JPH09303408A - 軸受構造体 - Google Patents
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Abstract
受構造体において、そのスリーブをブラケットへの圧入
により固定する場合、さらにヨークをブラケットの外周
へ圧入により固定する場合において生じる、スリーブ内
経の歪を抑えることを目的とする。 【解決手段】 流体軸受用スリーブ1を圧入するブラケ
ット2の内周面2aの軸方向に連なり径方向に突出した
凸部を円周方向に複数本備えることにより、圧入代変化
に対するスリーブ圧入力変化が抑えられ、その結果、圧
入時に発生するスリーブ内周面1aの歪を抑えることが
できるとともに、さらにブラケット2の外周に、内面に
設けた凸部と互い違いになり径方向に重ならないよう
に、軸方向に連なり径方向に突出した凸部を設けヨーク
を圧入することにより、ヨーク圧入により助長されるス
リーブ内周面1aの歪を抑えることができ、流体軸受の
高精度、高速回転を維持した上での生産性向上が可能と
なる。
Description
ブ圧入時の支持構造体であるブラケットおよびその外周
部に圧入されるヨークの圧入部構造体に関するものであ
る。
機能化に伴い、それに利用されるモータ等の回転構造体
についても、小型・高精度・高速回転が要求されるよう
になり、その軸受として、流体軸受が多く利用されるよ
うになったが、さらなる小型・高精度・高速化の要求を
受け、加工・組立精度の向上が望まれるとともに、コス
トダウンを目指した生産性の向上が課題とされていた。
る。図13は流体軸受が利用される代表的な製品として
モータの断面図を示す。流体軸受は図13に示すよう
に、グループと呼ばれる溝13aを有する軸13と、軸
と同様にグループが加工され、なおかつ軸を支持するス
リーブ1から構成されており、軸13にはターンテーブ
ル15やマグネット14等が固定されており、スリーブ
1とスラスト方向の軸受16により支持され回転する。
また、スリーブ1はブラケット11の内周に固定されて
おり、ブラケット11の外周には、コイル12が付設さ
れたヨーク10が固定されている。
るモータの流体軸受は、従来は、図14に示すような円
筒状の内周面11aを有するブラケット11に、円筒状
に加工したスリーブ1を圧入した後に、圧入により生ず
るスリーブ1の内周面1aの歪を除去するために再度内
周面1aを研削することにより真円度および円筒度を確
保し、その後グループ加工を行っていた。また、さらに
ヨーク10をブラケット11に圧入する場合は、ヨーク
10の圧入により発生するブラケット11の歪がスリー
ブ1の内周面1aの歪を助長するため、ヨーク10も圧
入した状態でスリーブ内面加工を行わねばならなかっ
た。
では、既に単体で内面仕上げやグループ加工を完了した
スリーブ1をブラケット11に圧入する場合と比較し、
生産設備が大型化・複雑化するとともに、加工工程数が
増え、コストや生産性の点で問題となっていた。このよ
うに、スリーブ1を円筒條の内周面を有したブラケット
11に圧入した場合、ブラケット11の断面図である図
15の矢印Bに示すように、圧入時のブラケットの変形
は全体的に外径方向に向き、その結果、ブラケット11
の円周方向に一様な強い引張力が働くこととなり、少し
の径変化でもスリーブに対しては非常に大きな圧縮力が
働き、圧入代のばらつき等加工時のばらつき要素が、流
軸を支持する上で精度が要求されるスリーブ1の内周面
1aの歪に与える影響も大きくなった。そのため、スリ
ーブ1圧入後に内面仕上げやグループ加工を行うことに
より精度を出す必要があった。例えば、内径6mm板厚
1mmの鉄製のブラケット10に、内径2mmで外径に
30μmの圧入代をもった黄銅製のスリーブ1を圧入す
る場合、スリーブ1の内径歪に与える影響は、約10μ
m程度となり、許容値とされる1μm以内に抑えるため
にはμmオーダーでの均一な圧入代加工が必要となる。
しかしながら、生産性向上やコストダウンを目指すため
には、ブラケット11として、板金プレス成形等の切削
に比べると加工精度は落ちるが生産性がよい部品を利用
することが必要であるが、仕様を満足する加工精度を得
ることができず大きな障害となっていた。さらにブラケ
ット11の外周部にヨーク10を圧入する場合はスリー
ブ1に対しさらに圧縮力が加わって働くこととなり、上
記の障害がより顕著に現れた。流体軸受の高精度・高速
回転を確保しなおかつコストダウンを目指した生産性の
向上を実現するためには、スリーブ1とブラケット11
の圧入代ばらつきの多少にかかわらず、スリーブ1と軸
13の間に、より均一で微小な隙間を確保することが必
要となる。
あり、ブラケット11へのスリーブ1の圧入時とスリー
ブ1の圧入に加えヨーク10をブラケット11の外周に
さらに圧入する際に発生する、スリーブ1の内径歪を抑
え、圧入後の内面仕上げやグループ加工をなくすことを
目的とする。
スリーブ組付構造体では、この問題を解決するために、
流体軸受用スリーブと、その支持構造体であるブラケッ
トへの圧入方式での固定において、スリーブが圧入され
る内周面の軸方向に連なり径方向に突出した凸部を円周
方向に複数本有するブラケットを用い、スリーブを圧入
する構造とする。
体では、スリーブに加えヨークがブラケットの外周に圧
入される場合について、ブラケットの外周面に、ブラケ
ット内周面のスリーブ圧入部分に設けられた軸方向に連
なり径方向に突出した凸部と互い違いになり半径方向に
重ならないように、軸方向に連なり径方向に突出した凸
部を設け、ヨークを圧入する構造とする。
体では、スリーブに加えヨークがブラケットの外周に圧
入される場合について、ヨークの内周面に、ブラケット
内周面のスリーブ圧入部分に設けられた軸方向に連なり
径方向に突出した凸部と互い違いになり半径方向に重な
らないように、軸方向に連なり径方向に突出した凸部を
設け、なおかつ、ブラケットの内周面の凸部と互い違い
になり半径方向に重ならないように、ヨークを圧入する
構造とする。
周面またはヨークの内周面が円筒形状である場合、その
内周面または外周面に設けた平面部により形成されるも
のでも良く、また、それらの内周面または外周面から突
出した直線状リブにより形成されるものでも良く、それ
ぞれの組合せによって形成されていてもよい。
無いが、安定したスリーブの保持ならびにスリーブとブ
ラケットの軸心を一致させるためには3個以上を備える
ことが望ましい。また、スリーブに加えブラケットの外
周にヨークを圧入する場合は、凸部をブラケットの内外
周それぞれに設けるか、ブラケットの内周とヨークの内
周に設けるが、請求項2または請求項3に示す様に、ス
リーブ内外周またはスリーブ内周とヨーク内周の凸部の
位置が互い違いとなり半径方向に重ならない構成とする
限り、その本数は必ずしも内外周で同一とする必要はな
い。ただし、凸部の数が少なすぎると、ヨークの圧入に
よりスリーブを保持する凸部が外周方向に開きスリーブ
の保持力が弱くなるともあり、逆に、凸部の数が多すぎ
ると、ヨークの圧入により、スリーブを保持する凸部が
内周方向に大きく歪むこととなり、スリーブ1の変形が
増大することもあり、その大小関係については寸法や材
料や圧入代により異なるため、その関係を数値解析や実
験により検証したうえで、ヨークの圧入がスリーブ変形
を抑えなおかつ抜け強度を十分に保つことができる寸法
とすることが必要となる。最も望ましいのは、ヨークの
圧入がブラケット上のスリーブ圧入用の凸部の位置変化
に与える影響が最も少なくなる凸部の本数および位置と
することであり、加工ばらつきの影響が少なくなるとと
もに設計が容易になる。例えば、内径6mm、板厚1m
mの鉄製のブラケットの場合、スリーブ1の圧力に加え
ヨーク9またはヨーク10を圧力する場合の圧入点数は
ブラケットの内外周ともに等間隔に6個の凸部を設ける
ことが望ましいとの結果が得られている。
トへのスリーブ圧入時とスリーブ圧入に加えブラケット
外周にヨークを圧入する際に発生するスリーブの内径歪
を抑えることが可能となる。
て、図面を参照しながら説明する。
3で示したブラケット11にあたり、スリーブ1の外径
よりやや大きい内径を有する円筒上の内周面2aに平面
部を設けることにより作成した複数個の凸部3を有した
ブラケットであり、凸部3に内接する円の経はスリーブ
1の経より小さく、その差が圧入代となる。図2はその
断面図であり、図中に示す矢印Aはスリーブ圧入時のブ
ラケットの変形を示す。
を圧入することにより、ブラケット2には、従来方法の
ように全体が一様に外周方向へ変形し円周方向へ一様な
引張り力が発生する変形とは異なり、図2に示すよう
に、矢印Aに示す様に、凸部3が凸部3の間の点Pより
外径方向へ大きく変形することとなる。図2では、凸部
3と凸部3の間の点Pは外径方向に変形するように矢印
Aを描いているが、ブラケット2の肉厚や凸部3の個数
や圧入代によっては点Pは内径方向にも外径方向にも変
形する可能性がある。この様な凸部3を設けることによ
り、結果として凸部3と凸部3の間のブラケット部分が
引張りとともに曲げ的な変形を発生することとなる。引
張り的な変形と比較しこのような曲げ的な変形は、より
小さな力で起こるため、圧入代変化に対するスリーブ1
の圧入力変化が抑えられることとなり、加工ばらつき等
に起因する圧入代ばらつきがスリーブ1の内周面1aの
歪に与える影響が抑えられる。例えば、内径6mm板厚
1mmの鉄製のブラケット10に、内径2mmで外形に
30μmの圧入代をもった黄銅製のスリーブ1を圧入す
る場合、スリーブ1の内径歪に与える影響は、従来は約
10μmであったが本実施の形態の構成とし3つの凸部
3を等間隔に設け圧入を行うことにより、スリーブ1の
内径歪を許容値とされる1μm以下に抑えることができ
る。
において、ブラケット2の内周面2aに設けた平面部に
より凸部3を形成したが,図3および図4に示すよう
に、内周面から突出した直線状リブにより凸部4を形成
しても良い。
おいて、3個の凸部を等間隔で設けたものを例として示
したが、必ずしも等間隔である必要はない。
に、ブラケットの外周側にヨーク10を圧入することが
一般的に行われるが、その場合、ブラケット2の内周面
2aに設けた凸部3に加え、図6に示すように、ブラケ
ット2の外周面2bにも凸部3と互い違いになり半径方
向に重ならないように外周面から突出した直線状リブの
凸部5を設けることにより、ヨーク9の圧入がスリーブ
1の内径変化に与える影響も抑制することができる。
に、図5に示したブラケット外周側の凸部5は、円筒状
の外周面2bに平面状に切欠き2cを設けることにより
凸部6として形成しても良い。
おいて、6個の凸部をブラケット2の内外周部ともに等
間隔で設けたものを例として示したが、必ずしも等間隔
である必要はない。
に、凸部7はヨーク9の内周面9aに設け、図10に示
すように、ブラケット2の内周面2aの凸部3と互い違
いになり半径方向に重ならないように圧入することによ
っても、ヨーク9の圧入がスリーブ1の内径変化に与え
る影響を抑制することができる。
に、ヨーク9の内周面9aに設ける凸部8は、第1の実
施の形態で示したブラケット2の内周面2aに設けた凸
部3の様に、円筒面の内周面に平面部を設けることによ
り形成しても良い。
おいて、ブラケット2の内周部およびスリーブ1の内周
部ともに6個の凸部を等間隔で設け、それらが互いに等
間隔になるように圧入したものを例として示したが、必
ずしも等間隔である必要はない。
リーブと、その支持構造体であるブラケットへの圧入方
式での固定において、スリーブが圧入される内周面の軸
方向に連なる凸部を円周方向に複数本有するブラケット
を用いることにより、スリーブ圧入時に発生するスリー
ブの内径歪を抑えることが可能となり、また、スリーブに
加えヨークをブラケット外周に圧入する場合は、ブラケ
ットの外周面またはヨークの内周面に、ブラケット内周
面のスリーブ圧入部分に設けられた凸部と互い違いにな
り半径方向に重ならないように凸部を設けたブラケット
またはヨークを用いることにより、ヨークの圧入がスリ
ーブの内径歪に与える影響を抑制することが可能とな
り、流体軸受の高精度、高速回転を維持した上での生産性
向上が実現できる。
ブラケットの斜視図
ブラケットの断面図
ブラケットの斜視図
ブラケットの断面図
ブラケットとヨークの斜視図
ブラケットの断面図
ブラケットとヨークの斜視図
ブラケットの断面図
ブラケットとヨークの斜視図
とブラケットとヨークの断面図
とブラケットとヨークの斜視図
とブラケットとヨークの断面図
Claims (6)
- 【請求項1】 軸受スリーブと、その支持構造体である
ブラケット内周面のスリーブが圧入される部分の軸方向
に連なり径方向に凹凸部を円周方向に有し、スリーブと
ブラケットを圧入により締結した軸受構造体。 - 【請求項2】 スリーブ圧入用に設けられたブラケット
内周面の凸部と互い違いになり半径方向に重ならないよ
うに、ブラケットの外周面のヨークが圧入される部分
に、軸方向に連なり径方向に突出した凸部を円周方向に
複数本備え、スリーブとブラケットとヨークを圧入によ
り締結した請求項1記載の軸受構造体。 - 【請求項3】 スリーブ圧入用に設けられたブラケット
内周面の凸部と互い違いになり半径方向に重ならないよ
うに、ブラケットの外周面に圧入されるヨークの内周面
に、軸方向に連なり径方向に突出した凸部を円周方向に
複数本備え、スリーブとブラケットとヨークを圧入によ
り固定した請求項1記載の軸受構造体。 - 【請求項4】 前記の凸部が、円筒形状をなすブラケッ
トの内外周面またはヨークの内周面に設けた平面部によ
り形成される、請求項1〜3のいずれかに記載の流体軸
受構造体。 - 【請求項5】 前記の凸部がブラケットの内外周面また
はヨークの内周面の径方向に突出した直線状リブであ
る、請求項1〜3のいずれかに記載の軸受構造体。 - 【請求項6】 前記の凸部が、請求項4と5に示した凸
部の組合せにより構成された請求項1〜3のいずれかに
記載の軸受構造体。
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