JPH09309938A - 多層構造アクリル系重合体の製造方法及びそれを用いたメタクリル樹脂組成物 - Google Patents
多層構造アクリル系重合体の製造方法及びそれを用いたメタクリル樹脂組成物Info
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Abstract
ヘイズの温度依存性の小さいメタクリル樹脂組成物を与
える多層構造アクリル系重合体の製造方法。 【解決手段】 (A)炭素数1〜4のアルキルメタクリ
レートを主成分とする単量体を重合して得られる最内層
重合体(a)、(B)上記最内層重合体(a)の存在下
に炭素数1〜8のアルキルアクリレート、芳香族ビニル
単量体及び/またはアリールアルキルアクリレート及び
α,β不飽和カルボン酸のアリル、メタリル、クロチル
エステルから選ばれたグラフト結合性単量体を重合して
得られる中間層重合体(b)、(C)上記最内層及び中
間層からなる重合体の存在下に、炭素数1〜4のアルキ
ルメタクリレートを主成分とする単量体を重合して得ら
れる最外層重合体(c)からなる多層構造アクリル系重
合体を製造するにあたり、非レドックス系の水溶性無機
系重合開始剤を用いて最内層、中間層の重合を行い、レ
ドックス系の有機過酸化物系重合開始剤を用いて最外層
の重合を行う。
Description
に優れた多層構造アクリル系重合体の製造方法及びそれ
を用いたメタクリル樹脂組成物に関する。
加工性に優れており、自動車用部品、照明用品、各種パ
ネル等に広く用いられている。しかし、一般にメタクリ
ル樹脂は耐衝撃性が十分でないためその用途をせばめて
いる。そこでメタクリル樹脂の耐衝撃性を改良するため
の手段が数多く提案されている。
は、特定の硬質−軟質−硬質の三段階を基本構造とする
多段階重合体を添加することにより、メタクリル樹脂等
の硬質樹脂の耐衝撃性を向上させることが提案されてい
る。特公平5−88903号公報でもヘイズの温度依存
性の改良を目的に特定の構造、特性を持つ硬質−軟質−
硬質の重合体を含む熱可塑性アクリル樹脂組成物を提案
している。しかし、これらの方法では耐衝撃性、あるい
は、ヘイズの温度依存性はある程度良好になるものの、
成形後の樹脂板の透明性、特に黄帯色が起こるという欠
点があった。
ラストマー相に特定のモノマーを用いたノッチ衝撃強度
と光学的透明度を改善した耐衝撃性にするための変性剤
について提案されている。しかしながら、これによって
も耐衝撃性の改良は十分ではなく、また、成形板の黄帯
色は改善できていない。特公平4−80042号公報に
は、乳化重合等で製造した水性重合体を特定の凝析剤で
凝析、回収することにより該重合体を含む成形物の黄色
度、透明性を改良する方法について、及び特開平4−2
26558号公報には、特定のコア/シェルポリマーエ
マルジョン中に特定の還元剤を添加することによって、
成形物の着色を改良する方法が開示されている。さら
に、特開平4−356502号公報には多層構造重合体
を凍結凝固することで、成形物の光学特性、耐熱水性を
改良する方法が提案されている。しかし、これらの方法
では、何れもコスト、生産性の面で問題点を有してい
た。
構造アクリル系重合体からなる耐衝撃性、透明性、耐帯
色性に優れ、かつ、ヘイズの温度依存性の小さいメタク
リル樹脂組成物、それを得るための多層構造アクリル系
重合体の製造方法を提供することにある。
題を解決するために、鋭意検討を行った結果、多層構造
アクリル系重合体の製造時に各層の重合に用いる重合開
始剤を適切に選択することによって、上記課題が解決す
ることを見いだし、本発明を完成した。
レートを主成分とする単量体または単量体混合物を重合
して得られる最内層重合体(a)10〜50重量部、 (B)上記最内層重合体(a)の存在下に アルキル基の炭素数が1〜8のアルキルアクリレート 芳香族ビニル単量体及び/またはアリールアルキルア
クリレート α,β不飽和カルボン酸のアリル、メタリル、クロチ
ルエステルから選ばれたグラフト結合性単量体を主成分
とする単量体混合物を重合して得られる中間層重合体
(b)20〜60重量部及び (C)上記最内層及び中間層からなる重合体の存在下に
アルキル基の炭素数が1〜4のアルキルメタクリレート
を主成分とする単量体または単量体混合物を重合して得
られる最外層重合体(c)20〜60重量部からなり、
かつ、各層重合体の合計が100重量部である多層構造
アクリル系重合体を製造するにあたり、非レドックス系
の水溶性無機系重合開始剤を用いて最内層及び中間層の
重合を行い、レドックス系の有機過酸化物系重合開始剤
を用いて最外層の重合を行うことを特徴とする多層構造
アクリル系重合体の製造方法にある。
れた多層構造アクリル系重合体5〜50重量%及びメタ
クリル酸メチルを主成分とする硬質メタクリル樹脂50
〜95重量%とからなるメタクリル樹脂組成物にある。
アクリル系重合体は、最内層重合体(a)、中間層重合
体(b)及び最外層重合体(c)からなる少なくとも3
層を形成する重合体からなるものである。
を製造するにあたって、非レドックス系の水溶性無機系
重合開始剤を用いて最内層及び中間層の重合を行い、レ
ドックス系の有機過酸化物系重合開始剤を用いて最外層
の重合を行うことを特徴としている。
内層重合体(a)、中間層重合体(b)、最外層重合体
(c)の三層からなり、各層重合体の合計を100重量
部とした場合、各層の比率は最内層重合体(a)は10
〜50重量部好ましくは15〜30重量部、中間層重合
体(b)は20〜60重量部好ましくは30〜50重量
部、最外層重合体(c)は20〜60重量部好ましくは
25〜45重量部である。多層構造重合体を構成する各
層の比率がこれらの範囲を逸脱すると耐衝撃性に劣るも
のとなり、あるいはヘイズの温度依存性の大きいものに
なる。
各層は次の組成からなる単量体によって構成される。
数が1〜4のアルキルメタクリレートを主成分とし、ア
ルキル基の炭素数が1〜4のアルキルメタクリレートは
好ましくは50〜100重量%、より好ましくは80〜
100重量%である。他の単量体としてはアルキル基の
炭素数が1〜8のアルキルアクリレート0〜50重量%
好ましくは0〜20重量%、α,β不飽和カルボン酸の
アリル、メタリル、クロチルエステルから選ばれたグラ
フト結合性単量体0〜5重量%好ましくは0.1〜5重
量%、多官能架橋性単量体0〜5重量%0.1〜5重量
%、及びこれら単量体と共重合可能な他の単量体0〜2
0重量%からなる。
素数が1〜4のアルキルメタクリレートまたはこれと上
記単量体混合物を重合して得られる重合体である。
数が2〜8のアルキルアクリレート、芳香族ビニル単量
体及び/またはアリールアルキルアクリレート、α,β
不飽和カルボン酸のアリル、メタリル、クロチルエステ
ルから選ばれたグラフト結合性単量体を主成分とし、ア
ルキル基の炭素数が1〜8のアルキルアクリレート50
〜90重量%好ましくは65〜85重量%、芳香族ビニ
ル単量体及び/またはアリールアルキルアクリレート1
0〜49.9重量%好ましくは15〜35重量%、α,
β不飽和カルボン酸のアリル、メタリル、クロチルエス
テルから選ばれたグラフト結合性単量体0.1〜5重量
%好ましくは0.3〜3重量%、多官能架橋性単量体0
〜5重量%好ましくは0.1〜3重量%、及びこれら単
量体と共重合可能な他の単量体0〜20重量%からな
る。
(a)の存在下に上記単量体混合物を重合して得られる
重合体である。
数が1〜4のアルキルメタクリレートを主成分とし、ア
ルキル基の炭素数が1〜4のアルキルメタクリレートは
好ましくは90〜100重量%、アルキル基の炭素数が
1〜8のアルキルアクリレート0〜10重量%、及びこ
れら単量体と共重合可能な他の単量体0〜5重量%から
なる。単量体の使用量がこれらの範囲を逸脱すると、得
られる多層構造アクリル系重合体は耐衝撃性、透明性に
劣るものになる。
合体(c)は前記最内層及び前記中間層からなる重合体
(b)の存在下に上記単量体または単量体混合物を重合
して得られる重合体である。
〜4のアルキルメタクリレートの具体例としては、メチ
ルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメ
タクリレート、n−ブチルメタクリレート等が挙げられ
る。また、アルキル基の炭素数が1〜8のアルキルアク
リレートとしてはメチルアクリレート、エチルアクリレ
ート、i−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレ
ート、2−エチルヘキシルアクリレート等が挙げられ
る。
ビニルトルエン等が挙げられる。また、アリールアルキ
ルアクリレートとしては、ベンジルアクリレート、フェ
ニルプロピルアクリレート、フェニルペンチルアクリレ
ート、フェニルヘキシルアクリレート等が挙げられる。
ル、クロチルエステルから選ばれたグラフト結合性単量
体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、
フマル酸及びイタコン酸のアリル、メタリル、クロチル
エステル等が挙げられる。
ール、1,3−ブチレングリコール、トリエチレングリ
コール、ポリエチレングリコールのアクリル酸、または
メタクリル酸のジエステル、トリメチロールプロパント
リアクリレート、トリアリルイソシアヌレート、ペンタ
エリスリトールテトラアクリレート等が挙げられる。
に、多層構造アクリル系重合体と硬質メタクリル樹脂と
の相溶性を向上させるために、アルキルメルカプタン等
を用いて分子量を調整することが望ましい。
ル系重合体の各層の重合に用いる重合開始剤を適切に選
択したことにある。すなわち、非レドックス系の水溶性
無機系重合開始剤を用いて最内層及び中間層の重合を行
い、レドックス系の有機過酸化物系重合開始剤を用いて
最外層の重合を行うことによって、耐衝撃性と耐帯色性
を共に向上させることができ、その結果、耐衝撃性、透
明性、耐帯色性に優れ、かつ、ヘイズの温度依存性が小
さいメタクリル樹脂組成物を生産性よく得ることが可能
となる。
の有機系重合開始剤、またはレドックス系の水溶性無機
系重合開始剤等の非レドックス系の水溶性無機系重合開
始剤以外の重合開始剤を用い、最内層及び/または中間
層の重合を行うと耐衝撃性に劣るものとなる。また、最
外層の重合に無機系重合開始剤またはアゾ系の重合開始
剤等のレドックス系の有機過酸化物系重合開始剤以外の
重合開始剤を用いると、耐帯色性及び/または耐衝撃性
の劣るものとなる。
重合開始剤とは、亜二チオン酸ナトリウム/硫酸鉄(I
I)、デキストローズ/硫酸鉄(II)、または、ソジウ
ムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)
/硫酸鉄(II)等のレドックス反応を誘起する還元剤/
遷移金属の非存在下で使用される過硫酸カリウム、過硫
酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過ほ
う酸カリウム、過ほう酸ナトリウム、過ほう酸アンモニ
ウム等の過ほう酸塩、過酸化水素等の水溶性無機系重合
開始剤を意味する。これらの中で、経済性、取扱性の点
から過硫酸塩の使用が好ましい。
開始剤の量としては、開始剤の種類によって若干異なっ
てくるが、最内層および中間層重合体を形成する単量体
混合物100重量部に対し、0.03〜2重量部が好ま
しく、より好ましくは0.05〜1重量部である。
開始剤とは、レドックス反応を誘起する還元剤/遷移金
属の存在下で使用されるt−ブチルハイドロパーオキサ
イド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピル
ベンゼンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキ
サイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパー
オキサイド等のジアルキルパーオキサイド、2,2−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケタ
ール、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチル
パーオキシアセテート等のパーオキシエステル等の有機
過酸化物系重合開始剤を意味する。これらの中で、耐衝
撃性、取扱性の点でハイドロパーオキサイド系を用いる
ことが好ましい。
開始剤の種類によって異なるが最外層重合体(c)を形
成する単量体混合物100重量部に対し、0.05〜1
重量部が好ましく、0.1〜0.5重量部がより好まし
い。
の乳化重合法により製造される。製造方法の一例を以下
に示す。反応容器に脱イオン水、必要があれば乳化剤を
加えた後、最内層重合体を構成する単量体混合物を添
加、重合する。その最内層重合体の存在下で中間層重合
体を構成する単量体混合物を添加、重合して最内層重合
体の周りに殻をつくる。続いて、その重合体粒子の存在
下に最外層重合体を構成する単量体混合物を添加、重合
して、所望の多層構造アクリル系重合体を得る。
よって異なるが、40〜120℃、好ましくは60〜9
5℃である。
方、または、双方に添加することができるが、非レドッ
クス系の水溶性無機系開始剤を用いる場合は、水相に添
加する方法が好ましく、レドックス系の有機過酸化物系
重合開始剤を用いる場合は、有機過酸化物系重合開始剤
を単量体相に添加する方法が好ましい。
括、分割あるいは連続滴下で行うことができるが、特に
中間層重合体(b)、最外層重合体(c)の重合を行う
場合には分割あるいは連続滴下法が透明性、耐衝撃性の
観点から有利である。
オン系、ノニオン系の何れの界面活性剤も使用できる
が、特にアニオン系の界面活性剤が好ましい。アニオン
系界面活性剤としてはオレイン酸カリウム、ステアリン
酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、N−ラウロイ
ルザルコシン酸ナトリウム、アルケニルコハク酸ジカリ
ウム系等のカルボン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の
硫酸エステル塩、、ヂオクチルスルホコハク酸ナトリウ
ム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル
ジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム系等のスル
ホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ルリン酸ナトリウム系等のリン酸エステル塩等が挙げら
れる。
限定はないが、中間層まで重合した段階で0.05〜
0.5μmの範囲が好ましく、さらに好ましくは0.2
〜0.35μmである。
ックスは酸凝固法、塩凝固法、凍結凝固法、噴霧乾燥法
等公知の凝固法を用いて凝固できる。酸凝固法として
は、硫酸、塩酸、リン酸等の無機酸、または酢酸等の有
機酸を使用することができ、塩凝固法としては、硫酸ナ
トリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化
カルシウム等の無機塩、酢酸カルシウム、酢酸マグネシ
ウム等の有機塩を使用することができる。凝固された重
合体は公知の方法でさらに洗浄、脱水、乾燥される。
に示す硬質メタクリル樹脂とからなるメタクリル樹脂組
成物を与える。すなわち、多層構造アクリル系重合体5
〜50重量%とメタクリル酸メチル単位を主成分とする
硬質メタクリル樹脂50〜95重量%からつくられるメ
タクリル樹脂組成物である。かかるメタクリル樹脂組成
物は、耐衝撃性、透明性、耐帯色性に優れ、ヘイズの温
度依存性の小さいものとなる。
ル単位の比率が50重量%未満では透明性あるいは耐候
性に劣ったものとなる。また、多層構造アクリル系重合
体と硬質メタクリル樹脂の組成比率が上記範囲を逸脱す
ると耐衝撃性、透明性、耐帯色性あるいはヘイズの温度
依存性の劣ったものとなる。
酸メチル単独またはこれと共重合可能な他の単量体を重
合した重合体である。これにはアルキル基の炭素数2〜
8のアルキルメタクリレート、アリールメタクリレー
ト、アルキル基の炭素数1〜8のアルキルアクリレー
ト、芳香族ビニル単量体、N−置換マレイミド単量体等
が挙げられる。使用される硬質メタクリル樹脂は、これ
ら単量体または単量体混合物から乳化重合、懸濁重合、
塊状重合、溶液重合等公知の重合方法によって得られ
る。
ル樹脂との組成物を形成するための混合方法は特に限定
されないが、溶融混合する方法が理想的である。溶融混
合に先立って、必要があれば、ヒンダードフェノール
系、フォスファイト系、チオエーテル系等の酸化防止
剤、ヒンダードアミン系、ベンゾトリアゾール系、ベン
ゾフェノン系、ベンゾエート系、有機ニッケル系等の光
安定剤、あるいは滑剤、可塑剤、染顔料、充填剤等を適
宜加え、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー等で樹脂
と混合した後、ミキシングロール、スクリュー型押出し
機を用いて150〜300℃で溶融混練することによっ
て多層構造体と硬質メタクリル樹脂組成物を得ることが
できる。
押出成形機、射出成形機等により成形することにより、
耐衝撃性、透明性、耐帯色性に優れ、ヘイズの温度依存
性の小さい成形品を得ることができる。
に説明する。説明中「部」は重量部を示す。また、各例
に用いた化合物の略号は次の通りである。 MMA:メチルメタクリレート MA:メチルアクリレート BA:n−ブチルアクリレート BzA:ベンジルアクリレート AMA:アリルメタクリレート St:スチレン BDMA:1,3−ブチレングリコールジメタクリレー
ト TEDA:トリエチレングリコールジアクリレート n−OM:n−オクチルメルカプタン t−DM:t−ドデシルメルカプタン KPS:過硫酸カリウム APS:過硫酸アンモニウム SPB:過ほう酸ナトリウム CHP:クメンハイドロパーオキサイド t−BH:t−ブチルハイドロパーオキサイド DBP:ジ−t−ブチルパーオキサイド AMHP:2,2′−アゾビス[2−メチル−N−(2
−ハイドロキシエチル)−プロピオンアミド] EDTA・2Na:エチレンジアミン4酢酸2ナトリウ
ム2水和物 硫酸鉄(II):硫酸鉄(II)7水和物 RON:ソジウムフォルムアルデヒドスルホキシレート LO:ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリ
ン酸ナトリウム系の界面活性剤「フォスファノール」L
O−529(東邦化学工業(株)製、商品名)
方法によった。 [アイゾット衝撃強度(ノッチ付き)]ASTM−D2
56 [ヘイズ(室温)]ASTM−D1003(板厚2m
m) [ヘイズ(70℃)]試片(板厚2mm)を70℃に加
熱した後、ASTM−D1003に従って測定し、結果
を下記のランクで示した。 A ヘイズ 5%未満 B 〃 10%未満 C 〃 15%未満 D 〃 15%以上 [イエローインデックス(YI)]ASTM−D192
5(板厚2mm) [粒子径]光散乱光度計DLS700(大塚電子製)を
用いて動的光散乱法でラテックスの状態の試料を測定し
た。
オン交換水190部、炭酸ナトリウム0.06部、ほう
酸0.6部を加えた後、表1に記載した組成の単量体混
合物1−1(以下単量体混合物(1−1)と記す。)2
5部をLO 0.06部と共に加え80℃に昇温した。
昇温後、重合開始剤KPS 0.03部を添加し、1時
間保持して最内層の重合を行った。次いでこの重合体ラ
テックスの存在下、重合開始剤KPS 0.1部を加え
た後、表1に記載した組成の単量体混合物2−1(以下
単量体混合物(2−1)と記す。)37.5部とLO
0.3部の混合物を12.5部/時間の速度で連続的に
添加した後、2時間保持して中間層の重合を行った。つ
いで、この重合体ラテックスの存在下、硫酸鉄(II)
2.5×10-5部、EDTA・2Na7.5×10
-5部、RON 0.1部を加え、レドックス反応が誘起
しうる状態にした後、表1に記載した組成の単量体混合
物3−1(以下単量体混合物(3−1)と記す。)3
7.5部と重合開始剤CHP 0.06部の混合物を1
8.8部/時間の速度で連続的に添加した後、1時間保
持して最外層の重合を行い多層構造アクリル重合体ラテ
ックスを得た。
液で凝固した後、洗浄、脱水、乾燥を行い多層構造アク
リル系重合体の粉末を得た。この多層構造アクリル系重
合体粉末40部と、MMA97.5部、MA2.5部か
らなる硬質メタクリル樹脂60部とをヘンシェルミキサ
ーで混合した後、直径40mmの単軸押出機を用いて、
シリンダー温度230〜270℃、ダイ温度260℃で
溶融混練押出し、得られたペレット状のメタクリル樹脂
組成物をシリンダー温度260℃で射出成形して試験片
を得た。
体の各層の重合に用いる重合開始剤を表2に示すように
変更したほかは実施例1と同様に操作して試験片を得
た。
中間層の重合までは実施例1と同様に行って得られた中
間層重合体ラテックスの存在下、重合開始剤KPS
0.03部を加え、さらに単量体混合物(3−1)3
7.5部を18.8部/時間の速度で連続的に添加した
後、1時間保持して最外層の重合を行い、多層構造アク
リル系重合体ラテックスを得た。以下、実施例1と同様
に操作して試験片を得た。
オン交換水190部、炭酸ナトリウム0.06部、ほう
酸0.6部を加えた後、単量体混合物(1−1)25部
をLO 0.06部と共に加え、70℃に昇温した。昇
温後、硫酸鉄(II)2.5×10-5部、EDTA・2N
a7.5×10-5部、RON 0.1部を加え、レドッ
クス反応が誘起しうる状態にし、重合開始剤KPS
0.05部を加えた後、1時間保持して最内層の重合を
行った。ついでこの重合体ラテックスの存在下、RON
0.1部、重合開始剤KPS 0.1部を加えた後、
単量体混合物(2−1)37.5部とLO 0.3部の
混合物を12.5部/時間の速度で連続的に添加した
後、2時間保持して、中間層の重合を行った。ついで、
この重合体ラテックスの存在下、RON 0.1部を加
えた後、単量体混合物(3−1)37.5部と重合開始
剤t−BH 0.06部の混合物を18.8部/時間の
速度で連続的に添加した後、1時間保持して、最外層の
重合を行い、多層構造アクリル系重合体ラテックスを得
た。以下、実施例1と同様に操作して試験片を得た。
最内層の重合までは実施例1と同様に行って得られた最
内層重合体ラテックスの存在下、硫酸鉄(II)2.5×
10-5部、EDTA・2Na7.5×10-5部、RON
0.1部を加え、レドックス反応が誘起しうる状態に
し単量体混合物(2−1)37.5部と重合開始剤CH
P 0.1部及びLO 0.3部の混合物を12.5部
/時間の速度で連続的に添加した後、2時間保持して中
間層の重合を行った。この重合体ラテックスの存在下、
RON 0.1部を加えた後、単量体混合物(3−1)
37.5部と重合開始剤t−BH 0.06部の混合物
を18.8部/時間の速度で連続的に添加した後、1時
間保持して最外層の重合を行い、多層構造アクリル系重
合体ラテックスを得た。以下、実施例1と同様に操作し
て試験片を得た。
オン交換水190部、炭酸ナトリウム0.06部、ほう
酸0.6部を加えた後、単量体混合物(1−1)25部
をt−BH 0.05部、及びLO 0.06部を加
え、80℃に昇温した。昇温後、硫酸鉄(II)2.5×
10-5部、EDTA・2Na7.5×10-5部、RON
0.1部を加え、レドックス反応が誘起しうる状態に
し、1時間保持して最内層の重合を行った。ついで内温
を70℃に降温し、最内層重合体ラテックスの存在下、
RON0.1部、重合開始剤KPS 0.15部を加え
た後、単量体混合物(2−1)37.5部とLO 0.
3部の混合物を12.5部/時間の速度で連続的に添加
した後、2時間保持して中間層の重合を行った。つい
で、再び、内温を80℃に昇温し、中間層重合体ラテッ
クスの存在下、RON 0.1部を加えた後、単量体混
合物(3−1)37.5部と重合開始剤t−BH 0.
06部の混合物を18.8部/時間の速度で連続的に添
加した後、1時間保持して、最外層の重合を行い、多層
構造アクリル系重合体ラテックスを得た。以下、実施例
1と同様に操作して試験片を得た。
最内層の重合までは比較例4と同様に行って得られた最
内層重合体ラテックスの存在下、RON 0.1部を加
えた後、単量体混合物(2−1)37.5部と重合開始
剤t−BH 0.1部、及びLO 0.3部の混合物を
12.5部/時間の速度で連続的に添加した後、2時間
保持して中間層の重合を行った。この重合体ラテックス
の存在下、RON 0.1部を加えた後、単量体混合物
(3−1)37.5部と重合開始剤t−BH 0.06
部の混合物を18.8部/時間の速度で連続的に添加し
た後、1時間保持して最外層の重合を行い、多層構造ア
クリル系重合体ラテックスを得た。以下、実施例1と同
様に操作して試験片を得た。
造する際に有機系重合開始剤を用いた比較例である。還
流冷却器付き反応容器にイオン交換水190部、炭酸ナ
トリウム0.06部、ほう酸0.6部を加えた後、単量
体混合物(1−1)25部をLO 0.06部と共に加
え、70℃に昇温した。昇温後、重合開始剤AMHP
0.05部を添加し、1時間保持して最内層の重合を行
った。ついでこの重合体ラテックスの存在下、重合開始
剤AMHP 0.12部を加えた後、単量体混合物(2
−1)37.5部とLO 0.3部の混合物を12.5
部/時間の速度で連続的に添加した後、2時間保持して
中間層の重合を行った。ついで、内温を80℃に昇温
し、中間層重合体ラテックスの存在下、硫酸鉄(II)
2.5×10-5部、EDTA・2Na7.5×10
-5部、RON 0.1部を加え、レドックス反応が誘起
しうる状態にした後、単量体混合物(3−1)37.5
部と重合開始剤t−BH0.06部の混合物を18.8
部/時間の速度で連続的に添加した後、1時間保持して
最外層の重合を行い、多層構造アクリル系重合体ラテッ
クスを得た。以下、実施例1と同様に操作して試験片を
得た。
中間層の重合までは比較例6と同様に行って得られた中
間層重合体ラテックスの存在下、重合開始剤AMHP
0.06部を加え、さらに単量体混合物(3−1)3
7.5部を18.8部/時間の速度で連続的に添加した
後、1時間保持して、最外層の重合を行い、多層構造ア
クリル系重合体ラテックスを得た。以下、実施例1と同
様に操作して試験片を得た。
中間層の重合までは実施例1と同様に行った後、70℃
に降温し、得られた中間層重合体ラテックスの存在下、
重合開始剤AMHP 0.06部を加え、さらに単量体
混合物(3−1)37.5部を18.8部/時間の速度
で連続的に添加した後、1時間保持して、最外層の重合
を行い、多層構造アクリル系重合体ラテックスを得た。
以下、実施例1と同様に操作して試験片を得た。以上の
各例において各層の重合に用いた重合開始剤の名称およ
びその使用部数を一括して表2に示す。
オン交換水190部、炭酸ナトリウム0.06部、ほう
酸0.6部を加えた後、表1に記載した組成の単量体混
合物1−2(以下単量体混合物(1−2)と記す。)2
2.5部をLO 0.06部と共に加え、80℃に昇温
した。昇温後、重合開始剤KPS 0.03部を添加
し、1時間保持して最内層の重合を行った。ついでこの
重合体ラテックスの存在下、重合開始剤KPS 0.1
2部を加えた後、表1に記載した組成の単量体混合物2
−2(以下単量体混合物(2−2)と記す。)40部と
LO 0.3部の混合物を12.5部/時間の速度で連
続的に添加した後、2時間保持して中間層の重合を行っ
た。ついで、この重合体ラテックスの存在下、硫酸鉄
(II)2.5×10-5部、EDTA・2Na7.5×1
0-5部、RON 0.1部を加え、レドックス反応が誘
起しうる状態にした後、表1に記載した組成の単量体混
合物3−2(以下単量体混合物(3−2)と記す。)3
7.5部と重合開始剤t−BH 0.06部の混合物を
18.8部/時間の速度で連続的に添加した後、1時間
保持して、最外層の重合を行い、多層構造アクリル系重
合体ラテックスを得た。以下、実施例1と同様に操作し
て試験片を得た。
合物(1−2)と重合開始剤KPS、中間層を構成する
単量体混合物(2−2)と重合開始剤KPS、最外層を
構成する単量体混合物(3−2)と重合開始剤t−BH
の添加部数及び各層の重合保持時間を表3に示すように
変更したほか実施例6と同様に操作して試験片を得た。
なお、表3には実施例6についても掲記した。
6] 実施例6で得た多層構造アクリル系重合体と硬質メタク
リル樹脂の混合比率を表4に示す割合で混合し、以下実
施例1と同様に操作して試験片を得た。
重合体の最内層を構成する単量体混合物、中間層を構成
する単量体混合物、最外層を構成する単量体混合物を表
5に示すように変更したほかは実施例6と同様に操作し
て試験片を得た。
間層段階の粒子径を一括して表6に示す。
合体及びそれを用いたメタクリル樹脂組成物は、耐衝撃
性、透明性、耐帯色性に優れ、ヘイズの温度依存性が小
さいものであり、グレージング材料、各種パネル、カバ
ー等多様な分野での利用範囲が拡大される。
Claims (2)
- 【請求項1】 (A)アルキル基の炭素数が1〜4のア
ルキルメタクリレートを主成分とする単量体または単量
体混合物を重合して得られる最内層重合体(a)10〜
50重量部、 (B)上記最内層重合体(a)の存在下に アルキル基の炭素数が1〜8のアルキルアクリレート 芳香族ビニル単量体及び/またはアリールアルキルア
クリレート α,β不飽和カルボン酸のアリル、メタリル、クロチ
ルエステルから選ばれたグラフト結合性単量体を主成分
とする単量体混合物を重合して得られる中間層重合体
(b)20〜60重量部及び (C)上記最内層及び中間層からなる重合体の存在下
に、アルキル基の炭素数が1〜4のアルキルメタクリレ
ートを主成分とする単量体または単量体混合物を重合し
て得られる最外層重合体(c)20〜60重量部からな
り、かつ、各層重合体の合計が100重量部である多層
構造アクリル系重合体を製造するにあたり、非レドック
ス系の水溶性無機系重合開始剤を用いて最内層及び中間
層の重合を行い、レドックス系の有機過酸化物系重合開
始剤を用いて最外層の重合を行うことを特徴とする多層
構造アクリル系重合体の製造方法。 - 【請求項2】 メタクリル酸メチルを主成分とする硬質
メタクリル樹脂50〜95重量%と請求項1記載の製造
方法によって得られた多層構造アクリル系重合体5〜5
0重量%とからなるメタクリル樹脂組成物。
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