JP2016125008A - インクセット、インクジェット記録装置、印刷物 - Google Patents

インクセット、インクジェット記録装置、印刷物 Download PDF

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Juichi Furukawa
壽一 古川
戸田 直博
Naohiro Toda
直博 戸田
英文 長島
Hidefumi Nagashima
英文 長島
智裕 中川
Tomohiro Nakagawa
智裕 中川
小林 光
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光 小林
正博 木戸
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正博 木戸
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Abstract

【課題】非多孔質基材に対しても密着性に優れ、高光沢の画像が得られると共に、記録物が高い耐擦過性を有するインクセットの提供。
【解決手段】(1)少なくとも色材、有機溶剤、ウレタン樹脂粒子及びブチラール樹脂を含有するインクと、少なくとも有機溶剤及び硬化剤を含む処理液とからなるインクセット。
(2)前記硬化剤が、イソシアネート硬化剤、フェノール樹脂硬化剤、アミン系硬化剤のいずれかである(1)に記載のインクセット。
【選択図】なし

Description

本発明は、基材に対する密着性と画像光沢度の優れたインクセット、該インクセットを用いたインクジェット記録装置、及び印刷物に関する。
近年では、家庭用のみならず、ディスプレイ、ポスター、掲示板などの産業用途にもインクジェット技術が利用されてきている。しかし、産業用途では、多孔質基材を用いると耐光性、耐水性、耐摩耗性のような耐久性に問題があるため、プラスチックフィルムなどの非多孔質基材が用いられており、そのためのインクが開発されている。特に塩化ビニル樹脂フィルムは、その耐久性の高さから、よく用いられている。
このような非多孔質基材用の印刷インクとして、これまでは有機溶剤をビヒクルとする溶剤系インクジェットインクや、重合性モノマーを主成分とする紫外線硬化型インクジェットインクが広く用いられてきた。しかし、溶剤系インクジェットインクは溶剤蒸発による環境への影響が懸念され、紫外線硬化型インクジェットインクは、安全性の面から使用するモノマーが限られる場合があった。
こうした背景もあり、最近では、環境負荷が少なく非多孔質基材に直接印字できる水性インクジェット記録インクが開発されてきている。しかし、これらの水性インクは溶剤系インクジェットインクと比べて画像品質の面で劣る点が幾つか指摘されている。
溶剤系インクは、インク中の溶剤により印字基材を膨潤させながら定着するため、基材に対する密着性に優れる利点があるが、水性インクの場合、最終記録物はインク塗膜が印字基材に乗っているだけとなるため、インク膜の基材密着性に劣ることが多い。
また、非多孔質基材は非常に光沢があるものが多く、印字した際に印字部が非印字部に対して違和感のない光沢でないと、記録物としての一体感が損なわれてしまうため、高光沢が得られるインクが求められている。
溶剤系インクは樹脂が系中に溶解しており、乾燥後に平滑な膜となるため高光沢が得られるが、水性インクは樹脂粒子の融着によりインク膜を形成しているため、溶剤系インクよりも光沢度が低下しやすい。
更に、屋外用途を想定した場合、記録物の耐擦過性についても、屋内向けとは比べものにならない強靭な耐擦過性が求められている。
しかし、水性インクでは溶剤系インクに匹敵する高光沢、密着性、耐擦過性を兼ね備えた十分な性質が得られておらず、より高い性能を要求されているのが現状である。
従来技術として、ウレタン樹脂粒子を含むインクを用いて非多孔質基材に加熱定着させる印刷方法があるが、密着性は高いものの、光沢度は十分とは言い難い。
一方、高光沢な印刷物を作成できるグラビア印刷用インクとして、ポリビニルブチラール、又はポリビニルブチラール鎖を分子中に持つブチラール樹脂を用いたものがある。また、特許文献1には、捺染用水性インクにポリビニルブチラールを含有させることが記載されている。
しかし、ブチラール樹脂を含むインクは、塩化ビニル樹脂に対して密着性が低い欠点を持っている。ブチラール樹脂と塩化ビニル樹脂の相溶性が低いためと考えられる。
また、ブチラール樹脂はウレタン樹脂に対しても相溶性が低く、樹脂が相分離してしまうため、単純にブチラール樹脂とウレタン樹脂を混合したインクで印刷しても、耐擦過性の低い塗膜になってしまう。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、非多孔質基材に対しても密着性に優れ、高光沢の画像が得られると共に、記録物が高い耐擦過性を有するインクセットの提供を目的とする。
上記課題は、次の1)の発明によって解決される。
1) 少なくとも色材、有機溶剤、ウレタン樹脂粒子及びブチラール樹脂を含有するインクと、少なくとも有機溶剤及び硬化剤を含む処理液とからなることを特徴とするインクセット。
本発明によれば、非多孔質基材に対しても密着性に優れ、高光沢の画像が得られると共に、記録物が高い耐擦過性を有するインクセットを提供できる。特に、塩化ビニル樹脂フィルムに対しても、密着性と耐擦過性を満足しつつ高光沢な記録物が得られる。
本発明の連続吐出性評価に用いたインクジェット記録装置の内部構造を示す概略図。
以下、上記本発明1)について詳しく説明するが、本発明1)の実施の形態には、次の2)〜6)も含まれるので、これらについても併せて説明する。
2) 前記硬化剤が、イソシアネート硬化剤、フェノール樹脂硬化剤、アミン系硬化剤のいずれかであることを特徴とする1)に記載のインクセット。
3) 前記アミン系硬化剤が、変性脂肪族ポリアミン硬化剤、変性芳香族ポリアミン硬化剤、変性ポリアミノアミド硬化剤、イミダゾール硬化剤のいずれかであることを特徴とする2)に記載のインクセット。
4) 1)〜3)のいずれかに記載のインクセットを搭載し、基材に対し処理液を先に塗布する処理液塗布ユニットと、処理液を塗布した基材にインクジェット記録方式でインクを塗布するインクジェット印刷ユニットと、該基材上のインク及び処理液を加熱乾燥する加熱ユニットを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
5) 1)〜3)のいずれかに記載のインクセットを搭載し、基材に対しインクジェット記録方式でインクを塗布する手段、及びインクを塗布した基材に処理液を塗布する手段を有するインクジェット印刷ユニットと、該基材上のインク及び処理液を加熱乾燥する加熱ユニットを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
6) 塩化ビニル樹脂からなる基材に、1)〜3)のいずれかに記載のインクセットを用いて記録された記録物。
本発明のインクセットはインクと処理液からなる。
[インク]
本発明のインクセットのインクには、少なくとも色材、有機溶剤、ウレタン樹脂粒子、ブチラール樹脂を配合するが、更に必要に応じて界面活性剤やその他の添加剤を加えてもよい。
上記配合のインクは、ウレタン樹脂粒子のみでは不十分な光沢度をブチラール樹脂で補い、ブチラール樹脂のみでは不十分な密着性をウレタン樹脂粒子で補うことができる。また、ウレタン樹脂粒子とブチラール樹脂は相溶性が悪いため、塗膜の耐久性が低くなるが、後述する処理液に含まれる硬化剤でウレタン樹脂とブチラール樹脂を架橋させることにより、十分な耐久性の塗膜が得られる。
<色材>
インクには少なくとも1種の色材を配合する。色材は顔料及び染料のいずれでもよい。しかし、本発明のインクセットを用いて作製した印刷物は、屋外での掲示を想定しているため、耐候性及び耐光性に優れた顔料が好ましい。
<顔料>
顔料としては無機顔料と有機顔料のいずれを用いてもよい。
無機顔料としては、酸化チタン及び酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加えて、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法等の公知の方法によって製造されたカーボンブラックなどが挙げられる。
有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどが挙げられる。
これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましい。
好ましい顔料の具体例としては、黒色用として、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)等の金属類、酸化チタン等の金属酸化物類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料などが挙げられる。
また、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2〔パーマネントレッド2B(Ca)〕、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、などが挙げられる。
その他に、顔料(例えばカーボン)の表面にスルホン酸基やカルボキシル基等の官能基を付加し、水中に分散可能とした自己分散顔料も使用できる。
また、顔料を樹脂製のマイクロカプセルに包含させて水中に分散可能にしたものも使用できる。これは、顔料粒子を含有させた樹脂粒子ともいえる。この場合、インクに配合される顔料は全て樹脂粒子に封入又は吸着されている必要はなく、本発明の効果を損なわない範囲において、該顔料がインク中に分散していてもよい。
また、分散剤を用いて顔料を分散させる場合には、従来公知の分散剤を適宜使用でき、例えば、高分子分散剤、水溶性界面活性剤などが挙げられる。
顔料の粒径については特に制限は無いが、最大個数換算で最大頻度が20〜150nmの粒径の顔料インクを用いることが好ましい。この範囲であると、インク中の顔料分散安定性が良好となり、優れた吐出安定性が得られる。
インク中の顔料の配合量は、0.1〜10質量%程度が好ましく、より好ましくは1〜10質量%程度である。
一般に顔料濃度が高くなると画像濃度が上がり画質が向上するが、定着性、吐出安定性、目詰まり等の信頼性は低下する。
<有機溶剤>
本発明のインクに配合する有機溶剤は水溶性と油溶性のいずれでもよいが、水溶性有機溶剤は比較的安全性に優れるものが多いので有用である。
(水溶性有機溶剤)
水溶性有機溶剤の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、などが挙げられる。
上記の他に、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等の含窒素化合物;ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物;プロピレンカーボネイト、炭酸エチレン等を配合してもよい。
また、β−アルコキシプロピオンアミドのエクアミドM−100、エクアミドB−100(いずれも出光石油社製)を配合してもよい。
インク中の水溶性有機溶剤の総量は20〜70質量%の範囲が好ましく、30〜60質量%の範囲がより好ましい。総量を20質量%以上とすることにより、インクの乾燥を好適に防止でき、良好な吐出安定性が得られる。また、総量を70質量%以下とすることにより、適切な粘度に保つことができ、良好な吐出性が得られる。
<ウレタン樹脂>
ウレタン樹脂としては特に限定されないが、例えばポリオールとポリイソシアネートを反応させて得られるウレタン樹脂などが挙げられる。
前記ポリオールとしては、例えばポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオールなどが挙げられる。
(ポリエーテルポリオール)
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば活性水素原子を2個以上有する化合物の1種又は2種以上を出発原料として、アルキレンオキサイドを付加重合させたものが挙げられる。
前記出発原料としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。
また、前記アルキレンオキサイドとしては、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
前記ポリエーテルポリオールとしては、非常に優れた耐擦過性を付与できるインクジェット印刷インク用バインダーを得る観点から、ポリオキシテトラメチレングリコールやポリオキシプロピレングリコールが好ましい。
(ポリカーボネートポリオール)
前記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば炭酸エステルとポリオールを反応させて得られるものや、ホスゲンとビスフェノールA等を反応させて得られるものが挙げられる。
前記炭酸エステルとしては、メチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルカーボネート、ジエチルカーボネート、シクロカーボネート、ジフェニルカーボネートなどが挙げられる。
前記炭酸エステルと反応しうるポリオールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノール−A、ビスフェノール−F、4,4′−ビフェノール等の比較的低分子量のジヒドロキシ化合物;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオール;ポリヘキサメチレンアジペート、ポリヘキサメチレンサクシネート、ポリカプロラクトン等のポリエステルポリオールなどが挙げられる。
(ポリエステルポリオール)
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば低分子量のポリオールとポリカルボン酸をエステル化反応させて得られるもの;ε−カプロラクトン等の環状エステル化合物を開環重合させて得られるポリエステル;これらの共重合ポリエステルなどが挙げられる。
前記低分子量のポリオールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコ−ルなどが挙げられる。
前記ポリカルボン酸としては、例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、及びこれらの無水物又はエステル形成性誘導体などが挙げられる。
(ポリイソシアネート)
前記ポリイソシアネートとしては、例えばフェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族又は脂肪族環式構造含有ジイソシアネートなどが挙げられる。これらは単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
また、少なくとも1種の脂環式ジイソシアネートを用いることにより、目的とする塗膜強度を得やすくなる。脂環構造を含むことにより加熱時の硬化収縮を低減でき、ひび割れなどの劣化を防ぐことができる。更に、本発明のインクセットは、ポスターや看板などの屋外向けの用途も視野に入れているので、非常に高い長期耐候性を持つ塗膜を必要としており、この観点からも脂環式ジイソシアネートを用いることが好ましい。特に、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートが好適である。
脂環式ジイソシアネートの配合割合は、全イソシアネート化合物中の60質量%以上が好ましい。
(ウレタン樹脂粒子とその製造方法)
ウレタン樹脂はウレタン樹脂粒子の状態で配合することが好ましい。
ウレタン樹脂粒子は、従来一般的に用いられている製造方法により得ることができる。例えば、まず、無溶剤下又は有機溶剤の存在下で、前記ポリオールと前記ポリイソシアネートを、イソシアネート基が過剰になる当量比で反応させて、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを作製する。次いで、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー中のアニオン性基を必要に応じて中和剤により中和し、その後、鎖延長剤と反応させ、最後に必要に応じて系内の有機溶剤を除去すれば得られる。
使用可能な有機溶剤としては、例えばアセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル類;アセトニトリルなどのニトリル類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドンなどのアミド類などが挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記鎖延長剤としては、ポリアミンやその他の活性水素基含有化合物が挙げられる。
前記ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン等のジアミン類;ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアミン類;ヒドラジン、N,N′−ジメチルヒドラジン、1,6−ヘキサメチレンビスヒドラジン等のヒドラジン類;コハク酸ジヒドラジッド、アジピン酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等のジヒドラジド類などが挙げられる。
前記その他の活性水素基含有化合物としては、例えば、メチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、サッカロース、グリセリン、ソルビトール等のグリコール類;ビスフェノールA、4,4′−ジヒドロキシジフェニル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン等のフェノール類;水などが挙げられる。これらは、インクの保存安定性が低下しない範囲内であれば、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記ウレタン樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、ユーコートUX−485(ポリカーボネート系ウレタン樹脂粒子)、ユーコートUWS−145(ポリエステル系ウレタン樹脂粒子)、パーマリンUA−368T(ポリカーボネート系ウレタン樹脂粒子)、パーマリンUA−200(ポリエーテル系ウレタン樹脂粒子)(いずれも三洋化成工業社製)などが挙げられる。
インク中に2種以上のポリウレタン樹脂を配合してもよいが、その全配合量は、定着性やインク安定性の点から、インク全体の1〜10質量%の範囲が好ましい。更に5〜10質量%の範囲であると、インク層の平滑性がより向上し高い光沢度を得ることができると共に、基材への定着性も向上するので、より好ましい。
<ブチラール樹脂>
ブチラール樹脂はポリビニルアルコールにアルデヒドを反応させた樹脂である。ポリビニルアルコールを完全にブチラール化することはできないため、少量のアセチル基が残っている。この組織の割合と重合度により物理的・化学的性質を異にし、熱的・機械的性質や溶液粘度が左右される。
ブチラール樹脂は分子中に水酸基を有し、接着性、溶剤溶解性、反応性、顔料分散性に優れた樹脂であり、塗料に配合すると接着性、反応性、顔料分散性に優れた性質を示す。用途としては塗料用プライマー、プリント基板用接着剤,セラミックバインダーによく使われている。特に他の樹脂よりもアルカリに対する耐久性が優れ、強酸・強アルカリにも僅かに浸される程度である。溶剤に対する耐久性は、他の樹脂との架橋により改善することができる。本発明ではインクに配合するブチラール樹脂を、処理液に含まれる硬化剤と脱水縮合反応させて架橋させることにより、耐擦過性を持たせる。
また、ブチラール樹脂は熱可塑性・溶剤可溶性の樹脂であるが、分子中の水酸基により架橋性を有する。このため、各種樹脂又は化学物質と相溶し、架橋反応を引き起こすことができる。ブチラール樹脂と熱硬化性樹脂との併用も可能であり、インク又は処理液に熱硬化性樹脂を含有させると、耐熱性、接着性、可撓性のバランスの取れた印刷物が得られる。一般に第二級水酸基と反応する樹脂又は化学試薬は、ブチラール樹脂と反応する。代表的な例として、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート、ジアルデヒドがある。
ブチラール樹脂は積水化学株式会社から、エスレックSVシリーズ、エスレックBシリーズ、エスレックKSシリーズ、エスレックKXシリーズ、エスレックKWシリーズとして市販されている。
ブチラール樹脂を油系のインクに配合する場合の配合量は、インク中の有機溶剤に対して、5〜10質量%程度が好ましい。
水系のインクに配合する場合には、溶剤溶解性の点から特に水/アルコールの混合溶剤によく溶解するエスレックKXシリーズ及びエスレックKWシリーズが望ましい。配合量は水及び水性有機溶剤からなる溶剤に対して、0.5〜10質量%程度が好ましい。
本発明はインクジェットインクを想定しているため、ウレタン樹脂粒子とブチラール樹脂の固形分の合計量は、インク全体の5〜10質量%程度が望ましい。
また、インク中のウレタン樹脂とブチラール樹脂の配合比は、ブチラール樹脂による密着性向上効果を発現させつつ耐擦傷性を十分とするため、ウレタン樹脂の融着をブチラール樹脂が妨げない程度がよい。具体的な目安としては、ブチラール樹脂1質量部に対してウレタン樹脂粒子2〜5質量部程度がよい。
インクの安定性の観点からは、ウレタン樹脂、ブチラール樹脂及びその他の樹脂の総量が、インク全体の10質量%を超えない程度とすることが望ましい。また、樹脂の総量を5質量%以上にすると、樹脂による密着性向上や光沢の付与といった効果が好適に得られる。
<界面活性剤>
本発明のインクには、基材への濡れ性を確保するために界面活性剤を加えてもよい。
インク中の界面活性剤の添加量は、0.1〜5質量%が好ましい。この範囲であると、非多孔質基材への濡れ性が良好で、画像品質が良好となり、また泡立ちが生じず、優れた吐出安定性が得られる。
使用する界面活性剤は特に限定されず、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤などのいずれも使用可能である。しかし、色材の分散安定性と画像品質との関係から、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物等のノニオン系の界面活性剤が望ましい。また、処方によってはフッ素系界面活性剤やシリコーン系界面活性剤を併用したり、単独で使用することも可能である。
<その他の添加剤>
上記以外のインク構成成分としては、必要に応じて防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤、消泡剤などの添加剤を加えてもよい。
防腐防黴剤としては、1、2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウムなどが挙げられる。
防錆剤としては、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニイウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリト−ル、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。
pH調整剤としては、インクに悪影響を及ぼさずにpHを所望の値に調整できるものであれば任意の物質を使用できる。その例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;第4級アンモニウム水酸化物やジエタノールアミン、トリエタノ−ルアミン等のアミン;水酸化アンモニウム、第4級ホスホニウム水酸化物などが挙げられる。
[処理液]
本発明のインクセットの処理液は、少なくとも有機溶剤及び硬化剤を含むが、更に必要に応じて界面活性剤やその他の添加剤を加えてもよい。
<有機溶剤>
処理液に含まれる有機溶剤は、水溶性と油溶性のいずれでもよいが、水溶性有機溶剤は比較的安全性に優れるものが多く有用である。
(水溶性有機溶剤)
水溶性有機溶剤としては、前述したインクの場合と同様のものを使用できる。
処理液中の水溶性有機溶剤の総量は、20〜70質量%の範囲が好ましく、30〜60質量%の範囲がより好ましい。総量を20質量%以上とすることにより、処理液の乾燥を好適に防止でき、良好な吐出安定性が得られる。粘度が高い処理液をローラ塗工方式などにより、先塗り方式又は後塗り方式で塗布することも可能である。また、水溶性有機溶剤の割合が大きくなるとインクの乾燥速度が遅くなりがちである。あまり乾燥速度が遅いと印刷物の巻き取りに支障が生じ、印刷速度を早くできない。また水分量が少なくなりすぎると、消泡剤や防腐剤の溶解性や樹脂粒子の分散性に問題が生じる。そのような観点からおおよそ70質量%以下が適量といえる。水溶性有機溶剤の総量を70質量%以下とすることにより、短時間での乾燥が可能となり、早期に印刷物の巻き取りも可能となり、結果的に印刷速度を早めることが可能となるので好ましい。また、消泡剤や防腐剤の溶解性、樹脂粒子の分散性も良好となり好ましい。
(硬化剤)
処理液は、硬化剤として、インク中のブチラール樹脂及びウレタン樹脂の水酸基と反応する樹脂、又は化学試薬を含む。
処理液中の硬化剤と、インク中のウレタン樹脂及びブチラール樹脂を反応させることにより架橋構造が形成され、塗膜の耐擦過性を高くすることができる。
イソシアネートやフェノール樹脂のような比較的反応温度の高い硬化剤で樹脂を硬化させた場合の塗膜は、より高耐久性になる傾向がある。しかし、硬化剤を反応させる温度が高すぎると、樹脂フィルムのような低温で歪んでしまう基材には印字できない。そこで、塩化ビニル樹脂のような100℃未満の低温で印刷する必要がある基材に対しては、アミン系硬化剤のような100℃未満で硬化反応する硬化剤を含む処理液を用いて対応する。このように、基材に合わせて処理液に採用する硬化剤を選択することが肝要である。
硬化剤は、溶剤への溶解度にもよるが、処理液全体の0.5〜10質量%程度とする。また、インク中のブチラール樹脂の当量の1〜3倍量程度が適量である。
なお、処理液が樹脂を含まない場合には、硬化剤を多量に入れても保存性を損ねない。
(イソシアネート硬化剤)
硬化剤の一つとしてイソシアネートが挙げられる。
イソシアネート硬化剤としては、例えばフェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族又は脂肪族環式構造含有ジイソシアネートなどが挙げられる。これらは単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
(フェノール樹脂硬化剤)
他の硬化剤としてフェノール樹脂硬化剤が挙げられる。
フェノール樹脂硬化剤は、水性の処理液中で安定に存在させるため、樹脂エマルジョンの形態で加えることが望ましい。
フェノール樹脂硬化剤の市販品としては、TD−4304、PE−602(いずれもDIC社製)などが挙げられる。
フェノール樹脂硬化剤を含む処理液を用いたインクセットの硬化温度は、硬化剤にもよるが、90℃〜200℃程度である。
(アミン系硬化剤)
更に他の硬化剤としてアミン系硬化剤が挙げられる。アミン系硬化剤としては、変性脂肪族ポリアミン硬化剤、変性脂環族ポリアミン硬化剤、変性芳香族ポリアミン硬化剤、変性ポリアミノアミド硬化剤、イミダゾール硬化剤などがある。
脂肪族ポリアミンのジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどは常温硬化剤として実用されている。しかし、これらは毒性が強く、皮膚炎や呼吸器障害の原因となるので、他の化合物、例えばエポキシ樹脂、アクリロニトリル、酸化エチレンなどを付加させて末端にアミノ基を持つ付加化合物に変性して用いることも多い。これらの付加物は、毒性や揮発性は低いが、混合してからのポットライフが短く、20〜80分程度である。脂肪族ポリアミンを処理液に含ませる場合は、処理液の保存性の観点から硬化剤と反応性のある樹脂を処理液に含ませてはいけない。
特に処理液を水系とすることにより、安全性の高い処理液が得られる。
水に分散可能な変性ポリアミン硬化剤及び変性ポリアミノアミド硬化剤の市販品としては、次のものが挙げられる。
変性脂肪族ポリアミン硬化剤の例:旭電化工業社製の「アデカハードナーEH−027」、「アデカハードナーEH−220」、「アデカハードナーEH−227」、「アデカハードナーEH−230」、大都産業社製の「ダイトクラールJ−1666」、「ダイトクラールX−1777A」、「ダイトクラールX−2392」、大日本インキ工業社製の「ラッカマイドWH−036−S」、富士化成工業社製の「フジキュア#5420」、三井石油化学工業社製の「エポミックQ−611」、油化シェルエポキシ社製の「エピキュア3012」、「エピキュアXD−358」、大都産業社製の「ダイトクラールI−4036」など
変性脂環族ポリアミン硬化剤の例:大都産業社製の「ダイトクラールX−1321」、富士化成工業社製の「フジキュアFXD−822」など
変性芳香族ポリアミン硬化剤の例:大都産業社製の「ダイトクラールU−4075」、「ダイトクラールI−1199」、「ダイトクラールX−973」、「ダイトクラールX−1301S」、「ダイトクラールX−1942」、「ダイトクラールX−1840」、「ダイトクラールX−2733」、富士化成工業社製の「フジキュア#5001」、「フジキュアE−1604」、三洋化成工業社製の「リアクトCA−101」、「リアクトCA−102EM」、「ケミセーフSHG−1」、「ケミセーフSHG−80」、油化シェル社製の「エポメートN−001」、「エポメートQX−2」、「エポメートB−002W」、「エピキュアー3255」、「エピキュアーSE−11」など
変性ポリアミノアミド硬化剤の例:旭電化工業社製の「アデカハードナーEH−203」、「アデカハードナーEH−204」、「アデカハードナーEH−303」、「アデカハードナーEH−321」、「アデカハードナーEH−331」、「アデカハードナーEHE−360」、富士化成工業社製の「トーマイド#238」、「トーマイド#225ND」、三菱化成社製の「WD11M60」など
上記脂肪族ポリアミン硬化剤、脂環族ポリアミン硬化剤、芳香族ポリアミン硬化剤、ポリアミノアミド硬化剤の何れかを含む処理液を用いたインクセットの硬化温度は、硬化剤にもよるが、50℃〜200℃程度である。比較的高分子量の硬化剤ほど、必要な硬化温度が小さい傾向にある。
イミダゾール硬化剤は第三級アミンと同様にアニオン重合型硬化剤であり、他の硬化剤の硬化促進剤としても用いられている。その特徴は、比較的長い可使時間を持つことと、作業性を改善するために各種誘導体を作製できることである。
水系のイミダゾール硬化剤の市販品としては、2MZ−H、1,2DMZ、2E4MZ、2MZ−CN、2E4MZ−CN(いずれも四国化成社製)がある。他の硬化剤と併用することにより反応性が向上する。
硬化促進剤として用いるときは他の硬化剤の10〜25質量%程度とする。また、単体で硬化剤として用いるときは、インク中のブチラール樹脂100当量に対して3〜10当量程度とする。
イミダゾール硬化剤を含む処理液を用いたインクセットの硬化温度は、硬化剤にもよるが、90℃〜200℃程度である。
<界面活性剤>
処理液にはインクと同様に基材への濡れ性を確保するため界面活性剤を加えてもよい。界面活性剤としては、前述したインクの場合と同様のものを使用できる。
処理液中の界面活性剤の含有量は、0.1〜5質量%が好ましい。0.1質量%以上であると、非多孔質基材への濡れ性が確保できるため、画像品質が向上し、5質量%以下であると、処理液が泡立ちにくくなり、優れた吐出安定性が得られる。
<その他の添加剤>
上記以外の処理液構成成分としては、必要に応じて防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤、消泡剤などの添加剤を用いることができる。
防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤、消泡剤については、前述したインクの場合と同様のものを用いることができる。
処理液は樹脂を含有してもよい。インク中のブチラール樹脂と反応性を有する樹脂として、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ジアルデヒドなどが挙げられる。但し、処理液中の硬化剤と反応して保存性に問題を起こさないように、樹脂の種類や添加量を選択する必要がある。
また、カチオン性の水溶性樹脂を含有させ、インクに配合する顔料をアニオン性にすれば、インクセットの混合時に凝集物が生じ、混合物の粘度を急速に上げることができる。このようなインクセットで印刷した印刷物は、ブリーディングや色境界にじみなどを生じ難くなり、高い印字品質の印刷物が得られる。なお、同様の効果はカチオン性の微粒子を含有させても得られる。
アニオン性顔料と反応性を有するカチオン性樹脂やカチオン性微粒子を処理液に含有させると、特に上質紙などの浸透性基材に印刷する際に、より高画質な印刷物が得られる。
[基材]
本発明のインクセットは、種々の基材に適用できるが、特に非多孔質基材に対して高画像品質な印字ができる点に特徴がある。
好適な非多孔質基材として、塩化ビニル樹脂フィルム(PVCフィルム)、ポロプロピレンフィルム(PPフィルム)、ポリカーボネートフィルムなどのプラスチックフィルムが挙げられるが、その他の非多孔質基材及び普通紙や無機物コート多孔質媒体などの従来用いられてきた多孔質媒体に対しても十分な性能を示す。
[印刷方法]
本発明のインクセットを用いて印字する際には、樹脂を配合したインクと硬化剤を含む処理液を同位置で印字して混ぜ合わせる。印字方法は特に限定されず、インクジェットヘッドによる吐出でもローラ等による塗布でもよい。
処理液をインクジェットヘッドから吐出する場合、先打ちであっても後打ちであってもよい。また、ローラなどを用いて処理液を塗布する場合も、先塗りでも後塗りでもよい。どちらでも印刷物の耐擦過性が高くなる効果がある。先打ち又は先塗りの場合には密着性への寄与が高く、後打ち又は後塗りの場合には耐久性への寄与が大きい。
一層高画質で耐擦過性や接着性の高い画像を得るため、及び高速の印字条件に対応するため、印字後に比較的低温で印字部のインクと処理液の混合液を加熱することが望ましい。加熱により、インク中のブチラール樹脂が硬化剤と反応してウレタン樹脂と架橋反応を起こし、耐擦過性や接着性の高い印刷物が得られる。
加熱には、公知の種々の装置を使用することができる。例えば、強制空気加熱、輻射加熱、伝導加熱、高周波乾燥、マイクロ波乾燥等の装置が挙げられる。これらは1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
加熱温度は、インク中に含まれる水溶性有機溶媒の種類や量及び添加するウレタン樹脂粒子の最低造膜温度、処理液中の硬化剤の反応温度に応じて変更することができ、更に印刷する基材の種類に応じても変更することができる。
加熱温度は、乾燥性や造膜温度の観点から高い方が好ましいが、印刷する基材がダメージを受けたり、インクヘッドまで昇温して不吐出が生じないよう、温度を調節する。
加熱温度範囲は、塩化ビニル樹脂では40℃〜120℃が好ましく、より好ましくは、50〜90℃である。120℃以上で印字する必要があるインクセットの場合には、基材−ヘッド間を十分に遠くするか、又はヘッドキャリッジに冷却装置を併設するなどの対応が可能である。
[インクと処理液を用いる記録装置:先塗り方式]
インクと処理液からなるインクセットを用いるインクジェット記録装置は、例えば特開2011−251436号公報に開示されている。
図1は、本発明の連続吐出性評価に用いた、前記公開公報記載のインクジェット記録装置の内部構造を示す概略図である。なお、図中の記録紙(3)が本発明における基材であり、前処理液が本発明における処理液(但し、インクよりも先に用いた場合)である。
画像記録装置(a)において、給紙トレイ(1)は、圧板(2)と記録紙(3)を給紙する給紙回転体(4)が、ベース(5)に取り付けられた構成である。圧板(2)はベース(5)に取り付けられた回転軸(8)を中心に回転可能であり、圧板ばね(6)により、給紙回転体(4)に付勢される。
この給紙回転体(4)と対向する圧板(2)の部位には、記録紙(3)の重送を防止するため、人工皮等の摩擦係数の大きい材質からなる分離パッド(図示せず)が設けられている。また、圧板(2)と給紙回転体(4)の当接を解除する図示してないリリースカムが設けられている。
上記構成において、待機状態ではリリースカムが圧板(2)を所定位置まで押し下げている。これにより、圧板(2)と給紙回転体(4)の当接は解除される。この状態で搬送ローラ(7)からの駆動力がギアなどにより給紙回転体(4)及びリリースカムに伝達されると、リリースカムが圧板(2)から離れて圧板(2)は上昇し、給紙回転体(4)と記録紙(3)が当接する。
給紙回転体(4)の回転に伴い、記録紙(3)はピックアップされて給紙を開始し、図示してない分離爪によって1枚ずつ分離される。給紙回転体(4)は、搬送ガイド(9)を経由して記録紙(3)をプラテン(10)に送り込むため回転する。
搬送ガイド(9)には図示していない加熱装置が併設してあり、搬送ガイド上を通過する記録紙を印字前に事前に加熱することができる。
プラテン(10)には図示していない加熱装置が併設してあり、プラテン上を通過する基材を加熱することができる。
記録紙(3)は搬送ガイド(9)の間を通過し、搬送ローラ(7)まで導かれ、この搬送ローラ(7)とピンチローラ(11)とにより、プラテン(10)まで搬送される。その後、再び記録紙(3)と給紙回転体(4)との当接を解除した待機状態となって搬送ローラ(7)からの駆動力が切られる。
手差し給紙用の給紙回転体(12)は、手差しトレイ(13)上に搭載された記録紙(3)を、コンピュータの記録命令信号に従って給紙回転体(12)で給紙し、搬送ローラ(7)へ搬送するものである。
プラテン(10)まで搬送された記録紙(3)は、それ自身公知のラインヘッド(14)の下を通過する。
ここで、基材搬送の速度と、液滴吐出のタイミングは、図示してない電気的回路により制御される。そして制御された電気信号により所望の画像が形成される。
また、この装置では、給紙トレイ(1)とラインヘッド(14)の間の記録紙の搬送路の途中に前処理液供給装置(20)が設けられ、前処理液供給装置(20)には、前処理液タンク(20e)の前処理液が、汲上げローラ(20a)、カウンタローラ(20b)、塗布量規制ローラ(20c)を経て供給され、記録紙(3)に付与するための塗布ローラ(20d)が設けられている。
また、この装置のラインヘッド(14)のうち、搬送路の最後列のノズルから処理液を吐出するように処理液の供給路を設け、インクが記録紙に着弾した後に処理液を塗布し、更に熱で硬化剤と樹脂を反応させて硬化させるようにすれば、本発明のインクセットにより、処理液の後打ち方式の記録物を得ることができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
<ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルジョンAの調製>
攪拌機、還流冷却管及び温度計を備えた反応容器に、ポリカーボネートジオール(1,6−ヘキサンジオールとジメチルカーボネートの反応生成物)1500g、2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)220g、及びN−メチルピロリドン1347gを窒素気流下で仕込み、60℃に加熱してDMPAを溶解させた。
次いで、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを1445g、ジブチルスズジラウリレート(触媒)を2.6g加え、90℃まで加熱し、5時間かけてウレタン化反応を行い、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを得た。
次いで、反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン149gを添加し混合したものの中から4340gを抜き出して、強攪拌下、水5400g及びトリエチルアミン15gの混合溶液の中に加えた。
次いで、氷1500gを投入し、35質量%の2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液626gを加えて鎖延長反応を行い、固形分濃度が40質量%となるように溶媒を留去し、ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルジョンAを得た。
得られた樹脂エマルジョンAを、スライドガラス上に膜厚10μmとなるように塗布し、100℃で30分乾燥させて樹脂フィルムを成形した。この樹脂フィルムに対し、微小表面硬度計(FISCHERSCOPE HM2000、フィッシャー社製)を使用し、9.8mNの荷重をかけてビッカース圧子を押し込んだ際のマルテンス硬度は120N/mmであった。
<アクリル樹脂エマルジョンCの調製>
撹拌機、還流コンデンサー、滴下装置、及び温度計を備えた反応容器に、イオン交換水900g及びラウリル硫酸ナトリウム1gを仕込み、撹拌下で窒素置換しながら70℃まで昇温した。
次いで、内温を70℃に保ち、重合開始剤の過硫酸カリウム4gを添加して溶解させた後、予めイオン交換水450gに、ラウリル硫酸ナトリウム3g、アクリルアミド20g、スチレン365g、ブチルアクリレート545g、及びメタクリル酸10gを撹拌しつつ加えて作製した乳化物を、反応溶液内に連続的に4時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間の熟成を行って水性エマルジョンを得た。
この水性エマルジョンを常温まで冷却した後、イオン交換水と水酸化ナトリウム水溶液を添加して、固形分30質量%、pH8に調整し、アクリル樹脂エマルジョンCを得た。
井元製作所製の簡易造膜温度測定装置(MFT)で測定した樹脂エマルジョンCの最低造膜温度は2℃であった。
<ブラック顔料分散液の調製>
下記処方の材料をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製KDL型、メディア:直径0.3mmジルコニアボール使用)で7時間循環分散して、ブラック顔料分散液を得た。
・カーボンブラック顔料(キャボット社製、Monarch800) 15部
・アニオン性界面活性剤(パイオニンA−51−B、竹本油脂社製) 2部
・イオン交換水 83部
<シアン顔料分散液の調製>
顔料をピグメントブルー15:4に変えた点以外は、ブラック顔料分散液の調製と同様にして、シアン顔料分散液を得た。
<マゼンタ顔料分散液の調製>
顔料をピグメントレッド122に変えた点以外は、ブラック顔料分散液の調製と同様にして、マゼンタ顔料分散液を得た。
<イエロー顔料分散液の調製>
顔料をピグメントイエロー74に変えた点以外は、ブラック顔料分散液の調製と同様にして、イエロー顔料分散液を得た。
[インクA〜Oの調製]
表1のインクA〜Oの各欄に示す材料を混合攪拌した後、0.2μmポリプロピレンフィルターで濾過してインクA〜Oを調製した。なお、表1中の数値は「質量%」である。
[処理液A〜Lの調製]
表2の処理液A〜Lの各欄に示す材料を混合攪拌した後、0.2μmポリプロピレンフィルターで濾過して処理液A〜Lを調製した。なお、表2中の数値は「質量%」である。
<実施例1〜23、比較例1〜3>
表3〜表5の実施例1〜23及び比較例1〜3の各欄に示すように、インクと処理液を組み合わせて、実施例1〜23及び比較例1〜3のインクセット1〜26を作製した。
これらのインクセットについて、下記のようにして基材密着性、画像光沢度、耐擦過性、インク保存性、フィルム耐久性を測定し評価した。結果を表3〜表5に示す。
なお、屋外用途への利用を考慮して、基材密着性及び耐擦過性については、一般の紙に印字する場合と比べてかなり厳しい評価基準を採用した。
<基材密着性>
インクをインクジェットプリンター(リコー社製IPSiO GXe5500)に充填し、処理液を先塗りしたPVCフィルム及びPPフィルムからなる基材にベタ画像を印刷し、排紙後、80℃で1時間乾燥させた。
次いで、画像のベタ部に対し、布粘着テープ(ニチバン社製123LW−50)を用いた碁盤目剥離試験により、試験マス目100個の残存マス数をカウントした。
基材密着性は、実用上100であることが好ましいが、90以上であれば、実用可能である。
<画像光沢度>
インクをインクジェットプリンター(リコー社製IPSiO GXe5500)に充填し、処理液を先塗りしたPVCフィルム及びPPフィルムからなる基材にベタ画像を印刷し、排紙後、80℃で1時間乾燥させた。
次いで、画像ベタ部の60°光沢度を光沢度計(BYK Gardener社製、4501)で4回測定し、その平均値を求めた。
画像光沢度は95程度以上であれば、実用可能である。
<耐擦過性>
インクをインクジェットプリンター(リコー社製IPSiO GXe5500)に充填し、処理液を先塗りしたPVCフィルム及びPPフィルムからなる基材にベタ画像を印刷し、排紙後、80℃で1時間乾燥させた。
次いで、乾いた木綿(カナキン3号)を用い、ベタ部を400gの加重をかけて擦過し、下記の基準により耐擦過性を評価した。
〔評価基準〕
A:50回以上擦っても画像が変化しない。
B:50回擦った段階で多少の傷が残るが画像濃度には影響せず、実用上問題ない。
C:21〜50回擦過する間に画像濃度が低下してしまう。
D:20回以下の擦過で画像濃度が低下してしまう。
<インク保存性>
各インクを70℃で2週間加熱した後、粘度を測定し、加熱前の初期粘度に対する粘度変化率により、下記の基準でインク保存性を評価した。粘度は回転式粘度計(東機産業社製 RE80L型粘度計)を用いて測定した。
〔評価基準〕
○:粘度変化率 5%未満
×:粘度変化率 5%以上
<フィルム耐久性>
インクをインクジェットプリンター(リコー社製IPSiO GXe5500)に充填し、処理液を先塗りしたPVCフィルム及びPPフィルムからなる基材にベタ画像を印刷し、排紙後、80℃、120℃、175℃で1時間乾燥させた。
次いで、基材の状態を観察し、下記基準によりフィルム耐久性を評価した。
〔評価基準〕
○:フラット、又はカールするが押し広げればフラットである。
×:歪みを生じて一部縮みが生じ、押し広げて矯正してもフラットにならない部位
が残る。
<実施例24>
インクDと処理液Cのセットをインクジェットプリンター(リコー社製IPSiO GXe5500)に充填し、基材にインクDを着弾させた直後に処理液Cを同じ箇所に着弾させる後打ち方式で、PVCフィルム及びPPフィルムからなる基材に対してベタ画像を印刷し、排紙後に80℃で5分間乾燥させた後、25℃で7日間乾燥させた。
次いで、実施例1〜23の場合と同様にして各特性を測定し評価した。結果を表6に示す。なお、比較のため処理液を先塗りした実施例3の評価結果も併せて示す。
<比較例4>
処理液Cを用いなかった点以外は、実施例24と同様にしてベタ画像を印刷し、乾燥させた。次いで、実施例1〜23の場合と同様にして各特性を測定し評価した。結果を表6に示す。
Figure 2016125008
Figure 2016125008
上記表1〜表2中の符号又は商品名で示した材料の詳細及び製造会社名は、次のとおりである。
・ソフタノールEP−5035:日本触媒社製
・プロキセルLV:アビシア社製
・エスレックKW−1:積水化学社製
・エスレックKW−10:積水化学社製
・A:ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルジョンA
・C:アクリル樹脂エマルジョンC
・エラストロンE−37:第一製薬工業社製
・TD−4304:DIC社製
・アデカハードナーEH−220:ADEKA社製
・アデカハードナーEH−027:ADEKA社製
・アデカハードナーEH−331:ADEKA社製
・ダイトクラールI−4036:大都産業社製
・1,2DMZ:四国化成社製
・エラストロンCAT−21:第一製薬工業社製
なお、この有機鉛化合物の乳化物は触媒として働き、硬化剤の重合反応を促進する
作用がある。
Figure 2016125008
Figure 2016125008
Figure 2016125008
PVCの常用耐熱温度は60℃〜80℃程度のため、表5の実施例18、19、23のように、PVCフィルムに120℃又は175℃で印刷した場合には、PVCフィルムに歪みを生じ、基材密着性、光沢度、耐擦過性を適切に評価できなかった。
同様に、PPの常用耐熱温度は100℃〜140℃程度のため、表5の実施例19のように、PPフィルムに175℃で印刷した場合には、PPフィルムに歪みを生じ、基材密着性、光沢度、耐擦過性を適切に評価できなかった。
上記の理由で評価できなかった箇所を斜線で示した。
更に、表5の実施例19については上質紙に175℃で印刷した場合の結果を示した。
Figure 2016125008
上記表3〜表5の評価結果から分かるように、本発明のインクセットは、全ての項目について優れており、屋外用途にも適合できる。
これに対し、比較例1は、ブチラール樹脂を含まない「インクA」を用いているため、画像光沢度が低く、比較例2は、ウレタン樹脂エマルジョンを含まない「インクO」を用いているため耐擦過性が低く、比較例3は、硬化剤を含まない「処理液L」を用いているため、PVCに対する画像光沢度と耐擦過性、及びPPに対する耐擦過性が低い。
また、比較例4のように、処理液を用いないで印刷した場合には、PVCに対する画像光沢度と耐擦過性、及びPPに対する耐擦過性が低くなってしまう。
a 画像記録装置
1 給紙トレイ
2 圧板
3 記録紙
4 給紙回転体
5 ベース
6 圧板ばね
7 搬送ローラ
8 ベース回転軸
9 搬送ガイド
10 プラテン
11 ピンチローラ
12 手差し給紙用の給紙回転体
13 手差しトレイ
14 ラインヘッド
20 前処理液供給装置
20a 汲上げローラ
20b カウンタローラ
20c 塗布量規制ローラ
20d 塗布ローラ
20e 前処理液タンク
特開2003‐268271号公報

Claims (6)

  1. 少なくとも色材、有機溶剤、ウレタン樹脂粒子及びブチラール樹脂を含有するインクと、少なくとも有機溶剤及び硬化剤を含む処理液とからなることを特徴とするインクセット。
  2. 前記硬化剤が、イソシアネート硬化剤、フェノール樹脂硬化剤、アミン系硬化剤のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のインクセット。
  3. 前記アミン系硬化剤が、変性脂肪族ポリアミン硬化剤、変性芳香族ポリアミン硬化剤、変性ポリアミノアミド硬化剤、イミダゾール硬化剤のいずれかであることを特徴とする請求項2に記載のインクセット。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のインクセットを搭載し、基材に対し処理液を先に塗布する処理液塗布ユニットと、処理液を塗布した基材に、インクジェット記録方式でインクを塗布するインクジェット印刷ユニットと、該基材上のインク及び処理液を加熱乾燥する加熱ユニットを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載のインクセットを搭載し、基材に対しインクジェット記録方式でインクを塗布する手段、及びインクを塗布した基材に処理液を塗布する手段を有するインクジェット印刷ユニットと、該基材上のインク及び処理液を加熱乾燥する加熱ユニットを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  6. 塩化ビニル樹脂からなる基材に、請求項1〜3のいずれかに記載のインクセットを用いて記録された記録物。
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