JPH0931388A - 印刷インキ用のバインダーおよび該バインダーを含有する印刷インキ組成物 - Google Patents

印刷インキ用のバインダーおよび該バインダーを含有する印刷インキ組成物

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JPH0931388A
JPH0931388A JP20786295A JP20786295A JPH0931388A JP H0931388 A JPH0931388 A JP H0931388A JP 20786295 A JP20786295 A JP 20786295A JP 20786295 A JP20786295 A JP 20786295A JP H0931388 A JPH0931388 A JP H0931388A
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秀和 齋藤
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 ポリオール成分とポリイソシアネート成
分を反応させて得られるポリウレタンを主として含有す
る印刷インキ用のバインダーであって、該ポリオール成
分が下記式 −CO−CH2−CH(CH3)−CH2−CO− で表されるジカルボン酸単位を主体とする数平均分子量
700〜5000のポリエステルポリオールを主成分と
することを特徴とする印刷インキ用のバインダーおよび
該印刷インキ用バインダーを含有する印刷インキ組成
物。 【効果】 各種のフィルムに対して優れた接着性を示
し、耐レトルト性、耐ボイル性、表面強度、非粘着性、
耐油性等の諸物性の優れた印刷物を与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は印刷インキ用のバイ
ンダーおよび該バインダーを含有する印刷インキ組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種のプラスチックフィルムが開
発されており、装飾または表面保護のために印刷が施さ
れた上で、包装材料として使用されている。かかる印刷
に使用される印刷インキには、これら種々のプラスチッ
クフィルムに対する接着性が良好であるなどの高度な性
能が要求される。印刷インキは、通常、高分子化合物を
主体とする印刷インキ用バインダーに、顔料等の着色
剤、溶剤、さらに必要に応じて界面活性剤、ワックス等
の補助剤を添加してなる組成物である。従来、印刷イン
キ用バインダーとしては、ポリウレタンが多く用いられ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ポリウレタンは、ポリ
エステルポリオールやポリエーテルポリオール等のポリ
オール成分とポリイソシアネート成分、そして必要に応
じて活性水素原子を有する鎖伸長剤等から製造される
が、得られるポリウレタンの各種被着体に対する接着性
能の面からは、一般にポリエステルポリオールの方がポ
リエーテルポリオールよりも優れている。しかしなが
ら、従来のポリエステル系ポリウレタンはその組成によ
って特定のフィルム、例えば、ポリエステルやナイロン
等に対しては優れた接着性を示すが、他種のフィルム、
例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフ
ィン系の素材からなるフィルムに対しては接着性が不十
分である。このため、印刷を施すフィルムの種類に応じ
て印刷インキ用バインダーとして使用するポリウレタン
の組成を変更することが必要となる。このように、フィ
ルムの種類に応じて印刷インキを適宜選択して使用して
いるのが現状であり、印刷インキメーカーはもちろん印
刷会社においてもこれら印刷インキの品質管理、在庫管
理等において煩雑化を余儀なくされている。
【0004】さらに、ポリエステルフィルムやナイロン
フィルムは、包装後にボイル殺菌、レトルト殺菌工程を
経由する食品の包装材料として用いられることが多く、
これらのフィルムに対して用いる印刷インキも、当然の
ごとく耐ボイル性、耐レトルト性が要求される。しかし
ながら、これらの要求性能を全て満足できる印刷インキ
はなく、より高性能の印刷インキが要望されている。
【0005】しかして、本発明の目的は、ポリエステ
ル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の各種
プラスチックフィルムに対して優れた接着性を示し、か
つ耐ボイル性、耐レトルト性等に優れた印刷物を与える
印刷インキ用のバインダーおよび印刷インキ組成物を提
供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記課
題は、ポリオール成分とポリイソシアネート成分を反応
させて得られるポリウレタンを主として含有する印刷イ
ンキ用のバインダーであって、該ポリオール成分が下記
式(1) −CO−CH2−CH(CH3)−CH2−CO− (1) で表されるジカルボン酸単位を主体とする数平均分子量
700〜5000のポリエステルポリオールを主成分と
することを特徴とする印刷インキ用のバインダーおよび
該バインダーを含有する印刷インキ組成物を提供するこ
とによって解決される。
【0007】本発明において、「式(1)で表されるジ
カルボン酸単位を主体とする」とは、ポリエステルポリ
オールを構成するポリカルボン酸単位のうち少なくとも
20モル%以上が式(1)で表されるジカルボン酸単
位、すなわち3−メチルペンタン二酸単位からなること
を意味する。ポリエステルポリオールを構成するポリカ
ルボン酸単位における、式(1)で表されるジカルボン
酸単位の割合が20モル%より少ないと、印刷インキ用
のバインダーの耐ボイル性、耐レトルト性等が低下す
る。ポリエステルポリオールを構成するポリカルボン酸
単位における、式(1)で表されるジカルボン酸単位の
割合は50モル%以上であることが好ましい。
【0008】ここで、式(1)で表されるジカルボン酸
単位は3−メチルペンタン二酸または3−メチルペンタ
ン二酸のアルキルエステルから誘導される。3−メチル
ペンタン二酸は、例えば、大量生産されており入手の容
易な3−メチル−1,5−ペンタンジオール、β−メチ
ル−δ−バレロラクトン、2−ヒドロキシ−4−メチル
テトラヒドロピランなどから酸素酸化法により工業的に
製造することができる。
【0009】本発明において用いられるポリエステルポ
リオールは、式(1)で表されるジカルボン酸単位以外
のポリカルボン酸単位を含有することができる。かかる
ポリカルボン酸単位としては、下記式(2) −CO−R−CO− (2) 〔上記式中、Rは炭素数2〜20の2価の脂肪族炭化水
素基(ただし、2−メチルプロピレン基を除く)、飽和
脂環式炭化水素基または芳香族炭化水素基を表す〕で表
されるジカルボン酸単位が好ましく、例えば、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸等の飽和脂肪族ジカルボ
ン酸単位、マレイン酸、フマル酸等の不飽和脂肪族ジカ
ルボン酸単位、シクロヘキサンジカルボン酸等の飽和脂
環式ジカルボン酸単位、フタル酸、テレフタル酸、イソ
フタル酸等の芳香族ジカルボン酸単位などが使用され
る。
【0010】式(2)で表されるジカルボン酸単位の含
有量は、ポリエステルポリオールを構成するポリカルボ
ン酸単位の全量に対して50モル%未満とすることが望
ましい。なお、式(1)で表されるジカルボン酸単位と
共存させるポリカルボン酸単位は1種類であってもよい
し、2種以上であってもよい。また、3官能以上のポリ
カルボン酸単位を共存させることもできる。
【0011】本発明において用いられるポリエステルポ
リオールを構成するポリオール単位としては特に制限は
ないが、例えば、エチレングルコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−
プロパンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,
4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−
メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−
1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、
1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコール、
2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等の低分
子ジオール単位を使用することが好ましい。これらの低
分子ジオール単位は単独で使用してもよいし、2種以上
を混合して使用してもよい。また、グリセリン、トリメ
チロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6
−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオー
ル、ソルビトール、ペンタエリトリトールなどの3官能
性以上のポリオール単位を含有させることもできる。
【0012】また、本発明において用いられるポリエス
テルポリオールは、本発明の趣旨を損なわない限り、分
子内に適宜ポリエーテルポリオールやポリカーボネート
ポリオール等の部分構造を有するものであってもよい。
【0013】本発明において使用されるポリエステルポ
リオールは、700〜5000の数平均分子量を有する
ことが必要である。ポリエステルポリオールの数平均分
子量が700未満の場合には、印刷インキ用のバインダ
ーの各種プラスチックフィルムに対する接着性が低下す
るうえ、希釈溶剤に対する溶解性も低下してしまう。こ
のため、これを含有する印刷インキ組成物の印刷適性が
損なわれてしまう。一方、ポリエステルポリオールの数
平均分子量が5000を越える場合は、印刷インキ用の
バインダーの乾燥性および耐ブロッキング性が不十分で
あり、これを含有する印刷インキ組成物の実用性が失わ
れる。ポリエステルポリオールの数平均分子量が100
0〜3000の範囲内にあればより好ましい。
【0014】本発明において使用されるポリエステルポ
リオールの製造方法には特に制限はなく、公知のポリエ
ステル縮重合方法が適用できる。例えば、3−メチルペ
ンタン二酸もしくはそのアルキルエステルまたはそれを
含有するジカルボン酸混合物と低分子ジオールを所望の
割合で仕込み、エステル化またはエステル交換反応を行
い、得られる反応生成物を重縮合触媒の存在下に高温、
真空下でさらに重縮合反応させることによりポリエステ
ルポリオールを製造することができる。
【0015】本発明では、ポリオール成分として、式
(1)のジカルボン酸単位を含むポリエステルポリオー
ルに加え、環状エステル化合物を開環重合して得られる
ポリエステルポリオール類、ポリエーテルポリオール類
やポリカーボネートポリオール類等の他のポリオールを
添加して使用することもできる。これらの他のポリオー
ルは、通常全ポリオール成分に対して、40重量%以下
の範囲で使用される。
【0016】ポリオール成分と反応させるポリイソシア
ネート成分としては特に制限はなく、ポリウレタンの製
造に従来から使用されているいずれのポリイソシアネー
トをも使用することができる。かかるポリイソシアネー
トとしては、例えば、4,4´−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、トリレンジイソシアネート、フェニレン
ジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネー
ト、3,3´−ジクロロ−4,4´−ジフェニルメタン
ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トル
イレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシ
アネート、水素化キシリレンジイソシアネート等の脂肪
族または脂環式ジイソシアネートなどを挙げることがで
きるが、印刷インキ用のバインダーの接着性、黄変、毒
性の問題から、脂肪族または脂環式ジイソシアネートが
好ましく、中でもヘキサメチレンジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネート、4,4´−ジシクロヘキシ
ルメタンジイソシアネートがより好ましい。なお、これ
らのポリイソシアネートは単独で用いても、また2種以
上を併用してもよい。
【0017】また、ポリウレタンの製造に際し、通常、
鎖伸長剤として2個以上の活性水素原子を有する低分子
化合物が使用されているが、本発明においても鎖伸長剤
を使用することができる。かかる鎖伸長剤としては、例
えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、
プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、
1,9−ノナンジオール、1,4−ビス(β−ヒドロキ
シエトキシ)ベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオー
ル、ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート、キ
シレングリコール等のジオール類、エチレンジアミン、
プロピレンジアミン、ブタンジアミン、ヘキサメチレン
ジアミン、ジエチルトリアミン、トリエチレンテトラミ
ン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、ピペラ
ジン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、アジピ
ン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等の低分
子化合物が挙げられる。
【0018】かかる鎖伸長剤は、単独で使用してもよい
し、2種以上を併用してもよい。また、分子内に水酸基
を有するジアミン類、例えば、2−ヒドロキシエチルエ
チレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジア
ミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミンな
どを、上記の鎖伸長剤と併用することもできる。
【0019】さらに、必要に応じ、エタノール、イソプ
ロピルアルコール等の一価のアルコール、ジ−n−ブチ
ルアミン等のモノアミンなどを重合停止剤として使用
し、ポリウレタンの分子量の調整等を行うこともでき
る。
【0020】ポリウレタンを製造する方法は、公知のウ
レタン化反応を特に制限なく利用することができ、例え
ば、ポリオール成分と鎖伸長剤とを混合し、有機溶媒中
でポリイソシアネート成分を加えて反応させる方法(一
段法)、予めポリオール成分とポリイソシアネート成分
を例えば60〜120℃の温度で反応させて末端にイソ
シアネート基を有するプレポリマーとし、これに有機溶
媒を添加して溶解した後、上記の鎖伸長剤と反応させて
ポリウレタンを得る方法(二段法)などが挙げられる。
【0021】ポリウレタンの製造に際し、ポリイソシア
ネート成分は、ポリオール成分、鎖伸長剤、およびその
他の成分が有している活性水素原子の全量に対し、該活
性水素原子1モル当りのイソシアネート基のモル数が
0.9〜1.5モルとなるような割合で使用するのが好
ましく、1モル程度となるような割合で使用することが
より好ましい。
【0022】また、上記の製造法において使用される有
機溶媒としては、印刷インキの溶剤として従来より使用
されているものが特に制限なく使用でき、例えば、トル
エン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、メタノール、
エタノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどの
アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブ
チルなどのエステル類が挙げられる。これらの有機溶媒
は単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用し
てもよい。
【0023】ポリウレタンの数平均分子量は5000〜
100000の範囲内にあることが好ましく、8000
〜50000の範囲内にあることがより好ましい。ポリ
ウレタンの数平均分子量が5000未満であれば、得ら
れる印刷物の表面強度、非粘着性、耐油性等が低下しや
すくなり、一方、ポリウレタンの数平均分子量が100
000を越えると、印刷インキ用のバインダーの粘度が
高くなり、また印刷インキ組成物の光沢、再溶解性が低
下しやすくなる。
【0024】また、ポリウレタンは分子内にアミノ基を
有していることが好ましい。かかるポリウレタンは、上
記の二段法において、鎖伸長剤および/または重合停止
剤として、アミン系の化合物をプレポリマーの末端に存
在する遊離のイソシアネート基に対してアミノ基が過剰
に存在するような量で使用した場合に得られるものであ
る。ここで、アミノ基の含有量は、印刷インキ用のバイ
ンダ−の接着性、および得られる印刷物の耐粘着性等の
観点から、ポリウレタン樹脂固形分1g当りのアミン価
で0.2〜20の範囲内にあることが好ましく、1〜1
0の範囲にあればより好ましい。
【0025】本発明において、ポリウレタンは、そのま
ま、あるいは溶媒に溶解して印刷インキ用のバインダー
として使用される。溶媒としては、印刷インキの溶剤と
して従来より使用されているものが特に制限なく使用で
き、前述のものが具体例として例示される。印刷インキ
用のバインダーにおける、ポリウレタン樹脂固形分の含
有量は特に制限はないが、印刷時の作業性等の観点か
ら、印刷インキ用のバインダーの粘度が25℃において
50〜100000cPの範囲となるように調整するこ
とが実用的であり、通常15〜60重量%の範囲に設定
される。
【0026】なお、本発明の印刷インキ用のバインダー
を調製するに際し、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニ
ル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ア
クリル酸エステル系ポリマー等の、従来から印刷インキ
用のバインダーとして用いられている高分子化合物を併
用しても構わない。
【0027】本発明の印刷インキ用のバインダーは、顔
料等の着色剤、溶剤、さらに必要に応じてインキ流動性
改良および表面皮膜の改質等のための界面活性剤、ワッ
クス、その他の添加剤を適宜配合し、ボールミル、アト
ライター、サンドミルなどの通常の印刷インキ製造装置
を用いて混練することによって印刷インキ組成物とする
ことができる。また、本発明の印刷インキ組成物はポリ
イソシアネート系硬化剤を併用した二液型インキ組成物
とすることもできる。ポリイソシアネート系硬化剤とし
ては、既述のポリイソシアネ−ト化合物などを使用する
ことができるが、毒性、ポットライフなどの取扱い上の
利便性から、低分子量のポリオール類と過剰量のポリイ
ソシアネート化合物から得られる遊離のイソシアネート
基を有するイソシアネート化合物、例えば、トリメチロ
ールプロパン1モルと1,6−ヘキサメチレンジイソシ
アネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート等のジイソシアネート3モルから合成され
るトリイソシアネート類などが好適である。
【0028】このようにして得られた印刷インキ組成物
はポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン等のフィル
ムに対して優れた接着性を示し、また、得られる印刷物
の耐ボイル性、耐レトルト性、表面強度、非粘着性、耐
油性等の諸物性が従来の印刷インキに比べて優れてい
る。
【0029】
【実施例】以下に本発明を実施例および比較例により具
体的に説明するが、本発明はかかる実施例に限定される
ものではない。なお、実施例および比較例中、「部」と
は、特記しない限り重量部を表す。
【0030】以下の実施例および比較例中の各略号はそ
れぞれ以下の化合物を表す。 MGA : 3−メチルペンタン二酸 AD : アジピン酸 TPA : テレフタル酸 BD : 1,4−ブタンジオール MPD : 3−メチル−1,5−ペンタンジオ
ール MOD : 2−メチル−1,8−オクタンジオ
ール ND : 1,9−ノナンジオール PTG2000: ポリテトラメチレンジオール(数平
均分子量2000) PCL2000: ポリカプロラクトンジオール(数平
均分子量2000) IPDI : イソホロンジイソシアネート H12MDI : ジシクロヘキシルメタンジイソシア
ネート
【0031】また、以下の実施例では、得られるポリウ
レタンの数平均分子量は次の方法によって測定した。す
なわち、ポリウレタン樹脂固形分の0.1%テトラヒド
ロフラン(THF)溶液を調製し、以下の測定条件で、
GPC測定装置〔東ソ−(株)社製〕により数平均分子
量を測定した。 カラム : Showdex GPC KF−806×
2(昭和電工(株)社製) 流 速 : THF、1.0ml/分 検出器 : RI検出器
【0032】参考例1(ポリエステルポリオールの製
造) 1,9−ノナンジオール495g、1,4−ブタンジオ
ール279gおよび3−メチルペンタン二酸730gを
反応器に仕込み、常圧下、200℃で生成する水を反応
系外に留去しながらエステル化反応を行った。約176
gの水が留出した時点でテトライソプロピルチタネート
15mgを加え、200〜100mmHgに減圧しなが
ら反応を続けた。酸価が1.0KOHmg/gになった
時点で真空ポンプにより徐々に真空度を上げて反応を完
結させた。得られたポリエステルポリオール(以下これ
をポリエステルポリオールAと略称する)の水酸基価は
56.1KOHmg/g、酸価は0.13KOHmg/
g、数平均分子量(水酸基価より算出した)は2000
であった。
【0033】参考例2〜9 表1に示すジカルボン酸または低分子ジオールを用いた
こと以外は参考例1と同様にしてエステル化反応および
重縮合反応を行って、各々対応するポリエステルポリオ
ール(以下、参考例2〜9で得られたポリエステルポリ
オールをそれぞれポリエステルポリオールB〜Iと略称
する)を得た。
【0034】
【表1】
【0035】実施例1 (a)印刷インキ用のバインダーの調製 参考例1で得られたポリエステルポリオールA200部
とイソホロンジイソシアネート44.4部を、攪拌機と
温度計が付帯した丸底フラスコに仕込み、均一に混合し
た後、窒素気流下に100℃で4時間反応させて末端に
イソシアネート基を有するプレポリマーを得た。得られ
たプレポリマーに、メチルエチルケトン390部を加
え、均一に溶解させた後、イソホロンジアミン14.5
部をイソプロパノール213部に溶解した鎖伸長剤溶液
を添加して鎖伸長を行い、樹脂固形分濃度30%、粘度
1000cP/25℃のポリウレタン溶液(以下これを
バインダーAと略称する)を得た。なお、ここで得られ
たポリウレタンの数平均分子量は16500、樹脂固形
分1g当りのアミン価は2.8であった。
【0036】(b)印刷インキ組成物の調製 バインダーA100部,酸化チタン〔石原産業(株)社
製、タイペークR−550〕75部、酢酸エチル50
部、およびイソプロパノール50部を小型ボールミルに
入れて24時間混練し、印刷インキ組成物Aを得た。
【0037】得られた印刷インキ組成物Aを使用し、簡
易グラビア印刷機を用いてコロナ放電処理ナイロンフィ
ルムおよびポリエステルフィルムに印刷を行った。得ら
れた印刷物(以下、ナイロンフィルムおよびポリエステ
ルフィルムから得られた印刷物をそれぞれNYおよびP
ESと略称することがある)を50℃で20時間乾燥
し、次の(1)〜(4)の試験を行い、接着性、耐ブロ
ッキング性、耐ボイル性、耐レトルト性を評価した。結
果を後述の表3に示す。
【0038】(1)接着性 印刷面に12mm幅の粘着テープ〔ニチバン(株)社
製、ニチバンセロテープ〕を貼り付け、この粘着テープ
を引き剥がした時の印刷面の状態を観察し、以下の基準
により評価する。 印刷面が全く粘着テープ側に取られないもの・・・◎ 印刷面の一部が粘着テープ側に取られるもの・・・○ 印刷面の全部が粘着テープ側に取られるもの・・・×
【0039】(2)耐ブロッキング性 印刷物を印刷面が内側になる様に折り曲げてバイスで良
く締め付け、40℃に保つた空気浴中に一昼夜放置した
後、印刷物を再び広げ、その時の抵抗を以下の基準によ
り評価する。 全く抵抗の無かったもの・・・良 ごくわずか抵抗を認めたもの・・・やや良 明らかな抵抗を認めたものあるいは剥離困難な状態のも
の・・・不良
【0040】(3)耐ボイル性 100℃の沸騰水中に印刷物(NY)を60分浸漬し、
その後の印刷物の表面状態を観察し、以下の基準により
評価する。 印刷物が浸漬前と変わらず完全なもの・・・◎ 印刷物に少し変化があるもの・・・○ 印刷面が全部剥がれてしまうもの・・・×
【0041】(4)耐レトルト性 125℃の熱水中に印刷物(NY)を30分浸漬しその
後の印刷物の表面状態を観察し、以下の基準により評価
する。 印刷物が浸漬前と変わらず完全なもの・・・◎ 印刷面が若干光沢を失うもの・・・○ 印刷面を強く擦ると塗膜が傷つくもの・・・△ 印刷面が全部剥がれてしまうもの・・・×
【0042】実施例2〜6、比較例1〜4 ポリオール成分/ポリイソシアネート成分/鎖伸長剤の
使用量(モル比)を実施例1と同じ1.0/2.0/
0.85としたままで、使用するポリオール成分または
ポリイソシアネート成分を表2に示すとおり変更したこ
と以外は実施例1と同様の方法によりポリウレタン溶液
(以下、実施例2〜6で得られるポリウレタン溶液をバ
インダーB〜F、比較例1〜4で得られるポリウレタン
溶液をバインダーG〜Jと略称する)を得た。
【0043】
【表2】
【0044】上記で得られたバインダーB〜Jを使用し
て、実施例1と同様にしてそれぞれ印刷インキ組成物B
〜Jを得た。得られた印刷インキ組成物B〜Jを使用
し、実施例1と同様にしてコロナ放電処理ナイロンフィ
ルムおよびポリエステルフィルムに印刷を行った。得ら
れた印刷物を50℃で20時間乾燥し、接着性、耐ブロ
ッキング性、耐ボイル性、耐レトルト性の評価を行っ
た。結果を表3に併せて示す。
【0045】
【表3】
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、ポリエステル、ナイロ
ン、ポリプロピレン等のフィルムに対して優れた接着性
を示し、耐ボイル性、耐レトルト性、表面強度、非粘着
性、耐油性等の諸物性が優れた印刷物を与える印刷イン
キ用のバインダーおよび印刷インキ組成物が提供され
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオール成分とポリイソシアネート成
    分を反応させて得られるポリウレタンを主として含有す
    る印刷インキ用のバインダーにおいて、該ポリオール成
    分が下記式(1) −CO−CH2−CH(CH3)−CH2−CO− (1) で表されるジカルボン酸単位を主体とする数平均分子量
    700〜5000のポリエステルポリオールを主成分と
    することを特徴とする印刷インキ用のバインダー。
  2. 【請求項2】 ポリウレタン樹脂固形分1g当りのアミ
    ン価が0.2〜20であることを特徴とする請求項1記
    載の印刷インキ用のバインダー。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の印刷インキ用
    のバインダーを含有する印刷インキ組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012067303A (ja) * 2010-04-20 2012-04-05 Nippon Bee Chemical Co Ltd 塗料組成物、接着剤組成物、ポリウレタンフォーム、樹脂粒子、化粧料、艶消し塗料組成物、アクリル系単量体、エネルギー線硬化型塗料及びエネルギー線硬化型接着剤組成物
WO2022172879A1 (ja) * 2021-02-10 2022-08-18 株式会社クラレ ポリエステルポリオール、ウレタンプレポリマー及びポリウレタン

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