JPH09318723A - 車載用衛星信号受信装置 - Google Patents
車載用衛星信号受信装置Info
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Abstract
わせた衛星追尾方式を採用した車載用衛星信号受信装置
において、ジャイロセンサの出力信号の感度誤差を補正
する感度係数をドリフトがあった場合にも修正可能にす
る。 【解決手段】 受信レベルがしきい値LC以上の場合に
はジャイロ追尾が行われる。ジャイロ追尾は、ジャイロ
による角速度ωGに感度誤差を補正する感度係数ΔSB
を乗じて符号を反転した値と、所定のオフセット補正量
ΔωGとに基づいて、アンテナの角速度ωを、ω=−
(ωG×ΔSB)+ΔωGにより求め、このωをアンテ
ナに設定することにより行われる。ΔSBが不正確で、
ジャイロセンサの出力信号の感度誤差が生じると、受信
レベルが低下する。受信レベルがしきい値LB以下にな
った場合に、ハイブリッド追尾(ステップトラック追
尾)で用いられる角速度ωSの方向とジャイロ追尾の方
向とに基づき、感度係数を修正する。
Description
装置、特に衛星追尾用ジャイロの出力信号に現れる感度
誤差のドリフトを補正する機能を有する車載用衛星信号
受信装置に関する。
に放送衛星(以下BSという)あるいは通信衛星(以下
CSという)の方角へアンテナを向けるべくBSあるい
はCS(以下これらを代表して単にBSという)を追尾
して衛星からの電波を受信するための装置が開発されて
いる。すなわち、受信開始時において、受信アンテナを
回動してBSからの電波の受信レベルが最大となる位置
をサーチし、この受信レベルを維持すべく受信アンテナ
を微小角度変化させて受信レベルをサンプリングし、そ
の時のレベル変化から最適位置を検出するのである(ス
テップトラック方式)。
の電波が受信不能となる走行状況では使用することがで
きない。そこで、ジャイロ等の車両のヨーレートを検出
するヨーレートセンサを設け、このヨーレートセンサに
て検出した車両の回転角速度から車両の方位の変化を検
出し、これに基づいてBSを追尾する装置が提案されて
いる。
は、弱電界時にはジャイロによりアンテナが衛星の方向
を向くように追尾駆動し、強電界時には受信電波の波高
値を利用してアンテナが衛星方向を向くように追尾駆動
する車載用衛星放送(BS)受信装置が記載されてい
る。
も、車載用衛星放送(BS)受信装置が記載されてい
る。
は、角度センサーの校正を可能とし、安価な角度センサ
ーで電波遮断時にもアンテナが衛星の方向を向くように
制御しうる車載用衛星放送(BS)受信装置が記載され
ている。
は、受信アンテナを受信レベルが最大となる方向に向け
た後は、ジャイロセンサを用いて車体の動きを検出し、
その動きに併せて、受信アンテナが常に一定の方向を向
くように制御する装置が開示されている。
うなジャイロ等のヨーレートセンサを用いてBSを追尾
する際、車両走行時の温度や経時変化によってジャイロ
の出力信号のオフセット誤差や感度誤差に温度ドリフト
等が発生した場合には正確にBSを追尾することができ
ず、衛星放送を受信できないという問題があった。すな
わち、ジャイロの出力信号のオフセット誤差や感度誤差
に、温度ドリフト等(時間ドリフト)が生じることによ
り、ヨーレートが0deg/sec であるときの出力信号の値
が変化してしまうのである。例えば、ジャイロセンサの
出力信号のオフセット誤差のドリフトの様子の例が図1
5と図16に示されている。
信号の温度ドリフトの測定結果のグラフが示されてい
る。このグラフにおいて横軸は時間であり、縦軸はジャ
イロセンサの出力電圧又は温度を表す。このグラフに示
されているように、温度を+25℃から、+80℃まで
上昇させ、その後、−30℃まで下げた場合の3個のジ
ャイロセンサの出力電圧の変化が表されている。
ロセンサの時間ドリフトの測定結果のグラフが示されて
いる。このグラフにおいて横軸は時間であり、縦軸はジ
ャイロセンサの出力電圧を表す。このグラフに示されて
いるように、時間の経過と共にジャイロセンサの出力電
圧はジャイロを静止状態に保持しても変化していく、す
なわちオフセット誤差に変動が生じてしまうのである。
このグラフにおいても、図15のグラフと同様に、3個
のジャイロセンサの時間ドリフトについて表示してい
る。
のドリフトの様子について示したが、感度誤差について
も同様のドリフト現象が観察される。
オフセット誤差や感度誤差は時間や温度で変化するた
め、たとえ最初にオフセット誤差や感度誤差を完全に補
正しても、時間と共にオフセット誤差や感度誤差の変動
が発生し、オフセット誤差の補正値や感度誤差の補正係
数の値が不正確となり、車両が静止している場合におい
ても、右又は左に旋回していると判断されてしまうので
ある。
の変動によって、旋回量の検出に誤差が生じると、車両
の旋回時に追尾はずれを生じてしまう恐れがある。ま
た、振動ジャイロセンサは、一般に製品のばらつき(す
なわち個体差)が大きく、また、温度や時間によって、
出力電圧が変化してしまうという欠点が存在する。
オフセット誤差や感度誤差のドリフトを正確に補正する
ことによって衛星の追尾を高精度に行える装置が望まれ
ている。オフセット誤差と感度誤差のうち、オフセット
誤差のドリフトの補正に関しては、本願出願人による本
願と関連する特許出願において種々の発明を開示してい
る。本願においては、主に感度誤差のドリフトを補正し
うる発明について提案する。
サに生じる感度誤差の温度ドリフトや時間ドリフトを迅
速に、かつ、簡便に補正して確実にBSを追尾すること
が可能な車載用衛星信号受信装置を提供することであ
る。
題を解決するために、車載されたアンテナと、車両の回
転角速度を検出するジャイロセンサと、前記ジャイロセ
ンサの出力信号の感度誤差を補正する感度係数を前記ジ
ャイロセンサの出力信号に乗算し、前記感度誤差を補正
した信号を出力する感度誤差補正手段と、前記ジャイロ
センサの出力信号の感度誤差を補正した前記信号をもと
に前記アンテナの指向方向を制御するジャイロ追尾手段
と、を備えた車載用衛星信号受信装置において、以下の
ような感度係数修正手段を有することを特徴とする。
この感度係数修正手段は、前記アンテナが受信する衛星
信号の受信レベルに基づき、前記感度誤差補正手段の前
記感度係数を修正する手段である。
差SBと、車両の真の回転角速度ωTRUEを用いると、以
下のように表される。
このような感度誤差SBの影響を打ち消すために、感度
係数ΔSB(=1/(1+SB))を用いて、以下のよ
うにジャイロセンサの出力信号の補正が行われる。
ある場合は、車両の旋回時にその回転角速度が実際より
多く、又は少なく検出されてしまう。すると、アンテナ
の回転量が実際の車両の回転量より大きくなったり、又
は小さくなってしまう。その結果、受信レベルの低下を
招くのである。
ンサの出力信号がある程度の大きさの場合(車両が回転
している場合)に、受信レベルの低下が生じた場合に
は、感度誤差の補正が不完全であると判断し、ジャイロ
センサの感度誤差の補正係数の修正を行うのである。
両の旋回時(ジャイロセンサの出力信号がある程度の大
きさの場合)に受信レベルの低減を検出し、ジャイロセ
ンサの感度誤差にドリフトが発生し、補正係数の修正が
必要になったことを検出可能である。
尾」として表現したが、ステップトラック追尾を含む追
尾方式が採用されていれば、どのような追尾方式にも本
発明を適用可能であることはいうまでもない。例えば、
後述する実施の形態においては、ステップトラック追尾
の代わりに、ステップトラック追尾とジャイロ追尾とを
組み合わせたハイブリッド追尾の例が示されている。
は、車載されたアンテナと、車両の回転角速度を検出す
るジャイロセンサと、前記ジャイロセンサの出力信号の
感度誤差を補正する感度係数を前記ジャイロセンサの出
力信号に乗算し、前記感度誤差を補正した信号を出力す
る感度誤差補正手段と、前記アンテナが受信する衛星信
号の受信レベルが第1の所定値以上の場合に前記ジャイ
ロセンサの出力信号の感度誤差を補正した信号をもとに
前記アンテナの指向方向を制御するジャイロ追尾手段
と、前記衛星信号の受信レベルが第2の所定値未満の場
合に信号レベルが高まるように前記アンテナの指向方向
を制御するステップトラック追尾手段と、を備えた車載
用衛星信号受信装置において、以下のような感度係数修
正手段を有することを特徴とする。
感度係数修正手段は、前記受信レベルが前記第2の所定
値未満に移行し、ステップトラック追尾手段が前記アン
テナの指向方向を制御する場合に、前記ステップトラッ
ク追尾手段による制御回転方向とジャイロ追尾が行われ
ていたときのアンテナの回転方向とに基づき、前記感度
誤差補正手段の前記感度係数を所定量「増大」又は所定
量「減少」の何れかに修正する手段である。
ャイロセンサの感度誤差を補正する感度誤差補正手段の
感度係数(ΔSB)が、ステップトラック追尾手段の制
御回転方向とジャイロ追尾が行われていたときのアンテ
ナの回転方向とに基づき、その大きさが感度係数修正手
段によって修正される。そのため、効率的に感度誤差の
補正を行うことができる。
ラック追尾に移行した際のステップトラック追尾の制御
方向は、ジャイロ感度が鈍いのか鋭いのかに対応して車
両の回転方向と以下のような関係にあることを利用し、
ジャイロセンサの感度が低すぎるのか高すぎるのかを判
断することが可能である。
場合には、アンテナの回転角速度が足りないため、前記
ステップトラック追尾の制御方向は車両の旋回方向と同
一である。これに対し、ジャイロ感度が鋭い(高い)場
合には、アンテナの回転角速度が大きすぎるため、前記
ステップトラック追尾の制御方向は車両の旋回方向と反
対になることを利用するのである。
断される場合には、ジャイロセンサの感度係数を増大さ
せ、ジャイロセンサの感度が鋭いと判断される場合に
は、ジャイロセンサの感度係数を減少させるのである。
これによって、従来困難であったジャイロセンサの出力
信号に現れる感度誤差のドリフトに対応して、感度係数
の修正を逐次行うことが可能である。
に、第1又は第2の本発明の車載用衛星信号受信装置に
おいて、車両のヨーレートを算出するヨーレート算出手
段、を含む車載用衛星信号受信装置である。そして、こ
のヨーレート算出手段によって算出されたヨーレートが
第1の基準ヨーレートY1以上の場合にのみ、前記感度
係数修正手段が、前記感度係数を修正することを特徴と
する。
度係数修正手段は、車両のヨーレートが所定値以上の場
合にのみ、感度係数の修正を行うのである。
は、ジャイロセンサの出力信号の中に含まれる誤差のう
ち、感度誤差よりもオフセット誤差のほうが大きくなる
と考えられるためである。すなわち、オフセット誤差は
ジャイロセンサの出力信号の大きさには、本来的に依存
していないのに対し、感度誤差はそのジャイロセンサの
出力信号の大きさに対して本来一定の割合で含まれるも
のであるため、出力信号が大きければ大きいほど感度誤
差の絶対値も大きくなるからである。
た感度誤差SBと、真の車両の回転角速度ωTRUEと、さ
らにオフセット誤差ωAとを用いれば、以下のように表
される。
は、ジャイロセンサの出力信号の誤差中において、感度
誤差SBに由来する誤差の割合が大きくなる。逆に、ヨ
ーレートが低い場合には、感度誤差よりもオフセット誤
差(ωA)の方の絶対値が大きく、誤差中における影響
が大きい。そのため、ヨーレートが小さい場合にはその
ジャイロセンサの出力信号の感度係数の修正をすべきか
否かの判断が困難である場合が多い。第3の本発明はこ
のような事実に鑑みて、車両のヨーレートが小さい場合
には感度係数の修正を行わないようにしたものである。
誤差の影響を受けにくく構成することができ、感度係数
の効率的な修正を行うことが可能である。
に、第3の本発明の車載用衛星信号受信装置において、
前記ジャイロセンサの出力信号のオフセット誤差を補正
するために、前記ジャイロセンサの出力信号に所定の補
正値を加算するオフセット誤差補正手段と、前記ヨーレ
ートが所定の第2の基準ヨーレートY2以下の場合にの
み、オフセット誤差の前記補正値の修正を行う補正値修
正手段と、を含むことを特徴とする車載用衛星信号受信
装置である。
トが所定値以下の場合に、オフセット誤差の補正値の修
正を行っている。オフセット誤差の補正値の修正は本願
出願人による本願と関連する特許出願において本願発明
者が提案している種々の手法、を採用可能である。
のヨーレートが高い場合には、感度誤差の感度係数の修
正を行っており、第4の本発明においては、これに加え
てさらに、車両のヨーレートが低い場合には、オフセッ
ト誤差の補正値の修正を行った。そのため、ジャイロセ
ンサの出力信号に現れる誤差のドリフトの補正を効率的
に行うことが可能である。
に、上記第4の本発明の車載用衛星信号受信装置におい
て、オフセット誤差の補正値の収束度合いに応じて、前
記第1の基準ヨーレートY1と前記第2の基準ヨーレー
トY2との何れか一方又は双方の値を変更する第1の基
準ヨーレート変更手段、を含むことを特徴とする車載用
衛星信号受信装置である。
同様に、車両のヨーレートが所定の基準ヨーレートYよ
り大きい場合にはジャイロセンサの出力信号の感度誤差
の感度係数の修正を行い、車両のヨーレートが所定の基
準ヨーレートYより小さい場合にはオフセット誤差の補
正値の修正を行っている。さらに、第5の本発明におい
ては、第1の基準ヨーレート変更手段が、この基準ヨー
レートYの値をオフセット誤差の収束状況に応じて変更
している。
ほど、ジャイロセンサの出力信号の誤差中において、オ
フセット誤差の占める割合は減少し、その結果感度誤差
の占める割合が相対的に増加する。従って、一般的に、
オフセット誤差が収束すればするほど、低いヨーレート
においても、ジャイロセンサの出力信号の誤差中の感度
誤差の割合が大きくなるため、オフセット誤差の影響を
受けずに感度誤差の補正値の修正をすることが可能であ
る。従って、一般に、オフセット誤差の補正値が収束す
ればするほど、前記基準ヨーレートYの値を小さく設定
することが望ましい。
セット誤差の補正値の修正を行う場合、及び、感度誤差
の感度係数の修正を行う場合、を判断する基準値として
の上記基準ヨーレートYの値を、オフセット誤差の補正
値の収束に基づき変更したのである。このような構成に
よって、ジャイロセンサの出力信号に含まれる感度誤差
の感度係数の収束をより早めることが可能である。
いは、オフセット誤差の補正値の修正が行われる周期に
よって判断することが好適である。
に、第2の本発明の車載用衛星信号受信装置において、
前記感度係数修正手段は、前記受信レベルが第3の所定
値以上となっている時間が所定時間以上である場合にの
み、前記感度係数を修正することを特徴とする車載用衛
星信号受信装置である。
定値以上となっている状態が所定時間以上である場合に
のみ、ジャイロセンサの出力信号の感度誤差の感度係数
の修正を行っている。
は、例えば樹木等により、受信レベルが一時的に所定値
以下となる場合がある。この場合は、感度誤差が生じた
ことによって受信レベルが所定値以下になった場合では
ないので、感度誤差の感度係数を修正することは不適切
である。従って、この第6の本発明では、樹木の陰にな
ることなどの理由により受信レベルが極めて短時間だけ
所定値以下になった場合には、感度誤差の感度係数の修
正を行わないように構成したのである。
を行わないため、感度係数の修正を正確に行うことが可
能である。
に、第2の本発明の車載用衛星信号受信装置において、
車両のローリング又はピッチングを検出するローリング
・ピッチング検出手段、を含んでいる車載用衛星信号受
信装置である。
信装置においては、感度係数修正手段は、このローリン
グ・ピッチング検出手段がローリング又はピッチングを
未検出の場合にのみ、前記感度係数を修正することを特
徴とする。
受信レベルが所定値以下となり、ステップトラック追尾
に移行した場合に、感度誤差の補正値の修正を行ったの
は、次のことを前提としているからである。
たのは感度誤差が生じている(感度誤差SBが非零の値
となった)ためであると判断したのである。換言すれ
ば、感度誤差が生じているか、又は、感度誤差の感度係
数の値が不正確である(感度係数ΔSBが、正確に1/
(1+SB)になっていない)ために、アンテナの向き
が衛星の方向とずれていたのであると判断したのであ
る。
に基づき、受信レベルが所定値以下となった場合に、ス
テップトラックの制御回転方向と、ジャイロ追尾が行わ
れていたときのアンテナの回転方向とに基づいて、感度
誤差の感度係数を修正したのである。その結果、ジャイ
ロセンサの出力信号の感度誤差を衛星信号の受信中に自
動的に補正することができる。
となる原因は、感度誤差が生じている、又は感度誤差が
完全に補正されていないことだけではない。例えば、上
記第6の本発明では、車両の移動に伴い、車両が樹木の
陰になった場合の受信レベルの低下の際には、感度誤差
の補正量の修正を行わないようにするために、補正値の
修正を行うタイミングから過去所定期間中に、一度で
も、受信レベルが所定値以下となった場合には、感度誤
差の感度係数の修正を行わないように構成している。
で、車体の左右方向の傾斜によってアンテナの向きと衛
星の方向とがずれてしまい、受信レベルが低下してしま
う場合がある。
ベルの低下の際には感度誤差の感度係数の修正は行わな
いようにするのが好適である。第7の本発明において
は、ローリング・ピッチング検出手段を備えており、車
両のロール、ピッチの値が所定値以上である場合には、
たとえ受信レベルが所定値以下となっても感度誤差の感
度係数の修正は行わないように構成した。
にも、オフセット誤差の補正値の正確な修正が可能であ
る。
に、上記第2の本発明の車載用衛星信号受信装置におい
て、前記感度係数修正手段が前記感度係数の修正を行う
際の修正単位量であるΔαを、前記感度係数の収束度合
いに基づき、設定する修正単位量設定手段、を含むこと
を特徴とする。
ラックの制御回転方向とジャイロ追尾が行われていたと
きのアンテナの回転方向とに基づき、感度誤差の補正量
(ΔSB)を修正した。この場合の具体的な修正の
「量」は大きすぎれば過修正(修正しすぎてしまい、正
しい補正量をいきすぎてしまう)となり、小さすぎれば
収束に時間がかかる。そのため、実際の一回の修正の
「量」は、具体的なアンテナや受信装置の特性により、
個別具体的に定める必要がある。
合には、過修正となる恐れは少ないので、収束を迅速に
する観点から、この一回の修正の量は大きくすることが
望ましい。一方、感度誤差が収束しつつある場合には、
過修正となることを防止するために、修正量を小さくす
ることが望ましい。
差の補正量の収束の度合いに応じて、修正の量の値を決
定している。すなわち、収束が進めば進むほど、より小
さな修正量を施すようにしたのである。逆に言えば、収
束が不完全であればあるほど大きな修正量を採用したの
である。この結果、収束が未だ不完全で誤差が大きい間
は、修正量が大きくなり、補正量の値の迅速な収束が実
現できるとともに、正確な補正量への収束を実現可能で
ある。
には種々の方法が考えられる。例えば、修正が行われる
タイミングの周期の長さによって、収束の度合いを決定
することが好適である。
するために、上記第1、第2、第3の本発明の車載用衛
星信号受信装置において、前記ジャイロセンサの出力信
号のオフセット誤差を補正するために、前記ジャイロセ
ンサの出力信号に所定の補正値を加算するオフセット誤
差補正手段と、前記補正値を修正する補正値修正手段
と、オフセット誤差の補正値に対する前記修正が収束し
た後に、前記感度係数修正手段を起動する制御手段と、
を含むことを特徴とする。
段の他に、ジャイロセンサの出力信号のオフセット誤差
の補正量の修正を行うオフセット誤差補正量修正手段を
備えている。そして、電源投入後はまず、オフセット誤
差の補正量の修正を行ったのである。
が不完全である場合には、ジャイロセンサの出力信号に
は、感度誤差の他にオフセット誤差も併せて現れてい
る。
り分けは一般に非常に困難であるため、感度係数の修正
と、オフセット誤差の補正量の修正とを同時に行うこと
は妥当ではない場合が多い。この場合、感度誤差は検出
信号の大きさに比例した大きさの誤差信号が出力信号中
に現れるが、オフセット誤差はジャイロセンサの検出信
号中に常に一定の大きさで現れている。
手段が、まず、オフセット誤差補正量修正手段を起動
し、オフセット誤差の補正量の修正を行わせたのであ
る。そして、オフセット誤差の補正量の修正が収束した
後に、感度係数の修正を行ったのである。
本発明は、請求項9に記載されている第9の本発明と実
質的に同一の発明である。請求項9は、請求項1から3
を準用し、請求項10は請求項4及び5を準用している
という形式的な差異があるに過ぎない。
に、上記第1の本発明から第10の本発明の車載用衛星
信号受信装置において、前記感度係数修正手段による感
度係数の修正が完了した後は、前記感度係数の修正頻度
を低減させる制御手段、を含むことを特徴とする車載用
衛星信号受信装置である。
定の値に収束した後は、僅かの受信レベル低下でも、感
度係数の修正が行われ、却って、感度誤差が増大する恐
れがある。このため、感度係数の収束する前と後とで
は、異なる補正係数の更新手法を導入するのが望まし
い。そこで、第11の本発明においては、感度係数の修
正を行う頻度を収束の前後で変更している。具体的には
収束後においては、修正が行われる頻度を減少させるの
が好適である。このように修正頻度を減少した結果、収
束した後において誤差が却って増大してしまうことを未
然に防止している。
が、感度係数に加えられる一回の修正量の大きさを変更
することも好適である。一回の修正量の大きさを小さく
すれば、感度係数をいわば修正しにくくすることが可能
である。
めに、上記第3、第4、第5の本発明の車載用衛星信号
受信装置において、前記感度係数の修正の収束度合いに
応じて、前記基準ヨーレートYの値を変更する第2の基
準ヨーレート変更手段、を含むことを特徴とする車載用
衛星信号受信装置である。
誤差の中で、感度誤差とオフセット誤差との何れが大き
いかの判断の基準となるヨーレートである。従って、感
度係数の修正の収束が進み、感度誤差が相対的に小さく
なった場合には、これらの基準ヨーレートもそれに応じ
て変更するべきである。すなわち、感度誤差とオフセッ
ト誤差との何れが大きいかを正しく表すように変更を行
う必要があるのである。
めに、上記第8の本発明の車載用衛星信号受信装置にお
いて、単位時間当たりの感度誤差の前記感度係数の修正
の方向が、「増大」又は「減少」の何れかに偏っている
場合に、前記修正単位量Δαの値を増大させる修正単位
量増大手段、を含むことを特徴とする車載用衛星信号受
信装置である。
ための係数である感度係数(ΔSB)を順次修正するも
のである。この修正は修正一回当たりの単位量であるΔ
αを、感度係数に加算、若しくは減算することにより、
感度係数を「増大」若しくは「減少」させることにより
行われる。
れるが、修正の方向が「増大」の方向、すなわち、Δα
を加算する修正のみが専ら行われている場合には、感度
係数の収束は遠いと判断するのが妥当である。従って、
このような場合は、収束を迅速にするために、修正一回
当たりの修正量Δαを増大させることが好適である。
尚、同様のことが、修正の方向が「減少」の方向、すな
わち、Δαを減算する修正のみが専ら行われている場合
にも言えよう。
又は「減少」の一方のみに偏っている場合には、感度係
数の収束は遠いと判断し、感度係数の修正の単位量であ
るΔαの値を増大させるのが好適である。このように、
Δαの値を増大させれば、感度係数の収束の迅速化を図
ることが可能である。
消した場合には、Δαの値を小さくすることが精度の高
い収束を実現するためには好適である。
めに、上記第4又は第5の本発明の車載用衛星信号受信
装置において、前記第1の基準ヨーレートと前記第2の
基準ヨーレートとは同一である車載用衛星信号受信装置
である。
レートのみ用いているため、角速度の判断が簡易なもの
とすることが可能である。
めに、上記第12の本発明の車載用衛星信号受信装置に
おいて、前記第1の基準ヨーレートと前記第2の基準ヨ
ーレートとは同一である車載用衛星信号受信装置であ
る。
レートのみ用いているため、角速度の判断が簡易なもの
とすることが可能である。
を図面に基づいて説明する。
号受信装置の構成ブロック図が図1に示されている。図
1に示されているように、(BS)アンテナ10は、コ
ンバータ12を介して車室内のBSチューナ14に接続
されている。このアンテナ10と、コンバータ12とは
車室外ユニットとして外部に設けられている。このアン
テナ10には、図1に示されているようにステッビング
モータ16が取り付けられており、このアンテナ10の
向きを変更し得るように構成されている。このステッピ
ングモータ16は、車室内ユニットに含まれるステッピ
ングモータドライバ18によって駆動される。このステ
ッピングモータドライバ18は、接続ユニット20内部
のモータ制御ボード22によって制御されている。この
接続ユニット20は、モータ制御ボード22の他に、A
/Dボード24を含んでおり、このA/Dボード24
は、車両に取り付けられている振動ジャイロ26の出力
信号と上記BSチューナ14のC/N信号を受信する。
そして、このA/Dボード24は、これらの受信したア
ナログ信号をデジタル信号に変換する働きを有してい
る。この接続ユニット20には制御装置28が接続され
ており、この制御装置28からの信号によりモータ制御
ボード22はステッピングモータドライバ18を介して
ステッピングモータ16を制御する。一方、制御装置2
8はA/Dボード24が出力するデジタル信号を検査す
ることにより、後述するようにジャイロ制御やステップ
トラック制御などの所定の制御を行う。
された直後は、制御装置28は現在の受信レベルを調べ
る。この受信レベルはBSチューナ14が出力するC/
N信号を、A/Dボード24を介して検査することによ
り行われる。受信レベルを調べた結果、この受信レベル
が所定のしきい値を下回っている場合には、アンテナ1
0の向き(方位角)が衛星方向と異なっているものと判
断し、初期サーチ動作を行う。一方、受信レベルが所定
のしきい値を上回っている場合には、アンテナ10のビ
ームの方位角がほぼ衛星方向を向いているものと判断
し、追尾動作に移る。
レベルを監視しながら、アンテナ10を高速に回転さ
せ、受信レベルが所定のしきい値を上回った時点でアン
テナ10の回転を停止し、次に述べる追尾動作に移る動
作を行うのである。
及び振動ジャイロ26の出力信号を読み取って、アンテ
ナ10の方位角制御を行う。上述したように、この受信
レベルと振動ジャイロ26の出力信号とは、A/Dボー
ド24を介してデジタル信号に変換された後制御装置2
8に供給されるのである。制御装置28はこれらのデジ
タル化された信号に基づきジャイロ制御とステップトラ
ック制御とを適宜行うことになる。
低速サーチ状態との2つの状態から構成することも好適
である。まず、電源投入後はアンテナを大きく回動さ
せ、受信レベルが大きくなるまでアンテナの回動を続け
る。そして、一旦上昇した受信レベルが低下した場合に
低速サーチ状態に移行し、アンテナをゆっくりと回動さ
せて、受信レベルの大きさが最大となる点を正確に把握
するのである。
御やステップトラック制御によって行われる。ここで、
ジャイロ制御とは、アンテナ10をジャイロセンサによ
り検出した車両の旋回角速度(ωG)と大きさが等しく
符号が反対の角速度(−ωG)で回転させることによ
り、アンテナビームを衛星方向に向ける制御方法をい
う。
旋回による方位角の変化に対してアンテナの回転角速度
を滑らかに制御することができ、ステッピングモータ1
6にかかる負荷が急激に変化することがないため、車両
が比較的高速に旋回しても良好な衛星追尾を行うことが
可能である。しかしながら、上記「従来の技術」や、
「発明が解決しようとする課題」で説明したように、ジ
ャイロセンサの出力信号にはオフセット誤差や、感度誤
差が含まれている場合がある。ジャイロセンサの出力信
号ωGは、オフセット誤差ωAと、感度誤差SBと、真
の車両の回転角速度ωTRUEと、を用いると、
真の車両の回転角速度を得るためには、オフセット誤差
や感度誤差を打ち消す補正値や補正係数が必要である。
オフセット誤差の補正値をΔωG(=−ωA)と、感度
誤差の補正係数をΔSB(=1/(1+SB))と、そ
れぞれ表せば、真の車両の回転角速度ωTR UEは、ジャイ
ロセンサの出力であるωGから以下のようにして算出さ
れる。
セット誤差の温度ドリフト等や、感度誤差にも時間ドリ
フト等の影響が含まれている場合がある。またアンテナ
10を回転するステッピングモータ16の制御量と実際
のアンテナ10の回転角速度がずれてしまう場合があ
る。そのため、通常は何らかの手法を用いてアンテナ1
0のビーム方向を衛星方向に合わせ直す必要が生じる。
また、ジャイロ制御の場合には、制御間隔、すなわち車
両の旋回角速度の検出時間間隔Δtは小さいほうが、旋
回角速度が激しく変化した場合にもアンテナ10の方位
角誤差を小さく押さえることが可能となるため、一般に
この制御間隔Δtは小さく設定するのが好適である。
ビームを方位角方向に向けたまま、わずかに振らせるこ
とにより受信レベルの上限を調べ、受信レベルが増大す
る方向にアンテナ10を回転させることによりアンテナ
ビームの方位角を衛星方向に向ける方法である。ステッ
プトラック制御の原理を表す説明図が図2に示されてい
る。具体的には、一定の時間間隔ΔT毎に受信レベルを
制御装置28がA/Dボード24を介して読取り、現在
の受信レベルがΔT時間前の受信レベルよりも増大して
いる場合には、アンテナ10をΔT時間前と同じ方向に
一定の角速度ωSで回転させ続け、逆に現在の受信レベ
ルがΔT時間前の受信レベルよりも減少している場合に
は、アンテナ10をΔT時間前とは反対の方向に一定の
角速度ωSで回転させる方法である。このステップトラ
ック制御におけるωSをステップレートと呼ぶ。このよ
うな、ステップトラック制御では、車両の高速な旋回に
追従させるためには角速度ωSをその車両の旋回角速度
程度の値に設定しておく必要がある。車両の最大の旋回
角速度よりも小さな角速度ωSで回転させる場合にはア
ンテナ10の回転が車両の旋回に追い付かない場合があ
るからである。しかしながら、実際の装置においては、
回転部分は慣性モーメントを有しており、高速かつステ
ップ状に回転を行わせることは困難であるため、車両の
高速旋回に追従できない場合がしばしば生じる。
御間隔ΔTが小さい場合には受信レベルの変化量(検出
される変化量)は小さくなり、制御方向が付加的な熱雑
音に左右され正確な制御方向を検出できない場合が生じ
る。この結果、最悪の場合には、アンテナ10のビーム
方向が衛星方向から完全にずれてしまうこともあり得
る。そのため、このステップトラック制御における受信
レベルを検出する時間間隔である制御間隔ΔTはある程
度広く設定しなければならない。
は一定の指向性を有するものであればどのようなもので
も構わないが、例えば図3に示されているように平面ビ
ームチルトアンテナが好適である。平面ビームチルトア
ンテナは平面アンテナであって、アンテナの各エレメン
トの位相を調整することにより、アンテナのビームを垂
直方向から一定角度チルトさせたものである。このアン
テナの指向性は、図3で示された方向に固定であるが、
BS(放送衛星)やCS(通信衛星)の高度は一定であ
るため、車両が水平方向でのみ移動している限りにおい
ては、図3に示された平面アンテナを水平方向で回転さ
せるだけで、アンテナのビームをBSの方向に向けるこ
とが理論上は可能である。このような平面アンテナは、
薄型に形成することができるため、図4に示されている
ように例えば、車両(乗用車)のルーフに設けることが
可能である。勿論、サンルーフに平面アンテナを内蔵さ
せることも好適である。
ラック制御には以上述べたような長所及び短所が存在す
る。そのため、ステップトラック制御とジャイロ制御と
を併用する制御、すなわち、車両の旋回による方位角の
変化をジャイロ出力を用いて打ち消し、ジャイロで打ち
消し切れなかった方位角誤差をステップトラック制御に
より打ち消す制御方法が広く提案されている。本実施の
形態における衛星追尾装置もこのステップトラック制御
とジャイロ制御とを組み合わせた追尾方式を採用してい
る。本文においてはこの併用する方法をハイブリッド制
御と呼ぶ。
イロ26で検出した車両の旋回角速度(ωG)の符号を
反転させた値(−ωG)と、一定の角速度|ωS|にΔ
T時間前の受信レベル(C/N信号)と現在の受信レベ
ルとの大小関係で決まる符号(正又は負)とを乗算する
ことにより得られる値(ωS)との和(−ωG+ωS)
を用いて、アンテナ10を回転させるのである。ここ
で、ステップレートωSは、絶対値が所定の値で、符号
は+と−とを採りうる値である。
とジャイロ制御とを併用する制御)の場合には、Δt時
間毎に振動ジャイロ26の出力信号をA/Dボード24
を介して制御装置28が読み取る。そして、ステップト
ラックのための制御量ωS(+|ωS|又は−|ωS
|)を、このジャイロ出力信号(車両の回転角速度を表
す)の符号を反転した値に、重畳させることにより、ア
ンテナ10の回転角速度を決定するのである。
ωS|又は−|ωS|は、上述したように、ΔT時間毎
に更新される。ここで、ステップトラックのための制御
間隔(時間)ΔTは、ΔT=M×Δt(Mは整数)とな
るように選択される。すなわち、ステップトラックのた
めの制御間隔(時間)ΔTは、ジャイロ制御のための制
御間隔(時間)Δtの整数倍に設定される。例えば、本
実施の形態においてはMが6に設定されている。すなわ
ち、ΔTはΔtの6倍の期間である。上述したようにジ
ャイロ制御の場合の制御間隔Δtは短い方が好ましい
が、ステップトラック制御の制御間隔であるΔTはある
程度長くなければ安定した制御は行えないため、ΔTは
Δtよりも長く設定されている。
トラック制御とジャイロ制御とを併用する制御)におい
ては、両者の長所が生かされ、高速に旋回する車両にお
いても良好に衛星追尾することが期待される。
な衛星追尾方式においても、ジャイロセンサの感度誤差
やオフセット誤差に温度ドリフトや時間ドリフトが依然
として存在する。そのため、これらを併用する制御にお
いても振動ジャイロ26の感度誤差やオフセット誤差を
逐次補正する手法が望まれている。
感度誤差にドリフトが生じた場合に、この感度誤差の感
度係数の値を逐次修正し、係るドリフトに対応して感度
誤差の補正を常に正確に行う手法について主に提案す
る。オフセット誤差のドリフトに対して、オフセット誤
差の補正値の修正については、本出願の出願人による本
出願と関連する別個の特許出願において提案している。
フトに対応して、感度係数を修正することについて説明
するが、ジャイロセンサの感度誤差を補正する感度係数
の修正と、オフセット誤差を補正するオフセット補正値
の修正とを、互いに関連させながら行うことも好適であ
る。本出願においては、このように、感度誤差の感度係
数の修正と、オフセット誤差の補正値の修正とを互いに
関連させながら行う手法、についても提案する。
制御により衛星追尾が行われている場合に、感度誤差の
ドリフトに対応し、感度係数を自動的に修正することに
より正確な衛星追尾を可能とすることを目的としてい
る。
理は、追尾動作におけるステップトラック制御とハイブ
リッド制御との間の遷移が生じた場合に、その原因が感
度誤差があったから(感度誤差が十分に補正されていな
かったため)であるとみなし、ハイブリッド制御による
ステップトラックの復元方向と、アンテナの回転方向と
の関係に基づき、感度係数を所定量「増大」又は「減
少」させることによって修正を行うことである。
制御(追尾)の動作を説明する。
においては、しきい値LCより受信レベルが大きい場合
はジャイロ出力のみによる追尾を行い、しきい値LBよ
り受信レベルが小さい場合は、C/N出力によるハイブ
リッド追尾を行う追尾方式における、ジャイロセンサの
感度誤差にドリフトが生じた場合の、この感度誤差を補
正する感度係数の修正方法を提案する。尚、本実施の形
態においては、厳密にはステップトラック追尾ではな
く、ジャイロ追尾とステップトラック追尾とを同時に併
用するハイブリッド追尾の形態を説明する。本実施の形
態においては追尾にハイブリッド追尾の例を示すが、ス
テップトラック追尾の成分が含まれていれば、他の追尾
方法又は純粋なステップトラック追尾を行っても本発明
の技術的範囲に含まれるものである。
くジャイロ追尾を行っている場合から、受信レベルが低
下し、ハイブリッド追尾に移行するしきい値を上述した
ようにLBと呼び、ハイブリッド追尾から受信レベルが
上昇しジャイロ追尾へ移行するしきい値をLCと呼ぶ。
合の受信レベルが図5における黒点で示されている。す
ると、振動ジャイロ26の感度誤差にドリフトが発生し
ている状態において、車両が旋回すれば、数秒後には、
受信レベルを表す点が右(又は左)に移動し、受信レベ
ルがしきい値LB以下となり、ハイブリッド追尾(ステ
ップトラック追尾でも構わない)となる。これは、振動
ジャイロ26の感度誤差にドリフトが生じたため、車両
の旋回角速度を正しく検出できないためである。
でC/Nの高い方にアンテナ10を回転する。このた
め、受信レベルはしきい値LC以上となり、再び、ジャ
イロ追尾に移行する。この様子が図6に示されている。
図6には、アンテナ10の感度誤差にドリフトが生じ、
感度が良すぎる場合、すなわち、実際の車両の回転角速
度より大きな回転角速度であると誤って判断してしまう
場合の動作の例が示されている。
ンテナ10の向き10aは、当初は電波到来方向に一致
している。
向)に回転するのに対し、アンテナ10の回転方向10
bは反対のCW方向(時計回り方向)となる。ここで、
アンテナ10の回転角速度が、車両の旋回角速度と等し
ければ、アンテナの向き10aは、電波の到来方向と常
に一致する。しかし、振動ジャイロ26の感度が良すぎ
る場合には、実際の車両の回転角速度よりも大きな回転
角速度であると判断するため、アンテナの回転角速度
が、車両の回転角速度を上回ってしまう。その結果、図
6のbに示されているように、車両がCCW方向に回転
しているのに対し、アンテナ10がCW方向に回転しす
ぎてしまい、アンテナの向き10aが、電波到来方向と
ずれてしまうという結果になる。
より、受信レベルが低下ししきい値LBより低下した場
合には、ハイブリッド追尾に移行する。このハイブリッ
ド追尾は、受信レベルが強くなる方向にアンテナ10を
回転させる復元力があるので、図6のcに示されている
ように、アンテナの向き10aを、再び電波の到来方向
に一致させることが可能である。すると、衛星信号の受
信レベルが再びしきい値LC以上となり、ジャイロ追尾
に移行するのである(図6のd参照)。
すぎる(敏感)場合は、アンテナ10の回転方向と、ス
テップトラック(ハイブリッド追尾を含む)による回転
方向とは、逆方向になる。
感度が鋭すぎる場合について説明したが、逆に振動ジャ
イロ26の感度が低すぎる(鈍感すぎる)場合には、ア
ンテナ10の回転角速度が足りない。従って、図6に示
された例とは異なり、アンテナ10の回転方向と、ステ
ップトラック(ハイブリッド追尾を含む)による回転方
向とは、同一方向になる。
に基づき、ジャイロ追尾からハイブリッド追尾に移行す
る際の、アンテナ10の回転方向と、ハイブリッド追尾
のステップトラックによる回転方向とを比較し、両者が
同一である場合には、振動ジャイロ26の感度が低すぎ
ると判断し、感度係数を所定量増大させるのである。一
方、アンテナ10の回転方向と、ハイブリッド追尾のス
テップトラックによる回転方向とを比較し、両者が反対
方向である場合には、振動ジャイロ26の感度が高すぎ
ると判断し、感度係数を所定量減少させるのである。
ぎる場合の、感度係数が所定量減少される場合の動作の
例が示されている。図7のaとbとは、図6と全く同様
である。又、図6と同様に、受信レベルが低下し、しき
い値LBより低下すると、ジャイロ追尾からハイブリッ
ド追尾に移行する(図7のc参照)。
特徴的なことは、ハイブリッド追尾に移行した場合に、
振動ジャイロの感度を補正する感度係数を、修正したこ
とである。このように、ハイブリッド追尾に移行した場
合に、この移行が感度誤差の補正が不完全であるから生
じたのであるとの前提に立って、本実施の形態において
は、感度誤差の補正を行う感度係数の修正を行ったので
ある。例えば、図7に示されている例によれば、この修
正量としては、感度係数の1/300程度の少量の値と
している。
は、上述した図6や図7に示されているように、車両が
旋回することによって、ジャイロ追尾からハイブリッド
追尾への移行が生じる。そして、この移行の度毎に例え
ば上記例では、感度係数の1/300程度の修正が行わ
れた。このような動作を繰り返すことにより、最終的に
は振動ジャイロ26の感度誤差の補正係数は、振動ジャ
イロ26の感度誤差と完全に一致し、振動ジャイロ26
の感度誤差が完全に補正されるのである。
り返され、最終的に補正係数が振動ジャイロ26の感度
誤差と完全に一致し、感度誤差の補正が完全に行われる
までの様子が示されている。図8のaは、図7における
d状態の続きの状態を表している。そして、図8のa状
態は図7のb状態と同様に、振動ジャイロ26の感度が
大きすぎるために、アンテナ10の回転角速度が大きす
ぎてしまった場合を意味している。これは、図7のcの
状態における感度係数の修正がまだ足りずに、感度係数
がまだ正しい値(振動ジャイロ26の感度誤差と等しい
値)になっていないことによる。そして、図8のb状態
において、ハイブリッド追尾に移行することによって、
振動ジャイロ26の感度係数が再び修正される。
て、最終的に図8のcに示されているように、感度係数
が、振動ジャイロ26の感度誤差の値と同一の値に収束
する。
ジャイロ26の感度誤差にドリフトが生じても、それに
対応して感度係数の値を自動的に修正していくことがで
きるので、常に正確な感度誤差の補正を行うことが可能
である。
による遮断により一時的に、受信レベルがしきい値LB
を下回り、その後再びしきい値LCを上まわった時に
も、感度誤差の補正値が修正されてしまう。例えば、樹
木などにより、瞬間的に受信レベルが低下した場合には
感度誤差の感度係数の修正は行うべきではない。そこ
で、このような瞬間的な受信レベルの低下によって、ハ
イブリッド追尾に移行した場合は感度誤差の感度係数を
修正されるのを防ぐ為、過去T秒間にしきい値LD(し
きい値LB−ΔCNR(図5参照))を一度でも下回っ
た時は、樹木等による一時的な受信電波の遮断と判断し
て感度係数を修正しないことが好適である。
号受信装置の追尾の動作を表すフローチャートが図9に
示されている。
宜のため、まず電波が樹木などにより遮断されていない
状態(見通し追尾状態)からスタートする(ステップS
9−1)。ステップS9−2においては、5msecの
タイマがスタートされる。このタイマは上記Δtに相当
し、ジャイロ制御のための制御間隔である。
LRの読み込みを行い、ステップS9−4においては、
前回の(5msec前の)制御においてジャイロ追尾が
行われたか否かが検査され、ジャイロ追尾であった場合
にはステップS9−5に移行する。ジャイロ追尾でなか
った場合にはステップS9−6に移行する。
しきい値LBより大きいか否かが検査され、大きければ
ジャイロ追尾を行うためステップS9−7に移行する。
そして大きくない場合には、ステップS9−8に移行す
る。ステップS9−7の詳細なフローチャートは図10
に示されている。
Rがしきい値LD(しきい値LB−ΔCNR)より小さ
いか否かが検査され、小さくない場合にはハイブリッド
追尾を行うためステップS9−9に移行する。ステップ
S9−9の詳細なフローチャートが図11に示されてい
る。そして小さい場合には遮蔽追尾状態であると判断し
てステップS9−10に移行する。
状態に移行する。遮蔽追尾状態においては、感度誤差を
補正するための感度係数の修正は何等行われない。遮蔽
追尾状態においては、受信レベルが所定時間以内に(例
えば10sec以内に)上記しきい値LD以上に回復し
た場合には、再び見通し追尾状態に移行する(ステップ
S9−1)。しかし、所定時間以内に受信レベルが回復
しない場合には電源投入時からの動作をもう一度繰り返
す。いわばリセットをかけた状態となるのである。
信レベルLRがしきい値LCより大きいか否かが検査さ
れ、大きい場合には、感度係数の修正を行うためにステ
ップS9−12に移行し、小さい場合には上述したS9
−8に移行する。
9−9等における追尾処理が完了した場合にはステップ
S9−13に移行し、5msec経過したか否かが検査
される。この5msecは上述したように、ジャイロ追
尾の制御間隔であるΔtに相当する。
トが示されている。ステップS10−1においてはジャ
イロ出力の読み込みが行われる。ステップS10−2に
おいては、上記出力が角速度ωGに変換され、ステップ
S10−3においては、アンテナ角速度の計算が行われ
る。具体的にはω=−(ωG×ΔSB)+ΔωGの計算
が行われる。
ジャイロ18の出力信号にかけることにより、感度誤差
を補正する係数である。又、ΔωGはジャイロ出力のオ
フセット誤差の補正値である。車両の正しい旋回角速度
はωG×ΔSB−ΔωGで計算される。そのため、アン
テナ角速度ωとしては、ω=−(ωG×ΔSB−Δω
G)=−(ωG×ΔSB)+ΔωGの計算によって求め
られるのである。
たωに基づき、モータのパルス速度fが計算される。そ
して、ステップS10−5において、モータの回転方向
と、パルス速度の設定が行われる。以上のような動作に
より、ジャイロ追尾が行われる。
ャートが示されている。ステップS11−1において
は、受信レベルLRと、ジャイロ出力との読み込みが行
われる。ステップS11−2においては、上記ジャイロ
出力が角速度ωGに変換される。ステップS11−3に
おいては、前回検出された受信レベルLR(LAST)と、今
回検出された受信レベルLRとの大きさの比較が行わ
れ、今回の受信レベルLRの方が小さければ、ステップ
トラックの回転方向を変更すべくステップS11−4に
移行する。ステップS11−4においては、ωSの符号
が反転される。
した受信レベルLRを、次回の制御の際に用いるため、
LR(LAST)として保存する。すなわち、LR(LAST)の更
新を行うのである。ステップS11−6においては、ア
ンテナ角速度の計算が行われる。具体的にはω=−(ω
G×ΔSB)+ωS+ΔωGの計算を行う。上述したよ
うに、ωGはジャイロ出力の角速度であり、ΔSBは感
度係数であり、ωSはステップレートであり、ΔωGは
オフセット誤差の補正値である。そして、ステップS1
1−7においては、求められたωに基づき、モータのパ
ルス速度fが計算される。そして、ステップS11−8
において、モータの回転方向と、パルス速度の設定が行
われる。以上のような動作により、ハイブリッド追尾が
行われる。
いて、車両のローリング又はピッチングによって一時的
に受信レベルC/Nが低下した場合でもオフセット補正
値が修正されてしまうのを防止するために、ロールレー
トやピッチングレートを検出するジャイロを設けて、ロ
ール角やピッチング角があるしきい値以上ならば受信レ
ベルC/Nが低下しても感度誤差を補正する感度係数の
修正を行わないことも好適である。理論的には、ロール
レートやピッチングレートがあるしきい値以下である場
合には、ローリングやピッチングが生じていないと考え
られ、このような場合(ローリングやピッチングが生じ
ていない場合)にのみ、感度係数の修正を行うことによ
り、誤って感度係数の修正をしてしまうことがない。
やピッチングが生じても安定した衛星信号の受信が可能
である。
いて、車載用衛星信号受信装置の電源投入直後は感度誤
差が大きいため、感度係数(ΔSB)を修正する修正量
Δαは、感度係数と、実際の感度誤差との大きさの差に
比べて非常に小さい。そのため、感度係数を正しい値に
収束させるまでには何回も修正を繰り返さなければなら
ず、収束に長時間を要してしまう場合もある。
はその変動はなるべく小さい方が望ましい。そこで、本
実施の形態B−3においては、感度係数の収束の度合い
に応じて補正係数の一回の修正の量であるΔαの値を変
化させている。
することができるし、又、その収束の度合いを検出する
方法も種々の手法がある。例えば、収束の度合いを判断
する基準として、感度誤差を補正する感度係数の修正を
行う周期を基準にするのが好適である。このような周期
を基準にするためには、感度係数の修正のタイミングご
とにリスタートされるタイマを用いるのが好適である。
このようなタイマは、感度誤差の修正毎に、タイマの値
を読みとられるのと同時にそのリセットとリスタートが
おこなわれる。これによって、その読みとったタイマの
値が感度係数の値の「修正の周期」になるのである。
値より大きい場合(修正の期間が長い場合)には、感度
誤差の修正は収束に近づいていると判断し、感度誤差の
一回の修正の単位である修正の基準値Δαの大きさが小
さく設定されるのである。
きい値より大きくない場合には感度係数は収束からまだ
遠いと判断し、感度係数の一回の修正の単位である修正
の基準の量Δαは大きく設定されるのである。
速な修正を行うことが可能であるとともに、収束に近づ
いた場合には、より慎重な修正を行うことができ、感度
誤差を補正するより精密な感度係数の修正が可能であ
る。
いて、小さなヨーレートが検出されている場合には、感
度誤差の影響より、オフセット誤差の影響の方が大き
い。逆に、大きなヨーレートが検出されている場合に
は、相対的にオフセット誤差の影響より感度誤差の方が
誤差中に占める割合が高い。
ートが所定値Y以上の場合にのみ、感度係数の修正を行
っている。すなわち、ヨーレートが±Ydeg /sec 以上
の時はオフセット誤差は感度誤差より小さく無視できる
と考えられるため、本実施の形態においては感度係数の
修正を行っているのである。具体的なしきい値±Y(de
g /sec )の値は各ケースごとによって実験等に基づき
定められよう。
ト誤差と感度誤差の切り分けを、ヨーレートY(deg/se
c )をしきい値として判断した。ところで、感度係数の
修正の機会を増やすには、このYの値は小さい方が望ま
しい。そこで、オフセット誤差の補正値の収束の度合い
に応じてこのしきい値たるY(deg/sec )を変化させる
ことにより、オフセット誤差の補正値の修正と、感度誤
差を補正する感度係数の修正とを、両立させることが可
能である。
束が進めば進むほど、振動ジャイロ26の出力信号中に
含まれるオフセット誤差の影響は小さくなるため、上記
Yの値を小さくするのが好適である。逆に、オフセット
誤差の補正値の修正がすんでおらず、振動ジャイロ26
の出力信号中に含まれるオフセット誤差の影響が大きい
場合には、上記Yの値を大きくするのが好適である。換
言すれば、オフセット誤差の補正値の修正が十分でなく
オフセット誤差が振動ジャイロ26の出力信号中に多く
含まれている場合には、上記Yの値は大きく設定するの
が望ましい。又、オフセット誤差の補正値が収束に向か
うに従って、上記Yは小さく設定するのが望ましい。
フを用いて説明する。図12には本実施の形態に係る車
載用衛星信号受信装置の、電源投入からのオフセット誤
差の補正値の収束の度合いと、上記しきい値Y(deg/se
c )の変化の様子と、感度係数の収束の状況とを表した
グラフが示されている。このグラフにおいて、横軸は時
間であり、縦軸はヨーレートを表す。
(deg/sec )が用いられている。これは車両のヨーレー
トが50(deg/sec )以上の場合には感度係数の修正を
行い、車両のヨーレートが50(deg/sec )未満の場合
にはオフセット誤差の補正値の修正を行うことを意味す
る。但し、本実施の形態においては、このYを中心とし
て、およそ上下20パーセントのヨーレートの値の幅が
「不感帯」として定義づけられており、この不感帯の範
囲にヨーレートが該当する場合には感度係数の修正もオ
フセット誤差の補正値の修正も行わない。その結果、電
源投入直後においては、車両のヨーレートが60(deg/
sec )以上の場合には感度係数の修正が行われ、車両の
ヨーレートが40(deg/sec )未満の場合にはオフセッ
ト誤差の補正値の修正が行われる。
上下およそ20パーセントのヨーレートの値の幅が「不
感帯」として定義されているが、不感帯を設けない構成
も勿論採用可能である。このように、不感帯を設けない
場合は、第14や第15の本発明の実施の好適な形態と
なる。不感帯を設けない構成を採用する場合には、基準
ヨーレートとして単一の値のみ判断すればよいことにな
り、判断・制御が容易になるという効果を奏する。
振動ジャイロ26の最初のオフセット誤差は10(deg/
sec )であり、感度誤差は20パーセントである。
ッド追尾に移行する際に、そのときのヨーレートの大き
さに基づいて、オフセット誤差の補正値の修正(図12
中「オフセット補正」と表されている)、又は感度係数
の修正(図12中「感度補正」と表されている)が行わ
れる。
は、電源投入直後一定期間の間は、車両は大きな旋回を
しなかったため、専らオフセット誤差の補正値の修正の
みが行われている。その結果、図12のグラフの上部に
示されているように、オフセット収束点において、オフ
セット誤差の補正がほぼ完全に達成でき、見かけ上のオ
フセット誤差を±0.5(deg/sec )に抑えることがで
きた。一方、感度係数の修正は全く行われずに、電源投
入直後と同じ20パーセントである。
から、オフセット収束点までの間にオフセット誤差の補
正値の修正が進んだ。これに対応してしきい値Yがほぼ
直線状に減少しているのがグラフから理解されよう。こ
れは本実施の形態においてはオフセット誤差の補正値の
収束の度合いに応じてしきい値Yが変更されているから
である。
に達するまでは感度係数の修正は何等行われていない
が、しきい値Yが変化することにより、オフセット誤差
の補正値が収束する前でも、感度係数の正確な補正が可
能である。
Yが小さくなりすぎているため、車両の僅かの旋回でも
車両のヨーレートがしきい値Yを超えてしまい、「感度
補正」の領域に含まれてしまう。その結果、オフセット
収束点を通過した後は、感度係数の修正が専ら行われる
ようになる。すると、感度係数が徐々に収束に向かう。
本実施の形態においては、この感度係数の収束の度合い
に基づいてしきい値Yの値を変化させた。このしきい値
Yは、本来、オフセット誤差と感度誤差の比率によって
定められるべきものであり、感度係数の収束度合いに応
じてこの比率が変化するので、感度係数の収束度合いに
基づき、しきい値Yを変化させたのである。
図12の感度収束点において、感度係数は±2パーセン
トに減少している。
はオフセット誤差の補正値の修正のみ行い、その後、感
度係数の修正を行う動作の例が示されているが、このよ
うな動作をヨーレートの値に関係なく行うことも好適で
ある。
/直進する際の零点補正を行った後で、初めて感度係数
の修正を行うのである。このように、オフセット誤差の
補正値の修正と、感度係数の修正とを完全に切り分けて
行うため、感度係数の修正を正確に行うことが可能であ
る。
号受信装置の動作を表すフローチャートが図13に示さ
れている。
両のヨーレートが<±1.0(deg/sec )の時、ステッ
プトラック(ステップレート=1.5(deg/sec )程
度)のみの制御がT秒以上続いたか否かが検査される。
この検査の結果が「YES」であれば、これは車両が停
止/直進状態であると判断して、ステップS13−2に
移行する。そしてこのステップS13−2において、上
記零点補正を行うのである。この零点補正が行われた
後、再びステップS13−1に処理が移行するのであ
る。
検査の結果が「NO」である場合には、ステップS13
−3に処理が移行する。ステップS13−3において
は、零点補正が完了したか否かが検査される。この検査
の結果、まだ完了していない場合には、ステップS13
−4に処理が移行し、初期オフセット誤差補正が行われ
る。この初期オフセット誤差補正は、ハイブリッド追尾
から、ジャイロ追尾への移行の度にオフセット誤差の補
正値を修正するのである。又、零点補正以降は所定の
T’秒毎にオフセット誤差の修正値の総和を、オフセッ
ト誤差の補正値に加える。すなわち、オフセット誤差の
補正値に加える修正をT’秒分まとめて行うのである。
正が完了していないと判断される場合には、ステップS
13−5に処理が移行し、車両のヨーレートが>±5.
0(deg/sec )であるか否かが検査される。この検査の
結果、車両のヨーレートが>±5.0(deg/sec )であ
る場合には、ステップS13−6に処理が移行し、感度
係数の修正が行われる。一方、車両のヨーレートが>±
5.0(deg/sec )でない場合には、ステップS13−
7に処理が移行し、オフセット誤差の補正値の修正が行
われる。
ヨーレート±5.0(deg/sec )は、感度係数の修正を
行うか、オフセット誤差の修正を行うかのしきい値であ
る。本実施の形態においても、上述した実施の形態のよ
うに、このしきい値をオフセット誤差の補正値等の収束
度合いに応じて変更することも好適である。又、正確な
感度係数の修正のため、上述した図12のように、不感
帯を設けることも好適である。
変化を表すグラフが、A:停止/直進時の零点補正(ス
テップS13−2)、B:初期オフセット誤差補正(ス
テップS13−4)、C:感度係数の修正(ステップS
13−6)がそれぞれ行われるヨーレートの領域ととも
に、図14に示されている。このグラフにおいては、横
軸が時間であり、縦軸は車両のヨーレートである。
いて、感度係数が収束した後では、ジャイロ追尾からハ
イブリッド追尾に移行する(又はハイブリッド追尾から
ジャイロ追尾に戻るタイミングでも構わないが)タイミ
ングで感度係数の修正が行われる。しかし、収束後にお
いても毎回修正を行うのは感度係数の変動が大きく、受
信状態の変動を招く恐れがある。そこで、収束後はヨー
角でΔY(deg )(例えば90゜)旋回毎にその修正の
量を積算し、係るΔY(deg )毎に、感度係数の修正値
を決定するのが好適である。
差の値を±2パーセント以内にすることを目標としてい
る。換言すれば、感度誤差の値が±2パーセント以内に
なれば感度係数が収束したものと判断する。従って、上
記実施の形態B−7において、ΔY毎の積算誤差がΔα
(感度係数の修正の単位量)のn倍(nは1以上の整
数)の時に初めてΔαの1倍から2倍程度の修正を加え
るのが好適である。
は、感度係数を修正する単位量を、感度係数の収束の度
合いに応じて変化させる形態を説明した。このような形
態によれば、感度係数の迅速な収束とともに、精密な感
度係数の修正が可能であった。一方、係る修正が、感度
係数の「増大」方向の修正の頻度が多い場合には、感度
係数の値が正しい値よりかなり小さいことが予想され
る。従って、「増大」方向の修正が専ら行われている場
合には、修正の単位量を大きくすることが感度係数の迅
速な収束のためには好適である。
くなされている場合には、感度係数の大きさが正しい値
よりかなり大きいことが予想される。従ってこの場合に
は、感度係数を修正する単位量は、上述した場合と同様
に大きくすることが望ましい。
数の修正の方向が一方方向(「増大」又は「減少」の一
方)に偏っている場合には、何れの場合においても修正
の単位量を大きくすることが望ましい。
合い」が、いわば修正方向の偏りにより検出されている
のである。このように、簡易な構成により、感度係数が
正しい値と大きく離れているか否かが判断することがで
きるため、上記実施の形態B−3と同様の効果をより簡
易に実現可能である。
ば、ジャイロセンサの感度誤差を補正する感度係数のド
リフトを効率的に修正可能な車載用衛星信号受信装置が
得られ、常に良好な受信状態を維持することが可能とな
る。
大」すべきか「減少」すべきか容易に判別できるので、
安定した受信を続行することができる車載用衛星信号受
信装置が得られる。
値の影響を受けずに、感度係数の修正を行うことが可能
な車載用衛星信号受信装置が得られる。
えて、感度誤差の値の影響を受けずに、オフセット誤差
の補正値の修正を行うことが可能な車載用衛星信号受信
装置が得られる。
補正値の収束度合いに基づき、修正を判断基準となるし
きい値を変更したので、上記第3及び第4の本発明を効
率よく動作させることが可能である。
木などの陰になった場合においても、安定した受信を続
行できる車載用衛星信号受信装置が得られる。
ッチングが生じても、感度誤差のドリフトに対する感度
係数を、誤修正してしまうことがない車載用衛星信号受
信装置が得られる。
と後とで修正単位量Δαを変更したので、迅速な収束を
実現しつつ、安定した感度係数の修正をも可能とする車
載用衛星信号受信装置が得られる。
ット誤差の補正値の修正が完了した後に、感度係数の修
正を行ったので、オフセット誤差の影響を受けずに感度
係数の修正が可能である。
後は修正しにくく構成したので、安定した衛星信号の受
信が可能な車載用衛星信号受信装置が得られる。
の補正値の修正をすべきか、又は感度係数の修正をすべ
きかの判断基準となるヨーレートを変更したので、常に
正しい判断ができ、良好な受信状態を実現できる車載用
衛星信号受信装置が得られる。
を迅速に行え、良好な受信状態を実現可能な車載用衛星
信号受信装置が得られる。
基準ヨーレートのみで制御が行われるため、簡易な構成
の車載用衛星信号受信装置が得られる。
置の構成ブロック図である。
ある。
取り付けられている様子を表す説明図である。
と、受信レベルとの関係を表すグラフである。
度係数の修正の原理を説明する説明図である。
度係数の修正の原理を説明する説明図である。
度係数の修正の原理を説明する説明図である。
尾動作を表すフローチャートである。
イロ追尾の具体的な動作を表すフローチャートである。
ブリッド追尾の具体的な動作を表すフローチャートであ
る。
置のオフセット誤差の補正値、しきい値Y、感度係数、
の変化を表すグラフである。
置において、オフセット誤差の補正値が収束した後に、
感度係数の修正を行う場合の動作を表すフローチャート
である。
すフローチャートである。
フである。
フである。
ンテナの回転方向、12 コンバータ、14 BSチュ
ーナ、16 ステッピングモータ、18 ステッピング
モータドライバ、20 接続ユニット、22 モータ制
御ボード、24A/Dボード、26 振動ジャイロ、2
8 制御装置。
Claims (15)
- 【請求項1】 車載されたアンテナと、 車両の回転角速度を検出するジャイロセンサと、 前記ジャイロセンサの出力信号の感度誤差を補正する感
度係数を前記ジャイロセンサの出力信号に乗算し、前記
感度誤差を補正した信号を出力する感度誤差補正手段
と、 前記ジャイロセンサの出力信号の感度誤差を補正した前
記信号をもとに前記アンテナの指向方向を制御するジャ
イロ追尾手段と、 を備える車載用衛星信号受信装置において、 前記アンテナが受信する衛星信号の受信レベルに基づ
き、前記感度誤差補正手段の前記感度係数を修正する感
度係数修正手段、 を含むことを特徴とする車載用衛星信号受信装置。 - 【請求項2】 車載されたアンテナと、 車両の回転角速度を検出するジャイロセンサと、 前記ジャイロセンサの出力信号の感度誤差を補正する感
度係数を前記ジャイロセンサの出力信号に乗算し、前記
感度誤差を補正した信号を出力する感度誤差補正手段
と、 前記アンテナが受信する衛星信号の受信レベルが第1の
所定値以上の場合に前記ジャイロセンサの出力信号の感
度誤差を補正した信号をもとに前記アンテナの指向方向
を制御するジャイロ追尾手段と、 前記衛星信号の受信レベルが第2の所定値未満の場合に
信号レベルが高まるように前記アンテナの指向方向を制
御するステップトラック追尾手段と、 を備える車載用衛星信号受信装置において、 前記受信レベルが前記第2の所定値未満に移行し、ステ
ップトラック追尾手段が前記アンテナの指向方向を制御
する場合に、前記ステップトラック追尾手段による制御
回転方向とジャイロ追尾が行われていたときのアンテナ
の回転方向とに基づき、前記感度誤差補正手段の前記感
度係数を所定量「増大」又は所定量「減少」の何れかに
修正する感度係数修正手段、 を含むことを特徴とする車載用衛星信号受信装置。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の車載用衛星信号受
信装置において、 車両のヨーレートを算出するヨーレート算出手段、 を含み、前記感度係数修正手段は、前記ヨーレートが第
1の基準ヨーレートY1以上の場合にのみ前記感度係数
を修正することを特徴とする車載用衛星信号受信装置。 - 【請求項4】 請求項3記載の車載用衛星信号受信装置
において、 前記ジャイロセンサの出力信号のオフセット誤差を補正
するために、前記ジャイロセンサの出力信号に所定の補
正値を加算するオフセット誤差補正手段と、 前記ヨーレートが所定の第2の基準ヨーレートY2以下
の場合にのみ、オフセット誤差の前記補正値の修正を行
う補正値修正手段と、 を含むことを特徴とする車載用衛星信号受信装置。 - 【請求項5】 請求項4記載の車載用衛星信号受信装置
において、 オフセット誤差の補正値の収束度合いに応じて、前記第
1の基準ヨーレートY1と前記第2の基準ヨーレートY
2との何れか一方又は双方の値を変更する第1の基準ヨ
ーレート変更手段、 を含むことを特徴とする車載用衛星信号受信装置。 - 【請求項6】 請求項2記載の車載用衛星信号受信装置
において、 前記感度係数修正手段は、前記受信レベルが第3の所定
値以上となっている時間が所定時間以上である場合にの
み、前記感度係数を修正することを特徴とする車載用衛
星信号受信装置。 - 【請求項7】 請求項2記載の車載用衛星信号受信装置
において、 車両のローリング又はピッチングを検出するローリング
・ピッチング検出手段、 を含み、 前記感度係数修正手段は、前記ローリング・ピッチング
検出手段がローリング又はピッチングを未検出の場合に
のみ、前記感度係数を修正することを特徴とする車載用
衛星信号受信装置。 - 【請求項8】 請求項2記載の車載用衛星信号受信装置
において、 前記感度係数修正手段が前記感度係数の修正を行う際の
修正単位量であるΔαを、前記感度係数の収束度合いに
基づき、設定する修正単位量設定手段、 を含むことを特徴とする車載用衛星信号受信装置。 - 【請求項9】 請求項1、2又は3記載の車載用衛星信
号受信装置において、 前記ジャイロセンサの出力信号のオフセット誤差を補正
するために、前記ジャイロセンサの出力信号に所定の補
正値を加算するオフセット誤差補正手段と、 前記補正値を修正する補正値修正手段と、 オフセット誤差の補正値に対する前記修正が収束した後
に、前記感度係数修正手段を起動する制御手段と、 を含むことを特徴とする車載用衛星信号受信装置。 - 【請求項10】 請求項4又は5記載の車載用衛星信号
受信装置において、 オフセット誤差の補正値に対する前記修正が収束した後
に、前記感度係数修正手段を起動する制御手段、 を含むことを特徴とする車載用衛星信号受信装置。 - 【請求項11】 請求項1乃至10記載の車載用衛星信
号受信装置において、 前記感度係数修正手段による感度係数の修正が完了した
後は、前記感度係数の修正頻度を低減させる制御手段、 を含むことを特徴とする車載用衛星信号受信装置。 - 【請求項12】 請求項3、4又は5記載の車載用衛星
信号受信装置において、 前記感度係数の修正の収束度合いに応じて、前記基準ヨ
ーレートの値を変更する第2の基準ヨーレート変更手
段、 を含むことを特徴とする車載用衛星信号受信装置。 - 【請求項13】 請求項8記載の車載用衛星信号受信装
置において、 単位時間当たりの感度誤差の前記感度係数の修正の方向
が、「増大」又は「減少」の何れかに偏っている場合
に、前記修正単位量Δαの値を増大させる修正単位量増
大手段、 を含むことを特徴とする車載用衛星信号受信装置。 - 【請求項14】 請求項4又は5記載の車載用衛星信号
受信装置において、 前記第1の基準ヨーレートと前記第2の基準ヨーレート
とは同一である車載用衛星信号受信装置。 - 【請求項15】 請求項12記載の車載用衛星信号受信
装置において、 前記第1の基準ヨーレートと前記第2の基準ヨーレート
とは同一である車載用衛星信号受信装置。
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