JPH09315245A

JPH09315245A - 側突用エアバッグ

Info

Publication number: JPH09315245A
Application number: JP8159819A
Authority: JP
Inventors: Mariko Nakajima; 真理子中島; Michio Inoue; 道夫井上; Nobuhiko Sakamoto; 伸彦坂本
Original assignee: Toyoda Gosei Co Ltd
Current assignee: Toyoda Gosei Co Ltd
Priority date: 1996-03-28
Filing date: 1996-06-20
Publication date: 1997-12-09
Anticipated expiration: 2016-06-20
Also published as: US5829779A; JP3397041B2

Abstract

(57)【要約】【課題】本体部に対して取付固定部位と平行に延設部
が連なっていても、本体部を素早く膨張させることがで
きる助手席用エアバッグを提供すること。【解決手段】側突用エアバッグ２０は、取付固定部位
２１ａ付近に折り畳まれ、膨張形状を、取付固定部位２
１ａと略直交する方向で取付固定部位２１ａに連なる本
体部２１と、本体部２１に対して取付固定部位２１ａに
沿って連なる延設部２２と、を備えてなる袋形状として
いる。側突用エアバッグ２０は、延設部２２が、本体部
２１の内側に入れ込まれるとともに、延設部２２を入れ
込んだ本体部２１が、延設部２２とともに、取付固定部
位２１ａ側に折り畳まれている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、膨張時、車両の車
内壁と乗員との間に配置される側突用エアバッグに関す
る。

【０００２】

【従来の技術とその課題】従来、側突用エアバッグで
は、膨張時の形状を薄い直方体形状としており、膨張形
状の一端面側を取付固定部位として、側突用エアバッグ
装置のケース等に取り付けられ、また、取付固定部位付
近に折り畳まれていた。

【０００３】そして、取付固定部位近傍に配置されるシ
リンダタイプのインフレーター等により、膨張用ガスが
エアバッグ内へ流入すると、エアバッグは、取付固定部
位付近に折り畳まれていた状態から、取付固定部位と略
直交する方向に突出して、膨張していた。

【０００４】しかし、側突用エアバッグにおいて、取付
固定部位に沿って大きな範囲で膨張させようとする場合
には、膨張形状として、取付固定部位に略直交方向に突
出する本体部の他に、本体部から取付固定部位と略平行
に伸びる延設部を設ける必要が生ずる。

【０００５】しかしながら、本体部の他に、取付固定部
位と平行な延設部を設けて、通常の蛇腹折り等の折り畳
み方で側突用エアバッグを構成すると、本体部と延設部
との膨張が、膨張完了まで、共に時間がかかってしま
う。

【０００６】本発明は、上記課題を解決するもので、本
体部に対して取付固定部位と平行に延設部が連なってい
ても、本体部を素早く膨張させることができる助手席用
エアバッグを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明に係る側突用エア
バッグは、取付固定部位付近に折り畳まれ、膨張形状
を、前記取付固定部位と略直交する方向で前記取付固定
部位に連なる本体部と、該本体部に対して前記取付固定
部位に沿って連なる延設部と、を備えてなる袋形状とし
た側突用エアバッグであって、前記延設部が、前記本体
部の内側に入れ込まれるとともに、前記延設部を入れ込
んだ前記本体部が、前記延設部とともに、前記取付固定
部位側に折り畳まれていることを特徴とする。

【０００８】

【発明の効果】本発明に係る側突用エアバッグでは、延
設部が、本体部の内側に入れ込まれるとともに、延設部
を入れ込んだ本体部が、延設部とともに、取付固定部位
側に折り畳まれているため、膨張時、まず、延設部が殆
ど膨張しない状態で、本体部が膨張を完了させることと
なる。そして、本体部の内圧の上昇に伴ない、延設部が
本体部から突出して、延設部が膨張を完了させることと
なる。

【０００９】したがって、本発明に係る側突用エアバッ
グでは、本体部に取付固定部位と平行な延設部が連なっ
ていても、本体部を素早く膨張させることができる。そ
のため、乗員の所定部位を本体部で確実に拘束した後、
本体部の膨張完了後に膨張を完了させた延設部により、
乗員の他の部位を適確に拘束することができることとな
る。

【００１０】さらに、ベントホールを延設部に形成した
場合は、本体部が膨張を完了するまで空気が流出するこ
とがないため、本体部にベントホールが形成されている
場合よりも、空気の損失量が少なく、インフレーターの
容量が小さくてすむとともに、膨張時間のさらなる短縮
が可能となる。また、エアバッグ展開時に本体部が乗員
とドアとに挟まれた場合、延設部の圧力が増加するた
め、保護性能がさらに向上する。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。

【００１２】実施形態のエアバッグ２０は、図１・２・
３に示すように、側突用のエアバッグ装置１０に使用さ
れるものであり、エアバッグ装置１０は、車両の座部２
とシートバック３とを備えたシート１において、車両の
ドア側となるシートバック３の左側面に配置されてい
る。

【００１３】シートバック３の左側面には、ウレタン材
等からなる本体４に、略上下方向に延びる収納凹部４ａ
が形成され、収納凹部４ａの車両の後方側の面には、上
側を後方へ倒すように略上下方向に延びるフレーム５が
配設されている。フレーム５の所定の２箇所には、取付
孔５ａが形成されている。また、シートバック３の外表
面側には、装飾布等からなる表皮６が配設されている。
この表皮６には、収納凹部４ａの前面側となる部位に、
後述するエアバッグ２０の膨張時に破断し易いように、
予め、切断された表皮６の端部相互を縫合糸７で縫合し
てなる縫目６ａが形成されている。

【００１４】エアバッグ装置１０は、インフレーター１
１、エアバッグ２０、及び、カバー１９、を備えて構成
されている。

【００１５】インフレーター１１は、周面に複数のガス
吐出口１１ａを備えたシリンダタイプとして、エアバッ
グ２０内の後面側における取付固定部位２１ａ側に配置
されている。インフレーター１１の下端には、ガス発生
用の信号を入力させるためのリード線１２が結線され、
リード線１２は、エアバッグ２０のベントホール２３を
挿通して、エアバッグ作動回路に導通する図示しないコ
ネクタに接続されている。

【００１６】インフレーター１１には、上下に、２つの
取付ブラケット１３が取付固定されており、各取付ブラ
ケット１３は、板金製の円筒状として、ボルト１５を半
径方向に突出させるように溶接させたスリーブ１４と、
スリーブ１４の内周面に固着されたクッション材１６
と、を備えて構成されている。これらの取付ブラケット
１３のインフレーター１１への取付固定は、スリーブ１
４の内径がインフレーター１１の外径より大きく形成さ
れており、クッション材１６を介在させてスリーブ１４
をインフレーター１１に外装し、スリーブ１４を部分的
に縮径させるようにかしめて、行なっている。

【００１７】インフレーター１１に取付固定された各取
付ブラケット１３のボルト１５は、エアバッグ２０の取
付孔２１ｂ（図３参照）を挿通し、スプリングナット１
７とカバー１９のブラケット１９ｂとを経て、フレーム
５の取付孔５ａを挿通し、ナット８止めされている。そ
して、このナット８止めにより、エアバッグ装置１０が
シートバック３に取付固定されることとなる。

【００１８】カバー１９は、合成樹脂製として、シート
バック本体４の側面を覆う長方形の板状の本体１９ａ
と、本体１９ａの端部から直交方向に屈曲するブラケッ
ト１９ｂと、を備え、ブラケット１９ｂには、各ボルト
１５をそれぞれ挿通させるための２つの取付孔１９ｃが
形成されている。

【００１９】エアバッグ２０は、膨張時の形状を、図１
・２の二点鎖線・図４のＡに示すように、略長方形板状
の袋状としており、インフレーター１１の配置される取
付固定部位２１ａを後端面の一部に配置させ、取付固定
部位２１ａから略直交方向に延びる本体部２１と、本体
部２１から取付固定部位２１ａと略平行に連なる延設部
２２と、を備えて構成されている。

【００２０】本体部２１の取付固定部位２１ａには、各
取付ブラケット１３のボルト１５を挿通させる取付孔２
１ｂ（図３参照）が形成され、また、取付固定部位２１
ａには、スリット状のベントホール２３（図３参照）が
形成されている。

【００２１】延設部２２は、実施形態の場合、容積を本
体部２１と略等しく構成され、取付孔２１ｂやベントホ
ール２３を除いて、本体部２１と略対称形の袋状として
いる。

【００２２】このエアバッグ２０の製造は、一枚の略長
方形形状のポリエステルやポリアミド等の織布からなる
布材２０ａの中央に、取付孔２１ｂとベントホール２３
とを形成し、取付孔２１ｂ等を設けた中央で、両端を重
ねるように二つ折りして、周縁相互を縫合し、ベントホ
ール２３の部位を利用して、裏返せば、製造することが
できる。

【００２３】なお、エアバッグ２０は、同形の略長方形
形状の２枚の布材を準備し、２枚の布材の全周の周縁相
互を縫合し、裏返して製造しても良い。この場合、取付
孔２１ｂやベントホール２３は、布材相互の縫合を部分
的に止めて形成することとなる。

【００２４】このエアバッグ２０の折り畳みについて説
明すると、まず、図４のＡに示すように、予め、取付ブ
ラケット１３を取付固定したインフレーター１１を、ベ
ントホール２３からエアバッグ２０内に挿入しておく。
なお、各取付ブラケット１３のボルト１５は、取付孔２
１ｂから突出させておくとともに、各ボルト１５には、
スプリングナット１７を外嵌させ、各取付孔２１ｂの周
縁をスプリングナット１７で押えておく。

【００２５】ついで、図４のＢに示すように、延設部２
２を、本体部２１の内側に入れ込む。

【００２６】その後、図４のＣに示すように、延設部２
２を入れ込んだ本体部２１を、延設部２２とともに、カ
クタス折りして、取付固定部位２１ａ側に折り畳めば、
折り畳み作業を完了させることができる。

【００２７】なお、図２・４のＣでは、図面を簡略にす
るために、１段のカクタス折りを図示したが、実際に
は、折り畳む容積に応じて、複数段のカクタス折り（例
えば、２段のカクタス折りでは、山折りの折目Ｙと谷折
りの折目Ｔとが、図示の場合より、２つずつ増えて、折
目Ｙが５個、折目Ｔが４個となる）を行なうこととな
る。

【００２８】また、実施形態の折り畳まれたエアバッグ
２０は、折り畳んだ後の折り崩れを防止するために、破
断可能な熱収縮フィルム等の薄いフィルム１８により、
覆うことが望ましい。この時、各取付ブラケット１３の
ボルト１５は、フィルム１８から突出させておく。

【００２９】そして、このように折り畳んだエアバッグ
２０やインフレーター１１は、各取付ブラケット１３の
ボルト１５を、ブラケット１９ｂの各取付孔１９ｃとフ
レーム５の各取付孔５ａとに挿通させて、各ボルト１５
にナット８を螺合させれば、エアバッグ２０、インフレ
ーター１１・カバー１９を備えたエアバッグ装置１０と
して、フレーム５に取り付けることができる。

【００３０】なお、エアバッグ装置１０をフレーム５に
取り付けた後には、シートバック本体４に表皮６を外装
し、完成したシート１を車両に装着し、リード線１２の
端末を所定のコネクタに接続させれば良い。

【００３１】そして、実施形態のエアバッグ装置１０で
は、シート１の車両への装着後、リード線１２を介し
て、インフレーター１１にガス発生用の電気信号が入力
されたならば、インフレーター１１が、ガス吐出口１１
ａからガスを吐出させることとなり、エアバッグ２０
は、フィルム１８と表皮６の縫目６ａとを破断するとと
もに、カバー１９の本体１９ａを開かせて、前方に大き
く膨張することとなる。

【００３２】その際、実施形態のエアバッグ２０では、
延設部２２が、本体部２１の内側に入れ込まれるととも
に、延設部２２を入れ込んだ本体部２１が、延設部２２
とともに、取付固定部位２１ａ側にカクタス折りで折り
畳まれているため、膨張時、まず、図１・２の二点鎖線
で示すように、延設部２２が殆ど膨張しない状態で、本
体部２１が膨張を完了させることとなる。そして、本体
部２１の内圧の上昇に伴ない、延設部２２が本体部２１
から突出して、図１の三点鎖線で示すように、延設部２
２が膨張を完了させることとなる。

【００３３】したがって、実施形態の側突用エアバッグ
２０では、本体部２１に取付固定部位２１ａと平行な延
設部２２が連なっていても、本体部２１を素早く膨張さ
せることができる。そのため、乗員の所定部位（例えば
胸部）を本体部２１で確実に拘束した後、本体部２１の
膨張用完了後に膨張を完了させた延設部２２により、乗
員の他の部位（例えば頭部、あるいは、本体部２１が腰
部を拘束する場合には胸部）を適確に拘束することがで
きることとなる。

【００３４】なお、実施形態では、延設部２２を入れ込
んだ本体部２１をカクタス折りして、取付固定部位２１
ａ側に折り畳んだ場合を示したが、図５のＣ´に示すよ
うに、延設部を入れ込んだ本体部２１を蛇腹折りして、
取付固定部位２１ａ側に折り畳むようにしても良い。ま
た、蛇腹折りの変わりに、図６のＤに示すように、ロー
ル折りしても良い。

【００３５】また、実施形態では、エアバッグ２０の延
設部２２が本体部２１に一つ連なる場合を示したが、図
６のＡに示すエアバッグ３０のように、本体部３１の両
側に延設部３２を連ならせるように構成しても良い。

【００３６】この場合の折り畳みは、まず、図６のＡに
示すように、図４のＡと同様に、取付ブラケット１３を
取付固定したインフレーター１１を、ベントホール（図
符号省略）からエアバッグ３０内に挿入しておく。勿
論、各取付ブラケット１３のボルト１５は、取付固定部
位３１ａに設けた取付孔（図符号省略）から突出させて
おくとともに、各ボルト１５には、スプリングナット１
７を外嵌させて、各取付孔周縁をスプリングナット１７
で押えておく。

【００３７】ついで、図６のＢ・Ｃに示すように、順
次、延設部３２を本体部３１の内側に入れ込む。

【００３８】そして、図６のＤに示すように、延設部３
２・３２を入れ込んだ本体部３１をロール折りして、取
付固定部位３１ａ側に折り畳むようにすれば良い。

【００３９】さらに、実施形態のエアバッグ２０では、
本体部２１から連なる延設部２２を、本体部２１と略同
形の対称形としたものを示したが、図６のＡに示す１つ
分の延設部３２のように、本体部２１より小容積とした
形状（換言すれば、本体部２１から取付固定部位２１ａ
の部位を省いた形状）に形成しても良い。

【００４０】さらにまた、各実施形態では、エアバッグ
２０・３０内にインフレーター１１を挿入配置させたも
のを示したが、取付固定部位２１ａ・３１ａ側に、ガス
流入口を設けて、エアバッグ２０・３０の外側にインフ
レーターを配置させても良い。この場合、ガス流入口の
周縁を、複数の取付孔を設けたエアバッグ２０・３０の
取付固定部位２１ａ・３１ａとして、シート１のフレー
ム５や所定の側突用エアバッグ装置のケース等に対し
て、ボルト止めやリベット止め等すれば良い。

【００４１】また、図７・８に示すように、エアバッグ
２０・３０の延設部２２（３２）にベントホール２３を
形成しても良い。ベントホール２３の形状は、前述の実
施形態と同様、延設部２２（３２）に穿設したものや、
延設部２２（３２）の縫合を部分的に止めて形成された
もの等任意である。延設部２２（３２）に形成されたベ
ントホール２３は、延設部２２（３２）を本体部２１
（３１）に入れ込んだ状態で、自己シールのバルブ機構
とされており、延設部の膨張によって初めて空気が流出
する。延設部にベントホールを形成した場合、本体部の
膨張が完了するまで空気が流出することがないため、空
気の損失量が少なく、インフレーターの容量が小さくて
すむとともに、膨張時間のさらなる短縮が可能となる。
また、エアバッグ展開時に本体部が乗員とドアとに挟ま
れた場合、延設部の圧力が増加するため、保護性能がさ
らに向上する。

【００４２】なお、ベントホールの径は、通常１０〜３
０mm程度とする。図例では、ベントホールが１個形成さ
れたものが開示されているが、複数個形成されているも
のも使用可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態のエアバッグの使用態様を
示す側面図である。

【図２】図１のII−II拡大断面図である。

【図３】同実施形態の側面図である。

【図４】同実施形態の折り畳み工程を示す図である。

【図５】同実施形態における延設部を入れ込んだ本体部
の他の折り畳み方法を示す図である。

【図６】本発明の他の実施形態の折り畳み工程を示す図
である。

【図７】本発明のさらに他の実施形態のエアバッグの延
設部を入れ込んだ本体部を示す平面図である。

【図８】本発明のさらに他の実施形態のエアバッグの延
設部を入れ込んだ本体部を示す平面図である。

【符号の説明】

２０・３０…エアバッグ、２１・３１…本体部、２１ａ・３１ａ…取付固定部位、２２・３２…延設部。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】取付固定部位付近に折り畳まれ、膨張形
状を、前記取付固定部位と略直交する方向で前記取付固
定部位に連なる本体部と、該本体部に対して前記取付固
定部位に沿って連なる延設部と、を備えてなる袋形状と
した側突用エアバッグであって、前記延設部が、前記本体部の内側に入れ込まれるととも
に、前記延設部を入れ込んだ前記本体部が、前記延設部
とともに、前記取付固定部位側に折り畳まれていること
を特徴とする側突用エアバッグ。
【請求項２】請求項１に記載の側突用エアバッグであ
って、前記延設部にベントホールが配設されていること
を特徴とする側突用エアバッグ。
【請求項３】請求項２に記載の側突用エアバッグであ
って、前記ベントホールが、前記延設部の縫合を部分的
に止めて形成されていることを特徴とする側突用エアバ
ッグ。
【請求項４】請求項２に記載の側突用エアバッグであ
って、前記ベントホールが、前記延設部の一部を穿設し
て形成されていることを特徴とする側突用エアバッグ。