JPH09304920A - 水なし平版印刷用原版 - Google Patents

水なし平版印刷用原版

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JPH09304920A
JPH09304920A JP34411995A JP34411995A JPH09304920A JP H09304920 A JPH09304920 A JP H09304920A JP 34411995 A JP34411995 A JP 34411995A JP 34411995 A JP34411995 A JP 34411995A JP H09304920 A JPH09304920 A JP H09304920A
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silicone rubber
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group
printing plate
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Tsutomu Ichijo
力 一條
Masaya Asano
昌也 浅野
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】より高いインキ反発性を有する印刷版を提供す
る。 【解決手段】基板、少なくともキノンジアジド化合物を
含有するネガ型感光層、シリコーンゴム層の順に積層し
て構成される水なし平版印刷用原版において、従来提案
されている縮合により硬化して得られるシリコーンゴム
層と比べて、ハイドロジェンケイ素化合物と、不飽和結
合との付加反応により得られるシリコーンゴム層を用い
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水なし平版印刷用原
板に関するものであり、特に、基板、感光層、シリコー
ンゴム層を順次積層したインキ反発性の優れた水なし平
版印刷用原版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、シリコーンゴムをインキ反発層と
する水なし平版印刷版が種々知られているが、特に特公
昭54−26923号公報や特公昭56−4908号公
報に提案されているように、基板、感光層、シリコーン
ゴム層の順に積層してなる印刷版が画像再現性、耐刷力
の面で優れており、実用化されている。
【0003】従来提案されているシリコーンゴム層の組
成物および硬化方法としては次のものがあげられる。
【0004】(1)両末端水酸基のオルガノポリシロキ
サンをケイ素原子に直接結合した加水分解性官能基を有
するシランもしくはシロキサンにより架橋してシリコー
ンゴムとする方法(以下縮合型と称する)(ここで加水
分解性官能基としては、アセトキシ基、ケトキシメート
基、、アルコキシ基、水素などがあげられる。) (2)オルガノポリシロキサンを過酸化物などのラジカ
ル開始剤により架橋してシリコーンゴムとする方法(以
下ラジカル架橋型と称する)。
【0005】などである。
【0006】ここに提案されている方法は印刷版の性能
においていくつかの問題点を生じている。縮合型では感
光層に対する接着力が高く、優れた耐刷性を提供するも
のであるが、シリコーンゴム層の硬化時の雰囲気中の水
分の多少により、感光層との接着力が変動し、そのため
露光度が変動しやすいことと、硬化したシリコーンゴム
層中の未反応シラノール基のためにインキ反発性は十分
満足しうるものではないという問題点がある。ラジカル
架橋型により硬化して得られるシリコーンゴム層は、感
光層との接着力が非常に低いため耐刷性が極端に劣り実
用性にとぼしいものであり、また硬化時に酸素によって
架橋の阻害を受けやすく、高温、長時間の硬化条件を設
定する必要があるという問題点がある。
【0007】以上のように従来提案されているシリコー
ンゴム層の硬化方法では、安定した接着力を保ち、かつ
高いインキ反発性を持つものは得られていないという状
況である。
【0008】
【発明が解決しようとする問題】本発明は高いインキ反
発性を有し、版性能がシリコーンゴムの硬化時の雰囲気
の影響を受けにくい特徴を持った水なし平版印刷用原版
を開発することを目的としたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の水なし
平版印刷用原版によって達成される。すなわち(1)基
板、該基板の上に設けたネガ型感光層、および該感光層
の上に設けたシリコーンゴム層からなる水なし平版印刷
用原版において、シリコーンゴム層が1分子中に2個以
上の水素−ケイ素結合を有する化合物と1分子中に2個
以上の炭素−炭素不飽和結合を有する化合物との付加反
応物からなり、該感光層中に少なくともキノンジアジド
化合物を含有することを特徴とする水なし平版印刷用原
版、により達成される。
【0010】さらには、(2)該感光層中にバインダポ
リマを有することを特徴とする水なし平版印刷用原版、
さらには、(3)該感光層中に3官能以上の不飽和結合
含有化合物を有することを特徴とする水なし平版印刷用
原版、により好ましく達成される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明における基板、ネガ型感光
層、シリコーンゴム層の順に積層して形成される積層体
は、露光により感光層の特性が変化して、シリコーンゴ
ム層と感光層との接着力の変化、もしくは感光層の現像
液に対する溶解性の変化を引き起こす。そこで露光部と
非露光部との接着力の差、もしくは溶解性の差を利用し
て現像によりシリコーンゴム層が除去される部分と残存
する部分とにわかれる。シリコーンゴム層が除去された
部分は、感光層もしくは基板が露出し、インキ着肉性で
あり、画像部を形成する。シリコーンゴム層が残存する
部分はインキ反発性であり、非画線部を形成し、水なし
平版印刷版となる。
【0012】本発明における基板としては、アルミ、ス
チールなどの金属、ポリエステル、ポリアミドなどのプ
ラスチック、ゴム、コート紙あるいはこれらの複合材な
どが使用される。また基板と感光層との間に、接着力向
上、もしくはハレーション防止のためにコート層を設定
することは任意である。
【0013】本発明でいうキノンジアジド化合物として
は、通常ポジ型PS版、ワイポン版、フォトレジストな
どに用いられているベンゾキノンジアジドスルホン酸お
よびその誘導体、ナフトキノンジアジドスルホン酸およ
びその誘導体などが挙げられる。
【0014】具体的には1,2−ベンゾキノン−2−ジ
アジドー4ースルホン酸クロリド、1,2−ベンゾキノ
ン−2−ジアジドー4ースルホン酸ナトリウム塩、1,
2−ベンゾキノン−2−ジアジドー4ースルホン酸、
1,2−ナフトキノン−2−ジアジドー4ースルホン酸
クロリド、1,2−ナフトキノン−2−ジアジドー4ー
スルホン酸ナトリウム塩、1,2−ナフトキノン−2−
ジアジドー4ースルホン酸、1,2−ナフトキノン−2
−ジアジドー5ースルホン酸クロリド、1,2−ナフト
キノン−2−ジアジドー5ースルホン酸ナトリウム塩、
1,2−ナフトキノン−2−ジアジドー5ースルホン
酸、1,2−ナフトキノン−2−ジアジドー6ースルホ
ン酸クロリド、1,2−ナフトキノン−2−ジアジドー
6ースルホン酸ナトリウム塩、1,2−ナフトキノン−
2−ジアジドー6ースルホン酸などが挙げられるが、こ
れらに限定されるわけではない。
【0015】これらの中では1,2−ナフトキノン−2
−ジアジド−4−スルホン酸およびその誘導体、および
1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸
およびその誘導体が有効である。
【0016】1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスル
ホン酸の誘導体としては、公知の水酸基含有化合物やア
ミノ基含有化合物とのエステル化物、アミド化物が挙げ
られるが、シリコーンゴム層との接着性という観点から
分子中に不飽和結合もしくは水酸基、アミノ基などを含
む1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸誘導
体が好ましい。
【0017】このような化合物は、一般的には次のよう
な方法により得られる。
【0018】不飽和結合、水酸基、アミノ基などの官
能基を有する化合物の例えば水酸基やアミノ基などに
1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸クロラ
イドを反応させてエステル化、もしくはアミド化する方
法。
【0019】官能基を有する化合物の具体例としては、
ポリヒドロキシフェニルやピロガロールアセトン樹脂、
パラヒドロキシスチレン共重合体、フェノールホルムア
ルデヒドノボラック樹脂、水酸基含有のエポキシアクリ
レート化合物などを挙げることができる。
【0020】ナフトキノンジアジドスルホン酸のエス
テル化物あるいはアミド化物の反応性の官能基に、不飽
和基、水酸基、アミノ基などを有する化合物を反応させ
る方法。
【0021】官能基を導入するために用いられる反応性
化合物の具体例としては、アクリル酸クロライド、アリ
ルクロライド、アリルイソシアネートなどが考えられる
が、これらに限定されるわけではない。
【0022】キノンジアジド化合物が少ない場合は露光
による耐溶剤性の変化が小さくなるので、画像再現しに
くくなる。したがって、キノンジアジド化合物の感光層
中に占める割合としては、25重量%以上であることが
好ましい。
【0023】本発明における該感光層中には必要に応じ
てバインダポリマを含有することが出来る。バインダポ
リマとしては、ビニルポリマ類、未加硫ゴム、ポリオキ
シド類(ポリエ−テル類)、ポリエステル類、ポリウレ
タン類、ポリアミド類など種々のものを単独もしくは混
合して用いることができるが、感光層とシリコーンゴム
層の接着力発現という観点から不飽和基、水酸基、メル
カプト基などの官能基を有し、かつ親水性であることが
特に好ましい。
【0024】1.ビニルポリマ 不飽和基を有するビニルポリマ類は、以下(1)〜
(7)のような方法で得ることが出来る。
【0025】(1)不飽和結合基を2つ以上有するモノ
マ(ジ、トリ、テトラ、ポリアクリレートや(メタ)ア
クリル酸ビニル、(メタ)アリルアクリレートなどを含
む下記モノマ)の単独重合あるいは共重合生成物。
【0026】重合または架橋可能な不飽和結合基を2個
以上有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸およ
び(メタ)アクリル酸クロライドなどの誘導体と以下に
示すような不飽和結合含有化合物の反応により得ること
が出来る。。
【0027】不飽和結合含有化合物としては、アリルア
ルコール、2ーメチルアリルアルコール、クロチルアル
コール、3−クロル−2−プロペン−1−オール、1ー
シクロヘキシル−2−プロペン−1−オール、1ーカル
ボキシー2ープロペン−1−オール、1−シアノー2−
プロペンー1ーオール、2ーエトキシ−2−プロペン−
1−オール、1−メチル−3−カルボキシー2−プロペ
ン−1−オール、3−カルボキシ−2−プロペン−1−
オール、3ークロルー3−カルボキシ−2−プロペンー
1ーオール、1ーカルボキシ−3−クロル−3−メチル
ー2−プロペンー1ーオール、1−カルボキシ−3−メ
チル−2−プロペンー1ーオール、1−シアノ−3−メ
チルー2−プロペンー1ーオール、3ーブトキシー2ー
プロペンー1ーオール、3ーシクロペンチルー2−プロ
ペンー1ーオール、3ークロロー2−プロペンー1ーオ
ール、3ーブロモー2−プロペンー1ーオール、2ーメ
チル−3−ブロムー2−プロペンー1ーオール、2−ク
ロルー2−プロペンー1ーオール、2−ブロム−2−プ
ロペンー1ーオール、2−カルボキシー2−プロペンー
1ーオール、2−ブロム−3,3−ジフルオロー2−プ
ロペンー1ーオールなどや、2−アリロキシエタノール
やアリロキシプロパノールなどの上記化合物のエチレン
オキシドやプロピレンオキシド付加物など。またこれら
において、1位のアルコールをチオールやアミン、ハロ
ゲンで置換した化合物ももちろん使用できるがこれらに
限定されるものではない。
【0028】また、水酸基、メルカプト基、アミノ基な
どの官能基を含有する化合物1モルに対しアリルイソシ
アネートを2モル以上、もしくは水酸基、メルカプト
基、アミノ基などの官能基を含有する(メタ)アクリル
酸誘導体1モルに対しアリルイソシアネートを1モル以
上反応させることでも不飽和結合基を2個以上有するモ
ノマーを得ることが出来る。
【0029】これらの不飽和結合を2個以上有するモノ
マを単独あるいは複数で重合、あるいは他の種々のモノ
マと共重合させることにより不飽和結合を有するポリマ
またはオリゴマを得ることが出来る。
【0030】共重合させる他のモノマとしては例えば
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキル、ク
ロトン酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸ベンジル、
(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチルおよびその
酸無水物との半エステル化物、アクリロニトリル、スチ
レン、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、塩化ビニル、ブタ
ジエン、エチレン、ビニルエーテル、N−メチロールア
クリルアミド、アクロレイン、ポリエチレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールエ
チルエーテル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエ
チル−2’−(メタ)アクリロキシエチルフタレート、
2ーヒドロキシエチル−2’−(メタ)アクリロキシエ
チルフマレートなど公知のモノマを挙げることが出来
る。
【0031】(2)ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ートなど水酸基、メルカプト基、アミノ基などの官能基
を有するモノマの単独あるいは共重合生成物に(メタ)
アクリル酸クロライドを反応させて得られるもの。
【0032】(3)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリ
レートなど水酸基、メルカプト基、アミノ基などの官能
基を有するモノマの単独あるいは共重合生成物に無水マ
レイン酸や無水イタコン酸を反応させて得られるもの。
【0033】(4)(メタ)アクリル酸やクロトン酸の
共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートなどエポキ
シ基含有アクリレート化合物を反応させたもの。
【0034】(5)無水マレイン酸の単独あるいは共重
合体に、ペンタエリスリトールトリアクリレートやポリ
エチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなど水酸
基含有アクリレート化合物を半エステル化で付加させた
もの。
【0035】(6)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリ
レートなど水酸基、メルカプト基、アミノ基などの官能
基を有するモノマの単独あるいは共重合生成物に、4−
トリレンジイソシアネートなどポリイソシアネートとヒ
ドロキシアルキル(メタ)アクリレートの反応生成物な
どイソシアネート基含有アクリレート化合物を反応させ
たもの。
【0036】(7)シンナモイル基やマレイミド基など
を有する(メタ)アクリル酸エステルの共重合体。
【0037】2.未加硫ゴム 不飽和結合を有するポリマとしては、天然ゴム(NR)
やブタジエンやイソプレンより選ばれた単独重合体また
は共重合体であり、例えばポリブタジエン(BR)、ス
チレン−ブタジエン共重合体(SBR)、カルボキシ変
性スチレン−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン(N
R)、ポリクロロプレン(CR)、アクリル酸エステル
−ブタジエン共重合体、メタクリル酸エステル−ブタジ
エン共重合体、イソブチレン−イソプレン共重合体(I
IR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NB
R)、カルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエン共
重合体、アクリロニトリル−クロロプレン共重合体、ア
クリロニトリル−イソプレン共重合体、ビニルピリジン
−スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレ
ン共重合体などが挙げられるが、これらに限定されな
い。
【0038】水酸基含有ポリマとしては、上記不飽和結
合を有するポリマの二重結合部分を過酸化物などにより
エポキシ化したのちカルボン酸と反応させることにより
得られる。この場合、カルボン酸としてアクリル酸やメ
タクリル酸を用いると、水酸基と不飽和結合の両方を有
するポリマとなる。また、カルボン酸の代わりに活性水
素を有するアミン化合物と反応させることによっても水
酸基含有ポリマが得られる、この場合、メタクリル基含
有アミンを用いると、水酸基と不飽和結合の両方を有す
るポリマとなる。また、上記のブタジエンやイソプレン
と水酸基含有アクリル酸エステルや水酸基含有メタクリ
ル酸エステルとの共重合体などでもよい。さらに、上記
ブタジエンやイソプレンとグリシジル基含有アクリル酸
エステルやグリシジル基含有メタクリル酸エステルとの
共重合体にカルボン酸を反応させることによっても水酸
基含有ポリマが得られる。当然ながら、この場合にアク
リル酸やメタクリル酸を用いれば水酸基と不飽和結合の
両方を有するポリマが得られる。同様に活性水素を有す
るアミン化合物と反応させることによっても水酸基含有
ポリマが得られる。
【0039】3.ポリオキシド類(ポリエーテル類) 不飽和結合を有するポリマとしては、ポリ(ブタジエン
オキシド)、ポリ(1−ブテンオキシド)、ポリ(イソ
ブテンオキシド)などが挙げられる。
【0040】水酸基含有ポリマとしては、上記不飽和結
合を有するポリマの二重結合部分を過酸化物などにより
エポキシ化したのちカルボン酸と反応させることにより
得られる。この場合、カルボン酸としてアクリル酸やメ
タクリル酸を用いると、水酸基と不飽和結合の両方を有
するポリマとなる。また、カルボン酸の代わりに活性水
素を有するアミン化合物と反応させることによっても水
酸基含有ポリマが得られる、この場合、メタクリル基含
有アミンを用いると、水酸基と不飽和結合の両方を有す
るポリマとなる。
【0041】4.ポリエステル類 以下に示すような多価アルコールと多価カルボン酸の重
縮合により得られるポリエステル、多価アルコールと多
価カルボン酸無水物の重合により得られるポリエステ
ル、およびこれら多価アルコール、多価カルボン酸、多
価カルボン酸無水物、およびラクトンの混合物より得ら
れるポリエステルなどが挙げられるが、不飽和結合を有
するポリマを得る場合には多価アルコールあるいは多価
カルボン酸、多価カルボン酸無水物のどちらか少なくと
も一方が不飽和結合を有していることである。ラクトン
の開環重合などにより得られるポリエステルについて
も、ラクトンに不飽和結合があることが重要である。ま
た、水酸基を有するポリマを得る場合には、例えば3官
能以上の多価アルコールの少なくとも1個の水酸基が残
るように反応させればよい。さらに、3官能以上の多価
カルボン酸の少なくとも1個のカルボン酸基が残るよう
に反応させ、その後にグリシジル基含有化合物を反応さ
せることによっても水酸基含有のポリマが得られる、こ
の場合、グリシジル基含有化合物としてグリシジルアク
リレートやグリシジルメタクリレートを用いると、水酸
基と不飽和結合の両方を有するポリマが得られることに
なる。
【0042】多価アルコールとしては、不飽和結合を有
さないアルコールとしては、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4
−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,
5−ペンタンジオールあ,6−ヘキサンジオール、ジエ
チレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペン
チルグリコール、トリエチレングリコール、p−キシリ
レングリコール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノ
ールジヒドロキシプロピルエーテル、グリセリン、トリ
メチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリスヒ
ドロキシメチルアミノメタン、ペンタエリスリトール、
ジペンタエリスリトール、ソルビトールなどが挙げられ
る。。不飽和結合を有するアルコールとしては、1,6
−ヘキセンジオール、7−オクテン−1,2−ジオー
ル、グリセリン1モルにアクリル酸1モルを反応させた
もの、グリセリン1モルにメタクリル酸1モルを反応さ
せたもの、トリメチロールエタン1モルにアクリル酸1
モルを反応させたもの、トリメチロールエタン1モルに
メタクリル酸1モルを反応させたもの、トリメチロール
プロパン1モルにアクリル酸1モルを反応させたもの、
トリメチロールプロパン1モルにメタクリル酸1モルを
反応させたもの、ペンタエリスリトール1モルにアクリ
ル酸を1モルあるいは2モルを反応させたもの、ペンタ
エリスリトール1モルにメタクリル酸1モルあるいは2
モルを反応させたもの、ジペンタエリスリトール1モル
にアクリル酸を1〜4モル反応させたもの、ジペンタエ
リスリトール1モルにメタクリル酸を1〜4モル反応さ
せたものなどが挙げられる。
【0043】多価カルボン酸および多価カルボン酸無水
物としては、不飽和結合を有さないカルボン酸およびカ
ルボン酸無水物としては、フタル酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、
無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無
水フタル酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸など
が挙げられる。不飽和結合を有するカルボン酸およびカ
ルボン酸無水物としては、マレイン酸、無水マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸、テトラヒドロフタル酸テト
ラヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセントリカル
ボン酸、メチルヘキセントリカルボン酸無水物などが挙
げられる。
【0044】ラクトンとしては、β−プロピオンラクト
ン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カ
プロラクトンなどが挙げられる。
【0045】5.ポリウレタン類 以下に示すポリイソシアネート類と多価アルコールより
得られるポリウレタン。
【0046】こ場合、不飽和結合を有するポリマを得る
ためには多価アルコールかポリイソシアネートのどちら
か少なくとも1方が不飽和結合を有している必要があ
る。
【0047】多価アルコールとしては上記ポリエステル
の項で述べた多価アルコール類および下記多価アルコー
ル類、これら多価アルコール類とポリエステルの項で述
べた多価カルボン酸の重縮合で得られる両末端が水酸基
であるような縮合系ポリエステルポリオール、上記ラク
トン類より得られる重合ポリエステルポリオール、ポリ
カーボネートジオール、プロピレンオキシドやテトラヒ
ドロフランの開環重合やエポキシ樹脂の変性で得られる
ポリエーテルポリオール、あるいは水酸基を有するアク
リル(あるいはメタクリル)単量体とアクリル(あるい
はメタクリル)酸エステルとの共重合体であるアクリル
ポリオール、ポリブタジエンポリオールなどが使用可能
である。この場合も上記ポリエステルの項と同様、3官
能以上の多価アルコールのの少なくとも1個の水酸基が
残るように反応すれば水酸基含有ポリマとなりうる。
【0048】ポリプロピレングリコール、ポリエチレン
グリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレン
オキシド−プロピレンオキシド共重合体、テトラヒドロ
フラン−エチレンオキシド共重合体、テトラヒドロフラ
ン−プロピレンオキシド共重合体、種々の含リンポリオ
ール、ハロゲン含有ポリオールなど。
【0049】イソシアネート類としては、不飽和結合を
有さないイソシアネート類としては、パラフェニレンジ
イソシアネート、2,4−または2,6−トルイレンジ
イソシアネート(TDI)、4,4−ジフェニルメタン
ジイソシアネート(MDI)、トリジンイソシアネート
(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)
水素化キシリレンジイソシアネート、シクロヘキサンジ
イソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート(M
XDI)、リジンジイソシアネート(LDI)(別名
2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート)、水素
化MDI(H12MDI)(別名4,4’−メチレンビ
ス(シクロヘキシルイソシアネート))、水素化TDI
(HTDI)(別名メチルシクロヘキサン2,4(2,
6)ジイソシアネート)、水素化XDI(H6XDI)
(別名1,3−(イソシアネートメチル)シクロヘキサ
ン)、イソホロンジイソシアネート(IPI)、ジフェ
ニルエーテルジイソシアネート、トリメチルヘキサメチ
レンジイソシアネート(TMDI)、テトラメチルキシ
リレンジイソシアネート、ポリメチレンフェニルイソシ
アネート、ダイマー酸ジイソシアネート(DDI)、ト
リフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシ
アネートフェニル)チオフォスフェート、テトラメチル
キシリレンジイソシアネート、リジンエステルトリイソ
シアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネ
ート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネート
メチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソ
シアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネートなど
やポリイソシアネート類の多価アルコールアダクト体、
あるいはポリイソシアネート類の重合体が挙げられる。
不飽和結合を有するイソシアネート類としては、上記に
示したイソシアネート類の中の3官能以上のイソシアネ
ート類を用い、イソシアネート基の部分に水酸基含有の
アクリレートやメタクリレート(例えばヒドロキシエチ
ルアクリレートヤヒドロキシエチルメタクリレート)を
反応させたものが挙げられる。
【0050】6.ポリアミド類 不飽和結合や水酸基を有するポリアミドとしては、例え
ば末端カルボン酸に水酸基含有のアクリレートやメタク
リレートを反応させたもの、グリシジルアクリレートや
グリシジルメタクリレートを反応させたもの、上記ポリ
エステルの項で示したような多価アルコールを反応させ
たものなどが挙げられる。この様な場合、ポリアミドの
主鎖骨格としては通常知られているポリアミド骨格が挙
げられる。主鎖骨格の具体例としては、ε−カプロラク
タム、ω−カプロラクタムなどを開環したもの、ヘキサ
メチレンジアミンとアジピン酸との反応物、ヘキサメチ
レンジアミンとセバチン酸との反応物などが挙げられ
る。
【0051】バインダポリマが80wt%より多い場合は
結果的にキノンジアジド化合物の減量を意味するため、
画像再現性、現像性、SK接着力などに問題を生じさせ
る。また、感光液の塗工性、感光層の膜物性の点で、感
光層に占める割合として5重量%以上が好ましい。
【0052】また、該感光層中には必要に応じて、シリ
コーンゴム層と感光層の接着という観点から不飽和結合
を有する化合物が添加してもよい。不飽和結合を有する
化合物としては、前述のビニル系ポリマーで述べたよう
な公知のモノマーを使用することが出来るが、シリコー
ンゴム層との接着点などの観点から、2官能以上、さら
には3官能以上のモノマーが好ましく用いられる。
【0053】以下に3官能以上の不飽和基を有するモノ
マーを挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0054】ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリ
レート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレ
ート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレ
ート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、グリセリントリ(メタ)アクリレート、テトラキス
−β−(メタ)アクリロキシエチルエチレンジアミン、
トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロ
ピル)エーテル、グリセリンやトリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトールなどの多官能アルコールにエ
チレンオキシドやプロピレンオキシドを付加したものの
トリ、テトラあるいはポリ(メタ)アクリレート化物、
例えば下記一般式(1)や(2)、(3)に示すような
モノマ。
【0055】
【化1】
【化2】
【化3】 その他、1,3,5−トリ−β−ビニルオキシエトキシ
ベンゼン、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルフ
ォスフェート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソ
シアヌレートなども挙げられる。
【0056】また、アリルイソシアネートとポリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトー
ルテトラ(メタ)アクリレートなど多官能ポリオールと
の反応などによっても不飽和結合を3個以上有するモノ
マーを得ることが出来る。
【0057】さらに、下記式(4)や(5)で表される
化合物やキシリレンジアミンなどのポリアミン化合物に
アリルグリシジルエーテルやグリシジル(メタ)アクリ
レートまたは(メタ)アクリル酸クロライドなどのポリ
アミンに反応しうる基および重合性不飽和基を有する化
合物を付加させることによっても不飽和結合を3個以上
有するモノマーを得ることが出来る。その際、例えばキ
シリレンジアミンにアリルグリシジルエーテルとグリシ
ジル(メタ)アクリレートを共に反応させることによっ
て、アリル基とアクリレート基を共に有するモノマーを
得ることも出来る。
【0058】
【化4】 R1HN−L−NHR2 (5) (式中、R1、R2は水素原子、炭素数1〜20の置換
もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のア
ラルキル基であり、同じであっても異なっていてもよ
い。Lは2価の連結基を示す。) その他、3官能以上、好ましくは4官能以上の多官能ウ
レタンアクリレート、多官能ポリエステルアクリレー
ト、多官能エポキシアクリレートも使用可能である。
【0059】これらモノマーは3官能以上であるが、シ
リコーン成分中のSiHとの反応性の観点から、すなわ
ち版性能においては画像再現性、耐刷性の観点から4官
能以上のものが好ましい。
【0060】モノマの感光層中に占める割合としては、
50重量%以下が好ましい。モノマの量が多すぎる場合
には、キノンジアジド化合物の減量を意味するため、画
像再現性、現像性、SK接着力などに問題を生じる。
【0061】モノマを含んでいない場合でも問題はない
が、シリコーンゴム層と感光層の接着性という観点から
含んでいる方が好ましい。
【0062】本発明において使用されるキノンジアジド
化合物を含む感光層は光溶解型感光層と光剥離型感光層
に分類できる。光溶解型感光層とは、露光により感光層
の耐溶剤性が変化し、その後の現像処理により露光部の
感光層の全部もしくは大部分とインキ反発層としてのシ
リコーンゴム層がともに除去され画線部を形成する感光
層のことをいう。
【0063】他方、光剥離型感光層とは、露光、現像処
理により、露光部感光層が実質的に除去されることな
く、その上のシリコ−ンゴム層が除去されるものであ
る。公知のキノンジアジド化合物を多官能化合物で架橋
せしめるか、あるいはキノンジアジド化合物中の活性基
を単官能化合物と結合させるなどして変性し、現像液に
難溶もしくは不溶にすることにより得られる。
【0064】架橋剤としては、多官能性イソシアネ−ト
類、例えば、パラフェニレンジイソシアネ−ト、2,4
−または2,6−トリレンジイソシアネ−ト、4,4´
−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、ヘキサメチレン
ジイソシアネ−ト、イソホロンジイソシアネ−ト、ポリ
メチレンポリフェニルイソシアネ−トもしくはこれらの
アダクト体など、あるいは多官能エポキシ化合物、例え
ば、ポリエチレングリコ−ルジグリシジルエ−テル類、
ポリプロピレングリコ−ルジグリシジルエ−テル類、ビ
スフェノ−ルAジグリシジルエ−テル、トリメチロ−ル
プロパントリグリシジルエ−テルなどがある。
【0065】光剥離型感光層において、架橋剤の量とし
ては、キノンジアジド化合物100重量部に対して1〜
150重量部が好ましく、より好ましくは5〜100重
量部、さらに好ましくは10〜80重量部である。
【0066】架橋剤が少なすぎる場合は、感光層の硬化
が不十分となる場合があり、逆に多すぎる場合は架橋点
に対し架橋剤量が過剰となるため、シリコーンゴム層と
感光層の接着量や保存安定性に悪影響をもたらす結果と
なる。
【0067】またキノンジアジド化合物に単官能化合物
を反応させて変性して現像液に難溶もしくは不溶にする
方法としては、同様に該感光性化合物の活発な基を例え
ばエステル化、アミド化、ウレタン化することなどが挙
げられる。感光性化合物の活発な基と反応させる化合物
としては、低分子であっても比較的高分子であってもよ
いし、感光性化合物にモノマをグラフト重合させてもよ
い。
【0068】上記の諸成分に加え、必要に応じて光増感
剤、酸、塩基、染料、顔料、光発色剤、界面活性剤、触
媒などの添加剤を加えることは任意である。特に、露光
現像された印刷版の検版性を向上させる意味から、適当
な染料、顔料、光発色剤などを単独あるいは二種以上組
み合わせて用いることにより、可視画像再現性に優れた
印刷版原版となりうる。
【0069】感光層の厚さは0.1〜100μm、好ま
しくは約0.5〜10μmが適当である。薄すぎると感
光層中にピンホ−ルを生じやすくなり、一方厚すぎると
経済的に不利であるので上記の範囲が好ましい。
【0070】本発明におけるシリコーンゴム層はインキ
反発層となるものであり、厚さが小さいとインキ反発性
の低下、傷が入りやすいなどの問題があり、厚さが大き
い場合、現像性が悪くなるという点から、厚みとしては
0.5ミクロンから50ミクロンであることが好まし
い。
【0071】本発明におけるシリコーンゴム層の形成
は、−SiH と炭素−炭素不飽和結合との付加反応により
硬化して得られるものであり、得られるシリコーンゴム
は縮合型により得られるものに比べてゴム中のシラノー
ル基が少なく、インキ反発性に優れているという特徴を
もつものである。ここに炭素−炭素不飽和結合基として
は、それぞれ炭素数2〜10の置換あるいは非置換のア
ルケニル基、アルケニレン基、アルキニル基、アルキニ
レン基があげられ、芳香族の炭素−炭素不飽和結合は含
まれない。
【0072】本発明のシリコーンゴムは、多価ハイドロ
ジェンオルガノポリシロキサンと、1分子中に2個以上
の炭素−炭素不飽和結合を有する非シロキサン化合物と
の反応によっても得られるが、望ましくは、 (a)1分子中にケイ素原子に直接結合したアルケニル基(より望ましくはビニ ル基)を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン 100重量部 (b)1分子中に少なくともSi−H 結合を2個有するオルガノハイドロジェンポ リシロキサン 0.1〜10,000重量部 (c)付加触媒 0.00001〜1重量部 からなる組成物を硬化したものである。成分(a)のア
ルケニル基は分子鎖末端、中間いずれにあってもよく、
アルケニル基以外の有機基としては、置換もしくは非置
換のアルキル基、アリール基である。成分(a)には水
酸基を微量有することも任意である。成分(b)は成分
(a)と反応してシリコーンゴムを形成するが、かつ感
光層に対する接着性の付与の役割も果たす。成分(b)
の水素基は分子鎖末端、中間のいずれにあってもよく、
水素以外の有機基としては成分(a)と同様のものから
選ばれる。成分(a)と成分(b)の有機基は、インキ
反発性の向上の点で総じて基数の60%以上がメチル基
であることが好ましい。成分(a)、成分(b)の分子
構造は直鎖状、環状、分岐状いずれでもよく、どちらか
少なくとも一方の分子量が1,000を越えることがゴ
ム物性の面で好ましく、さらに成分(a)の分子量が
1,000を越えることが好ましい。
【0073】成分(a)としては、α,ω−ジビニルポ
リジメチルシロキサン、両末端メチル基の(メチルビニ
ルシロキサン)(ジメチルシロキサン)共重合体などが
例示され、成分(b)としては、両末端水素基のポリジ
メチルシロキサン、α,ω−ジメチルポリメチルハイド
ロジェンシロキサン、両末端メチル基の(メチルハイド
ロジェンシロキサンサイクリックス)(ジメチルシロキ
サンサイクリックス)共重合体、メチルハイドロジェン
シロキサンサイクリックスなどが例示される。
【0074】成分(b) の添加量としては、成分(a) 10
0重量部に対して0.1〜10,000重量部が好まし
く、より好ましくは3〜10,000重量部、さらに好
ましくは3〜30重量部である。成分(b) の量が少ない
と、感光層中の不飽和結合、水酸基、アミノ基などの官
能基との反応に消費され、シリコーンゴム層中の炭素−
炭素不飽和結合と反応する量が不足し、シリコーンゴム
層の硬化が阻害される。一方、多すぎる場合には、シリ
コーンゴム層の架橋密度が高くなり耐スクラッチ性やイ
ンキ反撥性などが劣ってしまうという問題が生じる。
【0075】成分(c)の付加触媒は、公知のもののな
かから任意に選ばれるが、特に白金系の化合物が望まし
く、白金単体、塩化白金、塩化白金酸、オレフィン配位
白金などが例示される。これらの組成物の硬化速度を制
御する目的で、テトラシクロ(メチルビニル)シロキサ
ンなどのビニル基含有のオルガノポリシロキサン、炭素
−炭素3重結合含有のアルコールなどの架橋抑制剤を添
加することも可能である。成分(c) の添加量としては、
成分(a) 100重量部に対して0.00001〜1重量
部が好ましく、より好ましくは0.1〜1重量部であ
る。少なすぎると触媒としての効果が乏しく、また組成
によっては被毒により触媒としての効果がなくなる場合
がある。逆に多すぎるとシリコーンゴム液のポットライ
フが短くなるため版作業時にゲル化などの問題が生じ
る。ポットライフを長くするために反応抑制剤を添加す
ることもよく行われることであるが、触媒量が多すぎる
場合には、いたずらに反応抑制剤の添加量を多くするだ
けで経済的に不利となる。
【0076】これらの組成物は、3成分を混合した時点
において付加反応が起き、硬化が始まるが、硬化速度は
反応速度が高くなるに従い急激に大きくなる特徴を有す
る。ゆえに組成物、のゴム化までのポットライフを長く
し、かつ感光層上での硬化時間を短くする目的で、組成
物の硬化条件は、基板、感光層の特性が変わらない範囲
の温度条件で、かつ完全に硬化するまで高温に保持して
おくことが、感光層との接着力の安定性の面で好まし
い。
【0077】これらの組成物の他に、アルケニルトリア
ルコキシシランなどの公知の接着付与剤を添加すること
や、縮合型シリコーンゴムの組成物である水酸基含有オ
ルガノポリシロキサン、加水分解性官能基含有シラン
(もしくはシロキサン)を添加することも任意であり、
またゴム強度を向上させる目的で、シリカなどの公知の
充てん剤を添加することも任意である。
【0078】ここに説明した水なし平版印刷用原版にお
いて本発明の特徴を有するシリコーンゴム層上に、さら
に種々のシリコーンゴム層を塗工することも任意であ
り、また感光層とシリコーンゴム層との間の接着力を上
げる目的、もしくはシリコーンゴム組成物中の触媒の被
毒を防止する目的で、感光層とシリコーンゴム層の間に
接着層を設けることも任意である。シリコーンゴム層の
表面保護のために、シリコーンゴム層上に、透明なフィ
ルムのラミネートやポリマーのコーティングを施しても
よい。
【0079】このようにして得られた印刷用原版は、公
知の方法で露光、現像が可能であり、現像するとシリコ
ーンゴム層が残存した非画線部と、シリコーンゴム層が
剥離して感光層もしくは基板が露出した画線部が形成さ
れた印刷版が得られる。
【0080】
【実施例】以下に実施例を述べる。
【0081】実施例1 砂目立て加工した厚さ0.2mmのアルミ板状に住友ヂ
ュレス製フェノールホルムアルデヒドレゾール樹脂「ス
ミライトレジンPC−1」を塗布し、200℃の条件で
5分間硬化させた(厚さ1μm)。
【0082】この積層対を基板として1,2−ナフトキ
ノン−2−ジアジド−5−スルホン酸クロライドとフェ
ノールノボラック樹脂(数平均重合度4.2)とを反応
させて得られる部分スルホン酸エステル化物(エステル
化率42%)のテトラヒドロフラン溶液を塗布し乾燥さ
せ、厚さ2μmの感光層を設けた。続いて感光層上に (1)α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(数平均分子量約12000) 100重量部 (2)α,ω−ジメチルポリメチルハイドロジェンシロキサン (数平均重合度10) 3重量部 (3)塩化白金酸 0.1重量部 からなる組成物のn−ヘプタン溶液を塗布し、100
℃、10%RHにて5分間加熱し、乾燥、硬化させ、シ
リコーンゴム層を設けた(厚さ3μm)。上述のように
作成した積層板に厚さ10μmのポリプロピレンフィル
ム“トレファン”(東レ製)をカレンダーローラーを用
いてラミネートし、印刷用原版を得た。
【0083】岩崎電機(株)製メタルハライドランプ
「アイドルフィン2000」を用い、UVメーター(オ
ーク製作所ライトメジャータイプUV402A)で11
mW/cm2 の照度で全面露光を6秒間施した。
【0084】上記のように全面露光した印刷用原版上
に、ネガフィルムを密着し、11mW/cm2 の照度で
60秒間画像露光した。
【0085】次いで「トレファン」を剥離して、前処理
液(分子量400のポリプロピレングリコール100
部、モノエタノールアミン0.5部)に1分間浸漬して
から、ナイロンブラシを用いて現像液(水、エタノー
ル、90/10重量比)で現像したところ、露光部はシ
リコーンゴム層および感光層が剥離し、基板が露出した
画線部を形成し、非露光部はシリコーンゴム層が残存し
た非画線部を形成する印刷版を得た。
【0086】この印刷版をオフセット印刷機にセット
し、大日本インキ(株)製水あり平版用インキ「アペッ
クスG」紅を用いて、湿し水を与えず印刷したところ、
優れた画像再現性を有し、インキの非画線部への付着に
よる地汚れのない印刷版を得た。
【0087】実施例2 砂目立て加工した厚さ0.2mmのアルミ板上に実施例
1と同様の方法で「スミライトレジンPC−1」を塗工
した。
【0088】この積層体を基板として (1)実施例1の感光層組成物 100重量部 (2)4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート 20重量部 (3)ジブチルスズジラウレート 0.1重量部 からなる組成物のテトラヒドロフラン溶液を塗工し、1
10℃、1分間乾燥、硬化させ、厚さ2μmの感光層を
設けた。
【0089】次いで感光層上に実施例1と同様の方法で
シリコーンゴム層、東レ製ポリエステルフィルム“ルミ
ラー”を順次積層し、印刷用原版を得た。
【0090】得られた印刷用原版にネガフィルムを密着
させ、実施例1と同様の、露光機、照度で60秒間露光
した。
【0091】“ルミラー”を剥離して、「ソフパッド」
を用いて現像液(n−ヘキサン、エチルアルコール、4
0/60重量比)で現像したところ、露光部はシリコー
ンゴム層が剥離して感光層が露出した画線部を形成し、
非露光部はシリコーンゴム層が残存した非画線部を形成
する印刷版を得た。
【0092】得られた印刷版を実施例1と同様の方法で
印刷したところ、優れた画像再現性を有する印刷物を得
た。
【0093】比較例1 実施例1において、シリコーンゴム層の組成を (1)α,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン (数平均分子量約12000) 100重量部 (2)エチリトリアセトキシシラン 3重量部 (3)ジブチルスズジアセテート 0.5重量部 として、10%RHおよび80%RHの条件で硬化を行
い、“トレファン”をラミネートし、2種類の印刷用原
版を得た。
【0094】得られた2種類の版を実施例1と同様の方
法で露光、現像、印刷評価を行った。前者の硬化条件で
得られた版においては、満足な画像再現性を有する印刷
版は得られたが、実施例1と同じインキ濃度、温度条件
で印刷すると、非画線部にインキの付着する、いわゆる
地汚れのある印刷版しか得られなかった。また、後者の
硬化条件で得られた印刷版においては、現像後にシリコ
ーンゴム層が一部剥離した印刷版しか得られなかった。
【0095】実施例3 実施例1において、感光層の組成を以下のようにした以
外は、実施例1と全く同様にシリコーンゴム層を塗布、
さらに“トレファン”をラミネートし、版を作製した。
【0096】 (1)1,2−ナフトキノンー2ージアジド−5−スルホン酸 クロライドとフェノ−ルホルムアルデヒドノボラック樹脂 (住友デュレズ製:“スミライトレジン”PR50622) の部分エステル化物 (元素分析法によるエステル化度36%) 100重量部 (2)N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド/ヒドロキシエチルメ タクリレート/アクリル酸:45/45/10(モル比)共重合体 10重量部 得られた印刷版を実施例1と同様の方法で露光、現像し
たところ、露光部はシリコーンゴム層および感光層が剥
離し、基板が露出した画線部を形成し、非露光部はシリ
コーンゴム層が残存した非画線部を形成する印刷版を得
た。
【0097】この版を実施例1と同様に印刷したとこ
ろ、優れた画像再現性を有する印刷物を得ることができ
た。
【0098】実施例4 実施例1において、感光層の組成を以下のようにした以
外は、実施例1と全く同様にシリコーンゴム層を塗布、
さらに“トレファン”をラミネートし、版を作製した。
【0099】 (1)1,2−ナフトキノンー2ージアジド−5−スルホン酸クロ ライドと4,4’ージアミノベンゾフェノンの部分アミド化物 (元素分析法によるアミド化度52%) 100重量部 (2)ジペンタエリスリトールのエチレンオキシド12モル付加物のテトラアク リレート 10重量部 (3)4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート 30重量部 得られた印刷版を実施例1と同様の方法で露光、現像し
たところ、露光部はシリコーンゴム層のみが剥離し、感
光層が露出した画線部を形成し、非露光部はシリコーン
ゴム層が残存した非画線部を形成する印刷版を得た。
【0100】この版を実施例1と同様に印刷したとこ
ろ、優れた画像再現性を有する印刷物を得ることができ
た。
【0101】実施例5 実施例1において、感光層の組成を以下のようにした以
外は、実施例1と全く同様にシリコーンゴム層を塗布、
さらに“トレファン”をラミネートし、版を作製した。
【0102】 (1)1,2−ナフトキノンー2ージアジド−5−スルホン酸 クロライドとフェノ−ルホルムアルデヒドノボラック樹脂 (住友デュレズ製:“スミライトレジン”PR50622) の部分エステル化物 (元素分析法によるエステル化度36%) 70重量部 (2)2−アリロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸/ トリエチレングリコールモノメタクリレート :80/5/15のナトリウム塩 30重量部 得られた印刷版を実施例1と同様の方法で露光した。
【0103】次いで、フィルムを剥離した露光済みの版
を40℃の水に3分間浸漬した後、さらに水中で「ソフ
パッド」を用いて強く擦ったところ、露光部はシリコー
ンゴム層および感光層の一部が剥離し、非露光部はシリ
コーンゴム層が残存した印刷版を得ることが出来た。
【0104】この版を実施例1と同様に印刷したとこ
ろ、優れた画像再現性を有する印刷物を得ることができ
た。
【0105】実施例6 実施例1において、感光層の組成を以下のようにした以
外は、実施例1と全く同様にシリコーンゴム層を塗布、
さらに“トレファン”をラミネートし、版を作製した。
【0106】 (1)1,2−ナフトキノンー2ージアジド−5−スルホン酸 クロライドとフェノ−ルホルムアルデヒドノボラック樹脂 (住友デュレズ製:“スミライトレジン”PR50622) の部分エステル化物 (元素分析法によるエステル化度36%) 100重量部 (2)ポリウレタン サンプレンLQ−T1331 (三洋化成(株)製) 10重量部 得られた印刷版を実施例1と同様の方法で露光、現像し
たところ、露光部はシリコーンゴム層および感光層が剥
離し、基板が露出した画線部を形成し、非露光部はシリ
コーンゴム層が残存した非画線部を形成する印刷版を得
た。
【0107】この版を実施例1と同様に印刷したとこ
ろ、優れた画像再現性を有する印刷物を得ることができ
た。
【0108】
【発明の効果】基板、少なくともキノンジアジド化合物
を含有するネガ型感光層、シリコーンゴム層の順に積層
して構成される水なし平版印刷用原版において、従来提
案されている縮合により硬化して得られるシリコーンゴ
ム層と比べて、本発明におけるハイドロジェンケイ素化
合物と、不飽和結合との付加反応により得られるシリコ
ーンゴム層は、より高いインキ反発性を有する印刷版を
提供する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/075 521 G03F 7/075 521

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板、該基板の上に設けたネガ型感光層、
    および該感光層の上に設けたシリコーンゴム層からなる
    水なし平版印刷用原版において、シリコーンゴム層が1
    分子中に2個以上の水素−ケイ素結合を有する化合物と
    1分子中に2個以上の炭素−炭素不飽和結合を有する化
    合物との付加反応物からなり、該感光層中に少なくとも
    キノンジアジド化合物を含有することを特徴とする水な
    し平版印刷用原版。
  2. 【請求項2】該感光層中にバインダポリマを有すること
    を特徴とする請求項1記載の水なし平版印刷用原版。
  3. 【請求項3】該感光層中に不飽和結合含有化合物を有す
    ることを特徴とする請求項1または2記載の水なし平版
    印刷用原版。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5426923A (en) * 1977-08-02 1979-02-28 Ishikawajima Harima Heavy Ind Precision cast having little strain

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