JPH09317232A - シフト装置を備えた格納庫およびその入出庫方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 リフト装置と台車との稼働率を上げ、入出庫
の作業を迅速化する。 【解決手段】 リフト装置４と台車５との間に格納品を
載置する広さを有するシフト装置８が設けられた格納庫
であり、また、リフト装置４と台車５との間にシフト装
置８を設け、該シフト装置８上を格納品の仮置場として
使用することにより、リフト装置４と台車５との連動を
絶って格納品の入出庫を行うことを特徴とする入出庫方
法である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、車あるいはその他
の格納品の格納庫およびその入出庫方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】格納庫として、例えば、平面往復式の機
械式駐車場（以下、格納庫は機械式駐車場、格納品は車
で説明する）は、入庫口、出庫口、リフト装置、台車、
駐車室より構成されている。

【０００３】図１１は、従来の平面往復式の機械式駐車
場の側断面図で、入庫口１および出庫口２の地下には駐
車室３が配置され、また、前記入庫口１および出庫口２
にはリフト装置４が配置されている。前記リフト装置４
は、入庫口１と所定の駐車室３がある駐車階および所定
の駐車階と出庫口２との間を往復して、車（図示せず）
を運搬する。

【０００４】また、駐車室３を有する各駐車階には、図
１２（平断面図）に示すように、台車５がリフト装置４
と駐車室３間のレール６上を走行する機構となってい
る。

【０００５】従って、入庫口１に入庫してきた車は乗員
が降りた後、リフト装置４に移動され、リフト昇降路１
ａを通過して所定の駐車階まで運搬される。

【０００６】その後、車は各駐車階に待機している台車
５に移しかえられ、該台車５によって所定の駐車室３前
まで運ばれて行き、駐車室３に設けられた横行機構によ
り駐車室３内に格納される。

【０００７】また、格納してある車を出庫する際は、前
述と逆の動作を行い出庫用のリフト昇降路２ａを通過し
て出庫口２まで運ばれ、出庫となる。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
型式の格納庫の一種である機械式駐車場は、道路の地下
やビルの地下等に建設される事が多いため、その配置は
前述の図１１、１２に示した理想的な配置になることは
少なく、ほとんどの場合、入出庫車両の進入、退出のた
めの道路条件および建設場所の地形、建物配置に合わせ
た構築をしなければならず、リフト装置と台車は、必ず
しも隣接して配置されないケースがある。

【０００９】特に、道路の片側に入、出庫口があり、駐
車室は道路の反対側に建設されるようなレイアウトで
は、リフト昇降路と台車との間が所定距離離れた配置と
なり、その間を何らかの車搬送手段を設ける必要があ
る。

【００１０】また、従来の機械式駐車場は、リフト装置
と台車との間で車を移載する際には、リフト装置と台車
とが連動する必要がある。即ち、リフト装置で運ばれて
きた入庫車を台車に移載するためには、台車の待機が必
要であり、また、台車で運ばれてきた出庫車をリフト装
置に移載するためには、リフト装置の待機が必要である
ので、台車またはリフト装置の稼働率が悪く、駐車操作
効率が向上しない問題があった。

【００１１】本発明は、リフト装置を台車から離れた位
置に設置することを可能にし、かつ、シフト装置に車等
の格納品を仮置することでリフト装置と台車の動きを分
離し、入出庫作業を迅速化することを目的とするもので
ある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】前述の課題を解決する第
一の手段は、入庫口、出庫口、リフト装置、台車および
格納室からなる格納庫であって、リフト装置と台車との
間に格納品を載置する広さを有するシフト装置が設けら
れていることを特徴とするシフト装置を備えた格納庫で
ある。

【００１３】前述の第一の手段によれば、リフト装置と
台車との間に格納品を載置する広さを有するシフト装置
が配置されることにより格納品の入出庫口乃至はリフト
昇降路との間に所定距離隔たっていても、シフト装置
が、格納品の移動をスムーズに行い、また、仮置場とし
ても機能する。

【００１４】前述の課題を解決する第二の手段は、入庫
口、出庫口、リフト装置、台車および格納室からなる格
納庫の格納品の入出庫方法であって、リフト装置と台車
との間にシフト装置を設け、該シフト装置上を格納品の
仮置場として使用することにより、リフト装置と台車と
の連動を絶って格納品の入出庫を行うことを特徴とする
シフト装置を備えた格納庫への入出庫方法である。

【００１５】前述の第二の手段によれば、シフト装置を
格納品の仮置場として使用する事で、リフト装置と台車
の動きを分離し、連動して待機する必要がないので、入
庫および出庫作業の時間が短縮される。

【００１６】即ち、リフト装置が車等の格納品を運んで
きたにもかかわらず台車が他の車等の格納品の運搬作業
をしていて格納品の受渡しができない場合には、一旦、
格納品をシフト装置上に仮置きして、リフト装置は入庫
口へ戻る。

【００１７】一方、台車は他の格納品の運搬作業が終了
したら、シフト装置上に仮置きしている格納品を受け取
る。

【００１８】また、出庫に際し、台車からリフト装置に
格納品を移載する場合についても同じである。

【００１９】以上により車等の格納品の入出庫作業効率
を上げることができ、入出庫時間の短縮につながる。

【００２０】

【発明の実施の形態】図１（平断面図）および図２（図
１のＡ−Ａ断面図）は、本発明にかかるリフト装置４、
シフト装置８および台車５が配置される機械式駐車場の
配置関係を示した実施例で、入出庫口１、２に連なるリ
フト昇降路１ｂ，２ｂと駐車階の台車５との間にスペー
ス７が存在する例である。該スペース７に前記シフト装
置８が配置される。尚、図１および図２は、リフト昇降
路と台車との関係を示したもので、入出庫口１、２の詳
細は本発明と直接関係がないので図示を省略した。

【００２１】図３（ａ）（ｂ）は、パレット２枚（パレ
ット１枚に車を載置、もう１枚のパレットは空パレッ
ト）が常時搬送される、所謂、ダブルパレット方式の入
出庫方法を示した図である。

【００２２】図３（ａ）は、格納品が車の例で、本発明
の入庫方法の順序を示し、上下２段の格納用レールを備
えた台車を使用した場合の概略図である。

【００２３】図３（ｂ）も、格納品が車で、本発明の入
庫方法の順序を示した図であるが、１段の載置レールを
上下動させる装置を備えた台車を使用した場合の概略図
である。

【００２４】まず、図３（ａ）の実施の形態について入
庫方法の順序を説明すると、 入庫口１でリフト装置４に車９を載せた車載パレット
ａを積み込む。また、同時にリフト装置下段の空パレッ
トｂを入庫口下段レールで受け取り、入庫口に設けられ
たパレット上下段入換装置（図示せず）により、前記空
パレットｂを上段に移し換え、次の車の入庫に備える。 リフト装置４は、車９を載せた車載パレットａを駐車
階まで運搬する。駐車階では、スペース７の位置にパレ
ットの入換えを行うシフト装置８があり、リフト装置４
で運搬されて来た車９を載せた車載パレットａをシフト
装置８の上段レールで受取る。その際、シフト装置８は
下段に保管していた下段パレットｃをリフト装置４に移
し、シフト装置８は、さらに、台車５が到着すれば、車
９を載せた車載パレットａを台車５の上部に移動させ載
置する。さらに、台車５から下段パレットｄを受取り保
管する。 台車５に移された車９を載せた車載パレットａは、台
車５により所定の駐車室３まで運搬され、駐車室３に格
納される。その際、台車５は駐車室３の下段に保管され
ていた空の下段パレットｅを下部で受取り、次の指令を
待つ。

【００２５】以上は、入庫の工程であるが、出庫につい
ては逆の工程となる。次に、１段のパレット載置レール
を上下動させる装置を備えた台車を使用した図３（ｂ）
の実施の形態について入庫方法の順序を説明する。 前記と同じ。 リフト装置４は、車９を載せた車載パレットａを駐車
階まで運搬する。駐車階では、スペース７の位置にパレ
ットの入換えを行うシフト装置８があり、リフト装置４
で運搬されて来た車９を載せた車載パレットａをシフト
装置８の上段レールで受取る。その際、シフト装置８は
下段に保管していた下段パレットｃをリフト装置４に移
し、シフト装置８は、さらに、１段のパレット載置レー
ルを上下動させる装置を備えた台車５′が到着すれば、
台車５′から空パレットｄを受取り、シフト装置８の下
段に保管する。次に、台車５′のレールを上昇させて、
車９を載せた車載パレットａを台車５′の上部に移動さ
せ載置する。 台車５′に移された車９を載せた車載パレットａは、
台車５′により所定の駐車室３まで運搬され、駐車室３
に格納される。その後、台車５′は駐車室３の下段に保
管されていた空の下段パレットｅをレールを下げること
により受取り、次の指令を待つ。

【００２６】以上は、車の入庫のケースで説明したが、
出庫のケースでは、逆の順序となる。

【００２７】図４は、パレット１枚（パレット１枚に車
を載置）が常時搬送される、所謂、シングルパレット方
式の入出庫方法を示した図である。

【００２８】図４の実施例について順序を説明すると、 入庫口１でリフト装置４に車９を載せた車載パレット
ａを積み込む。尚、次の車を載せる車載パレットは、出
庫口で用済みとなった車の空パレットが用意されてい
る。 リフト装置４は、車９を載せた車載パレットａを駐車
階まで運搬する。駐車階では、スペース７の位置にパレ
ットの入換えを行うシフト装置８があり、リフト装置４
で運搬されて来た車９を載せた車載パレットａをシフト
装置８で受取る。さらに、台車５′が到着すれば、車９
を載せた車載パレットａを台車５′の上部に移動させ載
置する。 台車５′に移された車９を載せた車載パレットａは、
台車５′により所定の駐車室３まで運搬され、駐車室３
に格納され、台車５′は次の指令を待つ。

【００２９】尚、出庫の際は、台車５′は駐車室３で車
が載置されたパレットを受取り、シフト装置８まで運
び、出庫用のリフト装置４で出庫口まで運搬される。

【００３０】図５は、本発明にかかるリフト昇降路とシ
フト装置８および台車５の配置関係を示した平面図で、
１ａはリフト昇降路であり、該リフト昇降路１ａと台車
５（５′）との間には、スペース７があり、該スペース
７には、シフト装置８が設けられる。尚、３は駐車室、
６は台車５の走行レールであり、二点鎖線の矩形はパレ
ットを示す。

【００３１】図６は、スペース７に設けられるシフト装
置８の平面図で、図７は図６の右側面図であり、ダブル
パレット方式の格納形態を採用する場合のシフト装置を
示す。

【００３２】図６、図７において、１１は両側に設けら
れた上下２段のパレット格納レールで、上方に上段パレ
ットＡが、下方に下段パレットＢが格納できる構造とな
っている。尚、１８は上段パレットＡの車輪である。

【００３３】前記上段パレットＡのリフト装置４からシ
フト装置８への移動は、前記上下２段のパレット格納レ
ール１１の両側部に設けられた横行アーム１２全体がモ
ータ１６によりａ，ｂ方向（リフト装置４または台車５
方向）方向に移動し、さらに、該横行アーム１２上をレ
ール１３に沿ってモータ１５により駆動、走行するパレ
ット把持爪１４により移動される。その際、横行アーム
１２は、シリンダー機構１７により上段パレットＡ方向
（ｃ，ｄ方向）に移動する。

【００３４】また、下段パレットＢ（空パレット）の移
動は、シフト装置８の下部に設けられたローラコンベア
１９により行われ、リフト装置４にも同様のローラコン
ベアが設けられている。

【００３５】図８は、シフト装置８の下部に設けられた
下段パレットＢを移動するローラコンベア１９の斜視図
で、１９は、ローラコンベアの全体で、図８に示すよう
に、モータ１９ａ，チエーン１９ｂ、スプロケット１９
ｃで複数のローラ１９ｄを回転させ、該ローラ１９ｄが
下段パレットＢの下面に当接することにより、下段パレ
ットＢを移動させる。尚、１９ｅはフレームである。

【００３６】図９は、本発明にかかるシフト装置８とリ
フト装置４との間の上、下段パレットＡ，Ｂの受渡しの
関係を示した平面図である。

【００３７】図９において、リフト装置４が停止する
と、リフト装置４に設置された車搭載の上段パレットＡ
は、横行アーム１２の把持爪１４により把持され、図面
右方向に移動され前記上下２段のパレット格納レール１
１の上方に移動される。

【００３８】その際、シフト装置８の上下２段のパレッ
ト格納レール１１の下方に保管されていた下段パレット
Ｂは、ローラコンベア１９とリフト装置４のローラコン
ベア１９′（図８と同一の構造）でリフト装置４の下段
レール内に移動され、該リフト装置４が入庫口へ上昇し
た場合の入庫体制に備えられる。

【００３９】尚、１４ａは、上段パレットＡの側面に設
けられたパレット把持爪１４が嵌合する孔である。

【００４０】図１０（ａ）（ｂ）は、本発明のシフト装
置と台車５との上段パレットＡおよび下段パレットＢの
受け渡し状態を示す平面図である。

【００４１】台車５は上段パレットＡと下段パレットＢ
が２段格納できる台車であり、両側部には台車横行アー
ム２０、２０′が上下に配置されており、該台車横行ア
ーム２０、２０′には、各々パレット把持爪２１、２
１′が設けられ、該把持爪２１、２１′の移動により上
段パレットＡおよび下段パレットＢとを、図１０（ａ）
の状態から図１０（ｂ）の状態に移動させる。

【００４２】尚、構造の詳細は図示しないが、図３
（ｂ）に図示した１段のパレット載置レール型の台車を
用いた場合は、まず、台車５′上の空パレットをシフト
装置８の下段に移載した後、台車５′の載置レールを上
昇させ、シフト装置８の車９を車載した上段パレットＡ
を受取る。その後、台車５′は駐車室３へ車を運び、駐
車室３へ車を格納する。その後、載置レールを下降さ
せ、駐車室３の空パレットを受け取り、次の指令を待
つ。

【００４３】さらに、図４に示したシングルパレット方
式の場合のシフト装置８の横行機構は、前述の上段パレ
ットＡを横行させる横行フレーム１２および把持爪１４
と同一構造であるので、詳細は省略する。また、台車５
（５′）も同様である。

【００４４】本発明は、シフト装置を設置する距離が長
い場合は、各種の部品を長さに応じた寸法とすれば対応
できるので、リフト装置と台車との距離は限定されなく
対応することが可能であり、また、シフト装置８上で車
９を載せた車載パレットの移動を停止すれば、その位置
が車の仮置場となる。

【００４５】以上により、車以外の格納品の入出庫にも
同様に対応できる。

【００４６】

【発明の効果】本発明は以上であるので、リフト装置位
置から台車位置までの距離があっても格納品の移動が行
え、リフト装置と台車の接続位置を接近して配置する必
要がないので、格納庫の立地条件を限定することなく設
計を行うことができる。

【００４７】また、シフト装置の位置で格納品を仮置き
できるので、リフト装置は格納品をシフト装置に載置、
あるいは格納品をシフト装置から受取れるので、台車の
動きに関係なく、リフト装置が入出庫口へ移動できる。
また、台車もリフト装置の動きに関係なく、シフト装置
との間で格納品の受取りあるいは載置が行えるので、リ
フト装置と台車の稼働効率を上げることができ、強いて
は、格納品の入、出庫時間の短縮を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明が適用される平面往復式機械駐車場の平
断面図。

【図２】図１のＡ−Ａ断面図。

【図３】（ａ）本発明の格納庫の入庫方法の順序を示
し、上下２段のパレット格納レールを備えた台車を使用
した場合の概略図。 （ｂ）本発明の格納庫の入庫方法の順序を示し、１段の
パレット載置レールを上下させる装置を備えた台車を使
用した場合の概略図。

【図４】本発明の格納庫の入庫方法の順序を示し、シン
グルパレット方式の場合の概略図。

【図５】本発明にかかるシフト装置の配置関係を示した
平面図。

【図６】本発明にかかるシフト装置の平面図。

【図７】図６の右側面図。

【図８】本発明にかかるシフト装置の下段パレット移動
用のローラコンベアの斜視図。

【図９】本発明にかかるシフト装置とリフト装置との間
の上、下段パレットの受渡しの関係を示す平面図。

【図１０】（ａ）本発明にかかるシフト装置から台車
へ、上段パレットの受渡し状態を示す平面図で、上段パ
レットがシフト装置に載置している状態。 （ｂ）本発明にかかるシフト装置から台車へ、上段パレ
ットの受渡し状態を示す平面図で、上段パレットが台車
へ移動した状態。

【図１１】従来の平面往復式機械駐車場の側断面図。

【図１２】従来の平面往復式機械駐車場の平断面図。

【符号の説明】

１ 入庫口 １ａ 従来の入庫用リフト昇降路 １ｂ 本発明が適用される入庫用リフト昇降路 ２ 出庫口 ２ａ 従来の出庫用リフト昇降路 ２ｂ 本発明が適用される出庫用リフト昇降路 ３ 駐車室 ４ リフト装置 ５ 台車 ６ 台車レール ７ スペース ８ 本発明にかかるシフト装置の全体 ９ 車 １０ リフター １１ 上下２段のパレット格納レール １２ 横行アーム １３ レール １４ パレット把持爪 １５ モータ １６ モータ １７ シリンダー機構 １８ パレットの車輪 １９ ローラコンベア ２０ 台車横行アーム ２０′台車横行アーム ２１ パレット把持爪 ２１′パレット把持爪

フロントページの続き (72)発明者 野村 修一郎 東京都千代田区丸の内一丁目１番２号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 塩田 悦貞 東京都千代田区丸の内一丁目１番２号 日 本鋼管株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 入庫口、出庫口、リフト装置、台車およ
   び格納室からなる格納庫であって、リフト装置と台車と
   の間に格納品を載置する広さを有するシフト装置が設け
   られていることを特徴とするシフト装置を備えた格納
   庫。
2. 【請求項２】 入庫口、出庫口、リフト装置、台車およ
   び格納室からなる格納庫の格納品の入出庫方法であっ
   て、リフト装置と台車との間にシフト装置を設け、該シ
   フト装置上を格納品の仮置場として使用することによ
   り、リフト装置と台車との連動を絶って格納品の入出庫
   を行うことを特徴とするシフト装置を備えた格納庫への
   入出庫方法。