JPH09320367A - 架橋ポリエチレン絶縁ケーブルの製法 - Google Patents

架橋ポリエチレン絶縁ケーブルの製法

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JPH09320367A
JPH09320367A JP13925996A JP13925996A JPH09320367A JP H09320367 A JPH09320367 A JP H09320367A JP 13925996 A JP13925996 A JP 13925996A JP 13925996 A JP13925996 A JP 13925996A JP H09320367 A JPH09320367 A JP H09320367A
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JP
Japan
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cable
oxygen
insulator
metal sheath
condenser
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Application number
JP13925996A
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English (en)
Inventor
Shiyouichirou Nakamura
詳一郎 中村
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Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 絶縁体中に存在する架橋剤分解残渣に起因す
る加熱時の水の発生が抑制され、特性劣化が長期にわた
って防止された架橋ポリエチレン絶縁ケーブルを得る。 【解決手段】 架橋ポリエチレン絶縁体4を金属シース
7で被覆し、この金属シース7に酸素の沸点より低い温
度に冷却された凝縮器12を接続し、金属シース7内の
少なくとも酸素の一部をこの凝縮器12内に凝縮させて
金属シース7内から排除する。凝縮器12は液体窒素1
4で冷却される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は架橋ポリエチレン絶
縁ケーブルの製法に関するものであり、特に架橋ポリエ
チレン絶縁ケーブルの絶縁体中に存在する架橋剤分解残
渣に起因する加熱時の水の発生が抑制され、特性劣化が
長期にわたって防止された架橋ポリエチレン絶縁ケーブ
ルの製法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近では電線またはケーブルとして、架
橋ポリエチレンの絶縁層を有するものが多用されてい
る。この架橋ポリエチレン絶縁ケーブル(以下、単に
「ケーブル」という)は普通、絶縁体であるポリエチレ
ンがジクミルパーオキサイド(以下、「DCP」とい
う)を架橋剤として架橋され、耐熱性が与えられてなる
ものであり、従来の絶縁油充填ケーブルなどと比べ、メ
ンテナンスフリー性に優れていることが利点の一つとさ
れている。しかしこのケーブルは、布設に先立つ作業で
例えば100℃以上程度に加熱されると絶縁体の内部に
水が発生し、電気特性が劣化したり、走水による亀裂、
いわゆる水ツリーを誘発するなどの不都合が起こる場合
が知られている(特開平4−243306号公報参
照)。
【0003】例えば、布設に先立ってケーブルの巻き癖
を除去する際、癖取りと称してケーブルを機械的に直線
化した後、ヒータなどで加熱してアニーリングを行う。
この加熱工程中に絶縁体中に水が発生する場合がある。
また、ケーブルを接続する際、インジェクションモール
ドジョイント(EMJ)と称する方法が行われている。
これは、架橋性ポリエチレンコンパウンドを露出した導
体接続部の周囲に押出し、金型内で加熱して架橋絶縁体
被覆を形成する方法であるが、この場合、接続部近傍の
絶縁体が加熱されて水が発生する。これらの場合に、水
の発生を防止するため、従来はできるだけ低温度で長時
間かけてアニーリングや加熱を行うなどの注意を必要と
し、これが作業能率を著しく低下させていた。
【0004】また、絶縁体は、ケーブルの実使用時にお
いても、導体通電によるヒートサイクルによって加熱さ
れ、水が発生することによって電気特性が劣化る。そこ
で、この水の発生原因が探求された。その結果、架橋ポ
リエチレンにおける水の発生は、DCPの分解生成物で
あるクミルアルコールによるものであることがわかっ
た。
【0005】この水の発生を防止するために、例えば、
特開平4−342731号公報は、クミルアルコールの
熱分解反応が抑制される75℃以下の温度に加熱して、
予め絶縁体中の水分含有量を低減しておき、あらためて
85〜95℃に加熱して熱分解反応を徐々に起こさせて
発生した水を絶縁体を通して蒸発させる方法を提案して
いる。この方法は、水が一時に多量に発生してボイドや
水ツリーができることを抑える効果はあるものの、徐々
に水を発散させるために長時間の乾燥時間を要し、生産
効率が悪い。また、特開平4−355013は、架橋し
た絶縁体を加熱乾燥することによって、水生成の原因物
質であるクミルアルコールを揮散除去する方法を提案し
ている。しかしこの方法も、クミルアルコールや生成し
た水を除去するため長時間の付加的な加熱乾燥工程が必
要になるので、同様に生産効率が悪い。
【0006】クミルアルコールや生成水を加熱によって
除去する方法以外に、例えば老化防止剤として絶縁体中
に脂肪族アミン、またはイソシアン酸エステルを添加し
て上記の熱分解反応(II)を抑制する方法も提案され
ている(それぞれ特開平1−243306号公報、特開
昭63−289715号公報参照)。しかし、これらの
老化防止剤は、絶縁体や半導電層を汚染する可能性があ
り、またマイグレーションなどによって比較的速やかに
失効する場合もある。いずれにせよ、これらを多量に混
入することは、ケーブルの絶縁特性上好ましくない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一方、クミルアルコー
ルの熱分解には絶縁体中の酸素濃度が関与していること
が知られている(特開平4−342731号公報、特開
昭63−143771号公報参照)。この熱分解反応
は、絶縁体中に溶解している酸素の濃度を0.5容量%
以下に保てば抑制できる(特願平5−291048
号)。製造時に酸素濃度を0.5容量%以下にすること
は、例えば製造中に行われるメタン乾燥工程を酸素分圧
80mmHg以下の真空または不活性ガス中で行えば容
易に達成できる。しかし、元来ポリエチレンは酸素透過
性が高いので、この後の工程で大気中の酸素が侵入する
可能性は十分にあり、メタン乾燥工程を上記の貧酸素条
件下に行ったとしても、その直後から布設するまでの間
も、ケーブルの保管または加工作業の一部もしくは全部
を酸素分圧80mmHg以下の貧酸素雰囲気中に保持す
る必要があった。これは実際上、定期的な雰囲気ガスの
成分検査やガスの交換が必要となるなど煩雑であり、架
橋ポリエチレン絶縁ケーブルのメンテナンスフリー性を
損なわずに絶縁体中の酸素濃度を上記のレベルに維持す
ることは容易なことではなかった。
【0008】従って本発明は、架橋ポリエチレン絶縁体
(以下、単に「絶縁体」という)中の酸素濃度を長期に
わたって十分に低く抑制し、これによってヒートサイク
ル時の水の発生を防止したケーブルおよびその製法の提
供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するために、上記の絶縁体を金属シースで被覆し、こ
の金属シースに酸素の沸点以下の温度に冷却された凝縮
器を接続し、金属シース内の少なくとも酸素の一部をこ
の凝縮器内に凝縮させて金属シース内から排除するケー
ブルの製法を提供する。この凝縮器を冷却する手段は液
体窒素であることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例により図面を用いて説明する。 (実施例1)図1は、本発明の一実施例を示している。
図1においてケーブル本体1は、導体2の上に順次、内
部半導電層3、絶縁体4、外部半導電層5、テープ層6
が形成され、更にこのケーブル素体が金属シース7で被
覆されてなっている。この絶縁体4はDCPで架橋され
たポリエチレンからなり、酸素分圧80mmHg以下の
貧酸素雰囲気下におけるメタン乾燥工程を経てメタンが
排除されている。
【0011】この金属シース7は側部に接続孔8が設け
られていて、この接続孔8は継ぎ手9によってバルブ1
0に接続され、このバルブ10は連結管11を経て凝縮
器12に接続されている。この凝縮器12は金属製の容
器であって外套13に収容され、凝縮器12と外套13
との間隙部には液体窒素14が充填され、この液体窒素
が凝縮器12を酸素の沸点より低い温度に冷却するよう
になっている。
【0012】金属シース7に酸素の沸点より低い温度に
冷却された凝縮器12が接続されていれば、金属シース
7内に存在する酸素の少なくとも一部、および水分の少
なくとも一部は凝縮器12内に凝縮して捕捉されるの
で、金属シース7内の酸素濃度および水分濃度は低下す
る。
【0013】この状態でケーブルを放置すると、凝縮器
12内の酸素が凝縮することによって凝縮器12内は減
圧になり、ケーブル本体1内に含まれている空気が順次
拡散して凝縮器12に至り、酸素が凝縮する。この間に
金属シース7内に含まれている水分も同様にして凝縮器
12に至り、凝縮・捕捉される。
【0014】一定期間放置後には金属シース7内に含ま
れている酸素や水分が、例えば酸素分圧が80mmHg
以下となる程度まで低下する。ここで継ぎ手9をバルブ
10から分離して継ぎ手9の開口を金属板などでシール
すれば、ケーブル本体1の絶縁体4中の酸素濃度は0.
5容量%以下に維持される。
【0015】上記の製法により得られた本発明のケーブ
ルは、絶縁体中の酸素濃度が0.5容量%以下に保たれ
ているので、製造後のヒートサイクルによっても熱分解
により絶縁体中に発生する水分量が少なく、良好なケー
ブル特性が長期間にわたって維持される。
【0016】(実施例2)導体外径12mm、絶縁体厚
み11mmのケーブル素体を乾式架橋し、次いで酸素濃
度1容量%以下の窒素ガス中で70℃に14日間メタン
乾燥を行った。次にこのケーブル素体を空気中で金属シ
ースに収納し、ケーブル本体を得た。このケーブル本体
の金属シースに、図1に示すように接続孔8を形成して
凝縮器12を接続し、液体窒素14によってこの凝縮器
12を冷却してケーブル本体中の酸素を凝縮・捕捉し
た。次いで凝縮器12を分離し、接続孔8をシールした
後、得られたケーブルに、常温から100℃までのヒー
トサイクルを30回施し、次いで絶縁体中の含有水分量
をカールフィッシャー法により測定した。結果を表1に
示す。
【0017】(比較例)上記と同様に製造し、ただし凝
縮器を用いて金属シース内から酸素を凝縮・捕捉する工
程を含まない比較例のケーブルに、上記と同様のヒート
サイクルを施し、絶縁体中の含有水分量を測定した。結
果を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】表1の結果から、実施例2の方法により製
造されたケーブルが、金属シース内に従来と同様に大気
が充満された比較例のケーブルに比べて、熱分解による
絶縁体中の水分の発生が十分に低く抑えられていること
がわかる。
【0020】
【発明の効果】本発明の架橋ポリエチレン絶縁ケーブル
の製法は、金属シース内の酸素や水分の少なくとも一部
を冷却により凝縮・排除するものであるので、製造から
実使用に至るまでの加熱やヒートサイクルに対して、絶
縁体中の水の発生が良好に抑制され、メンテナンスフリ
ー性を保ったままケーブル特性を良好に維持することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施態様を示す断面図。
【符号の説明】
1…ケーブル本体、2…導体、4…絶縁体、7…金属シ
ース、12…凝縮器。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架橋ポリエチレン絶縁体を金属シースで
    被覆し、この金属シースに酸素の沸点以下の温度に冷却
    された凝縮器を接続し、金属シース内の少なくとも酸素
    の一部をこの凝縮器内に凝縮させて金属シース内から排
    除する架橋ポリエチレン絶縁ケーブルの製法。
  2. 【請求項2】 凝縮器を冷却する手段が液体窒素である
    請求項1に記載の架橋ポリエチレン絶縁ケーブルの製
    法。
JP13925996A 1996-05-31 1996-05-31 架橋ポリエチレン絶縁ケーブルの製法 Pending JPH09320367A (ja)

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