JP3621459B2 - 化粧料 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、新規な化粧料に関し、更に詳しくは、球状硫酸バリウムを配合した、良好な透明感・素肌感を与え、かつ肌に存在するシミ・ソバカス等の色むらを見えにくくし、かつ白浮きを防止し、毛穴・しわなどの肌の凹凸を目立ちにくくする効果に優れた化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
粉体を含有する化粧料としては、ファンデーション、白粉、頬紅、アイシャドウ、口紅、アイライナー、アイブロウ等のメイクアップ化粧品及びボディパウダー、ベビーパウダー等のボディ化粧品などが市販されている。
従来、化粧料による皮膚の毛穴・しわ等の形態に関するトラブルを隠す方法としては、次のような二つの方法がとられてきた。
その一つは、隠蔽力の高い顔料、即ち屈折率の大きな顔料や着色力の高い顔料である二酸化チタン、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、有機色素等を着色顔料として配合してカバー力を高め、これによって肌に存在する毛穴・しわ等の形態に関するトラブルを隠す方法である。しかし、このような屈折率の大きな顔料や着色力の高い顔料を多く配合した化粧料は、シミ・ソバカス等の色むらを隠すのには有効であるが、逆に形態に関するトラブルを目立たせてしまうと共に、仕上がり感も白浮きし、厚化粧を呈してしまい、肌の自然な感じが失われてしまうという問題を有していた。
また、もう一つの方法としては、適度に光を透過させるが、粒子内で光を複雑に屈折させて散乱させる薄片状多孔質シリカ(特開昭63−166819号公報)、特定の板状形状を有する硫酸バリウム(特開平3−252016号公報)等の体質顔料を配合した化粧料などが知られている。しかし、これらの板状粉体を化粧料に配合した場合、肌つきは良く、シミ・ソバカス等の色むらや毛穴等の比較的小さな凹凸を目立たなくさせることはできるが、より大きなしわ等を有効に隠すことはできなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、毛穴・しわ、シミ・ソバカス等の肌上のトラブルを目立ちにくくするカバー力に優れ、かつ白浮きや厚化粧を呈することなく、素肌感に優れた化粧料を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このような実情に鑑み、本発明者は鋭意研究を重ねた結果、球状硫酸バリウムを配合すれば、良好な透明感・素肌感を与え、肌に存在するシミ・ソバカス等の色むらを見えにくくし、かつ白浮きを防止し、毛穴・しわなどの肌の凹凸を目立ちにくくする化粧料が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0005】
即ち、本発明は、(粒子投影像における最大粒径相当の円面積/粒子投影面積)×100で与えられる球形度が100〜120であり、かつ体積平均粒子径が1.7〜4μmである球状硫酸バリウムを含有することを特徴とする化粧料を提供するものである。
【0006】
本発明において、球状硫酸バリウムの「球状」とは、真球状から楕円状に至るものまでのものを広く指称するものであるが、具体的には下記式で与えられる球形度が100〜120のものが好ましく、この中でも、とりわけ効果の点から、球形度が100〜115のものがより好ましい。ここにおいて、球形度は下記式により算出され、球形度が100のときに真球状であることを示す。
【0007】
【数1】
【0008】
上記式中の「粒子投影像における最大粒径相当の円面積」及び「粒子投影面積」は次のようにして測定されたものである。すなわち、SEM/TEM等により得られた画像を画像処理装置に取り込み、得られた画像を2値化処理することで粉体の輪郭画像を得、その面積を算出して粒子投影面積とする。また、上記輪郭画像より輪郭線を得、輪郭線間での距離が最大となる2点の中点を中心として2点間の距離を直径とした円を描き、その円の面積を算出して粒子投影像における最大粒径相当の円面積とする。
【0009】
また、本発明における球状硫酸バリウムは、体積平均粒子径が0.1〜4μm、特に0.3〜3.5μmであるのが好ましい。0.1μm未満又は4μmを超えると光拡散性が劣り、本発明の効果が低下する。
【0010】
本発明の球状硫酸バリウムの合成法は特に限定されないが、例えば、水溶性バリウム塩(例えば塩化バリウム、硝酸バリウムなど)と水溶性硫酸塩(例えば硫酸ナトリウム、硫酸カリウムなど)を、バリウムイオンと水溶液中で錯体を形成する錯体形成剤(例えばクエン酸などのヒドロキシカルボン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)など)の共存下に反応させることにより製造される。
粒径の制御は、錯体形成剤濃度、反応温度、反応濃度、種晶添加量などでコントロールすることができる。また、予め0.1μm以下の微粒子硫酸バリウムを合成しておき、この分散液を噴霧乾燥することによっても得ることができる。
【0011】
このような本発明の球状硫酸バリウムの光学特性は、下記の条件で測定される透過光散乱率が70%以上、全透過率が80%以上である。
【0012】
透過光散乱率及び全透過率の測定
屈折率1.4〜1.5の分散媒中に濃度20重量%で試料を均一分散させ、厚さ15μmの薄膜を形成し、ヘイズメーターによりこの薄膜の平行光線透過率(Tp)と散乱光透過率(Td)を測定し、{Td/(Tp+Td)}×100で与えられる値を透過光散乱率、(Tp+Td)で与えられる値を全透過率として算出する。
具体的には、試料粉体を濃度20重量%でシリコーンオイル(アミノ変性シリコーン:東レ・シリコーン製、SF8417、屈折率1.41)中に均一分散させ、これをアプリケーターによりガラス板上に15μmの薄膜を形成させ、ヘイズメーター(村上色彩技術研究所製HR−100型)により測定される。
【0013】
また、本発明における球状硫酸バリウムは、更にその表面を通常用いられる撥水処理剤を用いて撥水処理するのが好ましい。
【0014】
ここで用いられる撥水処理剤としては、シリコーン油、脂肪酸金属塩、アルキルリン酸、アルキルリン酸のアルカリ金属塩又はアミン塩、N−モノ長鎖(炭素数8〜22)脂肪族アシル塩基性アミノ酸などが挙げられる。
【0015】
シリコーン油としては、通常の化粧料等に用いられるものであれば特に制限されず、例えばメチルハイドロジェンポリシロキサン等のSi−H基を含むシリコーンオイル、Si−OH基を含むシリコーンオイル、環状ジメチルポリシロキサン、ジメチルシリコーン等が挙げられ、具体的には、ジメチルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、環状メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシプロピレン)シロキサン共重合体、ミリスチルシリコーン、ジメチルシロキサン・メチルステアロキシシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルセチルオキシシロキサン共重合体、メチルポリシロキサンエマルジョン、シリコーン樹脂、シリコーングリース、ポリエーテル変性シリコーン、メチルスチリル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーン、高級アルコキシ変性シリコーン、フェノール変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン等が挙げられる。
【0016】
脂肪酸金属塩としては、特に炭素数12〜18のものが好ましく、またそれらの塩としては例えばカルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム等の塩が挙げられ、就中、特にアルミニウム塩が好ましい。従って脂肪酸金属塩のうち好ましいものとしては、アルミニウムモノステアレート、アルミニウムジステアレート、アルミニウムモノオレエート、アルミニウムモノパルミテート、アルミニウムモノラウレート等が例示される。
【0017】
アルキルリン酸あるいはそのアルカリ金属塩又はアミン塩としては、次の一般式(1)又は(2)で表されるもの、例えばジセチルリン酸、モノラウリルリン酸、モノラウリルリン酸のナトリウム塩、カリウム塩又はアミン塩、ジセチルリン酸のナトリウム塩、カリウム塩又はアミン塩等が挙げられる。
【0018】
【化1】
【0019】
(式中、R1 は炭素数1〜45の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を示し、X1 及びX2 は水素原子、アルカリ金属又はアミンを示す)
【0020】
【化2】
【0021】
(式中、R2 及びR3 は炭素数1〜45の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を示し、X3 は水素原子、アルカリ金属又はアミンを示す)
【0022】
上記一般式(1)及び上記一般式(2)中、R1 〜R3 で示される炭化水素基は炭素数1〜45のもの、就中炭素数8以上のものが好ましい。炭素数が8未満であると、そのアルキルリン酸金属塩が粘着性を示し、滑沢性、延展性が低下するおそれがある。かかる炭化水素基としては、例えばオクチル、ノニル、デシル、ドデシル、ウンデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、ヘンエイコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、ヘキサコシル、ヘプタコシル、オクタコシル、ノナコシル、トリアコンチル、ヘントリアコンチル、ドトリアコンチル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ドデセニル、ウンデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル、オクタデセニル、ノナデセニル、エイコセニル、ヘンエイコセニル、ドコセニル、トリコセニル、テトラコセニル、ペンタコセニル、ヘキサコセニル、ヘプタコセニル、オクタコセニル、ノナコセニル、トリアコンテニル、ヘントリアコンテニル、ドトリアコンテニル、オクタジエニル、ノナジエニル、デカジエニル、ドデカジエニル、ウンデカジエニル、トリデカジエニル、テトラデカジエニル、ペンタデカジエニル、ヘキサデカジエニル、ヘプタデカジエニル、オクタデカジエニル、ノナデカジエニル、エイコサジエニル、ヘンエイコサジエニル、ドコサジエニル、トリコサジエニル、テトラコサジエニル、ペンタコサジエニル、ヘキサコサジエニル、ヘプタコサジエニル、オクタコサジエニル、ノナコサジエニル、トリアコンタジエニル、ヘントリアコンタジエニル、ドトリアコンタジエニル、2−ヘキシルデシル、2−オクチルウンデシル、2−デシルテトラデシル、2−ウンデシルヘキサデシル、2−テトラデシルオクタデシル基等が挙げられる。また、上記一般式(1)及び上記一般式(2)中、X1 〜X3 で示されるアルカリ金属としては、カリウム、ナトリウム等が挙げられ、X1 〜X3 で示されるアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、モルホリン、アルギニン等が挙げられる。
【0023】
N−モノ長鎖(炭素数8〜22)脂肪族アシル塩基性アミノ酸を構成する塩基性アミノ酸としては、α,γ−ジアミノ酪酸、オルニチン、リジン、アルギニン、ヒスチジン等が挙げられる。これらは光学活性体であってもラセミ体であってもよい。長鎖脂肪族アシル基としては、炭素数8〜22の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖脂肪族アシル基で、単一鎖長のものでも混合鎖長のものでもよい。具体的には、2−エチルヘキサノイル、カプリロイル、カプロイル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル、イソステアロイル、オレオイル、ベヘノイル、ココイル、牛脂脂肪酸アシル、硬化牛脂脂肪酸アシル等が挙げられる。長鎖アシル基の塩基性アミノ酸ヘの結合部位はα位のアミノ基あるいはω位のアミノ基であるが、アルギニン及びヒスチジンにおいてはα位のアミノ基に限定される。具体例としては、Nε−2−エチルヘキサノイルリジン、Nε−ラウロイルリジン、Nε−ココイルリジン、Nε−パルミトイルリジン、Nε−イソステアロイルリジン、Nε−硬化牛脂脂肪酸アシルリジン、Nα−カプリロイルリジン、Nα−ラウロイルリジン、Nα−ミリストイルリジン、Nα−オレオイルリジン、Nα−ベヘノイルリジン、Nδ−ココイルオルニチン、Nδ−ステアロイルオルニチン、Nδ−牛脂脂肪酸アシルオルニチン、Nα−エチルヘキサノイルオルニチン、Nα−ラウロイルオルニチン、Nα−イソステアロイルオルニチン、Nγ−パルミトイル−α,γ−ジアミノ酪酸、Nα−牛脂脂肪酸アシル−α,γ−ジアミノ酪酸、Nα−カプロイルアルギニン、Nα−ラウロイルアルギニン、Nα−パルミトイルアルギニン、Nα−硬化牛脂脂肪酸アシルアルギニン、Nα−ココイルヒスチジン、Nα−イソステアロイルヒスチジン等が挙げられるが、これらの例に限定されない。
【0024】
硫酸バリウムをシリコーン油で撥水処理する方法としては、硫酸バリウムを前記したシリコーン油の一種又は二種以上を適量のヘキサン等に溶解したものに分散させ、溶剤留去後100〜200℃で2〜10時間処理し、その後乾燥する方法がある。
【0025】
アルキルリン酸で撥水処理する方法としては、式(1)、(2)中のX1 及びX2 又はX3 が水素原子である場合、前記したアルキルリン酸をイソプロピルアルコールやヘキサン等の溶剤で溶解したものに硫酸バリウムを分散させ、50℃〜70℃で1〜3時間処理し、その後溶剤留去後乾燥する方法がある。また、式(1)、(2)中、X1 あるいはX2 及びX3 が水素原子以外である場合(アルカリ金属又はアミンである場合)は、上記したアルキルリン酸のアルカリ金属塩又はアミン塩を水に溶解したものに硫酸バリウムを分散させ、50〜70℃で1〜3時間処理し、その後適当な酸で中和した後、熱時濾過し、エタノール水溶液で洗浄後、乾燥する方法がある。
【0026】
N−モノ長鎖脂肪族アシル塩基性アミノ酸で撥水処理する方法としては、乾式法及び湿式法のいずれの方法も用いることができる。乾式法は簡便かつ効果的であって、N−モノ長鎖脂肪族アシル塩基性アミノ酸の微細粉末を硫酸バリウム粉体と撹拌混合するか、もしくはN−モノ長鎖脂肪族アシル塩基性アミノ酸と硫酸バリウム粉体を混合した後、共粉砕することによって、硫酸バリウム粉体の表面を容易に処理できる。湿式法はN−モノ長鎖脂肪族アシル塩基性アミノ酸が中性付近の水及び通常の油に殆ど溶解しないため、塩化カルシウムを可溶化剤として用いてN−モノ長鎖脂肪族アシル塩基性アミノ酸を有機溶剤に溶解した後、硫酸バリウム粉体を接触させ、更に水洗して塩化カルシウムを除去して乾燥することにより、硫酸バリウム粉体の表面を処理できる。あるいは酸性もしくはアルカリ性の水又は水性溶媒中にN−モノ長鎖脂肪族アシル塩基性アミノ酸を溶解して硫酸バリウム粉体を接触させた後、中性付近まで中和して硫酸バリウム粉体表面にN−モノ長鎖脂肪族アシル塩基性アミノ酸を析出付着させ、中和によって生じた塩を水洗により除去し、乾燥することによっても同様の表面処理ができる(特開昭61−7202号、同61−10503号)。
【0027】
球状硫酸バリウム粉体に対する撥水処理剤の処理量は、好ましくは0.05〜20重量%、より好ましくは2〜15重量%である。この範囲内においては、充分な撥水性と良好な感触が得られ好ましい。
【0028】
本発明の化粧料において、球状硫酸バリウムの配合量は化粧料の性質に応じて任意に選択されるが、化粧料成分全量中0.1〜99重量%、特に1〜95重量%であるのが好ましい。
【0029】
本発明の化粧料には、上記の必須成分である球状硫酸バリウムの他に、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、通常の化粧料に配合される成分、例えば各種オイル、界面活性剤、他の粉体、水溶性高分子、防腐剤、薬剤、色素、香料、保湿剤、紫外線吸収剤、無機塩又は有機塩、キレート剤、pH調整剤、水等を配合できる。
【0030】
オイルとしては、例えば流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワラン、ミツロウ、カルナウバロウ、オリーブ油、ラノリン、高級アルコール、脂肪酸、高級脂肪酸、エステル油、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、キャンデリラロウ、ジグリセライド、トリグリセライド、シリコーン油、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン、ホホバ油、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール等の化粧品に汎用される油分が用いられる。
【0031】
界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤;ステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸トリエタノールアミン等の脂肪酸石鹸で代表されるアニオン性界面活性剤;及びカチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等の化粧品に汎用される界面活性剤が用いられる。
【0032】
水溶性高分子としては、例えばカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、トラガントガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、デキストリン、デキストリン脂肪酸エステル、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム等の化粧品に汎用される水溶性高分子が用いられる。
【0033】
保湿剤としては、例えばソルビトール、キシリトール、グリセリン、マルチトール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、ポリエチレングリコール等の化粧品に汎用される保湿剤が用いられる。
【0034】
防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム等の化粧品に汎用される防腐剤が用いられる。薬剤としては、例えばビタミン類、生薬、消炎剤、殺菌剤等の化粧品に汎用される薬剤が用いられる。
【0035】
紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤等の化粧品に汎用される紫外線吸収剤が用いられる。
【0036】
球状硫酸バリウム以外の粉体としては、例えばタルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、バーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、珪藻土、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸バリウム、珪酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、含水珪酸、無水珪酸、酸化マグネシウム、ベントナイト、ゼオライト、セラミクスパウダー、水酸化アルミニウム等の無機粉体;ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、四フッ化エチレンパウダー微結晶性セルロース、コメデンプンラウロイルリジン等の有機粉体;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等の界面活性剤金属塩粉体;酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄、水酸化鉄、黄土、黒酸化鉄、カーボンブラック、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット、酸化クロム、水酸化クロム、コバルトチタン、群青、紺青等の無機着色粉体;酸化チタンコーティング雲母、酸化チタンコーティングオキシ塩化ビスマス、オキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーティングタルク、魚鱗箔、着色酸化チタンコーティング雲母等のパール顔料;アルミニウムパウダー、ステンレスパウダー、カッパーパウダー等の金属粉末等の化粧品に汎用される粉体、及びシリコーン又はフッ素化合物で処理された粉体が用いられる。
【0037】
色素としては、例えば赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等のタール色素;カルミン酸、ラッカイン酸、ブラジリン、クロシン等の天然色素等の化粧品に汎用される色素が用いられる。
【0038】
無機塩又は有機酸塩としては、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸;クエン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸等のオキシカルボン酸;ギ酸、酢酸、ソルビン酸等のカルボン酸;又はサリチル酸、安息香酸等の芳香族カルボン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアルミニウム塩が挙げられ、好ましい無機塩又は有機酸塩の具体例としては、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸マグネシウム、硝酸アルミニウム、硝酸カルシウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アルミニウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、ギ酸マグネシウム、クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸ナトリウム等が挙げられ、特に硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、サリチル酸ナトリウム及び安息香酸ナトリウムが好ましい。
【0039】
これらの無機塩又は有機酸塩は、塩の状態で化粧料組成中に配合しても良いが、化粧料製造時に対応する酸物質及び塩基物質を、塩を形成するのに必要な化学量論的量加え、製造してもよい。
また、水は任意の量で配合することができる。
【0040】
尚、本発明の化粧料は、球状硫酸バリウムを配合する以外は常法に従い製造することができる。
【0041】
本発明の化粧料としては、リキッドファンデーション、クリーム状ファンデーション、油性固形化粧料、口紅、乳液/クリーム等の油中水型化粧料、水中油型化粧料や油性固形化粧料の他、パウダーファンデーション、粉白粉、固形白粉、アイシャドウ、フェイスパウダー、頬紅、アイライナー、アイブロウペンシルなどのメークアップ化粧料及び基礎化粧料等いずれも挙げることができる。
【0042】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等により何ら限定されるものではない。尚、実施例において用いた球状硫酸バリウムの球形度及び体積平均粒子径、透過光散乱率、全透過率は次のようにして測定した。
(1)球形度
球形度は、粉体の電子顕微鏡写真から100個以上の粒子画像をニレコ製ルーゼックスIII 型画像解析装置に取り込み、その装置の形状指数計算プログラムによって平均値を計算した。
(2)体積平均粒子径
体積平均粒子径は、乾燥粉体をポリアクリル酸ナトリウム(花王製、ポイズ350)の0.1重量%水溶液に分散させ、粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700型)により、体積平均粒子径を求めた。
(3)透過光散乱率と全透過率
試料粉体を濃度20重量%でシリコーンオイル(アミノ変性シリコーン:東レ・シリコーン製、SF8417、屈折率1.41)中に均一に分散させ、これをアプリケーターによりガラス板上に15μmの薄膜を形成させ、ヘイズメーター(村上色彩技術研究所製HR−100型)により、薄膜の平行光線透過率(Tp)と散乱光透過率(Td)を測定し、{Td/(Tp+Td)}×100で与えられる値を透過光散乱率とし、(Tp+Td)で与えられる値を全透過率として算出した。
【0043】
参考例1(球状硫酸バリウムの製造)
2Lセパラブルフラスコ中で、クエン酸ナトリウムと塩化バリウムの混合水溶液を攪拌しておき、これに塩化バリウムと等モルの硫酸ナトリウム水溶液を10秒以内で投入した。この反応液総濃度はそれぞれ0.008mol/L、0.007mol/L、及び0.007mol/Lであった。硫酸ナトリウム水溶液投入後数秒〜数10秒の誘導期間の後に反応液が白濁した。1時間攪拌後、濾過、洗浄し、100℃で乾燥した。また、種々の粒径の球状硫酸バリウムを得るため、表1に示す濃度のクエン酸ナトリウム及び反応前に予め球状硫酸バリウムの種晶を添加して合成した。
実験条件及び得られた球状硫酸バリウムの物性を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
参考例2(撥水処理球状硫酸バリウムの製造)
参考例1aで得られた球状硫酸バリウム100gに、ジヘキサデシルリン酸10gをエタノール500gに加熱溶解したものを加え、60℃で30分間混合した。その後60℃にてエタノールを減圧留去して乾燥させ、ジヘキサデシルリン酸処理球状硫酸バリウム(球形度106,体積平均粒径1.8μm)を103g得た。
【0046】
実施例1 パウダーファンデーション:
【表2】
【0047】
(製法)
成分(1)〜(7)を混合粉砕する。これを高速ブレンダーに移し、更に成分(8)〜(10)を80℃で混合溶解したものを加えて均一に混合する。この混合物に成分(11)を加え混合した後再び粉砕しふるいを通す。これを金皿に圧縮成型する。
【0048】
実施例2 パウダーファンデーション:
実施例1の成分(2)の配合量を10%に減少させたもの。
【0049】
実施例3 パウダーファンデーション:
実施例1の成分(2)の配合量を75%に増加させ、成分(1)及び(3)を除いたもの。
【0050】
比較例1、2
実施例1の成分(2)を表3に示す物性の硫酸バリウムに代えたものを比較例1とし、ポリメチルメタクリレートに代えたものを比較例2として実施例1と同様の方法でパウダーファンデーションを調製した。
【0051】
【表1】
【0052】
試験例1
専門パネラー14名により、以下の項目について比較例1、2及び実施例1〜5で得たパウダーファンデーションの実用テストを行い、良いを5点、やや良いを4点、普通を3点、やや悪いを2点、悪いを1点として合計し、14名の平均点を算出した。結果を表4に示す。
【0053】
〔項目〕
項目1:毛穴・しわの見え難さ。
項目2:キメの細かさ。
項目3:素肌感。
項目4:カバー力。
【0054】
【表2】
【0055】
表4から明らかなように、本発明化粧料を肌に塗布した場合、配合した球状硫酸バリウムの鮮鋭性抑制効果により毛穴・しわ等の形態に関するトラブルが見え難くなることが確認された。更に肌の質感を表すキメの細かさも向上して感じられるなど、従来の化粧料では同時に満足させることのできなかった素肌感とカバー力を同時に満足させることができることも明らかになった。
【0056】
実施例6 固形白粉:
【表5】
【0057】
(製法)
成分(1)〜(7)を混合粉砕する。これを高速ブレンダーに移し、更に成分(8)〜(10)を80℃で混合溶解したものを加えて均一に混合する。この混合物に成分(11)を加え混合した後再び粉砕しふるいを通す。これを金皿に圧縮成型する。
【0058】
実施例7 粉白粉:
【表6】
【0059】
(製法)
成分(1)〜(8)を混合粉砕する。これを高速ブレンダーに移し、更に成分(9)〜(10)を80℃で混合溶解したものを加えて均一に混合した後、再び粉砕しふるいを通し、製品とする。
【0060】
実施例8 クリーム状ファンデーション:
【表7】
【0061】
(製法)
成分(1)〜(14)を混合粉砕する。別に水相成分(7)〜(10)を混合した溶液を調製し、粉砕した顔料を加えて分散した後、75℃に加熱する。油相成分(1)〜(6)を80℃に加熱溶解したものを、先に調製した水相に攪拌しながら加え乳化する。これを攪拌しながら冷却して50℃で成分(15)を加え攪拌しながら冷却し、製品を得る。
【0062】
実施例9 頬紅:
【表8】
【0063】
(製法)
成分(1)〜(7)を混合し、展色する。次に、混合機の中で成分(8)〜(10)を噴霧して加え、均一に混合し、ふるいを通した後プレス機を使って金皿の中に圧縮し固める。
【0064】
実施例10 アイシャドウ:
【表9】
【0065】
(製法)
成分(1)〜(7)を混合し、展色する。次に、混合機の中で成分(8)〜(10)を噴霧して加え、均一に混合し、ふるいを通した後プレス機を使って金皿の中に圧縮し固める。
【0066】
実施例11 口紅:
【表10】
【0067】
(製法)
成分(7)〜(14)を加熱融解し均一に混合する。これに(1)〜(6)を加え、ロールミルで練り均一に分散させた後、再融解して(15)〜(17)を加え、脱泡してから型に流し込み急冷して固める。固まったものを型から取り出し、容器に装填する。次にスティックの外観を整えてから炎の中を通し、表面を均一にする。
【0068】
実施例12 アイライナー:
【表11】
【0069】
(製法)
成分(5)の一部に(6)を加え、コロイドミルを通して分散、ゲル化させる。一方(1)〜(4)及び(10)を混合し、加熱して溶解し、(7)〜(9)を加えた後冷却してロールミルで練り、再び加熱してとかした中に、ベントナイトゲルと残部の(5)を加え、攪拌しながら冷却する。
【0070】
実施例13 O/W型クリーム:
【表12】
【0071】
(製法)
成分(8)、(10)、(12)及び(13)を攪拌混合し、80℃に保つ。他の成分を混合し、加熱溶解して80℃とする。この油相部に前述の水相部を加えて予備乳化し、ホモミキサーで均一に乳化した後30℃まで冷却して製品を得る。
【0072】
【発明の効果】
本発明の化粧料は、良好な透明感・素肌感を与え、かつ肌に存在するシミ・ソバカス等の色むらを見えにくくし、かつ白浮きを防止し、毛穴・しわなどの肌の凹凸を目立ちにくくするという効果を有する。
Claims (3)
- (粒子投影像における最大粒径相当の円面積/粒子投影面積)×100で与えられる球形度が100〜120であり、かつ体積平均粒子径が1.7〜4μmである球状硫酸バリウムを含有することを特徴とする化粧料。
- 撥水処理された球状硫酸バリウムであることを特徴とする請求項1記載の化粧料。
- メークアップ化粧料である請求項1又は2記載の化粧料。
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