JP2008094788A - 着色剤含有樹脂粉末及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 熱可塑性樹脂中に着色剤が0.1〜80質量%含有された、重量平均粒子径が0.2〜100μmの着色母粒子の表面に、個数平均粒子径が10〜200nmの微粒子が付着した着色剤含有樹脂粉末。熱可塑性樹脂が、主としてメタクリル酸アルキル、メタクリル酸、及びアクリル酸アルキルからなり、融点が60〜150℃である熱可塑性アクリル樹脂であることが好適である。
【選択図】 なし
Description
また、着色剤が化粧料基剤中の他の成分に影響を及ぼすこともある。例えば、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛などの無機系着色剤は、水系において経時的に金属イオンを溶出し、そのイオンがポリアクリル酸ナトリウムなどの高分子増粘剤とイオン交換すると、高分子増粘剤が溶解度を失って粘度が著しく低下し、使用感触が悪くなったり、クリーミングや層分離などを引き起こすことが知られている。
従って、着色剤自体の変色や、着色剤が化粧料成分に及ぼす影響を低減することが望まれている。
特許文献1では顔料を含む熱可塑性樹脂溶融混錬物を冷媒中で噴霧して冷却固化し、0.5〜70μmの複合化粒子を得ている。しかしながら、このような方法では、製造には特段の設備が必要となり、また噴霧性の調節も容易ではない。
特許文献2では、球状粉体とするために、熱可塑性樹脂と相溶性のない分散媒中に、色素を含む熱可塑性樹脂の溶融混錬物を溶融状態のままで微細に分散させ、これを冷却固化後に固液分離して0.1〜10μmの粉体を得ている。しかしながら、球状粉体はのびなどにおいて一般的に有利であるが、この方法では、色素と熱可塑性樹脂の親和性によっては分散媒中への色素のロスが生じ、また分散媒使用により工程が煩雑化しコストも高くなる。
また、化粧料として均一に配合できるような流動性の良好な着色剤含有樹脂粉末ではなかった。
さらに特定の熱可塑性樹脂を用いれば、粉砕性、安定性、安全性、使用感などに優れる着色剤含有樹脂粉末が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかる着色剤含有樹脂粉末は、熱可塑性樹脂中に着色剤が0.1〜80質量%含有された、重量平均粒子径が0.2〜100μmの着色母粒子の表面に、個数平均粒子径が10〜200nmの微粒子が付着した着色剤含有樹脂粉末である。
本発明において、前記熱可塑性樹脂が、主としてメタクリル酸アルキル、メタクリル酸、及びアクリル酸アルキルからなり、融点が60〜150℃である熱可塑性アクリル樹脂であることが好適である。
また、前記アクリル樹脂中、メタクリル酸アルキルが30〜80質量%、メタクリル酸が10〜20質量%、アクリル酸アルキルが5〜55質量%であることが好適である。
また、前記熱可塑性樹脂としてポリエステルを含有することができ、該ポリエステルが、ビスフェノールA誘導体をモノマーとして用いないポリエステルであることが好適である。
また、前記熱可塑性樹脂としてポリエステルを含有することができ、該ポリエステルが、有機スズを含まないポリエステルであることが好適である。
また、前記着色剤含有樹脂粉末が存在する相が水性媒体であるとき、前記微粒子が親水性であることが好適である。
また、前記着色剤含有樹脂粉末が存在する相が油性媒体であるとき、前記微粒子が疎水化処理を施されていることが好適である。
本発明にかかる着色剤含有樹脂粉末は、化粧料に好適に配合できる。
また、熱可塑性樹脂中に着色剤を分散した着色母粒子を、該熱可塑性樹脂が溶解しない液状媒体中で洗浄した後に、該着色母粒子の表面に前記微粒子を付着させることにより製造できる。
また、無機微粒子が付着した着色母粒子を、着色母粒子を構成する熱可塑性樹脂が溶解しない液状媒体中で洗浄することにより製造できる。
また、熱可塑性樹脂とともに着色剤を混練し、樹脂によって処理された着色剤を調製し、得られた処理着色剤を粉砕して得られる着色母粒子の表面に前記微粒子を付着させることにより製造できる。
また、有機溶剤に熱可塑性樹脂を溶解し、着色剤を分散した後に水系媒体中で乳化し、有機溶剤を除去した後に適宜洗浄、乾燥をおこなって得られる着色母粒子の表面に前記微粒子を付着させることにより製造できる。
また、有機溶剤に熱可塑性樹脂を溶解し、着色剤を分散した後に樹脂微粒子の存在する水系媒体中で乳化し、有機溶剤を除去した後に適宜洗浄、乾燥をおこなって得られる表面に樹脂微粒子の付着した着色母粒子を得、その着色母粒子表面に前記微粒子を付着させることにより製造できる。
粉砕性評価基準
×:全く粉砕できない(粒子径2mm以上)
△:粉砕できるが不十分(粒子径0.5mm以上2mm未満)
○:十分に粉砕できる(粒子径0.5mm未満)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
樹脂* 融点(℃) 粉砕性
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ポリエチレン(PE) 120〜140 ×
ポリプロピレン(PP) 130 ×
アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS) 120 ×
アクリル樹脂(PMMA) 180 △
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
*PE:三井化学(株)製 Hizex
PP:三洋化成(株)製 ビスコール660P
ABS:旭化成(株)製 マタイラック−ABS樹脂
PMMA:溶液重合により調製したPMMA(重量平均分子量15万)
このように、何れの樹脂も粉砕性が低く、エミーデ粉砕機のような粉砕力の小さな粉砕機では、例え粉砕時間を長くしても、0.5mm未満に粉砕することができなかった。また、ジェットミルのような強力な粉砕機を用いても、0.5mm未満に粉砕することは困難であった。
本発明のアクリル樹脂において、メタクリル酸アルキルのアルキル基としては、炭素数1〜4の直鎖あるいは分岐のアルキル基が挙げられ、特にメチルが好適である。
アクリル酸アルキルのアルキル基としては、炭素数5〜10の直鎖あるいは分岐のアルキル基が挙げられ、特に2−エチルヘキシル、n−ブチル、プロピルが好適である。
下記表2に、本発明にかかるアクリル樹脂であるMMA/2EHA/MAA(メタクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル/メタクリル酸=50/10/40、質量比)の粉砕性を示す。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
樹脂* 融点(℃) 粉砕性
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
MMA/2EHA/MMA 120 ○
PMMA 180 △
MMA/MAA 250 ×
MMA/2EHA 150 △
MAA/2EHA 200 ×
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
*MMA/2EHA/MMA:ジョンソンポリマー JDX−3000
PMMA:溶液重合により調製したPMMA(重量平均分子量15万)
MMA/MAA:溶液重合により調製したコポリマー、比率50/50(重量比)
(重量平均分子量20万)
MMA/2EHA:溶液重合により調製したコポリマー、比率90/10(重量比)
(重量平均分子量20万)
MAA/2EHA:溶液重合により調製したコポリマー、比率90/10(重量比)
(重量平均分子量20万)
また、アクリル酸アルキル(アクリル酸2−エチルヘキシル)を含むことで融点が格段に低下し、このため溶融混錬を比較的低温で行うことができ、着色剤への加熱による影響も低減できる。本発明においては、溶融混錬時における着色剤への熱の影響や製造のしやすさの点から熱可塑性アクリル樹脂融点(または軟化点)は150℃以下であることが好ましい。
A−(OH)m (1)
[式中、Aは炭素数1〜20のアルキル基、アルキレン基を表す。mは2〜4の整数を表す。]
で表される1種若しくは2種以上のポリオールと、下記一般式(2)
B−(COOH)n (2)
[式中、Bは炭素数1〜20のアルキル基、アルキレン基、置換基を有していてもよい芳香族基若しくはヘテロ環芳香族基を表す。nは2〜4の整数を表す。]
で表される1種若しくは2種以上のポリカルボン酸とをポリエステル化したものが好適である。
非晶質樹脂においては、樹脂の硬さや粘度の温度変化に関わる物性値として、一般にTg(ガラス転移温度)という温度が用いられる。しかし、実際に実用的な面で重要になってくるのは、Tg付近では硬い樹脂が、温度の上昇に伴って粘度が急激に小さくなる「軟化温度」である。混錬法による混錬工程では、基本的に軟化温度以上の状態で着色剤を混合混錬するものであるから、軟化温度は非常に重要な役割を持ち、着色剤含有樹脂粉末の製造における混錬工程では軟化温度以上の温度で行う必要がある。
従って、軟化温度を基準に考えた場合、化粧料用途の着色剤含有樹脂粉末を構成する樹脂の軟化温度は、製造適性及び品質保証の点から、100〜180℃であることが必要である。このとき、広めに考えて、Tgはおよそ20℃〜120℃、溶着温度は60℃〜160℃の範囲内と想定され、化粧料の安定性保証温度、さらには製造温度が確保される。
(1)熱可塑性樹脂を融点(または軟化点)以上に加熱して溶融(または軟化)させる。
(2)溶融(または軟化)状態で着色剤を十分に混錬する。
(3)混錬物を冷却固化する。
(4)固化物を粉砕して10〜100μmの粉末(着色母粒子)とする。
(5)必要であれば分級して粒度を整える。
(6)微粒子と混合し、着色母粒子の表面に付着させる。
混錬は公知の手段により行えばよい。例えば、二軸押出機、ディスク型押出機、ニーダー等の混錬機で加熱しながら機械的剪断力により着色剤と熱可塑性樹脂の混合物を混錬することができる。
混錬物を冷却固化した固化物の粉砕も、公知の手段により行えばよい。例えば、ローラー式、衝撃式、媒体式、気流式などの各種粉砕機を用いることができる。また、必要であれば固化物を粗粉砕してから微粉砕を行ってもよい。
また、粉砕後は、必要に応じて分級を行うことができる。
有機溶剤中に得られた混練物を通常のインぺラーによる攪拌や、必要に応じてボールミル、サンドミル、ホモジナイザーなどによって溶解、分散し、水系媒体中で乳化、分散する。その際、ホモミキサー(特殊機化社製)、エバラマイルダー(荏原製作所製)、クレアミックス(エムテクニック社製)などの乳化装置が用いられる。この時の混練物の有機溶剤に対する濃度や水系媒体と混練物が分散された有機溶媒相の量比や乳化分散時の回転数、時間を制御する事によって所望の液滴径と粒度分布にする事ができる。混練物と有機溶剤の重量比は1対10から1対1の間で、水系媒体と混練物が分散された有機溶媒相の重量比は10対1から1対1の間で適宜好ましく選択されるがもちろんこの範囲外でも良い。
また、水に難溶の無機化合物分散剤としてリン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイトなども用いる事ができる。
ビニル系樹脂は、ビニル系モノマーを単独重合または共重合したポリマーである。ビニル系モノマーとしては、下記(1)〜(10)が挙げられる。
(1−1)脂肪族ビニル系炭化水素:アルケン類、例えばエチレン、プロピレンレン、ブテン、イソブチレン、ぺンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン、前記以外のα一オレフィン等;アルカジエン類、例えばブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン。
(1−2)脂環式ビニル系炭化水素:モノ−もしくはジ−シクロアルケンおよびアルカジエン類、例えばシクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ビニルシクロヘキセン、エチリデンビシクロヘプテン等;テルペン類、例えばピネン、リモネン、インデン等。
炭素数3〜30の不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸ならびにその無水物およびそのモノアルキル(炭素数1〜24)エステル、例えば(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、フマル酸モノアルキルエステル、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキルエステル、イタコン酸グリコールモノエーテル、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエステル、桂皮酸等のカルボキシル基含有ビニル系モノマー。
炭素数2〜14のアルケンスルホン酸、例えはビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、メチルビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸;およびその炭素数2〜24のアルキル誘導体、例えはα−メチルスチレンスルホン酸等;スルホ(ヒドロキシ)アルキル−(メタ)アクリレートもしくは(メタ)アクリルアミド、例えば、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−(メタ)アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、アルキル(炭素数3〜18)アリルスルホコハク酸、ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(エチレン、プロピレン、ブチレン:単独、ランダム、ブロックでもよい)モノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル[ポリ(n=5〜15)オキシプロピレンモノメタクリレート硫酸エステル等]、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル、および下記一般式(3−1)〜(3−3)で示される硫酸エステルもしくはスルホン酸基含有モノマー;ならびそれらの塩等。
(メタ)アクリロイルオキシアルキル(C1〜C24)燐酸モノエステル、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート、フェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数1〜24)ホスホン酸類、例えば2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸、なお、上記(2)〜(4)の塩としては、例えばアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アンモニウム塩、アミン塩もしくは4級アンモニウム塩が挙げられる。
ヒドロキシスチレン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、2−ブテン−1,4−ジオール、プロパルギルアルコール、2一ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、庶糖アリルエーテル等。
(6−1)アミノ基含有ビニル系モノマー:アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルーアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、N−アミノエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アリルアミン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、クロチルアミン、N,N−ジメチルアミノスチレン、メチルα−アセトアミノアクリレート、ビニルイミダゾール、N−ビニルピロ一ル、N−ビニルチオピロリドン、N−アリールフェニレンジアミン、アミノカルバゾール、アミノチアゾール、アミノインドール、アミノピロール、アミノイミダゾール、アミノメルカプトチアゾール、これらの塩等。
(6−4)4級アンモニウムカチオン基含有ビニル系モノマー:ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジアリルアミン等の3級アミン基含有ビニル系モノマーの4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの)。
(6−5)ニトロ基含有ビニル系モノマー:ニトロスチレン等。
グルシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、p−ビニルフェニルフェニルオキサイド等。
(8)ハロゲン元素含有ビニル系モノマー:
塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド、クロルスチレン、ブロムスチレン、ジクロルスチレン、クロロメチルスチレン、テトラフルオロスチレン、クロロプレン等。
(9−1)ビニルエステル、例えば酢酸ビニル、ビニルブチレート、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、メチル4−ビニルベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、エチルα−エトキシアクリレート、炭素数1〜50のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート等]、ジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ポリ(メタ)アリロキシアルカン類[ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエタン等]等、ポリアルキレングリコール鎖を有するビニル系モノマー[ポリエチレングリコール(分子量300)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(分子量500)モノアクリレート、メチルアルコールエチレンオキサイド10モル付加物(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールエチレンオキサイド30モル付加物(メタ)アクリレート等]、ポリ(メタ)アクリレート類[多価アルコール類のポリ(メタ)アクリレート:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート箏]等。
(10)その他のビニル系モノマー:イゾシアナトエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等。
(i)ビニル系樹脂の場合において、モノマーを出発原料として、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法または分散重合法等の重合反応により、直接、樹脂微粒子の水性分散液を製造する方法。
(ii)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加あるいは縮合系樹脂の場合において、前駆体(モノマー、オリゴマー等)またはその溶剤溶液を適当な分散剤存在下で水性媒休中に分散させ、その後に加熱したり、硬化剤を加えたりして硬化させて樹脂微粒子の水性分散体を製造する方法。
(iv)あらかじめ高分子化反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっても良い)により作成した樹脂を機械回転式またはジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級することによって樹脂粒子を得た後、適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法。
(vi)あらかじめ高分子化反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっても良い)により作成した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液に溶剤を添加するか、またはあらかじめ溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより樹脂粒子を析出させ、次いで、溶剤を除去して樹脂粒子を得た後、該樹脂粒子を適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法。
(viii)あらかじめ高分子化反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっても良い)により作成した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法。
樹脂微粒子の体積平均粒径は、所望の粒径の着色母粒子を得るのに適した粒径になるように、上記粒径比の範囲で適宜調整することができる。例えば、体積平均粒子径5μmの着色母粒子を得たい場合には、好ましくは0.0025〜1.5μm、特に好ましくは0.005〜1.0μmの範囲、10μmの着色母粒子を得た場合には、好ましくは0.005〜3μm、特に好ましくは0.05〜2μmである。なお、体積平均粒径は、レーザー式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所製)やマルチサイザーII(コールター社製)で測定できる。
分級操作は液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことができる。もちろん乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行っても良いが、液体中で行うことが効率の面で好ましい。得られた不要の微粒子、または粗粒子は再び混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。その際微粒子、または粗粒子はウェットの状態でも構わない。
用いた分散剤は得られた分散液からできるだけ取り除くことが好ましいが、先に述べた分級操作と同時に行うのが好ましい。
例えば、無機系着色剤として、無機白色顔料(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛等);無機赤色系顔料(例えば、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等);無機褐色系顔料(例えば、γ−酸化鉄等);無機黄色系顔料(例えば、黄酸化鉄、黄土等);無機黒色系顔料(例えば、黒酸化鉄、低次酸化チタン等);無機紫色系顔料(例えば、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等);無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等);無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等);パール顔料(例えば、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等);金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等);その他無機粉末(例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等)など);等が挙げられる。
これら着色剤は、公知の方法により表面処理されたものでもよい。
樹脂粉末中における着色剤含有量は特に制限されず、適宜設定可能であるが、通常は0.1〜80質量%、好ましくは5〜70質量%である。
前記マスターバッチはマスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合、混練してマスターバッチを得る事ができる。この際着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いる事ができる。また、いわゆるフラッシング法と呼ばれる、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いる事ができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
この溶融混練は、バインダー樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが重要である。具体的には、溶融混練温度は、樹脂の軟化点を参考に行うべきであり、軟化点より低温過ぎると切断が激しく、高温過ぎると着色剤の分散が進まない。
この粉砕工程が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中で分級し、もって所定の粒径、例えば平均粒径が5〜20μmの着色母粒子を製造する。
よって、着色剤は他の化粧料成分、光、湿気、pH変化などの影響から遮断されるので、変色などを防止することができる。
また、着色剤からの金属イオンなどの溶出も防止することができる。
本発明の化粧料には上記した着色剤含有樹脂粉末の他に、通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる他の成分、例えば、粉末成分、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、シリコーン、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、水溶性高分子、増粘剤、皮膜剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調製剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料、水等の1種以上を必要に応じて適宜配合し、目的とする剤形に応じて常法により製造することができる。
製造例1 リソールルビンBCA含有樹脂粉末の製造
リソールルビンBCAの乾燥体30質量部と、MMA/2EHA/MMA樹脂(ジョンソンポリマー JDX−3000)70質量部とを、ブスコニーダー(ブスジャパン製)を用いて150℃で溶融混錬し、その後冷却した。固化物をIDS−2型ジェットミル(日本ニューマチック社製)により粉砕し、着色母粒子(重量平均粒子径5.2μm)を得た。平均粒子径は、マルチサイザー3(ベックマンコールター社製)により測定した。
得られた着色母粒子100質量部と、無機微粒子として疎水性シリカR972(一次粒子径16nm、日本アエロジル社製)1.0質量部とを、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)により周速15m/sで5分間混合し、目開き50μmの篩を通過させることにより粗大粒子や凝集物を取り除いて、着色剤含有樹脂粉末を得た。
リソールルビンBCAは、結晶水の有無によってα型、β型に結晶転移し、異なる色調を示すことが知られている赤色系有機顔料である。その結晶形はX線回折によって特定できる。
そこで、上記リソールルビンBCA含有樹脂粉末、及び原料として用いたリソールルビンBCA乾燥体について、それぞれ水処理(50℃1日処理)を行い、その前後でX線回折を行って、水の影響を調べた。
図1(a)はリソールルビンBCA乾燥体、図1(b)はリソールルビンBCA含有樹脂粉末の水処理前後のX線回折図をそれぞれ示している。
図1(a)から、リソールルビンBCA単独では、水処理でβ型からα型に転移していることがわかる。
これに対して、図1(b)のように、本発明の樹脂粉末では水処理によってもX線回折図に変化は認められず、β型に維持されていた。
下記表3の処方で常法によりW/O化粧料を製造した。得られた化粧料を透明なバイアル瓶に入れて、室温にてキセノンランプを30時間照射した。各化粧料について、照射前後の色差をX−Rite938(X−rite社製)により測定した。
表3のように、樹脂に包含された着色剤を配合した本発明の化粧料(試験例2−1)は、着色剤そのものを配合した化粧料(試験例2−2)に比べて、色調の変化が抑制された。
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成分 試験例2−1 試験例2−2
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着色剤含有樹脂粉末(製造例1) 1 −
リソールルビンBCA乾燥体 − 0.3
酸化チタン 10 10
SC9450N 4 4
A67 2 2
デカメチルシクロペンタシロキサン 残余 残余
イオン交換水 64 64
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成分合計 100 100
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
色差(△E) 10.4 23.9
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
製造例1においてリソールルビンBCAとMMA/2EHA/MMA樹脂との比率を変えてリソールルビンBCA含有樹脂粉末を同様に製造した。この樹脂粉末を用いてプレストアイシャドウを調製し、前記試験例2と同様にキセノンランプ照射を行った。比較例として、リソールルビンBCA含有樹脂粉末の代わりにリソールルビンBCA乾燥体を配合したアイシャドウを調製し、同様に照射した。アイシャドウの処方は次の通りであり、各アイシャドウ中におけるリソールルビンBCA濃度が何れも0.1質量%となるように、配合量をタルクで調整した。
―――――――――――――――――――――――――――――
タルク 残余
マイカ 10
雲母チタン 40
酸化チタン 10
半固型油分 3
トリエチルヘキサノイン 3.98
セスキイソステアリン酸ソルビタン 1
着色剤含有樹脂粉末* 0.2〜1
―――――――――――――――――――――――――――――
計 100.0 質量%
―――――――――――――――――――――――――――――
*リソールルビンBCAとして0.1質量%となるよう配合
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
試験例 着色剤 色差(△E)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
3−1 着色剤含有樹脂粉末(着色剤10%) 0.52
3−2 着色剤含有樹脂粉末(着色剤20%) 0.64
3−3 着色剤含有樹脂粉末(着色剤50%) 0.34
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
3−4 リソールルビンBCA乾燥体(比較例) 1.15
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
Claims (18)
- 熱可塑性樹脂中に着色剤が0.1〜80質量%含有された、重量平均粒子径が0.2〜100μmの着色母粒子の表面に、個数平均粒子径が10〜200nmの微粒子が付着した着色剤含有樹脂粉末。
- 前記熱可塑性樹脂が、主としてメタクリル酸アルキル、メタクリル酸、及びアクリル酸アルキルからなり、融点が60〜150℃である熱可塑性アクリル樹脂であることを特徴とする請求項1記載の着色剤含有樹脂粉末。
- 前記メタクリル酸アルキルがメタクリル酸メチルであり、前記アクリル酸アルキルがアクリル酸2−エチルヘキシルであることを特徴とする請求項1又は2記載の着色剤含有樹脂粉末。
- 前記アクリル樹脂中、メタクリル酸アルキルが30〜80質量%、メタクリル酸が10〜20質量%、アクリル酸アルキルが5〜55質量%であることを特徴とする前記1〜3の何れか1項に記載の着色剤含有樹脂粉末。
- 前記熱可塑性樹脂としてポリエステルを含有し、該ポリエステルが、ビスフェノールA誘導体をモノマーとして用いないポリエステルであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の着色剤含有樹脂粉末。
- 前記熱可塑性樹脂としてポリエステルを含有し、該ポリエステルが、有機スズを含まないポリエステルであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の着色剤含有樹脂粉末。
- 前記微粒子が、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、又はこれらの混合物よりなり、前記着色母粒子に対し0.5〜5質量%付着していることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の着色剤含有樹脂粉末。
- 前記微粒子が親水性の、水性媒体添加用であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の着色剤含有樹脂粉末。
- 前記微粒子が疎水化処理を施されている、油性媒体添加用であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の着色剤含有樹脂粉末。
- 請求項1〜9の何れかに記載の着色剤含有樹脂粉末を配合した化粧料。
- 熱可塑性樹脂中に着色剤を分散した着色母粒子を、減圧又は常圧下で熱可塑性樹脂の軟化温度以下の温度により熱処理を行った後に、該着色母粒子の表面に前記微粒子を付着させることを特徴とする着色剤含有樹脂粉末の製造方法。
- 熱可塑性樹脂中に着色剤を分散した着色母粒子を、該熱可塑性樹脂が溶解しない液状媒体中で洗浄した後に、該着色母粒子の表面に前記微粒子を付着させることを特徴とする着色剤含有樹脂粉末の製造方法。
- 無機微粒子が付着した着色母粒子を、着色母粒子を構成する熱可塑性樹脂が溶解しない液状媒体中で洗浄することを特徴とする着色剤含有樹脂粉末の製造方法。
- 熱可塑性樹脂とともに着色剤を混練し、樹脂によって処理された着色剤を調製し、得られた処理着色剤を粉砕して得られる着色母粒子の表面に前記微粒子を付着させることを特徴とする着色剤含有樹脂粉末の製造方法。
- 熱可塑性樹脂とともに着色剤を混練し、樹脂によって処理された着色剤を調製し、前記熱可塑性樹脂と同一又は異なる熱可塑性樹脂と、前記処理された着色剤をさらに混練し、粉砕して得られる着色母粒子の表面に前記微粒子を付着させることを特徴とする着色剤含有樹脂粉末の製造方法。
- 有機溶剤に熱可塑性樹脂を溶解し、着色剤を分散した後に水系媒体中で乳化し、有機溶剤を除去した後に適宜洗浄、乾燥をおこなって得られる着色母粒子の表面に前記微粒子を付着させることを特徴とする着色剤含有樹脂粉末の製造方法。
- 有機溶剤に熱可塑性樹脂を溶解し、着色剤を分散した後に樹脂微粒子の存在する水系媒体中で乳化し、有機溶剤を除去した後に適宜洗浄、乾燥をおこなって得られる表面に樹脂微粒子の付着した着色母粒子を得、その着色母粒子表面に前記微粒子を付着させることを特徴とする着色剤含有樹脂粉末の製造方法。
- 熱可塑性樹脂とともに着色剤を混練し、樹脂によって処理された着色剤を調製し、有機溶剤に前記熱可塑性樹脂と同一又は異なる熱可塑性樹脂と、前記処理された着色剤を溶解、分散した後に水系媒体中で乳化し、有機溶剤を除去した後に適宜洗浄、乾燥をおこなって得られる着色母粒子の表面に前記微粒子を付着させること特徴とする着色剤含有樹脂粉末の製造方法。
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