JP2510961B2 - 電圧非直線抵抗体 - Google Patents
電圧非直線抵抗体Info
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- JP2510961B2 JP2510961B2 JP62202106A JP20210687A JP2510961B2 JP 2510961 B2 JP2510961 B2 JP 2510961B2 JP 62202106 A JP62202106 A JP 62202106A JP 20210687 A JP20210687 A JP 20210687A JP 2510961 B2 JP2510961 B2 JP 2510961B2
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- JP
- Japan
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- bismuth
- oxide
- phase
- sintered body
- varistor
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-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01C—RESISTORS
- H01C7/00—Non-adjustable resistors formed as one or more layers or coatings; Non-adjustable resistors made from powdered conducting material or powdered semi-conducting material with or without insulating material
- H01C7/10—Non-adjustable resistors formed as one or more layers or coatings; Non-adjustable resistors made from powdered conducting material or powdered semi-conducting material with or without insulating material voltage responsive, i.e. varistors
- H01C7/105—Varistor cores
- H01C7/108—Metal oxide
- H01C7/112—ZnO type
Description
【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は熱履歴に対して優れた安定性をもつビスマス
を含有する酸化亜鉛系の電圧非直線抵抗体(以下バリス
タと称す)に関する。
を含有する酸化亜鉛系の電圧非直線抵抗体(以下バリス
タと称す)に関する。
(従来の技術) 昨今、各種バリスタの開発はめざましいものがあり、
中でもビスマスを含有した酸化亜鉛系のバリスタはその
優れた非直線性,サージ吸収性および定電圧性などの安
定性が認められ、雷サージおよび異常電圧に対する防護
用バリスタまたは定電圧バリスタとして広く用いられて
いる。しかしてこの種バリスタは、主成分としての酸化
亜鉛に添加物としてビスマス,コバルト,マンガン,ニ
ッケル,クロムなどを数種から10数種添加混合し、造粒
成形焼結してなる焼結体両面に銀ペーストを塗布−焼付
けするか、または電極金属をメタリコンするかなどの手
段を経て電極を形成し実用に供している。
中でもビスマスを含有した酸化亜鉛系のバリスタはその
優れた非直線性,サージ吸収性および定電圧性などの安
定性が認められ、雷サージおよび異常電圧に対する防護
用バリスタまたは定電圧バリスタとして広く用いられて
いる。しかしてこの種バリスタは、主成分としての酸化
亜鉛に添加物としてビスマス,コバルト,マンガン,ニ
ッケル,クロムなどを数種から10数種添加混合し、造粒
成形焼結してなる焼結体両面に銀ペーストを塗布−焼付
けするか、または電極金属をメタリコンするかなどの手
段を経て電極を形成し実用に供している。
しかして、このようにして用いられるバリスタは、実
用上通常(正常)の電圧状態においてはアイドリング電
流(漏れ電流)が少なく、異常電圧,雷サージ吸収時は
その吸収能力が大きく、その後の電気的特性の変化がき
わめて少ないことが要求されている。従来、このような
要求に応える技術として特公昭53−21509号公報、また
は特公昭60−38841号公報に開示されたものがある。
用上通常(正常)の電圧状態においてはアイドリング電
流(漏れ電流)が少なく、異常電圧,雷サージ吸収時は
その吸収能力が大きく、その後の電気的特性の変化がき
わめて少ないことが要求されている。従来、このような
要求に応える技術として特公昭53−21509号公報、また
は特公昭60−38841号公報に開示されたものがある。
特公昭53−21509号公報(以下前者と称す)に開示さ
れた技術は、焼結体中に含まれるBi2O3のうち10%以上
をγ−Bi2O3として含ませることにより直流負荷に対し
て安定で、さらにパルス電流に対しても安定で優れたバ
リスタ特性を発揮するようにしたものである。
れた技術は、焼結体中に含まれるBi2O3のうち10%以上
をγ−Bi2O3として含ませることにより直流負荷に対し
て安定で、さらにパルス電流に対しても安定で優れたバ
リスタ特性を発揮するようにしたものである。
また特公昭60−38841号公報(以下後者と称す)に開
示された技術は、銀を含むホウケイ酸ビスマスガラスが
添加され、焼結体中のBi2O3の90重量%以上を体心立法
晶系酸化ビスマス(γ−Bi2O3)にすることによって、
きわめて苛酷な課電条件下においても長時間経過後の漏
れ電流の経時変化がきわめて少なく、しかも時間ととも
に減少するような特性をもつバリスタに関するものであ
る。
示された技術は、銀を含むホウケイ酸ビスマスガラスが
添加され、焼結体中のBi2O3の90重量%以上を体心立法
晶系酸化ビスマス(γ−Bi2O3)にすることによって、
きわめて苛酷な課電条件下においても長時間経過後の漏
れ電流の経時変化がきわめて少なく、しかも時間ととも
に減少するような特性をもつバリスタに関するものであ
る。
すなわち前者は添加物の種類や仮焼条件,焼成条件な
どによって焼結体にα−Bi2O3相,β−Bi2O3相,γ−Bi
2O3相の他にδ−Bi2O3相が生成され、また焼成した時点
ではγ−Bi2O3相を含まない焼結体でも電極焼付、また
は使用中の再加熱下などの熱履歴を経るとα−Bi2O
3相,β−Bi2O3相,δ−Bi2O3相がγ−Bi2O3相に変態す
る場合のγ−Bi2O3相が10%以上のときに安定なバリス
タが得られることを究明したものである。後者は銀を含
むホウケイ酸ビスマスガラスを添加して得られた酸化ビ
スマスを含む焼結体を構成する酸化ビスマスは通常800
〜900℃で反応を開始し、いったんはパイロクロア結晶
相を形成し、ついで分解してスピネル結晶相と酸化ビス
マス(III)の液相を生じ、酸化亜鉛の焼結が進行する
過程で形成されるβ−Bi2O3相,δ−Bi2O3相を含む焼結
体をジャーナル・オブ・アプライズド・フィジックス
(日本国),15巻(1976年)1847頁に記載の方法に準じ
て、大気中において700℃で再焼成することによって焼
結体中の酸化ビスマス(III)の90%以上をγ−Bi2O3相
に相変化させることによって安定なバリスタが得られる
ことを究明したものである。
どによって焼結体にα−Bi2O3相,β−Bi2O3相,γ−Bi
2O3相の他にδ−Bi2O3相が生成され、また焼成した時点
ではγ−Bi2O3相を含まない焼結体でも電極焼付、また
は使用中の再加熱下などの熱履歴を経るとα−Bi2O
3相,β−Bi2O3相,δ−Bi2O3相がγ−Bi2O3相に変態す
る場合のγ−Bi2O3相が10%以上のときに安定なバリス
タが得られることを究明したものである。後者は銀を含
むホウケイ酸ビスマスガラスを添加して得られた酸化ビ
スマスを含む焼結体を構成する酸化ビスマスは通常800
〜900℃で反応を開始し、いったんはパイロクロア結晶
相を形成し、ついで分解してスピネル結晶相と酸化ビス
マス(III)の液相を生じ、酸化亜鉛の焼結が進行する
過程で形成されるβ−Bi2O3相,δ−Bi2O3相を含む焼結
体をジャーナル・オブ・アプライズド・フィジックス
(日本国),15巻(1976年)1847頁に記載の方法に準じ
て、大気中において700℃で再焼成することによって焼
結体中の酸化ビスマス(III)の90%以上をγ−Bi2O3相
に相変化させることによって安定なバリスタが得られる
ことを究明したものである。
本発明者らは以上に述べた技術を前提に種々検討を重
ねた結果、上記従来技術として開示されている前者,後
者とも焼結体中に含まれるα,β,δそれぞれのBi2O3
相を呈すると酸化ビスマスが製造工程中の熱履歴、すな
わち電極焼付時、または電極形成として熱履歴をともな
わないメッキ,メタリコンのものでも実用時の電気エネ
ルギーの累積熱履歴によってγ−Bi2O3相に変態(相変
化)し低電流領域で電圧−電流(V−I)特性が低下す
る点がわかった。しかして本発明者らは焼結体を構成す
る酸化亜鉛を主成分とした結晶粒子の粒界偏析部に熱に
安定なビスマス化合物を生成させることによって粒界偏
析部を構成するBi2O3相の熱による相変化を少なくする
ことができる点に着目し種々開発を進め本発明にいたっ
た。
ねた結果、上記従来技術として開示されている前者,後
者とも焼結体中に含まれるα,β,δそれぞれのBi2O3
相を呈すると酸化ビスマスが製造工程中の熱履歴、すな
わち電極焼付時、または電極形成として熱履歴をともな
わないメッキ,メタリコンのものでも実用時の電気エネ
ルギーの累積熱履歴によってγ−Bi2O3相に変態(相変
化)し低電流領域で電圧−電流(V−I)特性が低下す
る点がわかった。しかして本発明者らは焼結体を構成す
る酸化亜鉛を主成分とした結晶粒子の粒界偏析部に熱に
安定なビスマス化合物を生成させることによって粒界偏
析部を構成するBi2O3相の熱による相変化を少なくする
ことができる点に着目し種々開発を進め本発明にいたっ
た。
(発明が解決しようとする問題点) 以上のように安定なバリスタを得るため、添加物の種
類や仮焼条件,焼成条件などによって焼結体中の結晶粒
子の粒界偏析部に形成されるBi2O3相中所望の量のγ−B
i2O3相を得たとしても、残りのα,β,δそれぞれのBi
2O3相がその後の熱履歴、つまり電極焼付および使用中
の電気エネルギーによって相変化を起こし、低電流領域
でのV−I特性の低下を防止することができない。
類や仮焼条件,焼成条件などによって焼結体中の結晶粒
子の粒界偏析部に形成されるBi2O3相中所望の量のγ−B
i2O3相を得たとしても、残りのα,β,δそれぞれのBi
2O3相がその後の熱履歴、つまり電極焼付および使用中
の電気エネルギーによって相変化を起こし、低電流領域
でのV−I特性の低下を防止することができない。
本発明は焼結体中の粒界偏析部に存在するBi2O3相を
減らすことによって、非直線性に優れ経時変化のないき
わめて安定性の高いバリスタを提供することを目的とす
るものである。
減らすことによって、非直線性に優れ経時変化のないき
わめて安定性の高いバリスタを提供することを目的とす
るものである。
[発明の構成] (問題点を解決するための手段) 本発明のバリスタは酸化亜鉛と酸化マグネシウムを主
成分とし、副成分として少なくともビスマスとタンタル
を含む原料に、金属添加物としてカルシウム,バリウ
ム,ストロンチウム,鉛,ランタン,セリウム,プラセ
オジウム,ネオジウム,プロメチウム,サマリウム,ユ
ーロビオム,ガドリニウム,ジスプロシウム,ホルシウ
ム中より少なくとも1種を含み、該金属添加物とビスマ
ス,タンタルとビスマスの関係が Me/Bi=0.05〜0.5, Ta/Bi=0.2〜2.0 の範囲で、ビスマスをBi2O3に換算して0.05〜1.0モル%
含有してなる焼結体における結晶粒子の粒界偏析部に、
前記焼結体中の全ビスマスの50%以上を化合したパイロ
クロア型化合物を含有したことを特徴とするものであ
る。
成分とし、副成分として少なくともビスマスとタンタル
を含む原料に、金属添加物としてカルシウム,バリウ
ム,ストロンチウム,鉛,ランタン,セリウム,プラセ
オジウム,ネオジウム,プロメチウム,サマリウム,ユ
ーロビオム,ガドリニウム,ジスプロシウム,ホルシウ
ム中より少なくとも1種を含み、該金属添加物とビスマ
ス,タンタルとビスマスの関係が Me/Bi=0.05〜0.5, Ta/Bi=0.2〜2.0 の範囲で、ビスマスをBi2O3に換算して0.05〜1.0モル%
含有してなる焼結体における結晶粒子の粒界偏析部に、
前記焼結体中の全ビスマスの50%以上を化合したパイロ
クロア型化合物を含有したことを特徴とするものであ
る。
(作用) 以上のような構成になるバリスタによれば、焼結体中
の結晶粒子の粒界偏析部に介在する偏析物として全ビス
マスの50%以上をパイロクロア型化合物にすることによ
って1000℃程度まで変態しない熱的に安定な物質として
形成でき、熱履歴過程でγ−Bi2O3相に相変化するBi2O3
相が極力少なくなり、低電流領域でのV−I特性の低下
はきわめて少なく、従来では得ることのできない優れた
非直線特性を得ることができる。
の結晶粒子の粒界偏析部に介在する偏析物として全ビス
マスの50%以上をパイロクロア型化合物にすることによ
って1000℃程度まで変態しない熱的に安定な物質として
形成でき、熱履歴過程でγ−Bi2O3相に相変化するBi2O3
相が極力少なくなり、低電流領域でのV−I特性の低下
はきわめて少なく、従来では得ることのできない優れた
非直線特性を得ることができる。
(実施例) 以下、本発明の実施例につき詳細に説明する。酸化亜
鉛(ZnO),酸化マグネシウム(MgO)を主成分とし、副
成分として酸化ビスマス(Bi2O3),酸化タンタル(Ta2
O5),酸化アンチモン(Sb2O3),酸化コバルト(Co
O),酸化クロム(Cr2O3),酸化ニッケル(NiO),酸
化マンガン(MnO)の中より少なくともBi2O3,Ta2O5を含
む原料に、金属(Me)添加物として酸化カルシウム(Ca
O),酸化バリウム(BaO),酸化ストロンチウム(Sr
O),酸化鉛(PbO),酸化ランタン(La2O3),酸化セ
リウム(Ce2O3),酸化プラセオジウム(Pr2O3),酸化
ネオジウム(Nd2O3),酸化プロメチウム(Pm2O3),酸
化サマリウム(Sm2O3),酸化ユーロビオム(Eu2O3),
酸化ガドリニウム(Gd2O3),酸化ジスプロシウム(Dy2
O3),酸化ホルシウム(Ho2O3)中よりも少なくとも1
種を含み、該金属(Me)添加物とビスマス、タンタルと
ビスマスの関係が Me/Bi=0.05〜0.5 Ta/Bi=0.2〜2.0 の範囲で、Bi2O3を0.5〜1.0モル%含有するセラミック
粉末を造粒成形し、1000〜1300℃の温度で焼成して得た
板状焼結体の両面に銀焼付,メッキまたはメタリコンな
どを施し電極を形成してなるものである。
鉛(ZnO),酸化マグネシウム(MgO)を主成分とし、副
成分として酸化ビスマス(Bi2O3),酸化タンタル(Ta2
O5),酸化アンチモン(Sb2O3),酸化コバルト(Co
O),酸化クロム(Cr2O3),酸化ニッケル(NiO),酸
化マンガン(MnO)の中より少なくともBi2O3,Ta2O5を含
む原料に、金属(Me)添加物として酸化カルシウム(Ca
O),酸化バリウム(BaO),酸化ストロンチウム(Sr
O),酸化鉛(PbO),酸化ランタン(La2O3),酸化セ
リウム(Ce2O3),酸化プラセオジウム(Pr2O3),酸化
ネオジウム(Nd2O3),酸化プロメチウム(Pm2O3),酸
化サマリウム(Sm2O3),酸化ユーロビオム(Eu2O3),
酸化ガドリニウム(Gd2O3),酸化ジスプロシウム(Dy2
O3),酸化ホルシウム(Ho2O3)中よりも少なくとも1
種を含み、該金属(Me)添加物とビスマス、タンタルと
ビスマスの関係が Me/Bi=0.05〜0.5 Ta/Bi=0.2〜2.0 の範囲で、Bi2O3を0.5〜1.0モル%含有するセラミック
粉末を造粒成形し、1000〜1300℃の温度で焼成して得た
板状焼結体の両面に銀焼付,メッキまたはメタリコンな
どを施し電極を形成してなるものである。
表1〜表15は金属(Me)添加物の種類および添加量
(モル%)のちがいによる銀焼付電極形成と同じ条件と
なる700℃熱処理を施した焼結体のX線回折によるイン
ピーク強度比から求めたZnO結晶粒子間を構成する粒界
偏析部成分としてのパイロクロア型化合物に含まれるビ
スマク量と、焼結体自体の電気的特性を把握するために
熱履歴をともなわせないアルミニウムメタリコン電極形
成によって測定したV100μA−V1mAのα、熱履歴をとも
なう銀焼付電極形成によって測定したV100μA−V1mAの
α、さらにはV1mA/mmを示したものである。
(モル%)のちがいによる銀焼付電極形成と同じ条件と
なる700℃熱処理を施した焼結体のX線回折によるイン
ピーク強度比から求めたZnO結晶粒子間を構成する粒界
偏析部成分としてのパイロクロア型化合物に含まれるビ
スマク量と、焼結体自体の電気的特性を把握するために
熱履歴をともなわせないアルミニウムメタリコン電極形
成によって測定したV100μA−V1mAのα、熱履歴をとも
なう銀焼付電極形成によって測定したV100μA−V1mAの
α、さらにはV1mA/mmを示したものである。
なお、試料として用いた焼結体の大きさは直径が14m
m,厚さが1mmで、電極直径は13.4mmである。
m,厚さが1mmで、電極直径は13.4mmである。
つぎに前記表1〜表15に示した結果をわかりやすくす
るため、第1図〜第9図を参照して説明する。第1図お
よび第3図はMe/BiまたはTa/Biと非直線性α(V100μA
−V1mA)の関係を示すもので、第2図および第4図はMe
/BiまたはTa/Biとパイロクロア型化合物に含まれるビス
マス量を示すもので、第1図および第2図におけるTa/B
iは1.0、第3図および第4図におけるMe/Biは0.25のと
きである。また第5図はパイロクロア型化合物に含まれ
るビスマス量と700℃のアニールによるLC変動との関係
を示すもので、第6図はパイロクロア型化合物に含まれ
るビスマス量と高温課電(105℃,DC2mA,1000h)後によ
るLC変動との関係を示すものである。なお、この試料は
アルミニウムメタリコン電極によるものである。さらに
第7図は前記表1に示す実施例1−9と従来例1−70の
V1μA−V10mAの電圧−電流特性を示すものであり、第
8図および第9図は第7図で用いたものと同一試料のX
線回折グラフを示すもので、第8図は熱処理前、第9図
は焼結体の熱処理(700℃)後である。
るため、第1図〜第9図を参照して説明する。第1図お
よび第3図はMe/BiまたはTa/Biと非直線性α(V100μA
−V1mA)の関係を示すもので、第2図および第4図はMe
/BiまたはTa/Biとパイロクロア型化合物に含まれるビス
マス量を示すもので、第1図および第2図におけるTa/B
iは1.0、第3図および第4図におけるMe/Biは0.25のと
きである。また第5図はパイロクロア型化合物に含まれ
るビスマス量と700℃のアニールによるLC変動との関係
を示すもので、第6図はパイロクロア型化合物に含まれ
るビスマス量と高温課電(105℃,DC2mA,1000h)後によ
るLC変動との関係を示すものである。なお、この試料は
アルミニウムメタリコン電極によるものである。さらに
第7図は前記表1に示す実施例1−9と従来例1−70の
V1μA−V10mAの電圧−電流特性を示すものであり、第
8図および第9図は第7図で用いたものと同一試料のX
線回折グラフを示すもので、第8図は熱処理前、第9図
は焼結体の熱処理(700℃)後である。
前記表1〜表15および第1図〜第4図から明らかなよ
うに、Me/BiおよびTa/Biが大きくなるほどパイロクロア
型化合物に含まれるビスマスの割合が増加する傾向を示
す中で、非直線性αが極大となるMe/BiおよびTa/Biの範
囲はMe/Bi=0.05〜0.5,Ta/Bi=0.2〜2.0であることがわ
かる。すなわち焼結体の粒界偏析部にパイロクロア型化
合物に含まれるビスマス量の増加によってBi2O3が減少
しすぐれた非直線性を示すが、Me/Bi,Ta/Biが上限を越
して大きくなりすぎるとパイロクロア化する反応ステー
ジが早くなりすぎ、焼結性を損うことによるものと推量
される。また前記表1〜表15はもとより第5図および第
6図から明らかなように、パイロクロア型化合物に含ま
れるビスマス量が50%以上となるものは熱履歴による非
直線性α特性の変化がきわめて少なくすぐれたバリスタ
特性を示している。さらに第7図から明らかなようにパ
イロクロア型化合物が存在しない従来例のものは低電流
領域での電圧低下が著しいのに対し、本発明のものは電
流が1μAという低電流領域でも電圧降下はわずかで漏
れ電流がきわめて小さい結果を示した。しかして、本発
明によるものが以上のようなすぐれた効果を発揮する根
拠については第8図および第9図によって明らかなよう
に、焼結体の結晶粒子間の粒界偏析部にパイロクロア型
化合物を含み、該パイロクロア型化合物に焼結体中に含
まれる全ビスマスの50%以上を含有させ熱履歴により相
変化するBi2O3相を少なく抑制できることによるもので
ある。
うに、Me/BiおよびTa/Biが大きくなるほどパイロクロア
型化合物に含まれるビスマスの割合が増加する傾向を示
す中で、非直線性αが極大となるMe/BiおよびTa/Biの範
囲はMe/Bi=0.05〜0.5,Ta/Bi=0.2〜2.0であることがわ
かる。すなわち焼結体の粒界偏析部にパイロクロア型化
合物に含まれるビスマス量の増加によってBi2O3が減少
しすぐれた非直線性を示すが、Me/Bi,Ta/Biが上限を越
して大きくなりすぎるとパイロクロア化する反応ステー
ジが早くなりすぎ、焼結性を損うことによるものと推量
される。また前記表1〜表15はもとより第5図および第
6図から明らかなように、パイロクロア型化合物に含ま
れるビスマス量が50%以上となるものは熱履歴による非
直線性α特性の変化がきわめて少なくすぐれたバリスタ
特性を示している。さらに第7図から明らかなようにパ
イロクロア型化合物が存在しない従来例のものは低電流
領域での電圧低下が著しいのに対し、本発明のものは電
流が1μAという低電流領域でも電圧降下はわずかで漏
れ電流がきわめて小さい結果を示した。しかして、本発
明によるものが以上のようなすぐれた効果を発揮する根
拠については第8図および第9図によって明らかなよう
に、焼結体の結晶粒子間の粒界偏析部にパイロクロア型
化合物を含み、該パイロクロア型化合物に焼結体中に含
まれる全ビスマスの50%以上を含有させ熱履歴により相
変化するBi2O3相を少なく抑制できることによるもので
ある。
なお、ビスマスの一部は相変化しないガラス化ビスマ
スとして存在するものと推量される。
スとして存在するものと推量される。
[発明の効果] 以上述べたように本発明によれば、非直線性にすぐ
れ、かつ熱履歴に対して特性劣化のないきわめて安定し
た実用的価値の高いバリスタを得ることができる。
れ、かつ熱履歴に対して特性劣化のないきわめて安定し
た実用的価値の高いバリスタを得ることができる。
第1図はMe/Bi−α特性曲線図、第2図はMe/Bi−パイロ
クロア型化合物に含まれるビスマス量の相関図、第3図
はTa/Bi−α特性曲線図、第4図はTa/Bi−パイロクロア
型化合物に含まれるビスマス量の相関図、第5図はパイ
ロクロア型化合物に含まれるビスマス量−アニールによ
るΔLC/LC特性曲線図、第6図はパイロクロア型化合物
に含まれるビスマス量−高温課電によるΔLC/LC特性曲
線図、第7図は電流−電圧比特性曲線図、第8図は熱処
理前の焼結体のX線回折グラフ、第9図は熱処理後の焼
結体のX線回折グラフである。
クロア型化合物に含まれるビスマス量の相関図、第3図
はTa/Bi−α特性曲線図、第4図はTa/Bi−パイロクロア
型化合物に含まれるビスマス量の相関図、第5図はパイ
ロクロア型化合物に含まれるビスマス量−アニールによ
るΔLC/LC特性曲線図、第6図はパイロクロア型化合物
に含まれるビスマス量−高温課電によるΔLC/LC特性曲
線図、第7図は電流−電圧比特性曲線図、第8図は熱処
理前の焼結体のX線回折グラフ、第9図は熱処理後の焼
結体のX線回折グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−25897(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】酸化亜鉛と酸化マグネシウムを主成分と
し、副成分として少なくともビスマスとタンタルを含む
原料に、金属添加物としてカルシウム,バリウム,スト
ロンチウム,鉛,ランタン,セリウム,プラセオジウ
ム,ネオジウム,プロメチウム,サマリウム,ユーロビ
オム,ガドリニウム,ジスプロシウム,ホルシウム中よ
り少なくとも1種を含み、該金属添加物とビスマス、タ
ンタルとビスマスの関係が Me/Bi=0.05〜0.5 Ta/Bi=0.2〜2.0 の範囲で、ビスマスをBi2O3に換算して0.05〜1.0モル%
含有してなる焼結体における結晶粒子の粒界偏析部に、
前記焼結体中の全ビスマスの50%以上を化合したパイロ
クロア型化合物を含有したことを特徴とする電圧非直線
抵抗体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62202106A JP2510961B2 (ja) | 1987-08-12 | 1987-08-12 | 電圧非直線抵抗体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62202106A JP2510961B2 (ja) | 1987-08-12 | 1987-08-12 | 電圧非直線抵抗体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6444005A JPS6444005A (en) | 1989-02-16 |
JP2510961B2 true JP2510961B2 (ja) | 1996-06-26 |
Family
ID=16452063
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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