JP2890226B2 - 駐車装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、車両をパレットに搭載
して入出庫する駐車装置の改良に関し、特に入出庫の効
率を向上させる対策に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、車両をパレットに搭載して入出
庫する駐車装置では、例えば実開平３―１３０８６５号
公報に開示されているように、車両を入庫する場合に
は、入出庫口に入った入庫車両をエレベータの昇降台上
の空パレットに受け渡し、上記昇降台を所定の駐車階で
待機中の走行台車のところまで下降させて入庫車両をパ
レットごと上記走行台車に受け渡し、該走行台車を目的
の駐車棚のところまで走行させて入庫車両をパレットご
と駐車棚に格納するようになされている。

【０００３】一方、車両を出庫する場合には、走行台車
を目的の駐車棚のところまで走行させて出庫車両をパレ
ットごと駐車棚から受け取り、上記走行台車をエレベー
タの待機中の昇降台のところまで走行させて出庫車両を
パレットごと昇降台に受け渡し、該昇降台を入出庫口の
ところまで上昇させて出庫車両を入出庫口から出庫する
ようになされている。

【０００４】また、走行台車を走行させる替わりに、コ
ンベア方式により車載パレットを搬送して受け渡すよう
にした方式の駐車装置もある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の台車
走行方式で車載パレットを搬送する駐車装置では、先の
入出庫が完了して走行台車が空になるまで待たなければ
次の入出庫を行うことができず、この間、入出庫待ちと
なって入出庫の効率が悪くなる。

【０００６】また、コンベア方式で車載パレットを搬送
する駐車装置でも、同様に先の入出庫が完了してコンベ
アが空になるまで待たなければ次の入出庫を行うことが
できず、この間、入出庫待ちとなって入出庫の効率が悪
くなる。

【０００７】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、上記の後者のコンベア
方式で車載パレットを搬送することとし、かつコンベア
を駐車棚ごとに分割して独立して駆動させることによ
り、複数台の車両を同時に入庫したり、あるいは同時に
出庫したり、さらには入庫と出庫を同時に行わせるなど
して入出庫待ちをなくし、入出庫の効率を良くせんとす
ることにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、車両をパレットに搭載して入出庫する駐
車装置を対象とし、次のような解決手段を講じた。

【０００９】すなわち、本発明の解決手段は、入出庫
時、車両を搭載したパレットが移動する移動路を駐車部
に設ける。さらに、車両を格納する複数の駐車棚を上記
移動路に沿って設ける。また、入出庫時、車両を搭載し
たパレットを搬送する搬送手段を上記移動路に設ける。
この場合、上記搬送手段を、上記各駐車棚に対応して独
立駆動可能に設けられパレットを移動路に沿って順送り
に搬送する複数の第１コンベアと、各駐車棚に対応して
独立駆動可能に設けられパレットを移動路と直交する方
向に搬送する複数の第２コンベアとで構成する。また、
パレットを移動路と直交する方向に搬送する第３コンベ
アを上記各駐車棚に独立駆動可能に設け、かつ該第３コ
ンベアと上記搬送手段の各第２コンベアとの共働により
パレットを互いに受け渡すようにしたことを特徴とす
る。

【００１０】

【作用】上記の構成により、本発明では、入庫車両を搭
載したパレットは、搬送手段の複数の第１コンベアによ
り移動路に沿って目的の駐車棚のところまで順送りさ
れ、該駐車棚に対応する第２コンベアとこの駐車棚の第
３コンベアとの共働により移動路と直交する方向に搬送
されて駐車棚に受け渡される。

【００１１】一方、出庫車両を搭載したパレットは、そ
の出庫車両を格納する駐車棚の第３コンベアと該駐車棚
に対応する第２コンベアとの共働により移動路と直交す
る方向に搬送されて第１コンベアに受け渡され、隣接す
る複数の第１コンベアにより移動路に沿って出庫口側に
順送りされ、出庫車両がパレットから乗り出して出庫口
から出て行く。

【００１２】この間、他の第１〜３コンベアは上記入出
庫に関与する第１〜３コンベアの動作には全く影響され
ず、個々に独立して駆動可能に構成されていることか
ら、他の駐車棚に対する車両の入庫や出庫が同時に並行
して行われ、複数台の車両が待ち時間なく入出庫されて
入出庫の効率が良くなる。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。

【００１４】図１は本発明の実施例に係る駐車装置を示
し、該駐車装置は車両ＣをパレットＰに搭載して入出庫
するタイプのものである。同図において、１は地上に設
置された入庫口、２は該入庫口１と所定間隔をあけて地
上に設置された出庫口、３は地下に設けられた駐車部で
あって、該駐車部３は入庫用エレベータ４を介して入庫
口１に、出庫用エレベータ５を介して出庫口２にそれぞ
れ連絡されている。

【００１５】上記駐車部３には、図２および図３にも示
すように、入出庫時、車両Ｃを搭載したパレットＰが移
動する移動路６が設けられ、該移動路６の両側には、車
両Ｃを格納する複数の駐車棚７，７，…が移動路６に沿
って配置されている。

【００１６】さらに、本発明の特徴として、上記移動路
６には、入出庫時、車両Ｃを搭載したパレットＰを搬送
する搬送手段としての搬送装置８が設置され、該搬送装
置８は、スプロケット９，９に無端チェーン１０が巻き
掛けられて構成されたチェーンコンベアである左右一対
の第１コンベア１１，１１と、複数本のローラ１２，１
２，…が並設されて構成された第２コンベア１３とから
なり、該第１コンベア１１，１１および第２コンベア１
３は共に上記各駐車棚７に対応して図示しないモータに
より独立駆動可能に設けられている。そして、上記各第
１コンベア１１は、無端チェーン１０に設けられた係止
片（図示せず）をパレットＰ裏面の係合片（図示せず）
に係合させることによりパレットＰを移動路６に沿って
順送りに搬送する一方、各第２コンベア１３は、各ロー
ラ１２の回転によりパレットＰを移動路６と直交する方
向に搬送するようになされている。

【００１７】また、上記各駐車棚７には、上記第２コン
ベア１３と同様に複数本のローラ１４，１４，…が並設
されて構成されたローラコンベアである第３コンベア１
５が独立駆動可能に設置され、該第３コンベア１５によ
りパレットＰを移動路６と直交する方向に搬送し、この
際、該第３コンベア１５は、搬送装置８の第２コンベア
１３と共働してパレットＰを互いに受け渡すようになさ
れている。

【００１８】さらに、上記各第２コンベア１３は一対の
第１コンベア１１，１１の間に図示しない昇降装置によ
って昇降可能に配置され、パレットＰを第１コンベア１
１，１１により移動路６に沿って搬送する際には、図２
に示すように下降して、第１コンベア１１，１１に支持
されたパレットＰに干渉しないようになされている一
方、パレットＰを移動路６と直交する方向に搬送する際
には、図３に示すように上昇して、パレットＰを第１コ
ンベア１１から持ち上げ、第３コンベア１５と同一高さ
に位置付けるようになされている。

【００１９】なお、車両Ｃを出庫して空になったパレッ
トＰは循環通路１６を経て入庫口１に送られ、入庫車両
Ｃがある場合は該入庫車両Ｃを搭載して駐車部３に入る
一方、入庫車両Ｃがない場合には空のままで駐車部３に
入る。

【００２０】次に、上述の如く構成された駐車装置によ
る入出庫の要領を説明する。

【００２１】＜入庫の場合＞まず、入庫車両Ｃが入庫口
１に入って待機中のパレットＰに乗り入れ、この車載パ
レットＰが入庫用エレベータ４に受け渡されると、該入
庫用エレベータ４が駐車部３に下降する。

【００２２】次いで、上記車載パレットＰを入庫用エレ
ベータ４前の第１コンベア１１，１１に受け渡し、該第
１コンベア１１，１１およびそれに続く第１コンベア１
１，１１，…の駆動により車載パレットＰを目的の駐車
棚７の前まで移動路６に沿って順送りに搬送する。

【００２３】その後、上記目的の駐車棚７の前の第２コ
ンベア１３を図３仮想線の状態から図３実線の状態へと
上昇させて上記車載パレットＰを第１コンベア１１，１
１から持ち上げた後、上記第２コンベア１３とその横の
第３コンベア１５との共働により、車載パレットＰを図
３実線の状態から図３仮想線の状態へと移動路６と直交
する方向に搬送して目的の駐車棚７に引き込む。

【００２４】＜出庫の場合＞まず、出庫しようとする車
両Ｃが格納された駐車棚７の第３コンベア１５とその横
で上昇位置する第２コンベア１３との共働により、車載
パレットＰを図３仮想線の状態から図３実線の状態へと
移動路６と直交する方向に搬送して駐車棚７から移動路
６に引き出す。

【００２５】次いで、上記第２コンベア１３を図３実線
の状態から図３仮想線の状態へと下降させて上記車載パ
レットＰを第１コンベア１１，１１に受け渡した後、該
第１コンベア１１，１１およびそれに続く第１コンベア
１１，１１，…の駆動により車載パレットＰを出庫用エ
レベータ５の前まで搬送する。

【００２６】その後、車載パレットＰを出庫用エレベー
タ５に受け渡して該出庫用エレベータ５を上昇させ、車
載パレットＰを出庫口２に受け渡した後、出庫車両Ｃが
パレットＰから乗り出して出庫口２から出て行く。な
お、車両Ｃが出庫した後の空パレットＰは循環通路１６
を経て入庫口１に送り込まれ、ここで入庫車両Ｃを搭載
するかあるいは搭載せずに空のままで入庫用エレベータ
４を経て所定の駐車棚７に送り込まれる。

【００２７】そして、上述の如く１台の車両Ｃを入出庫
している間に、この入出庫に関与しない第１〜３コンベ
ア１１，１３，１５を個々に独立して駆動させることに
より、他の入庫車両Ｃの入庫や出庫車両Ｃの出庫を上述
の如き要領にて同時に並行して行うことができ、複数台
の車両Ｃ，Ｃ，…を待ち時間なく即座に入出庫させるこ
とができて入出庫の効率を良くすることができる。

【００２８】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
入出庫時、車両を搭載したパレットを搬送する搬送手段
をパレットを移動路に沿って順送りに搬送する複数の第
１コンベアと、パレットを移動路と直交する方向に搬送
する複数の第２コンベアとで構成するとともに、該第１
および第２コンベアを複数の駐車棚に対応して独立駆動
可能に設け、かつパレットを移動路と直交する方向に搬
送する第３コンベアを上記各駐車棚に独立駆動可能に設
けるとともに、該第３コンベアと上記各第２コンベアと
の共働によりパレットを互いに受け渡すようにした。し
たがって、１台の車両の入出庫を行っている間でも、こ
の入出庫に関与しない第１〜３コンベアにより他の車両
の入出庫を同時に並行して行うことができて入出庫の効
率を良くすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】駐車装置の概略構成図である。

【図２】第１コンベアによる搬送状態を示す図である。

【図３】第２および第３コンベアによる搬送状態を示す
図である。

【符号の説明】

３ 駐車部 ６ 移動路 ７ 駐車棚 ８ 搬送装置（搬送手段） １１ 第１コンベア １３ 第２コンベア １５ 第３コンベア Ｃ 車両 Ｐ パレット

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両をパレットに搭載して入出庫する駐
   車装置であって、駐車部に設けられ、入出庫時、車両を
   搭載したパレットが移動する移動路と、該移動路に沿っ
   て設けられ、車両を格納する複数の駐車棚と、上記移動
   路に設けられ、入出庫時、車両を搭載したパレットを搬
   送する搬送手段とを備え、該搬送手段は、上記各駐車棚
   に対応して独立駆動可能に設けられ、パレットを移動路
   に沿って順送りに搬送する複数の第１コンベアと、各駐
   車棚に対応して独立駆動可能に設けられ、パレットを移
   動路と直交する方向に搬送する複数の第２コンベアとか
   らなり、上記各駐車棚には、パレットを移動路と直交す
   る方向に搬送する第３コンベアが独立駆動可能に設けら
   れ、該第３コンベアは、上記搬送手段の各第２コンベア
   と共働してパレットを互いに受け渡すようになされてい
   ることを特徴とする駐車装置。