JP2001116047A - 流体軸受装置とその製造方法 - Google Patents

流体軸受装置とその製造方法

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JP2001116047A
JP2001116047A JP29647699A JP29647699A JP2001116047A JP 2001116047 A JP2001116047 A JP 2001116047A JP 29647699 A JP29647699 A JP 29647699A JP 29647699 A JP29647699 A JP 29647699A JP 2001116047 A JP2001116047 A JP 2001116047A
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coining
plate
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Ikunori Sakatani
郁紀 坂谷
Katsuhiko Tanaka
克彦 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】スラストプレートのコイニングの前加工工程の
加工時間を短縮して低コスト化し、さらにコイニング前
加工工程とコイニング工程とを連続したラインとするこ
とを可能として一層の低コスト化を実現するとともに、
より低コストの流体軸受装置を提供する。 【解決手段】フランジ状のスラストプレートを軸の端部
に配設した流体軸受装置を製造するにあたり、従来は精
密切削加工で形成されていたドーナツ盤状のスラストプ
レートを、板状の素材から打ち抜き加工で形成する。そ
の後、当該ドーナツ盤をダミー軸に挿入して少なくとも
一方のスラスト受け面にスラスト動圧発生用溝をコイニ
ング加工したものを、正規の軸に圧入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報機器や音響・
映像機器用の流体軸受装置、特に、磁気ディスク装置
(HDD)や光ディスク装置等に最適な流体軸受装置及
びその製造方法の低コスト化に関する。
【0002】
【従来の技術】HDDや光ディスク装置等に利用される
流体軸受装置は、大量に使用されることからその生産性
の向上が重要になってきている。従来のこの種の流体軸
受装置としては、例えば特開平7−296502号公報
に開示されているスピンドルモータ用シャフトがある。
これは、ベースの中央部に下端を嵌め込んで立設される
スピンドルモータ用シャフトの上端部に、円盤状のスラ
ストプレートが同軸に固定されたもので、そのシャフト
の外周面にはラジアル動圧軸受を形成するヘリングボー
ン状の動圧発生用の溝が設けられており、一方、前記ス
ラストプレートの平行な上下両端面には、スラスト動圧
軸受を形成するヘリングボーン状またはスパイラル状の
動圧発生用の溝が設けられたものである。
【0003】ここで、図9を参照して、前記スラストプ
レートに設けられるスラスト動圧発生用の溝の形成と、
スラストプレートとシャフトとの組立固定について説明
する。上記従来例では、これらの溝加工及び組立固定は
プレス加工により同時に行われている。すなわち、図9
において、30は円筒状内周部を有するダイ、31は下
ポンチ、32は上ポンチである。なお、下ポンチ31の
部位34及び上ポンチ32の部位35は、それぞれ動圧
発生用の溝を刻設するための突状部であり、ヘリングボ
ーン状の溝パターンに対応した配列が成されている。
【0004】加工順序としては、まず、シャフト2の上
端部を下ポンチ31の孔部内周面に倣ってセットする。
次に、そのシャフト2の上端部に、スラストプレート1
6を嵌め込む。そして、図9(a)に矢印で示されるよ
うに、上から上ポンチ32が下降してプレス加工が施さ
れる。すると、同図(b)に示すように、スラストプレ
ート16はダイ30の内周部において、上下ポンチ3
2,31により挟圧されて塑性変形する。これにより、
スラストプレート16の上下端面38,39には、動圧
発生用の溝70,75が刻設(コイニング加工)され
る。同時に、膨出変形部36がシャフト2の外周部に設
けられた環状溝33に食い込み、シャフト2とスラスト
プレート16とは加締め固定される。
【0005】かくして、上記プレス加工によれば、スラ
ストプレート16に動圧発生用の溝を加工すると同時
に、シャフト2とスラストプレート16との加締め固定
ができるから、加工・組立の手間を省くことができて製
造コストを低減でき、しかもプレス加工の高精度金型に
倣ってシャフト2とスラストプレート16とが加締め固
定されるため、これらの同軸度や直角度を高く維持して
形成できる利点を有するとされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のスラス
ト動圧流体軸受にあっては、円盤状の軸受部材であるス
ラストプレート16は、先ず1個ずつ精密旋盤で旋削仕
上げ加工が施され、その後に動圧発生用の溝70,75
のコイニング加工を行っている。しかしながら、このよ
うにスラストプレートを1個ずつ精密旋盤で加工してい
ると、精密旋削にかなりの時間が必要となり、生産性の
向上が阻害される結果、低コスト化が難しいという問題
点がある。
【0007】また、時間を要する精密旋削加工と短時間
で可能なコイニング加工とのタクト時間が整合しないた
め、コイニング装置1台あたりにつき複数台の精密旋盤
が必要で、設備投資が大きくなり連続した生産ラインの
構築が困難であった。そこで本発明は、このような従来
技術の未解決の課題に着目してなされたものであり、ス
ラストプレートのコイニングの前加工工程の加工時間を
短縮して低コスト化し、さらにコイニング前加工工程と
コイニング工程とを連続したラインとすることを可能と
して一層の低コスト化を実現するとともに、より低コス
トの流体軸受装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に係る本発明の流体軸受装置は、フラン
ジ状のスラストプレートを有する軸と、その軸を囲むス
リーブとが、ラジアル流体軸受及びスラスト流体軸受を
介して相対回転駆動される流体軸受装置において、その
スラストプレートは、板状の素材を打ち抜き加工してな
る円板面の少なくとも一方の平面に、コイニング加工し
たスラスト動圧発生用溝を備えたものとしたことを特徴
とする。
【0009】また、請求項2に係る本発明の流体軸受装
置の製造方法は、軸の外周面にラジアル受面を有すると
共に、その軸にスラスト受面を有するフランジ状のスラ
ストプレートを配設した流体軸受装置の製造方法であっ
て、前記スラストプレートの製造にあたり、板状の素材
をドーナツ盤状に打ち抜き加工してその平面をスラスト
受面とし、その後当該ドーナツ盤をダミー軸に挿入して
少なくとも一方のスラスト受け面にスラスト動圧発生用
溝をコイニング加工することを特徴とする。
【0010】本発明にあっては、スラスト動圧発生用溝
をコイニング加工する前のスラストプレート板を、精密
旋削加工ではなく素材板からの打ち抜き加工により形成
するものとしたため、旋削加工に比べて前加工の時間を
短縮することができる。また、打ち抜きとコイニングと
の両加工のタクト時間をほぼ等しくできるため、連続し
た生産ラインを構築することが可能となり、さらなる大
量生産が実現されて大幅なコストダウンが可能になる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は、本発明の流体軸受装置の
加工方法の一実施の形態を示すもので、構成部材である
スラストプレートの加工工程の流れ図である。 ステップ1:スラストプレートの素材板を準備する。こ
の素材板としては、快削黄銅,リン青銅などの銅合金系
材料や、アルミニウム合金系材料、またはSUS30
3,SUS420,SUS440,SUS430等のス
テンレス系材料やその他の鉄系材料が使用できる。鉄系
材料の場合は生材をそのまま使用しても良いし、あるい
はスラスト動圧発生用溝をコイニング加工後に熱処理,
窒化,浸炭,浸炭窒化等の硬化処理を施してもよい。ま
た、鉄系材料を生材のまま使用する場合や、銅合金,ア
ルミニウム合金等の熱処理ができない材料の場合には、
DLC膜のコーティングやメッキなどの表面硬化処理を
施しても良い。熱処理などの硬化処理やコーティングな
どの表面硬化処理を施した方が、材料の耐摩耗性は向上
する。
【0012】なお、流体軸受に負荷されるスラスト荷重
が小さくて生材のままのスラストプレートでも使用可能
な場合は、生材のまま使用した方が処理コストが不要な
分、低コスト化できることは明らかである。 ステップ2:素材板をスラストプレートの形状であるド
ーナツ盤状に打ち抜き加工する。従来は、精密旋盤で旋
削仕上げ加工を施していたが、本発明では旋削仕上げ加
工は行わない。
【0013】ステップ3:図2に示すように、打ち抜い
たドーナツ盤2Fの内径面にダミー軸100を挿入す
る。当該ダミー軸100は、基台101上のコイニング
下金型102の軸心に設けた軸孔に、先端部分を突出さ
せて予め立設しておく。その外径は正規の軸の外径と等
しくても良いが、僅かに小さい外径とした方が好まし
い。そのダミー軸100の突出している先端部は、すき
まばめ又は僅かの締め代でドーナツ盤2Fの内径面に挿
入される。
【0014】ステップ4:図3に示すように、ダミー軸
100を挿入してコイニング下金型102の上面に置か
れたスラストプレート2Fを、動圧発生用溝成形用のコ
イニング上金型103で上から加圧する。なお、このと
き、スラストプレート2Fの外周に、その外径が拘束さ
れないように隙間δを介して厚さ規制リング104を配
設する。また、この厚さ規制リング104の水平方向の
動きを規制するために、コイニング金型の外周をホルダ
ー105で囲むのが良い。
【0015】これにより、スラストプレート2Fの上下
両面(即ちスラスト受面)に、それぞれ上下の両金型1
02,103の動圧発生用溝がコイニング加工される。
このコイニングによって、スラストプレート2Fの内径
はダミー軸100側に塑性変形する。そのため、スラス
トプレート2Fの内径寸法はダミー軸100の外径寸法
に応じたほぼ一定範囲内(ダミー軸外径±2μm以内)
にすることができる。このコイニング精度を確保するた
めには、ダミー軸100を超硬合金製とすることが好ま
しい。
【0016】本発明にあっては、スラストプレート2F
の内径寸法がダミー軸100の外径に規制されてこのよ
うに高精度で得られるから、打ち抜き加工の寸法精度は
それほど厳しくする必要はなく、したがって低コスト化
が可能である。なお、上記打ち抜き工程(ステップ2)
とコイニング工程(ステップ3)とを連続してつなげる
こともできる。
【0017】また、動圧発生用溝のコイニング加工は、
スラストプレート2Fの上下両面のうちのどちらか一方
にのみ行ってもよい。その場合、上下の両金型102,
103のうち該当する一方の金型面にのみ動圧発生溝成
形用の溝を有するものを使用する。コイニングが終了し
たら、コイニング上金型103を上昇させ、さらにホル
ダー105,厚さ規制リング104を取り除き、被加工
物をコイニング下金型102から引き抜く。そして、コ
イニング加工が施されたスラストプレート2Fの平面度
をチェックする。
【0018】ステップ5:動圧発生用溝のコイニング加
工により、溝の周辺に盛り上がりやバリを生じてスラス
トプレートの平面度が低下することがあり得る。そこ
で、コイニング加工後のスラストプレート2Fの平面度
をより向上させるか否かを判断する。イエスの場合はス
テップ6のスパンキング工程に進み、ノーの場合はステ
ップ7にジャンプする。
【0019】ステップ6:ここでは、コイニング加工さ
れたスラストプレート面を平面金型で押圧するいわゆる
スパンキングを行う。このスパンキング工程は、コイニ
ングにより生じた溝周辺の盛り上がりやバリを除去した
り、平面度を向上させてスラスト受面の精度を向上させ
るものである。もっともスパンキングは、ステップ7の
軸抜去工程の後に行うようにしてもよい。
【0020】ステップ7:続いて、図4に示すように、
コイニング加工済のスラストプレート2Fをダミー軸1
00から引き抜く。 ステップ8:ダミー軸100から抜去したスラストプレ
ート2Fは、必要に応じてバレル工程で処理される。流
動バレル,振動バレル,遠心バレル,磁気研磨等、打痕
のつきにくいバレル処理が好ましいが、必須の工程では
ない。
【0021】ステップ9:スラストプレート2Fの材料
の耐摩耗性を考慮し、その表面を硬くするか否かを判断
する。ノーの場合は、そのままで処理を終了する。イエ
スの場合は、ステップ10の硬化処理工程に進む。 ステップ10:ここでは、必要に応じて熱処理などの硬
化処理又はDCL膜コーティングやメッキなどの表面硬
化処理を施す。
【0022】その後処理を終了する。図5は、本発明の
流体軸受装置の加工方法の他の実施形態を示すスラスト
プレートの加工工程の流れ図である。この第2の実施の
形態は、ステップ2の打ち抜き加工工程の次にバレル加
工工程を設けた点が、上記第1の実施の形態と異なって
いる。このバレル加工により、打ち抜きで形成されたス
ラストプレート2Fの角部が面取りされる。
【0023】かくして得られた動圧発生溝形成済のスラ
ストプレート2Fの単体を、今度は正規の軸2の所定位
置に圧入治具を用いて圧入し固定する。その手順を図6
を参照して説明すると、正規の軸2を、基台101上の
下圧入治具115の軸心に設けてある軸孔116に挿入
し、軸下端を基台面に当てる。これにより、軸2は、上
部のスラストプレート取付部から上が、下圧入治具11
5の上面から突出する。この軸2の突出部分に、スラス
トプレート2Fを当てて上圧入治具117により上から
加圧し、下圧入治具115の上面に当たるまで圧入す
る。
【0024】ここで、十分大きい抜け荷重のスラスト流
体軸受を得るためには、スラストプレート2Fの内径を
正規の軸2の外径よりも小さくして、必要な締め代が確
保されるようにする。したがって、予めダミー軸100
の外径を正規の軸2の外径よりも小さくしておけば、ス
ラストプレート2Fを正規の軸2に圧入するだけで所定
の抜け荷重が確保できる。
【0025】一方、ダミー軸100の外径を正規の軸2
の外径と等しくした場合には、スラストプレート2Fの
内径を正規の軸2の外径よりも小さくして必要な締め代
を確保することができず、圧入だけでは抜け荷重が不足
する。その場合は、圧入と接着を併用することで軸2と
スラストプレート2Fとの結合を強固にすることが好ま
しい。
【0026】図7に、上記本発明の製造方法により加工
したスラストプレート2Fを組み込んだ軸回転方式のス
ピンドルモータを示す。ベース1の中心にスリーブSL
が立設され、スリーブSLの中心の貫通孔SLaはベー
ス1の下面に設けた段状の凹部1a,1bに連通してい
る。その凹部1a,1b側から、スリーブ貫通孔SLa
に、本発明の製造方法で製造されたスラストプレート2
Fを一端に取付けた回転軸2が挿通されており、スラス
トプレート2Fは前記凹部1aに収納されている。スリ
ーブSLの上部に突出した軸2の他端には、上部が蓋さ
れ下部が開口している円筒状の回転部材であるハブ3が
一体回転可能に取付けられている。
【0027】そのスラストプレート2Fの上下両面がス
ラスト受面5,6とされ、そこに上記本発明の製造方法
による例えばヘリングボーン状の動圧発生用の溝がそれ
ぞれ形成されると共に、スラスト受面5に対向するスリ
ーブSLの下面がスラスト軸受面7とされている。ま
た、ベース1の前記凹部1bに嵌めこんで装着したスラ
スト受け板4Aの上面が、スラスト受面6に対向するス
ラスト軸受面8とされている。これらの各スラスト受面
とこれに対向する相手のスラスト軸受面とでスラスト流
体軸受Sが構成され、軸2及びハブ3をスラスト方向に
支承する。なお、アキシアル荷重を常時は受けていない
スラストプレート2Fの上端面側のスラスト受面5のス
ラスト動圧発生用溝については、その動圧発生用溝を省
略することもできる。
【0028】軸2の外周面2gには、軸方向に間隔をお
いて上下に一対のラジアル受面9が形成されると共に、
このラジアル受面9に対向するラジアル軸受面10がス
リーブSLの内周面に形成されており、ラジアル受面9
とラジアル軸受面10との少なくとも一方に例えばヘリ
ングボーン状の動圧発生溝を備えてラジアル流体軸受R
が構成されている。もっとも、ラジアル流体軸受Rは、
このように必ずしも上下に一対設けるとは限らず、一つ
でも良い。また、通常、ラジアル受面9とラジアル軸受
面10との少なくとも一方に、例えばヘリングボーン状
のラジアル動圧発生用の溝11が形成されるが、ラジア
ル動圧発生溝を設けない三円弧軸受としてラジアル流体
軸受Rを構成してもよい。
【0029】モータMを構成するロータ磁石13はハブ
3の内周面に固定され、これに周面対向に配設するステ
ータ12はスリーブSLの外周面に固定されている。ス
テータ12のコイルに流す電流を制御する図示しない制
御基板が、ベース1上に配設されている。ステータ12
のコイルに通電してハブ3が軸2ともに回転すると、ス
ラスト流体軸受Sの動圧発生用の溝のポンピング作用
で、スラストプレート2Fの内周部と外周部から中央部
に向けて油,グリース,磁性流体等の潤滑剤が流入して
アキシアル方向の動圧が形成される。同時に、ラジアル
流体軸受Rの動圧発生用の溝のポンピング作用で、ラジ
アル受面9とラジアル軸受面10との間のラジアル軸受
すきまにラジアル方向の動圧が形成される。これによ
り、軸2,ハブ3は浮上してスリーブSL,スラスト受
板4Aに非接触で支承されつつ回転する。
【0030】続いて、図8に、上記本発明の製造方法に
より加工したスラストプレート2Fを組み込んだ軸固定
方式のスピンドルモータを示す。この場合は、ベース1
の中心に、本発明の製造方法で製造されたスラストプレ
ート2Fを上部に取付けた固定軸2が立設されている。
一方、ハブ3の中心部にスリーブSLが一体に設けてあ
り、スリーブ中心の貫通孔SLaはハブ3の上面側に設
けた段状の凹部3a,3bに連通している。その凹部3
a,3b側から、ベース1に立設する前の軸2を差し込
み、スリーブ貫通孔SLaに挿通する。その状態で軸2
の下端部がベース1の中心に嵌めこまれる。
【0031】スラストプレート2Fは前記ハブ上端部の
凹部3aに収納され、次いで、より大径の凹部3bにド
ーナツ板状のカバープレート15が嵌着されて、ハブ3
が固定軸2に取付けられている。そのスラストプレート
2Fの下面がスラスト受面5、上面がスラスト受面6と
され、そこに上記本発明の製造方法による例えばヘリン
グボーン状の動圧発生用の溝がそれぞれ形成されてい
る。一方、スラスト受面5に対向するスリーブSLの上
面がスラスト軸受面7とされ、また、ハブ3の前記凹部
3bに嵌めこんで装着したカバープレート15の下面
が、スラスト受面6に対向するスラスト軸受面8とされ
ている。これらの各スラスト受面とこれに対向する相手
のスラスト軸受面とでスラスト流体軸受Sが構成され、
ハブ3をスラスト方向に支承する。なお、アキシアル荷
重を常時は受けていないスラストプレート2Fの下端面
側のスラスト受面5のスラスト動圧発生用溝について
は、これを省略することもできる。
【0032】軸2の外周面2gには、軸方向に間隔をお
いて上下に一対のラジアル受面9が形成され、これに対
向してスリーブSLの内周面に形成されたラジアル軸受
面10とでラジアル流体軸受Rが構成されており、その
詳細は図7の場合と同じである。モータMを構成するロ
ータ磁石13はハブ3の円筒状外壁の内周面に固定さ
れ、これに周面対向に配設するステータ12はベース1
に固定されている。
【0033】ステータ12のコイルに通電してハブ3が
回転すると、スラスト流体軸受Sの動圧発生用の溝のポ
ンピング作用で、スラストプレート2Fの内周部と外周
部から中央部に向けて油,グリース,磁性流体等の潤滑
剤が流入してアキシアル方向の動圧が形成される。同時
に、ラジアル流体軸受Rの動圧発生用の溝のポンピング
作用で、ラジアル受面9とラジアル軸受面10との間の
ラジアル軸受すきまにラジアル方向の動圧が形成され
る。これにより、ハブ3は浮上して軸2に非接触で支承
されつつ回転する。
【0034】上記軸回転方式のスピンドルモータ(図
7)でも、軸固定方式のスピンドルモータ(図8)で
も、いずれもスラストプレート2Fには素材から打ち抜
き、その後コイニングでスラスト動圧発生用の溝を加工
したものを使用しているため、量産容易であり、安価な
ものを大量に提供することが可能である。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
コイニング加工前のスラストプレートを板状素材から打
ち抜きで加工するため、旋削仕上げに比べて前加工の加
工時間を大幅に短くすることができ、低コスト化が可能
である。また、打ち抜き加工とコイニング加工の加工の
タクト時間をほぼ等しくできるため、連続した生産ライ
ンを構築することができ、さらなる大量生産で大幅なコ
ストダウンが可能になる。
【0036】その結果、安価なスピンドルモータを大量
に提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスラストプレートの加工工程の一実施
の形態を示す流れ図である。
【図2】本発明のスラストプレートにダミー軸を挿入す
る工程を説明する図である。
【図3】ダミー軸に通したスラストプレートに動圧発生
用溝をコイニング加工する工程の説明図である。
【図4】スラストプレートからダミー軸を抜き取る工程
の説明図である。
【図5】本発明のスラストプレートの加工工程の他の実
施形態を示す流れ図である。
【図6】コイニング済のスラストプレートを正規の軸に
圧入する工程の説明図である。
【図7】本発明の流体軸受装置を組み込んだスピンドル
モータの一実施形態の断面図である。
【図8】本発明の流体軸受装置を組み込んだスピンドル
モータの他の実施形態の断面図である。
【図9】従来の流体軸受装置におけるスラストプレート
へのスラスト動圧発生用溝の形成工程を説明する図であ
る。
【符号の説明】
2 軸 2g 軸外周面 2F スラストプレート 5 スラスト受面 6 スラスト受面 9 ラジアル受面 SL スリーブ R ラジアル流体軸受 S スラスト流体軸受

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面にラジアル受面を有すると共にフ
    ランジ状のスラストプレートを有する軸と、その軸を囲
    むスリーブとが、ラジアル流体軸受及びスラスト流体軸
    受を介して相対回転駆動される流体軸受装置において、 前記スラストプレートは、板状の素材を打ち抜き加工し
    て形成した円板の少なくとも一方の平面に、コイニング
    加工してなるスラスト動圧発生用溝を備えていることを
    特徴とする流体軸受装置。
  2. 【請求項2】 軸の外周面にラジアル受面を有すると共
    に、その軸にスラスト受面を有するフランジ状のスラス
    トプレートを配設した流体軸受装置の製造方法であっ
    て、前記スラストプレートの製造にあたり、板状の素材
    をドーナツ盤状に打ち抜き加工してその平面をスラスト
    受面とし、その後当該ドーナツ盤をダミー軸に挿入して
    少なくとも一方のスラスト受け面にスラスト動圧発生用
    溝をコイニング加工することを特徴とする流体軸受装置
    の製造方法。
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Cited By (3)

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US6831812B2 (en) 2002-03-26 2004-12-14 Nidec Corporation Method of manufacturing a thrust plate, method of manufacturing a shaft for a hydrodynamic bearing, hydrodynamic bearing, spindle moto
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