JPH0930935A - 複合粒子及びこれを含有する化粧料 - Google Patents
複合粒子及びこれを含有する化粧料Info
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Abstract
分散する樹脂粉末又は酸化ケイ素粉末の表面に酸化ジル
コニウムの粉末を担持し、次いで、酸化アルミニウムで
表面処理し、更に、疎水化処理された複合粒子及びこれ
を含有する化粧料。 【効果】 本発明の複合粒子は、紫外線の遮断効果が優
れるほか、すべり性、撥水・撥油性に優れ、このため感
触がよい。
Description
吸収し、優れた撥水・撥油性を有する複合粒子及びこれ
を配合した化粧料に関する。
り、肌や頭髪を彩色したり、シミ・ソバカスをかくした
り、紫外線や有害物質等から肌を保護したりする機能を
付与することがなされている。特に、紫外線は、皮膚の
黒化、老化が促進される等、健康上、美容上好ましくな
い影響が生じる。そのため、サンスクリーン剤として使
用するファンデーション等の化粧料には、紫外線を散
乱、吸収等によって遮断する複合粒子が配合されてい
る。そのような、紫外線を遮断する複合粒子としては、
樹脂からなる母粒子の表面に酸化チタンを子粒子として
担持したもの(特開昭61−194010号公報)、樹
脂からなる母粒子の表面に酸化ジルコニウムを子粒子と
して担持したもの(特開昭63−27532号公報)等
が提案されている。また、紫外線遮断効果に、更に油脂
類の変色防止、肌荒れ防止効果を付与したものとして内
部に酸化チタン又は酸化亜鉛の粉末を分散した樹脂粉体
に酸化ジルコニウム又は酸化アルミニウムを担持した複
合粒子等が開示されている(特開平2−49717号公
報)。
性を付与することを目的として疎水化処理を行い、化粧
料に配合する場合、十分な撥水・撥油性が得られず、化
粧持ちに欠けるという問題がある。特に疎水化処理剤と
してフッ素化合物を用いて処理する場合、この傾向は特
に顕著であった。
外線を反射又は吸収し、優れた撥水・撥油性及び使用感
を有する複合粒子及びこれを含有する化粧持続性に優れ
る化粧料を提供することを目的とする。
明者は鋭意検討を行った結果、内部に酸化チタン又は酸
化亜鉛の粉末を分散した樹脂粉末又は酸化ケイ素粉末に
酸化ジルコニウムを担持した複合粉体を酸化アルミニウ
ム処理すれば後の疎水化処理に種々の方法が適用でき、
かつ得られた複合粒子を化粧料に配合すれば優れた撥水
・撥油性及び感触を有することを見出し、本発明を完成
するに至った。
は酸化亜鉛の粉末が分散され、表面に酸化ジルコニウム
粉末を担持した樹脂粉末又は酸化ケイ素粉末を、酸化ア
ルミニウムで表面処理した後、更にその表面が疎水化処
理された複合粒子及びこれを含有する化粧料を提供する
ことにある。
末又は酸化ケイ素粉末(以下、「母材粒子」と言うこと
がある)は、特に制限されないが、これらのうち、樹脂
粉末としては、ナイロン6樹脂、ナイロン12樹脂、ナ
イロン6とナイロン12との共重合樹脂等のナイロン樹
脂;ポリエチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、シリコーン樹脂の粉末が挙げられ、なかでも、
ナイロン樹脂やシリコーン樹脂の粉末が好ましい。
球状、柱状、棒状あるいは板状等のいずれをも用いるこ
とができ、特に球状が好ましい。平均粒子径は、特に制
限されないが形状が球状の場合は0.5〜100μmが
好ましく、特に好ましくは2〜20μmの範囲であり、
柱状、棒状、板状の場合は、球状換算で1〜100μm
が好ましく、特に好ましくは5〜20μmの範囲であ
る。母材粒子の平均粒子径が上記範囲内であれば、その
表面に、後述する、紫外線の主として反射作用をもつ酸
化ジルコニウム粉末を十分に担持させることができ、ま
た、内部に、後述する、紫外線の主として吸収作用をも
つ酸化チタンや酸化亜鉛の粉末を十分に分散させること
ができるようになる。また、母材粒子の平均粒子径が上
記範囲内であれば、複合粒子を化粧料に配合したとき、
使用者に違和感を与えることが少なくなる。
に分散する酸化チタン又は酸化亜鉛の粉末は、単独で使
用しても、混合して使用してもよい。平均粒子径は特に
制限されないが、母材粒子の内部での分散性をよくする
ため0.005〜2μmが好ましく、特に0.01〜
0.5μmが好ましい。酸化チタンや酸化亜鉛の粉末の
形状は、特に制限されず球状、柱状、棒状、板状又は不
定形等いずれでもよい。また、配合量は、母材粒子に対
して5〜60重量%が好ましく、特に8〜50重量%が
好ましく、この範囲内であると、十分な紫外線吸収効果
が得られ、しかも母材粒子内部での分散性も良好であ
る。
分散させる方法は特に制限されないが、例えば、母材粒
子がナイロン樹脂の場合には、パラフィン等に環状ラク
タムを加熱、溶解し、これに所望量の酸化チタンや酸化
亜鉛の粉末を添加し、かき混ぜながら、重合促進剤、例
えば三塩化リンを添加してアルカリ重合を行わせ、粒子
とし、更に、粒子をろ別し、有機溶剤、例えばベンゼン
やイソプロピルアルコールで洗浄し、乾燥する方法;母
材粒子がシリコーン樹脂の場合には、アンモニアやアミ
ン等の水溶液に酸化チタンや酸化亜鉛の粉末を添加、混
合し、更に、加水分解性シラン、例えばクロロシラン、
ハイドロジェンシラン、アルコキシシラン、アセトキシ
シランを加えて加水分解、縮合反応を行わせ、粒子と
し、更に、粒子をろ別し、水洗し、乾燥する方法;母材
粒子が酸化ケイ素の場合には、まず、ケイ酸ナトリウム
に酸化チタンや酸化亜鉛の粉末を添加して懸濁液を調製
し、更に界面活性剤とベンゼン等の油性分散剤との混合
液を調製し、この混合液に上述した懸濁液を加え、乳化
させて油中水分散型エマルジョンを得た後、それを硫酸
アンモニウムや塩化アンモン等の塩を添加してケイ酸ナ
トリウムと反応させ、粒子とし、当該粒子をろ別、水洗
し、メタノール等の有機溶剤で洗浄し、乾燥する方法が
挙げられる。
の表面に担持される酸化ジルコニウムの粉末の平均粒子
径は特に制限されないが、例えば0.005〜2μmが
好ましく、特に0.01〜0.5μmが母材粒子への担
持性及び複合粒子のすべり性が向上するため好ましい。
酸化ジルコニウムの粉末の形状は特に制限されないが、
球状が好ましく、母材粒子の表面に半没状態で担持さ
れ、その表面を一重に覆っていることが好ましい。配合
量は、酸化チタンや酸化亜鉛を含む母材粒子に対し、好
ましくは10〜60重量%、特に好ましくは20〜40
重量%とするのが母材粒子表面を均一に被覆し、従って
すべり性が良くなることから好ましい。
亜鉛の粉末を分散した母材粒子の表面に酸化ジルコニウ
ムの粉末を担持させる方法は特に制限されないが、例え
ば、母材粒子がナイロン樹脂やシリコーン樹脂の場合に
は、それらの樹脂の荷電性を利用して表面に酸化ジルコ
ニウムの粉末を付着させ、更に自動乳鉢やハイブリダイ
ザー等を用いて物理的な力を加え、このとき、摩擦熱が
発生して母材粒子の表層部においてナイロン樹脂やシリ
コーン樹脂が軟化し、同時に物理力で表面に酸化ジルコ
ニウムの粉末がめり込み、担持する方法;母材粒子が酸
化ケイ素の場合には、酸化ジルコニウムの粉末の懸濁液
や、酸化ジルコニウムのゾルに、内部に酸化チタンや酸
化亜鉛を分散させた母材粒子を添加、混合後、70〜1
00℃で加熱し、上記粒子の表面に酸化ジルコニウムを
付着させ、これをろ別し、水洗した後、400〜500
℃で焼成する方法が挙げられる。
又は酸化亜鉛が分散され、表面に酸化ジルコニウム粉末
を担持した粒子(以下、単に「担持母材粒子」と言う)
の表面を酸化アルミニウムで表面処理する方法として
は、特に制限されないが担持母材粒子と硫酸アルミニウ
ム、アルミン酸ソーダ、塩化アルミニウム等の1種以上
の水溶液とを混合し、これに1種以上の酸性又は塩基性
沈殿剤溶液を添加し、金属塩の加水分解反応により水酸
化アルミニウムを担持母材粒子表面に析出させ、中和に
よって生じた塩を水洗により除去し、乾燥することによ
って表面処理する方法;水酸化アルミニウムを担持母材
粒子表面に析出させたものを500〜1000℃で焼成
することにより、表面を酸化アルミニウムとする方法;
担持母材粒子表面に酸化アルミニウムの粉末をハイブリ
ダイザー等で攪拌混合することにより酸化アルミニウム
処理する方法等が挙げられる。
は水酸化アルミニウムの処理量は、担持母材粒子に対し
て好ましくは0.05〜20重量%、より好ましくは
0.5〜15重量%である。
した粉体(以下、単に「アルミナ被覆粉体」と言う)
は、更にその表面を通常用いられる疎水化処理剤を用い
て疎水化処理することが必要である。疎水化処理剤とし
ては、特に制限されないが、例えばシリコーン油、脂肪
酸金属塩、アルキルリン酸、アルキルリン酸のアルカリ
金属塩又はアミン塩、N−モノ長鎖(炭素数8〜22)
脂肪族アシル塩基性アミノ酸、パーフルオロアルキル基
を有するリン酸エステル等が挙げられる。
用いられるものであれば特に制限されず、例えばメチル
ハイドロジェンポリシロキサン等のSi−H基を含むシ
リコーンオイル、Si−OH基を含むシリコーンオイ
ル、環状ジメチルポリシロキサン、ジメチルシリコーン
等が挙げられ、具体的には、ジメチルポリシロキサン、
環状ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロ
キサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、環状メ
チルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルシロキサ
ン・メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン共重合
体、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシプロピレ
ン)シロキサン共重合体、ミリスチルシリコーン、ジメ
チルシロキサン・メチルステアロキシシロキサン共重合
体、ジメチルシロキサン・メチルセチルオキシシロキサ
ン共重合体、メチルポリシロキサンエマルジョン、シリ
コーン樹脂、シリコーングリース、ポリエーテル変性シ
リコーン、メチルスチリル変性シリコーン、アルキル変
性シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーン、高
級アルコキシ変性シリコーン、フェノール変性シリコー
ン、高級脂肪酸変性シリコーン等が挙げられる。
18のものが好ましく、またそれらの塩としては例えば
カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム等の塩
が挙げられ、就中、特にアルミニウム塩が好ましい。従
って脂肪酸金属塩のうち好ましいものとしては、アルミ
ニウムモノステアレート、アルミニウムジステアレー
ト、アルミニウムモノオレエート、アルミニウムモノパ
ルミテート、アルミニウムモノラウレート等が例示され
るがこれらの例に限定されない。
塩又はアミン塩としては、一般式(1)又は(2)で表
されるものが挙げられ、例えばジセチルリン酸、モノラ
ウリルリン酸、モノラウリルリン酸のナトリウム塩、カ
リウム塩又はアミン塩、ジセチルリン酸のナトリウム
塩、カリウム塩又はアミン塩等が挙げられる。
中、R1 〜R3 で示される炭化水素基は、炭素数1〜4
5のものであるが、就中炭素数8以上のものが望まし
い。炭素数8未満であると、そのアルキルリン酸金属塩
が粘着性を示し、滑沢性、延展性が低下するおそれがあ
る。かかる炭化水素基としては、例えば、オクチル、ノ
ニル、デシル、ドデシル、ウンデシル、トリデシル、テ
トラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシ
ル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、ヘンエイ
コシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、ペンタ
コシル、ヘキサコシル、ヘプタコシル、オクタコシル、
ノナコシル、トリアコンチル、ヘントリアコンチル、ド
トリアコンチル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ド
デセニル、ウンデセニル、トリデセニル、テトラデセニ
ル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニ
ル、オクタデセニル、ノナデセニル、エイコセニル、ヘ
ンエイコセニル、ドコセニル、トリコセニル、テトラコ
セニル、ペンタコセニル、ヘキサコセニル、ヘプタコセ
ニル、オクタコセニル、ノナコセニル、トリアコンテニ
ル、ヘントリアコンテニル、ドトリアコンテニル、オク
タジエニル、ノナジエニル、デカジエニル、ドデカジエ
ニル、ウンデカジエニル、トリデカジエニル、テトラデ
カジエニル、ペンタデカジエニル、ヘキサデカジエニ
ル、ヘプタデカジエニル、オクタデカジエニル、ノナデ
カジエニル、エイコサジエニル、ヘンエイコサジエニ
ル、ドコサジエニル、トリコサジエニル、テトラコサジ
エニル、ペンタコサジエニル、ヘキサコサジエニル、ヘ
プタコサジエニル、オクタコサジエニル、ノナコサジエ
ニル、トリアコンタジエニル、ヘントリアコンタジエニ
ル、ドトリアコンタジエニル、2−ヘキシルデシル、2
−オクチルウンデシル、2−デシルテトラデシル、2−
ウンデシルヘキサデシル、2−テトラデシルオクタデシ
ル基等が挙げられる。また、上記一般式(1)及び上記
一般式(2)中、X1 〜X3で示されるアルカリ金属と
しては、カリウム、ナトリウム等が挙げられ、X1 〜X
3 で示されるアミンとしては、モノエタノールアミン、
ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソ
プロパノールアミン、モルホリン、アルギニン等が挙げ
られる。
シル塩基性アミノ酸を構成する塩基性アミノ酸として
は、α,γ−ジアミノ酪酸、オルニチン、リジン、アル
ギニン、ヒスチジン等が挙げられる。これらは光学活性
体であってもラセミ体であってもよい。長鎖脂肪族アシ
ル基としては炭素数8〜22の飽和又は不飽和の直鎖又
は分岐鎖脂肪族アシル基であって、単一鎖長のものであ
っても混合鎖長のものであってもよい。具体的には、2
−エチルヘキサノイル、カプリロイル、カプロイル、ラ
ウロイル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイ
ル、イソステアロイル、オレオイル、ベヘノイル、ココ
イル、牛脂脂肪酸アシル、硬化牛脂脂肪酸アシル等が挙
げられる。長鎖アシル基の塩基性アミノ酸ヘの結合部位
はα位のアミノ基あるいはω位のアミノ基であるが、ア
ルギニン及びヒスチジンにおいてはα位のアミノ基に限
定される。具体例としては、Nε−2−エチルヘキサノ
イルリジン、Nε−ラウロイルリジン、Nε−ココイル
リジン、Nε−パルミトイルリジン、Nε−イソステア
ロイルリジン、Nε−硬化牛脂脂肪酸アシルリジン、N
α−カプリロイルリジン、Nα−ラウロイルリジン、N
α−ミリストイルリジン、Nα−オレオイルリジン、N
α−ベヘノイルリジン、Nδ−ココイルオルニチン、N
δ−ステアロイルオルニチン、Nδ−牛脂脂肪酸アシル
オルニチン、Nα−エチルヘキサノイルオルニチン、N
α−ラウロイルオルニチン、Nα−イソステアロイルオ
ルニチン、Nγ−パルミトイル−α,γ−ジアミノ酪
酸、Nα−牛脂脂肪酸アシル−α,γ−ジアミノ酪酸、
Nα−カプロイルアルギニン、Nα−ラウロイルアルギ
ニン、Nα−パルミトイルアルギニン、Nα−硬化牛脂
脂肪酸アシルアルギニン、Nα−ココイルヒスチジン、
Nα−イソステアロイルヒスチジン等が挙げられるが、
これらの例に限定されない。
ステルとしては、下記一般式(3)で表されるものが挙
げられ、例えば、ジヘプタデカフルオロデシルリン酸
〔(C 8F17C2H4O)2PO(OH)〕、ヘプタデカフ
ルオロデシルリン酸〔C8F17C2H4OPO(O
H)2〕、ジヘプタデカフルオロデシルリン酸とヘプタ
デカフルオロデシルリン酸のセスキ体〔(C8F17C2H
4O)1.5PO(OH)1.5〕等、及びこれらのアルカリ
金属塩、アンモニウム塩及び置換アンモニウム塩等が挙
げられる。ここで置換アンモニウム塩とは、モノエタノ
ールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミ
ンや塩基性アミノ酸等の塩を言う。 〔RfCnH2nO〕yPO(OM)3-y (3) (式中、Rfは、炭素数3〜21のパーフルオロアルキ
ル基又はパーフルオロオキシアルキル基を示し、直鎖状
あるいは分岐状であって、単一鎖長のものであっても、
混合鎖長のものであってもよい。nは1〜12の整数を
示し、yは1〜3の数を示す。Mは水素、アルカリ金
属、アンモニウム又は置換アンモニウムを示す。)
る方法としては、アルミナ被覆粉体を、前記したシリコ
ーン油の1種以上を適量のヘキサン等に溶解したものに
分散させ、溶剤留去後100〜200℃で2〜10時間
処理し、その後乾燥する方法がある。アルミナ被覆粉体
をアルキルリン酸で処理する方法としては、式(1)、
(2)中X1 及びX2 又はX3 が水素である場合、前記
したアルキルリン酸をイソプロピルアルコールやヘキサ
ン等の溶剤で溶解したものにアルミナ被覆粉体を分散さ
せ、50〜70℃で1〜3時間処理し、その後溶剤留去
後乾燥する方法がある。また、式(1)、(2)中、X
1 あるいはX2 及びX3 が水素以外である場合(アルカ
リ金属又はアミンである場合)は、上記したアルキルリ
ン酸のアルカリ金属塩又はアミン塩を水に溶解したもの
にアルミナ被覆粉体を分散させ、50〜70℃で1〜3
時間処理し、その後適当な酸で中和した後、熱時濾過
し、エタノール水溶液で洗浄後、乾燥する方法がある。
これらアルミナ被覆粉体を撥水処理する方法は上記の例
に限定されない。
シル塩基性アミノ酸で処理する方法としては乾式法及び
湿式法のいずれの方法も用いることができる。乾式法は
簡便かつ効果的であって、N−モノ長鎖脂肪族アシル塩
基性アミノ酸の微細粉末をアルミナ被覆粉体と撹拌混合
するか、もしくはN−モノ長鎖脂肪族アシル塩基性アミ
ノ酸とアルミナ被覆粉体を混合した後、共粉砕すること
によって、アルミナ被覆粉体の表面を容易に処理でき
る。湿式法はN−モノ長鎖脂肪族アシル塩基性アミノ酸
が中性付近の水及び通常の油に殆ど溶解しないため、塩
化カルシウムを可溶化剤として用いてN−モノ長鎖脂肪
族アシル塩基性アミノ酸を有機溶剤に溶解した後、アル
ミナ被覆粉体を接触させ、更に水洗して塩化カルシウム
を除去して乾燥することにより、アルミナ被覆粉体の表
面を処理できる。あるいは酸性もしくはアルカリ性の水
又は水性溶媒中にN−モノ長鎖脂肪族アシル塩基性アミ
ノ酸を溶解してアルミナ被覆粉体を接触させた後、中性
付近まで中和してアルミナ被覆粉体表面にN−モノ長鎖
脂肪族アシル塩基性アミノ酸を析出付着させ、中和によ
って生じた塩を水洗により除去し、乾燥することによっ
ても同様の表面処理ができる(特開昭61−7202
号、特開昭61−10503号)。
基を有するリン酸エステルで処理する方法としては、ヘ
ンシェルミキサー、振動式ボールミル、回転式ボールミ
ル、スーパーミキサー等の混合攪拌装置内で粉体を混合
しながら、パーフルオロアルキル基を有するリン酸エス
テルをそのまま、又は適当な溶剤(例えば、水、エタノ
ール、イソプロピルアルコール、クロロホルム、フロン
R113及びそれらの混合溶媒等)に溶解させて、噴霧
あるいは滴下により添加し、均一に分散させた後、室温
又は加熱乾燥することにより行うことができる。尚、上
記溶剤としてパーフルオロアルキル基の炭素数が8以上
のものを用いる場合は、該溶剤の流動性が著しく低いの
で、フロンR113、ヘキサフルオロメタキシレン等の
フッ素系の溶剤に溶解させて用いることが好ましい。
処理量は、好ましくは0.01〜30重量%であり、よ
り好ましくは0.5〜20重量%である。この範囲内で
あると十分な耐水性及び耐油性が得られ、また使用感触
も良好である。
ができ、その配合割合は、特に制限されないが、化粧料
中0.1〜99重量%配合するのが好ましく、特に1〜
95重量%配合するのが撥水・撥油性及び感触の点から
好ましい。
て、必要に応じて通常の化粧料に配合される成分を配合
することができる。例えば、ワセリン、ラノリン、セレ
シン、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバロ
ウ、キャンデリラロウ、高級脂肪酸、高級アルコール等
の固形・半固形油分、オリーブ油、ホホバ油、ヒマシ
油、スクワラン、流動パラフィン、エステル油、ジグリ
セリド、トリグリセリド等の流動油分、水溶性及び油溶
性ポリマー、水、無機及び有機顔料、金属石けん処理又
はシリコーン処理された無機及び有機顔料、有機染料等
の色剤、防腐剤、酸化防止剤、色素、増粘剤、pH調整
剤、香料、紫外線吸収剤、保湿剤、血行促進剤、冷感
剤、制汗剤、殺菌剤、皮膚賦活剤等を、本発明の目的及
び効果を損なわない質的及び量的範囲内で配合すること
ができる。
ことができ、液状ファンデーション、油性ファンデーシ
ョン、パウダーファンデーション、口紅、ほほ紅、アイ
シャドー等のメークアップ化粧料、サンスクリーン乳液
等の薬用化粧料にすることができる。
優れるとともに、撥水・撥油性及び使用感に優れたもの
である。また、本発明の化粧料は、当該複合粒子を含有
し、紫外線の遮断効果が優れるほか、すべり性、撥水・
撥油性に優れ、このため感触も良好である。
明するが、これは単に例示であって本発明を制限するも
のではない。
と7gの平均粒子径が0.4μmの酸化チタン粉末と、
200mlの流動パラフィン(分散媒)と、1gのステア
リン酸ソーダ(分散助剤)を混合した。次に、当該混合
物を窒素雰囲気中、140℃で加熱してラウロラクタム
を溶解するとともに、重合促進剤として三塩化リンを
0.2ml添加し、1時間混合し、重合させ、内部に酸化
チタンが分散されたナイロン12粒子を得た。更に、こ
の粒子をろ別し、ベンゼンで洗浄後、80℃で減圧乾燥
して、平均粒子径が約7μmの内部に酸化チタンの粉末
が分散するナイロン12樹脂の粒子を得た。次に、70
gの上記酸化チタンを含む母材粒子と、30gの平均粒
子径が0.1μmの酸化ジルコニウム粉末とを自動乳鉢
に入れて1時間混合し、内部に酸化チタンの粉末を分散
するナイロン12樹脂からなる母材粒子の表面に酸化ジ
ルコニウムを担持した担持母材粒子を得た。 (酸化アルミニウム処理工程)次に得られた担持母材粒
子50gと、2.5gの平均粒子径0.2μmの酸化ア
ルミニウム粉末をハイブリダイザーで5分間攪拌混合
し、アルミナ被覆粉体を得た。 (疎水化処理工程)次に、丸底フラスコ(又はニーダ
ー)に上記アルミナ被覆粉体50gを入れ、これにC8
F17CH2CH2OP(O)(OH)2と(C8F17CH2
CH2O)2P(O)OHとのほぼ1:1の混合物2.5
gをイソプロピルアルコール500gに加熱溶解(50
℃)しておいたものを加え、60℃で4時間混合し、そ
の後、40〜50℃にてイソプロピルアルコールを減圧
留去し、乾燥して複合粒子Aを得た。
粒子径が0.4μmの酸化チタン粉末を混合し、懸濁液
を得た。次に、上記懸濁液に、200gのメチルトリメ
トキシシランを加え、50℃の温度下に2時間かき混ぜ
て加水分解、縮合反応を行わせ平均粒子径が約20μm
の内部に酸化チタンを分散するシリコーン樹脂を得た。
以下、実施例1と同様の方法にて、酸化ジルコニウムを
担持した担持母材粒子、次にアルミナ被覆粉体を得、更
に、同様の疎水化処理を行い、複合粒子Bを得た。
μmの酸化チタン粉末と、24重量%のケイ酸ナトリウ
ム水溶液200mlを混合し、懸濁液を得た。次に、上記
懸濁液に、スパン系非イオン性界面活性剤を2重量%含
むベンゼン300mlを加え、乳化させて油中水分散型エ
マルジョンを得た後、このエマルジョンに20重量%の
硫酸アンモニウム水溶液を添加し、ケイ酸ナトリウムと
反応させて、内部に酸化チタンの粉末を分散する酸化ケ
イ素を得た。更に、この粒子をろ別、水洗し、メタノー
ルで洗浄後、100℃で1時間乾燥して、平均粒子径が
約6μmの内部に酸化チタンの粉末が分散された酸化ケ
イ素を得た。次に、100gの上記酸化チタンを含む母
材粒子に、酸化ジルコニウムゾル(単分散“トレセラ
ム”ゾルZS−OA;東レ(株)社製)を酸化ジルコニ
ウムが20gになるように加え、更に水を加えて400
mlとし、90℃で2時間攪拌、加熱し、更に濾過、水洗
し、100℃で1時間乾燥した。次に、乾燥後、空気中
にて400℃で5時間焼成し、内部に酸化チタンの粉末
を分散する酸化ケイ素からなる母材粒子の表面に酸化ジ
ルコニウムを担持した担持母材粒子を得た。 (酸化アルミニウム処理工程)次に、得られた担持母材
粒子50gを、アルミン酸ソーダ4gが溶解した水溶液
に分散させ、これに硫酸を加えて加水分解することによ
り複合粒子表面に水酸化アルミニウムを析出させた。次
に粉体をろ別し、水洗後乾燥させ、水酸化アルミニウム
処理複合粉体を得た。これを更に600℃で1時間焼成
し、アルミナ被覆粉体を得た。次の疎水化処理工程は実
施例1と同様の方法にて行い、複合粒子Cを得た。
実施例3と同様の方法に従い行った。次に、丸底フラス
コ(又はニーダー)に当該アルミナ被覆粉体50gを入
れ、これにメチルハイドロジェンポリシロキサン2gと
ヘキサン500gを加えて分散させ、160℃で6時間
処理し、複合粒子Dを得た。
と同様の方法に従い、複合粉体Eを得た。
ついて、撥水性、撥油性及び使用感触を下記評価方法に
より評価した。その結果を表1に示す。 (撥水性の評価方法)30ml用ビーカーに水15mlを入
れ、その水の上に各粉体約0.05gを浮かせ、ビーカ
ーを揺すって水中への粉体の分散性を観察し、下記の評
価基準により評価した。
散した。 2:ビーカーを揺すると1分後水が白く濁ったが、水に
浮いた粉体もみられた。 3:ビーカーを揺すると1分後水が白く濁ったが、水に
浮いた粉体も多い。 4:ビーカーを揺すると1分後水が白く濁らないし、水
に分散した粉体も認められなかった。 5:1分以上ビーカーを揺すっても水に分散する粉体は
認められなかった。
ランを30ml用ビーカーに入れた以外は撥水性の評価方
法の場合と同様にして評価を行った。 (感触の評価方法)専門パネラー5名によって、粉体の
平滑感、きしみ感、ざらつき感等の粉体の感触を以下に
示す1〜5の5段階に評価させ、その平均値で示した。
尚、未処理粉体の感触を、標準値3.0とした。 1:平滑感等の感触が悪い。 2:平滑感等の感触がやや悪い。 3:ふつう(未処理粉体と同等) 4:平滑感等の感触がややよい。 5:平滑感等の感触がよい。
〜(3)を添加しディスパーで分散させた。これに水相
(7)〜(11)を攪拌しながら添加して乳化し、下記
組成の二層型液状ファンデーションを製造し、これらの
ファンデーションについて化粧持ち、経時後の均一な仕
上り感を下記評価法により評価した。
ト100gを入れ、イオン交換水500mlを加えた後、
これにパーフルオロアルキルリン酸エステルジオキシエ
チルアミン塩〔一般式(3)において、Rf=炭素数6
〜18で、平均炭素数が9であるパーフルオロアルキル
基、M=−H・NH(CH2CH2OH) 2、n=2、2
>m>1の化合物〕の約17.5%水溶液33gを加
え、40℃で攪拌した。次いで、1N−塩酸40mlを加
えて水溶液のpHを3以下に下げ、粉体表面にパーフルオ
ロアルキルリン酸を析出させた後、これを濾過、水洗、
乾燥してフッ素化合物処理粉体105gを得た。セリサ
イトを酸化チタン、酸化鉄(赤、黄、黒)、カオリン、
マイカ、赤色202号、タルク、雲母チタン、酸化アル
ミニウム又は硫酸バリウムに代える以外は同様の操作を
行い、それぞれフッ素化合物処理粉体を得た。
ト150gを入れ、これにジヘプタデカフルオロデシル
リン酸〔(C8F17C2H4O)2PO(OH)〕7.5g
をイソプロピルアルコール1500gに加熱溶解(50
℃)しておいたものを加え、60℃にてイソプロピルア
ルコールを減圧留去し、乾燥してフッ素化合物処理粉体
155gを得た。セリサイトをタルク、ベンガラ、酸化
鉄(赤、黄、黒)、酸化チタン、マイカ、カオリン、雲
母チタン、群青又は紺青に代える以外は同様の操作を行
い、それぞれフッ素化合物処理粉体を得た。
仕上がり感を10人の専門パネラーにより、官能評価を
行い、次の基準により評価した。 ○・・・8人以上が良いと答えた。 △・・・4人〜7人が良いと答えた。 ×・・・4人未満が良いと答えた。
経時での均一な仕上がりの優れた二層型液状ファンデー
ションであった。
した。
で攪拌混合し、これに(4)を吹きつけ、更に攪拌して
目的の粉白粉を得た。
により製造した。 (製法)(1)〜(2)を混合し、粉砕機に通して粉砕
した。これを高速ブレンダーに移し、(3)〜(6)を
加熱混合し均一にしたものを加えて更に混合し、均一に
した。これを粉砕機で処理し、ふるいを通し粒度をそろ
えた後、数日間放置してから金皿などの容器中に圧縮成
形して目的のパウダーファンデーションを得た。
した。
した後、雲母チタンを混合し、高速ブレンダーに移し、
成分(3)〜(8)を加熱混合し、均一にしたものを加
え更に混合し均一にした。これを粉砕機で処理し、ふる
いを通し粒度を揃えた後、数日間放置してから金皿など
の容器に圧縮成形して目的のパウダーアイシャドーを得
た。
ン) 以下に示す組成の両用パウダーファンデーションを、実
施例7と同様にして製造した。
5と同様にして製造した。
により製造した。 (製法)成分(6)〜(10)を均一になるように混合
したものに成分(11)及び(12)をディスパーで分
散させた。これを攪拌下成分(1)〜(5)の水性成分
に添加して乳化し、目的のサンスクリーンクリームを得
た。
ン) 以下の配合のクリーム状ファンデーションを、次の方法
により製造した。 (製法)成分(1)〜(5)を混合し、加熱溶解する。
これに成分(6)及び(7)をディスパーで分散させ
る。この中に加熱した成分(9)〜(14)の混合物
を、攪拌下徐々に添加して乳化する。その後ほぼ30℃
に冷却し成分(8)及び(15)を加え、更に室温まで
冷却して目的のクリーム状ファンデーションを得た。
防止効果があり撥水・撥油性に優れ、化粧持ちが極めて
向上した化粧料である。
Claims (6)
- 【請求項1】 内部に酸化チタン又は酸化亜鉛の粉末が
分散され、表面に酸化ジルコニウム粉末を担持した樹脂
粉末又は酸化ケイ素粉末を、酸化アルミニウムで表面処
理した後、更にその表面が疎水化処理されたことを特徴
とする複合粒子。 - 【請求項2】 樹脂粉末がナイロン樹脂、ポリエチレン
樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂及びシリコー
ン樹脂の粉末から選ばれる1種以上である請求項1記載
の複合粒子。 - 【請求項3】 酸化アルミニウムの表面処理が当該酸化
ジルコニウムの粉末を担持した粒子と硫酸アルミニウ
ム、アルミン酸ソーダ及び塩化アルミニウムの1種以上
の水溶液を混合し、これに酸性又は塩基性沈殿剤溶液を
添加し、水酸化アルミニウムを当該粒子表面に析出させ
た後水洗、乾燥するものである請求項1又は2記載の複
合粒子。 - 【請求項4】 酸化アルミニウムの表面処理が当該酸化
ジルコニウムの粉末を担持した粒子と酸化アルミニウム
の粉末を攪拌混合するものである請求項1又は2記載の
複合粒子。 - 【請求項5】 疎水化処理がシリコーン油、脂肪酸金属
塩、アルキルリン酸、アルキルリン酸のアルカリ金属塩
又はアミン塩、N−モノ長鎖脂肪族アシル塩基性アミノ
酸及びパーフルオロアルキル基を有するリン酸エステル
から選ばれる1種以上の疎水化剤を用いて行うものであ
る請求項1〜4のいずれか1項記載の複合粒子。 - 【請求項6】 請求項1記載の複合粒子を含有する化粧
料。
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- 1995-07-21 JP JP7185099A patent/JP3072030B2/ja not_active Expired - Fee Related
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