JP2001317545A - 動圧軸受装置およびその製造方法 - Google Patents

動圧軸受装置およびその製造方法

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JP2001317545A
JP2001317545A JP2001038400A JP2001038400A JP2001317545A JP 2001317545 A JP2001317545 A JP 2001317545A JP 2001038400 A JP2001038400 A JP 2001038400A JP 2001038400 A JP2001038400 A JP 2001038400A JP 2001317545 A JP2001317545 A JP 2001317545A
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shaft
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pressure bearing
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Masayuki Ishikawa
政幸 石川
Hiromasa Marumo
浩昌 丸茂
Hiroshi Zenisawa
博 銭沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転軸と、回転軸に直交する方向に取り付け
られスラスト動圧軸受部を構成するためのスラストプレ
ート5とを有し、回転軸とスラストプレート5とを圧入
により一体化してなる動圧軸受装置において、圧入によ
るスラストプレート5の反りの発生をなくして、スラス
トプレート5と固定側動圧軸受部との隙間を均一にし、
安定したスラスト動圧力を得ることができる動圧軸受装
置およびその製造方法を得る。 【解決手段】 スラストプレート5は回転軸に圧入によ
り一体化され、スラストプレートの圧入部または回転軸
の圧入部に、圧入時の軸方向への応力を吸収するための
逃げ部54が少なくとも周方向に2ヶ所形成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速で回転する装
置、例えばハードディスク駆動装置や回転多面鏡駆動装
置等に適用可能な動圧軸受装置およびその製造方法に関
するものであって、特にそのスラスト動圧軸受部の構成
および製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばハードディスク駆動装置など高速
で回転する装置においては、回転体が軸受部材に対し回
転するとき、これら回転体と軸受部材との間に介在する
潤滑油に動圧力が発生することにより、回転体が軸受部
材に無接触で回転するようにした動圧軸受を用いたもの
がある。動圧軸受には、回転体をその回転方向に支持す
るラジアル動圧軸受と、回転体を軸方向に支持するスラ
スト軸受がある。スラスト軸受としては、回転軸に円盤
状のスラストプレートを圧入により固着して形成するも
のが知られている。以下、図6に示すハードディスク駆
動用モータの例を用いて、動圧軸受装置の概略を説明す
る。この図6に示すスラスト軸受の構造は本発明である
が、モータ構造は公知の構成であるので、本発明の解決
課題を明確にするため、以下に説明する。
【0003】図6において、モータフレーム8は、スリ
ーブ固定用の孔を有し、この孔にスリーブ4の下端部が
圧入されて固定されている。スリーブ4は中心軸孔を有
する円筒状の部材で、スリーブ4の下端部には上記中心
軸孔の周りに小径凹部13と大径凹部14が形成されて
いる。スリーブ4の外周にはステータコア12の中心孔
が挿入され、接着その他適宜の手段で固定されている。
ステータコア12は適宜数の突極を放射状に有し、各突
極には駆動コイル23が巻回されている。
【0004】スリーブ4の上記中心軸孔には回転軸1が
挿入されている。回転軸1の下端部には予め円盤状のス
ラストプレート5が圧入により固着されている。このス
ラストプレート5は、スリーブ4の上記小径凹部13内
に配置される。スリーブ4の上記大径凹部14には固定
側動圧軸受部を構成するカウンタープレート6が嵌め込
まれて固定され、上記スラストプレート5を小径凹部1
3内に位置させる。
【0005】スラストプレート5の上面51と下面52
には、周方向にヘリングボーン状の動圧溝が形成されて
いる。スラストプレート5の上面51とこれに対向する
スリーブ4の面との間、およびスラストプレート5の下
面52とこれに対向するカウンタープレート6の上面と
の間には微小な隙間がある。これらの隙間には潤滑油な
どの潤滑流体が介在していて、スラスト動圧軸受部を構
成している。回転軸1とともにスラストプレート5が回
転することにより、潤滑流体が上記動圧溝で圧縮され、
スラスト方向の動圧力が発生するようになっている。ま
た、回転軸1の外周とスリーブ4の中心軸孔との間にも
微小な隙間があり、回転軸1の外周面と、スリーブ4の
中心軸孔の内周面との少なくとも一方に動圧溝が形成さ
れるとともに、上記微小な隙間に潤滑流体が介在してラ
ジアル動圧軸受部40を構成している。回転軸1が回転
することにより、潤滑流体にラジアル方向の動圧力が発
生するようになっている。
【0006】回転軸1はスリーブ4の上端面から突出し
ていて、この回転軸1の突出部にはカップを伏せた形の
ロータハブ2の中心孔が圧入等によって固着されてい
る。ロータハブ2の外周壁はステータコア12を覆って
いて、この外周壁内周には円筒状のロータマグネット7
が固着されている。ロータハブ2の外周面をガイドとし
て1枚または複数枚の図示されないハードディスクの中
心孔が挿入され、ロータハブ2の外周面に形成されたフ
ランジ21に上記ハードディスクが載せられる。このハ
ードディスクは適宜のクランプ部材によってロータハブ
2に一体に取り付けられる。
【0007】ロータマグネット7の回転位置に応じて各
駆動コイル23への通電が制御されることにより、一体
化されて回転部分をなすロータマグネット7、ロータハ
ブ2、回転軸1、スラストプレート5が回転する。この
回転によって、上記のようにスラスト動圧力とラジアル
動圧力が発生し、固定側動圧軸受部を構成するスリーブ
4およびカウンタープレート6に対し、回転軸1が非接
触で回転する。従って、摩擦抵抗が軽減され、円滑で、
高速での回転が可能になる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記スラスト動圧軸受
部の構成においては、回転軸1とスラストプレート5は
例えば圧入によって一体化される。図7は従来技術にお
ける一体化された回転軸1とスラストプレート5および
カウンタープレート6の様子を示す。図6からもわかる
とおり、回転軸1とスラストプレート5との直角度は重
要であり、直角度が悪いと、スラスト動圧軸受部の隙間
が不均一となり、動圧力の発生が不安定となる。直角度
をあげるため従来用いられる方法は、回転軸1にスラス
トプレート5を圧入する際に用いる冶具の精度を上げる
ことである。
【0009】回転軸とスラストプレートとを圧入による
ことなく、軸の削り出しによって回転軸とスラストプレ
ートとの直角度を正確にすることも考えられている。こ
の方法によれば、直角度を精度よく出すことができると
ともに、スラストプレートが反ってしまうというような
問題はないが、削り出し法によれば、加工が面倒で加工
時間に長時間を要し、材料の無駄も多く、コスト高にな
るという難点がある。これらの問題は、上記軸回転型に
限らず、軸固定型においても同様である。
【0010】本発明は、以上のような従来技術の問題点
を解消するためになされたもので、軸と、この軸に直交
する方向に取り付けられスラスト動圧軸受部を構成する
ためのスラストプレートとを有し、この軸とスラストプ
レートとを圧入により一体化してなる動圧軸受装置にお
いて、圧入によるスラストプレートの反りの発生をなく
して、スラストプレートと動圧軸受部との隙間を均一に
することができ、もって、安定したスラスト動圧力を得
ることができるようにした動圧軸受装置およびその製造
方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、軸と、この軸に直交する方向に取り付
けられるスラストプレートにおいて、上記スラストプレ
ートを上記軸に圧入により一体固定するに際し、上記ス
ラストプレートの圧入部または上記軸の圧入部に、圧入
時の軸方向への応力を吸収するための逃げ部を周方向に
2ヶ所以上形成したことを特徴とする。上記のように、
逃げ部を形成しておくことにより、スラストプレートの
反りの発生をなくし、ラストプレートと対向動圧軸受部
との隙間を均一にすることができる。
【0012】この場合、上記逃げ部は、周方向に等間隔
に、かつ軸方向に貫通するように形成されているのがよ
い。上記のように、上記スラストプレートを上記軸に圧
入により一体固定する場合、上記スラストプレートが、
コイニング加工可能な材料から形成されている場合に特
に効果を有する。
【0013】また、本発明は、軸と、この軸に直交する
方向に取り付けられるスラストプレートとを用いて動圧
軸受装置を製造する製造方法において、上記スラストプ
レートの圧入部または上記回転軸の圧入部に、圧入時の
軸方向への応力を吸収するための逃げ部を少なくとも周
方向に2ヶ所形成しておき、その後、上記スラストプレ
ートを上記軸に圧入するように製造する事により、上記
スラストプレートの反りの発生をなくすようにしたもの
である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
にかかる動圧軸受装置およびその製造方法の実施形態に
ついて説明する。なお、本発明にかかる動圧軸受装置を
適用したハードディスク駆動装置の例については既に図
6について説明した。ここでは、本発明の要点であるス
ラスト動圧軸受部の構成およびその製造方法を重点的に
説明する。
【0015】図1乃至図3は、本発明に用いられるスラ
ストプレートの例を示す。図1乃至図3において、スラ
ストプレート5は、中心軸孔53を有することによって
リング状の円盤形をしている。スラストプレート5の上
面51には、図1に示すように、孔53を囲むようにし
てヘリングボーン状の動圧溝が形成されている。同様
に、スラストプレート5の下面52にも、図3に示すよ
うに、孔53を囲むようにヘリングボーン状の動圧溝が
形成されている。スラストプレート5の上記孔53に
は、図6について説明したように、断面円形の軸が圧入
される。
【0016】上記中心軸孔53を形成する中心部には、
動圧溝が形成された面より厚さが薄くなるように傾斜面
51a,52a及び平坦面51b,52bが形成されて
おり、中心軸溝53の中心部となる上記平坦面51b,
52bの内周端には面取部53aが形成されている。そ
して、この平坦面51b,52bにかかるように切り欠
き凹部54が軸方向に形成されている。この切り欠き凹
部54は、回転軸を上記中心孔53に圧入した際に、中
心軸孔53の中心部となる上記平坦面51b,52b
が、圧入代に対応するスラストプレート5の肉の逃げ部
となるように、軸方向に貫通形成されたものである。こ
れら多数の切り欠き凹部54は、スラストプレート5の
周方向に等間隔で、かつ、スラストプレート5の中心軸
線と平行に形成されている。
【0017】上記のように構成されたスラストプレート
5の中心軸孔53に横断面円形の回転軸を圧入すると、
切り欠き凹部54を設けた事によって上記中心孔53を
形成する内周面は、その肉が動きやすくなっており、従
って、圧入代に相当する分のスラストプレート5の肉が
動き、逃げ部として形成された切り欠き凹部54を狭め
るように作用する。そのため、スラストプレート5にか
かる応力(ストレス)が軽減され、スラストプレート5
が反ることはない。
【0018】上記実施例によれば、多数の切り欠き凹部
54を設けているが、要は、切り欠き凹部54を設ける
事により、圧入代に相当する分のスラストプレート5の
肉が切り欠き凹部54に逃げやすくなっており、この切
り欠き凹部54に逃げが生ずることにより、スラストプ
レート5の上面51又は下面52に応力(ストレス)が
影響しないようになっていればよいから、切り欠き凹部
54は多数設けなくてもよく、2箇所以上あれば問題な
い。なお、切り欠き凹部54が2箇所の場合、応力の偏
りを防ぐため、点対称の位置とすることが望ましい。ま
た、切り欠き凹部54は、モータ回転時に抵抗とならな
いように、必要最小限とするのがよい。
【0019】スラストプレート5の上面51又は下面5
2に悪影響を及ぼさないようにするため、また、中心軸
孔53の中心部となる上記平坦面51b,52bにおい
てスラストプレート5の肉が動くようにするため、切り
欠き凹部54を設ける部分は、上面51及び下面52よ
り薄く形成した部分に形成するのがよい。逆に、上面5
1及び下面52より薄くなっておれば、傾斜面51a,
52a,面取部53aは必ずしも必要ではない。このよ
うに、切り欠き凹部54を設ける部分を上面51及び下
面52より薄く形成しておけば、肉の逃げが軸方向とな
って軸方向に盛り上がったとしても、グルーブ面の平面
度は確保することができる。
【0020】圧入によりスラストプレート5が一体化さ
れた回転軸は、図6について説明したように、スリーブ
の中心孔に挿入され、スラストプレート5はその上下面
に対向する固定側動圧軸受部、具体的には図6に示す例
でスリーブ4の下面、およびカウンタープレート6の上
面との間に隙間が形成され、この隙間に潤滑流体が介在
し、この潤滑流体の介在のもとに上記スラストプレート
5と固定側動圧軸受部との間にスラスト方向の動圧力が
発生するようになっている。そして、図1乃至図3に示
す例のように構成することにより、スラストプレート5
の反りがなくなり、スラストプレート5と固定側動圧軸
受部との間隙間が均一になり、動圧力が安定して発生
し、動圧発生後の回転軸位置が精度よくかつ安定して定
まり、信頼性の高い動圧軸受を得ることができる。
【0021】従来技術の構成においては、回転軸の横断
面形状は円形であり、これに圧入するスラストプレート
の中心孔形状も、基本的には円形であり、回転軸の外径
をスラストプレートの中心孔径よりも多少大きくして圧
入代がとられているため、回転軸1にスラストプレート
5を圧入するとき、スラストプレート5の肉が上記圧入
代分だけ余り、この余った肉の逃げ場がないために圧入
による軸方向への内部応力がスラストプレート5に残
る。一方、スラストプレート5は、これに例えばコイニ
ング法と称してスタンプによる凹凸の転写に類似した方
法などによって動圧溝を形成するため、変形しやすい材
料、例えばリン青銅などが用いられるため、上記のよう
に内部応力が残ると、図8に示すようにスラストプレー
ト5が反ってしまい、スラストプレート5とカウンター
プレートとの隙間が均一にならず、動圧の発生が不安定
になる。これに対して本案では、前述のように、スラス
トプレート5にかかる応力(ストレス)を軽減し、スラ
ストプレート5の反りを防止することができる。
【0022】また、スラストプレート5と回転軸との圧
入代を多くして、スラストプレート5と回転軸との抜け
強度を高くしても、上記のようにスラストプレート5に
かかる応力が軽減されるため、スラストプレート5の反
りを無くすことができる。
【0023】図1乃至図3に示す例では、スラストプレ
ート5の中心軸孔53には、多数の逃げ部としての切り
欠き凹部54が形成されているが、逃げ部は最低2ヶ所
にあればよく、少なくとも2ヶ所以上の逃げ部が周方向
に等間隔に、点対称に形成されていればよい。こうする
ことによって、圧入時の応力が周方向に均等に吸収さ
れ、スラストプレート5のそりが効果的に軽減される。
【0024】スラストプレートに動圧溝を形成するため
の一製造方法であるコイニング法の例を図4に示す。コ
イニング法を実行する金型は、上パンチ15と、下パン
チ25と、コア35とを有してなる。上パンチ15の下
面には動圧溝パターンを形成したタングステンカーバイ
ト等の超硬材16が貼り付けられており、下パンチ25
の上面にも、動圧溝パターンを形成したタングステンカ
ーバイト等の超硬材26が貼り付けられている。コア3
5は下パンチ25の中心孔を貫通して上パンチ15の中
心孔に入ることができるようになっており、また、コア
35の上端部外周には、スラストプレート5の中心軸孔
53の周壁に前記逃げ部54を形成するための、例えば
ローレット状の凹凸形成部36がある。
【0025】スラストプレート5の材料はコイニング加
工可能な材料、例えばリン青銅からなる。上パンチ15
と下パンチ25との間において、下パンチ25を突き抜
けたコア35の凹凸36形成部の一部に、スラストプレ
ート5の中心軸孔が仮に嵌まっている。この状態で上パ
ンチ15を下パンチ25に押し付け、あるいは上パンチ
15と下パンチ25とを互いに接近する向きに移動さ
せ、上パンチ15と下パンチ25との間でスラストプレ
ート5を挟み込むとともに、スラストプレート5をコア
35の凹凸形成部36に沿ってスライドさせる。こうす
ることによって、上パンチ15と下パンチ25の超硬材
16、26の動圧溝パターンがスラストプレート5の上
下面に転写されて動圧溝が形成され、また、スラストプ
レート5の中心軸孔53の周壁に逃げ部54が形成され
る。
【0026】図5は、上記コイニング加工工程を含むス
ラストプレートの製造工程の例を示す。リン青銅などの
銅系の材料、焼き鈍ししたステンレス鋼、その他コイニ
ング加工可能な材料からなるスラストプレートのブラン
ク材を上記のようなコイニング加工工程に付し、上記ブ
ランク材の上下両面に動圧溝を形成するとともに上記ブ
ランク材の内周面に前述のような切り欠き凹部、あるい
はローレットなどからなる逃げ部を形成し、スラストプ
レートを得る。スラストプレートをコイニング加工装置
から取り出して洗浄し、次に、スラストプレートの中心
軸孔に軸を圧入し、検査を経ることによって、スラスト
プレートと軸とが一体化された回転軸組を得る。この回
転軸組は、図6に示すようなハードディスク駆動用モー
タなどに用いることができる。上記回転軸の材料として
は、ステンレス鋼を用いることができる。
【0027】以上説明した実施の形態では、一体化され
る回転軸とスラストプレートのうちスラストプレートの
回転軸圧入部に、圧入時の軸方向への応力を吸収するた
めの逃げ部を形成していたが、回転軸側のスラストプレ
ート圧入部に上記逃げ部を形成し、スラストプレートの
円形の中心を上記回転軸の圧入部に圧入するようにして
もよい。また、軸が固定された固定軸タイプ、即ち、固
定軸に対して軸受側が回転する軸固定タイプの軸受・モ
ータであっても同様に適用できる。また、スラストプレ
ートの中心孔を多角形とし、これに横断面円形の軸を圧
入するようにし、上記多角形中心孔の角部に生じる空間
を逃げ部としてもよい。さらに、スラストプレートを熱
可塑性樹脂で成形し、成形工程において、動圧溝形成と
逃げ部形成とを同時に行ってもよい。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、スラストプレートの圧
入部または上記回転軸の圧入部に、圧入時の軸方向への
応力を吸収するための逃げ部が少なくとも周方向に2ヶ
所形成されているため、スラストプレートに回転軸を圧
入するとき、圧入代に対応する分の肉が上記逃げ部に逃
げるようになる。そのため、上記軸の圧入後にスラスト
プレートにかかる軸方向の応力が軽減され、スラストプ
レートが反ることはなく、スラストプレートと対向する
動圧軸受部との間の隙間が均一になり、動圧力が安定し
て発生し、動圧発生後の軸位置が精度よくかつ安定して
定まり、信頼性の高い動圧軸受装置を得ることができ
る。
【0029】本発明において、上記逃げ部を、周方向に
等間隔にかつ軸方向に貫通して形成しておけば、圧入時
の肉が周方向にバランスよく逃げることができるように
なり、スラストプレートの反りを効果的に軽減して安定
した動圧力を得ることができる。
【0030】また、本発明において、スラストプレート
をコイニング加工可能な材料から形成し、スラストプレ
ートの表面にコイニング加工により動圧溝を形成するよ
うにした場合、変形しやすい材料、すなわち圧入時に反
りやすい材料となるが、このような場合であっても、ス
ラストプレートの圧入部または上記軸の圧入部に、圧入
時の軸方向への応力を吸収するための逃げ部を形成する
ことによって、スラストプレートの反りを無くすことが
できる。
【0031】更に、スラストプレートに動圧溝をコイニ
ング加工にて形成するとともに、この動圧溝形成と同時
に逃げ部を形成するようにしておけば、工程を増やすこ
となく逃げ部を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いることができるスラストプレート
の例を示す平面図である。
【図2】同上スラストプレートの正面断面図である。
【図3】同上スラストプレートの底面図である。
【図4】上記スラストプレートの製造工程の例を示す正
面断面図である。
【図5】スラストプレートと回転軸からなる回転軸組の
組立工程の例を示す工程である。
【図6】本発明にかかる動圧軸受装置を適用可能なハー
ドディスク駆動装置の例を示す断面図である。
【図7】従来の動圧軸受装置に用いられる回転軸組の例
を示す一部断面正面図である。
【図8】同上回転軸組の問題点を示す一部断面正面図で
ある。
【符号の説明】
1 回転軸 5 スラストプレート 6 軸受部材としてのカウンタープレート 51a,52a 傾斜面 51b,52b 平坦面 53 中心軸孔 54 逃げ部

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸と、この軸に直交する方向に取り付け
    られスラスト動圧軸受部を構成するためのスラストプレ
    ートと、上記スラストプレートに対向する軸受部材に形
    成された動圧軸受部とを有し、上記スラストプレートと
    動圧軸受部との間で潤滑流体を介して動圧を発生させる
    ようにした動圧軸受装置において、 上記スラストプレートは上記軸に圧入により一体化さ
    れ、 上記スラストプレートまたは上記軸の圧入部に、圧入時
    の軸方向への応力を吸収するための逃げ部が、少なくと
    も周方向に2ヶ所形成されていることを特徴とする動圧
    軸受装置。
  2. 【請求項2】 上記逃げ部は、周方向に等間隔にかつ軸
    方向に貫通するように形成されていることを特徴とする
    請求項1記載の動圧軸受装置。
  3. 【請求項3】 上記スラストプレートは、コイニング加
    工可能な材料からなり、上記スラストプレートの表面に
    コイニング加工により動圧溝が形成されてなる請求項2
    記載の動圧軸受装置。
  4. 【請求項4】 上記動圧軸受装置は、上記軸が回転軸で
    ある軸回転型の動圧軸受装置か、上記軸が固定軸である
    軸固定型の動圧軸受装置かのいずれかである請求項3記
    載の動圧軸受装置。
  5. 【請求項5】 軸と、この軸に直交する方向に取り付け
    られスラスト動圧軸受部を構成するためのスラストプレ
    ートと、上記スラストプレートに対向する軸受部材に形
    成された動圧軸受部とを有し、上記スラストプレートと
    動圧軸受部との間で潤滑流体を介して動圧を発生させる
    ようにした動圧軸受装置において、 上記スラストプレートは上記軸に圧入により一体化さ
    れ、 上記スラストプレートの圧入部に、圧入時の軸方向への
    応力を吸収するための逃げ部が、少なくとも周方向に2
    ヶ所形成されていることを特徴とする動圧軸受装置。
  6. 【請求項6】 上記逃げ部は、周方向に等間隔かつ軸方
    向に貫通するように形成されていることを特徴とする請
    求項5記載の動圧軸受装置。
  7. 【請求項7】 上記スラストプレートは、コイニング加
    工可能な材料からなり、上記スラストプレートの表面に
    コイニング加工により動圧溝が形成されてなる請求項5
    記載の動圧軸受装置。
  8. 【請求項8】 上記動圧軸受装置は、上記軸が回転軸で
    ある軸回転型の動圧軸受装置か、上記軸が固定軸である
    軸固定型の動圧軸受装置かのいずれかである請求項7記
    載の動圧軸受装置。
  9. 【請求項9】 上記スラストプレートの圧入部は、上記
    動圧溝が形成された表面よりも厚さの薄い中心部を備え
    ており、上記中心部に上記逃げ部が形成されてなる請求
    項7記載の動圧軸受装置。
  10. 【請求項10】 軸と、この軸に直交する方向に取り付
    けられスラスト動圧軸受部を構成するためのスラストプ
    レートと、上記スラストプレートに対向する軸受部材に
    形成された動圧軸受部とを有し、上記スラストプレート
    と動圧軸受部との間の潤滑流体を介して動圧を発生させ
    るようにした動圧軸受装置の製造方法であって、 上記スラストプレートまたは上記回転軸の圧入部に、圧
    入時の軸方向への応力を吸収するための逃げ部を少なく
    とも周方向に2ヶ所形成しておき、 その後、上記スラストプレートを上記軸に圧入すること
    により、上記スラストプレートと上記軸とを一体化する
    ことを特徴とする動圧軸受装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 上記スラストプレートの表面に動圧溝
    をコイニング加工にて形成するとともに、この動圧溝形
    成と同時に上記逃げ部を形成するようにした請求項10
    記載の動圧軸受装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 上記スラストプレートは銅系の材料か
    らなり、上記逃げ部は周方向に等間隔に形成されてなる
    請求項10記載の動圧軸受装置の製造方法。
JP2001038400A 2000-03-03 2001-02-15 動圧軸受装置およびその製造方法 Withdrawn JP2001317545A (ja)

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