揮発分69%、25℃におけるガードナー粘度がZ2−
Z3なる目的樹脂を得た。これをPI−1とする。
【0129】(参考例2)「プラクセル212」(ダイ
セル化学工業株式会社製、ポリカプロラクトンジオー
ル、水酸基価90)、イソホロンジイソシアネート、
2,2−ジメチロールプロピオン酸との付加反応を酢酸
エチル溶媒中で行い、イソシアネート基含有率5.6
%、酸価が36(いずれも溶液値)、不揮発分80%、
25℃に於けるガードナー粘度がZ6なる目的樹脂を得
た。これをPI−2とする。
【0130】(参考例3)クリスボンCMA−654、
トリレンンジイソシアネート、2,2−ジメチロールプ
ロピオン酸との付加反応をメチルエチルケトン溶媒中で
行い、イソシアネート基含有率4.3%、酸価が29
(いずれも溶液値)、不揮発分60%、25℃における
ガードナー粘度がZ2なる目的樹脂を得た。これをPI
−3とする。
【0131】(参考例4)ポリプロピレングリコール1
000(水酸基価112)、トリレンジイソシアネー
ト、2,2−ジメチロールプロピオン酸との付加反応を
メチルエチルケトン溶媒中で行い、イソシアネート基含
有率5.5%、酸価が36(いずれも溶液値)、不揮発
分60%、25℃におけるガードナー粘度がHなる目的
樹脂を得た。これをPI−4とする。
【0132】(参考例5)ポリエチレングリコール15
00(水酸基価75)、2,2−ジメチロールプロピオ
ン酸、イソホロンジイソシアネートとの付加反応をメチ
ルエチルケトン溶媒中で行い、不揮発分が65%、イソ
シアネート基濃度4.1%、酸価が28(いずれも溶液
値)であった。25℃におけるガードナー粘度がC−D
なる目的樹脂を得た。以下これをPI−5とする。
【0133】(実施例1)PI−1の355部、「SPIL
ON BULACK GMH special」(保土ヶ谷化学株式会社製
黒色染料)55部、トリエチルアミン(TEA)14部
を均一に混合し、有機相を得た。この有機相を、攪拌機
により良く攪拌されている水568部に徐々に投入し
た。この間の水温は40℃に維持した。有機相の投入が
終わってから5分後に80%ヒドラジン8部を加えた。
発熱して、8℃の温度上昇が生じた。
【0134】得られた黒色微粒子分散体は、不揮発分が
26%で、粒度分布計「Photal LAP−300
0/3100」(大塚電子株式会社製;動的光散乱法)
による平均粒子径は136nm、ワイブル確率分布に適
用した場合の形状母数は1.4であった。(以下、平均
粒子径は該粒度分布計にて同様に測定した。)
【0135】(実施例2)PI−2の293部、「SPIL
ON BULACK RLH special」(保土ヶ谷化学株式会社製黒
色染料)60部、トリエチルアミン(TEA)21部を
均一に混合し、有機相を得た。この有機相を、攪拌機に
より良く攪拌されている水619部に徐々に投入した。
この間の水温は40℃に維持した。有機相の投入が終わ
ってから5分後に80%ヒドラジン7部を加えた。発熱
して、6℃の温度上昇が生じた。
【0136】得られた黒色微粒子分散体は、不揮発分が
25%で、平均粒子径は236nm、ワイブル確率分布
に適用した場合の形状母数は1.4であった。
【0137】(実施例3)PI−3の392部、「SPIL
ON BULACK RLH special」(保土ヶ谷化学株式会社製黒
色染料)59部、トリエチルアミン(TEA)21部を
均一に混合し、有機相を得た。この有機相を、攪拌機に
より良く攪拌されている水522部に徐々に投入した。
この間の水温は40℃に維持した。有機相の投入が終わ
ってから5分後に80%ヒドラジン6部を加えた。発熱
して、9℃の温度上昇が生じた。
【0138】得られた黒色微粒子分散体は、不揮発分が
25%で、平均粒子径は185nm、ワイブル確率分布
に適用した場合の形状母数は1.4であった。 (比較例1)
【0139】PI−4の378部、「SPILON BULACK GM
H special」(保土ヶ谷化学株式会社製黒色染料)59
部、トリエチルアミン(TEA)28部を均一に混合
し、有機相を得た。この有機相を、攪拌機により良く攪
拌されている水526部に徐々に投入した。この間の水
温は40℃に維持した。有機相の投入が終わってから5
分後に80%ヒドラジン9部を加えた。発熱して、5℃
の温度上昇が生じた。
【0140】得られた黒色微粒子分散体は、不揮発分が
24%で、平均粒子径は185nm、ワイブル確率分布
に適用した場合の形状母数は1.4であった。
【0141】(比較例2)PI−5の317部、「SPIL
ON BULACK RLH special」(保土ヶ谷化学株式会社製黒
色染料)90部、トリエチルアミン(TEA)17部を
均一に混合し、有機相を得た。この有機相を、攪拌機に
より良く攪拌されている水571部に徐々に投入した。
この間の水温は40℃に維持した。有機相の投入が終わ
ってから5分後に80%ヒドラジン5部を加えた。発熱
して6℃の温度上昇が生じた。
【0142】得られた黒色微粒子分散体は、不揮発分が
25%で、平均粒子径は185nm、ワイブル確率分布
に適用した場合の形状母数は1.4であった。
【0143】実施例1〜3、並びに比較例1及び2で得
られた、それぞれのポリウレタンポリ尿素熱可塑性微粒
子分散体を用いたインクジェット印刷用インク組成物の
評価結果を表1に示す。評価試験項目と各々の試験方法
は以下の通りである。
【0144】各々の黒色微粒子分散体60部にグリセリ
ン20部と水20部とを配合し、攪拌混合した後、孔径
1.0μmのミリポアフィルターを通して評価用のジェ
ットインクを調整した。得られたインクを夫々用いてヒ
ューレット・パッカード社製のプリンター、デイスクジ
ェット560Jによって印字した。
【0145】(耐溶剤性)得られたインクを用いてコー
ト紙に印刷して作成したサンプルの印字部分を、アセト
ンを含んだ綿で1分間浸した後、加重500g/cm2
のラビングテスターで100回こすり、印字被膜の剥離
性有無を確認した。 ○:異常なし、×:印字被膜剥離
【0146】(ゲル分率)得られたインクを20℃で1
週間、60℃で30分間乾燥させ、膜厚約100μmの
乾燥フィルムを2.5×4.0cmにカットした。その
後アセトンに24時間浸漬させ、乾燥後の重量測定より
ゲル分率を算出した。
【0147】(軟化点)ゲル分率の試験に使用したフィ
ルムの軟化点を、環球式自動軟化点測定装置(株式会社
明峰社製作所製)にて測定した。
【0148】
【表1】
【0149】実施例及び比較例の結果から明らかなよう
に、本発明のポリウレタンポリ尿素熱可塑性ポリマー微
粒子の分散体、及びそれを含んだインクは、ポリマー組
成中にウレタン結合濃度、尿素結合濃度を多く含む為、
有機溶剤に不溶の被膜を形成し、従来のポリウレタンポ
リ尿素架橋微粒子から形成される被膜では制限されてい
た被膜の設計技術を大幅に向上させるものであることが
知れる。
【0150】
【発明の効果】本発明は、耐溶剤性に優れ、かつ柔軟
性、撓み性に優れ、インクジェットのノズルの目詰まり
がなく、優れた印刷被膜が得られる、ジェットインク用
熱可塑性ポリマー微粒子、及びそれを用いたインクジェ
ット用インクを提供することができる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 色材を内包し、平均粒子径が5〜700
    nm、最大粒子径が1000nm以下、粒度分布がワイ
    ブル確率分布を適用した場合の形状パラメーターm値が
    1.3以上で、室温で被膜形成性を有し、かつその被膜
    が有機溶剤に不溶であることを特徴とするジェットイン
    ク用熱可塑性ポリマー微粒子。
  2. 【請求項2】 有機溶剤がアセトンであることを特徴と
    する請求項1に記載のジェットインク用熱可塑性ポリマ
    ー微粒子。
  3. 【請求項3】 熱可塑ポリマ−微粒子が線状ウレタンポ
    リマーから成るウレタン系微粒子であることを特徴とす
    る請求項1または2に記載のジェットインク用熱可塑性
    ポリマー微粒子。
  4. 【請求項4】 ポリマ−微粒子がイオン対を形成し得る
    基を有するウレタン系微粒子であることを特徴とする請
    求項3に記載のジェットインク用熱可塑性ポリマー微粒
    子。
  5. 【請求項5】 ウレタン系微粒子がイオン対を形成し得
    る基を有するジオール(A)と、ジイソシアネート
    (B)と、必要に応じてジアミン(C)を反応成分とし
    て得られることを特徴とする請求項3または4に記載の
    ジェットインク用熱可塑性ポリマー微粒子。
  6. 【請求項6】 線状ウレタンポリマーの数平均分子量が
    5,000〜100,000であることを特徴とする請
    求項5記載のジェットインク用熱可塑性ポリマー微粒
    子。
  7. 【請求項7】 ウレタン系微粒子がポリウレタンポリ尿
    素構造を有することを特徴とする請求項6記載のジェッ
    トインク用熱可塑性ポリマー微粒子。
  8. 【請求項8】 ウレタン系微粒子がイオン対を形成し得
    る基を有するジオール(A)の分子中にカルボキシル基
    を有するものであることを特徴とする請求項7記載のジ
    ェットインク用熱可塑性ポリマー微粒子。
  9. 【請求項9】 分子中のカルボキシル基が塩基で中和さ
    れた塩であることを特徴とする、請求項8記載のジェッ
    トインク用熱可塑性ポリマー微粒子。
  10. 【請求項10】 請求項1から9のいずれか一つに記載
    のインクジェット用熱可塑性ポリマー微粒子を必須の成
    分として含んで成るジェットインク。
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