JPH09321347A - 熱電変換材料、及び、その製造方法 - Google Patents

熱電変換材料、及び、その製造方法

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JPH09321347A
JPH09321347A JP8136083A JP13608396A JPH09321347A JP H09321347 A JPH09321347 A JP H09321347A JP 8136083 A JP8136083 A JP 8136083A JP 13608396 A JP13608396 A JP 13608396A JP H09321347 A JPH09321347 A JP H09321347A
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Japan
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thermoelectric conversion
conversion material
alloy
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group
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JP8136083A
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Keiichi Yamazaki
圭一 山崎
Hiroyoshi Yoda
浩好 余田
Noboru Hashimoto
登 橋本
Takusane Ueda
卓実 上田
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比抵抗ρを増加させずに、熱伝導率κを低下
させ、性能指数Zを改善する熱電変換材料及びその製造
方法を提供する。 【解決手段】 熱電変換材料は、Bi、Te、Se、S
b元素からなる群より選択される少なくとも二種類以上
の元素を基本組成とする合金の焼結体中に、Al、M
o、W元素からなる群より選択される少なくとも一種以
上の金属粒子を含有すると共に、金属粒子の含有量が全
量に対して0.1〜20容量%の範囲で、平均粒径が5
μm以下である。製造方法は、Bi、Te、Se、Sb
元素からなる群より選択される少なくとも二種類以上の
元素を基本組成とする合金粉末と、平均粒径が5μm以
下で、全量に対して0.1〜20容量%のAl、Mo、
W元素からなる群より選択される少なくとも一種以上の
金属との混合粉末を成形し、この成形体を不活性ガス雰
囲気中で焼成する。これにより、電気良導体で、且つ、
上記合金とは反応しない金属粒子を合金の焼結体中に分
散させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はペルチェ効果を利用
した熱電変換材料及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】上記熱電変換材料の性能を表す指数と
し、ゼーベック係数α、熱伝導率κ及び比抵抗ρにより
導かれる性能指数Zが知られている。その算出は次のと
おりである。
【0003】Z=α2 /(ρ・κ) この熱電変換材料の性能指数Zを良好とするには、ゼー
ベック係数αが高く、熱伝導率κ及び比抵抗ρを共に小
さくすることが必要である。
【0004】従来、Bi、Te、Se及びSb元素から
なる群より選択された少なくとも二種類以上の元素を基
本組成とする合金に適当なドーパントを添加したP型あ
るいはN型熱電変換材料は、原料を溶融させた後、一方
向性凝固させることにより作製されていた。しかし、こ
れら溶製の材料は高い性能指数Zを示すものの、c面で
へき開が大きいため機械的強度が低く、加工時の割れや
チッピングによる材料ロスが多いという問題点を有して
いた。また、上記溶融法によって作製されたP型及びN
型素子を交互に2枚の絶縁層間に並べて電気的に直列に
接続した熱電変換モジュールは、材料の機械的強度の低
さゆえに、長期使用における信頼性に乏しいという欠点
があった。
【0005】そこで、近年ではBi、Te、Se、ある
いはSb粉末を所定量秤量した混合粉末を溶解後急冷す
ることによって得られたインゴットを粉砕した後、ホッ
トプレス法や熱間静水圧プレス(HIP)等の加圧焼結
法で作製した焼結材料が用いられている。この焼結材料
は強度は高くなるものの、溶製の材料に比べ性能指数Z
は低いため、性能指数Zの向上が望まれている。例え
ば、特開平6−302866号公報には、熱伝導率κを
低下させて性能指数Zの向上と同時に機械強度の増加を
目的として、上記焼結材料中に、セラミックスの粒子あ
るいはウイスカ−を含有した熱電変換材料が開示されて
いる。上記セラミックスは電気絶縁体であるために、キ
ャリア移動度μの減少で比抵抗ρが増大する恐れがあ
る。そのため、熱伝導率κの低下より比抵抗ρの増加が
上回る場合、性能指数Zを逆に低下させる恐れがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事実に鑑
みてなされたもので、その目的とするところは、比抵抗
ρを増加させることなしに、熱伝導率κを低下させるこ
とにより、性能指数Zを改善する熱電変換材料、及び、
その製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
熱電変換材料は、Bi、Te、Se及びSb元素からな
る群より選択される少なくとも二種類以上の元素を基本
組成とする合金の焼結体中に、Al、Mo、及び、W元
素からなる群より選択される少なくとも一種以上の金属
粒子を含有すると共に、上記金属粒子は含有量が、熱電
変換材料の全量に対して0.1〜20容量%の範囲であ
り、その平均粒径が5μm以下であることを特徴とす
る。
【0008】本発明の請求項2に係る熱電変換材料は、
請求項1記載の熱電変換材料において、上記Al、M
o、及び、W元素からなる群より選択される少なくとも
一種以上の金属粒子の一部が、上記Bi、Te、Se及
びSb元素からなる群より選択される少なくとも二種類
以上の元素を基本組成とする合金の焼結体の結晶粒子内
に存在することを特徴とする。
【0009】本発明の請求項3に係る熱電変換材料の製
造方法は、Bi、Te、Se及びSb元素からなる群よ
り選択される少なくとも二種類以上の元素を基本組成と
する合金粉末と、平均粒径が5μm以下で、全量に対し
て0.1〜20容量%のAl、Mo、及び、W元素から
なる群より選択される少なくとも一種以上の金属との混
合粉末を成形し、得られた成形体を不活性ガス雰囲気中
で焼成することを特徴とする。上記方法によると、電気
良導体で、且つ、上記合金とは反応しない上記金属の粒
子を合金の焼結体中に分散させることができるため、比
抵抗ρの増加をほとんど引き起こさず、且つ、熱伝導率
κを低下させることができる。
【0010】本発明の請求項4に係る熱電変換材料の製
造方法は、請求項3記載の熱電変換材料の製造方法にお
いて、上記混合粉末が、上記合金粉末と金属とを不活性
雰囲気中でメカニカルグラインディングしたものである
ことを特徴とする。上記方法により、合金中に上記金属
粒子がより均一に分散する。
【0011】本発明の請求項5に係る熱電変換材料の製
造方法は、請求項3又は請求項4記載の熱電変換材料の
製造方法において、上記混合粉末あるいは成形体の状態
で、真空中あるいは還元雰囲気中で、300〜450℃
の範囲で熱処理をした後に、得られる成形体を不活性ガ
ス雰囲気中で焼成することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明の熱電変換材料は、P型半導体素子
とN型半導体素子とを交互に2枚の絶縁層の間に並べて
銅電極等の電極により電気的に直列に接続したペルチエ
素子群に直流電圧を印加することによって、いわゆるペ
ルチェ効果で一方の絶縁層が発熱されるとともに、他方
の絶縁層が吸熱される熱電変換モジュールに用いられる
P型半導体素子又はN型半導体素子である熱電変換素子
が得られる材料である。
【0014】本発明の熱電変換材料は、Bi(ビスマ
ス)、Te(テルル)、Se(セレン)及びSb(アン
チモン)元素からなる群より選択される少なくとも二種
類以上の元素を基本組成とする合金の焼結体中に、Al
(アルミニウム)、Mo(モリブデン)、及び、W(タ
ングステン)元素からなる群より選択される少なくとも
一種以上の金属粒子を含有する。
【0015】上記合金は母材となるものであり、この合
金としては、例えば、Bi−Te合金、Bi−Sb合
金、Bi−Te−Sb合金、Bi−Te−Se合金又は
Bi−Te−Sb−Se合金等を用いることができる
が、上記組み合わせに限定される物ではない。上記合金
相は、それを構成する元素の組成比を変化させたり、あ
るいは臭素やヨウ素等の適切なドーパントを固溶させる
ことにより、N型熱電半導体又はP型熱電半導体として
扱うことができる。具体的には、P型半導体素子ではB
0.4 Te3 Sb1.6 、N型半導体素子ではBi2 Te
2.55Sb0.45等が挙げられるが、この限りでないことは
言うまでもない。また、上記Bi、Te、Se及びSb
元素からなる群より選択された少なくとも2種類以上の
元素を含有する合金には、ヨウ化アンチモン、臭化水銀
等のドーパントを固溶していても構わない。
【0016】本発明の熱電変換材料においては、上記金
属粒子はその含有量が、熱電変換材料の全量に対して
0.1〜20容量%の範囲であり、その平均粒径が5μ
m以下である。上記金属粒子は分散相となるものであ
り、母材の合金とは反応せずに、母材の粒界及び粒内に
粒子として存在する。従って、上記金属粒子は母材とな
る合金の焼結体の結晶粒子内に均一、且つ、微細に分散
している構造が好ましい。熱電変換材料がこのような微
構造であると、母材の結晶粒内に一部が存在する金属粒
子、あるいは母材の粒界及び粒内に存在する金属粒子に
よって形成された母材の結晶格子の歪み場は、フォノン
の散乱中心として機能するため、母材となる合金の格子
による熱伝導率成分κphを減少させることができる。さ
らに、上記Al、Mo、及び、W等は電気良導体である
ため、キャリア移動度の低下、すなわち比抵抗ρの増加
をほとんど引き起こさない。上記二つの機能を効率的に
発現するためには、上記金属粒子の平均粒径は微細な程
好ましく、平均粒径は5μm以下に限定される。
【0017】上記Al、Mo、及び、W元素からなる群
より選択される少なくとも一種以上の金属粒子の含有量
は、熱電変換材料の全量に対して0.1〜20容量%の
範囲に制限され、好ましくは1〜10容量%である。上
記金属粒子の含有量が0.1容量%未満であると、フォ
ノンが効果的に散乱されないため、熱伝導率がほとんど
低下せず、含有量が20容量%を超えると、焼結体中の
母材となる合金の割合が減少するため、性能指数Zが低
下する。
【0018】上述の如く、本発明の熱電変換材料は合金
の焼結体中に、上記金属粒子が分散しているため、比抵
抗ρを増加させずに熱伝導率κを低下することができ
る。その結果、本発明の熱電変換材料の性能指数Zが良
好となる。
【0019】次に、本発明の熱電変換材料の製造方法に
ついて、説明する。本発明の製造方法は、Bi、Te、
Se及びSb元素からなる群より選択される少なくとも
二種類以上の元素を基本組成とする合金粉末に、Al、
Mo、及び、W元素からなる群より選択される少なくと
も一種以上からなる金属を混合した混合粉末を用いる。
上記金属は平均粒径が5μm以下であり、混合量は全量
に対して0.1〜20容量%の範囲に制限される。その
後、この混合粉末を成形し、得られた成形体をアルゴン
や窒素等の不活性ガス雰囲気中で焼成する。
【0020】上記混合粉末を調製する方法は、上記合金
と金属粉末を所定量配合したものを乾式で混合する方
法、エタノール、ヘキサン等の溶媒中で湿式で粉砕、混
合を行う方法、あるいは、上記合金の粉末の表面、また
は、合金の粉末を造粒した顆粒表面に、Al、Mo、及
び、W元素からなる群より選択される少なくとも一種以
上の金属をPVD法等によりコーティングする方法が挙
げられる。なかでも、アルゴン、窒素等の不活性雰囲気
中でメカニカルグラインディングし、母材となる合金と
分散相となる金属粒子を均一に、且つ微細に粉砕し、混
合する方法が好ましい。上記メカニカルグラインディン
グするには、回転ボール、遊星ボールミル、振動ミル、
転動ミル、アトリッションミル等を用いればよい。上記
メカニカルグラインディングすると、焼成中に、母材合
金の粒成長過程中に、あるいは、金属粒子の母材合金中
への固溶−析出機構が作用する際に、母材合金の結晶粒
子内に金属粒子を、微細に且つ均一に分散させることが
できる。
【0021】上記混合粉末中のAl、Mo、及び、W元
素からなる群より選択される少なくとも一種以上の金属
の混合量は、全量に対して0.1〜20容量%の範囲に
制限される。好ましくは1〜10容量%である。上記金
属の混合量が0.1容量%未満であると、作製した熱電
変換材料の熱伝導率がほとんど低下せず、混合量が20
容量%を超えると、作製した熱電変換材料の性能指数Z
が低下する。
【0022】上記金属の平均粒径は微細な程好ましく、
5μm以下に制限され、最小値に関しては特に限定され
ない。金属の粒径が上記範囲であると、金属粒子は母材
合金の結晶粒子内に分散され易く、熱伝導率成分κph
減少させる。金属の平均粒径が5μmを超えて大きくな
ると、焼結性の阻害と共に、キャリアが散乱され易く、
移動度の低下、すなわち比抵抗の増大を招き易い。
【0023】このようにして得られた混合粉末を成形
し、得られた成形体を不活性ガス雰囲気中で焼成し、緻
密な焼結体を得る。上記成形としては、例えば、乾式プ
レス成形、鋳込み成形、射出成形、あるいは有機バイン
ダーや溶剤を混練してペースト化し、このペーストを印
刷法、押し出し法、あるいはドクターブレード法等によ
り成形し、必要に応じて脱バインダー処理を施す。上記
焼結方法として、常圧焼結法が複雑形状の焼結体を作製
しやすいといった面やコスト面において、最も実用的で
あるため好ましいが、他の方法、例えば、真空焼結、ガ
ス圧焼結、ホットプレス焼結、プラズマ焼結、熱間静水
圧プレス(HIP)、又はあらかじめ常圧焼結等により
開気孔の少ない予備焼結体を作製し、これをHIP処理
する方法等も適用できる。また、焼結の雰囲気は、酸化
による熱電特性の低下を防ぐために、アルゴンや窒素の
ような、不活性ガス雰囲気で行う。なお、上記成形体を
不活性ガス雰囲気中で焼成せずに、大気中や酸化性雰囲
気中で焼成すると、母材となる合金、及び、金属粒子が
酸化し、性能指数Zが低下する。
【0024】さらに、上記焼成の前に、混合粉末あるい
は混合粉末の成形体の状態で、真空中あるいは水素等の
還元雰囲気中で、300〜450℃の範囲で熱処理をす
ることが好ましい。一般に、粉体の表面には酸素や水分
が吸着しており、この吸着物は焼結の際に、母材合金中
に固溶し、電子のドナーとして作用するためキャリア濃
度の変動をもたらす。その結果、最適なキャリア濃度が
シフトし、性能指数Zを低下させる要因となる。従っ
て、上記熱処理をすることにより、混合粉末あるいは混
合粉末の成形体の表面に吸着している酸素や水分を除去
するので、性能指数Zを向上させることができる。熱処
理の温度が300℃未満であると吸着物を除去する効果
が少なく、温度が450℃を超えると母材合金を構成す
る元素、あるいは、ドーパントが蒸発し、組成の変動を
生じてしまう。
【0025】上述の如く、電気良導体で、且つ、上記合
金とは反応しない上記金属粒子を母材合金中に分散させ
ることができるので、比抵抗ρは増加せずに熱伝導率κ
を低下させることができる。その結果、性能指数Zの高
い熱電変換材料が得られる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例を挙げる。
【0027】(実施例1〜4及び比較例1〜2)微量の
ヨウ化アンチモン(SbI3 )等をドープしたN型−B
2 Te2.55Se0.45の組成を有する合金のインゴット
を数十μm程度に予備粉砕した粉末に、表1に示す量の
Mo(平均粒径0.6μm)を添加し、n−ヘキサン中
でジルコニアボールを用いて、湿式ボールミルにより合
金の粒径が数μm程度になるまで混合、粉砕し、混合粉
末とした。この混合粉末をφ20mm×20mmの大き
さに仮成形し、147MPaの圧力でCIP成形を行っ
た。以上の作業はアルゴンガス雰囲気中にて行った。得
られた成形体をアルゴンガス雰囲気下、510℃で10
時間焼成し、焼結体である熱電変換材料を得た。
【0028】得られた熱電変換材料のゼーベック係数
α、比抵抗ρ、熱伝導率κを測定し、これらの値から性
能指数Z=α2 /( ρ・ κ) を算出した。なお、ゼーベ
ック係数αは室温20℃で試料の一端を20℃に、他端
を30℃にして両端温度差を10℃にしたときに両端に
発生した起電力を測定することにより求めた。比抵抗ρ
は四端子法、熱伝導率κはレーザーフラッシュ法にて測
定した。また、アルキメデス法による相対密度測定を行
った。以上の結果を表1に示した。
【0029】さらに、実施例1〜4の焼結体は、SEM
(走査型電子顕微鏡)及びTEM(透過型電子顕微鏡)
による観察の結果、一部のMo粒子がBi2 Te2.55
0. 45の結晶粒内に存在していることが確認された。さ
らに、X線回折の結果、Bi 2 Te2.55Se0.45とMo
が明確に反応した反応相は認められなかった。
【0030】
【表1】
【0031】(実施例5及び比較例3)微量のSe等を
ドープしたP型−Bi0.4 Sb1.6 Te3 の組成を有す
る合金のインゴットを数十μm程度に予備粉砕した粉末
に、表2に示す平均粒径のAlを5容量%添加し、n−
ヘキサン中でジルコニアボールを用いて、湿式ボールミ
ルにより合金の粒径が数μm程度になるまで混合、粉砕
し、混合粉末とした。この混合粉末をφ20mm×20
mmの大きさに仮成形し、147MPaの圧力でCIP
成形を行った。以上の作業はアルゴンガス雰囲気中にて
行った。得られた成形体をアルゴンガス雰囲気下、45
0℃で10時間焼成し、焼結体である熱電変換材料を得
た。
【0032】得られた熱電変換材料は、実施例1と同様
にしてゼーベック係数α、比抵抗ρ、熱伝導率κを測定
し、これらの値から性能指数Zを算出した。結果を表2
に示した。
【0033】
【表2】
【0034】(実施例6)微量のヨウ化アンチモン(S
bI3 )等をドープしたN型−Bi2 Te2.55Se0.45
の組成を有する合金のインゴットを100μm程度に予
備粉砕した粉末に、5容量%のMo(平均粒径0.6μ
m)を添加し、ジルコニアポット及びジルコニアボール
を用いて、遊星ボールミルによりメカニカルグラインデ
ィングし、混合粉末とした。この混合粉末を用いた以外
は実施例1と同様にして、焼結体である熱電変換材料を
得た。
【0035】得られた熱電変換材料は、実施例1と同様
にしてゼーベック係数α、比抵抗ρ、熱伝導率κを測定
し、これらの値から性能指数Zを算出した。結果を表3
に示した。
【0036】さらに、SEM及びTEMによる観察の結
果、実施例2で得られた焼結体よりも多くのMo粒子が
Bi2 Te2.55Se0.45の結晶粒内に存在していること
が確認された。さらに、X線回折の結果、Bi2 Te
2.55Se0.45とMoが明確に反応した反応相は認められ
なかった。
【0037】(実施例7)実施例6と同様にして混合粉
末を作製し、成形を行い成形体を得た。この成形体を水
素濃度20%の水素/アルゴン混合ガス雰囲気下、35
0℃で5時間熱処理した後に、雰囲気をアルゴンガスに
変更し、冷却はせずに510℃で10時間焼成し、焼結
体である熱電変換材料を得た。
【0038】得られた熱電変換材料は、実施例1と同様
にしてゼーベック係数α、比抵抗ρ、熱伝導率κを測定
し、これらの値から性能指数Zを算出した。結果を表3
に示した。
【0039】(実施例8)微量のヨウ化アンチモン(S
bI3 )等をドープしたN型−Bi2 Te2.55Se0.45
の組成を有する合金のインゴットを100μm程度に予
備粉砕した粉末に、10容量%のW(平均粒径0.6μ
m)を添加し、ジルコニアポット及びジルコニアボール
を用いて、遊星ボールミルによりメカニカルグラインデ
ィングし、混合粉末とした。この混合粉末をφ20mm
×20mmの大きさに仮成形し、147MPaの圧力で
CIP成形を行った。以上の作業はアルゴンガス雰囲気
中にて行った。得られた成形体を、真空中、350℃、
5時間の条件で熱処理した後に、雰囲気をアルゴンガス
に変更し、冷却はせずに510℃で10時間焼成し、焼
結体である熱電変換材料を得た。
【0040】得られた熱電変換材料は、実施例1と同様
にしてゼーベック係数α、比抵抗ρ、熱伝導率κを測定
し、これらの値から性能指数Zを算出した。結果を表3
に示した。
【0041】
【表3】
【0042】
【発明の効果】本発明の請求項1または請求項2に係る
熱電変換材料は、合金の焼結体中に分散している金属粒
子が電気良導体であり、含有量が全量に対して0.1〜
20容量%、平均粒径が5μm以下であるので、比抵抗
ρを増加させずに熱伝導率κを低下することができる。
その結果、熱電変換材料の性能指数Zに優れる。
【0043】本発明の請求項3に係る熱電変換材料の製
造方法によると、電気良導体で、且つ、上記合金とは反
応しない上記金属粒子を合金の焼結体中に分散させるこ
とができるため、比抵抗ρの増加をほとんど引き起こさ
ず、且つ、熱伝導率κを低下させることができる。その
結果、性能指数Zの高い熱電変換材料が得られる。
【0044】さらに、本発明の請求項4に係る熱電変換
材料の製造方法によると、特に、合金中に金属粒子がよ
り均一に且つ微細に分散するため、より性能指数Zの高
い熱電変換材料が得られる。
【0045】さらに、本発明の請求項5に係る熱電変換
材料の製造方法によると、特に、組成の変動を起こさず
に、混合粉末あるいは混合粉末の成形体の表面に吸着し
ている酸素や水分を除去するので、より性能指数Zの高
い熱電変換材料が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上田 卓実 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Bi、Te、Se及びSb元素からなる
    群より選択される少なくとも二種類以上の元素を基本組
    成とする合金の焼結体中に、Al、Mo、及び、W元素
    からなる群より選択される少なくとも一種以上の金属粒
    子を含有すると共に、上記金属粒子は含有量が、熱電変
    換材料の全量に対して0.1〜20容量%の範囲であ
    り、その平均粒径が5μm以下であることを特徴とする
    熱電変換材料。
  2. 【請求項2】 上記Al、Mo、及び、W元素からなる
    群より選択される少なくとも一種以上の金属粒子の一部
    が、上記Bi、Te、Se及びSb元素からなる群より
    選択される少なくとも二種類以上の元素を基本組成とす
    る合金の焼結体の結晶粒子内に存在することを特徴とす
    る請求項1記載の熱電変換材料。
  3. 【請求項3】 Bi、Te、Se及びSb元素からなる
    群より選択される少なくとも二種類以上の元素を基本組
    成とする合金粉末と、平均粒径が5μm以下で、全量に
    対して0.1〜20容量%のAl、Mo、及び、W元素
    からなる群より選択される少なくとも一種以上の金属と
    の混合粉末を成形し、得られた成形体を不活性ガス雰囲
    気中で焼成することを特徴とする熱電変換材料の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 上記混合粉末が、上記合金粉末と金属と
    を不活性雰囲気中でメカニカルグラインディングしたも
    のであることを特徴とする請求項3記載の熱電変換材料
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記混合粉末あるいは成形体の状態で、
    真空中あるいは還元雰囲気中で、300〜450℃の範
    囲で熱処理をした後に、得られる成形体を不活性ガス雰
    囲気中で焼成することを特徴とする請求項3又は請求項
    4記載の熱電変換材料の製造方法。
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Cited By (9)

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