JPH0917234A - 電気絶縁組成物及び電線・ケーブル - Google Patents
電気絶縁組成物及び電線・ケーブルInfo
- Publication number
- JPH0917234A JPH0917234A JP7162082A JP16208295A JPH0917234A JP H0917234 A JPH0917234 A JP H0917234A JP 7162082 A JP7162082 A JP 7162082A JP 16208295 A JP16208295 A JP 16208295A JP H0917234 A JPH0917234 A JP H0917234A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polymer
- weight
- cable
- block copolymer
- polyethylene
- Prior art date
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- Pending
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Organic Insulating Materials (AREA)
- Insulated Conductors (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明の目的は耐水トリー性、特に耐ボウタ
イトリーを大幅に向上させることができる新規な電気絶
縁組成物及び電線・ケーブルを提供することにある。 【構成】 本発明はポリエチレン又は、エチレン系共重
合体あるいはこれらの混合物１００重量部に対し、スチ
レン・ブタジエン・オレフィン結晶ブロックコポリマ又
はスチレン・イソプレン・オレフィン結晶ブロックコポ
リマを水添したポリマを１重量部〜５０重量部添加して
なることを特徴としている。
イトリーを大幅に向上させることができる新規な電気絶
縁組成物及び電線・ケーブルを提供することにある。 【構成】 本発明はポリエチレン又は、エチレン系共重
合体あるいはこれらの混合物１００重量部に対し、スチ
レン・ブタジエン・オレフィン結晶ブロックコポリマ又
はスチレン・イソプレン・オレフィン結晶ブロックコポ
リマを水添したポリマを１重量部〜５０重量部添加して
なることを特徴としている。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は電気絶縁組成物及びこれ
を絶縁体として用いた電線・ケーブルに関するものであ
る。
を絶縁体として用いた電線・ケーブルに関するものであ
る。
【０００２】
【従来の技術】ポリオレフィン、特にポリエチレンを架
橋したいわゆる架橋ポリエチレンは、電気絶縁性及び耐
熱性に優れていることから、電線・ケーブル及びその付
属品の絶縁材料として従来から広く用いられている。
橋したいわゆる架橋ポリエチレンは、電気絶縁性及び耐
熱性に優れていることから、電線・ケーブル及びその付
属品の絶縁材料として従来から広く用いられている。
【０００３】しかしながら、この架橋ポリエチレンを被
覆した電線・ケーブルは湿潤もしくは浸水雰囲気で使用
すると絶縁体中に水トリーが発生し、材料のもつ優れた
電気絶縁性能が大きく低下するという欠点を有してい
る。すなわち、この架橋ポリエチレンを用いた高圧用絶
縁ケーブルの一般的構成は、図１に示すように、導体１
の上部に内部半導電層２が形成されると共に、この内部
半導電層２の外周に絶縁体層３が形成され、さらにこの
絶縁体層３の外周に外部半導電層４が形成された構造よ
りなるが、この絶縁体層３中にボウタイ状水トリーが発
生するほか、界面水トリーが内部半導電層２又は外部半
導電層４より発生し、最悪の場合には絶縁体層３を貫通
して絶縁破壊に至ることすらある。
覆した電線・ケーブルは湿潤もしくは浸水雰囲気で使用
すると絶縁体中に水トリーが発生し、材料のもつ優れた
電気絶縁性能が大きく低下するという欠点を有してい
る。すなわち、この架橋ポリエチレンを用いた高圧用絶
縁ケーブルの一般的構成は、図１に示すように、導体１
の上部に内部半導電層２が形成されると共に、この内部
半導電層２の外周に絶縁体層３が形成され、さらにこの
絶縁体層３の外周に外部半導電層４が形成された構造よ
りなるが、この絶縁体層３中にボウタイ状水トリーが発
生するほか、界面水トリーが内部半導電層２又は外部半
導電層４より発生し、最悪の場合には絶縁体層３を貫通
して絶縁破壊に至ることすらある。
【０００４】この水トリーは絶縁体中のボイド、異物、
並びに絶縁体と半導電層界面の不整などの局所的高電界
部に水が凝集することによって発生する。このため、電
線・ケーブル中のこれらの欠陥を除去するため、多くの
努力が払われてきており、レジンの品質管理や電線・ケ
ーブルの製造技術の改善によって、水トリーの発生の抑
止効果が向上してきている。
並びに絶縁体と半導電層界面の不整などの局所的高電界
部に水が凝集することによって発生する。このため、電
線・ケーブル中のこれらの欠陥を除去するため、多くの
努力が払われてきており、レジンの品質管理や電線・ケ
ーブルの製造技術の改善によって、水トリーの発生の抑
止効果が向上してきている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな各方面に亘って水トリーの発生抑止の努力・研究が
重ねられているにも拘わらず、上記水トリーの発生を大
幅に減少できる段階には到達していないのが現状であ
る。
うな各方面に亘って水トリーの発生抑止の努力・研究が
重ねられているにも拘わらず、上記水トリーの発生を大
幅に減少できる段階には到達していないのが現状であ
る。
【０００６】そこで、本発明は上記課題を解決するため
に案出されたものであり、その目的は、絶縁体中にボイ
ド、異物、不整などの欠陥が生じていても、耐水トリー
性、特に耐ボウタイトリーを大幅に向上させることがで
きる新規な電気絶縁組成物及び電線・ケーブルを提供す
ることにある。
に案出されたものであり、その目的は、絶縁体中にボイ
ド、異物、不整などの欠陥が生じていても、耐水トリー
性、特に耐ボウタイトリーを大幅に向上させることがで
きる新規な電気絶縁組成物及び電線・ケーブルを提供す
ることにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の第一の発明はポリエチレン又は、エチレン系共重合体
あるいはこれらの混合物１００重量部に対し、スチレン
・ブタジエン・オレフィン結晶ブロックコポリマ又はス
チレン・イソプレン・オレフィン結晶ブロックコポリマ
を水添したポリマを１重量部〜５０重量部添加してなる
電気絶縁組成物であり、また、第二の発明はこのような
電気絶縁組成物を導体上に被覆してなる電線・ケーブル
である。
の第一の発明はポリエチレン又は、エチレン系共重合体
あるいはこれらの混合物１００重量部に対し、スチレン
・ブタジエン・オレフィン結晶ブロックコポリマ又はス
チレン・イソプレン・オレフィン結晶ブロックコポリマ
を水添したポリマを１重量部〜５０重量部添加してなる
電気絶縁組成物であり、また、第二の発明はこのような
電気絶縁組成物を導体上に被覆してなる電線・ケーブル
である。
【０００８】本発明に用いるポリマーはスチレンとブタ
ジエン及びエチレンなどの結晶性オレフィンのブロック
共重合体又は、スチレン・イソプロピレン及びエチレン
などの結晶性オレフィンのブロック共重合体を水添した
ポリマで、添加量を１〜５０重量部と規定したのは、１
重量部未満では、耐ボウタイトリー特性に効果がなく、
５０重量部を越えると誘電特性が悪化するためである。
ジエン及びエチレンなどの結晶性オレフィンのブロック
共重合体又は、スチレン・イソプロピレン及びエチレン
などの結晶性オレフィンのブロック共重合体を水添した
ポリマで、添加量を１〜５０重量部と規定したのは、１
重量部未満では、耐ボウタイトリー特性に効果がなく、
５０重量部を越えると誘電特性が悪化するためである。
【０００９】また、ポリエチレンまたは、エチレン系共
重合体あるいは、これらの混合物にスチレン・エチレン
ブチレンオレフィン結晶ブロックコポリマを添加してな
る樹脂組成物は、導体外周に直接あるいは半導電層を介
して被覆され、架橋あるいは非架橋の電気絶縁層を形成
する。架橋する場合は、ジクミルパーオキサイド、２，
５−ジメチル−２，５−（ｔ−ブチルパーオキシ）ヘキ
シンに代表されるパーオキサイドを用いて加熱架橋する
のが一般的である。
重合体あるいは、これらの混合物にスチレン・エチレン
ブチレンオレフィン結晶ブロックコポリマを添加してな
る樹脂組成物は、導体外周に直接あるいは半導電層を介
して被覆され、架橋あるいは非架橋の電気絶縁層を形成
する。架橋する場合は、ジクミルパーオキサイド、２，
５−ジメチル−２，５−（ｔ−ブチルパーオキシ）ヘキ
シンに代表されるパーオキサイドを用いて加熱架橋する
のが一般的である。
【００１０】また、ビニルトリエトキシシランのような
有機シランをポリマにグラフトし、水分と接触させてシ
ラノール縮合触媒によりシランを縮合させて架橋させた
いわゆるシラン水架橋、あるいは電子線のような電離性
放射線の照射による架橋でも良い。
有機シランをポリマにグラフトし、水分と接触させてシ
ラノール縮合触媒によりシランを縮合させて架橋させた
いわゆるシラン水架橋、あるいは電子線のような電離性
放射線の照射による架橋でも良い。
【００１１】その他、必要に応じて滑剤、着色剤、充填
剤、架橋促進剤等を添加することは一向に差し支えな
い。
剤、架橋促進剤等を添加することは一向に差し支えな
い。
【００１２】
【作用】本発明は上述したような電気絶縁組成物を用い
たため、絶縁体中にボイド、異物、並びに絶縁体と半導
電層界面の不整といった欠陥が存在していても、従来と
同等以上の電気特性を有しつつ、耐水トリー性、特にボ
ウタイトリー性が大幅に向上する。
たため、絶縁体中にボイド、異物、並びに絶縁体と半導
電層界面の不整といった欠陥が存在していても、従来と
同等以上の電気特性を有しつつ、耐水トリー性、特にボ
ウタイトリー性が大幅に向上する。
【００１３】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳述する。
【００１４】表１に示す配合の組成物を１２０℃の熱ロ
ールで混練してシートを作り、ペレタイザーでペレット
化した。次いで、このペレットを押出機に導入し、図１
に示すように外径３ｍｍの銅導体１上に１．５ｍｍ厚の
内部半導電層２及び外部半導電層４とともに、２ｍｍ厚
の絶縁体層３として押出した。この後、直ちに窒素ガス
を熱媒体とした乾式架橋管内において架橋し、その後加
圧冷却することによってケーブルを完成させ、８種類の
試料（実施例１〜５、比較例１〜３）を得、これら各試
料について耐ボウタイトリー性及び電気特性についての
評価を行った。
ールで混練してシートを作り、ペレタイザーでペレット
化した。次いで、このペレットを押出機に導入し、図１
に示すように外径３ｍｍの銅導体１上に１．５ｍｍ厚の
内部半導電層２及び外部半導電層４とともに、２ｍｍ厚
の絶縁体層３として押出した。この後、直ちに窒素ガス
を熱媒体とした乾式架橋管内において架橋し、その後加
圧冷却することによってケーブルを完成させ、８種類の
試料（実施例１〜５、比較例１〜３）を得、これら各試
料について耐ボウタイトリー性及び電気特性についての
評価を行った。
【００１５】尚、この耐ボウタイトリー性の評価方法と
しては、上記各試料を９０℃の温水中に浸漬し、導体−
水間にＡＣ３ｋＶを５００日間印加した後、これを薄く
スライスし、メチレンブルー水溶液で煮沸染色し、光学
顕微鏡を用いてボウタイトリーの発生の有無と個数
（０．２ｍｍ）を調べた。一方、電気特性の評価方法と
しては、シェーリングブリッジを用い、ケーブル絶縁体
に係る電界を１０ｋＶ／ｍｍにし、そのときの誘電正接
を測定し、誘電正接の値が０．０５％以下であれば○、
それを越えるものを×として評価した。
しては、上記各試料を９０℃の温水中に浸漬し、導体−
水間にＡＣ３ｋＶを５００日間印加した後、これを薄く
スライスし、メチレンブルー水溶液で煮沸染色し、光学
顕微鏡を用いてボウタイトリーの発生の有無と個数
（０．２ｍｍ）を調べた。一方、電気特性の評価方法と
しては、シェーリングブリッジを用い、ケーブル絶縁体
に係る電界を１０ｋＶ／ｍｍにし、そのときの誘電正接
を測定し、誘電正接の値が０．０５％以下であれば○、
それを越えるものを×として評価した。
【００１６】
【表１】
【００１７】この結果、表１からも明らかなように、本
発明に係る実施例１〜５の各試料は、いずれも耐ボウタ
イトリー性が良好であり、また、誘電特性も良好な値を
示した。これに対し、スチレン・エチレンブチレンオレ
フィン結晶ブロックコポリマを添加しない比較例１と、
このスチレン・エチレンブチレンオレフィン結晶ブロッ
クコポリマの添加量が本発明の規定値以下である比較例
２はいずれもボウタイトリー発生数が極めて多く、耐ボ
ウタイトリー性に大きく劣ってしまった。また、このス
チレン・エチレンブチレンオレフィン結晶ブロックコポ
リマの添加量が本発明の規定値を越える比較例３では誘
電正接が悪化してしまった。
発明に係る実施例１〜５の各試料は、いずれも耐ボウタ
イトリー性が良好であり、また、誘電特性も良好な値を
示した。これに対し、スチレン・エチレンブチレンオレ
フィン結晶ブロックコポリマを添加しない比較例１と、
このスチレン・エチレンブチレンオレフィン結晶ブロッ
クコポリマの添加量が本発明の規定値以下である比較例
２はいずれもボウタイトリー発生数が極めて多く、耐ボ
ウタイトリー性に大きく劣ってしまった。また、このス
チレン・エチレンブチレンオレフィン結晶ブロックコポ
リマの添加量が本発明の規定値を越える比較例３では誘
電正接が悪化してしまった。
【００１８】尚、ボウタイトリーに及ぼす水分の影響は
極めて大きく、気中で課電したケーブルや金属シースな
どで遮水したケーブルにもボウタイトリーが見いだされ
ている。これらは外部から浸水した水分によるものでは
なく、ケーブル製造時に架橋ポリエチレンの内部に含ま
れる微量の水分によるものである。このようなボウタイ
トリーに対してもこの発明の絶縁体が有効であることは
勿論である。
極めて大きく、気中で課電したケーブルや金属シースな
どで遮水したケーブルにもボウタイトリーが見いだされ
ている。これらは外部から浸水した水分によるものでは
なく、ケーブル製造時に架橋ポリエチレンの内部に含ま
れる微量の水分によるものである。このようなボウタイ
トリーに対してもこの発明の絶縁体が有効であることは
勿論である。
【００１９】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、絶縁体中
にボイド、異物、並びに絶縁体と半導電層界面の不整と
いった欠陥が存在していても、従来と同等以上の電気特
性を有しつつ、耐水トリー性、特にボウタイトリー性が
大幅に向上するため、長期に亘って優れた電気絶縁性能
を維持することができる等といった優れた効果を発揮す
る。
にボイド、異物、並びに絶縁体と半導電層界面の不整と
いった欠陥が存在していても、従来と同等以上の電気特
性を有しつつ、耐水トリー性、特にボウタイトリー性が
大幅に向上するため、長期に亘って優れた電気絶縁性能
を維持することができる等といった優れた効果を発揮す
る。
【図１】本発明の一実施例を示す拡大断面図である。
１ 導体 ２ 内部半導電層 ３ 絶縁体層 ４ 外部半導電層
Claims (2)
- 【請求項１】 ポリエチレン又は、エチレン系共重合体
あるいはこれらの混合物１００重量部に対し、スチレン
・ブタジエン・オレフィン結晶ブロックコポリマ又はス
チレン・イソプレン・オレフィン結晶ブロックコポリマ
を水添したポリマを１重量部〜５０重量部添加してなる
ことを特徴とする電気絶縁組成物。 - 【請求項２】 請求項１記載の電気絶縁組成物を導体上
に被覆してなることを特徴とする電線・ケーブル。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7162082A JPH0917234A (ja) | 1995-06-28 | 1995-06-28 | 電気絶縁組成物及び電線・ケーブル |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7162082A JPH0917234A (ja) | 1995-06-28 | 1995-06-28 | 電気絶縁組成物及び電線・ケーブル |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0917234A true JPH0917234A (ja) | 1997-01-17 |
Family
ID=15747750
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7162082A Pending JPH0917234A (ja) | 1995-06-28 | 1995-06-28 | 電気絶縁組成物及び電線・ケーブル |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0917234A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH11195328A (ja) * | 1997-12-27 | 1999-07-21 | Sumitomo Electric Ind Ltd | シラン架橋方式水密絶縁電線およびその製造方法 |
-
1995
- 1995-06-28 JP JP7162082A patent/JPH0917234A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH11195328A (ja) * | 1997-12-27 | 1999-07-21 | Sumitomo Electric Ind Ltd | シラン架橋方式水密絶縁電線およびその製造方法 |
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