JP2625178B2 - バリスタの製造方法 - Google Patents
バリスタの製造方法Info
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- JP2625178B2 JP2625178B2 JP63289715A JP28971588A JP2625178B2 JP 2625178 B2 JP2625178 B2 JP 2625178B2 JP 63289715 A JP63289715 A JP 63289715A JP 28971588 A JP28971588 A JP 28971588A JP 2625178 B2 JP2625178 B2 JP 2625178B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電圧非直線性抵抗として機能するバリスタ
に関し、特に高電流領域での非直線係数に優れたバリス
タの製造方法に関する。
に関し、特に高電流領域での非直線係数に優れたバリス
タの製造方法に関する。
〔従来の技術〕 従来から、印加電圧に応じて抵抗値が非直線的に変化
する抵抗体素子としてバリスタがある。このようなバリ
スタとして、例えば半導体セラミクからなるバリスタ素
子の両主面に電極を形成してなるディスク型バリスタ、
あるいはバリスタ層と内部電極とを交互に積層して一体
焼結してなる積層型バリスタがある。このバリスタは、
例えば電子回路に過電圧が加わるのを防止するためのサ
ージ吸収素子として採用されている。
する抵抗体素子としてバリスタがある。このようなバリ
スタとして、例えば半導体セラミクからなるバリスタ素
子の両主面に電極を形成してなるディスク型バリスタ、
あるいはバリスタ層と内部電極とを交互に積層して一体
焼結してなる積層型バリスタがある。このバリスタは、
例えば電子回路に過電圧が加わるのを防止するためのサ
ージ吸収素子として採用されている。
このようなバリスタの電圧−電流特性は次式で表され
る。
る。
I0/I1=(V0/V1)α ここでI0,I1は素子を流れる電流,I0,I1は印加電圧で
ある。また、上記式のαは非直線係数(以下、単にαと
記す)であり、これはバリスタを電気回路に組み込んだ
際の電圧がいかに制限されるかを示すもので、このα値
が大きいど電圧非直線特性は優れている。このαは、次
式によって実験的に求められる。
ある。また、上記式のαは非直線係数(以下、単にαと
記す)であり、これはバリスタを電気回路に組み込んだ
際の電圧がいかに制限されるかを示すもので、このα値
が大きいど電圧非直線特性は優れている。このαは、次
式によって実験的に求められる。
α=log(I0/I1)/log(V0/V1) この式からαは、電流,電圧を測定する領域によって
左右されることが判る。一般的にZnO系バリスタの電圧
−電流特性は、約10-5A/cm2以下の第1領域,該第1領
域から約10A/cm2までの第2領域,及びこれ以上の第3
領域に分けられている。
左右されることが判る。一般的にZnO系バリスタの電圧
−電流特性は、約10-5A/cm2以下の第1領域,該第1領
域から約10A/cm2までの第2領域,及びこれ以上の第3
領域に分けられている。
ところでαは、上記第1〜第3領域すべてにおいて優
れていることが望ましいわけであるが、例えば、ZnOにB
i,Co,Mn,Sb等の酸化物を添加して製造されたバリスタ
は、上記第2領域の1〜10mA/cm2におけるαは50以上あ
るのに対して、第3領域の10〜100A/cm2では20以上下と
非常に低い値となっている。この第3領域といわれる高
電流領域でのαが小さいと、制限電圧が高くなり、その
結果被保護回路を異常な高電圧から守る能力に劣るとい
う問題があり、この高電流領域でのαの向上が要請され
ている。
れていることが望ましいわけであるが、例えば、ZnOにB
i,Co,Mn,Sb等の酸化物を添加して製造されたバリスタ
は、上記第2領域の1〜10mA/cm2におけるαは50以上あ
るのに対して、第3領域の10〜100A/cm2では20以上下と
非常に低い値となっている。この第3領域といわれる高
電流領域でのαが小さいと、制限電圧が高くなり、その
結果被保護回路を異常な高電圧から守る能力に劣るとい
う問題があり、この高電流領域でのαの向上が要請され
ている。
本発明の目的は、上記高電流領域でのαに優れたバリ
スタを提供することにある。
スタを提供することにある。
本件発明者らは、高電流領域でのαを向上させるため
に鋭意検討を重ねたところ、上記第2,第3領域でのα
は、ZnO粒子そのものの抵抗値によって決まることに着
目し、このZnOの抵抗値を変えてやれば、即ち、抵抗値
を小さくできればそれだけαを大きくできることを見出
し、本発明を成したものである。
に鋭意検討を重ねたところ、上記第2,第3領域でのα
は、ZnO粒子そのものの抵抗値によって決まることに着
目し、このZnOの抵抗値を変えてやれば、即ち、抵抗値
を小さくできればそれだけαを大きくできることを見出
し、本発明を成したものである。
そこで本発明は、ZnOにイットリウムをY2O3に換算し
て0.01mol%以上5mol%以下に添加して加熱処理して、
上記ZnOを半導体化させる第1工程と、このZnOを粉砕
し、これにバリスタとして機能する少なくともBi2O3を
含む副成分を添加して原料粉を作成する第2工程と、こ
の原料粉を所望の形状に成形焼成して焼結体を得る第3
工程とからなることを特徴とするバリスタの製造方法で
ある。
て0.01mol%以上5mol%以下に添加して加熱処理して、
上記ZnOを半導体化させる第1工程と、このZnOを粉砕
し、これにバリスタとして機能する少なくともBi2O3を
含む副成分を添加して原料粉を作成する第2工程と、こ
の原料粉を所望の形状に成形焼成して焼結体を得る第3
工程とからなることを特徴とするバリスタの製造方法で
ある。
また、上記添加量を0.01mol%以上5mol%以下と規定
したのは、添加量が0.01mol%以下ではほとんど半導体
化の効果が得られず、また5mol%を越えるとかえってバ
リスタ特性を悪化させるためである。
したのは、添加量が0.01mol%以下ではほとんど半導体
化の効果が得られず、また5mol%を越えるとかえってバ
リスタ特性を悪化させるためである。
さらに本発明のバリスタは、単板状のバリスタ,ある
いはバリスタ層と内部電極とを交互に積層してなる積層
型バリスタ等が考えられ、特に限定されるものではな
い。
いはバリスタ層と内部電極とを交互に積層してなる積層
型バリスタ等が考えられ、特に限定されるものではな
い。
本発明に係るバリスタの製造方法によれば、第1工程
で、ZnOにイットリウムを添加し、これを加熱処理して
半導体化したZnOを得るようにしたので、上記熱処理時
に添加金属がZnOに固溶して該ZnOの抵抗値を下げること
となる。従って、この半導体化したZnOで第2,第3工程
に沿ってバリスタを製造することにより、高電流領域で
のα値を大幅に向上でき、制限電圧を低下させてサージ
吸収特性に優れたバリスタが得られる。
で、ZnOにイットリウムを添加し、これを加熱処理して
半導体化したZnOを得るようにしたので、上記熱処理時
に添加金属がZnOに固溶して該ZnOの抵抗値を下げること
となる。従って、この半導体化したZnOで第2,第3工程
に沿ってバリスタを製造することにより、高電流領域で
のα値を大幅に向上でき、制限電圧を低下させてサージ
吸収特性に優れたバリスタが得られる。
以下、本発明の実施例を説明する。
本実施例では、ディスク型バリスタに適用した場合を
例にとって説明する。
例にとって説明する。
第1工程 まず、ZnO粉末にYあるいはこれの酸化物粉末を、
0.01mol%以上5mol%以下の範囲で添加混合する。
0.01mol%以上5mol%以下の範囲で添加混合する。
次に上記混合粉末を1300℃×1時間で加熱処理す
る。すると上記金属がZnOに固溶し、該ZnO粉末を半導体
化することとなる。
る。すると上記金属がZnOに固溶し、該ZnO粉末を半導体
化することとなる。
第2工程 上記半導体化したZnOの仮焼結体を粉砕して、再度
粉末状にする。そしてこのZnO粉末にバリスタとして機
能する副成分としてのBi2O3を0.5mol%,MnOを0.5mol%,
Co2O3を0.5mol%,Sb2O3を0.7mol%それぞれ添加した後
混合し、さらにこれに有機バインダーを混合してグリー
ンシートを形成する。
粉末状にする。そしてこのZnO粉末にバリスタとして機
能する副成分としてのBi2O3を0.5mol%,MnOを0.5mol%,
Co2O3を0.5mol%,Sb2O3を0.7mol%それぞれ添加した後
混合し、さらにこれに有機バインダーを混合してグリー
ンシートを形成する。
第3工程 次に、上記グリーンシートを円板状に打ち抜いて8.
0φ×1.0tのバリスタ素子を形成し、このバリスタ素子
を空気中にて1100℃×2時間で加熱焼成し、焼結体を得
る。
0φ×1.0tのバリスタ素子を形成し、このバリスタ素子
を空気中にて1100℃×2時間で加熱焼成し、焼結体を得
る。
最後に、上記焼結体の両主面に、Agペーストを塗布
した後焼き付けて電極を形成し、しかる後リード加工,
ディップ外装する。これにより本実施例のディスク型バ
リスタが製造される。
した後焼き付けて電極を形成し、しかる後リード加工,
ディップ外装する。これにより本実施例のディスク型バ
リスタが製造される。
このように本実施例の製造方法によれば、ZnOにYま
たはこれの酸化物を添加し、これを加熱処理して半導体
化させたので、ZnOの抵抗値を小さくでき、それだけ第
3領域でのαを向上させることができる。その結果、被
保護回路を異常な高電圧から守るサージ吸収素子として
の機能を向上できる。
たはこれの酸化物を添加し、これを加熱処理して半導体
化させたので、ZnOの抵抗値を小さくでき、それだけ第
3領域でのαを向上させることができる。その結果、被
保護回路を異常な高電圧から守るサージ吸収素子として
の機能を向上できる。
次に本実施例方法により製造されたバリスタの結果を
確認するために行った実験について説明する。
確認するために行った実験について説明する。
この実験は、ZnO粉末にY2O3を0.005mol%〜10mol%添
加し、これを1300℃×1時間半導体化させて、しかる後
上述した〜の製造方法に沿ってバリスタを作成し
た。そしてこの各バリスタのV1mA、1〜10mAでの非直線
係数α1,及び1〜10Aでの非直線係数α2を測定した。
なお、比較するため半導体化処理を施していないバリス
タについても同様の測定を行った。
加し、これを1300℃×1時間半導体化させて、しかる後
上述した〜の製造方法に沿ってバリスタを作成し
た。そしてこの各バリスタのV1mA、1〜10mAでの非直線
係数α1,及び1〜10Aでの非直線係数α2を測定した。
なお、比較するため半導体化処理を施していないバリス
タについても同様の測定を行った。
その結果を表に示す。同表からも明らかなように、上
記酸化物粉末の添加量が0.005mol%の場合は高電流領域
でのα2が20以下と低くほとんど効果が得られていな
い。また、上記添加量が10mol%の場合はV1mA,α1及び
α2とも悪化している。これに対して、添加量が0.01mo
l%〜5mol%の範囲の場合は、V1mA,α1とも所定の値を
確保できているとともに、α2がいずれも20以上得られ
ており、高電流領域でのαが優れていることがわかる。
記酸化物粉末の添加量が0.005mol%の場合は高電流領域
でのα2が20以下と低くほとんど効果が得られていな
い。また、上記添加量が10mol%の場合はV1mA,α1及び
α2とも悪化している。これに対して、添加量が0.01mo
l%〜5mol%の範囲の場合は、V1mA,α1とも所定の値を
確保できているとともに、α2がいずれも20以上得られ
ており、高電流領域でのαが優れていることがわかる。
なお、上記実施例ではディスク型バリスタの製造方法
を例にとって説明したが、本発明は勿論これに限られる
ものではなく、例えばバリスタ層と内部電極とを交互に
積層して一体焼結してなる積層型バリスタにも適用でき
る。
を例にとって説明したが、本発明は勿論これに限られる
ものではなく、例えばバリスタ層と内部電極とを交互に
積層して一体焼結してなる積層型バリスタにも適用でき
る。
以上のように本発明に係るバリスタの製造方法によれ
ば、ZnOにイットリウム又はこれの酸化物を0.01〜5mol
%添加して、これを熱処理することによりZnOを半導体
化させたので、高電流領域での非直線係数を向上でき、
制限電圧を低下できる効果がある。
ば、ZnOにイットリウム又はこれの酸化物を0.01〜5mol
%添加して、これを熱処理することによりZnOを半導体
化させたので、高電流領域での非直線係数を向上でき、
制限電圧を低下できる効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島原 豊 京都府長岡京市天神2丁目26番10号 株 式会社村田製作所内 (72)発明者 米田 康信 京都府長岡京市天神2丁目26番10号 株 式会社村田製作所内 (72)発明者 坂部 行雄 京都府長岡京市天神2丁目26番10号 株 式会社村田製作所内 (56)参考文献 特開 昭58−122703(JP,A) 特開 昭63−233502(JP,A) 特開 昭59−124103(JP,A) 特開 平2−12901(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】ZnOにイットリウムをY2O3に換算して0.01m
ol%以上5mol%以下添加して熱処理することにより上記
ZnOを半導体化させる第1工程と、この半導体化したZnO
を粉砕し、これにバリスタとして機能する少なくともBi
2O3を含む副成分を添加して原料粉を作成する第2工程
と、この原料粉を所望の形状に成形した後焼成して焼結
体を得る第3工程とからなることを特徴とするバリスタ
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63289715A JP2625178B2 (ja) | 1988-11-16 | 1988-11-16 | バリスタの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63289715A JP2625178B2 (ja) | 1988-11-16 | 1988-11-16 | バリスタの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02135704A JPH02135704A (ja) | 1990-05-24 |
JP2625178B2 true JP2625178B2 (ja) | 1997-07-02 |
Family
ID=17746814
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63289715A Expired - Fee Related JP2625178B2 (ja) | 1988-11-16 | 1988-11-16 | バリスタの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2625178B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5278101B2 (ja) * | 2009-03-27 | 2013-09-04 | Tdk株式会社 | 電圧非直線性抵抗素子及びその製造方法 |
CN101630553B (zh) * | 2009-07-17 | 2011-10-12 | 立昌先进科技股份有限公司 | 一种氧化锌变阻器的制备方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58122703A (ja) * | 1982-01-14 | 1983-07-21 | 株式会社東芝 | 電圧非直線抵抗体の製造方法 |
-
1988
- 1988-11-16 JP JP63289715A patent/JP2625178B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02135704A (ja) | 1990-05-24 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |