JPH09320815A - ZnOバリスタの製造方法 - Google Patents
ZnOバリスタの製造方法Info
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- JPH09320815A JPH09320815A JP8139873A JP13987396A JPH09320815A JP H09320815 A JPH09320815 A JP H09320815A JP 8139873 A JP8139873 A JP 8139873A JP 13987396 A JP13987396 A JP 13987396A JP H09320815 A JPH09320815 A JP H09320815A
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- Japan
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- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 成形体と電極との一体焼成ができ、さらに電
圧非直線性の優れたZnOバリスタ素子を提供すること
を目的とする。 【解決手段】 主成分のZnOに、副成分として少なく
とも、Bi,Sb,Alを含む組成にさらにTaをTa
2O5に換算し0.01〜2.0mol%添加する。
圧非直線性の優れたZnOバリスタ素子を提供すること
を目的とする。 【解決手段】 主成分のZnOに、副成分として少なく
とも、Bi,Sb,Alを含む組成にさらにTaをTa
2O5に換算し0.01〜2.0mol%添加する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は特に、各種電子機器
を異常高電圧から保護するために用いるZnOバリスタ
の製造方法に関するものである。
を異常高電圧から保護するために用いるZnOバリスタ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、各種電子機器の制御回路の高集積
化が急速に進展している。これらの制御回路に用いられ
ている半導体電子部品は、回路外部から侵入する雷サー
ジや異常高電圧が負荷されると、誤動作をしたり、破壊
される場合があるため、その対策が不可欠なものとなっ
ている。この対策として、一般にバリスタが用いられて
おり、中でも優れた電圧非直線性、及びサージ吸収性を
有するZnOバリスタが回路保護素子として広く利用さ
れている。
化が急速に進展している。これらの制御回路に用いられ
ている半導体電子部品は、回路外部から侵入する雷サー
ジや異常高電圧が負荷されると、誤動作をしたり、破壊
される場合があるため、その対策が不可欠なものとなっ
ている。この対策として、一般にバリスタが用いられて
おり、中でも優れた電圧非直線性、及びサージ吸収性を
有するZnOバリスタが回路保護素子として広く利用さ
れている。
【0003】従来のZnOバリスタの製造方法は、主成
分であるZnOにBi,Co,Mn,Al,Sb等の金
属酸化物を添加混合、造粒した材料を成形し、この成形
体を1100℃〜1400℃の温度で焼成して得られた
焼結体素子の両主平面に、Ag等の電極を形成してバリ
スタ素子としていた。
分であるZnOにBi,Co,Mn,Al,Sb等の金
属酸化物を添加混合、造粒した材料を成形し、この成形
体を1100℃〜1400℃の温度で焼成して得られた
焼結体素子の両主平面に、Ag等の電極を形成してバリ
スタ素子としていた。
【0004】一般に、ZnOバリスタではZnO焼結体
素子の焼結粒子径を制御することにより、所望の単位厚
み当たりのバリスタ電圧(V1mA/mm)を得ており、前
記従来の製造方法では、Bi,Sb等の低融点金属酸化
物を添加含有させて得た成形体を1100℃より高い温
度で焼成することで、焼結体素子のZnO焼結粒子径を
10〜50μmの大きさに粒成長させて所望のバリスタ
電圧を得ていた。
素子の焼結粒子径を制御することにより、所望の単位厚
み当たりのバリスタ電圧(V1mA/mm)を得ており、前
記従来の製造方法では、Bi,Sb等の低融点金属酸化
物を添加含有させて得た成形体を1100℃より高い温
度で焼成することで、焼結体素子のZnO焼結粒子径を
10〜50μmの大きさに粒成長させて所望のバリスタ
電圧を得ていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のZnOバリスタの製造方法では、Bi,Sb等の低
融点金属酸化物を添加しても、ZnO焼結粒子径を制御
し所望のバリスタ性能を得るためには、1100℃より
高い焼成温度が必要である。このため、Ag等の昇華点
が1000℃以下の低融点金属を電極として用いた場
合、成形体と電極の一体焼成ができず、成形体を焼結す
る工程と焼結体の両主平面に電極を形成し焼付ける工程
の2工程が必要であるという問題を有していた。
来のZnOバリスタの製造方法では、Bi,Sb等の低
融点金属酸化物を添加しても、ZnO焼結粒子径を制御
し所望のバリスタ性能を得るためには、1100℃より
高い焼成温度が必要である。このため、Ag等の昇華点
が1000℃以下の低融点金属を電極として用いた場
合、成形体と電極の一体焼成ができず、成形体を焼結す
る工程と焼結体の両主平面に電極を形成し焼付ける工程
の2工程が必要であるという問題を有していた。
【0006】本発明は前記従来の問題を解決するもの
で、成形体と電極との一体焼成が可能で、しかも電圧非
直線性に優れたZnOバリスタの製造方法を提供するこ
とを目的とするものである。
で、成形体と電極との一体焼成が可能で、しかも電圧非
直線性に優れたZnOバリスタの製造方法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明のZnOバリスタの製造方法は、ZnOを主成
分とし、副成分として少なくともBi,Sb,Alを含
む組成に、さらにTaをTa2O5に換算しZnOに対し
0.01〜2.0mol%を添加して得られた材料を用
いた成形体の両主平面に電極を形成し一体焼成すること
で所期の目的を達成することができるものである。
に本発明のZnOバリスタの製造方法は、ZnOを主成
分とし、副成分として少なくともBi,Sb,Alを含
む組成に、さらにTaをTa2O5に換算しZnOに対し
0.01〜2.0mol%を添加して得られた材料を用
いた成形体の両主平面に電極を形成し一体焼成すること
で所期の目的を達成することができるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載のZnO
バリスタの製造方法は、主成分のZnOに、副成分とし
て少なくとも、Bi,Sb,Alを含む組成に、さらに
TaをTa2O5に換算し、ZnOに対して0.01〜
2.0mol%添加して得た材料の成形体の両主平面に
電極を形成し、800℃〜960℃の温度で一体焼成す
るものであり、これはTaがSbと結合して従来の焼成
温度領域より低い温度でZnO粒子の粒成長を促進する
効果と電圧非直線性を向上させる効果がある。従って8
00℃〜960℃の温度領域でもZnO粒子の焼結が可
能で、電極材料としてAg等の低融点金属を用いた場合
でも、その昇華点以下に設定でき、成形体と電極を一体
焼成することができる。これによって電極焼き付け工程
が不要となり、工程を削減することができる。
バリスタの製造方法は、主成分のZnOに、副成分とし
て少なくとも、Bi,Sb,Alを含む組成に、さらに
TaをTa2O5に換算し、ZnOに対して0.01〜
2.0mol%添加して得た材料の成形体の両主平面に
電極を形成し、800℃〜960℃の温度で一体焼成す
るものであり、これはTaがSbと結合して従来の焼成
温度領域より低い温度でZnO粒子の粒成長を促進する
効果と電圧非直線性を向上させる効果がある。従って8
00℃〜960℃の温度領域でもZnO粒子の焼結が可
能で、電極材料としてAg等の低融点金属を用いた場合
でも、その昇華点以下に設定でき、成形体と電極を一体
焼成することができる。これによって電極焼き付け工程
が不要となり、工程を削減することができる。
【0009】請求項2に記載の発明は、副成分としてさ
らに、Pb,B,Siの群のうちから選ばれた一つをそ
れぞれPbO,SiO2,B2O3に換算し、ZnOに対
して0.01〜0.5mol%添加するものであり、こ
れはPb,B,Siの群のうちから選ばれた一つを添加
することにより、TaによるZnO粒子の粒成長促進効
果をさらに高めるとともに、電圧非直線性を向上させる
ことができる。
らに、Pb,B,Siの群のうちから選ばれた一つをそ
れぞれPbO,SiO2,B2O3に換算し、ZnOに対
して0.01〜0.5mol%添加するものであり、こ
れはPb,B,Siの群のうちから選ばれた一つを添加
することにより、TaによるZnO粒子の粒成長促進効
果をさらに高めるとともに、電圧非直線性を向上させる
ことができる。
【0010】請求項3に記載の発明は、副成分としてさ
らに、PをP2O5に換算し、ZnOに対し0.01〜
0.5mol%添加するものであり、これはPの添加が
電極と一体焼結したZnOバリスタ焼結体素子の高電流
領域での電圧非直線性を向上させる効果を有するためで
ある。
らに、PをP2O5に換算し、ZnOに対し0.01〜
0.5mol%添加するものであり、これはPの添加が
電極と一体焼結したZnOバリスタ焼結体素子の高電流
領域での電圧非直線性を向上させる効果を有するためで
ある。
【0011】(実施の形態1)以下に本発明の第1の実
施の形態について説明する。
施の形態について説明する。
【0012】図1は本発明の一実施形態のZnOバリス
タの側面図である。図1において、1はバリスタ素子、
2は電極である。
タの側面図である。図1において、1はバリスタ素子、
2は電極である。
【0013】まず、主成分であるZnOに対し、Bi2
O3を0.5mol%、Co2O3を0.5mol%、M
nO2を0.5mol%、Sb2O3を0.5mol%、
Al2O 3を0.005mol%配合したものに対し、さ
らにTa2O5を0,0.001,0.01,0.5,
2.0,5.0mol%の量を各々添加、混合、乾燥
後、バインダを加えて造粒し、得られた造粒粉末を10
00kg/cm2の成形圧力で、直径13mm、厚み1.3mm
の円板状の成形体とした。得られた成形体の両主平面に
Agを主成分とする電極ペーストを塗布する。次いで、
その成形体を750℃、800℃、850℃、900
℃、930℃、960℃の各温度で2時間焼成し、電極
2が形成されたバリスタ素子1を得た。(表1)および
(表2)に作成したバリスタ素子1の、単位厚み当たり
のバリスタ電圧(V1mA/mm)と
O3を0.5mol%、Co2O3を0.5mol%、M
nO2を0.5mol%、Sb2O3を0.5mol%、
Al2O 3を0.005mol%配合したものに対し、さ
らにTa2O5を0,0.001,0.01,0.5,
2.0,5.0mol%の量を各々添加、混合、乾燥
後、バインダを加えて造粒し、得られた造粒粉末を10
00kg/cm2の成形圧力で、直径13mm、厚み1.3mm
の円板状の成形体とした。得られた成形体の両主平面に
Agを主成分とする電極ペーストを塗布する。次いで、
その成形体を750℃、800℃、850℃、900
℃、930℃、960℃の各温度で2時間焼成し、電極
2が形成されたバリスタ素子1を得た。(表1)および
(表2)に作成したバリスタ素子1の、単位厚み当たり
のバリスタ電圧(V1mA/mm)と
【0014】
【外1】
【0015】を評価した結果を示す。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】ここで、バリスタ電圧V1mAとはバリスタ
素子1に1mAの電流が流れたときにバリスタ素子1の
両端にかかる電圧であり、直流定電流電源にて
素子1に1mAの電流が流れたときにバリスタ素子1の
両端にかかる電圧であり、直流定電流電源にて
【0019】
【外2】
【0020】の測定を行った。また電圧非直線性は
【0021】
【外3】
【0022】で評価を行った。(表1)および(表2)
の結果から明らかなように、Taを添加することにより
バリスタ電圧が低下することが判る。バリスタ電圧はバ
リスタ素子1に電流1mA印加した時の単位厚みにおけ
るZnO焼結粒子の直列電圧成分の和であり、ZnOの
焼結粒子1個当たりに1mAの電流印加時のバリア電圧
が約2〜3Vと一定であることから、単位厚み当たりの
ZnO焼結粒子数を表している。この単位厚み当たりの
ZnO焼結粒子数より、ZnO焼結粒子の粒径が判明す
ることから、バリスタ電圧の低下はZnO焼結粒子が粒
成長していることを示すものである。すなわち、Taは
800℃〜960℃の焼成温度範囲でZnO焼結粒子の
粒成長を促進する効果があることが判る。また、バリス
タ電圧の低下効果および電圧比特性の結果から、Taの
Ta2O5に換算したときの添加量はZnOに対して0.
01〜2.0mol%の範囲が最適であることが判る。
の結果から明らかなように、Taを添加することにより
バリスタ電圧が低下することが判る。バリスタ電圧はバ
リスタ素子1に電流1mA印加した時の単位厚みにおけ
るZnO焼結粒子の直列電圧成分の和であり、ZnOの
焼結粒子1個当たりに1mAの電流印加時のバリア電圧
が約2〜3Vと一定であることから、単位厚み当たりの
ZnO焼結粒子数を表している。この単位厚み当たりの
ZnO焼結粒子数より、ZnO焼結粒子の粒径が判明す
ることから、バリスタ電圧の低下はZnO焼結粒子が粒
成長していることを示すものである。すなわち、Taは
800℃〜960℃の焼成温度範囲でZnO焼結粒子の
粒成長を促進する効果があることが判る。また、バリス
タ電圧の低下効果および電圧比特性の結果から、Taの
Ta2O5に換算したときの添加量はZnOに対して0.
01〜2.0mol%の範囲が最適であることが判る。
【0023】尚、本実施形態では、バリスタ素子1の成
形体に電極2を塗布し一体焼成を行った結果を示した
が、バリスタ素子1の成形体を800℃〜960℃の温
度範囲で焼成し、その後に電極2を塗布し焼き付けても
同じ電気特性が得られる。
形体に電極2を塗布し一体焼成を行った結果を示した
が、バリスタ素子1の成形体を800℃〜960℃の温
度範囲で焼成し、その後に電極2を塗布し焼き付けても
同じ電気特性が得られる。
【0024】(実施の形態2)以下に本発明の実施形態
2について説明する。
2について説明する。
【0025】まず、主成分であるZnOに対し、Bi2
O3を0.5mol%、Co2O3を0.5mol%、M
nO2を0.5mol%、Sb2O3を0.5mol%、
Al2O 3を0.005mol%、Ta2O5を0.5mo
l%添加した組成に、さらにPb,B,Siの群の中か
ら選ばれた一つを、それぞれPbO,SiO2,B2O3
に換算して0.01,0.05,0.1,0.5,1.
0mol%の量を各々添加し、混合、乾燥後、実施形態
1と同様に処理を行い、850℃の温度で2時間焼成し
た。これらを実施形態1と同様に評価しその結果を(表
3)に示した。
O3を0.5mol%、Co2O3を0.5mol%、M
nO2を0.5mol%、Sb2O3を0.5mol%、
Al2O 3を0.005mol%、Ta2O5を0.5mo
l%添加した組成に、さらにPb,B,Siの群の中か
ら選ばれた一つを、それぞれPbO,SiO2,B2O3
に換算して0.01,0.05,0.1,0.5,1.
0mol%の量を各々添加し、混合、乾燥後、実施形態
1と同様に処理を行い、850℃の温度で2時間焼成し
た。これらを実施形態1と同様に評価しその結果を(表
3)に示した。
【0026】
【表3】
【0027】(表3)から明らかなように、Pb,S
i,Bの添加量が増加するに従い、バリスタ電圧が更に
低下することが判る。これは、主成分のZnOに対し、
副成分組成中に占める低融点化合物の割合の増加によ
り、TaによるZnO焼結粒子の粒成長促進効果を更に
高めた結果と考えられる。またさらに、Pb,Bの添加
量が増加するに従い、電圧比が向上していることが判
る。これはPb,Bが、960℃以下の温度での焼成に
おいて電圧非直線性の向上効果があるためと考えられ
る。Pb,Si,Bのそれぞれの最適添加量は、バリス
タ電圧の低下効果と電圧比の向上効果より、それぞれP
bO,SiO2,P2O5に換算して0.01〜0.5m
ol%の範囲であることが判る。
i,Bの添加量が増加するに従い、バリスタ電圧が更に
低下することが判る。これは、主成分のZnOに対し、
副成分組成中に占める低融点化合物の割合の増加によ
り、TaによるZnO焼結粒子の粒成長促進効果を更に
高めた結果と考えられる。またさらに、Pb,Bの添加
量が増加するに従い、電圧比が向上していることが判
る。これはPb,Bが、960℃以下の温度での焼成に
おいて電圧非直線性の向上効果があるためと考えられ
る。Pb,Si,Bのそれぞれの最適添加量は、バリス
タ電圧の低下効果と電圧比の向上効果より、それぞれP
bO,SiO2,P2O5に換算して0.01〜0.5m
ol%の範囲であることが判る。
【0028】尚、実施形態2では、バリスタ素子1の焼
成温度を850℃とした場合の結果のみを示したが、8
00℃〜960℃の焼成温度であれば、本発明の効果は
変わらない。また、本実施形態では、Taの添加量をT
a2O5に換算して0.5mol%添加の結果のみを示し
たが、0.01〜2.0mol%の範囲の添加量であれ
ば本発明の効果は変わらない。
成温度を850℃とした場合の結果のみを示したが、8
00℃〜960℃の焼成温度であれば、本発明の効果は
変わらない。また、本実施形態では、Taの添加量をT
a2O5に換算して0.5mol%添加の結果のみを示し
たが、0.01〜2.0mol%の範囲の添加量であれ
ば本発明の効果は変わらない。
【0029】(実施の形態3)以下に本実施形態3につ
いて説明する。
いて説明する。
【0030】まず、主成分のZnOに対し、Bi2O3を
0.5mol%、Co2O3を0.5mol%、MnO2
を0.5mol%、Sb2O3を0.5mol%、Al2
O3を0.005mol%、Ta2O5を0.5mol%
添加した組成に、さらにPをP 2O5に換算して0.0
1,0.05,0.1,0.5,1.0mol%の量を
それぞれ添加し、混合、乾燥後、実施形態1と同様に処
理し、900℃の温度で2時間焼成してバリスタ素子1
を作成した。得られたバリスタ素子1の性能評価結果を
(表4)に示した。
0.5mol%、Co2O3を0.5mol%、MnO2
を0.5mol%、Sb2O3を0.5mol%、Al2
O3を0.005mol%、Ta2O5を0.5mol%
添加した組成に、さらにPをP 2O5に換算して0.0
1,0.05,0.1,0.5,1.0mol%の量を
それぞれ添加し、混合、乾燥後、実施形態1と同様に処
理し、900℃の温度で2時間焼成してバリスタ素子1
を作成した。得られたバリスタ素子1の性能評価結果を
(表4)に示した。
【0031】
【表4】
【0032】(表4)から明らかなように、Pの添加量
が増加するに従い、制限電圧比が向上していることが判
る。これは、Pが960℃以下の焼成温度においてZn
O粒子に固溶し、ZnO焼結粒子の比抵抗を低下させる
ため、ZnO焼結粒子の比抵抗が支配する高電流領域で
の電圧非直線性を向上させたと考えられる。また、Pの
最適添加量は、電圧比および制限電圧比の向上効果より
P2O5に換算して0.01〜0.5mol%の範囲であ
ることが判る。
が増加するに従い、制限電圧比が向上していることが判
る。これは、Pが960℃以下の焼成温度においてZn
O粒子に固溶し、ZnO焼結粒子の比抵抗を低下させる
ため、ZnO焼結粒子の比抵抗が支配する高電流領域で
の電圧非直線性を向上させたと考えられる。また、Pの
最適添加量は、電圧比および制限電圧比の向上効果より
P2O5に換算して0.01〜0.5mol%の範囲であ
ることが判る。
【0033】尚、本実施形態3では、バリスタ素子1の
焼成温度を900℃とした結果のみを示したが、800
℃〜960℃の焼成温度範囲であれば、本発明の効果は
変わらない。また、本実施形態では、Taの添加量をT
a2O5に換算して0.5mol%添加した結果のみを示
したが、0.01〜2.0mol%の添加量範囲であれ
ば本発明の効果は変わらない。
焼成温度を900℃とした結果のみを示したが、800
℃〜960℃の焼成温度範囲であれば、本発明の効果は
変わらない。また、本実施形態では、Taの添加量をT
a2O5に換算して0.5mol%添加した結果のみを示
したが、0.01〜2.0mol%の添加量範囲であれ
ば本発明の効果は変わらない。
【0034】また、本発明は両主平面に電極を形成した
円板状バリスタ素子1に限るものではなく、積層型バリ
スタ素子に用いた場合にも同様の効果が得られるもので
ある。
円板状バリスタ素子1に限るものではなく、積層型バリ
スタ素子に用いた場合にも同様の効果が得られるもので
ある。
【0035】
【発明の効果】以上のように、本発明のZnOバリスタ
の製造方法は、主成分のZnOに、副成分として少なく
とも、Bi,Sb,Alを含む組成に、従来の焼成温度
範囲より低い温度でZnO粒子の粒成長を促進する効果
と電圧非直線性を向上させる効果があるTaを、Ta2
O5に換算して0.01〜2.0mol%添加させるこ
とにより、800℃〜960℃の温度で焼成ができると
ともに電圧非直線性に優れたZnOバリスタが得られ、
この製造方法により電極材料としてAg等の低融点金属
を用いて、ZnOバリスタの成形体と電極を一体焼成す
ることができる。従って電極焼き付け工程が不要とな
り、その工程を削減することができる。
の製造方法は、主成分のZnOに、副成分として少なく
とも、Bi,Sb,Alを含む組成に、従来の焼成温度
範囲より低い温度でZnO粒子の粒成長を促進する効果
と電圧非直線性を向上させる効果があるTaを、Ta2
O5に換算して0.01〜2.0mol%添加させるこ
とにより、800℃〜960℃の温度で焼成ができると
ともに電圧非直線性に優れたZnOバリスタが得られ、
この製造方法により電極材料としてAg等の低融点金属
を用いて、ZnOバリスタの成形体と電極を一体焼成す
ることができる。従って電極焼き付け工程が不要とな
り、その工程を削減することができる。
【図1】本発明の一実施形態の側面図
1 バリスタ素子 2 電極
Claims (3)
- 【請求項1】 ZnOを主成分とし、副成分として少な
くとも、Bi,Sb,Alを含むバリスタ組成に、さら
にTaをTa2O5に換算し、ZnOに対して0.01〜
2.0mol%添加含有させた材料を成形し、その両主
平面に電極を形成した後、800℃〜960℃の温度で
電極と一体焼成することを特徴とするZnOバリスタの
製造方法。 - 【請求項2】 副成分としてさらに、Pb,Si,Bの
群から選ばれた一つをそれぞれPbO,SiO2,B2O
3に換算し、ZnOに対して0.01〜0.5mol%
添加含有させたことを特徴とする請求項1に記載のZn
Oバリスタの製造方法。 - 【請求項3】 副成分として、PをP2O5に換算し、Z
nOに対して0.01〜0.5mol%添加含有させた
ことを特徴とする請求項1に記載のZnOバリスタの製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8139873A JPH09320815A (ja) | 1996-06-03 | 1996-06-03 | ZnOバリスタの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8139873A JPH09320815A (ja) | 1996-06-03 | 1996-06-03 | ZnOバリスタの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09320815A true JPH09320815A (ja) | 1997-12-12 |
Family
ID=15255557
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8139873A Pending JPH09320815A (ja) | 1996-06-03 | 1996-06-03 | ZnOバリスタの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09320815A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109796202A (zh) * | 2019-03-25 | 2019-05-24 | 电子科技大学 | 一种高性能低温烧结叠层片式压敏电阻材料 |
-
1996
- 1996-06-03 JP JP8139873A patent/JPH09320815A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109796202A (zh) * | 2019-03-25 | 2019-05-24 | 电子科技大学 | 一种高性能低温烧结叠层片式压敏电阻材料 |
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