JP2004134673A - n型熱電変換材料およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ビスマス、テルル、セレン、アンチモンおよび硫黄の元素からなる群より選択される少なくとも2種以上の元素と必要に応じてドーパントとを混合、溶融し、次いで得られた合金塊を粉砕後、該合金塊の粉砕粉末を焼成するn型熱電変換材料の製造方法であって、前記粉砕粉末を大気圧で常圧焼成する常圧焼成ステップと、前記大気圧を超える圧力で前記常圧焼成された粉砕粉末の半焼結体をホットプレスするホットプレス焼成ステップとを含む。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ペルチェ効果またはゼーベック効果を利用した熱電変換素子の原料となるn型熱電変換材料およびその製造方法に関し、特に、結晶子の成長を促進させるとともに焼結度を進行させることによって性能指数を大幅に向上させたn型熱電変換材料およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ペルチェ効果またはゼーベック効果を利用した熱電変換素子は、加熱冷却用や温度制御用の素子、熱電発電等の広範な用途に使用可能である。
【0003】
この熱電変換素子の原料となる熱電変換材料の性能は、ゼーベック係数α[V・K−1]、熱伝導率κ[W・m−1・K−1]および比抵抗ρ[Ω・m]から導出される性能指数Z[K−1]を用いて次式(1)で評価される。
Z=α2 /(ρ・κ) (1)
【0004】
この(1)式によって求められる性能指数Zが大きいほど、熱電変換材料は高性能である。したがって、(1)式より、熱電変換材料の高性能化のため、すなわち性能指数Zを大きくするためには、ゼーベック係数αを高くし、かつ比抵抗ρおよび熱伝導率κを共に小さくすることが必要である。
【0005】
また、この熱電変換材料の出力因子PF[W・m−1・K−2]は、ゼーベック係数αおよび比抵抗ρを用いて次式(2)で表すことができる。
PF=α2 /ρ (2)
【0006】
この比抵抗ρは、熱電変換材料を構成する結晶の内部における電子移動度μ[cm2・V−1・s−1]とキャリア密度n[×1019cm−3]の積に対して反比例の関係にある。したがって、比抵抗ρを小さくするためには、電子移動度μおよびキャリア密度nを共に大きくすることが必要である。
【0007】
また、ゼーベック係数αは、キャリア密度nの関数であり、キャリア密度nが増大するにともない、ゼーベック係数αは減少する。すなわち、ゼーベック係数αを大きくするためには、キャリア密度nを小さくすることが必要である。
【0008】
しかし、上述したように、キャリア密度nおよび比抵抗ρは反比例の関係にあるので、キャリア密度nの減少にともない、比抵抗ρは増大する。したがってキャリア密度nには、ゼーベック係数αを大きくし、かつ比抵抗ρを小さくする最適値が存在する。
【0009】
したがって、(1)式および(2)式から、性能指数Zは出力因子PFと比例関係にあると考えられ、すなわち、性能指数Zを大きくするためには、電子移動度μを大きくすることによって出力因子PFを増大させる必要がある。
【0010】
一方、ビスマス(Bi)、テルル(Te)、セレン(Se)、アンチモン
(Sb)および硫黄(S)元素からなる群より選択された少なくとも2種類以上の元素を含有する一般に(Bi,Sb)2(Te,Se,S)3で表される合金に適当なドーパントを添加したp型あるいはn型熱電変換材料は、高い性能指数を有する熱電変換材料として知られている。
【0011】
このn型熱電変換材料の製造方法の一つとして、Bi、Te、Se、Sb、あるいはSの原料とドーパントを所定量秤量して混合し、溶融し、得られた合金塊を粉砕して合金粉末とした後、この合金粉末を常圧焼成することによって焼結させるものがある(たとえば、特許文献1参照。)。
【0012】
また、n型熱電変換材料の別の製造方法として、Bi、Te、Se、Sb、あるいはSの原料とドーパントを所定量秤量して混合し、溶融し、得られた合金塊を粉砕して合金粉末とした後、常圧焼成を行わずに、大気圧より高い圧力下で合金粉末をホットプレス焼成することによって焼結させるものもある(たとえば、特許文献2参照。)。
【0013】
さらに、上述したn型熱電変換材料の製造方法と同様の方法で、p型熱電変換材料を製造することができる。この場合、性能指数が3.0×10−3K−1程度のp型熱電変換材料が得られている。
【0014】
【特許文献1】
特開2001−313426号公報(第2−3頁)
【特許文献2】
特開2001−313427号公報(第2−3頁)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、Bi、Te、Se、Sb、あるいはSの原料とドーパントを所定量含有した合金粉末を常圧焼成することによって得られたn型熱電変換材料は、その結晶子の成長は進むものの、焼結体の緻密化が進まず焼結体密度を高めることができないため、電子移動度μを大きくすることによって出力因子PFを大きくすることは困難である場合が多い。さらに、機械的強度も低くなるため、実用的な使用は、ほとんど困難である。
【0016】
また、Bi、Te、Se、Sb、あるいはSの原料とドーパントを所定量含有した合金粉末をホットプレス焼成することによって得られたn型熱電変換材料は、その結晶子の成長が阻害され結晶子サイズが微細化されることによって電子移動度が小さくなるため、電子移動度μを大きくすることによって出力因子PFを大きくすることは困難である場合が多い。
【0017】
すなわち、常圧焼成のみ、あるいはホットプレス焼成のみで合金粉末を焼結させることによってn型熱電変換材料を製造する場合、その出力因子PFを大きくすることによって性能指数Zを増大させることは困難であり、n型熱電変換材料の高性能化が困難であるという問題点があった。
【0018】
一方、熱電変換素子は、p型およびn型熱電変換材料の組み合わせによって構成されており、性能指数の高いp型およびn型熱電変換材料を用いることによって、その熱電効果を向上させることができる。しかし、上述した方法で製造されたn型熱電変換材料の性能指数は2.7×10−3K−1程度に留まり、p型熱電変換材料の性能指数に比して低い値であるため、十分な熱電効果を発揮する熱電変換素子を実現することが困難であった。したがって、n型熱電変換材料のさらなる性能指数の向上が要望されていた。
【0019】
この発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、結晶内部の電子移動度を大きくすることによって出力因子を大きくし、性能指数を大幅に向上させたn型熱電変換材料およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明にかかるn型熱電変換材料の製造方法は、ビスマス、テルル、セレン、アンチモンおよび硫黄の元素からなる群より選択される少なくとも2種以上の元素と必要に応じてドーパントとを混合、溶融し、次いで得られた合金塊を粉砕後、該合金塊の粉砕粉末を焼成するn型熱電変換材料の製造方法であって、前記粉砕粉末を大気圧で常圧焼成する常圧焼成ステップと、前記大気圧を超える圧力で前記常圧焼成された粉砕粉末の半焼結体をホットプレスするホットプレス焼成ステップとを含んだことを特徴とする。
【0021】
この請求項1の発明によれば、この合金塊の粉砕粉末を常圧焼成した後、ホットプレス焼成する製造方法としたので、結晶子の成長を促進させるとともに、焼結体の緻密化を促進させて焼結体密度を高めることが可能であり、電子移動度を増大させることによって出力因子を大きくし、性能指数を大幅に向上させたn型熱電変換材料の製造方法を確立できる。
【0022】
また、請求項2の発明にかかるn型熱電変換材料の製造方法は、上記発明において、前記常圧焼成ステップは、500℃以上、650℃以下とする焼成温度条件で前記粉砕粉末を焼結することを特徴とする。
【0023】
この請求項2の発明によれば、この合金の粉砕粉末を常圧焼成によって焼結させるための焼成温度条件を最適なものに設定している。
【0024】
また、請求項3の発明にかかるn型熱電変換材料の製造方法は、上記発明において、前記ホットプレス焼成ステップは、前記半焼結体を、10MPa以上、45MPa以下とする圧力条件で加圧するとともに、500℃以上、650℃以下とする焼成温度条件で焼結することを特徴とする。
【0025】
この請求項3の発明によれば、常圧焼成による半焼結体をホットプレス焼成によって完全に焼結させるための加圧条件および焼成温度条件を最適なものに設定している。
【0026】
また、請求項4の発明にかかるn型熱電変換材料の製造方法は、上記発明において、前記ホットプレス焼成ステップにおける前記半焼結体の焼成温度は、前記常圧焼成ステップにおける前記粉砕粉末の焼成温度以上であることを特徴とする。
【0027】
この請求項4の発明によれば、常圧焼成における焼成温度条件とホットプレス焼成における焼成温度条件の関係を最適なものとしているので、性能指数が大幅に向上されたn型熱電変換材料を確実に製造することができる。
【0028】
また、請求項5の発明にかかるn型熱電変換材料の製造方法は、上記発明において、前記粉砕粉末の平均粒子径は、1〜10μmであることを特徴とする。
【0029】
この請求項5の発明によれば、常圧焼成によって焼結される粉砕粉末の平均粒子径を最適なものに設定している。
【0030】
また、請求項6の発明にかかるn型熱電変換材料の製造方法は、上記発明において、前記合金塊の粉砕処理、前記常圧焼成ステップ、および前記ホットプレス焼成ステップは、ヘキサン、CnH2n+1OHまたはCnH2n+2CO(nは1、2または3)で示される溶媒の存在下で行うことを特徴とする。
【0031】
この請求項6の発明によれば、この合金塊の粉砕粉末に吸着する酸素濃度を抑制し、キャリア密度の増大を抑制することができるので、性能指数が大幅に向上されたn型熱電変換材料を確実に製造することができる。
【0032】
また、請求項7の発明にかかるn型熱電変換材料の製造方法は、上記発明において、前記常圧焼成ステップおよび前記ホットプレス焼成ステップは、非酸化性ガス雰囲気で行うことを特徴とする。
【0033】
この請求項7の発明によれば、この合金塊の粉砕粉末に吸着する酸素濃度を抑制することができるので、含有酸素の濃度を抑制したn型熱電変換材料を確実に製造することができる。
【0034】
また、請求項8の発明にかかるn型熱電変換材料は、請求項1〜7のいずれか一つに記載の製造方法によって製造されたn型熱電変換材料であって、前記n型熱電変換材料の前記ホットプレス方向に対して垂直な面内におけるX線回折法により求められる前記n型熱電変換材料の少なくとも3つの(00l)面(l:整数)の各回折ピーク半値幅測定値からX線回折装置の半値幅固有値を減算して算出した各半値幅の平均値が0.07°以下であることを特徴とする。
【0035】
この請求項8の発明によれば、電子移動度を増大させることによって出力因子を大きくし、性能指数を大幅に向上させたn型熱電変換材料を確実に実現できる。
【0036】
また、請求項9の発明にかかるn型熱電変換材料は、上記発明において、前記n型熱電変換材料の前記(00l)面は、(0015)面、(0018)面、および(0021)面であることを特徴とする。
【0037】
この請求項9の発明によれば、n型熱電変換材料のホットプレス方向に対して垂直な面内における各回折ピーク半値幅測定値からX線回折装置の半値幅固有値を減算して算出した各半値幅の平均値が0.07°以下であるn型熱電変換材料を確実に実現できる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明にかかるn型熱電変換材料の製造方法について詳細に説明する。図1はこの発明の実施の形態であるn型熱電変換材料の製造方法の処理手順を示すフローチャートである。
【0039】
図1において、まず、目的とするn型熱電変換材料の構成元素および必要に応じてドーパントを所定量秤量したものを配合し(ステップS1)、配合物を得る。この発明では、n型熱電変換材料の構成元素としてビスマス(Bi)、テルル(Te)、セレン(Se)、アンチモン(Sb)および硫黄(S)元素の群より選択される少なくとも2種以上の元素が用いられる。また、ドーパントは、n型熱電変換材料のキャリア濃度の制御や安定化のために、必要に応じて所定量添加される。
【0040】
なお、このドーパントとして、フッ化ビスマス(BiF3)、塩化ビスマス(BiCl3)、臭化ビスマス(BiBr3)、ヨウ化ビスマス(BiI3)、塩化テルル(TeCl4)、ヨウ化テルル(TeI2、TeI4)、臭化テルル(TeBr4)、塩化セレン(SeCl4)、臭化セレン(SeBr4)、ヨウ化セレン(SeI4)、フッ化アンチモン(SbF3)、塩化アンチモン(SbCl3、SbCl5)または臭化アンチモン(SbBr3)の群より選択される少なくとも1種以上のものが考えられる。
【0041】
さらに、アルゴンガスあるいはアルゴンガスと水素ガスとの混合ガス等の非酸化性ガス雰囲気下で、この配合物を原料の融点よりも高い温度に加熱し、溶融させる(ステップS2)。たとえば、原料にSbが含まれる場合、その配合物を670℃以上、720℃以下の温度範囲で、0.5〜2時間溶融させる。この溶融させた状態で原料を混合した後、冷却して合金塊を得る。
【0042】
つぎに、得られた合金塊の粗砕きを溶媒の存在下で行い(ステップS3)、さらに、振動ミル等を用いる粉砕方法によって、溶媒の存在下で機械粉砕を行い(ステップS4)、平均粒子径1〜10μmの粉砕粉末とする。
【0043】
ここで、上記の溶媒として、ヘキサン、CnH2n+1OHまたはCnH2n+2CO(nは1、2または3)で示される溶媒が考えられる。
【0044】
なお、上記CnH2n+1OHまたはCnH2n+2CO(nは1、2または3)で示される溶媒とは、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトアルデヒド、アセトン、メチルエチルケトンである。
【0045】
その後、得られた粉砕粉末は、粉砕時に用いた溶媒に浸されることによって可能な限り空気と非接触の状態を保ちながら、所定の粒度以下に揃えるためにステンレス製の篩で分級され、粗粒粉末や微粒粉末が除去される(ステップS5)。さらに、所定の粒度以下に分級された粉砕粉末をろ過する(ステップS6)。
【0046】
そして、ろ過して得られた粉砕粉末を、上記溶媒の存在下で常圧焼成する(ステップS7)。この常圧焼成は、アルゴンガスあるいはアルゴンガスと水素ガスとの混合ガス等の非酸化性ガス雰囲気下で行うことが望ましい。また、焼成温度条件は、500℃以上、650℃以下の範囲において、原料の融点に達しない温度にすることが望ましい。ただし、この常圧焼成後における半焼結体は、その結晶子の成長が十分にされる程度であり、完全に焼結される必要はない。
【0047】
さらに、ステップS7によって得られた半焼結体をホットプレス焼成し、完全に焼結する(ステップS8)。このホットプレス焼成は、アルゴンガスやアルゴンガスと水素ガスとの混合ガスなどの非酸化性ガス雰囲気下で行うことが望ましい。また、焼成温度条件は、500℃以上、650℃以下の範囲において、原料の融点に達しない温度であり、かつ、常圧焼成における焼成温度以上の温度にすることが望ましい。さらに、加圧条件は、10MPa以上、45MPa以下、好ましくは、25MPa以上、45MPa以下とする。
【0048】
以上、説明してきたように、この合金の粉砕粉末を常圧焼成によって半焼結体とした後、この半焼結体をホットプレス焼成によって完全に焼結することによって初めて、これらの焼成によって得られるn型熱電変換材料中の電子移動度が大きくなる。その結果、このn型熱電変換材料の出力因子が増大するので、一層性能指数Zの向上したn型熱電変換材料を得ることが可能となる。
【0049】
さらに、ステップS3〜S8の処理が上述した溶媒中で行われることによって、この合金の粉砕粉末に酸素が吸着することを抑制し、焼成により得られるn型熱電変換材料中に酸素が固溶することを防止することができる。その結果、このn型熱電変換材料中のキャリア密度の増大が抑制され、電子移動度が大きくなることによって、出力因子が増大するので、一層性能指数Zの向上したn型熱電変換材料を得ることが可能となる。
【0050】
このようにして得られたn型熱電変換材料の焼結体は、具体的にはテルル化ビスマス(Bi2Te3)、セレン化ビスマス(Bi2Se3)、テルル化アンチモン(Sb2Te3)、セレン化アンチモン(Sb2Se3)、硫化ビスマス(Bi2S3)、硫化アンチモン(Sb2S3)等、あるいはこれらを複数組み合わせた固溶体である。
【0051】
【実施例】
以下、実施例等に基づき、この発明を具体的に説明する。
〔実施例1および比較例1〕
テルル化ビスマス(Bi2Te3)とセレン化ビスマス(Bi2Se3)とをモル比で95:5の合金比となるように、Te、Bi、Seのフレーク(いずれも純度が4N(99.99%)の高純度試薬)を秤量した。また、ドーパントとして、ヨウ化テルル(TeI4)を所定量秤量した。これら秤量した材料を黒鉛るつぼに入れ、アルゴンガス(97%)と水素ガス(3%)の混合ガス雰囲気中で720℃に加熱することによって溶融し、混合する。その後、室温付近まで自然冷却し、目的組成の合金塊を製造した。
【0052】
この合金塊を、溶媒としてのn−ヘキサンに浸して粗砕きした後に、振動ミルにて粉砕し、粉砕粉末とした。この粉砕粉末を篩によって所定の粒度以下に分級した後、ろ過処理を行い、その粒度を揃えた。ここで、粉砕粉末の平均粒子径は約6μmに調整された。
【0053】
その後、この粉砕粉末を上記のn−ヘキサンの溶媒中に浸し、アルゴンガス(97%)と水素ガス(3%)の混合ガス雰囲気下、590℃で常圧焼成を行い、半焼結体を得た。さらに、この半焼結体をアルゴンガス(97%)と水素ガス(3%)の混合ガス雰囲気下で45MPaに加圧するとともに、590℃で焼成(ホットプレス焼成)することによって、焼結体を得た。
【0054】
一方、比較例の試料は、上記の室温付近まで自然冷却した上記組成の合金塊を、上記の実施例と同様の方法で粉砕粉末とした後、この粉砕粉末を上記のn−ヘキサンの溶媒中に浸した状態で、アルゴンガス(97%)と水素ガス(3%)の混合ガス雰囲気下、45MPaに加圧し、590℃でホットプレス焼成を行うことによって製造した。
【0055】
以上のようにして得られたn型熱電変換材料の焼結体試料を任意の形状に加工した後、半値幅、酸素濃度、キャリア密度、および電子移動度の測定を行った。図2は、上記焼結体試料(実施例1の試料#1〜#5および比較例1の試料#6〜#10)の半値幅、酸素濃度、キャリア密度、および電子移動度を測定した結果を示している。また、図3は、半値幅と電子移動度の関係を図2からプロットした相関図である。
【0056】
ただし、図2における半値幅は、上記焼結体試料のホットプレス方向に対して垂直な面において、X線回折方法によって検出される(00l)面((0015)、(0018)、および(0021)面)の各回折ピーク半値幅測定値からX線回折装置の半値幅固有値を減算した値の平均値である。すなわち、この(00l)面の各回折ピーク半値幅測定値をA0015、A0018、A0021とし、X線回折装置の半値幅固有値をBとすると、図2における半値幅Aは、次の(3)式で求めることができる。
A=[(A0015 2−B2)1/2+(A0018 2−B2)1/2+(A0021 2−B2)1/2]/3 (3)
【0057】
なお、この(00l)面の各回折ピーク半値幅は、X線回折装置として理学電機社製のRU−200型を用い、CuKα線によって2θ=5〜80°まで測定した。測定時の管電圧は40kV、管電流は150mAである。
【0058】
一方、図2における酸素濃度は、Niカプセル中に試料を所定量秤量し、ヘリウムガス流通下、カーボンるつぼ中で試料を溶融し、溶融時に試料内から放出される酸素ガスを炭素触媒層に通して一酸化炭素とし、該一酸化炭素量を赤外線吸収法によって測定した。
【0059】
図2において、比較例1の方法で製造されたn型熱電変換材料(試料#6〜#10)は、実施例1の方法で製造されたn型熱電変換材料(試料#1〜#5)に比して、半値幅は大きく、酸素濃度が同程度であるにもかかわらず電子移動度は小さいことがわかる。一般に、X線回折方法によって検出された回折ピークの半値幅が大きいほど、結晶子サイズは小さいことが知られている。すなわち、試料#6〜#10は、材料を構成する結晶子サイズが小さいため、その結晶内部の電子移動度が低下したものと考えられる。このことは、試料#6〜#10がホットプレス焼成のみで焼結されたことに起因し、ホットプレス焼成時に結晶子の成長が阻害されたためと考えられる。
【0060】
これに対して、実施例1の方法で製造されたn型熱電変換材料(試料#1〜#5)は、比較例1の方法で製造されたn型熱電変換材料(試料#6〜#10)に比して、半値幅は0.07°以下と小さく、同程度以上の電子移動度を有することがわかる。すなわち、試料#1〜#5は、その結晶子サイズを大きくすることによって、結晶内部における電子移動度を増大させたn型熱電変換材料であるといえる。このことは、試料#1〜#5が、常圧焼成によって結晶子の成長を促進させた後、ホットプレス焼成によって焼結体の緻密化を進行させて焼結体密度が高まっていることに起因し、結晶子の微細化による電子移動度の低下が抑制されたためと考えられる。
【0061】
したがって、この発明の製造方法によって、結晶子サイズが大きい、すなわち、半値幅が小さく電子移動度が大きいn型熱電変換材料が得られることがわかる。なお、図3に示すように、上記の半値幅と電子移動度において、半値幅の減少にともない電子移動度が増加する関係が成立する。
【0062】
一方、図4は、実施例1の試料#1〜#5および比較例1の試料#6〜#10の半値幅、ゼーベック係数、比抵抗、熱伝導率の測定、ならびに出力因子および性能指数の導出結果を示している。また、図5は、半値幅と性能指数の関係を図4からプロットした相関図である。
【0063】
図4において、実施例1の試料#1〜#5は、比較例1の試料#6〜#10に比して、出力因子および性能指数が大きいことがわかる。すなわち、この発明の製造方法で得られた試料#1〜#5は、半値幅が小さい、すなわち結晶子サイズが大きいことによって、結晶内部における電子移動度が増大したので、出力因子が増大し、さらに、この出力因子と比例関係にある性能指数が増大したものと考えられる。
【0064】
したがって、この発明の製造方法によって得られたn型熱電変換材料において、結晶子サイズを大きく、すなわち半値幅を小さくすることによって、性能指数が増大し、一層高性能化されたn型熱電変換材料が実現できる。
【0065】
図5によれば、この半値幅の減少にともない性能指数が増加する関係が成立し、特に半値幅を0.07°以下とすることによって、性能指数が2.8×10−3K−1以上の値に大幅に向上することができる。
【0066】
なお、この実施例において、n−ヘキサンを溶媒として用いた場合を説明したが、CnH2n+1OHまたはCnH2n+2CO(nは1、2または3)で示される溶媒を用いた場合でも、同様に半値幅を小さくすることによって性能指数が向上した。さらに、テルル化ビスマス(Bi2Te3)とセレン化ビスマス(Bi2Se3)とをモル比で95:5となる合金以外の組成の合金に対して、n−ヘキサン、CnH2n+1OHまたはCnH2n+2CO(nは1、2または3)の溶媒中で粉砕、常圧焼成、およびホットプレス焼成を行った場合でも、同様に半値幅を小さくすることによって性能指数が向上した。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、常圧焼成によって結晶子の成長を促進させた後、ホットプレス焼成によって焼結体の緻密化を進行させて焼結体密度を高める製造方法としたので、結晶子サイズが増加することによって電子移動度が増加し、出力因子を増大させることができる。したがって、性能指数を増大させることができ、一層高性能化されたn型熱電変換材料を実現できるという効果を奏する。
【0068】
また、この発明の製造方法によって得られたn型熱電変換材料は、その半値幅を0.07°以下とすることによって、その性能指数を2.8×10−3K−1以上という高い値にすることができるので、熱電変換素子としてそのペルチェ効果を利用して、一層精密な温度制御を必要とする分野に適用できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のn型熱電変換材料の製造工程を示すフローチャートである。
【図2】この発明の実施例1および比較例1の各製造方法によって得られたn型熱電変換材料の材料特性を示す図である。
【図3】この発明の実施例1および比較例1の各製造方法によって得られたn型熱電変換材料の半値幅と電子移動度の関係を示す相関図である。
【図4】この発明の実施例1および比較例1の各製造方法によって得られたn型熱電変換材料の材料特性、出力因子および性能指数を示す図である。
【図5】この発明の実施例1および比較例1の各製造方法によって得られたn型熱電変換材料の半値幅と性能指数の関係を示す相関図である。
Claims (9)
- ビスマス、テルル、セレン、アンチモンおよび硫黄の元素からなる群より選択される少なくとも2種以上の元素と必要に応じてドーパントとを混合、溶融し、次いで得られた合金塊を粉砕後、該合金塊の粉砕粉末を焼成するn型熱電変換材料の製造方法であって、
前記粉砕粉末を大気圧で常圧焼成する常圧焼成ステップと、
前記大気圧を超える圧力で前記常圧焼成された粉砕粉末の半焼結体をホットプレスするホットプレス焼成ステップと、
を含んだことを特徴とするn型熱電変換材料の製造方法。 - 前記常圧焼成ステップは、500℃以上、650℃以下とする焼成温度条件で前記粉砕粉末を焼結することを特徴とする請求項1に記載のn型熱電変換材料の製造方法。
- 前記ホットプレス焼成ステップは、前記半焼結体を、10MPa以上、45MPa以下とする圧力条件で加圧するとともに、500℃以上、650℃以下とする焼成温度条件で焼結することを特徴とする請求項1または2に記載のn型熱電変換材料の製造方法。
- 前記ホットプレス焼成ステップにおける前記半焼結体の焼成温度は、前記常圧焼成ステップにおける前記粉砕粉末の焼成温度以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のn型熱電変換材料の製造方法。
- 前記粉砕粉末の平均粒子径は、1〜10μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のn型熱電変換材料の製造方法。
- 前記合金塊の粉砕処理、前記常圧焼成ステップ、および前記ホットプレス焼成ステップは、ヘキサン、CnH2n+1OHまたはCnH2n+2CO(nは1、2または3)で示される溶媒の存在下で行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のn型熱電変換材料の製造方法。
- 前記常圧焼成ステップおよび前記ホットプレス焼成ステップは、非酸化性ガス雰囲気で行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のn型熱電変換材料の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれか一つに記載の製造方法によって製造されたn型熱電変換材料であって、
前記n型熱電変換材料の前記ホットプレス方向に対して垂直な面内におけるX線回折法により求められる前記n型熱電変換材料の少なくとも3つの(00l)面(l:整数)の各回折ピーク半値幅測定値からX線回折装置の半値幅固有値を減算して算出した各半値幅の平均値が0.07°以下であることを特徴とするn型熱電変換材料。 - 前記n型熱電変換材料の前記(00l)面は、(0015)面、(0018)面、および(0021)面であることを特徴とする請求項8に記載のn型熱電変換材料。
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