JPH09315929A - 透明なスフィンゴ脂質組成物 - Google Patents
透明なスフィンゴ脂質組成物Info
- Publication number
- JPH09315929A JPH09315929A JP13602896A JP13602896A JPH09315929A JP H09315929 A JPH09315929 A JP H09315929A JP 13602896 A JP13602896 A JP 13602896A JP 13602896 A JP13602896 A JP 13602896A JP H09315929 A JPH09315929 A JP H09315929A
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- JP
- Japan
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- sphingolipid
- transparent
- composition
- lysophospholipid
- ethanol
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 化粧品用の原料として透明なスフィンゴ脂質
組成物を提供する。 【解決手段】 スフィンゴ脂質、リゾリン脂質及び多価
アルコールからなるスフィンゴ脂質組成物において、ス
フィンゴ脂質とリゾリン脂質の配合比が２／１以下であ
る。
組成物を提供する。 【解決手段】 スフィンゴ脂質、リゾリン脂質及び多価
アルコールからなるスフィンゴ脂質組成物において、ス
フィンゴ脂質とリゾリン脂質の配合比が２／１以下であ
る。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、スフィンゴ脂質組
成物に関する。
成物に関する。
【０００２】
【従来の技術】スフィンゴ脂質は、その構造に於いて親
水基と親油基を持つ両親媒体物質であり、乳化剤やリポ
ソーム基剤として用いられる。また、スフィンゴ脂質
は、皮膚の水分保持機能を亢進させる効果があり、特開
平３−６６６０４号公報にあるように、リゾリン脂質と
組み合わせて化粧品の原料として用いられる。
水基と親油基を持つ両親媒体物質であり、乳化剤やリポ
ソーム基剤として用いられる。また、スフィンゴ脂質
は、皮膚の水分保持機能を亢進させる効果があり、特開
平３−６６６０４号公報にあるように、リゾリン脂質と
組み合わせて化粧品の原料として用いられる。
【０００３】ところで、スフィンゴ脂質は、水や多価ア
ルコールに溶解させるのが困難であるため、水に分散さ
せたリポソーム液の状態、又は加温した油脂に溶解させ
た後これを水性原料と合わせて乳化させた乳化物の状態
のスフィンゴ脂質組成物として使用されている。しかし
ながら、これらリポソーム液又は乳化物の状態のスフィ
ンゴ脂質組成物は不透明であり、化粧品や医薬品の原料
としては好まれないため、透明な溶液状ものが望まれて
いる。
ルコールに溶解させるのが困難であるため、水に分散さ
せたリポソーム液の状態、又は加温した油脂に溶解させ
た後これを水性原料と合わせて乳化させた乳化物の状態
のスフィンゴ脂質組成物として使用されている。しかし
ながら、これらリポソーム液又は乳化物の状態のスフィ
ンゴ脂質組成物は不透明であり、化粧品や医薬品の原料
としては好まれないため、透明な溶液状ものが望まれて
いる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、透明なスフ
ィンゴ脂質組成物を提供し、スフィンゴ脂質の化粧品や
医薬品原料への用途を拡大することを目的とするもので
ある。
ィンゴ脂質組成物を提供し、スフィンゴ脂質の化粧品や
医薬品原料への用途を拡大することを目的とするもので
ある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、（１）スフィンゴ脂質、リゾリン脂質及
び多価アルコールからなり、スフィンゴ脂質とリゾリン
脂質の配合比が２／１以下であることを特徴とする透明
なスフィンゴ脂質組成物、（２）エタノールを加配して
ある（１）記載の透明なスフィンゴ脂質組成物、（３）
エタノールの配合量が１〜７％である（２）記載の透明
なスフィンゴ脂質組成物、によって達成される。
め、本発明は、（１）スフィンゴ脂質、リゾリン脂質及
び多価アルコールからなり、スフィンゴ脂質とリゾリン
脂質の配合比が２／１以下であることを特徴とする透明
なスフィンゴ脂質組成物、（２）エタノールを加配して
ある（１）記載の透明なスフィンゴ脂質組成物、（３）
エタノールの配合量が１〜７％である（２）記載の透明
なスフィンゴ脂質組成物、によって達成される。
【０００６】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳述する。なお、
本発明において、「％」と表示するのは全て「重量％」
であり、また配合比は全て「重量比」である。本発明に
おいてスフィンゴ脂質とは、スフィンゴシンを骨格とし
て有する脂質のことであり、例えば、セラミド、アシル
セラミド、ヒドロキシセラミド等のセラミド類、ガラク
トシルセラミド、グルコシルセラミド、アシルセレブロ
シド、セレブロシド硫酸エステル等のスフィンゴ糖脂
質、スフィンゴミエリン等のスフィンゴリン脂質、さら
には、哺乳類の脳神経系（豚脳、牛脳等）より抽出して
得られる動物性スフィンゴ脂質、米・小麦・大豆等より
抽出して得られる植物性スフィンゴ脂質等の天然物由来
のものを挙げることができる。
本発明において、「％」と表示するのは全て「重量％」
であり、また配合比は全て「重量比」である。本発明に
おいてスフィンゴ脂質とは、スフィンゴシンを骨格とし
て有する脂質のことであり、例えば、セラミド、アシル
セラミド、ヒドロキシセラミド等のセラミド類、ガラク
トシルセラミド、グルコシルセラミド、アシルセレブロ
シド、セレブロシド硫酸エステル等のスフィンゴ糖脂
質、スフィンゴミエリン等のスフィンゴリン脂質、さら
には、哺乳類の脳神経系（豚脳、牛脳等）より抽出して
得られる動物性スフィンゴ脂質、米・小麦・大豆等より
抽出して得られる植物性スフィンゴ脂質等の天然物由来
のものを挙げることができる。
【０００７】また、リゾリン脂質とは、リン脂質のグリ
セロールの１位または２位にエステル結合している脂肪
酸残基の１分子がとれた脂質のことであり、例えば、リ
ゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノー
ルアミン、リゾホスファチジルセリン、リゾホスファチ
ジルグリセロール、リゾホスファチジルイノシトール、
リゾホスファチジン酸、さらに、卵黄リゾリン脂質、植
物性リゾリン脂質等を挙げることができる。
セロールの１位または２位にエステル結合している脂肪
酸残基の１分子がとれた脂質のことであり、例えば、リ
ゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノー
ルアミン、リゾホスファチジルセリン、リゾホスファチ
ジルグリセロール、リゾホスファチジルイノシトール、
リゾホスファチジン酸、さらに、卵黄リゾリン脂質、植
物性リゾリン脂質等を挙げることができる。
【０００８】また、多価アルコールとは、分子内に２個
以上の水酸基を有するアルコールのことであり、例え
ば、エチレングリコール、プロピレングリコール、１，
３−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポ
リエチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ト
リグリセリン、テトラグリセリン等のポリグリセリンの
他、グルコース、マルトース、マルチトール、ガラクト
ース、シュークロース、フラクトース、キシリトール、
イノシトール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、
マルトトリオース、スレイトール、澱粉分解糖、澱粉分
解糖還元アルコール等を挙げることができる。
以上の水酸基を有するアルコールのことであり、例え
ば、エチレングリコール、プロピレングリコール、１，
３−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポ
リエチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ト
リグリセリン、テトラグリセリン等のポリグリセリンの
他、グルコース、マルトース、マルチトール、ガラクト
ース、シュークロース、フラクトース、キシリトール、
イノシトール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、
マルトトリオース、スレイトール、澱粉分解糖、澱粉分
解糖還元アルコール等を挙げることができる。
【０００９】さらにエタノールとは、純度９９．５容量
％以上の無水エタノールのことである。
％以上の無水エタノールのことである。
【００１０】本発明のスフィンゴ脂質組成物は、基本的
には、スフィンゴ脂質、リゾリン脂質及び多価アルコー
ルからなり、スフィンゴ脂質とリゾリン脂質の配合比が
２／１以下とすることで、全体をほぼ透明な溶液に仕上
げることができる。その比が２／１を越える場合には、
透明な溶液は得られない。また、スフィンゴ脂質、リゾ
リン脂質、多価アルコールの他に、エタノールを加配し
たスフィンゴ脂質組成物は、容易に透明な溶液を得るこ
とができる。尚、エタノールを含むスフィンゴ脂質組成
物にあっては、エタノールの配合量が１〜７％であるこ
とが望ましい。その配合量が１％未満又は７％を越える
とエタノールを含ませた効果が乏しくなる傾向にあるか
らである。
には、スフィンゴ脂質、リゾリン脂質及び多価アルコー
ルからなり、スフィンゴ脂質とリゾリン脂質の配合比が
２／１以下とすることで、全体をほぼ透明な溶液に仕上
げることができる。その比が２／１を越える場合には、
透明な溶液は得られない。また、スフィンゴ脂質、リゾ
リン脂質、多価アルコールの他に、エタノールを加配し
たスフィンゴ脂質組成物は、容易に透明な溶液を得るこ
とができる。尚、エタノールを含むスフィンゴ脂質組成
物にあっては、エタノールの配合量が１〜７％であるこ
とが望ましい。その配合量が１％未満又は７％を越える
とエタノールを含ませた効果が乏しくなる傾向にあるか
らである。
【００１１】上記原料を用いて、本発明の透明なスフィ
ンゴ脂質組成物を製するには、まずスフィンゴ脂質及び
リゾリン脂質、所望によりエタノールの各適量を混合・
加熱溶解し、次にこの混合液に加温した多価アルコール
を加えてさらに溶解し、室温まで冷却すればよい。
ンゴ脂質組成物を製するには、まずスフィンゴ脂質及び
リゾリン脂質、所望によりエタノールの各適量を混合・
加熱溶解し、次にこの混合液に加温した多価アルコール
を加えてさらに溶解し、室温まで冷却すればよい。
【００１２】本発明のスフィンゴ脂質組成物が透明にな
る原理について深く追求したわけではないが、スフィン
ゴ脂質とリゾリン脂質の配合比を２／１以下の割合で溶
媒である多価アルコールに高温下溶解させることによ
り、スフィンゴ脂質とリゾリン脂質がある種の複合体を
形成し、室温まで冷却しても見かけ上透明な状態を保つ
のではないかと推察される。
る原理について深く追求したわけではないが、スフィン
ゴ脂質とリゾリン脂質の配合比を２／１以下の割合で溶
媒である多価アルコールに高温下溶解させることによ
り、スフィンゴ脂質とリゾリン脂質がある種の複合体を
形成し、室温まで冷却しても見かけ上透明な状態を保つ
のではないかと推察される。
【００１３】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。実施例１ （スフィンゴ脂質組成物の製造） 次の原料を用意した。 セラミド １％ 卵黄リゾリン脂質（リゾホスファチジルコリン８５％、 リゾホスファチジルエタノールアミン１５％を含有） １％ ジプロピレングリコール ９８％ 合 計 １００％ そして、セラミドと卵黄リゾリン脂質を混合し、８０℃
に加温したジブロピレングリコールを加えて溶解し、室
温まで冷却したところ、透明な溶液（スフィンゴ脂質組
成物）を得た。
に加温したジブロピレングリコールを加えて溶解し、室
温まで冷却したところ、透明な溶液（スフィンゴ脂質組
成物）を得た。
【００１４】実施例２（スフィンゴ脂質組成物の製造） 次の原料を用意した。 セラミド ２％ リゾホスファチジルコリン １０％ エタノール ３％グリセリン ８５％ 合 計 １００％ そして、セラミド、リゾホスファチジルコリン、エタノ
ールを混合し、加熱溶解した後、８０℃に加温したグリ
セリンを加えてさらに溶解し、室温まで冷却したとこ
ろ、透明な溶液（スフィンゴ脂質組成物）を得た。
ールを混合し、加熱溶解した後、８０℃に加温したグリ
セリンを加えてさらに溶解し、室温まで冷却したとこ
ろ、透明な溶液（スフィンゴ脂質組成物）を得た。
【００１５】
【試験例】試験例１ スフィンゴ脂質（牛脳より抽出したもの）、リゾリン脂
質（卵黄由来の純度約１００％のリゾホスファチジルコ
リン）、多価アルコール（グリセリン）及びエタノール
の配合割合がそれぞれ表１に示す重量割合で構成されて
いるサンプルＡ〜Ｌを用意した。表１の各サンプルを原
料とし、それぞれ各別に実施例１又は実施例２に準じて
混合液を得、この混合液（スフィンゴ脂質組成物）の溶
解状態を観察した。その結果は、表１に示すとおりであ
る。
質（卵黄由来の純度約１００％のリゾホスファチジルコ
リン）、多価アルコール（グリセリン）及びエタノール
の配合割合がそれぞれ表１に示す重量割合で構成されて
いるサンプルＡ〜Ｌを用意した。表１の各サンプルを原
料とし、それぞれ各別に実施例１又は実施例２に準じて
混合液を得、この混合液（スフィンゴ脂質組成物）の溶
解状態を観察した。その結果は、表１に示すとおりであ
る。
【表１】
【００１６】表１より、スフィンゴ脂質、リゾリン脂質
及び多価アルコールからなるスフィンゴ脂質組成物にお
いて、スフィンゴ脂質とリゾリン脂質の配合比が２／１
以下の組成物（Ｅ〜Ｌの場合）は、ほぼ透明又は透明で
あることが理解される。尚、エタノールを加配したスフ
ィンゴ脂質組成物は、透明になりやすく、特に、エタノ
ールの配合量を１〜７％にすれば（Ｆ、Ｉ、Ｊ及びＫの
場合）極めて透明になりやすいことが理解される。
及び多価アルコールからなるスフィンゴ脂質組成物にお
いて、スフィンゴ脂質とリゾリン脂質の配合比が２／１
以下の組成物（Ｅ〜Ｌの場合）は、ほぼ透明又は透明で
あることが理解される。尚、エタノールを加配したスフ
ィンゴ脂質組成物は、透明になりやすく、特に、エタノ
ールの配合量を１〜７％にすれば（Ｆ、Ｉ、Ｊ及びＫの
場合）極めて透明になりやすいことが理解される。
【００１７】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のスフィンゴ
脂質組成物は、ほぼ透明ないし透明であり、化粧品や医
薬品用の原料として好まれ、スフィンゴ脂質の用途を拡
大するものである。
脂質組成物は、ほぼ透明ないし透明であり、化粧品や医
薬品用の原料として好まれ、スフィンゴ脂質の用途を拡
大するものである。
Claims (3)
- 【請求項１】 スフィンゴ脂質、リゾリン脂質及び多価
アルコールからなり、スフィンゴ脂質とリゾリン脂質の
配合比が２／１以下であることを特徴とする透明なスフ
ィンゴ脂質組成物。 - 【請求項２】 エタノールを加配してある請求項１記載
の透明なスフィンゴ脂質組成物。 - 【請求項３】 エタノールの配合量が１〜７％である請
求項２記載の透明なスフィンゴ脂質組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13602896A JPH09315929A (ja) | 1996-05-30 | 1996-05-30 | 透明なスフィンゴ脂質組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13602896A JPH09315929A (ja) | 1996-05-30 | 1996-05-30 | 透明なスフィンゴ脂質組成物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09315929A true JPH09315929A (ja) | 1997-12-09 |
Family
ID=15165504
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP13602896A Pending JPH09315929A (ja) | 1996-05-30 | 1996-05-30 | 透明なスフィンゴ脂質組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09315929A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US8313755B2 (en) | 2000-05-11 | 2012-11-20 | Takasago International Corporation | Clear aqueous ceramide composition |
| WO2017094753A1 (ja) * | 2015-11-30 | 2017-06-08 | キユーピー 株式会社 | 油脂組成物及び油脂の酸化抑制方法 |
-
1996
- 1996-05-30 JP JP13602896A patent/JPH09315929A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US8313755B2 (en) | 2000-05-11 | 2012-11-20 | Takasago International Corporation | Clear aqueous ceramide composition |
| WO2017094753A1 (ja) * | 2015-11-30 | 2017-06-08 | キユーピー 株式会社 | 油脂組成物及び油脂の酸化抑制方法 |
| JPWO2017094753A1 (ja) * | 2015-11-30 | 2018-07-26 | キユーピー株式会社 | 油脂組成物及び油脂の酸化抑制方法 |
| CN108368451A (zh) * | 2015-11-30 | 2018-08-03 | 丘比株式会社 | 油脂组合物和油脂的氧化抑制方法 |
| US10640730B2 (en) | 2015-11-30 | 2020-05-05 | Kewpie Corporation | Oil composition and oxidation inhibiting method of oil |
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