JP2531586B2 - 電圧非直線抵抗体 - Google Patents

電圧非直線抵抗体

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JP2531586B2
JP2531586B2 JP62117433A JP11743387A JP2531586B2 JP 2531586 B2 JP2531586 B2 JP 2531586B2 JP 62117433 A JP62117433 A JP 62117433A JP 11743387 A JP11743387 A JP 11743387A JP 2531586 B2 JP2531586 B2 JP 2531586B2
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bismuth
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varistor
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武志 鈴木
清 松田
幸輝 菊地
孝道 桃木
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Marcon Electronics Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は熱履歴に対して優れた安定性をもつビスマス
を含有する酸化亜鉛系の電圧非直線抵抗体(以下バリス
タと称す)に関する。
(従来の技術) 昨今、各種バリスタの開発はめざましいものがあり、
中でもビスマスを含有した酸化亜鉛系のバリスタはその
優れた非直線性,サージ吸収性および定電圧性などの安
定性が認められ、雷サージおよび異常電圧に対する防護
用バリスタまたは定電圧バリスタとして広く用いられて
いる。しかしてこの種のバリスタは、主成分としての酸
化亜鉛に添加物としてビスマス,コバルト,マンガン,
ニッケル,クロムなどを数種から10数種添加混合し、造
粒成形焼結してなる焼結体両面に銀ペーストを塗布−焼
付けするか、または電極金属をメタリコンするかなどの
手段を経て電極を形成し実用に供している。
しかして、このようにして用いられるバリスタは、実
用上通常(正常)の電圧状態においてはアイドリング電
流(漏れ電流)が少なく、異常電圧,雷サージ吸収時は
その吸収能力が大きく、その後の電気的特性の変化がき
わめて少ないことが要求されている。従来、このような
要求に応える技術として特公昭53-21509号公報、または
特公昭60-38841号公報に開示されたものがある。
特公昭53-21509号公報(以下前者と称す)に開示された
技術は、焼結体中に含まれるBi2O3のうち10%以上をγ
−Bi2O3として含ませることにより直流負荷に対して安
定で、さらにパルス電流に対しても安定で優れたバリス
タ特性を発揮するようにしたものである。
また特公昭60-38841号公報(以後後者と称す)に開示
された技術は、銀を含むホウケイ酸ビスマスガラスが添
加され、焼結体中のBi2O3の90重量%以上を体心立法晶
系酸化ビスマス(γ−Bi2O3)にすることによって、き
わめて苛酷な課電条件下においても長時間経過後の漏れ
電流の経時変化がきわめて少なく、しかも時間とともに
減少するような特性をもつバリスタに関するものであ
る。
すなわち前者は添加物の種類や仮焼条件,焼成条件な
どによって焼結体α−Bi2O3相,β−Bi2O3相,γ−Bi2O
3相の他にδ−Bi2O3相が生成され、また焼成した時点で
はγ−Bi2O3相を含まない焼結体でも電極焼付、または
使用中の再加熱下などの熱履歴を経るとα−Bi2O3相,
β−Bi2O3相,δ−Bi2O3相がγ−Bi2O3相に変態する場
合のγ−Bi2O3相が10%以上のときに安定なバリスタが
得られることを究明したものである。後者は銀を含むホ
ウケイ酸ビスマスガラスを添加して得られた酸化ビスマ
スを含む焼結体を構成する酸化ビスマスは通常800〜900
℃で反応を開始し、いったんはパイロクロア結晶相を形
成し、ついで分解してスピネル結晶相と酸化ビスマス
(III)の液相を生じ、酸化亜鉛の焼結が進行する過程
で形成されるβ−Bi2O3相,δ−Bi2O3相を含む焼結体を
ジャーナル・オブ・アプライズド・フィジックス(日本
国),15巻(1976年)1847頁に記載の方法に準じて、大
気中において700℃で再焼成することによって焼結体中
の酸化ビスマス(III)の90%以上をγ−Bi2O3相に相変
化させることによって安定なバリスタが得られることを
究明したものである。
本発明者らは以上に述べた技術を前提に種々検討を重
ねた結果、上記従来技術として開示されている前者,後
者とも焼結体中に含まれるα,β,δそれぞれのBi2O3
相を呈する酸化ビスマスが製造工程中の熱履歴、すなわ
ち電極焼付時、または電極形成として熱履歴をともなわ
ないメッキ,メタリコンのものでも実用時の電気エネル
ギーの累積熱履歴によってγ−Bi2O3相に変態(相変
化)し低電流領域で電圧−電流(V−I)特性が低下す
る点がわかった。しかして本発明らは焼結体を構成する
酸化亜鉛を主成分とした結晶粒子の粒界偏析部に熱に安
定なビスマス化合物を生成させることによって粒界偏析
部を構成するBi2O3相の熱による相変化を少なくするこ
とができる点に着目し種々開発を進め本発明にいたっ
た。
(発明が解決しようとする問題点) 以上のように安定なバリスタを得るため、添加物の種
類や仮焼条件,焼成条件などによって焼結体中の結晶粒
子の粒界偏析部に形成されるBi2O3相中所望の量のγ−B
i2O3相を得たとしても、残りのα,β,δそれぞれのBi
2O3相がその後の熱履歴、つまり電極焼付および使用中
の電気エネルギーによって相変化を起こし、低電流領域
でのV−I特性の低下を防止することができない。
本発明は焼結体中の粒界偏析部に存在するBi2O3相を
減らすことによって、非直線性に優れ経時変化のないき
わめて安定性の高いバリスタを提供することを目的とす
るものである。
[発明の構成] (問題点を解決するための手段) 本発明のバリスタは酸化亜鉛を主成分とし、添加物と
して少なくともバリウム,ビスマス,タンタル,アンチ
モンを含み、該添加物中のバリウムとビスマス,タンタ
ルとビスマスの関係が Ba/Bi=0.05〜0.5, Ta/Bi=0.2〜2.0 の範囲で、ビスマスをBi2O3に換算して 0.05〜1.0モル%,アンチモンを Sb2O3に換算して0.05〜3.0モル%含有してなる焼結体に
おける酸化亜鉛を主成分とする結晶粒子の粒界偏析部
に、前記焼結体中の全ビスマスの50%以上をパイロクロ
ア型化合物であるように構成してなるものである。
(作用) 以上のような構成になるバリスタによれば、焼結体中
の結晶粒子の粒界偏析部に介在する偏析物として全ビス
マスの50%以上をパイロクロア型化合物にすることによ
って1000℃程度まで変態しない熱的に安定な物質として
形成でき、熱履歴過程でγ−Bi2O3相に相変化するBi2O3
相が極力少なくなり、低電流領域でのV−I特性の低下
はきわめて少なく、従来では得ることのできない優れた
非直線特性を得ることができる。
(実施例) 以下、本発明の実施例につき詳細に説明する。主成分
としての酸化亜鉛(ZnO)に添加物として酸化ビスマス
(Bi2O3),酸化バリウム(BaO),酸化タンタル(Ta2O
5),酸化アンチモン(Sb2O3),酸化コバルト(Co
O),酸化クロム(Cr2O3),酸化ニッケル(NiO),酸
化マンガン(MnO)の酸化物の中から少なくとも酸化バ
リウム,酸化ビスマス,酸化タンタル,酸化アンチモン
を含み、該添加物中のバリウムとビスマス,タンタルと
ビスマスの関係が Ba/Bi=0.05〜0.5, Ta/Bi=0.2〜2.0の範囲で、 Bi2O3 0.05〜1.0モル%, Sb2O3 0.05〜3.0モル%含有するセラミック粉末を造粒
成形し1000〜1300℃の温度で焼成し、得た板状焼結体の
両面に銀焼付,メッキまたはメタリコンなどを施し電極
を形成してなるものである。
表は添加物の種類および添加量(モル%)のちがいに
よる銀焼付電極形成と同じ条件となる700℃熱処理を施
した焼結体のX線回折によるメインピーク強度比から求
めたZnO結晶粒子間を構成する粒界偏析部成分としての
パイロクロア型化合物に含まれるビスマス量と、焼結体
自体の電気的特性を把握するために熱履歴をともなわせ
ないアルミニウムメタリコン電極形成によって測定した
V100μA−V1mAのα、熱履歴をともなう銀焼付電極形成
によって測定したV100μA−V1mAのα、さらにはV1mA/m
mを示したものである。
なお、試料として用いた焼結体の大きさは直径が14m
m、厚さが1mmで、電極直径は13.4mmである。
つぎに前記表に示した結果をわかりやすくするため、
第1図〜第9図を参照して説明する。第1図および第3
図はBa/BiまたはTa/Biと非直線性α(V100μA−V1mA)
の関係を示すもので、第2図および第4図はBa/Biまた
はTa/Biとパイロクロア型化合物に含まれるビスマス量
を示すもので、第1図および第2図におけるTa/Biは1.
0、第3図および第4図におけるBa/Biは0.25のときであ
る。また第5図はパイロクロア型化合物に含まれるビス
マス量と700℃のアニールによるLC変動との関係を示す
もので、第6図はパイロクロア型化合物に含まれるビス
マス量と高温課電(105℃,DC2mA,1000h)後によるLC変
動との関係を示すものである。なお、この試料はアルミ
ニウムメタリコン電極によるものである。さらに第7図
は前記表に示す実施例9と従来例73のV1μA−V10mAの
電圧−電流特性を示すものであり、第8図および第9図
は第7図で用いたものと同一試料のX線回折グラフを示
すもので、第8図は熱処理前、第9図は焼結体の熱処理
(700℃)後である。
前記表および第1図〜第4図から明らかなように、Ba
/BiおよびTa/Biが大きくなるほどパイロクロア型化合物
に含まれるビスマスの割合が増加する傾向を示す中で、
非直線性αが極大となるBa/BiおよびTa/Biの範囲はBa/B
i=0.05〜0.5, Ta/Bi=0.2〜2.0であることがわかる。すなわち焼結体
の粒界偏析部にパイロクロア型化合物に含まれるビスマ
ス量の増加によってBi2O3が減少しすぐれた非直線性を
示すが、Ba/Bi,Ta/Biが上限を越して大きくなりすぎる
とパイロクロア化する反応ステージが早くなりすぎ、焼
結性を損うことによるものと推量される。また前記表は
もとより第5図および第6図から明らかなように、パイ
ロクロア型化合物に含まれるビスマス量が50%以上とな
るものは熱履歴による非直線性α特性の変化がきわめて
少なくすぐれたバリスタ特性を示している。さらに第7
図から明らかなようにパイロクロア型化合物が存在しな
い従来例のものは低電流領域での電圧低下が著しいのに
対し、本発明のものは電流が1μAという低電流領域で
も電圧降下はわずかで漏れ電流がきわめて小さい結果を
示した。しかして、本発明によるものが以上のようなす
ぐれた効果を発揮する根拠については第8図および第9
図によって明らかなように、焼結体の結晶粒子間の粒界
偏析部にパイロクロア型化合物を含み、該パイロクロア
型化合物に焼結体中に含まれる全ビスマスの50%以上を
含有させ熱履歴により相変化するBi2O3相を少なく抑制
できることによるものである。
なお、ビスマスの一部は相変化しないガラス化ビスマ
スとして存在するものと推量される。
[発明の効果] 以上述べたように本発明によれば、非直線性にすぐ
れ、かつ熱履歴に対して特性劣化のないきわめて安定し
た実用的価値の高いバリスタを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はBa/Bi−α特性曲線図、第2図はBa/Bi−パイロ
クロア型化合物に含まれるビスマス量の相関図、第3図
はTa/Bi−α特性曲線図、第4図はTa/Bi−パイロクロア
型化合物に含まれるビスマス量の相関図、第5図はパイ
ロクロア型化合物に含まれるビスマス量−アニールによ
るΔLC/LC特性曲線図、第6図はパイロクロア型化合物
に含まれるビスマス量−高温課電によるΔLC/LC特性曲
線図、第7図は電流−電圧比特性曲線図、第8図は熱処
理前の焼結体のX線回折グラフ、第9図は熱処理後の焼
結体のX線回折グラフである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化亜鉛を主成分とし、少なくともバリウ
    ム,ビスマス,タンタル,アンチモンの添加物を含み、
    該添加物中のバリウムとビスマス,タンタルとビスマス
    の関係が Ba/Bi=0.05〜0.5, Ta/Bi=0.2〜2.0 の範囲で、ビスマスをBi2O3に換算して 0.05〜1.0モル%,アンチモンを Sb2O3に換算して0.05〜3.0モル%含有してなる焼結体に
    おける結晶粒子の粒界偏析部に、前記焼結体中の全ビス
    マスの50%以上を化合したパイロクロア型化合物を含有
    したことを特徴とする電圧非直線抵抗体。
JP62117433A 1987-05-13 1987-05-13 電圧非直線抵抗体 Expired - Lifetime JP2531586B2 (ja)

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