JP3643057B2 - 高解像度トナー製造用微粒子樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

高解像度トナー製造用微粒子樹脂組成物及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷等の静電潜像現像用トナー組成物、及びトナーの製造するに使用される微粒子樹脂組成物、及びその製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、高解像度カラー電子写真、静電記録、静電印刷に使用するための着色剤及びその他の成分を含んでいるトナー粒子として適当な大きさの樹脂粒子を製造する方法に関する。本発明は、本明細書において参考文献として引用した2000年5月16日付で出願された米国特許出願第09/571,772号と関連している。
【0002】
【従来の技術】
静電気的方法により光電導性物質の表面上で画像を現像し、形成する方法は、広く知られている。基本的な電子写真現像法(米国特許第2,297,691号)は、光電導体あるいは感光体と知られている光電導性絶縁層に均一な静電荷を誘導し、その感光体を露光した後、画像を光から遮断し、感光体の露光した部分の電荷を消去した後、微細に分割されたエレクトロスコーピック(Electroscopic)トナー物質を前記画像に転写することにより生成された静電潜像を現像することからなっている。
【0003】
かかるトナーは、通常、感光体の電荷を保有している部分に吸着され、静電潜像に相応するトナー画像を形成するようになる。このように現像された画像は、紙のような基材に転写される。その後、転写された画像は、加熱、加圧、加熱と加圧の組み合せ、あるいは溶媒処理や保護用コーティング処理のような別の定着方法を通じて基材に固着される。
【0004】
また、このような静電画像を現像する技術も広く知られている。現像剤は、荷電されたカラートナー粒子が分散されたキャリアである。静電潜像をもった感光体は、現像剤と接触すると、現像剤中の荷電されたトナー粒子が、前記の接触を通じて感光体の荷電された領域に転写され、潜像を現像するようになる。その後、荷電されたカラー粒子が画像形態に潜像に固着されつつ、画像が現像される。前記現像された画像は、通常、紙、透明フィルムのような適切な基材に転写され、加熱、加圧あるいはその他の適当な方法により基材に定着される。
【0005】
電子写真光電導体と静電記録媒体に形成された静電画像は、一般に(1)染料あるいは顔料のような着色剤とその着色剤が分散されている樹脂を含み、必要により電荷調節剤が添加されたトナーで構成された単一タイプの乾式現像剤、あるいは(2)前記トナーと固形担体粒子を含む二成分系乾式現像剤を使用して現像される。着色した粒子を含むトナー及び現像剤組成物はよく知られており、米国特許第5,352,521号、第4,778,742号、第5,470,687号、第5,500,321号、第5,102,761号、第4,645,727号、第5,437,953号、第5,296,325号、及び第5,200,290号を参照することができる。従来の組成物は、通常、樹脂、着色剤、ワックスあるいはポリオレフィン、電荷調節剤、流動性向上剤、及びその他の添加剤からなるトナー粒子を含んでいる。典型的なトナーの組成は、樹脂90〜95重量%、着色剤2〜10重量%、ワックス0〜6重量%、電荷調節剤0〜3重量%、流動性向上剤0.25〜1重量%、その他の添加剤0〜1重量%の組成からなっている。使用される樹脂は、スチレン−アクリルコーポリマー、スチレンブタジエンコーポリマー及びポリエステルである。着色剤は、一般に、シアン顔料あるいは顔料、マゼンタ染料あるいは顔料、イエロー染料あるいは顔料及びこれらの混合物のうちから選ばれる。
【0006】
従来のカラートナーは、例えば前述の米国特許第5,102,761号では、ポリアクリレート樹脂は、顔料、電荷調節剤、ワックスと共に溶融ミキサーで混合して製造される。このとき樹脂は機械的に粉砕してから、小粒にミリングする。従来のトナー粒子は、通常、形状は不規則で、粒径は広い分布をもっている。画像と色相の最適解像度を具現するためには、粒子は小さいほど性能に優れ、例えば粒子の平均粒径が7μm以上の場合、約600dots/inch以上の解像度を得るのは難かしい。出力されたイメージが1200dots/inchの解像度を得るためには、粒径が5μm以下でなければならない。これまでの方法では、粒径は7〜10μmであり、粒子分布を狭くするのは難しい状況にある。
【0007】
従前から、粒子の大きが7μm以下の小さい粒子を得るための継続的な試みがあった。例えば、前述の米国特許第5,352,521号、第5,470,687号、及び第5,500,321号では、分散重合によりトナー粒子を製造する方法が開示されている。この方法は、単量体(主に、スチレンとアクリレート)及び顔料、CCAとワックスのような添加剤が共に混合され、分散液を作り、この分散液を水性あるいは非水性溶媒に分散させた後、単量体を反応させてトナー粒子を形成する。この方法が他の方法らより優れている点は、単一工程のみで粒径の小さい球形トナー粒子を製造することができるということである。しかし、トナー粒子中に分散溶媒が含まれ、さらに完全に重合を終結させることが困難であるため単量体がトナー粒子の中に残っている。また、重合物質の極性が重合過程中に急激に変化し、添加剤が粒子塊から漏れ出して、表面に集中する傾向がある。さらに、トナー粒子の電荷特性とその安定性を低下させる分散安定剤と界面活性剤等がトナー粒子表面に残り、これをトナー粒子からの除くのが難しい。
【0008】
出願中の米国特許出願第09/571,772号の明細書では、樹脂を溶解させない溶媒に着色剤と電荷調節剤を添加し、トナー粒子を製造する方法を提案している。
【0009】
この方法は、比較的低い分子量のトナー樹脂を製造する場合に限定されており、粒子をより効果的に製造するためには、高温と強いせん断力を要求される。さらに、この方法により製造されたトナー粒子は、滑らかな表面構造を有しており、その結果、単一成分電子写真現像システムにおいて要求される短時間に帯電できる特性が欠如する傾向がある。
【0010】
トナー組成物は、狭い粒径分布を有するのが好ましい。一般に、粒径の分布が狭いほど均一な電荷分布が可能となり、その結果、印刷された像の線解像度が増し、像の背景の点等を減少させる効果を奏することが知られている。既存のミリング方法は、狭い粒子分布を得るには不適切であるため、好ましい粒径範囲から離れる粗粒子及び細粒子をトナー組成物から除去するための追加的な分級工程を要求されている。
【0011】
粒径分布の尺度として80%スパン(Span)を用いて表現することができる。スパンは、体積基準の粒子分布度において中間の80%を占める粒子の大きさの差と分布の中央値に該当する粒子の大きさとの比で定義される。より詳しいスパンの定義は、本発明において使用した物性測定方法を記述した項で示されている。従って、スパン値が小さいことは、粒径分布が狭いことを意味することになる。前述の分級工程後に得た従来のトナー組成物のスパン値は、約1.2である。従って、特別に分級工程を経ずに1.2より小さいスパン値を有するトナー粒子を製造する方法は、大変好ましいといえる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、静電潜像現像用トナーを製造するための微粒子樹脂組成物の製造方法を提供することである。
【0013】
本発明の別の目的は、低い温度でトナー用の微粒子樹脂組成物を製造する改善された分散微粒化方法である。
【0014】
本発明の更に別の目的は、高分子量の重合体樹脂を短時間に微粒化して微粒子樹脂組成物を製造する分散微粒化方法を提供することである。
【0015】
発明の更なる目的は、樹脂、加工助剤と、任意に加えられる電荷調節剤を含み、粒径が1〜10μmで、かつ狭い粒径分布を有する球状の微粒子樹脂組成物を製造する方法を提供することである。
【0016】
本発明の別の目的及び長所は、下記の発明の説明及び実施例により明らかになる。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、静電潜像現像用トナーを製造するための高解像度トナー製造用微粒子樹脂組成物であって、(a)染料と相互作用をするに適した官能基を有する樹脂、加工助剤、任意に加えられる電荷調節剤を含む溶融状態の樹脂混合物を製造するステップと、b)有機溶剤と界面活性剤とからなり、前記樹脂に対して不溶性である有機媒質の中に、前記樹脂組成物を分散させるステップと、(c)前記有機媒質中で加温及びせん断作用により、前記樹脂組成物を粉砕し、微粒子樹脂分散液とするステップと、(d)前記微粒子樹脂分散液を加温し、前記加工助剤を蒸発除去させるステップと、(e)前記微粒子樹脂分散液より微粒子樹脂を分離するステップとからなる高解像度トナー製造用微粒子樹脂組成物の製造方法を提供する。
【0018】
また、本発明は、形状が球形であり、体積平均粒径が1〜10μm、スパン値が1.0以下であり、樹脂の平均重量分子量が3,000〜100,000である微粒子樹脂組成物を提供する。
【0019】
【発明の実施の形態】
まず、本発明で使用される各成分を、以下具体的に説明する。
【0020】
1)樹脂
本発明で使用される樹脂は、ガラス転移温度が40〜90℃、非晶性で、重量平均分子量は、加工助剤を用いることによりその範囲を拡げることができるが、一般的には3,000〜100,000である。さらに染料と相互作用をするに適した官能基を有している。
【0021】
樹脂は、ポリアミド、ポリオレフィン、スチレンアクリレート、スチレンメタアクリレート、スチレンブタジエン、架橋構造を有するポリスチレン、エチレン−シクロオレフィンコーポリマー、エポキシ樹脂、ポリウレタン、単一あるいは二成分以上からなるビニル樹脂、ジフェノールのジオールとジカルボキシル酸のエステル化反応によるポリエステル樹脂(米国特許第3,590,000号参照)等があり、前記樹脂のうち、ポリエステル樹脂、スチレンコーポリマー、特にスチレンとアクリレートとのコーポリマー、スチレンとブタジエンとのコーポリマーが好ましく選ばれる。
【0022】
特に本発明に用いる樹脂は、染料と相互作用をするに適した官能基を有しているものであり、官能基としては、ヒドロキシル基、アルコキシ基、スルホン酸基あるいはスルホン酸誘導体、ホスホン酸基あるいはホスホン誘導体基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、4級アンモニウム基などがある。
【0023】
前記樹脂の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)で測定して3,000〜100,000、より好ましくは5,000〜20,000である。線形高分子の分子量分布(Mw/Mn)は、1.5〜6、好ましくは2〜4である。示差走査熱量分析装置(DSC)による線形高分子のガラス転移温度は50〜90℃、好ましくは50〜70℃である。
【0024】
2)加工助剤
本発明における加工助剤は、前記樹脂成分に吸収され易い沸点が200℃以下の有機溶剤から選ばれる。加工助剤を使用することにより、樹脂組成物の溶融温度を低くすることができるので、加工助剤を使わなかった時より全ての製造工程を低い温度にすることができるようになる。加工助剤は、微粒子樹脂を分散させる工程で使用される有機溶剤成分に溶解されないことが好ましく、例として、アセトン、ジメチルホルムアミド、シクロへキサン、ジメチルスルホキシド、クロルベンゼン等が挙げられる。
【0025】
3)電荷調節剤
本発明で使用する電荷調節剤は、陽電荷あるいは陰電荷の電荷調節剤である。電荷調節剤は、アルキルピリジウムハライド、アルキルピリジウム化合物〔米国特許第4,298,672号〕、有機スルフェイト、スルフォネート化合物〔米国特許第4,338,390号〕、バイスルフォネート、アンモニウムバイスルフェイト、ジステアリルジメチルアンモニウムバイスルフェイト〔米国特許第5,114,821号〕、セチルピリジウム、テトラフロロボレート、ジステアリルジメチルアンモニウムメチルスルフェイト、BONTRON E−84あるいはE−88のようなアルミニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウムバイスルフェイト、アンモニウムスルフェイト等が知られており、本発明はこれらから任意に選択して使用することができる。
【0026】
4)その他添加剤−ワックスあるいはフュームドシリカ
本発明のトナー組成物には、ワックスあるいはフュームドシリカのような添加剤を添加することができる。
【0027】
ワックスは、トナーの融着を助け、転写したときのゴーストイメージをなくす役割を果たす。ゴーストイメージとは、トナーが基材上に転写される時、望まないところで融着される現象を指す。トナーが紙上に転写される過程は、本願でも示されているように、先ず、トナーがドラム上に転写され、転写されたトナーは、再び静電気的人力により、紙上に転写される。このステップにおいて、トナーは、単に紙上に物理的に置かれている状態である。従って、物理的な力が加えられるとトナーが移動することがある。高温の定着ロールを通ると、トナーが紙上に定着する。この時、トナーが紙上で融解される過程で一部のトナーが定着ロールへの望まない逆転写が起こり得る。定着ロールに逆転写されたトナーが、回転中に他の位置に転写され現れるのがゴーストイメージである。ワックスが添加されたトナーを使用すると、ワックスの剥離性がよくなり逆転写現象を抑えることができる。
【0028】
ワックスは、ポリプロピレンとポリエチレンのような低分子量のワックスを添加することができ、「EPOLENE N−15」(商品名)、あるいはEastman Chemical Products社から市販される製品を購入し使用することができる。市販されているポリエチレンの重量平均分子量は、1,000〜1,500であるが、本発明では、重量平均分子量が4,000〜7,000のものでも使用することができる。
【0029】
粉末粒子は一般に、その径が小さくなるほど、物理的な固まりが多くなるが、これは、粉末間に形成されるファンデルワールス力によるものである。このような現象を制御する最も良い方法は、粉末間に一定な距離を維持させる方法である。シリカのように非常に細かな粒子を、トナー粒子の周辺にコーティングすると、シリカ粒子がファンデルワールス力により物理的にトナー粒子に取り付き、トナー間の距離を一定に維持する役割を果たすようになる。さらに、シリカ粒子の形状が、一般には球形であるため、ベアリングのように転がり易い特性がある。このためシリカがコーティングされたトナーは、流動性がよくなる。これは、後述の流動性向上剤の代表的な例となる。
【0030】
5)有機媒質
本発明の粒子を効果的に分散させるには、樹脂を溶解させない有機媒質を使用する。有機媒質は、有機溶剤と界面活性剤を含んでいる。このうち有機溶剤は、樹脂成分を実質溶解させないものであればよいが、具体的にはその溶解度指数が、樹脂粒子の溶解度指数と1以上、さらに好ましくは2以上の差があるものが適している。有機溶剤としては、パラフィン溶媒類、ポリ(エチレングリコール)を含む溶媒が特に好ましく選ばれる。例えば、パラフィン、パラフィンエステル、パラフィンアミド、パラフィンエテル等の溶解度指数が低い非極性溶媒をポリエステル粒子と共に使用するのが好ましい。一方、水、メタノール、プロパノール、及びアセトンのような極性の比較的高い溶媒を染色工程の溶媒として選択すると、粒子間の合体現象が発生する。スチレンコーポリマーのような非極性樹脂が分散された時は、分子量1,000未満のポリエチレングリコールのような極性有機媒質を使用するのが好ましい。パラフィン、パラフィンエステル、パラフィンアミド、パラフィンエテル等の非極性溶媒をスチレンコーポリマーの分散工程に使用すると、著しい合体が発生する。
【0031】
6)界面活性剤
界面活性剤は、小さい粒子を分散させるとき二つの重要な機能をする。一つは、樹脂粒子の合体を防止することである。本発明の分散工程は、一般に樹脂のガラス転移温度の付近、あるいはそれより高い温度で行なわれる。従って、界面活性剤が存在しないと溶融状態の粒子が互いに合体しようとする傾向が強く、高解像度トナーに不適切な染色粒子が形成されるようになる。二つ目は、界面活性剤の樹脂粒子に対する相対量によって製造される粒子の大きさが定まることである。界面活性剤は、化学構造上、不溶性溶媒と溶融粒子との境界面に介在する。従って、小さい粒子を製造するには多量の界面活性剤が用いられ、大きい粒子を製造するには少量の界面活性剤が用いられる。界面活性剤は、陰イオン系、陽イオン系、あるいは非イオン系のいずれでもよい。
【0032】
非イオン性界面活性剤は、エチレンオキシドあるいはプロピレンオキシドを用いて生成することができる。ポリビニルピロリドン、アルキル化されたマレイン酸コーポリマー、エチレンオキシド官能基を含む高分子、及びプロピレンオキシド官能基を含む高分子のコーポリマーを含む高分子界面活性剤が好ましい。
【0033】
7)流動性向上剤
トナー微粒子は、流動性向上剤でコーティングすることができる。流動性向上剤は、カラートナーに使用される粒子の流動性を向上させるのに役立つ。流動性向上剤としては、微細に分級された、疎水性シリカ、酸化チタン、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等がある。これらの流動性向上剤は、乾燥混合、溶媒混合等の方法にて粒子にコーティングされる。一般に、ヘキサメチルシラゼンのような疎水性物質のフュームドシリカ(イリノイ州トスコラにあるCabot社から「Cab−O−Sil」の商品名で市販される)を、10〜60分間、タンブル(Tumble)ミキサーの中で電荷調節剤でコーティングされた粒子と混合される。
【0034】
用語の定義
1)体積平均粒径
本発明で使用されている“体積平均粒径(L)”という用語は、「パワーテクノロジーハンドブック」(Power Technology Handbook)〔K.Gotoh等、2版、Marcell Dekker Publications、1997年〕の3〜13頁に定義されている。
【0035】
本発明の微粒子トナー組成物では、総樹脂粒子の約80重量%以上が0.5×L〜1.5×Lの範囲の粒径を有する粒子を使用するのが好ましい。これにより、粒径分布が狭く、粒子内に均一な電荷をもち、かつ均一に染色されたトナー粒子となり、高品質の複写画像を実現し、現像の際の電荷調節が容易になる。
【0036】
本発明における粒径分布は、市販されるCoulter LS粒径測定器(Coulter Electronics Co.,Ltd.、フロリダー州セントピッツバーグ所在)を使用して測定できる。
【0037】
本発明で使用されている“体積平均粒子の大きさ(L)”という用語は、「パワーテクノロジーハンドブック」(Power Technology Handbook)〔K.Gotoh等、2版、Marcell Dekker Publications、1997年〕の3〜13頁に定義されている。
【0038】
本発明の微粒子トナー組成物では、総樹脂粒子の約80重量%以上が0.5×L〜1.5×Lの範囲の粒径分布を有する粒子を使用するのが好ましい。これにより、粒径分布が狭く、粒子内に均一な電荷をもち、かつ均一に染色されたトナー粒子となり、高品質の複写画像を実現し、現像の際の電荷調節が容易になる。
【0039】
本発明における粒子の大きさ分布は、市販されるCoulter LS粒径測定器(Coulter Electronics Co.,Ltd.、フロリダー州セントピッツバーグ所在)を使用して測定できる。
【0040】
2)スパン値
粒子の大きさ分布を規定する指数としてスパン値(Span Value)を、下記のように定義して使用した。粒径分布において、体積を基準にし、10%に該当する粒径をd10、90%に該当する粒径をd90、また平均値に該当する50%分布の粒径をd50と定義した。この3つの値を用いて求めたスパン値は、下記のように示すことができる。
【0041】
スパン値={d90−d10}/d50
スパン値は、その定義からも分かるように、その値が小さいほど粒径分布が狭まく、その値が大きいほど粒径分布が広いことを示している。
【0042】
微粒子樹脂の表面積は、BET等温曲線から求められる。BET等温実験は、自動収着容量分析計(Automatic Volumetric Sorption Analyzer)〔「Model No.ASAP2000」、ジョージア州ノルクロス、マイクロメトリックスインスツルメント社(Micromeritics Instrument Co.)〕を使用して測定することができる。測定は、減圧下で粒子表面に吸着される窒素の量を測定するが、表面積は、圧力と吸着量の図表から求められる。これに関する具体的な説明は、「表面の物理化学」〔A.W.Adamson及びA.P.Cast著、第6版、ニューヨーク John Wiley and Sons出版社、(1997)〕の615〜631頁にあるBET等温曲線部分に掲載されている。
【0043】
3)表面粗さインデックス
本発明における表面粗さインデックス(Roughness Index)は、体積平均粒子の大きさを有する完全な球形粒子1gの表面積と、BET等温曲線より得られた表面積との比で定義され、下記の式で表現される。
【0044】
表面粗さインデックス=(1/6)r×d×Aexp
式中、rは、高分子の密度、dは、高分子微粒球の粒径を意味する。
【0045】
このように定義された係数は、表面がどの程度さらに粗くなったかを示す。印刷された像の光学密度は、光密度測定器(ニューヨーク州、ニューウィンズのMacbeth Companyから市販される)を使用して測定できる。
【0046】
以下、本発明の微粒子樹脂組成物を製造する方法をステップ別に具体的に説明する。
【0047】
前述のように、本発明は、静電潜像現像用トナーを製造するための微粒子樹脂組成物であって、(a)染料と相互作用をするに適した官能基を有する樹脂、加工助剤、任意に加えられる電荷調節剤を含む溶融状態の樹脂混合物を製造するステップと、b)有機溶剤と界面活性剤とからなり、前記樹脂に対して不溶性である有機媒質の中に、前記樹脂組成物を分散させるステップと、(c)前記有機媒質中で加温及びせん断作用により、前記樹脂組成物を粉砕し、微粒子樹脂分散液とするステップと、(d)前記微粒子樹脂分散液を加温し、前記加工助剤を蒸発除去させるステップと、(e)前記微粒子樹脂分散液より微粒子樹脂を分離するステップとからなるステップを経て製造される。
【0048】
本発明のステップ(a)は、染料と相互作用をするに適した官能基を有する樹脂、加工助剤、任意に加えられる電荷調節剤を含む溶融状態の樹脂混合物を製造する。この時、これら各成分を効果的に混合するためには、攪拌器を装着した容器内で溶融し混合する方法と、密封したニーダーで混合する溶融ニーダー法、及び押出器内で溶融混合する方法がある。
【0049】
前記加工助剤の量は、条件により異なるが、一般に、樹脂に対し5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%である。電荷調節剤は、樹脂に対し10重量%以下であり、好ましくは樹脂に対し重量比で1〜3重量%である。
【0050】
本発明のステップ(a)における樹脂組成物には、さらにワックスあるいはフュームドシリカのような添加剤を加えることができる。この時、使用可能なワックスは、トナー組成物の中に様々な割合で存在することができるが、一般に、樹脂に対し15重量%以下、好ましくは樹脂に対し2〜10重量%である。
【0051】
本発明のステップ(b)は、有機溶剤と界面活性剤とからなり、前記樹脂に対して不溶性である有機媒質の中に、前記樹脂組成物を分散させる。このとき、界面活性剤は、有機溶剤中に0.2〜15重量%、好ましくは1〜10重量%である。
【0052】
このステップは、次の方法のいずれかで行うことができる。その一つの方法は、前記有機媒質を、前記樹脂組成物の流動温度以上の温度で攪拌させながら、前記樹脂組成物を加える方法であり、別の方法は、前記樹脂組成物の溶融体を攪拌させながら、前記有機媒質を加える方法である。このステップの操作は、例えば内容物を加熱することができるようにしたインペラータイプの攪拌器付き装置で行うことができる。
【0053】
このとき前記樹脂組成物は、総有機媒質の10〜70重量%、好ましくは20〜50重量%とするのがよい。
【0054】
有機媒質は、通常加温して行うが、この温度は、樹脂組成物が流動性をもつ程度に十分に高く、且つ樹脂組成物に含まれた加工助剤が気化しない程度の温度にしなければならない。一般には、樹脂のガラス転移温度の付近、あるいはガラス転移温度より高い温度で行なわれる。具体的には、加工助剤の種類や量に応じて異なるが、30〜200℃が好ましい。樹脂組成物が小さい粒子に粉砕され分散されると乳白色になるので、分散工程は、混合物が乳白色を呈するまで続けられる。
【0055】
本発明のステップ(c)は、前記有機媒質中で加温及びせん断作用により、前記樹脂組成物を粉砕し、微粒子樹脂分散液とする。
【0056】
せん断作用は、樹脂粒子を微細な粒子に粉砕し、界面活性剤は、粉砕された粒子の表面を包んで、粉砕された粒子間が再び大きく固まることを防止する。微細な粒子への粉砕過程は、粒子の大きさが界面活性剤の総樹脂の相対量に応じて定められる平衡値に到達するまで続けられる。加工助剤を添加すると、本発明で加えられるせん断力は、加工助剤を使用しない場合と比べて著しく小さくなる。半径が10cmのインペラー形式の攪拌装置を100rpmの速度で攪拌すると、効果的な製造が可能となり、所要時間は、30分〜10時間ほどである。
【0057】
本発明のステップ(d)は、前記微粒子樹脂分散液を加温し、前記加工助剤を蒸発除去させる。
【0058】
このときの温度は、加工助剤の沸点より高い、あるいは同等な温度である。加工助剤が、有機媒質と混ざり合わない場合には、より効率的に行われ得る。このステップは、容器から出る蒸気中に加工助剤がないことを確認して終了とする。
【0059】
本発明のステップ(e)は、前記微粒子樹脂分散液より微粒子樹脂を分離する。この、とき微粒子樹脂分散液を、樹脂のそのガラス転移温度より低い温度にして濾過する。濾過された粒子は、イソヘキサンのような低沸点溶媒で洗浄した後、樹脂のガラス転移温度より低い温度で乾燥し、目的の微粒子樹脂を得る。
【0060】
前記分散、微粒子製造及び加工助剤の除去ステップは、同じ容器内で不連続的に行ってもよく、あるいはそれぞれ別の容器で行ってもよい。
【0061】
【実施例】
以下、実施例を通じて本発明をより詳細に述べる。但し、実施例は発明を説明するためのものであるので、本発明の範囲は実施例に限定するものではない。
【0062】
[実施例1]:カチオン基を有する染料により染色可能なポリエステルの製造:
攪拌翼の付いた攪拌器と20cmの分留カラムを装着した10Lガラス反応器にジメチルテレフタレート941g(4,85モル)、ジメチルイソフタレート970g(5.0モル)、ジメチル−5−スルホイソフタレートナトリウム塩44.4g(0.15モル)、1,2−プロピレングリコール1520g(20モル)を入れ、エステル交換触媒としてチタニウムテトライソプロポキシド1.4gと「IRGANOX 1010」〔ニュージャージー州イーストハノーバーにあるクラリアント社(Clariant Co.)で市販している〕5.0gを添加した。アルゴンガスを約1時間流して系内を充分置換し、50rpmで攪拌しつつ150℃に加熱し、内容物を溶融させ、次いでアルゴンガスを流しながら、150〜200℃で4時間加熱し、約340mlの液を留出させた。徐々に210℃に昇温して、50rpmで攪拌しながらこの温度で1時間維持し、次いで攪拌速度を30rpmに下げ、0.5トールの減圧にして1時間置いた。アルゴンガスを使用して減圧を解除し、反応物を約150℃程度に冷却した。反応物をガラス板に注入して常温まで冷却しポリエステル樹脂約2050gを得た。
【0063】
このポリエステル樹脂のガラス転移温度は65℃であり、数平均分子量は5500、重量平均分子量は11200、重合分散度(Polydispersity)は2.1であった。分子量は、ポリスチレンを標準分子量とするゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した。
【0064】
[実施例2]:ポリエステル樹脂の分散微粒化:
攪拌器と冷却管を付けた1L丸底フラスコに、実施例1のポリエステル樹脂300gとN,N−ジメチルホルムアミド90gを入れ、150℃に加熱した。還流下に20分間、この温度に維持させ、混合物が流動性となってから、30rpmで攪拌しつつ「BontronE−84」〔電荷調節剤、ニュージャージ−州スプリングフィールドにあるオリエントケミカル社(Orient Chemical Co.)で市販している〕30gを添加し、さらに100rpmで1時間攪拌して樹脂と添加物を完全に混合させた。
【0065】
次いで、「ISOPAR−L」300gと「ISOPAR−V」250g〔ともにパラフィン溶媒として、テキサス州ヒューストンにあるエキソンケミカル社(Exxon Chemical Co.)で市販している〕の混合物と「GanexV−220」〔非イオン系界面活性剤、ニュージャージー州ウェインにあるISP社(ISP Co.)で市販している〕30gを添加して攪拌し、150℃で部分的に還流させながら、7時間維持した。混合物は乳白色になり、一部採取して粒子の大きさを測定したところ、体積平均粒径4.5μm、スパン値0.9であった。常温まで冷却した後、イソヘキサン200gを加え1時間攪拌し、濾過して微粒子樹脂を分離した。イソヘキサンに再度分散させ濾過する工程を2回繰り返し、最後に、40℃で10時間減圧乾燥してポリエステル微粒子を得た。
【0066】
得られたポリエステル微粒子の体積平均粒径は4.7μmであり、スパン値は0.85であった。走査電子顕微鏡により観察したところ、形状は球形であり、表面は粗い組織を有していた。
【0067】
[実施例3]:混合界面活性剤を利用したポリエステル樹脂の分散微粒化:
「GanexV−220」30gの代わりに「GanexV−220」24gと「Genepol26−L−1」〔非イオン系界面活性剤、ノースカロライナ州シャルロットにあるクラリエント社(Clariant Corporation)で市販している〕6gの混合物を用いた以外は実施例2と同様にしてポリエステル微粒子を製造した。
【0068】
このポリエステル微粒子の体積平均粒径は4.7μmであり、スパン値は0.85であった。走査電子顕微鏡により観察したところ、形状は球形であり、表面が粗い組織を有していた。BET等温測定法により測定した表面粗さインデックスは2.0であった。この実施例は、粒子の大きさが分散微粒化工程で使用した界面活性剤の種類に関係することを示している。
【0069】
[実施例4]:多量の界面活性剤を使用した小さい平均粒径を有する樹脂組成物の製造:
「GanexV−220」30gの代わりに、「GanexV−220」60gを用いた以外は実施例2と同様にしてポリエステル微粒子を製造した。
【0070】
このポリエステル微粒子の体積平均粒径は3.5μmであり、スパン値は0.6であった。走査電子顕微鏡により観察したところ、形状は球形であり、表面が粗い組織を有していた。BET等温測定法により測定した表面粗さインデックスは1.9であった。
【0071】
[実施例5]:少量の界面活性剤を使用した大きい平均粒径を有する樹脂組成物の製造:
「GanexV−220」30gの代わりに、「GanexV−220」15gを用いた以外は実施例2と同様にしてポリエステル微粒子を製造した。
【0072】
このポリエステル微粒子の体積平均粒径は7.3μmであり、スパン値は0.9であった。走査電子顕微鏡により観察したところ、形状は球形であり、表面が粗い組織を有していた。BET等温測定法により測定した表面粗さインデックスは2.1であった。
【0073】
[実施例6]:アセトンを加工助剤で使用した低温微粒化:
攪拌器と冷却管を付けた1L丸底フラスコに、実施例1のポリエステル樹脂300gとアセトン180gを入れ、50℃にて攪拌して混合物を流動性となってから、30rpmで攪拌しつつ「BontronE−84」30gを添加し、さらに100rpmで1時間攪拌して樹脂と添加物を完全に混合させた。
【0074】
次いで、「ISOPAR−L」300gと「ISOPAR−V」250gの混合物と「GanexV−220」30gを添加して攪拌し、65℃で部分的に還流させながら、4時間維持した。混合物は乳白色になり、一部採取して粒子の大きさを測定したところ、体積平均粒径4.5μm、スパン値0.9であった。常温まで冷却した後、イソヘキサン200gを加え1時間攪拌し、濾過して微粒子樹脂を分離した。イソヘキサンに再度分散させ濾過する工程を2回繰り返し、最後に、40℃で16時間減圧乾燥してポリエステル微粒子を得た。
【0075】
得られたポリエステル微粒子の体積平均粒径は4.7μmであり、スパン値は0.6であった。走査電子顕微鏡により観察したところ、形状は球形であり、表面が粗い組織を有していた。BET等温法により測定した表面粗さインデックスは2.0であった。
【0076】
[実施例7]:加工助剤を使用しない微粒化:
N,N−ジメチルフォールムアミドを使用しないことを除いては、実施例2と同様の方法でポリエステル微粒子を製造した。得られたポリエステル微粒子の体積平均粒径は5.3μmであり、スパン値は2.1であった。走査電子顕微鏡により観察したところ、形状は球形で滑らかな表面を有しており、BET等温測定法により測定した表面粗さインデックスは1.1であった。
【0077】
[実施例8]:酸性官能基を有するスチレン/アクリルレート共重合体樹脂の製造:
攪拌翼の付いた攪拌器と20cmの分留カラムを装着した2L丸底フラスコに、ポリスチレン樹脂738g、N−ブチルアクリレート180g、アクリル酸39g、2,2−アゾビスイソブチルロニトリル45gを入れ、アルゴンガスを30分間吹き込んだ。混合物を50rpmに攪拌しながら、温度を69℃まで上げ、アルゴンガス下で16時間還流させた。
【0078】
常温に戻した後、生成物を分離し、メタノール−水(8:2)混合液で3回洗浄した。15℃で16時間減圧乾燥して重合体樹脂約700gを得た。
【0079】
重合体は、数平均分子量が16,000、重量平均分子量が53,000、ガラス転移温度は62℃であった。
【0080】
[実施例9]:酸性官能基を有するスチレン/アクリルレート共重合体樹脂の微粒化:
攪拌器と冷却管を付けた1L丸底フラスコに、実施例8の酸性官能基を有するスチレン−アクリレート共重合体樹脂150gとテトラヒドロフラン90gN,N−ジメチルホルムアミド90gを入れ、攪拌しながら、混合物を50℃に加熱した。混合物が充分な流動性を有すると、樹脂混合物を50rpmに攪拌しながらこの温度で60分間維持した。
【0081】
次いで、ポリエチレンオキシド150gとドデシルスルホン酸ナトリウム7.5gを加え、50℃で攪拌速度を100rpmに上げた。約10分経過すると混合物が乳白色に変わった。50℃で2時間攪拌によるせん断力を加えた後、フラスコ内容物の温度を80℃に上げ、テトラヒドロフランが留出しなくなるまで攪拌を続けた。常温に冷却し、微粒子樹脂を濾過し、濾過ケークを水に再度分散させケークを洗浄した後、60℃で10時間減圧乾燥して微粒子樹脂を得た。
【0082】
得られた微粒子樹脂の体積平均粒径は6.8μm、スパン値は0.7であった。走査電子顕微鏡により観察したところ、形状は球形で粗い表面を有しており、BET等温測定法により測定した表面粗さインデックスは2.2であった。

Claims (36)

  1. (a)染料と相互作用をするに適した官能基を有する樹脂、加工助剤、任意に加えられる電荷調節剤を含む溶融状態の樹脂混合物を製造するステップと、
    (b)有機溶剤と界面活性剤とからなり、前記樹脂に対して不溶性である有機媒質の中に、前記樹脂組成物を分散させるステップと、
    (c)前記有機媒質中で加温及びせん断作用により、前記樹脂組成物を粉砕し、微粒子樹脂分散液とするステップと;
    (d)前記微粒子樹脂分散液を加温し、前記加工助剤を蒸発除去させるステップと;
    (e)前記微粒子樹脂分散液より微粒子樹脂を分離するステップ
    とからなる高解像度トナー製造用微粒子樹脂組成物の製造方法。
  2. 前記微粒子樹脂は、形状が球形であり、体積平均粒径が1〜10μmあり、スパン値が1.0以下であることを特徴とする請求項1記載の高解像度トナー製造用微粒子樹脂組成物の製造方法。
  3. 前記体積平均粒径が、3〜8μmであることを特徴とする請求項2記載の高解像度トナー製造用微粒子樹脂組成物の製造方法。
  4. 前記スパン値が、0.8以下であることを特徴とする請求項2記載の高解像度トナー製造用微粒子樹脂組成物の製造方法。
  5. 前記微粒子樹脂は、滑らかな表面組織粒子の表面積に対する相対比で定義される表面粗さインデックス(roughness index)が、1.2以上であることを特徴とする請求項2記載の高解像度トナー製造用微粒子樹脂組成物の製造方法。
  6. 前記溶融状態の樹脂混合物を製造するステップは、前記樹脂、前記加工助剤および任意に加えられる前記電荷調節剤を溶融混練する方式により行われることを特徴とする請求項1記載の高解像度トナー製造用微粒子樹脂組成物の製造方法。
  7. 染料と相互作用をするに適した官能基を有する樹脂は、、ポリエステル樹脂、スチレン共重合体樹脂から選ばれることを特徴とする請求項1記載の高解像度トナー製造用微粒子樹脂組成物の製造方法。
  8. 前記染料と相互作用をするに適した官能基は、ヒドロキシル基、アルコキシ基、スルホン酸基あるいはスルホン酸誘導体基、スルフィン酸基あるいはスルフィン酸誘導体基、カルボキシル基あるいはカルボキシル誘導体基、ホスホン酸あるいはホスホン酸誘導体基、ホスフィン基あるいはホスフィン誘導体基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、4級アンモニウム基の群から選ばれることを特徴とする請求項7記載の高解像度トナー製造用微粒子樹脂組成物の製造方法。
  9. 前記樹脂は、非結晶性であり、ガラス転移温度が40〜90℃であり、平均重量分子量が3,000〜100,000であることを特徴とする請求項7記載の高解像度トナー製造用微粒子樹脂組成物の製造方法。
  10. 前記加工助剤は、沸点が200℃以下であり、前記樹脂を1g/l(リットル)以上溶解することができる有機溶剤であることを特徴とする請求項1記載の高解像度トナー製造用微粒子樹脂組成物の製造方法。
  11. 前記加工助剤は、アセトン、1,2−ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、1−メチル−2−ピロリドン、3−ペンタノン、アセトニトリル、メチルエチルケトン、クロロベンゼン、N,N−ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、ジメチルスルホキシドから選ばれることを特徴とする請求項10記載の高解像度トナー製造用微粒子樹脂組成物の製造方法。
  12. 前記加工助剤は、樹脂混合物を分散させるステップで使用される前記有機媒質中の有機溶剤と実質的に相溶性でないことを特徴とする請求項10記載の高解像度トナー製造用微粒子樹脂組成物の製造方法。
  13. 前記加工助剤は、前記樹脂に対し5〜200重量%で混合されることを特徴とする請求項1記載の高解像度トナー製造用微粒子樹脂組成物の製造方法。
  14. 前記加工助剤は、前記樹脂に対し10〜100重量%で混合されることを特徴とする請求項13記載の高解像度トナー製造用微粒子樹脂組成物の製造方法。
  15. 前記電荷調節剤は、前記樹脂混合物に溶融状態で分散されていることを特徴とする請求項1記載の高解像度トナー製造用微粒子樹脂組成物の製造方法。
  16. 前記電荷調節剤は、陽電荷調節剤あるいは陰電荷調節剤から選ばれることを特徴とする請求項15記載の高解像度トナー製造用微粒子樹脂組成物の製造方法。
  17. 前記樹脂組成物を粉砕し、微粒子樹脂分散液とするステップは、前記樹脂混合物を、前記樹脂混合物の流動温度よりも高い温度に維持した前記有機媒質中に攪拌しつつ加える方式により行われることを特徴とする請求項1記載の高解像度トナー製造用微粒子樹脂組成物の製造方法。
  18. 前記樹脂組成物を粉砕し、微粒子樹脂を形成するステップは、前記樹脂混合物を溶融状態で攪拌しながら、前記有機媒質を加える方式により行われることを特徴とする請求項1記載の高解像度トナー製造用微粒子樹脂組成物の製造方法。
  19. 前記有機媒質の中の有機溶剤は、樹脂成分の溶解度指数と1以上の差がある溶解度指数を持つものであることを特徴とする請求項1記載の高解像度トナー製造用微粒子樹脂組成物の製造方法。
  20. 前記有機媒質の中の有機溶剤は、樹脂成分の溶解度指数と2以上の差がある溶解度指数を持つものであることを特徴とする請求項19記載の高解像度トナー製造用微粒子樹脂組成物の製造方法。
  21. 前記有機媒質は、パラフィン系溶剤を含むことを特徴とする請求項1記載の高解像度トナー製造用微粒子樹脂組成物の製造方法。
  22. 前記有機媒質は、ポリエチレングリコールを含むことを特徴とする請求項1記載の高解像度トナー製造用微粒子樹脂組成物の製造方法。
  23. 前記界面活性剤は、非イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤から選ばれることを特徴とする請求項1記載の高解像度トナー製造用微粒子樹脂組成物の製造方法。
  24. 前記界面活性剤は、ビニルピロリジノンの共重合体、アルキル基を有するマレイン酸共重合体、エチレンオキシド残基を含む重合体、プロピレンオキシド残基を含む重合体とドデシルスルホン酸ナトリウムから選ばれることを特徴とする請求項23記載の高解像度トナー製造用微粒子樹脂組成物の製造方法。
  25. 前記有機媒質は、有機溶剤と界面活性剤とを含み、かつ前記界面活性剤は、前記有機溶剤中に0.2〜15重量%で存在することを特徴とする請求項1記載の高解像度トナー製造用微粒子樹脂組成物の製造方法。
  26. 前記界面活性剤は、前記有機溶剤中に1〜10重量%で存在することを特徴とする請求項25記載の高解像度トナー製造用微粒子樹脂組成物の製造方法。
  27. 前記樹脂組成物を粉砕し、微粒子樹脂分散液とするステップにおいて、前記樹脂組成物は、前記樹脂組成物と前記有機媒質との合計量に対して10〜70重量%であることを特徴とする請求項1記載の高解像度トナー製造用微粒子樹脂組成物の製造方法。
  28. 前記樹脂組成物を粉砕し、微粒子樹脂分散液とするステップにおいて、前記樹脂組成物は、前記樹脂組成物と前記有機媒質との合計量に対して20〜50重量%であることを特徴とする請求項27記載の高解像度トナー製造用微粒子樹脂組成物の製造方法。
  29. 前記樹脂組成物を粉砕し、微粒子樹脂分散液とするステップは、前記樹脂組成物を前記有機媒質に加えて30〜200℃の温度で攪拌する方式にて行われることを特徴とする請求項1記載の高解像度トナー製造用微粒子樹脂組成物の製造方法。
  30. 前記微粒子樹脂分散液より前記加工助剤を除去するステップは、前記微粒子樹脂分散液を、前記微粒子樹脂分散液から留出する蒸気中に前記加工助剤成分を含まなくなるまで前記加工助剤の沸点に近い温度で攪拌を続ける方式にて行なわれることを特徴とする請求項1記載の高解像度トナー製造用微粒子樹脂組成物の製造方法。
  31. 前記形微粒子樹脂分散液より微粒子樹脂を分離するステップは、濾過により行われることを特徴とする請求項1記載の高解像度トナー製造用微粒子樹脂組成物の製造方法。
  32. 前記樹脂組成物を製造するステップと、前記樹脂組成物を分散させるステップと、前記樹脂組成物を粉砕し、微粒子樹脂分散液とするステップと、前記加工助剤を蒸発除去させるステップが、互いに別の設備で行われる独立したステップの組合せとして行なわれることを特徴とする請求項1記載の高解像度トナー製造用微粒子樹脂組成物の製造方法。
  33. 前記樹脂組成物を製造するステップと、前記樹脂組成物を分散させるステップと、前記樹脂組成物を粉砕し、微粒子樹脂分散液とするステップと、前記加工助剤を蒸発除去させるステップが、一つの設備内で連続して行われるステップの組合せとして行なわれることを特徴とする請求項1記載の高解像度トナー製造用微粒子樹脂組成物の製造方法。
  34. 染料と相互作用をするに適した官能基を有する樹脂、加工助剤、任意に加えられる電荷調節剤を含む溶融状態の樹脂混合物を、有機溶剤と界面活性剤とからなり前記樹脂に対して不溶性の有機媒質の中で加温及びせん断作用により粉砕し、微粒子樹脂分散液とした後、前記加工助剤を蒸発除去させ、樹脂分散液より分離して製造され、形状が球形であり、体積平均粒径が1〜10μmであり、スパン値が1.0以下であり、前記樹脂成分の重量平均分子量が3,000〜100,000であることを特徴とする高解像度トナー製造用微粒子樹脂組成物。
  35. 滑らかな表面組織粒子の表面積に対する相対比で定義される表面粗さインデックス(roughness index)が1.2以上であることを特徴とする請求項34記載の高解像度トナー製造用微粒子樹脂組成物。
  36. 前記樹脂は、ポリエステルあるいはスチレンコポリマーであることを特徴とする請求項34記載の高解像度トナー製造用微粒子樹脂組成物。
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